バイクの写真、愛車写真を撮る場合のコツ

EOS5D Mark4+TAMRON SP24‐70 F2.8




愛車の写真を撮るときに記録的に撮っていませんか?

ただ枠におさめてピントを合わせれば正解…と思い込んでいると、平凡でありきたりな写真に陥ります。

愛車の写真を撮るときは、そのバイクの造形をよく観察し特徴をとらえ、それが最も魅力的に見えるようなベストアングル、ベストフレーミングを探りましょう。

そして自身の【魅せ方の引き出し】からそのシーンに相応しいものを選択し、ベストアングルに演出を加えます。

EOS5D Mark4+SIGMA150‐600 5.6‐6.3DG C

例えば一枚目の森の中の写真はカラーバランス、二枚目の海のシーンでは望遠で海面の青を引き寄せました。




「私は写真のセンスがない」と嘆く方がおられますが、センスとは【魅せ方の引き出し】にたくさんのカードが入っていて、その場面に相応しいカードを切れる才能のことです。

多くの方はカードを2、3枚しか持っていないのに「センスがない…」と言っているようです。
まずは貴方の魅せ方の引き出しに100枚くらいのカードを準備しましょう。

たくさんの魅せ方カードを在庫させたら「この場面ではこれだ!」とカードを切るセンスに磨きをかけるのです。センスとは先天的なものではありません。自分で磨くものです。

EOS5D Mark4+TAMRON SP24‐70 F2.8

私は10年以上かけてこれを磨いてきたので、なかなか洗練されていると自負しております。もちろんこの先も磨いていき終わりのない表現者の道を歩んでいきます。

常に関心の対象を写真とし(カメラやレンズではありません)、写欲という創作欲に従順に、好奇心で学び、実践と大量の失敗を繰り返してください。そう、大量の失敗です…それを検証すれば必ず学びがあります。

次のツーリングで一歩前進し、また次で前進する。一年前に撮った桜の風景の写真と「まったく同じような写真だな」と感じる人と「去年の自分とはまったく違う」と成長を感じられる人では天と地ほどの差が出ます。

写真を撮るのは楽しい!ということを見失わなければ、今回ご紹介したような写真なら誰でも撮れると私は思います。

さあ、次のツーリングであなたの【魅せ方の引き出し】に新しいカードを増やしてみましょう。

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ツーリング写真ギャラリー 春の足音




In Giappone il freddo si è attenuato e si sentono i passi della primavera.
I fiori di ciliegio delle varietà a fioritura precoce sono bellissimi con i loro colori scuri.
Queste sono foto paesaggistiche del mare e della MOTOGUZZI V7 nella prefettura di Chiba.
Grazie per aver guardato.
なぜ突然イタリア語なのか?といいますと・・・
最近、SNSのグループでイタリアのMOTOGUZZI V7オーナーズというのに参加していまして、そこで日本の風景を走るMOTOGUZZI V7のツーリング写真を投稿したところ、イタリアの方から大好評でした。
そしてイタリア人のお友達も増え【究極のツーリング写真】もいよいよ海外進出?をはじめたのでございます。



私たち日本人は日本にいると気が付かないのですが、海外の方の日本への憧れは私たちの思っている以上に大きいものです。
世界的にみてオートバイと言えばホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキと日本メーカーが強いのですが、それにも関わらずバイクメーカーの国、日本の地でイタリアのMOTOGUZZIが走っている!というの知るだけで彼らには嬉しいのだそうです。
そう言われると、MOTOGUZZI V7に乗って日本風景をツーリングし、そしてツーリング写真を撮っている私にしてみたら、こんなに嬉しいことはありません。
それが楽しくて、最近はかなり頻繁に日本の風景を走るMOTOGUZZI V7のツーリング写真を投稿しているのです。
「なんてことだ!日本で我らモトグッチが走っているなんて!」
「日本でモトグッチは人気なの?また美しい写真をPOSTして」
こんな嬉しい反応をいただくたびに
写真家の道を選んで本当に良かったなぁと感じる次第です。
改めてマズローの欲求のヒエラルキーの頂点にある【自己実現】という大分類に属する【自己表現】というものを持っているのは、本当に幸せなものだな、実感した次第です。



あまり語られないバイク写真の基本構図




久しぶりに写真のノウハウについて少し書いてみたいと思います。

一般的に写真の基本的なノウハウとして三分割構図とか遠近法とかを聞きますね。今回はそういったことではなく、直感的な美しさを感じるバランスの話を書いてみたいと思います。

