ジャーナリズム的ツーリング写真<私の旅>

いつもブログの記事を書いていて「よくこれだけ書く事があるなぁ」と自分でも関心しております。それだけ自分の中にツーリング写真に係わる事を詰め込んでいたのですね。当ブログでつつみ隠さず全てはき出し、また新たな何かを脳にインストールしていく所存でございます。

今回も変わったネタです。ツーリング先でちょっとした事件や出来事を目撃した経験はありませんか?自然現象による環境の変化、災害のつめ跡。

写真を撮りSNSで発表をしているあなたなら、こういった現実、現状を社会へ発信できる能力を備えているのです。そして写真のクオリティが高ければ高いほど、現状をより正確に、印象的に伝えることができるでしょう。

EOS1Dx + SIGMA35mmF1.4ART F8 1/160 ISO100

この場所はたまに行くお気に入りの漁港なのですが、久しぶりに行ったら使われずに保管されていた漁船が倒れていました。架台は無残に破壊され辺りに破片が散乱していました。




恐らく9月の台風18号による被害と思われます。去年の9月に日本列島に上陸した大型の台風18号は、運悪く潮位の高いときに通過し館山や千倉でもかなりの被害があったそうです。

では写真の解説です。撮影時間は日は傾いていましたが、まだ夕方と呼べる時間ではなく、Lightroomで仕上る際にホワイトバランスを暖色方向に調整しました。

長くのびる影は地面のスペース内に理想的に配置されるよう、モデルの立ち位置を幾度もトライして微調整しました。ポージングは船の様子を見ている感じです。

海がある写真なのに水平を無視していますが、これは画面内における線の要素が、水平線よりも船体の方が重要だからです。船体は線というより楕円形の図形要素ですが、これが画面内に一番しっくりくる位置に配置したのです。初心者の方はこういったシーンで、つい船体全てを枠に入れてしまいますが、デザインの観点でよく考え抜いて理想的にフレーミングしましょうね。

しかしこの写真を改めて眺め、感じるのですがキャンプ道具を積載している愛車の姿は本当に勇ましい旅の相棒に見えます。気のせいかもしれませんがキャンプツーリングのハイライトは夕陽が美しく焼けることが多いですよね。そう感じるのは私だけでしょうか?

みなさんもツーリング先で、こういったシーンを目撃したらジャーナリズム的な観点で美しき記録写真を撮ってみてください。もしかしたら、何年何十年後かに価値のある1枚になるかもしれませんよ!





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米粒バイクとミジンコバイク<初級>ツーリング写真

ツーリング写真において数少ない議論の場で、よく出てくる話は画面内におけるバイクの大きさです。

オートバイの写真ではなく風景と一体となったツーリングの写真ですから、あまりバイクの存在感が強いとツーリング写真になりません。そこは多くの皆さんが分かってらっしゃると思います。しかし分かっているが故に中途半端な大きさで撮ってしまい、バイクの写真ともツーリング写真とも言えない写真がSNS上で散見されます。

以前、とあるSNSのコミュニティーでグループ名は失念しましたが「ツーリング写真好き集まろう」みたいなグループがありました。非公開グループだったのでどんな作品があるのか分かりませんでしたが、1000人以上もメンバーがいて面白そうなので参加したところ、次のような驚きのルールがあったのです。

・バイクを小さく撮ってはいけない ・人物が写ってはいけない ・必ずバイクにピントを合わせること! 守っていない投稿は削除します!

思わずこのルールに絶句してしまいました。

参加申請する前に、どこかに書いておいてくれれば良かったのに…。私のやっている事を全否定するようなルールに、止む得ず退会しました。

私はオートバイをメインに撮る写真を決して否定している訳ではありません。しかしグループ名に「ツーリング写真なんとか」と書いてあったのですが、内容との矛盾点に1000人以上いる参加者が誰も気が付かないのでしょうか。「オートバイ写真なんとか」ならOKなんですけどね。

さて、それではツーリング写真における画面内のオートバイの大きさについて解説です。

まずは一般的なツーリング写真としてのバイクの大きさ。画面全体に対して15%位がバイク。これ位がいわゆる普通でしょうか。この作例のように走行写真であったりライダーの姿があれば、これより大きくても十分にツーリング写真と言えるでしょう。

 

続いてこちらの作例を。水溜りのリフレクションも含めれば、かなりの割合がオートバイです。夕陽を逆光でとらえバイクはほぼシルエットにしているので、バイクが大きくてもツーリング写真と呼べるでしょう。




