バイクキャリア回想☆私とキャンプツーリングの出会い

2005年 大分県佐伯市 波当津海岸キャンプ場

バイクは16から乗っているのでバイクキャリアは30年以上になりますが、最初の10年くらいは峠やサーキット、バイクカスタムや林道走行などに夢中でした。本格的にツーリングをするようになったのは2000年にジェベル250GPSを購入した辺りからです。なので北海道ミツバチ族ではなかったし日本一周を経験した若者でもなかったのですね。

そして2003年にはじめてのBMW、F650GS Dakarを購入したのをきっかけに「とにかく遠くへ行きたい」「行ったことのない場所へ行きたい」という欲望が湧きたってきたのです。

F650GS Dakarはそれまでに乗り次いできた国産メーカーバイクと違い、とにかく長距離が楽しいと感じるバイクでした。見た目はフロントに21インチホイール、カラーはパリダカールのBMWワークスのレプリカなのでラリーマシン見えますが、想像をはるかに超越したツーリング性能に感銘したのを覚えています。

F650GS Dakarを購入し裏磐梯や信州の林道など日帰りで行けるところは弾丸で走りまくり、1年で3万キロくらい走ったと記憶しています。そして翌年には「北海道ツーリング、行ってみたい!」と思うようになりました。

2005年 北海道 礼文島

しかし北海道へツーリングとなると最低でも5日間くらいの予定を立てる必要があります。泊まるところはどうしようか…?普段、仕事で安いビジネスホテルをよく使っていたので同じようなホテルが北海道の各所にあるだろうからそうするか?とも考えましたが、それでは面白くないし経済的にも負担が大きい・・・と思い「やっぱり北海道ツーリングするなら絶対キャンプだな」となったのです。この時はまだユースホステルとか旅人宿といったものは存在自体知りませんでした。

「キャンプツーリング…大丈夫だろうか?」

実のところ、それまでの私は子供の頃も含めてただの一度もテントで泊まったことなどないキャンプ未経験者だったのです。

それでテント、寝袋、マット…と必要と思える道具を一通り揃え、8月のお盆休みに有給休暇を足して大洗から苫小牧へと旅立ったのです。今になって振り返ると初めてのキャンプ、初めての北海道ツーリング、どうして友達を誘わず一人で行こうと思ったのか?よく覚えていませんが根っからの単独行動派なのか、特に不安を抱くこともなく一人旅を決意しました。




それとせっかく北海道にツーリングに行くのだから、カメラくらいちゃんとした物を持って行こうと思い当時はまだ草創期だったデジタルカメラ、その中でも立派なカメラであるFujiのFinePix S602というカメラを買いました。出かける前に勉強したのは取扱説明書だけで、露出補正くらいは使えるように操作を覚えておきました。

何事も「初体験」とは特別なものですよね。北海道をバイクで走ること、キャンプすること、景色の写真を撮ること。もう若者とは呼べない年齢でしたが青春の残り香をF650GS Dakarの排ガスにまぜて北の大地を走ったのです。今になって回想すると私の人生の中で「特別な旅」と呼べる経験になりました。

渡道して2日目でいきなり試練が待っていました。雨です。8月とは思えない寒さに冷たい雨。雨の中をバイクで走ったことは何度もあったけど、あまりツーリングをしなかった自分にとって長時間の雨天走行はこの時が初めてでした。朝から夕方までずっと雨を走り、やがて下着まで湿っぽくなった頃、もう帰りたい…惨めな気持ちで心が折れかけました。たまらず駆け込んだ道の駅のような場所でトイレに石油ストーブが焚かれていたのをよく覚えています。

「8月なのにストーブ…」

美深をぬけ天塩川沿いに北西に走ると日本海が見えてきてオロロンラインへ。そこで急に晴れてきて強烈な夕陽に冷えた体温が一気に上昇するようでした。

今日、テントでちゃんと寝れるだろうか?と心配はしましたが長時間走行による疲労で缶ビール一本を開けたら失神したように朝まで眠りについたのを覚えています。はじめてテントで寝るのにあんなに熟睡するなんて…とても奇妙でした。

ずっと憧れを抱いていた日本海オロロンライン。あいにくの曇天でしたが気のすむまで走ってから、オホーツク海を目指して東へ走りました。その後、道北スーパー林道や風烈布林道などオフロード走行を楽しんで次々とキャンプ地へ移動。そして道東エリアへ移動する頃には夏休みにバイクツーリングにきたサラリーマンからバイクで旅をする一人の旅人になったと思います。




北海道の雄大な大地、表情豊かな空、千葉とは全然違う見たこともない海岸風景、鹿やエゾリス、錆びたトラクター、ボンネットのある大型トラック・・・目にうつる何もかもが新鮮で感じたコトのない何かが心の中で騒いでいました。

カムイコタン、ポンポロト、ヌプントムラウシ、チッポマナイ・・・アイヌ由来の地名も特別な場所に来たのだという気分にさせてくれました。それは今になって考えれば異文化に触れた刹那に潜在的な旅心が反応を示したのだと思います。

人との出会いも格別でした。スタンドやお店などで会う地元の人との何気ない会話などに、日常では感じない人の温かみを感じ、同じ道の先を目指す旅人達との出会いは絆のようなものを感じました。全てが楽しかったし嬉しかった。

そして気に入った風景を見つけては無心でシャッターを切って「忘れまい」と写真にしました。そう、私の原点はこの素晴らしい旅を忘れまいという記録から始まったのです。

恐らく多くの人も同じだと思います。忘れてしまっては寂しいから、だから写真に撮っておく。ブログではただの記録写真じゃつまらない…なんて言ってきましたが、やっぱり写真の根っこは記録なんだと思います。

2006年 北海道富良野

キャンプは当初は経済的な意味で選んでいた宿泊手段でしたが、雨や予想外の寒さなど快適ではないところに本当の「旅」を教わったと思います。野外で夜を明かす行為とは人類にとって原始的であり、旅と共に文化を反映させた人類の本質はキャンプという行為に凝縮されている気さえします。

美味しい食べ物も名湯と呼ばれる温泉も、たまたまあれば頂きますが、この当時から私の最大の目的はそれではありませんでした。移動をすること、キャンプをすること、風景を切り取ること。これが私にとっての旅であり、私らしい私の旅を最大限に楽しむのが唯一の目的です。

今でこそキャンプ場でまったりキャンパーをしけこむ時がありますが、そもそもキャンプツーリングは旅らしい旅をするためのシンプルで身軽な宿泊手段だったのですね。

2006年 北海道 昆布森 来臥止キャンプ場




北海道の旅から帰った私はもう別の人間になっていました。会社に出勤して以前のように仕事しても、何だか自分の居場所はもう此処ではないような気がしたのです。その時は気が付きませんでしたが、もう旅の魅力に憑りつかれていたのですね。

北海道で撮ってきた写真は思いのほか良く撮れていて、プカプカと白い雲浮かぶ青空、牧草の香りがしてきそうな緑の写真がたくさん撮れていました。中でも知床で撮ったキャンプ場の夕日の写真がお気に入りで、それを試しに雑誌アウトライダーのツーリング写真コンテストに応募したら、大きく掲載されて高評価だったのです。これが今の自分を形成している全ての始まりです。

その翌年も、そのまた次の年も、夏になれば北海道へ走りに行きました。北海道以外にも東北、信州、四国、九州も走り、ついには会社を辞めてしまい、沖縄の石垣島までF650GS Dakarを走らせました。経験を積むほど旅の内容は充実し、キャンプも写真も進化を遂げました。やがて自分なりのこだわりが芽生えただのサラリーマンだったくせに旅人風をふかせるようになったのです。

