なぜ黄金比が重要なのか<中級>ツーリング写真

ニュースでは各地の紅葉の知らせが紹介されていて、写欲が刺激される季節の到来ですね。秋は何をするにも適した季節ですが、写真もバイクツーリングも最高の季節と言えます。

さて今回の<中級>では黄金比のお話です。

黄金比という言葉は大体の方が聞いたことがあると思いますが、写真についての黄金比というのは一般的に、あまり意識しないかもしれませんね。実はものすごく重要ですので、ぜひ覚えてください。

黄金比とは1:1.618のことで、およそ5/8です。ファイとも呼ばれます。退屈なのであまりこういった話は詳しく書きませんが。ポイントは人間の感覚に無条件に心地よさを訴える、神秘の数字的要素といったところです。

EOS1Dx + SIGMA35mmF1.4ART  F1.4 1/1250 ISO100

 

有名な三分割構図も元々は黄金比をもとに作られたファイグリッドが基準になっています。ファイグリッドの使い方はまた別の機会に解説しますが、今回はまずこの作例を元に解説していきます。

モミジやカエデが地面に落ちて、そこに仄かな光が溜まりこんでいたので、バイクを停めて撮影してみました。

黄金比である1:1.618という数値について深く考える必要はありません。この作例ではモミジが落ちている地面と、バイクの画面内での割合が、およそ黄金比であること。もう1つは切り取ったバイクの割合(画面内のバイクと切られた部分)がおよそ黄金比であるのが2つ目。

これだけでパッと見た印象が、黄金比を意識しなかった写真と比較すれば見違えるほどしっくり感じるはずです。

ちなみにカメラの撮像素子(イメージセンサー、CCD、CMOS)もフルサイズ機やAPS-Cであれば縦横比(専門的な用語ではアスペクト比)は2:3なので1:1.5となり、およそ黄金比(1:1.618)と白銀比(1:1.414)の中間くらいになります。

どうでしょう?なんとなく無視できない重要なことだな・・・と感じていただけたでしょうか。黄金比や白銀比には他にも様々な種類がありレオナルドダビンチも使っていたことで有名なフィボナッチ数列に基づいたスパイラル曲線構図などがあります。

とても深いテーマなので今後も何回かに分けて解説していきますね。あっ、ちなみにこの写真は前回の投稿で書いた「演出」についても好例で、もみじの葉は周辺から美しいものを集めて私が並べたのです。みなさんが作品を発表するときは、こんな風にネタ明かしはしないでくださいね。

作品は神秘的であり、作者はカリスマである必要があると思います。もちろんあなたのことですよ!

 

つづく

 



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自撮りは照れていては話にならん<中級>ツーリング写真

ここ最近の投稿は少し堅苦しい内容が続きましたので、楽しい内容の投稿をしたいと思います。写真の世界では度々議論されている「演出」のお話です。

今回は多くの方が興味を抱いていただけるセルフポートレート、または自撮りのお話をしたいと思います。

いちおう最初にお断りしておきますが、別に自撮りがしたい訳ではなく写真旅はいつも単独行動なのでモデルは自分以外いないのです。仕方なく自撮りなんですよ。

単独行動や一人旅のお話は脱線するのでまた別の機会にしましょう。

 

EOS1Dx + EF100-400mF4.5-5.6L F5.6 1/800 ISO100

 

この作例をご覧ください。鹿島の港で撮影しました。使われなくなった海上保安庁の船が印象的だったので、これを背景に撮影に挑みました。

何度も同じことを書いていますが、私はツーリングのワンシーンを切り取る…が活動テーマですので、画面内にはどうしてもライダーの姿が欲しいのです。必ず必要とは言い切りませんが、作品にストーリー性や感情を込めるなら人の姿があったほうが圧倒的に効果が期待できます。