 

こちらはバイクがとても小さいです。画面の5%くらいの割合でしょうか。誰の目にも風景が主体であることが分かります。私はこれくらいの大きさを「バイク米粒構図」と呼んでいて、とても出番の多い構図です。ちなみにこの写真は超近景に花弁を重ねて、色とばしと呼ばれる手法を使っています。天然のフィルター効果が作品を幻想的にしてくれます。

 

続いてこちらの写真。バイクが超小さいですね。画面全体の1~2%でしょうか。一瞬どこにバイクがあるのか?気が付きませんよね。私はこれを「バイクみじんこ構図」と呼んでいます。バイクみじんこ構図の利点はリビール効果といって、鑑賞者が写真を見た瞬間からおよそ2~3秒後に何かを発見できる、観賞者側の時間軸を作れることです。また4つ切りワイドプリントや大型のモニターで見るとちょうど良い構図だったりもします。逆にスマホ、タブレット端末など小さな画面で見る環境には向きません。




 

これはかなりバイクの占める割合が大きいですね。全体の40%くらいがバイクでしょうか。しかし太陽の存在感が絶対的に強く、バイクはシルエットで黒く潰れ、なおかつピントをボカしています。これによってツーリング写真として成立していると言えます。ちなみにこの写真のように車体の後ろにスペースを作って配置すると到達したというイメージになります。逆に車体の前方にスペースを作ると出発のイメージです。

 

こちらもバイク米粒構図です。全体にローキー(暗い)写真のなか、ハイライトと被写体を重ね合わせることにより、小さな被写体の存在感を際立たせています。バイクの写真を撮るときに、真横や真正面は避けましょうね、とよく言われますが、バイク米粒構図やバイクみじんこ構図の時に限っては車体を真横から撮りましょう。小さく写っている被写体が何なのか?誰の目にもオートバイであることが明確に伝わるようにするためです。

 

どうでしたか??既にお気づきの人も多いと思いますが、ここでご紹介した作例はバイクの大きさは色々ですが、全て「ツーリング写真」なんです。大切なのは絶対的な大きさではなく、あくまで存在感なのです。

バイクを大きく写しても、それ以上にインパクトのある風景であればツーリング写真です。どんなにバイクを小さくしてもバイクの存在感を調整すれば、きちんとバイクのいるツーリング写真になります。

大きさにとらわれず、その撮影地で自分が何に感動したのか?を問えば自然とツーリング写真になるはずです。私も自分のオートバイがカッコいいと思っています。しかしそれを撮ってしまえば、たちまちツーリング写真は崩壊します。カッコいい愛車のショットは別で撮りましょう。以前にご紹介した3つの写真を撮る訓練を思い出してくださいね。

それでは今日はこの辺で!





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100%ウケる恐怖と笑いの相殺<私の旅>ツーリング写真

長いこと旅をしていると、出会う風景は必ずしも美しいものばかりと限りません。

時に廃墟や鬱蒼とした暗い森など、恐怖や不安を感じるシーンに遭遇します。慣れてしまうと好きになってしまうのですが、不気味なものに対しての感じ方はかなり個人差がでるように思います。

撮影シーンとしても風景の崇高さを表現するのに適しています。絵画の世界をみれば分かりますが多くの作品は必ずしも美しい絶景ではないですよね。イギリスの画家コンスタブルやターナーも崇高論の作品が有名です。

今回はそんな恐怖や不安さを感じる風景を笑いで相殺すると、100%万人受けの作品が出来上がりますよ、というお話です。

EOS1Dx + EF100-400mmF4.5-5.6L IS F4.5 1/250 ISO100

山中に廃墟となったガソリンスタンドを発見しました。建物の屋根には草が生い茂り、トタンの壁や絶対開かないであろう扉が想像をかきたて恐怖心をさそいます。




計量機の様子からすると20~30年くらい前に閉店したのでしょうか。もちろん動くはずもない計量機ですが、私が気に入ったのは「スーパー」の表示、つまりハイオクガソリンが不気味な光景とのミスマッチ感を生んでいること。