 2006年 高知県四万十川キャンプ場

そこから20年近く経ちますが、今の私は大きくは変わっていません。いや…むしろバイク、キャンプ、写真というキャリアについては何らかの進化はあるかもしれませんが、肝心の旅心はすっかり青春の残り香を燃やし尽くし、純粋さのカケラすら無いようです。そう、失ったのは青春とか純粋さといった心の時めき。旅に対する憧れや人との出会いなども気が付くと意識していない自分がここにいます。

時めきを取り戻す唯一の手段は知っています。それはまだ撮ったことの無い傑作ツーリング写真を撮ることです。もし願いが叶うなら自分の人生の中で一枚でいいから、最高傑作とよべる一枚のツーリング写真を撮ってみたいです。ただの幻想に終わる可能性は高いです… しかし、それがあれば自分がこの世界にいた意味が生まれる気がします。そしていつまでも旅心に時めきを抱いて生き抜くことができるのです。

だからまた旅に出たいです。

一枚のツーリング写真を求めて。

2018年 北海道 宗谷丘陵 白い貝殻の道

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今さら聞けない写真のイロハ コントラストって何?

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、写真を楽しまれていますか?写真は現代となっては誰もが撮る当たり前の文化ですが、ただの記録写真ではなくぜひARTを意識して楽しまれてください。自分が芸術家の一員になった気持ちでやるとそれだけで違った作品が撮れるかもしれませんよ。

そう作品・・・ただの写真ではなく作品です。どんなに稚拙だなと感じても自分がARTを意識して一生懸命に撮ったものなられっきとした作品です。なぜなら貴方の見た一瞬のツーリング風景…それを切り取った写真とは記憶風景と重なり人生の財産へと昇華するからです。…いつか人生を振り返る時がきたとき、一枚の写真からバイク旅で見た一期一会の風景に深い想いを馳せるでしょう。

【あの日あの時、写真を撮ったからこそ記憶に焼き付くツーリング風景】私はいつもこんな言葉を大切に写真活動をしています。忘れちゃったら寂しいですものね。

さて今回は写真ビギナー向けに写真の基礎的なこととしてコントラストについて書いてみたいと思います。コントラストと聞くと誰でも一度は聞いたことのある単語だと思います。写真にはいろいろな用語がありますが例えばラチチュードとか回折現象とか難しいのがいっぱいあります。

でもコントラストなら…ご存じですよね??

コントラストって何???

EOS6D Mark2

なに?知らない?・・・大丈夫です、そんな貴方は今回の究極のツーリング写真で覚えちゃいましょう。コントラストとは「コントラストのある写真」などよく言われますが、一般的に写真内で明るい部分と暗い部分の差が大きいことをいいます。

差が大きいことによってメリハリがあり見る人に印象を与える心理的な効果があります。これは明るさに限ったことではなく、鮮やかなものと無彩なもの、派手なものと地味なもの、大型バイクと原付バイク、雄大な大地にぽつねんと一つの人影…とか。これらもコントラストとして印象効果があります。

背の大きい人と小さい人が2人一緒になっていると印象的ですよね。むかし仕事で取引先と待ち合わせをしていた時にこんな出来事がありました。そのお相手はけっこうな大きい会社なのにやってきたのは社長さんと一般社員さんの2人だったのです。普通は直属の上司を連れてきますよね。あるいは重要な取引なら役員と部長クラスとか。このギャップがとても印象的だったので今でもよく覚えています。




コントラストとは別の言い方をするとギャップが激しいことです。闇と光があるからこそ感動を受ける心理です。その昔、北海道ツーリングで冷たい雨に長時間打たれながら走り続け心折れそうになったとき、夕方になって突然晴れて美しい夕陽が現れました。黄金に輝く空が路面の水たまりに反射して、その美しさが心にしみわたり涙が出そうな想いをしたものです。もし雨に打たれて走ってきた経緯がなければ、それほど大きく感動はしなかったかもしれませんね。

EOS6D Mark2

言葉の使い方にもコントラストのようにギャップを利用した方法があります。例えば異性に好意を告白するとき「あなたのことが好きです」と言うよりも「嫌いになれればよいのに好きという気持ちが打ち勝ってしまう」と伝えた方が相手の心に強く響きます。「嫌い」と「好き」の相反する両者が一文に入ったことでギャップ(コントラスト)が生まれたのですね。

このように人は心理的にギャップを受けた時に強い印象を受けるものなのですね。一枚目の写真は強い逆光を受けての夕日のシーンですが、この写真に何か感想をつけるのであれば…そう「ドラマチック」ですよね。ゴールデン洋画劇場のエンディングみたい、という感想の方も多くおられますが、多くの方がそう感じるのであればゴールデン洋画劇場といえばこのシーン、と皆に強く印象に残されているという事ですね。

写真を見る人に印象を与えたいときに有効な「コントラストのある写真」。ではそういった写真を撮るにはどうしたら良いのでしょうか?

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

この3枚の写真をみて勘の良い人は既にお気づきかと思いますが・・・そうです逆光で撮るのです。明るいところと暗いところ、写真用語ではハイライトとシャドウと言うのでこのワードは是非覚えてください。ハイライトとシャドウによる写真への演出、それを得るには太陽光の存在が欠かせません。

ツーリング写真は基本構造は風景写真です。コントラストのある風景写真を撮るには晴天時、しっかり太陽光が出ているとき、順光(太陽を背にした)を避けて逆光、斜光で撮ればコントラストは得られます。




EOS6D mark2 + EF35mmF2 IS

またはこの作品のように被写体などの影になっている部分を使う事でコントラストを得ることができます。太陽の向きと被写体の位置関係を意識すれば、このような写真はそれほど難しいものではありません。

逆光などの強い太陽光、あるいは日陰と日向の両方に向かって果敢にレンズを向けて撮るのですから、カメラの評価測光(AE)はイメージ通りに機能しない場合が多いです。その場合はイメージに合わせてしっかり露出補正を行いましょう。

コントラストのあるツーリング写真を撮る場合のポイント

ハイライトとシャドウ、この両者で演出するツーリング写真。以前に究極のツーリング写真ではカメラには写せる明るさの範囲があり、それをダイナミックレンジと呼びます、そしてその範囲には限りがあるものです・・・という解説をしました。

強烈な逆光ではハイライトかシャドウ側のどちらか一方(あるいは両方)はダイナミックレンジの範囲を超えて写せない(データでは0:真っ黒、255:真っ白)状況が発生しやすいです。黒ツブレ、白トビなどと呼びます。原則としてこういった現象が発生しないよう構図と露出をコントロールする必要があるのですが、これはビギナーの方には少々難しいので知識の片隅に置いておいてください。

簡単なポイントとしては画面内においてシャドウ部とハイライト部で構図にアンバランスがないか意識することです。上の倒れた漁船の作品を見て頂ければ分かりますが、シャドウ1:ハイライト2の比率で3分割されています。これが1:1だったり位置関係に秩序がなかったりすると、高コントラストの写真は例え露出補正しても、いとも簡単に失敗写真となります。

コントラストは必ず必要なの?