さて、恥を承知で解説をしていきます。当ブログでは「秘密を作らない」と公言してしまいましたので、見に来て頂ける方々を裏切るわけにはいきません。

写真はすべてにおいて「迷い」を写してはいけないと思います。バイクか景色か?どちらを主役に選ぶか少しでも迷いがあるままシャッターを切れば、たちまち中途半端な写真に陥ります。自撮りもこれが顕著で恥ずかしいと思ってやっていれば、例え後ろ姿でもカッコ良くなりません。いや、むしろ後ろ姿の方が「背中はすべて語る」ではありませんが、モロに出てしまう場合があります。

「あそこのカップルがこっち見てんな」とか「こんな姿を嫁さんに見られたら恥ずかしいな」なんて考えていたら、それも全て写真になります。

ここはもう腹を決めて役者になる以外に選択肢はないのです。最初は勇気が要るかもしれませんが、2回3回とやって4回目からは全く恥ずかしくもなく普通にやってしまうから人間ってのは不思議です。

とはいえ「その役者になる」が難しいんじゃないか!?と聞こえてきそうなのでアイテムのご紹介です。

ただのワイヤーレリーズではなく、タイマーコントローラーといってインターバルプログラムが作れるのです。STARTボタンを押してから3秒に一回とか5秒に一回といった任意で設定した周期で自動で撮り続けてくれます。(写真はキャノンのTC-80N3)カメラの機種によってはカメラ自体にこの機能があるそうです。

カメラを三脚にセットし、フレーミングや構図、露出などの設定を一通り済ませたらまずはライダー無しのカットを1枚撮って、その画像をモニターでよく見てください。どこにどのようにライダーが居ればカッコよく決まるか、練りに練ってください。

どの辺の位置に立ったり(または歩いたり座ったり)すれば良いか見当がついたらコントローラーをSTARTさせて撮影開始。あなたは撮影していることを、なるべく意識せず最初にイメージした通りのことをやるのみです。前半は固くなるかもしれませんが、後半は自然な感じがでてくると思いますよ。(無駄に何枚もシャッターを切ることになるので、メモリーカードの容量には余裕をもってください)

どれがベストかは帰ってからじっくり選びましょう。

ワイヤレスリモコンではダメ?という質問もありそうですが私も以前は使っていましたが、どうしても自分でリモコンを押す瞬間に変な姿勢になるようで、今は使っていません。それに望遠レンズを使い始めると電波が届かずイマイチです。

セルフタイマーでダッシュ!は論外です。

・・・本当はこれだけではなく、ポージングや小物を使ったテクニックなど色々あるのですが、今回はこの辺にしてまたの機会に解説します。

ぜひ、あなたも一流の役者になってカッコイイ自撮り作品を撮ってくださいね。

 

つづく

 

 


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100年後に美術館に展示されているツーリング写真を

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG F6.3 1/400 ISO100

今日は独り言的なコラムを。

 

“カメラはあなたの夢をつくる箱です。

箱の中はシャッターで閉ざされ、普段は真っ暗闇です。

あなたがボタンを押したときだけ世界の光が入り込んで瞬間が刻まれます。

それは二度と戻らない過去の時間が永久に静止したまま保存されるのです。

なんだか子供の頃に土の中に埋めたタイムカプセルに似ていますね。

宝物や大人になった自分へのメッセージを入れたカプセル・・・懐かしいです。

カメラで撮った写真作品は作者がこの世からいなくなった、ずっと未来でも後世が伝えてくれる芸術作品になるかもしれません。

叶わぬ夢かもしれませんが100年後に美術館で展示されているツーリング写真というのを目指してみたいです。

すごいと思いませんか?100年後に美術館にツーリング写真が展示してあったら。”



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確実に上達できる唯一の手段

当ブログはオートバイを題材にした写真カテゴリーをより芸術分野に認知させるために、みなさんで素敵なツーリング写真(あるいはバイクと関連した何らかの写真)を撮りましょう。というコンセプトです。

よく見かける平凡な写真から脱却して誰かに感動や共感をもらう作品。それらをたくさん発表して将来的にはバイクと縁の無かった人たちにも、バイクの魅力や旅の世界を教えてあげることが最終目標です。

