バイク写真に適したレンズの選び方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回の投稿でツーリング写真、バイク写真におけるはじめてのカメラ選びについて書いてみました。

今回は「よし、では一眼レフでいくぞ!」と決めた方向けに使用するレンズはどのようなものを選べば良いのか?を書いてみたいと思います。

前回もこの投稿も写真のビギナーの方を対象に書いていますので、カメラとレンズの話によく出てくる焦点距離(画角)、あるいはズーム機能のことについて最初に触れておきたいと思います。

望遠レンズで撮った作例

カメラの構造は人間の目によく例えられます。人間の目にもカメラと同様の光学的なレンズがあり、明るさを調整するための絞りもあります。しかしカメラとの決定的な相違点の1つとして目は望遠にしたり視野をワイドにする機能がありません。

そのため写真のビギナーは望遠やワイドで撮った場合、目の前の景色がどのように写真になるのかを感覚的にイメージできないものです。多くの人は望遠は遠くの物を大きくする、ワイドとは撮れる範囲が広がるもの、と知ってはいますがそれをツーリング写真で応用する術を知りません。

望遠や広角をツーリング写真でどう使うのか?これを理解しないとレンズ選びも自分がどの範囲までの画角を必要としているのか決めることができないのです。

1枚目と同じ場所で広角レンズで撮った作例

そこで大まかにツーリング写真でのそれぞれの画角の使い方を解説してみたいと思います。広角、標準、望遠レンズ、それぞれの特徴を生かしたツーリング写真の作例をご紹介しますので、それを見て好みの焦点距離を探ってみてください。

※ここから先の解説では焦点距離を数値で表記していきますがフルサイズ機での表記となります。一般的なAPS-Cセンサーの一眼レフは35mm換算(約1.5倍)として計算してください。

例:EOS KISS、EOS80Dなどに50mmレンズを装着すると81mmになる。

EOS5D、EOS6Dなどに50mmレンズを付ける場合はそのまま50mm。




・広角レンズ

EOS1Dx + SIGMA35mmF1.4ART

24から35mmくらいまでが一般的に広角と呼ばれる画角でそれより小さいと超広角または魚眼レンズとなります。ツーリング写真では風景が主体となるツーリングシーンの作画に活躍するレンズです。

空一面にひろがるウロコ雲、巨大な被写体を画面内に収めたいシーン、砂紋、広がり感、雄大さなどの表現に使います。画面内でバイクを小さく写して景色の雄大さ、偉大さを表現しましょう。

画面の四隅周辺に歪みが出るのでバイクや建物などの人工物を大きく撮ると不自然な写真になります。人物も大きく撮ると太って見えたり美人が台無しになったりします。バイクを美しく、大きく撮りたい人は35mmくらいを広角の限度としてみましょう。

出来あがった作品の印象としては観賞者が写真の世界に吸い込まれるような雰囲気になります。

・標準レンズ

EOS6D Mark2 + EF50mmF1.8STM

標準レンズは50mm前後の焦点距離で人間の肉眼の様子に近い画角です。広角や望遠レンズのように空間に変化を与えないので自然に見えるのが利点です。よって写真を見る人がその場所にいるような臨場感ある写真が撮れます。

上の写真では観賞者がライダーの数メートル後ろで本当にその場所に居るように感じる写真が出来上がります。標準レンズの「自然な感じ」とはこの事です。

またバイクを大きめに撮るツーリング写真でも、歪みはほとんど気にしなくていいので、愛車カットもたくさん撮りたい人にお勧めできます。

一般的に写真の世界では50mmにはじまり50mmに終わると言われるほど、標準レンズは基本のレンズと言われています。何を撮るにも万能でもし何かの理由で1つのレンズしか持って行けない…となった場合は迷わず50mmとなります。

・望遠レンズ

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

85から135mmくらいが中望遠、200mm前後が一般的な望遠レンズ。それ以上は超望遠レンズです。望遠レンズと言えば遠くの小さなものを大きく写せるという事はビギナーの方でも知っていると思います。さらに詳しく付け加えると写せる範囲を狭くする、空間を圧縮する(密度を上げる)、背景や前景をボケやすくする、といった特徴もあります。

取り扱いの上では手ブレしやすく手持ち撮影に限度がある、僅かに向きを動かしただけでも画面が大きく変わるのでアングルの調整がシビア、大きくて重いなどが挙げられます。しかしコンデジやスマホでは無しえない作画が可能なので一眼レフならではの写真を撮ることができます。

ツーリング写真では特定の被写体に存在感をもたせたり、ライダー+バイクを主題とする作品に活躍します。上の作例ではオオハンゴンソウの密度を上げて背景をボカしています。こういった表現は望遠レンズならではと言えます。

その他、空間をぎゅっと圧縮して被写体にドーンという存在感を持たせるインパクトある写真が撮れます。

望遠レンズを使って被写体を寄せたい!という要求が発生したとき、まず最初に発生する課題は撮影スペースです。後ろに大きく下がれる広い場所でないと無理なのです。これ大事なポイントなので覚えておきましょう。

そして望遠レンズで解放値も明るいレンズとなると大きく重く、そして高価なものが多いです。バイクで持ち歩くには積載方法を工夫しないと少々厳しいです。




・ズームレンズについて

ズームとは画角を自由に調整できる機能のことです。逆に調整できず画角が固定されているレンズを単焦点レンズといいます。現代の多くのカメラ、レンズはズームレンズが主流であり、単焦点レンズの方が何らかの理由に拘る玄人向けであると一般には解釈されています。

ズームレンズと一言でいっても例えば14-35mmなら広角ズームレンズ、24-70mmなら標準ズーム、70-200mmなら望遠ズーム、14-300mmといったら高倍率ズームといった具合に種類があります。

昔は単焦点よりもズームレンズは描写力に劣る、なんて言われていましたが現代ではその差はかなり少なくなりました。出来上がった写真だけを見て単焦点レンズで撮ったかズームレンズで撮ったかを言い当てるのは実際に難しいです。

ツーリング写真では極力、持っていく撮影機材のボリュームを抑えたいのでズームレンズの選択が賢明であることは疑う余地がありません。ビギナーの方の最初の投資という意味でも、何本もレンズを買うよりはズームレンズで済ませた方が経済的です。

私の個人的なお勧めはある程度のキャリアを積むと自分の得意な(好きな)画角というのが決まってきます。私の場合は35mmです。そういった得意な画角ができたら、その画角だけは単焦点を使用するといいでしょう。単焦点は解放が明るく軽量コンパクトで独特の描写があるのは確かです。

最初は24-70mm標準ズーム、または少し広角よりのズームレンズで大丈夫です。例えばキャノンのAPS-C一眼レフでしたらEF-S18-55㎜F4-5.6IS STM なんか軽量ですし最初のツーリング写真用レンズとして良いのではないでしょうか。

・軽量なレンズを選ぼう

50mm標準単焦点レンズ 左:SIGMA50mmF1.4DG ART 右:キャノンEF50mmF1.8STM

解放F値が明るく高級なレンズほど大きくて重量のあるものです。写真は左がSIGMAの50mmレンズで解放1.4のARTシリーズ、右はキャノンの通称撒き餌さレンズで同じく50mmで解放はF1.8です。しかしご覧のように大きさも重量もSIGMAの素晴らしき芸術レンズと比べて撒き餌君は半分以下です。

撮影機材のボリュームは実際にバイクで持って行けるか否かではなく、写真に対するモチベーションの問題です。どんなに重く大きい撮影機材でもその気になればバイクに積めない事はないです。バズーカ砲のような巨大なレンズだって、どうしてもそれでないと撮れない写真がイメージにあって、それを実現させようという火のような情熱があれば持って行くことが出来るでしょう。

しかし人間の心とは不安定なもので「写真をやるぞ!」と決意したときと、ある程度の期間が経ったときでは情熱の温度に変化があって当然です。たまには身軽にバイクに乗りたいと思う時があるものです。そんな時に重いカメラ、レンズを見てうんざりしてしまうなら最初から軽量な装備で整えておくのがおススメなのです。

ちなみに私がいま愛用している50mmはキャノンの撒き餌君でございます。

・で、結局おすすめは?