これはユニークだな、と思い「そうだ、ここで茶番っぽく給油するフリをしたら面白いぞ」とひらめいたのです。

不気味さが最も色濃い部分をフレーミングし露出は若干のアンダーに。ポージングは「なぜ動かない?」とばかりに計量機の脇に立ってみました。

大爆笑はとれませんが思わずプッとしてしまう、不変的な笑いの要素を取り入れたことにより、この場所の気味の悪さを中和、相殺し万人に見てもらえる写真に仕上げてみました。

こういった写真が良いですよ、という意味ではなく相殺の不思議についてのお話でした。もしどこかで気味の悪い廃墟を見つけたら試してくださいね。楽しいですよ。

ところで地方に行くとガソリンスタンドって減りましたね。消防法の地下タンク40年経過による改修の義務化と時を同じくして、燃費の良いハイブリッド車などが急速に普及したのが原因でしょうか。

我々オートバイで旅をする人間にとって、地方のガソリンスタンドが減ってしまったのは深刻な問題です。今は便利なアプリがあるので近くの営業中のガソリンスタンドを簡単に検索できますが、それでも不便なのは間違いないですよね。

私のR1200GS-ADVENTUREなら33Lタンクなので、あまり気を使いませんがタンクの小さいオートバイでは最悪はガス欠も考えられます。もし誰も居ない山中でガス欠になったらどうしますか?私だったらガス欠になって困っているシーンを写真にしますね!

ではまた!





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↓↓↓撮影地↓↓↓

現状がどのようになっているか不明ですが、もし立ち入り禁止等の表示があった場合は、私有地と思われるので入るのはやめましょう。

スペースと被写体エリアの比率<上級>ツーリング写真

突然ですが皆さんは黄金比と聞いて何を思い浮かべますか?

今回は写真におけるスペース(または背景)と被写体エリア(背景ではない部分)の比率のお話です。

う~ん、何だか難しそうだ。めんどくさい。と思ったあなた!私も同感です。でもコレを避けていては、ある程度から上のレベルは目指せません。比率の話は写真に限らずあらゆる芸術に通ずるものがあり、有名な芸術作品を紐解いていくと必ず黄金比などの計算された数字が存在するのです。

目指したい比率の偉い順。

  1. 黄金比  1:1.618
  2. 白銀比  1:1.414
  3.  1:1.5

難しかったら大体1:1.5なんだ、と覚えても良いと思います。背景と被写体エリアの割合、または構図内を分断する線の位置など、概ねこの比率を目指して画面構成しましょう。

そして初心者の方は覚えていただきたい二等分はダメ!ということ。黄金比や白銀比などの対局が二等分であると言いきって良いです。ただし水鏡に反射するリフレクションの構図や双子の子供など、一部に二等分が当てはまる写真はありますが、このように正当な理由ある二等分は例外です。

 

こちらの作例をご覧ください。きらめく海面のスペースとバイクのある堤防のエリアの比率を1:1.618を目指して撮りました。これ、正確に測るすべは無いのですが1:1.618黄金比の場合はパッと見て心地よさを感じればそれが黄金比である場合が多いです。この「パッと見た心地よさ」とは写真をやっている人でもそうでない人でも関係なく感じ取ることができるようです。

これは人間の遺伝子構造(DNA)そのものが、この比率のフィボナッチ黄金螺旋構造だからかもしれません。詳しくはスペースの関係で割愛しますがフィボナッチスパイラルで検索すると、詳しい情報を入手できますので是非見てください。





次にこちらの写真をご覧ください。先程はスペースの比率でしたがこちらは線の位置です。陸と空の境界となっている線の位置に注目です。多くの人がちゃんと出来ている3分割構図を守っている訳ですが、さらに詳しく解説をすると空と陸の部分を1:1.5としているのです。

3分割構図はその派生構図としてファイグリッドというのがあります。ファイグリッドは黄金比を計算して作られた3分割線であり、多くの風景写真に適用できます。こちらもご興味のある方はファイグリッドで検索してみてくださいね。(勝手にリンクを貼れないので)

次の写真はSNSなどで多く見かける、悪い写真の例です。

恥を承知で自分が過去に撮った写真を失敗例に使います。これは黄金比とは真逆の悪い例。二等分です。陸と空の境界となる地平線をド真ん中にもってきて撮っています。空と陸の割合がほぼ等しいのです。

エサヌカ線のロケーションがインパクトあるので、悪い写真に見えないかもしれませんが、コレはダメです。5年くらい前の夏ですが私はこんな下手でした。今ならもっと道を主役に寄って空や緑のエリアは削ぎ落して撮ったでしょう。奥行きとなる直線、シンメトリーな被写体、青緑グレーの3色のカラー要素、これらの要素を画面内で理想的に配置する力は、今もイマイチですがこの頃よりは圧倒的に持っていますので。

ここでは比率について線の位置や大きさの割合で説明しましたが、頭を柔らかくして考えると黄金比を目指したいものは色々です。例えば光と影、750ccと1200ccのバイク、鮮やかな花と地味な草、自然と都会、部長さんと係長さんとかも黄金比?!