私は鉄道写真が芸術写真として認知されているように、ツーリング写真をより芸術的に高めていきたいのです。その為には私1人では無理があるので、共感いただける方々には私の知っている全てをこのブログで伝授したいと思っております。

さて、前置きが長くなりましたが今回は確実に上達するための手段として、私がここ2年くらい実践してきた手法をご紹介します。

といっても難しく説明するようなコトではありません。「いつでもカメラを身につけて毎日たくさん撮ろう!」はい、これだけのことです。

この写真は通勤電車の中から撮った浦安市の景色です。毎日毎日、バイクに乗って旅ができればい良いのですが、現実はそうもいかず普段は仕事に家庭にと自由な時間は限られます。そうなるとバイクで旅に出るときだけカメラを持って撮影では、なかなか上達しません。

特に初心者の方は最初にたくさんの練習をして、目を養い足で構図をつくる、を身に着けないといけません。また中級者以上の方でもブランクをあけてしまうと、下手になってしまうという点も恐ろしいので覚えておきましょう。

撮るものは何だって構いません。被写体は自分がいままで気にも留めなかった、何気ない光景に必ず存在します。雑草だってゴミだって被写体になりえます。

この写真は私がいつも出勤する前に寄る、カフェの窓際席から撮りました。

さすがに一眼レフカメラを毎日身につけて歩くのは厳しいかもしれません、そんなときに威力を発揮するのがコンデジです。できればポケットにスッと入るくらいの物がいいですが、高級なものは必要ないです。練習用として割り切ってしまうのも良いですね。

私はメインで使っている一眼レフとは別に、毎日スナップ用にコンデジを持ち歩いているのですが現在はSONY RX100を愛用しています。

ポケットに入れたり首からストラップで下げたりと、あっと思った被写体に出会ったらすぐに取り出せる、というのがポイントです。

これで毎日かかさず1日100ショット以上を目標に撮っています。もちろん実際には100も撮れないことが多いのですが、あくまで精神論的な目標値です。楽しいし、みるみる上達しますよ。

何かと忙しく消耗するウィークデーでも、ささやかな楽しみとなりますし良いのが撮れたらその1枚に大変だった1日がすくわれる感じがします。小さな幸福とでも言いましょうか。

この話題については当ブログで「毎日スナップ」というカテゴリーを作りましたので、今後もご紹介していきます。

 


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実は簡単 近景を作った素敵構図<中級>ツーリング写真

旅写真<中級>の前回では自分の意図にあったイメージをつくり、それに基づいて絞りをコントロールしましょう、という話をしました。今回もそれに少し似た内容ですが、奥行きのある構図のお話を解説したいと思います。

 

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG F6.3 1/640 ISO100

この作品をご覧ください。今年の8月に北海道の旭川空港の南にある東神楽地区で撮影した1枚です。連日お天気が悪く北海道らしい写真がなかなか撮れない旅でした。お天気の悪いときは無理に風景全体を狙うのではなく、曇り空特有の柔らかい光源をいかして地上物に注目してみましょう。

さて、構図のお話です。写真とはモニターであれプリントであれ平面の静止画です。この平面な写真に立体感や奥行きを加えるだけで一気に魅力的になります。現場で意識すべきことはとてもシンプルです。 ・近景 ・被写体 ・遠景 の3つの要素を意識して構図を組み立ててみましょう。

あなたがその場所で写真を撮りたい!と思ってそこに立っている以上は、大抵は遠景が既に存在していると思います。なので被写体と遠景だけではかなり平凡です。そこで素敵な構図をつくる重要なポイントが近景。灯台下暗しではありませんが、風景写真といえ意識的に自分の足元や近くに近景として効果的な何かがないか探してみましょう。

近景になる良さそうな被写体を見つけたら、画面内に効果的と思われる配置になるよう試行錯誤してください。ここでも「足」をよく動かしてくださいね。

この作品の場合、手前に置いた白いお花がイメージの主役になるよう、大胆に大きな割合で取り入れてみました。この他にも近景はほんの僅かに取り入れて他の被写体を際立たせたり、4辺を囲んで額縁のような効果を出したりと、作品の作りたいイメージに合わせて、取り入れる割合を適宜調整してください。