はい、お勧めはズバリこうです。

・パターン1<ズームレンズ1本で軽量装備> 24-105mmF4あたりの高倍率ズームを1本で勝負。実はF4だとそこそこ高価で軽量とも呼び難いのですが、1本で済ませるという意味で軽量であり経済的でもあります。この場合24mmで風景主体のツーリング写真、50mmや85mmあたりで愛車カット、105mmでライダーポートレート、道を主題にしたツーリング写真が撮れます。

・パターン2<ズームレンズ2本でバリエーション> 24-70mmと70-200mmの2本のズームレンズで勝負。もし予算があればF2.8通しのレンズを選んでみましょう。高価ですが一眼レフらしい写真が撮れます。200mmの望遠域は迫力の愛車カットや美しいボケ具合で表現するツーリングシーンにぴったり。純正にこだわらずTAMRON、SIGMAでもよければ現実的な予算になってきます。バイクへの積載方法はカメラバッグをリアに積載、トップケースなどを検討しましょう。

タムロンで型遅れなら価格も現実的




・パターン3<望遠ズーム1本、広角or標準単焦点1本> 70-200mmの望遠レンズを1本、28、35、50mmあたりの広角~標準の単焦点レンズを1本チョイスします。望遠は「それ以上は下がれない…」というスペースの問題が多々発生するので、最終的な微調整でズームがあると便利です。一方で広角や標準はバイクなどの被写体に足で寄ればOKなので単焦点を選択してみましょう。単焦点は明るい解放値、美しい描写、軽量コンパクトさを生かしたツーリング写真に活躍します。

・パターン4 <単焦点1本で楽しむツーリングスナップ> 35mmまたは50mmの単焦点1本だけで出かけてみましょう。これは身軽さ気軽さが最大のメリットです。出かける時に気負わず「何かを発見したら楽しいだろうな」という旅での出会い、発見をテーマにスナップ的に撮るツーリング写真です。私もこのパターンでよく出かけますが純粋に「写真は楽しいな」と思える1日になります。ほんとに不思議なんですけど持って行く機材が身軽なだけで何か楽しいんです。そんな日に撮れる写真に限って素晴らしい1枚があったりします。

いかがでしたか?今回ご紹介したことはあくまで目安として参考にして頂ければと思います。広角レンズでバイクを大きく撮っても何か理由があってやるのであればOKですし、望遠レンズで雄大を表現することも不可能ではありません。写真をやっていくとキャリアと共にご自身のスタイルというものが決まってきますので、その時にレンズバリエーションをいちど見直してみると良いと思います。私なんかはかなり極端ですけどね。

それとレンズは高価ですので万一の故障や紛失などを考えると、あまり高いものはおススメできません。高級なレンズは多くの場合で重量もありバイクツーリング向きのレンズとは言えません。低予算で揃える秘訣はSIGMAやタムロンの型落ち、中古を狙うことです。そこである程度やってみて、もし必要になったらその時に高級なレンズを検討してみましょう。

今回はこの辺で!!

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迷っている人必見<ツーリング写真>最初のカメラの選び方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、少しづつ暖かい陽気になってきましたが、春のツーリングシーズンの到来が待ち遠しいですね。

このブログを最近になって見つけて「ツーリングで写真…自分も本格的にやってみようかな?」「自分のバイクをツーリング先でカッコよく撮れるようになったらいいな」と感じておられる方、そんな方を対象にツーリング写真のための最初のカメラ選びについて書いてみたいと思います。

以前も同じような内容を何度か書きましたが、今回はカメラ選びとは人それぞれであり、他者の情報は少しの参考程度にしかならないこと、どんな写真が撮りたいのか?という憧れの写真に具体性がないとカメラ選びに悩んでしまうこと、といった事に触れてみたいと思います。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

よくベテランの写真家は「カメラなんて何だっていいんだ、写真は人が撮るのだ」的な内容をおっしゃいますが、それは芸術的観点での写真作品とカメラの性能は必ずしも関係していない、という事を伝えるのに分かりやすい言葉だと思います。しかし「何でもいい」はちょっと言いすぎだなと私は感じます。

例えば15年くらい前に売れに売れた普及型のデジカメは記念写真を撮る分には操作もシンプルで良いですが、憧れの作品を実現するには理想的なカメラとは言えません。例えるなら走りなれたワインディングロードを性能の悪いオートマチック車で走るようなストレスがあります。「ここはこういきたいのに!」という要求に対して直感的に操作できないのです。

操作の簡単な普及型デジカメは読者の皆さまにはオススメいたしません

写真をやろう!と決意するきっかけは「いいカメラが欲しくなったから」でも悪くはないと思います。実は私も最初はそんな感じでした。本当ならどこかで素晴らしい写真作品に衝撃を受けて、芸術写真に興味がわいたから…という入り方がいいですけどね。




だから私はカメラに関心がいってしまうことを完全否定はしません。新しいカメラ、性能のいいカメラが欲しいと思うのは、ごく自然なことだと思います。

Hasselblad Stellar

例えばこんなカメラ。ハッセルブラッドのステラというカメラですが実に素敵な雰囲気ですよね。パッと見た瞬間に「わぁ~コレいいね!欲しい!」となりません?しかし、このカメラを手に入れたからといって必ず良い写真が撮れる訳ではありません。自分の撮りたい憧れの写真とカメラの性能は多くの場合で無関係です。

しかし、このような素敵なカメラ、お気に入りのカメラを使用することで、写真に対するモチベーションが保てる!という効果があれば十分に有意義だと感じます。

ただし新しいカメラでないといい写真が撮れない、高いカメラ、高いレンズを手に入れれば自分も傑作写真が撮れる…というのは完全に幻想であるという事は認識しておきましょう。カメラ購入にあてる予算に余裕のある人はいいですが、そうでなければ散財するだけですからね。「うわ~、これ欲しい!」と思わせるカメラとは多くの場合で高いカメラです…。

(ちなみにハッセルブラッドのステラはSONY RX100無印のOEMです)

EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

大切なことは関心の対象をカメラやレンズではなく写真にすることです。写真を愛する人間になるのが最初の一歩です。写真に無関心だとカメラが欲しいだけの人になってしまい、量販店にたくさん並んでいるカメラの中から自分にぴったりの1台を選択するのは困難を極めます。

当ブログでご紹介しているようなバイク写真、ツーリング写真の場合は主に風景写真がベースとなり、その中で・風景の中のバイク・バイクで旅をするライダー・ライダーが見ている世界…といったものを作品化する訳です。スタジオ照明やスピードライトなど人工的な光は原則として使わず、光源は主に太陽光などの自然界の光です。そして季節や時間帯、気象現象なども関わってくるのが風景写真です。そうなれば風景写真に最適なカメラ…という漠然とした目安は立てられます。

風景写真に向いたカメラで且つ【バイク乗りがツーリングで使うカメラ】まずはこの条件でいくつかの課題に具体性が出てきます。1つめはカメラ機材の質量的な問題です。重く大きな一眼レフに交換用のレンズを複数も持ってバイクに乗るのは通常は難しいです。そして2つめは振動や衝撃、突然の雨など過酷な環境で使用や運搬されることです。

私の愛用しているデジタル一眼レフ EOS6D Mark2

バイクツーリングのお供として、振動、衝撃、湿度などに強いと私が個人的に感じているのは光学ファインダーを有した普通のデジタル一眼レフカメラです。私は初代EOSキスデジにはじまり15年以上はキャノンのデジタル一眼レフを使用してきましたが、カメラが壊れたことはただの1度もありませんでした。

運搬による振動や衝撃で壊れてしまわないか心配だ…という人には普通のデジタル一眼レフはお勧めです。

光学ファインダーを有したオーソドックスなデジタル一眼レフは写真を最初に学ぶ上で実に最適だと感じます。露出補正やマニュアルフォーカスなど頻繁に使う操作が直感的に理解できます。ここ10年くらいで各メーカーから様々な機種がたくさん売れましたので中古相場も流通量が豊富です。しかもミラーレスに流行がシフトした昨今では割安な価格で入手できるのも嬉しいです。

しかしデジタル一眼レフに交換用レンズも持って行く…となると機材質量は多くなり、それをどのように持ち歩くかは悩ましい問題です。写真のようなリュックやスリングといったボディバッグ系は、体がワンクッション入ることで振動の問題が解決されますが、ずっしりと重みがライダーの体にかかり疲労になります。ロングツーリングで雨の中を走り続ける、となったときもレインカバーくらいでは役に立たないので別の防水対策が必須になります。

どうしても持っていける質量に限りがある場合、一眼レフを選択する人はズームレンズで欲しい画角をカバーして交換レンズ無しでいく作戦もバイク乗りとしてアリだと思います。




RICOH GR マニュアル露出できるコンパクトデジタルカメラ

では持ち運びという意味で圧倒的に有利となるコンパクトなデジカメはどうでしょう?最初にご紹介した普及型のコンデジと違って、マニュアル露出できる機種であれば十分にツーリング写真に使えます。この大きさであればタンクバッグやウエストバッグなどに忍ばせても負担にはなりません。スリムな機種であればジャケットのポケットに入ってしまいます。

マニュアル露出可能なコンデジも各社から色々なカメラが売られています。画素数はマニュアル露出機能がついているようなカメラであれば何万画素であろうと特に気にするポイントではありません。目安として1200万画素以上あれば十分です。センサーサイズについては1型センサーより大きいものを選択肢に入れてみましょう。

マニュアル露出できるコンデジ  チルトモニターはバイク写真で重宝します!