さて、上の作例ですが・・・不思議なことにバイクを買い替えると趣味も少々変わるようで、最近はウェアーにやたらこだわるようになりました。

MOTOGUZZI V7に似合うようなレザーライダースやカッコいいジーンズなど。あれこれ選んでいるだけでも楽しいものですが、それを手に入れると今度は写真を撮りたくなるものです。写真のものはクシタニのアンフィニッシュドジャケット2にMaxFritzのダブルニーデザートパンツを合わせてみました。




まあ、ウェアーの詳細はいいのですが、こういった写真を撮るときに悩ましいのがポージングとバイクとのバランスです。以前も少し書きましたがモデル撮影の世界では王道とも言えるコントラポストというのがあります。腰を傾け背骨のラインをS字にするものです。

今回もコントラポストの応用で体のラインにS字を入れてみました。下半身のラインは車体のサイドスタンドの傾きに同じ方向に合っています。なかなかモデル撮影やデッサンなどの知識がないと、こういった部分まで意識するのは難しいですが、この直感的に美しさを感じるポーズやS字、傾きの妙などを心得ると写真が変わってきます。




もう一つ、多くの方が出来ないのが【どちらか一方が主役であることを明らかにする】ということ。バイクならバイク、ライダーならライダー、風景なら風景。誰に見せても何が主役なのか?という問いに同じ答えが返ってくるよう明らかにするのです。

やり方はいくつもありますがピント位置、大きさ、上のようにバイク(主役ではない方)の一部をフレームで切ってしまう、といった手法がシンプルなやり方です。MOTOGUZZI V7のフロントの一部を枠で少々切り落としただけで、ライダーが主題となる構図となるのがお分かり頂けると思います。

面白いのをもう一つ。バイクが向いている方向と対照的に、ライダーが視線を向ける方向を真逆にしてしまう!というやり方です。こうすることでバイクが見ている先、ライダーが見ている先、つまりスペースにバランスをもたらし、結果として構図に安定が生まれます。

いかがでしたか?4~5年前までよくこんな風に写真に関わるノウハウを書いていたのですが、久しぶりに詳しく書いてみました。

今回の内容はスマホ撮影や動画撮影でも使えるノウハウです。ぜひ次のツーリングで実践してみてください。

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憧れの一枚を撮るために【ツーリング写真】




EOS5D Mark4

今回は久しぶりに写真の話を書いてみます。

もちろんただの写真ではなくツーリング写真、バイク写真に関わることです。

「いい写真が撮りたい」これはカメラを手にする人の共通の願いですよね。

…いや最近ではカメラと限定せず、スマホでもいい写真は撮れますからね。

趣味であれ、職業であれ、大衆的であれ、写真家であれ…

撮るからには「いい写真」をこの手で実現させたい。

でも多くの人はなかなか叶わず… 果てには諦めモードで

「私にはセンスがない」といって嘆いたりします。




いい写真を撮るにはどうしたらよいか?

このスペースではこの疑問の全てを書ききれませんし

当然、私の知識も全く足りません。

ただ私の知っていることを端的に言わせていただければ

1.【いい写真】というのを自分なりに定義する

どう撮るのが正しいのか?と正解を求めたり

他の人がどう撮っているのか「お手本探し」をしない

お手本をトレースしただけの写真を撮らない

大切なのは自分ならどうなのか?という一個人の表現です。

バイク旅で出会った風景や被写体。それを受け自分はどう感じ、どう表現したいのか?感受性、表現力、個性をフル動員して一枚を生み出すのです。

きっちり「私」という個人を堂々と表現しましょう。

 

2.イメージの解像度を上げる

正解探しをしないと決めたら、そのシーンで撮ろうと思った理由を探してみよう。

言語化できればしても良いし 出来なければその感情をイメージするだけでOK

こう撮りたいという完成予想図、空想の写真、いつか額装して未来に見返すであろう

一枚の作品というの想像、空想、妄想、とにかく脳内でイメージしまくります。

そのイメージを漠然とさせるのではなく、詳細に解像度を上げてイメージしましょう。

ここ、あまり聞かない話ですけど20年写真をやっている私の話を少しでも信用していただけるのであれば、ぜひ信じて実践してみてください。




3.バイク旅にかける思いを投影しよう

写真にはテーマや主題となるものが要求されます。

他のARTと違い元になっているのが現実だからです。

ドキュメンタリー要素の強い表現の世界なので、このテーマや訴求感が薄いと、ただの記録的写真と混同されてしまうのです。

記録的な写真とはツーリングのレポート、記念写真、SNSで目立たせる承認欲を満たすための大衆写真、商用写真などのことです。

何しろ本人は作品のつもりで撮影しても、使っている道具は皆と同じカメラという機械なものですから、記録的な写真と表現としての作品の違いが曖昧で、訴求感を打ち出していかないと勘違いされるのですよね。