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

一般的に写真にコントラストはあった方が良いと言われますが、自由表現が許されたARTの世界なのですから絶対ではありません。そもそも天気が悪く曇天や雨天だったらコントラストのある写真が撮れません。

上の写真は低コントラストの作品で天気は曇天です。色付いたイチョウの様子を表現するのに作ったイメージはふんわりと柔らかさのある写真です。このように低コントラストで表現する写真の多くは力強さと相反する「やさしい」「やわらかい」という女性的な印象の写真です。

低コントラストの写真をイメージした場合、露出設定でハイキー(全体が明るめ)とし、レタッチでは明瞭度を下げてフォギーな仕上げにしてみましょう。




EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

コントラストが低ければ「フラットな写真」などとも言いますが、ただフラットなだけでは印象が薄い写真になってしまいます。見る人に伝えるための演出の1つとしてフラットな場合は露出や色、明瞭度などを調整して表現しましょう。上の作品の場合は緑の仕上げ具合とホワイトバランスを慎重に調整した表現です。高コントラストもフラットもその景色、その被写体にぴったりな表現はどれであるか?を作者なりに考えて選択するのですね。

いかがでしたか?知っているようで知らない…写真のコントラスト。辞書で調べると並置されているものごと、近縁のものごとが大きく異なっていること。色、トーン、形などの差異。とあります。

私はよく裏磐梯にツーリングに行くのですが、ゴールドライン、レイクライン、白布峠とワインディングを堪能し、その興奮が冷めぬ直後に諸橋近代美術館でART鑑賞をするのが大好きです。バイクを降りた直後のドーパミン、アドレナリン分泌状態で静まり返った美術館でエンドルフィン、セロトニンを分泌し快楽の報酬物質の悦にひたるのです。同じことを箱根でもやったことがあります。芦ノ湖スカイライン、伊豆スカイラン、ターンパイクなどを走ってポーラ美術館に行くのです。このギャップが最高の快楽ですのでぜひ皆さまも試してみてください。

写真におけるコントラストのお話でした!!

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ツーリング写真 写真ビギナー向け構図のヒント

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、コロナ渦の日常を如何お過ごしでしょうか?仕方ないことですが今年のモーターサイクルショーも開催中止となってしまいましたね。せっかく盛況なバイク業界ですが「見て触れて」がコンセプトの同展示会なので安易に物に触れることのできないコロナ渦では止む得ませんね。

ところでカワサキがメグロブランドを復活させてメグロK3なるニューモデルを出しましたね。私のような年代のライダーにはかなり響くバイクです。

見たところ従来からあった人気モデルW800と同じバイクに見えます。簡単に調べてみましたがメグロK3とW800の相違点はタンクのペイントやメッキが特別仕様であること、往年の七宝焼きエンブレムをアルミ型押しで再現したところ、そしてアップハンドルなことでしょうか。あとはシートの表皮やメーター文字盤など主に意匠に関わる部分ですね。

このアップハンドルはかつて仕事で何度か乗ったことのあるW800のアップハンドル仕様(W800ストリート?)とよく似ています。バイクとは不思議なものでハンドルの高さひとつで乗っているときの景色が激変するものです。スポーティーなセパレートハンドルは道を中心に見る視点、アップハンドルは景色を見る視点、ローライダーにエイプハンガーなら空を見上げるような視点。ハーレーがプルバックやドラッグバーなど様々なハンドルを用意しているのはカッコ良さの他にライダーに見てほしい景色を意識しているのかもしれませんね。

ともあれメグロK3、バイク旅が似合う素敵なニューモデルですね。もしこれに乗ったら排気量を聞いてくる高齢紳士との会話もはずむことでしょう。「昔はメグロや陸王がのう~」「えっ、おじさん何をおっしゃいますか!メグロと言ったら最新バイクですよ!」と。




EOS6D Mark2 + EF35mmF2 IS

さて今回はツーリング写真の構図のヒントとして、ビギナー向けに簡単な内容を書いてみたいと思います。

上の写真は毎度、私のホームである南房総の漁港です。漁港には海、漁船だけでなく杭、ロープ、浮き、錆びたドラム缶など様々な物が存在します。構図を整理するのが難しい反面、トレーニングには最適ともいえます。

ここでは最初に空の表情が爽やかだったので少々引いたフレーミングで場所の雰囲気を優先してみました。よく「被写体にぐっと寄るのが基本」などと言われますが逆に少し引くことで「そこに存在していた」「その場所の雰囲気」が表現されるので覚えておきましょう。

しかし、この撮り方だと何か釈然としません。どうやら最初のイメージで空に注目したのが良くなかったようです。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2 IS

そこで2mほど前進して赤い舫綱に寄ってみました。いつも同じようなことを書いてしまいますが、イメージを作る際に風景や被写体をよくみて特長をとらえ、それが心の反応とどう関係するのかを考えてみましょう。

この撮影場所の場合、舫綱が赤色であることがユニークな特徴の1つです。赤とは特別な色で人に強い注意意識を持たせる力のある色です。これに寄って前景とすることで作品の舞台に屋台骨として支える構造を作りました。




よし、これだな!と納得できた瞬間、不思議なことに雲に隠れたいた太陽も出てきて、風景に適度なコントラストが入ってくれました。

15年以上もツーリング写真をやっていますが、いまでも撮影場所に着いた直後はどう撮っていいのか分からないものです。よく見てよく感じ取り、好きなものユニークだと感じたもの、あるいは「もの」ではなく「こと」に意識してみたり、光や影、空気などを見極めたりすると少しずつヒントが見えてきます。まずは写真家眼とハートサイドで景色から感動を受け取ります。そして表現の引き出しからsearchしてchoice。ベストなアングルは足で試行錯誤です。

今回は構図を作るためのプロセスとしてのほんの一例にすぎませんが、ビギナーの皆さんも良く見て試行錯誤をしてみてくださいね。きっといつかその写真に理由が持てるようになります。




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カメラ業界の闇とスマホ写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、世の中が未知のウイルスに侵され、私たちの平穏な暮らしが脅かされていますが心身ともに健康にすごされていますか?「心身ともに健康」とは本当に大切なことで食事や運動に気を遣っていても、過度のストレスや大きな悩みを抱えたままにすると心の病を患うものです。心の病は一度悪くすると簡単に治らないのだから厄介なものですね。

少しでも異変を感じたら無理をしないで休むこと…いや敢えて分かりやすく言うとサボるのが良いと思います。適度にサボる、少しだけ怠けてみる、そう…「少しだけ」という自分なりの裁量で立ち止まったり休憩することは本当に大切です。真面目な日本人は「少しサボろう」が苦手なのだと感じます。私は違いますけど。

それと毎日暗いニュースばかりを見ていると滅入ってしまうので、たまには情報を遮断してテレビやネットニュースを見ない日をつくるのも良いと思います。

さて今回は少々大げさなタイトルですが日本のカメラ業界と写真文化について、そしてスマホのカメラ機能によって変貌を遂げてきたスマホ写真について、独り言風に綴ってみたいと思います。

突然ですがヤフオクなどで中古カメラを買われている方は、こんな出品物を見たことはありませんか?大量のカメラやレンズのセット販売です。多くはフィルム機からデジカメ初期のもので、どれも普及モデルが多いと感じます。はじめて見た人は「なんだこりゃ!?」って感じですよね。

スマホのカメラ機能が進化しカメラが売れなくなってしまった現代。みんなが「もうカメラは要らない」と言って売りに出しているのでしょうか?いいえ…違います。

これ、遺品なんです。私は以前にリサイクル品のECサイトでカメラマンの仕事をしていた時があったのですが、こういったカメラ大量セットはかなり頻繁に買取店舗から入荷するものでした。

故人が生前に愛用していたカメラ達…四十九日を過ぎてご遺族がコレクションなどと一緒に買取店にまとめて持ち込むのです。5台10台はざらで30台くらい持っていた方もいました。こういった遺品を集めて置いておく在庫ヤードは、深夜まで残業していると何やら幽かな気配を感じたものでした。