コンデジの弱いところは望遠域の描写や背景などのボケ具合の表現です。一眼レフに比べてグリップも小さいのでカメラホールド力も落ちます(手ブレしやすい)。もちろん高倍率ズームを搭載し解放の明るいレンズのモデルも売っているので望遠やボケ味の出る作品作りは出来なくはありません。しかし一眼レフと比較してしまうと妥協点を作らざるえません。無理な高倍率を搭載したコンデジはおススメしません。

苦手なことを無理に要求するのではなく取り回しの良さ(地面スレスレのローアングルやスクリーンやメーターの隙間に忍ばせて撮るなど)や気軽に撮れる楽しさといった長所を生かした写真を撮りましょう。よってズーム域は広角から中望遠くらいまでに留め、バリアングルモニターやチルトモニターを有したコンデジがおススメとなります。

コンデジはアッと思った瞬間を逃さずパッと撮れるのでシャッターチャンスを逃さないという意味でも楽しいカメラです。あまり気乗りしない日でも億劫がらず、いつも気軽に持ち歩けるのが強みですので手のひらに収まるくらいの軽量コンパクトなモデルを選びましょう。

EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

コンデジに無理強いしてはいけないような写真とは…先日ご紹介したようなこんな写真です。圧倒的な望遠域とボケ味を利用した表現です。加えて先日も解説しましたが発生した被写界深度のピーク位置をマニュアルフォーカスでコントロールして撮った写真ですが、そういったこともコンデジでは厳しいです。

「私もこんな感じで撮りたい!」ということでしたらコンデジではなく一眼レフを検討しましょう。

しかしトレードオフとして重い望遠レンズをバイクに積載して出かけるという犠牲が発生します。

リコー GR APS-C

一方で広角でツーリングのワンシーンを…という事であればコンデジも大活躍です。この写真はRICOH GRという少々マニアックなコンデジです。このGRというカメラは一般的にスナップシューターと呼ばれていますが、逆光にやたら強いという隠れた特技を持ったカメラです。逆光を利用してドラマチックに演出するのが大好きな私はGRをよくツーリングに持ち出します。

しかしGRは素晴らしいカメラですが絞りを解放F2.8まで開いてもボケ具合はさほど期待はできないのです。それに単焦点、つまりズーム機能のない28mm固定レンズは撮影者のよく動く足を要求するものです。足が動かないビギナーにGRを持たせると陳腐な写真を量産してしまうので、このカメラはベテラン向け(または足を鍛える覚悟のあるビギナー向け)カメラですね。




いま話題のミラーレスのフルサイズ機はどうなの?カメラ業界ではこれからはミラーレスだ!という風潮ですよね。バイク写真、ツーリング写真という事であれば今のタイミングで無理にミラーレスのフルサイズ機を買う必要はありません。EOS Rのようなミラーレス フルサイズ機は素早く動く被写体にピントを正確に追従させるスポーツシーンなどでアドバンテージがありますが、風景写真では重要な機能ではありません。

キャンプツーリングで長期間持ち出す人にとってはバッテリーの持続がイマイチなのもマイナスポイントとして挙げられます。キャンプツーリングで連泊だと充電ができませんのでバッテリーの持ちが悪いミラーレス機では何個も予備バッテリーが必要となります。ご参考までにキャノンだと通常の一眼レフカメラであるEOS6D Mark2でフル充電で約1200枚(ライブビュー撮影で約380枚)対してEOS Rは約370枚となります。両者とも使用バッテリーは同じ1865mAhのLP-E6Nです。ミラーレス機とは常にライブビュー撮影なので燃費が悪いのですね。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

「こんな写真が撮りたいな」という憧れの1枚が漠然とイメージができたら商品が豊富に展示してある大型量販店を見に行ってみましょう。さまざまな展示してあるカメラから大きさ、重さ、持ちやすさ、ズーム域、センサーサイズ、バリアングルモニターなどの機能、バッテリーの持続時間などを考慮しいくつかの候補を作ります。れとカメラをパッと見た瞬間に受ける印象も大切にしてみましょう。言葉では説明できないけど、何となくこのカメラがいい!というのはビギナーにも分かるはずです。

最初の大きな選択は一眼レフにするかコンデジにするかだと思います。そして一眼レフにするならレンズは何を選ぶべきかも悩ましいですよね。

SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

…で、お勧めのカメラは結局なに?

はい、結局ツーリング写真にお勧めのカメラはこれです、という具体的な機種は書きません…というか書けないです。カメラ選びは本当に人それぞれ違うものです。「撮りたい憧れの写真」が人それぞれ違い、そのカメラを大きいと感じるか小さいと感じるか、使いやすいと感じるか使いにくいと感じるか、みなさん違います。誰かにこのカメラがおススメ!と言われても、あまり参考にならないと思います。

 ~バイクツーリングに最適なカメラの選び方 まとめ

・どんな写真を撮りたいのか?まずは関心の対象をカメラではなく写真に

・撮りたい写真の要求に対して必要な機能とはなんだろう?

・大きさ重さ、持ち運び(積載)方法をよく考えてからカメラを選ぼう

・最新のカメラや高級なレンズを買えばいい写真が撮れるとは限らない

・持ちやすく操作しやすく、しっくりくるカメラ、お気に入りになるカメラを探そう

一眼レフのレンズ選びのお話はまた次回にしてみたいと思います。

今回はこの辺で!!

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HJCのDS-X1とSHOEIホーネットADVを比較してみた

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回はツーリング写真解説ではなく久しぶりにお役立ち情報をいってみたいと思います。今回はシールドタイプのオフロードヘルメット(またはアドベンチャーヘルメットとも呼ばれます)について、新しいものを購入したのでインプレッションしてみたいと思います。

今回、私が新たに購入したヘルメットはこちらでございます。HJC製のアドベンチャーヘルメット DS-X1です。

製品のインプレッションの前に、私の拙い30年のバイクキャリアで愛用してきたヘルメットのお話に触れてみたいと思います。我ながら好きなコトへの記憶力は優秀でして初めて買ったヘルメット アストロRGから現在に至るまで愛用した30個以上のヘルメット、全て銘柄を覚えております。Arai、SHOEIはもちろんOGK、BELL、シューベルト、BMW純正、momoなどメーカーも色々。さらにバイク用品メーカーにいたころは、これらヘルメットメーカーさんともお付き合いがありました。

ここ10年くらいはアドベンチャーバイクをメインに乗っていたのでシールドタイプのオフロードヘルメットは初代ツアークロスが2個、ツアークロス3も2個、BMW純正Enduroが3個、ホーネットADVと使ってきました。これら様々な経験を踏まえた上でHJC DS-X1をインプレッションしてみたいと思います。




今回、私が購入したのはHJC DS-X1のソリッドホワイト XLサイズです。まずなぜDS-X1を購入したのか?という動悸ですが単純にカッコ良かったからです。はじめてDS-X1を見たときに「おおっカッコいいんじゃない?コレ!」といういわゆる一目ぼれでした。特にチンガード周辺のダクトのデザインやバイザーのスリットの入り方など、凝ったディティールが私のハートを掴んだのです。

次にコストパフォーマンスです。ネット上の最安値では今調べる限りですと15000円代です。ツアークロス3やホーネットADVの半分以下の予算で買えてしまいます。

DS-X1はRS TAICHIが輸入販売

HJCは韓国のヘルメットブランドであり、その価格の安さから品質は三流だと言われる風潮がありますが、それは間違いだと思います。どうしても韓国や中国の製品で価格が安いとくると質が悪いと決めつけてしまいがちですが、それは今後は改めたいと…そう感じるのがHJCのヘルメットです。

逸品を見定める目利きであれば、このHJC DS-X1の実物を手に取れば、すぐに一流品であることが分かります。三流品であれば細部のチリが甘かったり、粗悪な素材でコストダウンしていれば、全体の雰囲気から安物オーラが漂うものですが、そのような雰囲気はDS-X1には全くありません。それどころか帽体のディティールは美しくバランスを保っており言われなければAraiやSHOEIの製品だと思ってしまうほどです。

奥はSHOEI ホーネットADV 手前 HJC DS-X1

HJC DS-X1の詳細なインプレッションの前に忘れずに触れておきたいことが1つあります。それはHJC DS-X1はヤマハのアクセサリー部門であるワイズギアに同じものをOEM供給していることです。ワイズギアでの品名はZENITH GIBSON YX-6となり、HJCのロゴがZENITHになっているだけで、あとはカラーバリエーションや細かな部品が違うだけで同じです。個人的な好みの問題ですがカラーバリエーションはパールホワイトなどYX-6の方が魅力的な色が多いと感じました。YX-6は実売価格で18000円くらいだと思います。

私が以前に勤めていたメーカーでも同様に製品をワイズギアにOEM供給していました。当然ですが車両メーカーの系列は品質管理が非常に厳格であり、僅かな問題点でもクリアできない商品では採用には至らないものでした。ましてや人命にかかわるヘルメットであれば、万一事故でもあったときに販売元に責任が問われる訳です。HJC DS-X1がワイズギアの品として採用されている、ただこれだけの理由で信頼できる品物である…と私は思います。

まず私が従来まで愛用していたSHOEI ホーネットADVと並べて眺めてみました。驚いたことに真上から見たこの角度、前後に長いオーバルディティールが殆ど同じなのです。サイズは両者ともXLサイズなのですが、HJCはDS-X1のシェルをデザインする上でホーネットADVのディティールを参考にしたのかもしれませんね。ちなみにAraiツアークロス3は手元には無いので写真が撮れませんが、もっと正球体に近い形状をしています。