勘違いされてしまった場合の反応は「写真うまいですね」です。

この反応を受けてしまったら失敗ととらえるか、見せる相手を間違えたかのどちらかと覚えておきましょう。

とにかく「私の場合はこうです」と堂々と表現することです。少々大げさに言ってしまえば覚悟ですかね。

人と同じ写真を撮るのをもうやめにして、覚悟をもって個人として作品を発表していきましょう。それが自分なりの「いい写真」になるはずです。

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MOTOGUZZI V7special(850)に乗り換えて変わったこと




MOTOGUZZI V7スペシャルに乗り換えて4か月

慣らしも終了しODOメーターは現在6000キロ

もちろん故障やトラブルは一切なし

バイクが変わるとバイクの楽しみ方が変わる

ツーリングルートや行き先が変わる

乗り方が変わる

ウェアーもバイクに似合う新しいものが欲しくなる

(写真のレザーライダースはクシタニのアンフィニッシュドジャケット2)




なんだか別の自分になった気がする

それもそのはず

自分はBMWのGS一筋で20年

堅牢で先進的なツーリングの優等生から

伝統的で美しいイタリアンデザインを纏うV7に変えたのだ

コロコロと愛車を変える人にあまり良い印象はないけど…

でも心境の変化、心の成長、節目節目でバイクを変えるのは

実は素敵なことなのだな

モトグッチV7、今の自分にとって最高のバイクです




日本人の信仰心を今、取り戻そう




EOS5D Mark4
私たち日本人は信仰心をいま見直す時期ではないでしょうか?
神社、お寺の参拝をただの習わし、または観光気分で行っていないでしょうか?
そもそも全くそのような場所に行かない、食事の前に「いただきます」も言わない、神社とお寺の違いがよく分からない…といった方も多いのでは。
もちろん観光気分で参拝するのは悪いことではありません。
ただ時代が風の時代に変わったいま、日本人の信仰心をもう一度本来のものに取り戻したいと思うのです。
神社は神様が降臨する場所であり、その社の主祭神が祀られ祭祀が行われる場所、または自分という御霊のルーツです。
一方でお寺は仏様の世界でお釈迦様を模範とし成仏(悟りを開く)するための学びの場です。
多くの場合でお墓があり住職さんがそこに住んでいます。



神社は神道(しんとう)。天の神様(高天原)、地上の神様(葦原の中つ国)、八百万(やおよろず)の神様に守られ、宇宙のエネルギーと容易にコンタクトできる数々の神社があります。その数はコンビニより多いそうです。
お寺は仏教。生きる苦しみを和らげる悟りへと導く、お釈迦様の教えも学べる。この両者は互いが良好に親和して古くから日本人の信仰となっていました。二つの信仰が対立もせず調和している妙。
正に神々の美しき国【日出る国】
世界中探しても日本を置いて他にない。
私は日本人として生まれてきたことを心から嬉しく思い、なぜ自分が日本人なのか?という思いを巡らせています。
戦後、得体のしれない何かに奪われた、日本人の信仰心をいま取り戻そう。
まずは参拝のマナーを知り、日本書紀などの神話を読み返し、食事の際は米粒ひとつひとつに心から感謝して「いただきます」を言い、家にはお札を祀って朝晩祈ろう。
手と手を合わせて「祓え給え 清め給え」とお祈りをするだけで清らかな気分になれます。
(写真のバイクを停めている場所は神社の駐車場です)