比率、黄金比に係わる話はまだまだ私自身が勉強中です。すごく高度なことに感じるかもしれませんが、たくさん撮っていれば偶然で黄金比ピッタリの写真が撮れるときがあります。そういった「まぐれ」から吸収して写真家とてのスキルを進化させるのも大いにアリだと思います。

黄金比についてまた研究成果(写真)があがったらまた投稿しますので、お楽しみに!

 





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時に無邪気な子供のように<上達の秘訣>ツーリング写真

マンネリになった人、壁にあたっている人。

全てのスランプの人へ。

誰も見たこともないヘンテコな写真を撮ってみてください。

それを生み出すヒントはあなたの中に眠っているユニークさです。

EOS1Dx + EF14mmF2.8L   F7.1 1/320 ISO100

 

幼い頃、大人たちを驚かせた遊び心はいつの間にか心の奥底で眠りについています。

それをいま呼び覚ましましょう。

失敗に終わっても構いません。

イタズラ感覚で試してください。

きっと楽しいですよ!





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グランド10周できなかった奴、罰として100周してこい

また訳の分からないタイトルが入りました。申し訳ございません。

小学生のとき何か悪い事したやつは、よくグランド10周やらされていました。ある日、悪い奴がズルをして9周して「終わりました」と戻ってきたんです。・・・でバレたんですね。

罰としてそいつは100周する羽目になりました。まさかの10倍です!結果、本当に100周したのかは昔すぎて記憶にありませんが。

さて当ブログでは以前に仕事の日でも毎日写真を撮ろう。できれば目標として1日に100ショット撮りましょう、という毎日スナップ100ショットのお話をしました。

写真とは被写体を見つける目、被写体の魅力を見極める目、画面を構成する思考、アイデアを生み出す思考、構図を作る足、カメラの構え方、といた具合に肉体的に学習する要素が多く存在します。

出勤前によく寄るカフェの窓際席から撮りました

 

当ブログのような解説や、市販の「素敵な写真の撮り方100選」なんて本を読みあさって、「へぇ~なるほどね」で終わらせ、実際に写真を撮らなければ何ひとつ身につきません。

中学生の頃、卓球部だったのですが得意だったカットがある日、まったくコントロールできなくなってしまい、部活の顧問から鏡の前で1000回、カットの素振りをしてろ。と言われて1000回やったら不調が直ったことがありました。今で言うマッスルメモリーですかね。




いちど騙されたと思って、通勤途中、休憩時間、犬の散歩、家族、税務署の帰り、歯医者の駐車場、近所の踏切、庭の雑草、なんでも良いので少しでも「あっ」と思った被写体にカメラを向けて撮ってみてください。

撮った写真がイマイチだなぁ、と思ったら誰にも見せる必要はありません。ただし何がイマイチなのかご自身なりに分析してみてください。毎日続けていると少しずつ少しずつ上達します。一朝一夕には成就はしないのです。

出勤途中にバスの中から撮りました

毎日100ショットのスナップはグランドを100周したり素振りを1000回するほど、辛い事ではありません。逆に楽しくて楽しくて仕方ないことなんですよ。

出勤途中の電車の窓から撮りました。

今回ご紹介した3枚の写真は2、3日の間に撮ったものです。発表することは少ないですがたくさん撮っていれば奇跡の1枚をモノにする確率も上ります。

こうやって日々、楽しみながら少しずつですがスキルを身につけるのです。いつもポケットにコンデジを忍ばせて。

 





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世界初。ツーリング写真での色温度解説<中級>ツーリング写真

やっちゃいました。ついにタイトルに「世界初」という単語を使っちゃいました。

もうブログを作る前から使いたくて使いたくて仕方なかった単語なんです。「世界初」。ツーリング写真を用いた写真解説ブログなんて、今現在はこの世に当ブログしか存在しません(たぶん)。だから何を説明するにせよ、ツーリング写真における○○を解説するなら「世界初」なんです。きっと。