先ほども書きましたが帽体のディーティールは後方に向かって流れるような美しくシャープなライン。サイドはゴーグルスタイルとしたときのストラップに合わせた形状と思われます。実に細部まで手の込んだデザインが施されています。

このように3つのスタイルに対応するのはツアークロス3を参考にしたのでしょうか。ちなみにゴーグルは砂埃の激しいオフロード走行では必需ですが、公道で使うとその視界の狭さに恐怖を感じます。ストリートスタイルはカスタムバイクに似合いそうですね。

デザインに関して特にユニークだなと感心したのはシールド下部の形状です。シールドは視界に影響しないよう歪みのないデザインとするべきですが、本体との接合を考えるとつじつま合わせが難しいポイントだと思います。しかしこのようにパースさせてえぐってしまえば問題は解決です。これなら見た目もカッコいいしデザイナーさんは見事に課題の着地点を作ったと思います。




当初、私が一目ぼれしたのはこのチンガード周辺のデザイン。実物もカッコイイですね。ベンチレーションとしての空気の取り入れ口も開閉がしやすく機能的です。

帽体の後方にある気流を整えるスタビライザーはかつてOGKの特許と記憶していましたが現在はどうなんでしょう。DS-X1にも気流を整えるスタビライザーがあり、その内部にヘルメット内の熱気を抜く穴があります。こちらは開閉機能はなく常時開いていますが、進入側を閉めておけば冬でも寒い事はないと思います。

ホーネットADVの後部はこのようになっていて、こちらも排熱部分は開閉しません。しかしホーネットADVのこのマットなグレー。カッコいいのですが虫汚れの掃除が大変です。もう艶消しのヘルメットは二度と買いたくありません。

ホーネットADVとDS-X1を並べて正面から見るとこんな感じです。バイザーがDS-X1がやたら上を向いているように見えますね。これはDS-X1の方がチンガード部分のボリュームがあり、平らな床の上に置いてしまうとヘルメット自体が少し上を向いてしまう為です。

この両者を手に取って比較すると重量の差はほぼ同じで1700g前後です。ツアークロス3はこれより若干重かった記憶があります。

通常、AraiやSHOEI製のヘルメットは帽体はFRPなどのガラス繊維で強化された素材が使われています。対してHJC DS-X1はポリカーボネイトのコンポジットです。ここが日本メーカーとHJCの決定的な相違点と感じました。安全面や機能面でどちらが優れているかは一概に言えませんが、ポリカーボネイトはプラスチックの仲間の中で最も強度に優れた素材です。

小学生の頃、田宮のラジコンカーのボディがABS樹脂からポリカーボネイトに変わった時を思い出しました。トラックの無線を拾ってしまい暴走して壁に激突した私のトムス85Cはタイロッドが折れただけでボディは割れなかったのに驚いたものです。

ポリカーボネイトはしなやかで丈夫な樹脂素材です。

DS-X1の安全規格のマークはPSCとSGマーク。内装を外すとJISマークもあります。

ホーネットADVも同様です。内装を外すとJISマークがあります。ちなみに穂別ティアラは北海道のメロンで美味しいです。




DS-X1の内装。生地は吸汗速乾性に優れていそうな夏向けのザラっとした肌触りです。この質感を「安っぽい」と感じる人もいるかもしれませんが、これはAraiのツアークロス3も同じような感じです。当然、着脱可能で洗濯できます。インカム用に耳の部分にスピーカーホールなる窪みがあるのも抜かり有りません。写真では分かりにくいですがメガネのアームを通しやすいようスリットが入っています。

一方、SHOEI ホーネットADVの内装生地は起毛で肌触りがよく高級感があります。とてもかぶっていて心地よいですが夏は快適とは言えません。こちらもスピーカー用に耳の部分に窪みあります。

DS-X1のアゴひもはラチェット式のバックルタイプで微調整ができます。ラチェット式は苦手な人もいると思いますが、着脱は慣れの問題ではないでしょうか。装着すると少し首に食い込む感じが強く、タンクバッグの地図を見る時など苦しい感じがします。ここは改善の余地ありですね。

ホーネットADVは昔ながらのリング式です。アゴの下から冷気が入らないようチンカーテンが装備されているのは両者とも同じです。

DS-X1を被った感じのサイズ感ですが頬の部分がタイトです。ホーネットADVもDS-X1も表記サイズはXLですが、サイズチャートはワンサイズずれる感じです。Arai、SHOEIでLの人はHJCならXLをチョイスするべきだと思います。

しかし私のようにArai、SHOEIでXLの人はDS-X1でもXLを選ぶしかありません。XXLサイズは無い訳ではないのですが国内の流通では少ないようで前述のような価格で入手するのが難しいです。このまま内装が馴染んで痛みが出ないようであれば良いのですが、解決しないようであればオプションのワイドチークパッドを入手して対策してみたいと思います。

シールドの開閉も精度よく動作しチープさなどは感じません。カコっと開いて4段階で調整でき、閉める時もパチっと気持ちよく閉じてくれます。この辺はツアークロスよりもホーネットADVの方がしっかりしているな!と思っていたのですがDS-X1もホーネットADVに負けないほど良く作り込んであります。

シールド越しの視界も歪みなく良好で視野範囲も広いです。

シールドの曇りを予防するのに絶大な効果のあるピンロックですが、DS-X1もピンロックシートが装着できるよう突起が付いております。私もピンロック信者なので後日、ピンロックシートを入手して装着したいと思います。

走行風による風切り音はアドベンチャーヘルメットとして考えると平均的と言えます。かつてツアークロスを使用していたとき、高速道路で真横に並んだ車を見た時にバイザー周辺から笛吹音が出て驚いたのを記憶しています。DS-X1やホーネットADVではそのような事はありません。

 HJC DS-X1 まとめ

・HJCのヘルメットは3流品などではなく安っぽくもない

・ポリカーボネイト製帽体は美しく重量もライバルと同等

・日本メーカーのライバル製品の半分以下の価格

・サイズは日本メーカーを基準にワンサイズ上を選ぼう

・ワイズギアにOEM供給できるほど信頼性がある。

以上、HJC DS-X1のインプレッションでした!

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<初級>ツーリング写真☆基礎的な写真知識 コントラスト編

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は<初級>ツーリング写真解説として基礎的なことを解説してみたいと思います。…と本題に入る前にこの写真を見てください。

これ、串刺し構図といいます。被写体の中心に直線状の物が矢のように突き刺さっている構図です。一般的に最悪の構図と言われる悪い構図の代表選手です。

上の写真はまだバイクなので良いですが、これが人物だと縁起でもない写真の出来あがりです。撮られたモデルさんも決して嬉しくはないと思います。

SNSなどで標識のポールや樹木などがバイクの真ん中を射抜いている構図は割と見かけます。垂直に立つ棒状のものに限らず建物の境界など写真になったときに「線」になるものは串刺し構図の材料になるので気を付けましょうね。




もしどうしても垂直線を避けられない場合はせめて中心を抜かないよう1/3単位の位置でずらすと被害は劇的に軽減されます。

刺さらないようアングルで調整

これは千葉市のランドマークである千葉ポートタワーです。左はポートタワーが見事にR1200GSに突き刺さっています。これはマズいと思ってアングルを高くし、刺さっていた物を抜いたのが右側です。しかし写真全体として考えると左の方がバイクがカッコよく見えるアングルですし、地面に入った影も魅力的ですね。両者とも問題をかかえた写真でフィニッシュに至っていません。この撮影シーンでの完成写真は後日ご紹介します。

RICOH GR

一方でこんな写真もあります。先日も書きましたが私はこの1年でRoad trip photo なるジャンルをバイク写真の中に定義して、新しい写真に挑戦するつもりです。それを試した1枚がこれです。構図やら露出やら写真の構造を感じさせないシンプルな1枚で何かを訴える…そんな写真です。しかしこの写真、よく見るとR1200GSに電柱が突き刺さった串刺し構図です。

しかしこの場合は「撮り方なんて〇〇くらえだ!」という”撮り方”なので敢えての串刺し構図を放置です。このように作風に合わせて何をやろうが作者の自由。写真に絶対といえるルールなんてないものです。面白いですね。




さて、前置きの方が長くなってしまいましたが今回は<初級>ツーリング写真の解説としてコントラストについて優しく解説してみたいと思います。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS F11 1/125

コントラストとは本当によく聞く単語ですよね。簡単に言ってしまうと写真の中で明るい部分と暗い部分の差の大きさという意味です。ツーリング写真のような屋外での風景写真の場合は主な光源は太陽光な訳ですが、太陽がしっかりと出ている時に撮る写真でコントラストを得ることができます。

上の作品のように夕陽に向かって逆光で撮ることで、強烈な太陽光の部分と、それが当たった被写体の影の部分で明暗差が大きく、結果ドラマチックで印象的な写真が仕上がります。

こういった場合でカメラの評価測光は多くの場合で正しく機能しません(撮影者がこう撮りたい、というイメージとは違った露出になる)。露出補正やマニュアル露出でイメージに近づけるようコントロールしましょう。




EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

コントラストは無いよりはあったほうがいい…と一般に言われているようですが、そのように覚えるのは間違いです。この作品は先ほどとは逆にコントラスに乏しい写真、フラットな写真といいます。曇天や雨天時など天気の悪い時に撮れる写真ですね。フラットな表現は明暗差がない代わりに中間階調が豊かになりふんわりとソフトな印象の写真になります。

一面に咲くコスモスのお花を女性的に表現したり、霧多布岬のように霧に包まれたツーリングシーンなどでよく似合うのがフラットな表現です。

こちらも同様にカメラの評価測光ではイメージ通りの露出が得られないことが多いので積極的に露出補正をしてみましょう。

カメラの設定やレタッチのソフトでもコントラストの調整機能がありますが、コントラストが強すぎてドギつい場合やフラットすぎて印象に欠ける場合などに微調整してみましょう。やり過ぎると中間階調など失われるものも多いので慎重に。

ツーリング写真の基礎的な知識として「コントラスト」覚えておきましょうね。

今回はこの辺で!!