それと前景はボケていた方が美しい写真に見えますが、必ずしもそうではないので試しに絞り込んだり、微調整したりを試してみましょうね。この写真のような構図でも例えばF22とか目一杯絞り込んで撮ったほうが逆に印象的になる、という場合もあるんです。

また映画などでよく使われる映像構図では、何かの隙間から覗いているように見せ鑑賞者に心理的な誘導を誘う手法がありますが、あれは写真に使っても面白いやり方です。鑑賞者の心理に訴える手法はまた別の機会に解説しますのでお楽しみに。



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地獄の「三分割構図縛り」特訓<初級>ツーリング写真

旅写真<初級>カテゴリーでは芸術写真を目指しましょう、写真を撮ることの喜び、まずは望遠を使って主題を明確に、朝夕の時間は素敵な写真が撮れる、といった内容を書いてきましたが、今回からいよいよ具体的な手法を解説していきます。

タイトルに「地獄の」と恐ろしいことを書きましたが、今回ご紹介する手法は面白くはないのでそう書きました。

誰でも知っている、あまりに有名な「三分割構図」を使って解説します。最初に誤解のないよう書いておきますが、三分割構図が良いので覚えましょう!という意味ではございません。

私が考える良い写真とは主に次の3要素でほぼ成り立っていると思います。

1.被写体を見つける、被写体の魅力を理解する、光や影を見極める、鍛えられた目と心。

2.目の前の光景を画面にイメージ通りにするため「自然と動く足」「レンズワーク」など。

3.傑作を生みだしたいという情熱

ここでは2の「自然と動く足」のトレーニングです。良い写真が撮れないと悩んでいる方のほとんどは足が動いていません。

作例  カメラ:リコーGR

上の作例をご覧ください。

三分割構図とは写真の基本とも言われている、この写真に書いたようなグリッド線で、これに合わせて水平線や被写体などの位置を調整することです。三分割構図についての詳しいことは、一般に情報が溢れていますのでここでは割愛します。

この写真のシーンで海の割合を狭くしたい。といったらどうしますか??そうです、これは割と簡単ですよね。しゃがむか座るかで低い位置から撮れば良いのです。

では灯台とバイクの間隔を広くしたい。といったらどうしますか?右に動きますか?それとも左ですか?この質問で一瞬でも「え~と…」となった方は今回の特訓をぜひ実践してください。

もしお使いのカメラにグリッド線の表示機能があったら、三分割を表示させてください。水平線や建物や道などの線をグリッド線に合わせ、被写体などの要素は線の交点に確実に合うよう体を右に左に動かし、低くから撮ったり高くから撮ったり、足を使って試行錯誤してください。

このとき重要なポイントが1つ。寸分狂わず精密に「ピッタリ」を目指してやることです。意外と難しいですよ!

これを何度かやれば構図ワークを体で覚えることができます。ゴルフのスイングで素振り練習が大事なのに似ています。

名付けて三分割構図縛り特訓。

面白くはない、あくまで練習方法なので、ご自身でだいぶ動くようになったな、と感じたら、ずっとはやらなくて大丈夫ですよ!

 


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あのコンテストでグランプリを狙え<上級>ツーリング写真

旅写真<上級>の記念すべき1回目の記事です。インパクトのあるタイトルを付けさせていただきました。

そもそも上級者向けのHOWTOなんてものが世の中にあまり無いので、すごくプレッシャーを感じております。あくまで「ツーリング写真」というジャンルで括った話でございますので、偉大なるプロや写真家の方々がもし見られていましたら寛大な気持ちで見てくださいませ。

さて旅写真<上級>カテゴリーの対象となる方々は、もはや具体的にこうとは言えない極めて曖昧で混沌とした領域だと思います。単純にキャリアが何年以上という訳にもいきませんし、何かのコンテストの受賞歴といってもそれもピンとこないですからね。