MOTOGUZZI V7specialと初キャンプ




すごく不思議な感じなのですが

愛車をBMW R1200GS‐ADVからMOTOGUZZI V7specialに変えて

なんだか自分という人間もだいぶ変わったようが気がします。

前ほど距離や場所にこだわらなくなったし

バイクに対する見方も変わって

許容範囲が広がったというか

必ずしもバイクに立派な何かを期待しなくなった。





さらに興味深いのは

以前にも増してバイクという無機質な機械が

エネルギーを発する生き物のように感じる。

なぜなら私のV7は もう6000キロ近く走ったけど

噂に聞く故障やトラブルは全くもって皆無で

このバイクは私のことを気に入ってくれている

相思相愛状態なのでは?などど感じてしまうから。

愛おしい車と書いて「愛車」なのだと

数値で表せない 言葉でもうまく表現できない

そんな感覚でイイ!と思える謎の部分が

やたらハイスペックなバイクなのです。




モトグッチV7インプレッション MotoguzziV7specialインプレ

さて、本ブログの更新にだいぶ間があいてしまいました。最近はYoutubeチャンネル【風の時代のバイクライフ】がお陰様で順調に成長しておりまして、動画の作成に時間を使っております。

脱サラができれば毎日のようにバイクに乗り、写真を撮り、彼の地へ旅をし、動画制作してブログを更新して、ライダーとして旅人として、写真家として発信者として、日々の時間を過ごしたいものです。

いや、その日が一日でも早く来るように「今」できることをやっていきます。




さて、今回は最近何かと話題となるモトグッチについて。この秋に2022年モデルのモトグッチV7specialを購入したのですが、だいぶ扱いに慣れてきて、なぞのイタリアンバイクの素性も見え始めたのでインプレッションを書いてみたいと思います。

2022’Motoguzzi V7special フォーマルブルー

あらためて自己紹介させていただきます。

私は今年でバイク歴34年目になりますが、10代の頃からカウントしてVFR400R、セロー225、スーパーシェルパ、ジェベル250GPS、F650GSダカール、R1200GS、マジェスティ250、R1200GS‐ADVENTUREと乗り継いできました。

約10年ほど前まではバイク用品メーカーで開発社員をやっており、ツーリングバッグやミラーなどを手掛け、その際に車両メーカーから新型車を色々と借りて調査や撮影などをしていたものです。

ということで…一応は元バイク業界人であり、そしてツーリングをこよなく愛する孤独なライダーであります。ツーリングは北は北海道の礼文島、南は沖縄県の石垣島まで日本列島の8割は走りつないだかな…と思えるツーリングの経験があります。

特に北海道は13回ほど経験していてBMWのGSで林道を楽しみながらキャンプ装備でロングツーリングを楽しんできました。何歳になっても飽きることなくバイクを乗り続けていて、気が付くと旅先で出会った写真を撮り続けた結果として現在は写真家となりました。

さてモトグッチのお話です。

R1200GSを15年、F650GSダカールから数えて20年もBMWのGS系で楽しんできた私が、ここにきてオフロードを捨てネオクラシック系のバイクに食指が向いたのは?エンジンという燃料で走る機関の時代が末期をむかえ、いまエンジンを楽しめるバイクは何だろう…とふと考えた瞬間に、偶然にも目に入ってきたバイクがV7specialだったのです。

実はずっと以前よりOHVヘッドの古いBMW、名車R100RSに憧れを抱いていたのですが、近年になって中古の相場が高騰してしまい、なかなか具体的に検討できない状況ではありました。そこでV7specialを見た瞬間、これなら今まで愛してきた空冷ツイン、縦置きエンジン、シャフトドライブといった機構は同じだし、クラシカルで純粋にバイクを楽しめる良いバイクなのでは?と思いました。




悩むこと数か月。今まで手元にあった2008’R1200GSと2013’R1200GS‐ADVENTUREの2台のうち、ADVENTUREの方を手放してモトグッチV7specialを購入することを決断しました。

決め手となったポイントは次の通り。2021年にモトグッチは創立100周年をむかえ、その節目として主力商品であるV7をフルモデルチェンジ、従来の750㏄からアドベンチャーバイクであるV85TTやV9シリーズなどに搭載されている850㏄エンジンへスープアップ。その他、フレームやサスペンション、タイヤサイズなども変わり現代のV7へと生まれ変わった【ブランニュー】であること。フォーマルブルーの車体に各所のメッキパーツがこれからバイク人生の後半戦に突入する自分の琴線に触れた…といったところ。

購入は県内にも正規ディーラー(ベスパ&モトグッチ 会社は今までお世話になったBMWディーラーと同じ会社)があったのですが、故障などのトラブルが不安でロードサービスに定評のあるレッドバロンで購入しました。