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写真と共に歩む道☆みんなが知らない上達の秘訣

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、まだまだ寒いですが愛車のバッテリー、弱くなっていませんか?ツーリングに行く当日になってエンジンがかからない…なんて事のないよう事前に電圧の測定やトリクル充電をしておきましょうね。

さて究極のツーリング写真ですが最近になって新たに海外の読者様が増えたことに驚きを隠せずにいます。当ブログはこれだけの字数を全て日本語で書いておりますので、おそらく海外在住の日本人の方だとは思うのですが、本当にありがとうございます。

アメリカ、中国などの大国は何となく分かるのですがサモア、ネパール、ペルーといった国からのアクセスもあり、恐らくそれぞれ一人の方が定期的に見に来ていただいているのだと思います。とても嬉しいです。

EOS6D Mark2

さて今回は立澤重良のツーリング写真独り言コーナーでございます。つい先日、ある方が私のブログを見て「私も立澤さんと同じEOS6D Mark2を買いました!」という方がおられました。それを聞いて何だか悪いことをしてしまったなぁ…という気持ちになりました。別にEOS6D Mark2は素晴らしいカメラですし、ツーリング写真に使うにあたり何も問題はないのですが、カメラ選びとは人それぞれ違う物であり、たまたま今の私にとってEOS6D Mark2が用途にぴったり合っている…という事に過ぎないのです。必ずしも他の誰かにおススメするカメラとは言い切れません。

発表している作品のキャプションにEOS6D Mark2 + EF35mmF2ISとかいつも書いていますが、これは私としては特に深い意味はなく飾りのようなものです。いや…本当は書きたくないです。これは使っているカメラやレンズが何であるかを秘密にしたいのではなく、作品自体をよく見ていただきたいからです。であるにも関わらずEOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG とかいつも書いているのはブログの検索ヒット率(SEO順位)を良くするのが第一の目的で、第二の目的としては気になって聞いてくる人が多いから…という2つの極めて下らない理由なのです。




カメラやレンズの機種だけに留まらずF5.6 1/250 ISO200 といった露出データも同じです。これは例えるなら高速のSAで見かける観光バスツアーのご高齢紳士です。バイクの駐車場の近くにくると必ず我々に「このバイクは何ccじゃね?」といった具合に排気量を聞いてきますよね。見ず知らずの人と旅先でコミュニケーションするのは大好きですが、バスから降りて来られる紳士方は10人中で10人とも同じ質問なのは滑稽です。

おそらくバイクとは免許制度など排気量の大きさで分類される、という知識に結び付け、とりあえずライダーへの質問は排気量になるのだと思われます。写真の露出もこれと同じで良い写真とは絞りやシャッター速度や焦点距離など撮影に関わるデータが重要であるという知識に基づき「この写真の撮影データを教えてください」という質問が出てくるのだと思います。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

多くの方の関心の対象は最新のカメラや高級なレンズ、そして撮影データです。もちろん最新のカメラや高級なレンズが好きだ!という事であれば否定されることではありません。素晴らしいご趣味だと思います。しかし多くの方にとって本当の目的はいい写真を撮ることではないでしょうか?

であれば、関心の対象をカメラ、レンズではなくもっと写真によせていきましょう。写真が好きな人、写真をライフワークに生きる人、個人的な写真活動家、写真芸術鑑賞が好き…とにかく写真について今いちど見直す機会を作っても悪くはないと思いますよ。プロとかアマとかは関係ありません。

いい写真とは人それぞれ考え方が異なりますが、私なりの解釈としては「いい写真とは常に見る側が主観的に決めるもので撮る側としては永遠のテーマ」と考えます。いい写真を実現するにはとにもかくにも写真に対する見識を深め、感覚を養い、被写体の知識をつけ、経験を積み自分なりに”美”とは何かを問い続けることではないでしょうか。たくさん失敗を重ねて少しづつ上達のアラートを踏んで、年単位で見て進化を感じた時が最も写真の喜びを味わう瞬間かもしれません。

今回は私が思いつく限り、写真を好きになるとはこんな素敵なことですよ、ということを箇条書きしてみたいと思います。

1.写真が生まれる喜び

カメラで写真を撮るなんて誰でも普通にしている事ですから、パチっと撮って写真が出来上がることに今さら驚く人はいません。文明社会と完全隔離された少数部族ではないのですからね。

しかしちょっと考えてみましょう。私たち人間が生きていく上で、見えているこの世界は言ってみれば3次元の動画です。止まることも戻ることもなく常に一定の時間で流れているこの3次元空間。これにカメラを向けてパチリとやると特定の範囲が一瞬で2次元の一時停止画像になるのです。

これって凄い事だと思いませんか?カメラが当たり前にある現代では感じませんが、まず写真が生まれること自体が実はエキサイティングなコトなのです。




2.あの日あの時、写真を撮ったから記憶に刻まれる旅風景

以前にも何度か書きましたがここで改めてもう一度書きます。私はよく人に「写真を撮るのが目的でツーリングしているの?」という疑問を持たれます。逆に言えばツーリングを楽しんでいないのでは?という事ですね。しかしツーリングを楽しんでいない…なんて事は全くありません。むしろ写真を撮ることでツーリングが、旅が充実していると言って過言ではありません。

あの日あの時、ツーリングで出会った情景に心打たれ撮影に没頭した自分がいつまでも心に焼き付いています。もし、あの時に写真を撮らなかったら記憶は曖昧に薄れてやがて消えてしまうかもしれません。

旅の記憶とはいつか人生を振り返る時がきたときに「財産」と呼べる尊いものだと思うのです。忘れちゃったら悲しいではありませんか。お金や地位や名誉は死ぬときに持っていけませんが、旅の記憶や写真を通して学んだことは持っていけるような気がするのです。

網走で名もない風景

3.悩み苦しみ表現した作品が誰かを救う

人間は誰しも人の役に立ちたい、世の為に生きたいという願望があるそうです。社会や文化の発展に貢献した功績者、スポーツで歴史的な記録を残した名手、音楽を通して人々の心を励ましたアーティスト。そんな素晴らしい人物に誰しも少なからず憧れを抱くものですよね。

SNSなどで自分を良く見せようとしている人を「承認欲求に支配されている」なんて言いますが、承認欲求も自分は世のために貢献している立派な人です、という見かけだけのアピールと言えます。このように多くの人は人の役にたっている、社会に貢献している立派な人になりたいという願望があるのですね。

写真もこの願望をかなえる1つの手段と言えます。しかし承認欲求に支配されるようでは一般ウケを狙っただけの画像に過ぎません。よく見かける承認欲求を満たすための写真とは話題のスポットに出向いて加工アプリで盛りに盛った写真です。

そうではなく人に見せて喜んでもらえる写真、誰かの人生に良い影響を与えるような力のある写真、励まされて勇気をもらえたような写真、美に対する見識を改めて考えさせられる写真、そういった「作品」は常に作者の内面の苦しみから生まれるもので、見てくれる人へのメッセージが込められているものです。

フレシマ湿原

大変なことのように聞こえますが、少し本格的に写真に取り組めば数年で「あなたの写真に元気をもらえました」「この写真を見せてくれてありがとう」と言ってもらえるような写真が撮れるようになりますよ。このように自分が1人の表現者となれることが写真をやる最大の喜びだと私は思います。

ここでは書ききれない程、他にもたくさんありますが長くなるのでこの辺にしておきます。こういったことを意識して写真と向き合っていくことが成長、つまり写真の上達につながると考えます。それは日々は実感できないほど少しづつ少しづつですが、「あっそうゆうことだったのか」という小さな気付きを繰り返して上達していきます。




カメラやレンズはこんな写真を撮りたい、という具体的な要求が発生した時に、はじめて検討すべきものと覚えましょう。必ずしも最新のカメラを用意する必要はないのです。私がEOS6D mark2を使用している理由は・超ワイドレンズを使うのでフルサイズ機が必要である ・光学ファインダーのカメラが好き ・自撮りでポージングや位置の確認でWifi機能が便利 ・OVFのフルサイズ機でバリアングルモニター搭載はEOS6D mark2だけだから・・・といった理由から選んでいます。

iphone

ここで書いたことが「信じがたい…いいカメラを買えばいい写真が撮れると思うのが普通だろう」と思う人は、日本のカメラ業界が古くからやっているプロパガンダに完全に洗脳されています。もし最新のカメラ=いい写真という事であればアンセルアダムスやロバートキャパなどが残した名作写真が現代で見れば駄作になるはずです。しかしそうではないですよね?