ただ1つ言えるのは、ここでの解説をみて「そんなの知っています!当たり前だ」と感じる方は上級者!という事にしておきますか。

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG contemporary F8 1/640 ISO100 Lightroom

この写真をご覧ください。当ブログのギャラリーに掲載している写真で解説していきます。

写真とはデザインの要素と切っても切り離せないと感じます。私とSNSで繋がっている友人は職業がデザイナーなのですが、写真は得意ではないと言っていながら抜群に写真がうまいです。絵画にも同じことが言えますがデザインでの基本が身についていると、人の感覚にひびく数学的な要素、図形、線、色などを巧みにコントロールして作品化できるようです。

この写真で順を追って解説していきます。まずは画面内の図形要素です。富士山の形状による三角がひとつ、船とライダーとバイクを結ぶ三点が2つ目の三角です。三角は画面内で抜群に安定感をもたらします。

次に同じく図形要素で円です。まずバイクのフロントタイヤ、ライダーの腕で作られた円、LNGタンカーのタンクの円が4連。円は特定のスペース内に配置すると鑑賞者の視線が落ち着きます。

そして線の要素として曲線。岩場と海の境界となっている線が、海を内包するお椀のようにも見える曲線。伸びをしたライダーの背中の反り具合も曲線。ほぼ見えませんが富士山の宝永噴火口あたりの曲線。曲線は楽しく視線誘導するのに効果的で、鑑賞者の目を退屈にさせません。

次に色です。冬の枯れた草地の茶色から岩場のグレー色が1つのトーンになっており、上半分は海、富士山の裾付近、空とブルー系でトーンが存在します。茶系と青系の組み合わせがもたらす印象も見逃せません。

どうでしょう?デザインだけでこれだ色々な要素が詰まっています。もちろん全てが撮影者の意思でそうなったのではなく、結果的にそうであったという偶然性もあります。ただ、大切なことはファインダーを覗いているときに、それに気が付いたか???ということなんです。

デザインの要素は実は気が付かないだけで、意外とそこら中に存在します。鍛え上げられた写真家のセンサーはそれを逃さず発見し、画面内に理想的に構成していく力があるのです。

 



デザインの話だけで大分スペースを使ってしまいました…

次に本題の「あのコンテストでテッペンとろうよ」のお話。ここでは「最後のひと粘り」「最後のひとヒネリ」と私が呼んでいる手法をご紹介します。

この写真を撮ったとき、最初は船はありませんでした。その代わり近景としてもっと近くにあった砂地とその境界にあるS字の線を意識して撮ってみたのですが…シャッターを切った直後は「よしよし」と感じたのですが、撤収準備の直前にモニターを見て「何か足りないな…」と感じたのです。これを感じたときは必ず「最後のひと粘り」を実践するよう意識をしています。

↑この写真が最初に撮ったカットです。これで撤収準備をすでに始めていましたが…

時間的な猶予もあって散々練ったあげく、手前はそぎ落として船を入れてみよう。と思いつきました。幸い、ここは日本貿易の玄関である東京湾。漁場でもあり色んな船が通ります。

↑まずは漁船。船首からしぶきが出て動きが加わったのは良いですが、なんかイマイチです。バイクと船の存在感が同じくらいになってしまい、どっちつかずなのですね。

この先は「最後のひとヒネリ」!なんかユニークな要素はないか?そこで思いついたのがLNGタンカーでした。枝豆のように球体が連続して付いているタンクは他のコンテナ船やフェリーに比べてユニークな形状です。待つこと15分程度、狙い通りにLNGタンカーちゃんが登場してくれました(東京湾はかなり頻繁にLNGタンカーが通ります)。

こうして画面内の細かな部分を調整し最終的な作品になりました。

近年のコンテストではただ綺麗なだけとか、絶景でも普通に撮っただけでは入賞は難しいです。アマチュアのレベルもどんどん高くなっていて、どのようなコンテストであっても年々ハイレベル化の一途です。ひと昔前の秀作では普通すぎて通用しないのです。

今回、ご紹介したようにデザインの要素を理解した画面構成や、ちょっとしたひらめきから生まれるユニークさ、驚きなど…。作品にあなたなりの何かを加えて個性的に仕上げてください。

あのコンテストって何?って?もちろんoutrider誌のツーリング写真コンテストで年間グランプリを狙うためですよ!