ここで言いたいのは日本の嘆かわしき写真文化への苦言です。これだけ人にお金を使わせておいて、カメラメーカーさんはさぞ儲かったでしょうね。故人が生前にこれだけのカメラやレンズを購入して果たして納得のいく「良い写真」は撮れたのでしょうか?撮れたなら良いです。でも、買い替えても買い替えても…を繰り返していたということは、願いがなかなか成就せず、カメラを買い替え続けていたのではないでしょうか。カメラメーカーの「新型のカメラへ買い替えればいい写真は実現しますよ!」というプロパガンダに洗脳されて…です。

カメラメーカーは何十年も前から現在に至るまでやっていることは同じです。新型のカメラの宣伝方法は「圧倒的な描写力」とか「表現力の云々」とか「繊細な美しさ」といった写真クオリティに関わるワードで消費者を誘惑してきました。もちろんカメラが好きな人に向けたメッセージはこれで良いかもしれませんが、写真が好きな人には混乱を招く表現です。あたかもそのカメラを買えば「あなたも明日からいい写真が撮れます」と騙しているようです。

テクノロジーの進化と「いい写真」は必ずしも関係しているとは言えません。もしそうであればアンセルアダムス、ブレッソン、ソールライター、ロバートキャパなどの先人が生み出した名作写真は、現代で見れば駄作になるはずです。そんな訳はないですよね。

もちろんカメラメーカーも利益が必要な企業なわけですから、利益のためには一台でも多く製品を売る必要があります。私も長い間、メーカー系で働いていたのでそれは理解できるのですが、写真文化を育むことや写真の楽しさを広めることに失敗したのは明らかだと思います。もし写真文化の繁栄に成功していれば今頃は写真は「上手い下手」「美しい美しくない」ではなく芸術分野で絵画と肩を並べるARTとして認知され、カメラもちゃんと一定数は売れているのだと思います。

遺品カメラコレクションの在庫ヤードから深夜に感じる幽かな気配。それは「いい写真が撮りたかったのに撮れなかったではないか!」という亡き持ち主達の無念のように感じてなりません。

私の場合はメイン機をEOS6D Mark2 などと言う(流行らない光学ファインダーのデジイチかもしれませんが)立派なフルサイズカメラを使っていますので、最新のカメラや高級なレンズなどに精通している人間なのだろう…とよく誤解を受けますが、バイクを愛するようにカメラを愛するということは無いです。

カメラ、レンズはあくまで【頼もしい道具】です。絵描きさんなら筆や絵の具、音楽アーティストなら楽器や機材ですね。何でもいい訳ではないけど、作品を生み出すための大切な道具。自分にとって必要な機能と、信頼性があるもの。そして使いやすく手に馴染み「お気に入り」といえる旅の道具が私にとってのカメラです。

これはキャンプツーリングの時に撮ったスマホ写真です。到底「作品」などと呼べる写真ではなく記録として撮った普通の写真…いや画像ですね。太陽に近い場所が飛んでしまいましたがクオリティ上は大きな問題はありません。

このように記録、記念の写真を綺麗に撮るだけなら今や誰でも持っているスマホで十分な時代です。【綺麗に撮れる】が良い写真であると言い続けてきたカメラメーカーは、この【綺麗に撮りたい人々】のパイを丸ごとスマホに持って行かれてしまったのですね。カメラが売れない時代になってしまった背景はここにあります。

カメラメーカーも早い段階でこれが分かっていれば、日本の写真文化の発展に別のアプローチができたかもしれません。その場合、決して「綺麗に撮る」とは言わないでしょう…。

先ほどの写真、構図が平面的だったので立ち位置を変えて手前がテント、奥がR1200GSという構図に変えてみました。このように2つある被写体は横一線に並べないよう配慮するだけで奥行のある構図が作れます。アングルが変わったので空の飛んだ部分も画面外になりました。一方、R1200GSのスクリーンに入ったハイライトが線になってしまいました。ここ、スマホで逆光を撮る時の注意点なのですがレンズに汚れ(手の脂やハンドクリームなど)があったりすると出やすいので撮る前に拭いておきましょう。またレンズの周囲を片方の手で覆い簡易的なレンズフードを作ってあげることで軽減もできます。




iphone7

これもスマホで撮った写真です。まあまあ綺麗ですよね。こういったシーンでの記録写真だけで良ければ本当にカメラなんてもう要らないと言えそうです。スマホにはまだまだ弱点もありますが、苦手なことを強いないよう工夫すればART写真だって撮れてしまいます。

苦手なこととは例えば超望遠、強烈な逆光、暗いシーン、深度やピント位置を任意でコントロールしたい…といったものです。もちろん機械的なシャッターが無いのでシャッター速度で演出することも出来ません。しかしスマホ業界はカメラと違って膨大な開発費を投資できるので日進月歩で進化を遂げています。夜景や星空が一眼レフで撮影した写真と見分けがつかないほど良く撮れるスマホは既に存在しています。

シャッター速度や絞りで表現するようなこともソフトウェアで解決する方向で進化しています。既に現行機種のiphoneなどは一眼レフのような背景ボケの画像が作れます。

EOS6D mark2 + SHIGMA12-24mmF4.5-5.6DG




じゃあリアルなカメラは本来はどう在るべきだったのかな?とふと考えてみました。写真に興味を抱いたユーザーに写真とはこうですよ、と優しくフォローするAIを搭載したカメラなんて良いかもしれませんね。

スマホと違いあくまで光学的なアプローチで作品を演出するカメラ。しかし写真の入り口に立ったばかりの人にそれを理解するのは難しいものです。そこでAIがユーザーの性格や好み、行動パターンなど予め入力した情報をもとに、的確にエスコートをしてくれるのです。そして一緒に旅をした軌跡をユーザーと共有し、旅と写真をセットに楽しむカメラなんてどうでしょう?

スマホに【アクティベイト(Activate)】ってありますよね。新しく買った時に最初にやるやつです。そのオーナーの物として有効に、活動的な状態にするという意味です。しかしカメラにはアクティベイトはありませんよね。強いていえばカメラユーザー名を入力すること。あとは頻繁に使うような機能をショートカットとしてFn1やFn2に割り当てるくらい。昔も今もカメラはあくまで無機質なメカに過ぎず、撮影者の気持ちなど知る由もないのです。

もしカメラにユーザーがアクティベイトしたAIが搭載されたら…。上達へのサポート、困ったことの解決案、手ブレやピントズレなどの指摘、GPS機能を使ったロケーション管理、被写体の位置関係や水平垂直、黄金比を目指した比率など…画像処理しAIが構図の具体案を出してくれるのです。右に動いて、チョットしゃがんでとか先ほどのキャンプシーンの例のように、AIがしゃべってくれる…そんなカメラはどうでしょう。

そしてAIプログラムの元は何人かの有名写真家が手掛けたもので、ユーザーは好みで〇〇先生のAIが選べる。またはネット上でユニークなAI先生をダウンロードできるとか。もしそんなカメラがあったら写真ビギナーの人も「写真って楽しい」ってすぐに感じるのでは?と思います。現代的な写真文化の発展ってこういうことではないでしょうか。

おっと、長くなったので今回はこの辺で!!