写真が上達するにはカメラやレンズの知識も大事ですが写真とは自分にとって何だろう?と今いちど「写真」について考えてみましょう。一朝一夕に成就するものではありませんが、悩み楽しみ試行錯誤し、様々な経験の中で少しづつ分かっていくものを得て、自身の進化を確認できる瞬間を感じればきっと遣り甲斐も感じるはずです。

とりとめのない内容を惰性的に書いてしまい、加えて普段にも増して乱れた文章でしたが最後にまとめると、自分もいい写真を撮りたい、上達したい!と願うのであればいつでも写真のことを第一に考えましょう。写真を愛する人、ツーリングを愛する人になりましょう…というお話でした。

今回はこの辺で!!

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憧れの絶景撮影スポットはどこにあるのか?

「憧れの絶景スポットはどこにあるのか」

EOS6D Mark2 + SIGMA35mmF1.4ART F5 1/125 ISO100

絶景がどこにあるかなんて下調べする必要はありません。

絶景とはいつもバイクを停めてカメラを手にしたあなたの目前にあります。

自分がそこで撮りたいと感じた時点でそこは特別な場所なのです。

例え何もない場所でも他人は素通りするような場所でも。




旅を愛するライダーのセンサーが反応したことを

きちんと目と心で解明する。

それをどう表現するかは貴方という一人の人間。

身に付けた技法や知識、優しさやユニークさといった性格、美に対する独自の考えも盛り込み。

被写体、情景を前に悩み苦しみ、演出に葛藤し…時に額に汗して生み出してください。




奇跡の瞬間を逃さず切り取るのも良いでしょう。

奇跡はいつも何でもない場所で突如として起こるものです。

そして改めて写真とは「瞬間」なのだと認識しましょう。

納得できるまで撮り切ったら、あらためて目の前の光景を見つめてみましょう。

そこが明らかに絶景であったことを確信するはずです。




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冷却期間とLightroomレタッチ

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、少し前のことですが私のInstagramに新たにフォロワーさんで「究極のツーリング写真見てます!」という女性の方がおられました。私はこのブログを開設した当初、読者層の中心は40~50代の男性と予想していたのですが、それに反して20代の読者も多く、加えて男女比はほぼ半々という結果に驚いたものです。このように若い世代や女性の方にも支持されて本当に嬉しい限りです。

そのフォロワーさんの写真はどれもバイクライフを充実させ、その楽しさが伝わってくる素敵な写真ばかりでした。写真もバイクも楽しんでいる様子は純粋にバイクの素晴らしさを人に伝える力を持っているな、と感じました。

さて本題の前にチョットお勧めの情報を…。

少し前に「写真は気に入ったのが撮れたらプリントしてみましょう、できれば6つWサイズか傑作なら4つWサイズくらいにして額装してみましょう」というお話をしました。

この写真は去年に撮った中で1番のお気に入りを4つWサイズにプリントしたものです。そして額装するにあたり安くてシンプルな額を探したところ、100円ショップのダイソーに素晴らしい商品がありました。




A3とB4の両方に対応したシンプルな木製フレームのフォトフレームです。これが4つWサイズの額装にぴったりです。4つWサイズプリントはB4サイズとほとんど同じなのです。

中の枠も外してしまえばA3サイズにも対応できる2Wayタイプです。これで200円なのですから恐るべしコスパです。このようにカラー写真の場合はフレームはなるべくシンプルなデザインを選びましょう。逆に凝ったデザインのフレームの場合はモノクロ仕上げの写真が似合うものです。

このダイソーのA3サイズフォトフレーム、唯一注文を付けるとすると紐や紐を通すリングが無いので、それは後で自分で何とかするしか無さそうです。自立させるスタンドなども当然ありません。でも200円ですからねぇ~!

他にもブラックがありますので、気になった方はダイソーに見に行ってみてくださいね。

さて今回はツーリング写真における写真の冷却期間とレタッチのお話を少ししてみたいと思います。

ここで言う冷却期間とは撮影した日から一定の期間をおいてLightroomなどのレタッチ、あるいは選別などを行うと、撮影日や翌日に仕上げた写真とは違ったものが生まれますよ、という意味のものです。冷却期間という呼び方が写真の世界で一般的に使われている訳ではありません。




写真の選別と仕上げは私の場合は主に1.撮影日の翌日 2.1か月後 3.数年後といった単位で行いますが、大半は撮影日の翌日です。撮影日の当日や翌日など直後の作業というのは撮影時の実際の様子や感動が記憶に新しく、より鮮明なイメージ(シャッターを切る直前に脳内に描いた写真のイメージ)の再現が可能です。

3.の数年後は自身の中でのバイク旅の風景が記憶の中で美化され、実際の様子とは少し違っている記憶風景としてのイメージを作る作業になります。時間を置くことで写真や旅に対する見識が深まったり、考え方に変化があった場合も撮影翌日に仕上げた作品とは違ったものが生まれます。

黄金道路

この作品を撮影したのは2005年ですが、このように仕上げたのはそれから13年も後のことでした。過去のバックアップストレージからこの画像のRAWを発見し、現在の考えとレタッチスキルのもと仕上げなおしたのです。思い起こすと当時の私はこの写真自体、それほどいい写真だとは思わなかった(思えなかった)のです。

実に13年もの冷却期間を経て自分が好きだと思える作品へと昇華した過去のRAW画像。13年前、今ほど整備されていなかった北海道の黄金道路をタフに走り切った感動が、歳月の中で記憶風景として美化されました。そのイメージの再現として仕上げたのです。

夕刻の帰路

一方でこんな経験もあります。これは長野県の確か杖突峠だったと記憶しますが高速道路の渋滞を避けるためと、旅先で夕景を拝みたいという理由で帰りの時間を遅めにずらしました。

結果、期待通りに素晴らしい夕景の中をR1200GSを走らせることが出来たのですが、峠の下りで夕陽の光が路面に吸収され奇妙で妖艶なアスファルトを目撃しました。見たこともないレアなショータイムを無我夢中でシャッターを切ったのを今でも覚えています。

その後、日もどっぷり暮れて暗闇の高速道路を淡々とR1200GSを走らせていたとき、私の脳内は先ほどのカットをどのように仕上げるか?と脳内で様々なイメージを想像しました。暗闇の高速道路はこんな事を言うと変な奴だと思われるかもしれませんが、お風呂に入っている時のような安楽の時間なのです。そんな環境を想像タイムをに使うのは実に効率の良いことだと思います。

さすがに長野を夕方に出て千葉に帰り着いたのは夜中だったので、その日はキャンプ道具を片付けて寝ましたが、すぐ翌日に選別と仕上げを行ってみました。帰りの高速道路で作ったイメージの再現です。先に書いてしまいましたがその時に描いたイメージとは言語化すると「奇妙で妖艶なアスファルト」です。




撮影日の直後は実際の様子やその時に描いたイメージが記憶に鮮明であること。だからそれを再現するための仕上げ作業となり、一方で冷却期間を置いた場合は記憶の中で美化された旅の風景の再現となります。何年も後であればLightroomのようなレタッチ技術の進歩や自信の写真に対する見識の深まり、スタイルの変化なども取り入れて作業してみましょう。そういった意味でRAWをストレージに保存しておくことは大切なのです。

今回はこの辺で!!