さてタイトルはスペースの関係で色温度と書きましたが、一般的にはホワイトバランスと言われる光源に依存するカラー写真の色についての解説です。

<初級>ツーリング写真の内容かな…と悩みましたが、上手な方の作品でもホワイトバランスを巧みに調整したな、と思える写真はあまり見かけないので<中級>としてみました。

いつも通り、難しい話は退屈なので割愛します。勉強されたい方は検索すると分かりやすい情報がたくさん出てきますので、そちらをご参照くださいませ。

人間の眼球はかなり優秀なオートホワイトバランスの機能が備わっているようです。私たちが目でみて感じている景色より、ずっと曇天や日陰は青いですし、蛍光灯や月明かりは緑っぽいです。

当ブログではあくまで記憶のツーリングシーンを再現、といった抽象的な芸術分野(でありたい)ですので、現実に忠実な色温度を再現という話はいたしません。

カメラ(または画像ソフト)においてホワイトバランスを撮影者の意図でコントロールすることにより、作品に与える印象のお話です。

ホワイトバランスはK(ケルビン)という単位を用いています。日中の太陽光は5500Kくらい。数値が小さいほど炎などの赤みある光、大きいほど曇天下などの青みのある光となります。

EOS1Dx + EF100-400mmF4.5-5.6L IS F5 1/50 ISO800

まずはホワイトバランスを青にふった作例からご説明します。この作品は福島県の桧原湖にあるキャンプ場で撮影したワンシーンです。早朝4時、曇り空のもと肉眼ではほぼ夜のような時間帯。わずかな光源は厚い雲の上です。人間の目ではこんな風には見えませんが本来の光源の色としてホワイトバランスを調整しました。

なぜこうしたか?静かさや寒さを表現するのに青みは効果的だからです。このロケーションにぴったりのホワイトバランスはこんな感じだな、と私は判断したのです。

 

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG F6.3 1/500 ISO100

続いて赤にふった暖色系の作例です。立ち寄った漁港で並んだ浮きが気に入ったので撮影しました。実はこの撮影シーンは日は傾きはじめていましたが、まだ夕方とは言えない時間帯でした。ホワイトバランスを僅かに赤にふることで、1日の終わりを感じさせる夕刻のシーンに仕上げたのです。

ここで既に鋭い方はお気づきかと思いますが、肉眼よりも実際の色温度に戻してあげるパターンと、実際の色温度よりも欲しいイメージに近づけるパターン(演出です)との両者があります。これ、難しく考える必要は全くなくて、要するに自分が「いい感じだな!」と思ったところが勘所です。そのシーンにどんなホワイトバランスが一番相応しいのか?それは本当に撮影現場にいるあなたなら簡単に答えが出るはずです。




ホワイトバランスの調整は撮影時にカメラの設定で行う場合と、帰宅してから画像ソフトで調整する場合の2つがあります。これはカメラが画像をカードに記録するときの、記録形式の話とからんできます。画像はJPEGという既に圧縮されたデータのものと、CCDやCMOSといった撮像素子の1つ1つのデータ(RGB)を生のまま記録するRAWの2つがあります。

JPEG記録方式で撮影される方は撮影時にしっかりホワイトバランスを調整して撮影を行いましょう。RAW記録方式で撮影される方は撮影時はオートのまま、気にしないで大丈夫です。カメラ付属の現像ソフトまたはLightroomのような編集ソフトで仕上る際に調整を行います。

JPEGを編集ソフトを使ってホワイトバランス調整はできないの?それは、一昔前はできませんと言い切っていましたが、どういう仕組か分かりませんが最近のソフトでは可能なようです。ただしRAWで調整した時と違い、少なからず画像の品質にダメージがあるかと思いますのでお勧めはできません。

ツーリング写真におけるホワイトバランスとは、あなたが体験したツーリングシーンに最もイメージの近い色の選択です。それは必ずしも現実風景に忠実である必要はありません。仮にホワイトバランスの調整は演出ではないか!と物言いが入ったとしても、そもそも人間の眼球が実際の色に対して補正しちゃってるのですから、これを議論しても無駄な労力に終わります。

それに人間の眼球が補正してくれる能力も、実はかなり個人差があるそうですね。

それとカタログなどの商品を撮影するカメラマンの世界では、正確にホワイトバランスをとるため、専用の白紙や18%グレースケールを用いてマニュアルの白取りを行いますが、そういった商用写真の世界で行われているホワイトバランスと混同しないよう注意してください。