 



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なぜ背景をボカすのか?<中級>ツーリング写真

前回の旅写真<中級>では「○○だから△△した」の考えに基づいて、ツーリングシーンにおける絞りの微調整のお話をしました。

今回は背景をボカす場合の絞りの調整について解説します。

EOS1Dx + EF70-200mmF2.8L F2.8 1/1000 ISO100

まずは上の作例をご覧ください。

私はこのとき白樺林の美しい空間を見つけたので、これを背景に撮影に挑みました。焦点距離は200mmの望遠です。割と細い幹の白樺が高い密度で林立しているこの空間は、背景として考えると少しゴチャゴチャした印象です。

このまま背景としてバイクを置くと被写体の存在が沈んでしまいそうです。そこで被写体を引き立たせるため、背景を目一杯ボカす作戦にでました。絞り値はこのレンズの開放であるF2.8を選択。これはやりたいと思ったことが明確だったので、前回の作例のように微調整で迷うことはありません。

白樺林のゴチャゴチャ感をボカして、被写体を引き立たせた。これも「○○だから△△した」の考えです。

一眼レフカメラのユーザーにありがちな、なんでもF値を開放にしてしまい、とにかくボケ写真が大好き!という方がおられますが開放は画質的な観点でも注意を払わなくていけない部分があり(ここでは解説しませんが)、そう易々と開放を選ぶべきではありません。

そもそも背景に例えば山間いや雲の浮かぶ空など遠景がある場合、被写体にピントを合わせて開放値で背景をボカすと、ミニチュア写真のような不自然さが出てしまいます。

ボカすことに執着してしまうと、この不自然ささえ気がつかないという事態に陥いります。絞りとは撮影シーンや明るさによって、開放、微調整、絞り込む、を適宜選択する必要があるのです。

今回は特定のシーンにおける開放値の使い方をご紹介しました。

あっ、この作例のように人物を入れたシーンの撮影、ライダーの姿(今風に言うと自撮り)については、また別の機会に詳細に解説をしていきますのでお楽しみに!



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なぜ作品にstory性が必要なのか

「季節のあしおと」

EOS1Dx + EF70-200mmF2.8L F4 1/400 ISO100

旅はひとつの物語ではないでしょうか。

そのワンシーンは美しく作品にふさわしいと感じます。

私は「ツーリングのワンシーンを切り取る」をテーマに写真活動をしております。

テーマを決めると写真活動の方向性も明確になってくるので、やりたいことがブレません。

一枚の写真の中にstoryをこめるのです。

みなさんもストーリー性のあるテーマを決めて活動してみてはいかがでしょうか。



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何をどう撮るか?

「キハとバイクの車窓旅」

EOS1Dx + SIGMA35mmF1.4ART F8 1/160 ISO100

芸術写真を目指す上で重要なのは個性ではないでしょうか?

私が大好きなのは「ちょっとヒネリを加えたユニークさ」です。

この作品はアイデアを思いついた時点で、同時に「キハとバイクの車窓旅」というタイトルも自然と出てきました。

キハは写真に写っている小湊鉄道の車両のことです。「車窓」というワードは鉄道旅とバイクのスクリーン越しの風景を重ね合わせています。

この写真が良いとは言いませんが、変わっているのは間違いないでしょう?こういったひらめき、遊び心が個性を生み出すのだと思います。

写真は「何をどう撮るか」の一言につきますが、この「どう」の部分に思いっきり遊びを取り入れてみましょうよ。

あなたの中のユニークさが覚醒するかもしれませんよ。



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