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ストリートスナップと肖像権問題 X100VのPR動画問題を受けて

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、写真を楽しんでいますか?楽しい、嬉しい、気分がいいという感情は脳幹からドーパミンやエンドルフィンといった報酬系のホルモンが分泌されると医学的に分かっているそうです。

この報酬系ホルモンが分泌されると脳が快反応をおこし肯定的な状態になります。すると思考パフォーマンスが向上しクリエイティブな仕事をするのに理想的な状況になるのだとか。そう考えると写真もまずはリラックスして楽しむことが大事と言えますね。




さて今回はFUJIFILMのX100Vという新製品のカメラで写真家 鈴木達郎さんを起用したPR動画があるのですが、それが肖像権の侵害やマナー問題として話題(というか炎上)している件で私も少しコメントしてみたいと思います。

※現在ではFUJIFILMの公式からはPR動画は削除されて謝罪文が表明されています。

私も写真を愛する人間、スナップ写真が好きな人間なのでこの件はとても興味があります。まず鈴木達郎氏を失礼ながら存じ上げなかったのでInstagramのアカウントを探してみました。そこでPostされている作品の一部が上のものですが…これが衝撃的でした。

どの作品も人間の生々しさ、時代の刹那を切り取った正真正銘の「これぞスナップ写真」の世界です。その中で人間の混沌とした感情に存在する”美”があり、都会に息づく人間の生命感に崇高さをも覚えるインパクトでした。撮る側の視線、撮られる側の視線の境界にヒビ割れのような物があり、そこから筋のような光が差し込んでいる作品です。もう完全に一人の写真観賞者として心を掴まれてしまい、身動きもとれなくなった屍のようになりました。

このような傑作を見ることが出来て感動と幸福と…そして感謝が生まれると共に、なぜこれが今、社会的に問題にされているのかを考えてみました。

リコーGR APS-C これは私が撮った写真です

街中で通りすがりの見知らぬ人に突然カメラを向けてシャッターを切れば、撮られた人が驚いて不快感を覚えるのは当然だと思います。私もいきなり誰かに撮られれば驚きます。「肖像権」なんて言葉は最近になって一般に定着した単語ですが、時代の変化とともに人々が肖像権を意識するようになった経緯とは何でしょうか。

そもそも問題の核心は勝手に人の顔写真を悪用する輩が出てきたことではないでしょうか。盗んだプロフ画像で詐欺に使うアカウントを作ったり、アダルトコンテンツを作る犯罪の類です。そういった犯罪事例から人々は「顔を盗まれる」ことに意識が高まり、見知らぬ人に写真を撮られることに警戒心を持つようになったと感じます。

林家ペー&パー子さんが分かりやすい例えです。今はやっていませんが昔、林家ペー&パー子さんは首にカメラをぶら下げて、手当たり次第に周囲の人を撮るという芸風を持っていました。むかしはあんな風に気楽に人にカメラを向けて写真を撮っていたのです。撮られた方も不快とも思わないから許されていた…というか何でもないことだったのですね。




写真機が一般に普及していなかったほど昔の話をすると、街頭写真屋といって勝手にスナップを撮ってくれて「この写真を買ってくれませんか?」という商売もあったそうです。私の祖父が若かりし頃にガス灯のある路地で咥えタバコで歩いている時に撮ってもらった街頭写真が今でも実家にあります。その写真は単純に祖父の若いころの写真というだけでなく、その時代のその瞬間を切り取った1枚にとてつもなく尊い何かを感じました。

昭和の時代に活躍したスナップ写真家の作品も同様です。撮ったその時に見ても普通の人が見る限りではなんでもない写真。しかし時代を切り取った1枚とは数十年という歳月を経て尊いものへ変わります。

RICOH GR APS-C

今回、鈴木達郎さんを起用したFUJIFILMのPV動画の件は一般の人が「これはダメでしょ」「犯罪だ…」「これを起用した企業が信じられない」といった反応が目立ちますが、どれも現代の日本の写真文化を象徴しているような反応だと感じました。と言うのも否定的なコメント主の大半は鈴木達郎さんの作品を見ていない(または見たが何も感じなかった)のです。

私の勝手な推測なのですがFUJIFILM社が写真文化や社会に何か警笛を鳴らす目的でこういった趣旨の動画を作成したのかもしれません。企画や広報のセクションに写真を愛している人、写真文化に貢献したい人がいて、様々な葛藤と覚悟を重ね鈴木達郎さんを信頼してメッセージを発信したのだと思います。見かけはX100Vという製品のPV動画ですが、そういったメッセージがPV動画内に隠されていると感じるのは私だけでしょうか。

ちなみに肖像権は民事になるので警察に行ってもだめだそうです。肖像権侵害とされる写真とは個人を特定できるアップであり、風景の中に写っている個人は侵害には該当しないそうです。そしてその境界に明確な基準はなく裁判などになるのも極めて稀なのだそうです(詳しくは専門サイトをご参照ください)。

そもそも人の顔は個人IDのようなものですよね。そしてそれを完全に秘密にして生きていくことは出来ません。

リコーGR APS-C

スナップについて見識のあまりない人の多くに「事前に交渉して承諾をえれば良いのに」という疑問があると思います。事前に承諾して撮るスナップも素晴らしい作品になりえますが、スナップ写真の世界では事前承諾のない撮り方の方が生々しさ、刹那という表現で優れていてると言われます。

だから撮る側としては事前承諾なしで撮りたいのですね。私が思うに現代として考えると事後承諾は必須なのではないでしょうか。「いま撮らせていただいたのですが芸術的観点での写真作品としてご理解をいただけますでしょうか」という撮った後に交渉をするのです。これを徹底するとだいぶ社会の反応も変わると思うのですが。




今回の騒動、今の時点で確かなことは2つあります。1つめは今回の件は日本の写真芸術の歴史に残る事件であったこと。2つめは数十年あるいは百年以上の未来に、鈴木達郎さんが撮った作品を見て多くの人が感謝するであろう、という事です。…いまこんな風に都会でスナップを撮っている人は少数なので、この作品はすべて貴重だと思うのです。

FUJIFILMも鈴木達郎さんも写真文化を通して社会に貢献したいという一心で、歪み始めた日本の写真文化に一石を投じるようにメッセージを発信したのだ…と私はそう信じたいです。その事が撮られたモデルさんに伝われば、きっと「そういう事でしたら撮っていただいて感謝申し上げます」となるはずです。一転してPV動画を削除して謝罪文を表明することになったFUJIFILM社は、きっと偉い人に「コラ、なんてことすんだお前ら」と怒られたのでしょうけど。立派な大企業ですから社会の反応を無視することはできませんからね。

もしFUJIFILMのような写真文化と向き合う素晴らしい企業と、スナップ写真で活動する写真家の方々に今後の課題のようなものがあるとすれば、スナップ写真という写真文化について、現代の肖像権社会にどう理解を勝ち取っていくかを考えるべき時なのだと思います。

今回はこの辺で!

人さえ写っていなければ何も心配ないですけどね

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上達の秘訣☆いつも撮る・何でも撮る・気軽に撮る

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回の深度のピントピークの解説があまりに難解だったので、今回は一気にハードルを下げてシンプルな内容でいってみたいと思います。

写真をやるようになって色々とやっているつもりだけど、いま一つ上達が実感できない。いつも同じような写真を撮ってしまいモチベーションも下がってきた…。こんな事でお困りではありませんか?そのお気持ちよく分かります。

上達が実感できないと遣り甲斐を感じないのは当然ですね。満開の桜の下にバイクを停めて構図を整えてパチリ…しかし帰宅してその写真をSNSにアップしたら、そのタイムラインのすぐ下に「1年前の今日」という自分の記事に全く同じような写真が出てきた。こんな事ありますよね?




ビギナーの方に一番多いと思われる上達の壁の原因は”写真を撮っていないこと”だと私は思います。週末にバイクに乗った時だけ、どこかに旅行に行った時だけ、たまには写真でも撮りに出かけるかーと出かける時だけ。こんな風に写真を撮る機会が限定されているようでは全く上達など望めません。

RICOH GR

どこかにツーリングに行って綺麗な景色を、噂の映えスポットに行って自分もインスタ映え写真を、桜が満開になったら出かけよう、流星群が来る日を狙っていこう、どれも悪いことではありませんが、そういった時だけ写真を撮るという習慣が上達を妨げる元凶です。

少なくとも上達を望むビギナーさんはもっとたくさん撮るべきです。毎日のように撮るのが理想です。「毎日はちょっと忙しすぎで無理だよー」・・・確かにそうですね。しかし仕事の日もバイクに乗れない休日でも、ちょっとした合間に日常スナップなら撮れるはずです。

対象は美しい景色や映えるか否かに拘る必要は全くありません。自分のセンサーの感度を上げて何となく琴線に触れる被写体にカメラを向けて撮って見ましょう。

RICOH GR

何でもない日常風景でいいんです。それを撮るだけで写真とはまず瞬間になることが楽しいという基本を改めて実感できると思います。

目の前の空間が一瞬で二次元の絵になること。感じたコトが写真になる感覚を途方もない反復練習によって研ぎ澄ませていくのです。




RICOH GR

本当に何でもいいんです。無理に人に見せる必要もありません。理由も不要です。この写真で何がいいたかったの?と誰かに言われるような写真を日常の中でたくさん撮ってみましょう。

その為にはスマホでも大丈夫ですが、できればポケットに入る程度のコンデジを用意して、いつでも持ち歩いて迎撃態勢を整えておきます。

RICOH GR

コツは何を撮るという発想をいちど捨てて「光のある空間」「刹那と表現できる瞬間」を自分で創作することです。最初のうちはうまくいきませんが何十枚、何百枚と撮っていけば「おやっ」と思える1枚がヒットするはずです。

その1枚を検証して自分の「好き」を認識してみましょう。誰も見向きもしない被写体や日常風景に自分の好きを確認できれば、それが貴方の個性です。

RICOH GR

何も身構える必要はありません。アナログラジオのボリュームダイアルを回すように感受性という感度を少し敏感方向に回してみましょう。それは平凡な1日を楽しくするダイアルでもあります。