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究極のツーリング写真運営者 写真家 立澤重良の令和三年の抱負

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、もう初走りはされましたか?緊急事態宣言が出されているさなか、ツーリングどころではない!というご意見もあるかもしれませんね。緊急事態宣言の直後は「夜8時以降の不要不急の外出は自粛」とのことでしたが2、3日前から日中も外出は控えてとかランチも感染リスクが高い…とお上から通達があり、当初と違うことを言い始めたので多くの人が困惑していると思います。

私個人の考えとしてはバイクソロツーリングであれば感染リスクは少ないですし、田舎道を走るだけの日帰りツーリングであれば問題ないと考えます。昨年春の緊急事態宣言時と違って色々なことが分かり、感染対策は個々でも十分にできるはずです。

「もし事故にあって病院のお世話になったら迷惑だ!」という意見もあるようですが、そこまで言ってしまうと本当に何も出来ないと思います。もちろん普段以上に安全運転を心がけることは大切ですが、コロナ渦だからといって全くバイクに乗らないのは少し違うと思います。

それでも心配だ…という方ははじめて走る場所に行くのではなく、走りなれた近場のツーリングルートを選び、昼食はお弁当持参、スタンドはセルフ、夕方には帰宅するという計画にするだけで十分な対策をしたと言えると思いますよ。




ということで、寒い日々が続いていますが、この冬、千葉の方はぜひ南房総までツーリングにいらしてください。ご注意いただくポイントは朝は日陰が凍結しているので山間部は避け海沿いルートを走ってください。最南に近づいたら海からの強風と道の堆積砂にご注意を。

EOS6D Mark2

さて、ここで改めまして当ブログ究極のツーリング写真 touring-photography.com とは何なのか?はじめてご来訪された方の為にご紹介させていただきます。

このブログ【究極のツーリング写真】はライダーがバイク旅の世界で見ている旅風景をART写真として表現するためのバイク写真総合サイトです。アップされる作品を見るだけでもOK、私もこんな風に撮ってみたい、という方はツーリング写真に関するノウハウを解説していますので是非読んでみてください。

例えば宗谷岬まで飛行機と観光バスで乗り継いで行くツアーと、雨に打たれ寒い思いをして孤独に走り続けて辿り着いたツーリングライダー。まったく同じ宗谷岬であっても感じ方が異なるため、心に残される【記憶風景】もまったく別のモノになります。

オートバイという乗り物で、露出した肉体が空間を駆け抜けて、快適でも楽でもない移動をひたすら続け、時に惨めな思いや痛い思いをし、ようやく辿り着いた彼の地。それは旅行でもレジャーでもない正真正銘の旅であり非日常です。




だからライダーは本物の旅風景を見ているのです。それを写真にしてライダーがオートバイで旅をしていた時代のワンシーンをARTにして切り取ってみませんか?ライダーがオートバイで旅をしていた時代…と書いたのは…あと10年すればガソリンで動くバイクは売られていないそうです。街からはガソリンスタンドが減ってしまい、ガソリンのオートバイを所有していても気軽に旅には出られないのです。電動オートバイでもツーリングは可能でしょうが、少なくともガソリンのオートバイで旅をする文化は10年ちょっとで消滅です。

下手をすると電動オートバイはコミューターとして実用的なものは成功しますが、趣味としての製品化に失敗し、今みんなが知っているオートバイ文化は消滅する危機さえあるのです。

だからこそ!いまオートバイで旅をするライダーの姿、ライダーが見ている本物の旅風景を写真に残しましょう。ART写真でなくても自分の写真であれば自分で保存しておくことはできます。しかしART写真で表現することによって、自分がこの世を去った後でも永劫にその作品が大切に扱われると考えます。自分がツーリングでみた感動の景色が一枚の作品となり、何百年も先まで大切に扱われるかもしれない・・・そんな風に考えると何だか素敵だと思いませんか?

~オートバイで旅をしている文化をART写真で残したい~

そんな想いをこめて写真の撮り方やツーリング写真のノウハウを私なりに解説しているのが【究極のツーリング写真】です。単にツーリングに行った時にスマホなどで気軽に撮る記念写真とは違います。愛車の写真をかっこよく撮る愛車写真も違います。なぜ俺たちはバイクに乗り続けるのか?なぜアタシはバイクに乗って旅立つのか?バイク旅に対するそれぞれの想いを一枚の写真に投影してみませんか?

そんな少し変わったモトブログ…いや、モトブログではないか。写真ブログが究極のツーリング写真なのです。




私、個人の今年の目標は少し大きなことに挑戦してみようと思っています。

今年はツーリング写真の表現を次なるフェーズへシフトして、より心象風景の再現を追求し、見る人の心に響く印象的な作品を目指したいと思います。今回、記事の冒頭にアップした港の写真は、数日前に南房総の漁港で撮ったツーリング写真です。ここ1年くらいで露出で魅せる方法について少し学んでみました。こんなことをもっと進化させたいですね。

写真のレベルアップはもちろんのこと、それとは別に何かの形で写真関係の講師にも挑戦してみたいと思います。私は最初に就職したメーカー系の会社で専門的なことについて講師をしていた経験があり、以前から写真講師には興味があったのですが礎となるものが固まっていなかったので躊躇していました。しかし究極のツーリング写真で3年以上にわたりツーリング写真のことについてノウハウを書いてきましたので、その経験を生かしてそろそろ講師の方も挑戦してみようと思います。

コロナ渦だからといってこれ以上何もしないでいる訳にはいきません。今年は大きく飛躍したい!という意欲に沸いております。

皆さまもコロナ渦に負けず、この一年は大きな目標を立てて挑戦されては如何でしょうか?

今回はこの辺で!!

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分かりやすい☆ツーリング写真 撮影現場でのプロセス

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、一都三県で緊急事態宣言が発令されていますが如何な日常を過ごされていますか?こんな時は新型コロナウイルスに対する感染予防はもちろんのこと、風邪や胃腸の調子、ストレスなどにも気を遣って健康に過ごすことを忘れてはいけませんね。

つい先日、とあるSNSで久しぶりに派手にレタッチした画像を見かけました。それを受けて「日本じゃないみたい」「どうやったらこんなに鮮やかな写真が!」という称賛のコメントもある一方で「こんなに彩度を上げたらもはや写真ではない」といったネガなコメントも見受けられました。

ほんの数年前まで特にSNS上でよく見かけた過度なレタッチ画像。ネオンブルーの空に蛍光グリーンの木々。どこにも階調や影がなくて良く見ると人の顔が宇宙人のような蒼白さ。パッと見ると確かに鮮やかで印象は悪くありませんがパソコンなどの大きな画面で見ると少々気色悪い…。

こういった過度のレタッチを現在でもやっておられる方はそれなりの信念があってやっていると存じますが、写真の権威から冷ややかな反応を受けるのは避けることができませんね。もはや「写真」から乖離して、そろそろ別のARTを宣言すべき時代だと思います。でないと見る方も混乱しますので。

さて、前置きが長かったですが今回は<初級>ツーリング写真解説として、いつもと趣向を変えて実際の撮影現場において試し撮りのプロセスから作例で解説してみたいと思います。

私の地元である千葉県は房総半島。その最南に近い館山市の周辺をツーリングしていた時のことです。海上自衛隊館山航空基地に2機のヘリコプターが役目を終えて眠りについていました。幼いころ家族でここにやってきて間近でヘリコプターを見て興奮したのを覚えています。もしかしてこのヘリコプターはあの時、私が見た機体なのかもしれません。そう思うと何だか特別な感情がこみあげてきました。

この様子がすっかり気に入った私はこの場所でツーリング写真を撮影することにしました。しかし鉄道や今回のようなヘリコプターなど、特定の被写体と組み合わせたツーリング写真は構図をしっかり練らないと「それがどうした写真」に容易に陥るので注意が必要です。

まずは望遠ズームレンズを使用して被写体の特徴を使って遊んでみました。コクピットのノーズ部分をR1200GS-ADVENTUREのクチバシの間に合わせてパチリ。実はヘリコプターの置いてある場所までフェンスがあるのですが、この絞りだとフェンスが完全に消えてくれません。これはこれで面白い写真かもしれませんが…到底フィニュッシュには至りません。まあ準備体操のようなものですね。




もう一度よく状況を見てみましょう。R1200GS-ADVENTUREとヘリコプターまでの距離は25mくらい。すぐ手前にフェンス。遠景に山と建物。太陽光は冬のトップライト。後ろに下がるスペースは15mくらいありますが、さらに下がりたい場合は堤防に登るので少々ハイポジションになります。

横構図にしてバイクの割合を増やし深度は先ほどと大きく変わらず。…これでは何か釈然としません。どうしましょうか?