正直、手広くやっている大手には良い印象は無かったのですが、先入観は良くないですし何より店舗が近所にある、モトグッチの新車販売に注力している、全国の店舗でサービスが受けられる、そして最大の魅力は先ほども書きましたが全国無料のロードサービス。

今時は自動車保険にロードサービスは付帯するけど、運ぶ先となる工場がなければ意味がありません。モトグッチなんてその辺のバイク屋さんが見てくれる訳もなく、遠くまで旅をしている時にトラブルに見舞われて途方に暮れるのは避けたいものです。

以前に北海道の稚内のキャンプ場でバイクが故障してレッドバロン稚内に運んで修理してもらっているライダーを見かけ、レッドバロンで買うとこんな素晴らしいメリットがあるのか・・・と感じたものです。

ちなみにレッドバロン稚内にはライダー向けの宿泊施設や洗車場まであるそうです。

メッキリングのシンプルな二眼メーター オドメーター3キロ!

で、レッドバロンですが店員さんも懇切丁寧で納車までの流れの中では何も不満を感じる点はありませんでした。オイルをまとめ買いする【エンジンオイルリザーブシステム】はオイル交換くらい自分でやる派なので、当初はお断りしようと思いましたが、オイル単価があまりに安いので加入して日帰りツーリングの帰りに店舗に立ち寄って交換してもらうというのも悪くない、と思い加入しました。

乗ってみた感じはネット上の噂などと全く違い、クセはなく極めて乗りやすいフレンドリーなヤツ!という第一印象でした。ま、空冷ツイン、輸入車、縦置きでシャフト駆動・・・といった部分は15年の付き合いであるR1200GSとの共通項なので、違和感なくて当たり前ですが。

車格は大型バイクとしてはコンパクトでR1200GSに慣れた私にとっては小さいバイクです。重量は特別重いワケではなく、かといってR1200GSのように見た目を裏切る軽さもありません。




足つきは身長179㎝ 体重74キロの私が乗ると両足のかかとまでベッタリ着いて、膝も適度に曲がる余裕さ。視点はR1200GS(特にアドベンチャー)と比べると、一気に標高の低い風景となります。

意外だったのはシートが秀逸でシモンズ製か?と思うほどフッカフカのソファーみたいなシート。快適なのは容易に想像できるのですが、意外と長時間で疲れるか、あるいは操作性に悪影響があるのでは?と思いましたが、長距離もワインディング楽しみましたが見た目の良さも含めて100点満点のシートです。

850㏄のVツインエンジンは縦置きで空冷という意味でR1200GSとよく似ていますが、BMWが4バルブのDOHC(中期以前はシングルカム)に対してモトグッチV7は2バルブのOHV。ヘッドがBMWは先進的でモトグッチは伝統的。この相対関係はエンジンに限らずサスペンション、フレーム、ブレーキ、デザインまで全体に言えることです。

そもそもV型と水平対向は単純に両バンクの角度の違いではなく、ピストンがコンロッドを介してクランクのどのポイントを掴んでいるのか?で大きな違いがあります。

水平対向は180度違う異なるポイントを、対してV型は両者が手と手を取り合うように同じポイントを掴んでいます。もしV型を水平にしただけであれば、そのエンジンは180度V型と呼び、非常に珍しいのですが代表的なのはフェラーリのV12がそれです。

で、話が飛躍しましたが実際に走らせるとR1200GSは低回転からドスドスドス…と鼓動を打ち、回転を上げるごとにドドドド…ブィーンとなりエンジンの存在は影を潜めていきます。V7specialのV型は低回転はドルドルドル…回転をあげるごとにウィーンという独特のモーター音のようなうなりを上げますが、エンジンの存在が影を潜めるのはR1200GSのそれよりずっと高回転であり、高速道路を80キロ以上で走る場面。つまり下道を走っている限りは、いつもエンジンの鼓動が楽しめるのです。

850㏄世代となってストロークアップし逞しくなったリアサスペンションは日本のKYB製。といってもR1200GSをずっと乗ってきた私にとって、この進化を評価する基準は持ち合わせていません。何しろR1200GSはツーリング用として考えれば世界で最も優れた足だと私は思っています。先進的なアドベンチャーバイクと伝統的なネオクラシック、というジャンル違いなのですから比較するものではありません。そもそも二本サスですしね。