初心者の方は色温度の設定が難しく感じるかもしれません。手っ取り早いのはカメラ内にシーン別にプリセットされたホワイトバランスを操作することです。夕陽を実際よりも赤く表現したければ曇りモード、もっと赤くしたければ日陰モードを選ぶと良いでしょう。寒さや寂しさを表現するのに青みおびた写真にしたければ蛍光灯モード、さらに青くしたい場合は電球モードです。

どうでしたか?今回は写真の色味を決めるホワイトバランスのお話でした。また長くなってしまいましたが理解していただけたでしょうか?

露出のときも同じ話をしましたが、適正な値はあくまであなたの心の中です。

それでは寒いですが良い一週間を!





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絶えず変わりゆく刹那を一枚に<上級>ツーリング写真

意味がよく分からないタイトルをつけてしまいました…。ただのイメージと思ってください。

今回は<上級>ツーリング写真の解説として刻々と変化を見せる夕空を使って、色、コントラスト、雲の形、階調、濃淡などを画面内にデザインしましょう!というお話です。これは私自身が今取り組んでいる課題そのもので、本当に難しいのですが上手くいくと秀作になりえます。

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG F7.1 1/160 ISO100

夕空の撮影というのは奥が深いです。今日はダメかなぁと思った雲ばかりの空でも、日没が近くなると激変して真っ赤に焼けたり、かと思えば台風直後の晴天で夕焼けを期待して出かけてもイマイチだったりと、経験を積んだ今でも読めないことが多々あります。




夕空の撮影に限らず、多くの撮影シーンに言えることですが、いまある条件の中でベストを尽くせるよう、多くの引き出しや技術を持ち合わせなくてはいけません。

朝日、夕陽といった空の表情や太陽光など、気象条件に依存したツーリング写真の撮影シーンでは尚更のこと、与えられた条件下でベストを尽くせる技量が要求されますね。

さてこの作品ですが、キャンプツーリングの帰りに東京湾を望む保田海岸で撮影しました。キャンプツーリングのハイライトっていうのは不思議と夕焼けに出会えると思うのですが、そう感じるのは私だけでしょうか?

撮影地に着いたときは果たして夕焼けになるのかな?という微妙な空模様でしたが、刻々と変化を見せて最高のツーリング写真の舞台を作ってくれました。

デザインのポイントはハイライト付近の赤く焼けた部分は控え目に、繊細な濃淡のあるグレーの雲は中間色としてハイライトを際立たせるよう構成。嬉しかったのは左上付近の雲が白っぽくなってくれたこと。これにより鈍い表情の雲の部分にコントラストが発生しました。

太陽付近のオレンジは暖色系の進出色、雲や海はブルー、グレー系の寒色系の後退色。それぞれに繊細な階調があります。




重要なのは撮影時にこれらの事に注目して、画面内にデザインしたかどうか?ということです。当たり前ですが私がこうゆう空にした訳ではないですからね。これらの要素を整理して右に左に動いて、レンズの焦点距離を選び、露出を慎重に決めました。言葉にすると簡単なんですけど現場では脳をフル回転させる行為です。

構図はシンプルです。バイクのフロント部分1/3を入れる形でフレーミング。このように切ると大半のバイクは三角の図形要素を入れることが可能です。ハーレーのようにキャスターの寝た車種でしたら、かなり鋭角な三角になるので横構図が良いです。海の部分に無駄なスペースが発生したため、その穴埋め的な意味でヘルメットを置きました。やっぱりヘルメットを目立つ位置に置くと、ライダーの存在を予感させるのに効果的ですね。

どうでしたでしょうか?今回は刻々と変化する夕空の表情を、よ~くよ~く観察し、その中に潜んでいる要素をデザインして画面構成しましょう。というお話でした。

素敵な夕空に出会ったらぜひ実践してくださいね。





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↓↓↓撮影地↓↓↓

千葉県安房郡鋸南町 保田中央海岸 広い駐車場で柵などが無く、海の方角への撮影に最適です。冬の季節は天気が良ければ美しい富士山を望むことができます。トイレ有り。

確信犯で心理誘導せよ<中級>ツーリング写真

また挑戦的なタイトルをつけてしまいました…でもコレを期待されている方もちょっとは居るのではないかと…いないか。

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG F7.1 1/500 ISO100

写真とは鑑賞者への何らかの訴えです。意図を明確にするのも、ストーリーをこめるのも、珍しい風景を記録するのも、デザインすることも、稀な気象現象を芸術的に料理するのも、全て作品を見ていただける鑑賞者の存在ありきです。