バイクの向きを変えカメラポジションを調整しヘリコプターの機体を3分割線(横線)の上へ合わせ、R1200GS-ADVENTUREを3分割線(縦線)の右へ合わせてみました。水平をヘリコプターに合わせたらフェンスの支柱の垂直が出ませんが、ひとまずこれで本番を撮ってみましょう。

あれれっ?!何か変だな。ぜんぜんセッティングした構図とズレた写真が出来上がりました。ライダーの顔が切れていることより、意図して作った3分割がまるごと上にズレたことの方がダメージが大きいです。一体何が起きたのでしょう?




原因はこれです。カメラをセットした場所は岩を積み上げた堤防なのですが、構図を決めている時に自分の体重で岩が少し傾いていたのです。タイマーをセットしてこの場を離れたときに岩が動いてカメラの位置もずれたのですね。

気を取り直して岩が動かないよう構図を決めてから撮影してみました。・・・どうでしょう。やっぱり納得のいく一枚になりません。イメージはこの場所で出会った被写体との理想的な共演ですが叶わないとなれば「設計」つまりイメージがすでに良くないのかもしれません。

試しにピント位置をヘリコプターではなくR1200GS-ADVENTUREの方にしてみました。この場合、画面の左側に手薄感がでたのでライダーの立ち位置を左にして補ってみました。R1200GSの位置にピントを合わせたことでフェンスにも合焦してしまい、垂直が出せない支柱の存在も気になるようになりました。

やっぱり最初のイメージが良くないようです。そもそもこの構想では納得の一枚にはならないと判明しました。そこでもう一度被写体をよく見て最初からイメージを作り直してみましょう。

赤白オレンジの機体、部品が外されて放置されている様子、機体に書かれた海上自衛隊の文字、日の丸と66の数字…




EOS6D Mark2

日の丸マークと66の数字を主軸に三分割構図を作ってみました。ぐっと引き寄せることで部品が外されてパレットに乗せられた様子が明らかになり、「もう飛べない」という表現ができました。ここまで切ってしまうとヘリコプターなのか何なのか少々分かりにくいですが、少なくとも航空機っぽさは残っているので大丈夫かと思います。

バイクやヘルメットの各所に入ったハイライトは玉ボケとして演出に一役買っています。フェンスは完全には消えませんでしたが、十分に存在感を落とすことが出来たので見ようによっては1つのパターンとして捉えることができます。縦構図で画角を切り詰めたので気になっていたフェンスの支柱も画面外です。

いかがでしたか?当初はヘリコプターを見つけたことで「ヘリコプターと撮るぞ」という見つけた事実に引っ張られていましたが、写真家眼で被写体を見極めてハートサイドで表現のヒントを探し、持てる引き出しから適切な方法をsearchする。その結果、今回の答えは「ヘリコプターと撮るぞ」→「飛べなくなったヘリコプターに出会った」となりました。Story性があるのは断然後者なのはお分かりいただけますよね?

日の丸と66に注目して構図を作ったのはあくまで写真の構造です。引き寄せたことでヘリコプターがここで眠る様子が伝わったことの方が写真としての効果は大きいです。

今回はちょっといつもと変わった視点で解説してみました。自分には難しいかも…と思った貴方、大切なことは納得のいくまで撮り切ることです。悩み考え、被写体をよく見て粘ってみましょう。結果、いい写真にならなかったとしても、そのプロセスが貴方を成長させてくれますよ!

今回はこの辺で!

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ツーリング写真ギャラリー 月とバイク旅




EOS6D Mark2

2020年12月31日 早朝

館山市のキャンプ場から満月をながめる。

沈みゆく月の先には富士山。

ここは家から遠い場所ではないけれど

それでもこんな風景を見ると旅をしていると感じる。

そしてこの瞬間を一枚の写真として残したい。

いい作品になるか分からない。誰かに見せて感動してもらえるような

立派な写真になるか分からないけど。

自分のこの手でシャッターを切ることに何か意味があるのだと感じる。




EOS6D Mark2

背後の太陽はのぼり辺りは明るくなってきた。

すると富士山の峰は息をのむほど美しく紅に染まった。

手の感覚が無くなるほど冷たい風が吹き荒れ

海は激しく白波を立てていたけれど。

テントに戻って暖をとる気はまったくなかった。

この様子をずっと見ていたい。




EOS6D Mark2

ショータイムは僅かな時間で終わったけれど一生心に残る風景を記憶に刻むことに成功した。

一生心に残る・・・とは写真を撮ったからこその「私だけの記憶風景」のことだ。

いつもバイク旅で思うこと。なぜバイクに乗って旅をし風景を写真にするのか?

それは…

あの日、あの時、写真を撮ったからこそ記憶に刻まれる心象風景

いつか人生の終末を迎えたとき、一枚の写真が人生の旅路を回想させてくれること。

あの時こうだった、と。

忘れてしまっては寂しいから 記憶風景をいつまでも美しく保ちたいから

美しい写真が欲しいのだ。

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確実に上達を約束する唯一の方法。写真上達の秘密。

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、そろそろお正月ボケも抜けて日常モードでしょうか。新型コロナウイルスは今も感染者数を増やして私たちの日常を脅かしていますが下を向いてばかりはいられませんね。できることを確実にしていつか必ず訪れる平穏を一日でも早く取り戻しましょう。

さて今回はこのようなコロナ渦において、写真のレベルアップをするには何ができるだろう?写真のレベルアップのヒントについて書いてみたいと思います。どこか遠くに出かけたり写真のワークショップに参加したり、そういった事が難しい昨今ですよね。しかし、だからこそ上達のチャンスがあるのです。

それは特別なところに行かなくても良い写真は撮れる!ということです。いや…大胆に言ってしまえば特別なところなんて何処にも存在していなく、いい写真を撮るための桃源郷は身近にもあるのだ、と気が付くチャンスなのです。

EOS KissX7

難しいことは何ひとつありません。とにかく気軽にカメラを持って出かけることです。家の近所や通勤の途中など、貴方の日常風景の中で何か反応するものは無いか?心の声に耳を澄ませて少しでも触れるものがあったら「パッと」撮ってみましょう。

上の写真は会社の健康診断の帰りに都内で撮ったスナップです。いつも鞄の中にはカメラが入っているので、あっと思った瞬間にパッと撮れるように準備をしています。こういった写真をストリートスナップと呼びますが、あれこれ構図などを考えず「瞬間」をイメージして撮る写真です。なにもせず瞬間を切り取る…これがスナップの楽しさであり醍醐味でもあります。強いて何かをしたか?と言えば露出補正を常にマイナス2/3程度にして、都会に存在するビル間の光に露出を合わせていることです。たったこれだけで雰囲気のある写真になるのですから不思議なものです。