おそらく先代のV7から乗り換えた人にとっては素晴らしいサスペンションだと感じるはずです。私の感覚だと舗装の荒れた林道などでペースを上げると、連続するギャップを吸収しきれず上半身に強いシェイクを食らい、その不快感でペースダウンを余儀なくされます。しかし、それは飛ばしすぎの自分を気付かせてくれる気の利いた一面であると寛容的にとらえることが出来るのもV7specialの魅力。

これはサスペンションに限らずスピード感も同じ。V7specialはゆっくり走っても楽しいバイク。R1200GSもゆっくりでも楽しい…と思って乗っているのですが、ふとメーターを見ると結構なスピードが出てしまっているのです。一方でV7specialに乗っていると、今日はやけに周りの車がトバしているなぁ、と思ってメーターを見ると自分がゆっくりであることに気が付くのです。

といっても決してのろまなバイクではありません。意識してバイクらしく加速すれば本性が見えます。

最も意外な一面だったのは高速道路でアクセルをワイドオープンにしたときに強烈な加速力。

見た目の印象を見事に裏切る「力持ち」です。もちろん普段、普通に走らせている時も特に3000から4000回転あたりで非常にトルクが太く、グイグイと車体を前にすすめてくれます。そして2VのOHVヘッドの特徴か、とても扱いやすいトルクカーブを描く加速で、これは「楽しい!!」と思わせる絶妙な味付けとなっています。

このトルクの出方はのちにワインディングに持って行った時に、コーナーを気持ちよくアクセル開けて駆け抜けるための味付けだったのだ!と気づかされ二度感動するエンジンでした。

見た目よし、振動よし、音よし・・・そしてトルクが太く非常に扱いやすい。こんなバイク、果たして他にあるだろうか??

V7specialの素晴らしいのは美しい車体や存在感のあるエンジンだけではありません。あまり話題にならないのですがブレンボ製のこのブレーキ。

フロントはシングルディスクの対抗4ピストンキャリパー。これがコントロール幅がドラムブレーキ並みに深く、極めて扱いやすい秀逸なブレーキなのです。もちろんABSも装着されています。

バイクのキャラに合わせてこういった部分まで絶妙に仕上げるモトグッチにただ敬服するのみです。

燃料タンクはなんと21Lも入る大容量。燃費はツーリングの実測で23km/L程度。ワンタンク500キロ近く走ってしまう、ツアラー顔負けのロングディスタンスを誇る。ただしV7シリーズを象徴するこの独特な意匠のタンクは、出っ張っている部分が私の身長だと膝に当たってしまい、お世辞にもニーグリップしやすいとは言えません。

カッコ悪くなりますがニーパッドを装着すれば改善するかもしれません。何かカスタムをしたいときに、見た目の美しさを崩してしまわないか?と気を遣うのが美しいバイクのある意味で欠点ですね。

大好きな山道も走らせてみました。

ハンドリングは非常に素直で分かりやすく、あぁバイクはこうやって後輪がまず旋回をはじめ、追従するようにハンドルが切れるんだっけかな。とバイクが曲がるという物理法則の原点を思い出す感じです。

独創的な機構のサスをもつR1200GSが魔法のようなコーナリングで感動させてくれたのに対して、V7specialの場合は「自分が曲げた」というごく当たり前の操作感、乗りこなしたぞという実感を味わう感動があります。

また縦置きエンジン特有のトルクリアクション、乾式単盤クラッチの回転による遠心力の軸、シャフト駆動のモーメント、これらの物理的な力が作用する「進行方向の安定感」と「ジャイロのような傾きやすさ」が相まって、直進の安定と旋回の軽快さが高いレベルで両立しているのはR1200GSもV7specialも同じです。

いずれも横置きエンジン、チェーン駆動の【普通のバイク】にはない素晴らしい走りですので、まだ未体験だという方には強くお勧めしたいポイントです。縦置きのシャフト駆動、ほんとサイコーですよ!