以前に1枚の写真をミステリー小説になんて投稿をしました。あれはかなり変化球ですが、今回の作例もそれに少し似ています。

この写真、左にバイクのフロントが1/3ほど、右はヘルメット&グローブです。そして中央は・・・そこはライダーが腰かけてなきゃならんスペースでしょう!と誰もが連想すると思います。

「なぜいない?」

ここが鑑賞者への心理的な揺さぶり部分なんです。・・・なんて言うと聞こえが悪いですが、鑑賞者は写真を見た時に画面内で視線を上下左右に走らせて、様々な脳の働きをします。そして脳が「この写真では何もやることないや」と判断した瞬間、もうつまらなくてその写真を見もしないのです。

この作例は確信犯的な心理誘導以外は、特に光が良いとか巧みにデザインを取り入れたとか有りませんので、ただ想像を掻き立てる写真ってだけですが。絶景や稀な気象現象などの撮影現場で、こういった引き出しを複合的に取り入れると面白いかもしれませんね。

そういった写真が無いか探してみたのですが、残念ながら私のストレージ内には在庫がありませんでしたが。こうやって今書いたことによって、いつかチャンスがきたら思い出してやってみますよ!

面白いので皆さんもぜひ撮ってみてくださいね。





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大胆に切り取る、とは?<初級>ツーリング写真

究極のツーリング写真をいつも楽しみに見て頂ける方も、別に楽しみにはしてないけど、つい見にきちゃう方も、いつも見ていただいて有り難うございます。

皆さんはもう走り初めはされましたか?私は…元日から連勤でまだでございます。

さて今回の<初級>ツーリング写真はさらっとライトに読んで頂けるよう、いつものような深い投稿ではございません。深いのを覚悟されていた方はご安心ください。また深いのを期待されていた方はごめんなさい。

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG F11 1/250 ISO100

よく写真の世界では「被写体に寄る」とか「大胆に切り取る」なんて言葉をよく聞きますよね。被写体に寄るは以前にも記事にしましたが、今回は大胆に切り取るお話です。

今回の作例は被写体にバイクを選んでみました。というのも世に溢れているバイク写真の多くは、バイクを主役に撮っていて、それもほとんどは枠内にばっちり収まっているものばかり。当たり前なようで実は滑稽でございます。なので敢えて今回はバイクを作例に。

※誤解のないよう追記しておきますが、バイクを主役に撮った写真や枠内に収めた写真がダメな訳ではありません。それでも素晴しい作品はたくさん存在しております。たまには切り取ろうよ!というお話です。




この作例では車体全体の90%くらいは枠内だと思いますが、このギリギリ感が存在感を強調し、背景の波立った海と共演させるに相応しいカットにしてみました。実際には撮影地は近くに乗用車や観光客がたくさんいて、他に撮りようもなかったというのが現実ですが。トイレ休憩に立ち寄ったスペースで撮りたくなったので撮っちゃいました、の1枚なんです。

R1200GS ADVENTUREの何となくイルカっぽい側面のフォルム、フロントホイールの円を画面内の理想的な場所に配置した構図です。どの部分をどう切るかは撮影時にはそれほど意識はしていません。

光源は左上からの強い太陽光が各部のディーティールを立体的に表現しています。

大胆に切り取る、とはたぶんこうゆう事だと思うんです。もちろん、後で編集ソフトでトリミングしても良いですが、それは練習のレベルの話であって撮影時にトリミング前提で引いて撮るのは商業カメラマンの仕事で決して関心はできません。

それにトリミングは大切な画素を捨てているのと同じです。例えば2000万画素の写真を20%トリミングすると、1600万画素の写真になってしまいます。決して嬉しいことではないですよね。

撮影の時点で大胆に切り取るのと、後でトリミングする行為との違いは、画素を捨ててしまう話以外にも大切なことがあるのですが、今回はライトな内容と宣言したので割愛いたします!

あっ、今回の作例を見て「へぇ~三脚ってこうやって積むんだ」って思われた方。撮影機材の積載方法はまたの機会にご紹介しますのでお楽しみに!





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