EOS KissX7

写真ビギナーの方にとってピントをしっかり合わせる、水平を出す、手ブレしない…といった基礎をこれで学ぶことは出来ませんが、息抜きという意味でも良いですし何より写真の楽しさの原点を知ることができます。

写真を撮る楽しさとは撮影者の見た「それ」が写真になることです。現代人にとってカメラは実に当たり前のように存在する文明の利器ですが、実はカメラが写真にしてくれることは、それだけでエキサイティングなことなのです。

EOS KissX7

いつもでお気に入りのカメラを持って、いつでも写真を撮って楽しむこと。別にうまく撮れなくてもいい。上手に撮る必要はありません。何でもない光景の中に貴方しか見えない何かを掴み取るのです。

ポイントは「もの」を探すのではなく時代、文化、感情、動き、色、それらに光と影が当たった時に心のセンサーが反応する僅かな瞬間があります。それを見逃さないよう慎重に読み取って「あっ撮りたい」という欲望に従順にシャッターを切るのです。その瞬間が美しいと分かったとき、スナップ写真の虜になるはずです。

留意すべき点は見知らぬ人の「顔」というIDを無断で私物化しないよう最大限の配慮をすることです。肖像権などという言葉を多くの人が意識するようになったのは近年の話です。勝手に顔をデジタル化して悪用されることに人々は強い防衛意識をもっています。一方で都会の刹那を切り取ったストリートアートに対する理解は絶望的なほど低いのが現実です。他人の顔を撮ってしまった場合、明らかに風景の一部であればセーフ、顔を対象に撮った写真であればその人の承諾が必要となることをお忘れなく。




写真ビギナーの方が知識や経験以外にベテランと決定的に違う点は感覚です。その画角で写真にするとどの範囲まで写るか?とか、これくらい動いているものを1/40のシャッターで撮ったらどう写るのか?とか、どの範囲までをフレーミングしたらどのような印象の写真になるか?といった完成写真を想像できる感覚です。

感覚ばかりはいくら書物を読んで知識をつけても、いくら名作写真を眺めて何かを学ぼうと思っても、それだけでは全く前進しません。感覚は気の遠くなるような反復練習によって身に付いていくものです。ゴルフやピアノが上達するには知識だけではダメですよね。たくさん練習すれば練習しただけ上達するものです。

EOS KissX7

仕事の日もバイクに乗れない休日でも、いつもカメラを持ち歩いて何かの写真を撮っていれば、写真を撮ることはいつの日か日常になって気が付けば感覚も養われます。あっと思った刹那を写真にすればどんな風になるだろう、これが簡単に頭の中で想像できるようになるのです。




休みの日に景色の良い場所やお花畑や有名な撮影スポットに行くことも、もちろん良い練習になりますが毎日やっている人にはかないませんよね。私は写真についてもっと知りたい、もっとレベルアップしたいと考えていた時期、RICOH GRというカメラをいつもポケットに入れて毎日100ショット以上の写真を撮っていました。その期間で確実に写真について様々なことを学んだと感じます。

今回の投稿でご紹介した5枚のストリートスナップ写真。全て同じ日に撮ったものです。久しぶりにストリートスナップを撮ったのですが、美しいものはいつも身近にあって、それらの「もの」はきっかけに過ぎず核心は自分の内面にあると改めて認識しました。

いくらやっても写真が上達しない…そんな方は撮っている機会が少なすぎる、写真を撮る楽しさを見失っている、撮る対象(もの)を探している…これが原因ではないでしょうか?いつでもお気に入りのカメラを持ち歩いて、日常的に写真を楽しむこと。そして写真を愛する人になること。これこそが確実にレベルアップする唯一の手段だと思います。

騙されたと思って実践してみてくださいね。

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BMW 空冷R1200GS/ADVENTUREの魅力を今、振り返り考察

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、お正月休みも終わってそろそろ仕事初めの方も多いのでしょうか?

今回は久しぶりにバイクの話題、空冷R1200GSについて久しぶりに書いてみたいと思います。昨年からのコロナ渦を受けて感染リスクの少ない趣味として注目されているバイク、ソロツーリング、ソロキャンプなど。特に250㏄クラスの売れ行きが好調のようでバイクデビューする人が増えたそうですね。

バイクブームの到来となると新車市場、中古市場が活気付くのですが今この時代にオススメできるバイクとは何だろう?と考えると、やはりツーリングが楽しめるバイクが良いと思います。スポーツモデル、ネイキッド(今風に言うとロードスター)、アメリカン、オフロード、スクーター、ツアラー、クルーザー・・・いろいろなジャンルがありますが、それぞれにツーリングに向いているモデルがあると思います。

これからバイクを買おうかな?と考えている方、何を選ぶか考えるだけでもワクワクしますよね。コロナ渦においてバイクを楽しむならワイワイとしたマスツーリングやイベントの参加などは許されません…。やっぱり何といってもソロツーリングがお勧め。一人で未だ見ぬ遥かな地に想いを馳せて相棒と旅立ってみましょう。そんなバイク旅にぴったりの一台を探してみてはどうでしょうか?




EOS6D Mark2

ツーリングに向いているバイクと言っても色々あります。見た目はサーキットを走れちゃいそうなスポーティーなバイクでも、実際に走らせてみると長時間でも快適でツーリングに使えるバイクも存在します。私の愛車であるBMW R1200GSは見た目は車高も高いのでオフロードモデルという印象ですが、道を選ばぬスポーツツアラーであると私は思います。

ただツーリングするのではなく旅先の道でしっかり走りを楽しめちゃうバイク。九十九折れのワインディング、トリッキーな舗装林道、自然の中を駆け抜けるフラットダート… 水を得た魚のごとしで素晴らしい走りを見せてくれます。

もちろん荒れた林道や急こう配のガレ場などは無理がありますが、技術さえあればかなり楽しむことができます。

旅をスポーツ感覚で楽しむ…これがR1200GSの面白いところです。とにかくサスペンションが良く動き車体が安定しているのでライダーへの負担は少ないですし、ウソのようにヒラリヒラリと向きを変えてくれるのは最初は衝撃を受けるほどのインパクトですよ。

R1200GSのようなバイクを現代では「アドベンチャーバイク」と呼びますが、BMW以外でもR1200GSのライバルとなるアドベンチャーバイクは存在します。ホンダはアフリカツイン、ヤマハはスーパーテネレ、スズキはV-Strom、KTMやドカティにもありますし、驚いたことに間もなくハーレーからもアドベンチャーバイクが発売されるそうです。

これが間もなく日本でも発売予定のハーレー Pan America です。カッコいいですね。全体のフォルムとしてはR1200GSに通ずるアドベンチャーバイクで間違いないですがVツインエンジンと個性的な顔つきでハーレーらしさも感じます。

バイクといえばまず第一に「おおっこれはカッコいい!」と思えるかどうかですよね。ここ、すごく大事なポイントです。




ハスクバーナ Norden901

カッコいいバイクといえばハスクバーナ、大好きなんですよね。このノーデン901、実物を見たことがありませんが凄く気になります。

発売されて間もないヤマハのテネレ700も良いですね。しかしノーデン901もテネレ700もアドベンチャーバイクと呼ぶよりは、昔から存在していたカテゴリー【ビッグオフローダー】という風格でパリダカのような過酷なラリーを連想するバイクです。BMWでライバルとなるのはR1200GSではなくF800GSとなりそうですね。