あまり書き連ねてもキリがないので、さいごに重要なことを。

それはデザインですね。イタリアといえばデザイン、芸術、ファッションなどの国。自動車デザインでもピニンファリーナ、ジウジアーロ、ガンディーニなどの名前がすぐ思い浮かびますし、二輪四輪問わずイタリア車って美しいですよね。個人的にはマセラティが好きです。

私はデザインは専門ではありませんが、写真家として黄金比などの比率やカラーがもたらす印象などは少しは分かるつもりです。V7specialを眺めていると単純にメッキパーツがあると美しいとかではなく、細部まで洗練された魂的デザインというものが確かにあるのだな、と強く感じます。

それはパッと見では分からないのですが面の作り方、Rのとり方、ヘッドカバーのデザインやシボの粗さ、フォークの太さやホイールリムの光沢具合に至るまで、全体を一つとするデザイナーの卓越したセンスがぎゅっと一台に詰まっているようです。

ブランドの誇る伝統、クラフトマンの精神、デザイナーの才能が全体に及び、どこか日本的な奥ゆかしさで【控えめ】に存在する品格がV7specialの魅力であり、これから50代をむかえる私のハートを射抜いたのでは?と感じます。

ともあれ、私はバイク旅を愛する写真家としてV7specialに惚れました。

決してハイパフォーマンスではなく先進的な機構や電子デバイスも無いに等しいけど、伝統的でメカの魅力が満ち満ちて、美しいデザインを纏うこの一台を、これからの旅の相棒として選びました。

実はモトグッチを買う前の率直な思いとして「壊れるんだろうに、そんな恐ろしいバイクで遠くまでツーリングできるか」と考えていました。

しかし冷静に考えてみるとモトグッチが壊れる…なんて話はどこから来た?という疑問が沸いてきました。誰かが言っていた噂話、ネットで書かれている情報、これらが思い込みを作り自分の望む道を制限していないだろうか?

考えてみると、こういった噂話や社会的な通念、親が昔よく口にしていたこと…などに不要な思い込みを作っているのは珍しくありません。

大きい会社に入って立派になれ、みんなと一緒にしなさい、普通がいちばん、いつまでも遊んでいるな、会社はやめるな、我慢して努力を重ねろ、といったもの… T社の車は壊れない、アメ車は燃費が悪い・・・こういったものは自分で体験した結果であれば別ですが、たいていは何処かで聞いた他人の情報にすぎず、実際は自分はそうは感じないかもしれないのです。

思い込みが本来みるべき素晴らしい世界をみすみす逃していると考えると、モトグッチは壊れやすいそうだから買うのをやめよう…なんて馬鹿らしいと思えてきました。北海道を旅したいと願っているのに、誰かに「北海道はよく雨が降るよ、シカが飛び出して危ないよ…」と言われて「じゃあ行くのやめよう」なんて変ですよね。

今の時代、バイク選びに限った話ではありませんが他者の情報や社会的通念に翻弄されず、自分のアタマでよく考え、自分の直感を信じて決断をしたいですよね。

自分で決断したものは何があっても「楽しい」と思えるはずなのです。

私はモトグッチV7specialの言葉では説明できない魅力を直感で感じ、よしこれでいくぞ!と決断をしました。

これからこの不思議なイタリア娘とどんな旅が待っているのか?内燃機の末期時代にふさわしいツーリング写真を生み出すぞ!という意欲とともに、ワクワクしております。

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駆け抜けるよろこび




さて、久しぶりの投稿になってしまいましたが

モトグッチ V7specialは無事に慣らしも終え

先日、はじめての遠出として福島県の裏磐梯まで走ってきました。

美しい紅葉の中を新しい愛車で走ることに幸福感を覚えます。

それにスクリーンすら装着していないネイキッドバイク…

お腹まで来る風圧を感じ バイクに乗る原点に帰った気分です。

本当に気持ちいい

V7はR1200GSと構造がよく似ていますが

ボクサーエンジンとV型エンジンは同じ空冷2気筒でも

放つ鼓動がまるで違います。

快適性はボクサーですがV型の方が趣味性があるのでは…

と感じます。いやR1200GSはバランサーウェイトが入っているからな。

この辺のV型とボクサーの違いについては じっくり味わって

機会をみてコメントしてみたいと思います。




ところで人はなぜ空間を駆け抜けることに

こんなにも爽快感を感じるのでしょうか?

バイクと縁のない人でも、スキーで斜面を滑降したり

子供がブランコを楽しんだり 緩やかな坂を天気の良い日に

自転車で下ったり…

誰でも気分がいいですよね。

この世という3次元の空間を 体を露出させて駆け抜けることに

何かを感じるのでしょう。

それとも何か穢れなどから浄化される?