RICOH GR

みんなが美しい景色や映えにこだわるなら、自分は美しくない景色や地味なものを撮ってやろう、という天邪鬼や反骨精神でもいいと思います。やっぱり人と同じことって退屈じゃないですか。

ここでご紹介した日常スナップは全て私が仕事の日に少しの合間で撮った写真です。いつもポケットにRICOH GRをしのばせて移動時間や通勤の途中で撮ったものです。何気ない日常に存在する自分だけの美や感動は他人からは見えないものばかり。それを写真にすることでアーティーな刹那として仕立て上げるのです。これが最高に楽しい!日常は実は美や感動に溢れた世界だったのか!と驚きを体験してみましょう。それが日常スナップの世界です。

こんな風に楽しみながら何でも気軽に何時でも写真を撮っていれば、この目の前の光景が写真になるとこうだ!という写真イメージ力も養えますし、28mmならこんな感じだろう、という画角の感覚も養えます。カメラで写真を撮るという行為が二足歩行やお箸を使う事のように、ほぼ無意識にできようになれば一人前だと思います。

感覚や楽しむコツを日常生活の中で毎日鍛え上げてあげれば、次のツーリングで一眼レフを持って出かけても素晴らしい写真を撮るためのベースとして機能するはずです。

騙されたと思ってやってみてください。楽しいだけでなく意外な自分の発見もあるかもしれませんよ!

今回はこの辺で!!

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上級者の秘密テク☆深度のピークをコントロールする妙

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は久しぶりに<上級>ツーリング写真解説をいってみたいと思います。今から2年前、私はこのブログを立ち上げたばかりの頃にツーリング写真の撮り方の解説として<初級><中級><上級>と3つのカテゴリーに分けて解説を作り始めました。

写真の撮り方のノウハウなんて普通は秘密にするものですし、基本的なことであればマニュアル本にもネット上にも情報は溢れています。世に存在している写真の撮り方とは大半が初級者向けのカメラ操作方法ばかりです。ビギナーを卒業しているはずの人でも最初に教わった基礎に縛られてしまい、それ以上の知識を得る機会が少ないな…と感じてこのようにしました。そして写真を好きになるとは、写真を楽しむには、といった写真を中心としたビギナー向けの情報が乏しいとも感じたのでその辺も最近は書くようにしております。

私のような人間が上級者向けの内容を書くなどまことにおこがましい…という事は承知の上でやってみようと思いました。「ぜったい偉い人に怒られるな」と当初は予想していたのですが、幸いなことに今のところ誰にも怒られておりません。




さて前回と前々回でツーリング写真、バイク写真に使う三脚のお話、そして三脚をバイクに積載するにはどうしたら良いか、という投稿を書きました。

前回の投稿はこちら

前々回の投稿はこちら

この解説の時に撮った作品で今回は被写界深度とピントピークのコントロールについて書いてみたいと思います。

EOS6D Mark2

まずは完成した作品からご覧ください。この冬の季節、南房総からは東京湾ごしに富士山が美しく見えるものです。また海は紺碧色で空気は澄んでいて冬の房総の海岸線は本当にバイクで走ると気持ちいいなと、30年も千葉をツーリングしていますがいつもそう思います。

いちおう<上級>ツーリング写真解説とはいえ、いつも通りこの作品の基本的なプロセスを最初に解説しておきます。まずFactorの解明ですが、ここで撮ろうとバイクを停めた理由は美しい東京湾ごしに見える冬の富士山にアンテナが反応したこと。Real side分析では富士山まで遠い、海が青い、撮影スペースはかなり広い、タンカーやコンテナ船が頻繁に行き交っている、トビが飛んでいる、など作品に使えそうな素材をピックアップしました。heart side分析ではとにかく全体が青の印象として感覚に刺さったこと、日本の玄関口である東京湾の様子とトビの演出で何となくStory性を作れそうだと予感したことです。

左 F6.3                     右 F14

<上級>ツーリング写真なので基本的なことはサラっと解説します。この撮影シーンではR1200GS-ADVENTUREの各パーツに入ったハイライトを使って玉ボケで表現してみました。F14まで絞り込んだ右よりもこのレンズで解放となるF6.3の方がキラキラと抽象的で私好みだったのです。画面全体は望遠レンズによる強烈な圧縮効果で富士山も海面の青も見る側へ圧力的にアピールします。

いくら絞りを解放に設定しても、ある程度から遠くにある部分は被写界深度が深く発生することは上級者の方でしたらご存じだと思います。そして深度は奥行方向に山になっていてピークが存在がします。ピークは最もシャープになる合焦ポイントですが、解放と違って深度が深い場合についてはピークもある程度の奥行きが存在するものです。




☆ここでワンポイント なぜMFを使うのか?

ではそのピーク位置をどこに置きましょうか?もちろんAFではなくMFを使用します。AFはスポーツシーンなど動く被写体を追従する時などに必需ですが、こういった風景写真の場合は被写体との深度の兼ね合いを考慮してMFで精密にコントロールしてみましょう。

カメラのAF機能は深度と被写体の兼ね合いまで考えて動作する訳ではありません。あくまでピントピークを特定の被写体に合わせることしか出来ないのです。

この作品の場合はとにかくR1200GS-ADVENTUREの車体に入る玉ボケのハイライトを美しく表現したい一心でした。そのための手段として開放F6.3で発生した深度とそのピントピーク位置をこの写真の最も遠景となる被写体、富士山の頂に合わせてみました。ピークが思いっきり遠くになったことで、R1200GS-ADVENTUREの玉を大きくしたのです。

これがもしピークを対岸の久里浜や沖合の船に合わせたとしましょう。それでも富士山の頂はシャープに写りますが、F6.3程度ではこれほど大きな玉ボケは作れません。

例えば300mmの望遠レンズで50m先に被写体A、70m先に被写体Bがあったとします。AとBの両方にピントを合わせたいとき、最低必要な被写界深度を出すにはF11だとします。AとB以外の背景や前景はなるべくボカしたいとなったとき、ピントピークの位置はAとBの真ん中となります。AFを使ってしまうとAかBのどちらか一方にピークを合わせてしまうので、両者にピントを持ってきたい場合はF11では深度が足らなくなってしまい、さらに絞れば背景や前景のボケ具合が甘くなってしまいます。

深度のコントロールとピントピークの調整は必ずMFで行う理由はこれです。

絞り込みボタンを押し込みながらフォーカスリングを回す

ピントピークの位置調整は難しいのでお勧めのやり方をご紹介します。まずレンズをMFにしてライブビューさせます。そして絞り込みボタンを押し込んでみましょう。

絞り込みボタンを押し込んだままの状態でフォーカスリングを回し各被写体の合焦を確認しながら調整します。私のSIGMA150-600mmF5-6.3DGの場合はピントリングを左に回していくことで、合焦ポイントは遠景に向かっていきます。拡大表示させる部分はコントラストのはっきりしている部分を探してみましょう。もしR1200GS-ADVENTUREに合焦させるのであれば上の写真のようにBMWのエンブレムが分かりやすいです。皆さんもご自身のバイクでピント確認しやすい部分というのを見つけて決めておきましょう。




このようにピントをかけたい2つの被写体を狙い、絞り込みボタンを押しながらピント調整する一方で、通常の方法としては絞りは解放にしてピーク位置だけを確認するやり方もあります。一般にはこちらが正しいのかもしれません。カメラのファインダー像が通常時は解放で写っているのも、ピントピーク確認用としてそうなっているのかもしれません。ただ今回の作例のように被写体Aと被写体Bの真ん中に目印になる物が何もない場合は困ってしまいますが(上の作品だと海のだいぶ沖らへん)。

最後に作品の深度のお話以外の部分を補足しておきます。絞り値の比較写真ではヘルメットを置いている位置がR1200GS-ADVENTUREの足元ですが、完成写真では画面のちょうど左下の角に置きました。光沢のあるヘルメットであれば、これもハイライトが玉ボケになってくれると思い、画面の中で印象の弱かった左下をヘルメットに補ってもらったのです。そしてコンテナ船は明瞭に写っていませんが、これは冬の東京湾でよく見られる蜃気楼のような現象によるものです。その証拠としてずっと手前に存在している鳶には合焦しています。

今回の解説としては蛇足ですが以前に解説した7つのプロセスの最後【奇跡の待機】によってラッキーを授かりました。鳶が登場し鮮やかに作品の主役を奪っていった・・・その瞬間をとらえることに成功したのです。これが写っているのを確認した瞬間「やはり写真の神は私の味方だな」と勝手に膝を叩いて喜んだものです。

どんなに静かに見える風景でも写真とは瞬間なのだ、という事を忘れずに撮影に挑みましょうね。

今回はこの辺で!!

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↓↓↓撮影地↓↓↓

ちなみにこの撮影ポイントから富士山の頂まで、直線距離で測定してちょうど100kmでしたよ。