しかしこういった新しいモデルが登場するたびに「むむっ良いな!」と思うのですが、なかなかR1200GSから買い替えという発想には至りません。大きくて軽い、よく走りタフで速い、そんな完璧なR1200GS。今の相棒を手放す理由がないのです。なぜ私はここまで空冷R1200GSに惚れ込んでしまったのか…1台は2008年式のR1200GS、もう1台は2013年空冷最終のR1200GS-ADVENTUREとGSを2台も持っているのは普通ではありませんよね。この13年近くで2台を合わせると14万キロ以上もツーリングで使い倒しました。R1200GSは本当に私にぴったりのバイクだと思います。

EOS6D mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

メカが好きだ、というのもBMWのバイクが好きな要因の一つだと思います。四輪の愛車歴はロータリーエンジンを搭載したRX-7にはじまり、最後は空冷フラット6のポルシェ911まで乗ったメカ好きです。次に国産車に乗るならスバルが良いと思っています。




私のようなメカ好きにはR1200GSの空冷ボクサーエンジンやテレレバー、シャフトドライブ機構などの独創的な機構はたまらなく魅力です。信号待ちで足元を見ればいつでも左右に張り出たシリンダーヘッドを拝むことができるのです。

メカが魅力的、それでいてハイテクの介入もそこそこ、懐が深く信頼できる大きく軽いヤツ。キャンプ道具もたくさん積載できますし、R1200GSアドベンチャーでしたら33Lのビッグタンクで600㎞も走ってしまいます。北海道ツーリングでは最強の相棒と言えますね。

もちろんバイクデビューする人がいきなり買うバイクではありませんが、中型クラスでも国産メーカーでアドベンチャー系バイクはありますのでご検討されてはいかがでしょうか。中型バイクや国産大型バイクからステップアップの方は空冷R1200GSの中古車相場もだいぶ安くなってきたので、検討されると良い時期かもしれませんね。

お勧めは2008~2009年式の中期型で電子サスペンションESAを搭載しているプレミアムライン、ESAが不要だという方はハイライン、さらに安く購入できると思います。BMWの中古車は程度の良い個体が多いのも特徴です。高価な純正オプションが既に装着されている車両もお勧めですね。

コロナ後の世界はソロツーリング、ソロキャンプを楽しむ。そのための旅の相棒として空冷R1200GSを中古車で買う…良いのではないでしょうか。

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好きなことを好きなように表現するツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、いかがなお正月をお過ごしでしょうか?もう初詣は行かれましたか?今年は新型コロナウイルスの影響もあって分散して参拝するよう呼びかけられていますね。

私はまだ初詣に出ていませんが、近くに蘇我比咩(そがひめ)神社という小さな社があり、まずはそこに初詣しようと思います。この神社には日本武尊(ヤマトタケルノミコト)に関わる言い伝えがあります。昔、日本武尊が東国統一の勅命を受け、弟橘姫(オトタチバナヒメ)を連れて軍船に乗って千葉沖にきました。その時に激しい嵐に遭遇し「龍神の怒りに触れた」と察した弟橘姫5人は海に身を投じて荒れ狂う嵐を鎮めたとか。そして5人のうちの一人である蘇我大臣の娘が現在の蘇我の海岸に流れ着いたそうです。

海に身を投じた5人の姫。そのおかげで日本武尊は東国に無事に上陸できたのですね。失った弟橘姫を悲しみその地を離れる(去る)ことのできない尊(君)、から「君、去らず」で「木更津」という地名になりました。ちなみに袖ケ浦は姫たちの衣(袖)が流れ着いた海岸であることからその地名がついたそうです。ヤンキーのイメージが少しは中和されたでしょうか…。




さて今回のツーリング写真解説では具体的な撮影ノウハウではなく、前回の投稿で「好きなものを好きなように撮る」と書いたので、そのことについて作例をもとに説明したいと思います。

EOS6D mark2 + EF35mmF2 IS

「好きなものを好きなように撮る」誰が??自分が好きなものです。

よくいい写真を撮るにはどうすべきか?という議論で構図とか露出とか、フレーミングとか比率とか言われますが、そういったものの多くは写真の構造に関わることだと思います。

写真の構造とは見る人がパッと見た瞬間の印象や安定、あるいは表現したい一つのための手法であったり、案内図のように機能させることです。写真という表現において構造はあくまで構造にすぎず核心ではないのですね。

では核心は何か?というとそれを言葉で説明するのは極めて曖昧で、この場で私がこうであろうと言っても多くの方はピンとこないと思います。しかしそれをできる限り言葉にするのであれば、撮影者の好きなモノ、コト、風景であり、その特徴を受けて心が何らかの反応を示した瞬間を一枚にすることです。…よく分からないですよね。

上の作品は私が房総半島をツーリングするときに好んで立ち寄る漁港の風景です。海、漁村、岩場、廃船、港、ハマダイコンの花、漁港の野良猫…これらが好きなんです。この作品の被写体となっている廃船は、昨年の台風15号で倒れてしまいこのような状態になっていました。船主もこの世を去り役目を終えた船体が静かにこの地に眠っている…といった具合に一つの物語に想像を馳せます。

日本じゃないみたい!といった絶景、映えするフォトジェスポット、珍しいものや美しいものを強欲に追いかけるのではありません。それとは対極に誰も見向きもしないようなもの寂しげなものや特段美しくもないが心の琴線に触れるような自然風景。素朴な郷愁感とでも言いますか、とにかく私が個人的にバイク旅に抱いている感情を象徴するような風景や被写体たち。それらに出会うと「撮りたい」という写欲が湧きたちpassionとなり撮影が開始されます。




35mmというレンズは本当にツーリングで出会った被写体を撮るのにぴったりな画角だと思います。メイン被写体となる船体にぐっと寄っても背景の範囲は適度に広角なので、そこが田舎の漁港である雰囲気がよく伝わると思います。この時は太陽の向きに注視し斜光を生かした構図を作ってみました。日向と日陰部分で1/3に区切られているのがお分かり頂けるでしょうか。ここで大切なのは船体の質感で、これが決して爽やかな白にならないよう、露出を慎重に決めています。おそらく評価測光よりも1/3か2/3程度はマイナスになると思います。

このローポジションからのアングルは「横たわっている感」がポイントです。その様子を見守るライダーと、小さく構成したR1200GSはディスクローターにハイライトを入れて存在感を確保。電線&電柱が悪さをしない位置にカメラ位置を微調整しています。ラッキーなアクセントは電柱から飛び立つ瞬間の鳶の存在です。

どうしてそんなゴミのようなものを真剣になって写真を撮るの?…道行く人は不思議そうに私を見ていきますが、これが私の好きなことなのです。本当に美しいのは現実の風景よりも心の風景であると知っているので・・・

 

iphone7

~自分の好きなものを好きなように撮る~

これはいい、そう思った被写体や風景に出会い「〇〇のようだからこう撮ろう」と頭の中で想像する一枚。混沌とした感情の中で「心動かされた一つ」を探し、それをアウトプットしたい願望。

もの言わぬ被写体が旅人に何かを語りかけてくるような刹那を切り取る。そういった心象風景を自分なりに表現することの素晴らしさ。まずは一般に美しいとされているものを追うのをやめて、自身が美しいと感じるものの追求をはじめてみましょう。

その写真を発表したとき称賛もあれば冷ややかな反応もあると思います。これは個人的な表現なので賛否あって当然なのです。反応が薄かった時の寂しさを考えると、どうしても写真を良く見せようと盛ってしまう方向になりますが、勇気を出して「自分の場合はこうです!」という個性を貫いてみませんか?

きっと唯一無二の秀作が撮れると思いますよ。

今回はこの辺で!!




iphone7  上の漁船の場所にて「本当にオマエの写真は個性的なのかニャ?」と問いかけてきた。

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