はたまた解明されていないエネルギーなどを受けるとか

不思議ですね。




新たな愛車 モトグッチV7スペシャル 納車されました

さて突然ですが新しいバイクを購入しました。

今までBMWの2008’R1200GSと2013’R1200GSアドベンチャーの二台体制でしたがアドベンチャーの方を手放して購入したのは・・・

 




 

 




モトグッチV7スペシャルです。

20代まで国産車を乗り継ぎ、F650GSダカール、R1200GS、R1200GSアドベンチャーとおよそ20年、BMWのGSを乗ってきましたが、ここにきて路線変更です。

私のバイクキャリアを考えると、モトグッチにいくならV85TTというアドベンチャーバイクが妥当なのですが、この内燃機関末期のバイク文化を確かな記録として写真に残すにあたり、最も理想的なのはバイクらしいバイクの佇まいを持つネオクラシックだと思ったのです。

もちろんそれだけの理由ではなく単純に「惚れた」から選んだ!というのが一番の理由ですが。

候補となったのはメグロK3、エンフィールドのインターセプター650、トライアンフのストリートツインなどですが、バイクの持つ雰囲気としてクラシックさとモダンさの割合が絶妙だったのがこのモトグッチV7だったのです。

分かりますかね・・・クラシックさとモダンさの割合。デザインの雰囲気で言えばホンダCBXのような80年代入りたてのスポーツバイクといった感じです。




GS乗りがネオクラシックへ…一気にジャンルが変わりましたがバイクの構造だけを見れば、意外なほどR1200GSとの共通点は多いです。空冷ツインエンジン、縦置きレイアウト、シャフトドライブ、乾式単板クラッチ… 一般的にクセのあると言われるモトグッチですが、この構造を持つバイクのクセを10年以上は乗ってきた私にとっては特段違和感はありません。

むしろドイツ車とイタリア車のモノ造りに対するポリシーの違いに、想像以上に温度差がある方が戸惑いました。

モトグッチV7はルマンに並ぶ同社のレジェンドですが、近年に復活デビューしたのは2008年のV7クラシック。その当時、まだバイク用品メーカーで働いていた私は、このV7クラシックに試乗する機会がありました。その時は「素敵なバイクだな」と思いましたが、今回のV7スペシャルのような雰囲気は纏っていなく、GSを買ったばかりということもあり購入までには至りませんでした。

その後、V7はV7カフェ、V7レーサーといった派生モデルが生まれV7Ⅱ、V7Ⅲと進化し、2021年のモトグッチ創立100周年の節目でエンジンもフレームも刷新してV7スペシャルとして登場しました。それまで750CCだったエンジンはV85TTベースの850CCへ、そのパワーを受け止めるためのフレーム、サスペンション、タイヤに大幅な変更が加わったのです。

私の琴線に触れた要因として850㏄モデルよりリアサスのストロークが長くなり、タイヤサイズもアップ、全体的に伝統を踏襲していた雰囲気から過酷なツーリングにも耐えられるような逞しさを持ったモダンさにチェンジした点でした。

容量21Lの燃料タンク、ソファのようにソフトなシートは見た目も洒落ている。輝くメッキパーツに関してはGS乗り時代には憧れだった、夕日を反射させて写真を撮りたい…という願望をかなえてくれます。

乗車姿勢で見える左右バンクのシリンダーヘッド。この風景はR1200GS乗りにとっては見慣れたものですが、普通のバイクから乗り換えた人には印象的な部分でしょう。

ただバンクの角度は180度水平だったものが90度V型へ。GSのような低重心さは感じられず、しかし「やじろべえ」効果はあるのでバランスは良いという妙。乾式単盤クラッチのつなぎ方、エンジンとは別室構造になっているミッションのシフト操作など扱いについては慣れたものです。

ただ車格は400㏄並みにコンパクトでR1200GSのサイズに慣れきってしまった私にとっては若干窮屈さがあるのは確かです。この辺は慣れていくしかありません。

まだ少ししか乗っていないのでV7スペシャルの詳細なインプレッションは改めて書いてみたいと思いますが、現時点で確かに言えるのは控えめに言って「これサイコー」です。

やはり自分に合ったバイク選びとは性能や信頼性だけでなく、直感で「イイ」と思える言葉で説明できない曖昧な部分に多くの割合をおくべきです。

まだまだ慣らしも終わっていないのでモトグッチV7スペシャルについては、これから色々と書いていきたいと思います。

もちろん風の時代的なツーリング写真もV7で撮っていきますのでお楽しみに。

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