流行写真に流されないスルー力




その時代時代にあった流行の写真というのがあります。例えばフィルム時代であればポジフィルムで極彩色で魅せる写真やセピアカラーの写真、スナップであればわざと下手っぽく魅せるヘタウマ写真、ひと昔前のデジタルカメラ黎明期であればダイナミックレンジを調整したHDR写真などがそうです。

今ではInstagramなどの写真系SNSで話題になるような「映える」といった目立つ写真が流行なのでしょうか。これら流行の写真とは流行である時点で全て一般カメラユーザー間の庶民的な写真文化です。

もちろん庶民的な写真文化に染まることは決して悪いことではありません。それを否定するつもりは全くありませんが、当ブログでは以前より庶民的な写真文化の範疇では「飽き」がきてしまいます…ということを何度も書いてきました。

アート写真などと言う立派なものをイキナリ目指さなくても良いのですが、忘れたくないのは「写真はせっかくやるのなら個人の表現を楽しもう!」ということです。




個人の表現、私の場合はこうですという個性的な作品を生み出してこそ写真甲斐があるものです。しかし、どうしても情報が溢れかえっている現代社会では個人の表現を妨げてしまう雑音が多いものです。特にSNSをやっている人は写真関連のコミュニティに参加するほど、タイムラインに日々たくさんの写真を目にするようになります。

それらSNSなどで流行となる写真の多くは【目立つ写真】【立派な写真】が多く大変インパクトがあります。見方によっては多くのカメラユーザーはいま、目立つ写真や立派な写真で競い合っているかのようです。

こういった風潮を見てぜひ気を付けたいポイントは「自分もそういった写真を撮らねば」と思わないことです。もちろん撮っても良いのですが、それは前述した通り流行写真の仲間入りとなってしまうので飽きやマンネリが待っているのです。SNSなどで目立つ写真、立派な写真を見かけたら「これはこれは立派な写真でございますね」と軽くスルーする力を身に付けましょう。

私たち勤勉な日本人は皆がそうしていると合わせないといけない…と感じてしまう同調精神が根付いています。これはコロナ渦において人々のマスク装着率が諸外国よりも高いことからも分かります。近年では日本人のこの同調精神が必ずしも良いとは言えない、という考えも徐々に見受けるようになりましたが、それでもまだまだ日本人は「みなと同じ精神」なのです。私の個人的な意見としては少なくとも写真を楽しむうえでは皆に合わせる必要はないのでしょうか?と思います。

皆さまは写真を楽しむにあたって流行の写真を追うのと個性的な写真を生み出すのと、どちらを選びますか?もちろんどちらを選ぶのも自由なのですけど。




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不安定な天気と夕焼け空




EOS6D Mark2

経験上、不安定な天気ほど空の表情はドラマチックになると考えます。

我々バイク乗りは誰だって雨は嫌なものです。北海道ツーリングなどの長丁場であれば仕方ありませんが、予報で雨と言っている日に近場をツーリングする人は少数でしょう。

しかしドラマチックな光景とは降水確率0%で安定の日には期待できないのも確かです。スコールの後には虹が見れたり、大荒れの天気の前日に燃えるような夕空が見れるものですよね。

雲ひとつない快晴の日も走っていて気持ちいいですが、空の表情という意味では変化がなくて少々退屈です。やはり空には雲が流れていて、その様子が何かのカタチになったりウロコ雲のように模様になったりするから空は魅力的なのだと思います。




上の作品はつい先日、台風が去った直後の空を撮ってみました。まだ不安定ですぐ近所では雨が降っていましたが、強い風で流れていく雲に沈んだ太陽の光が当たって茜に染めていました。

風景写真はスタジオで撮る写真と違って光や背景の調整はできません。相手は自然現象なので全て受け入れるしかないのです。自然現象に対する知識も大切ですが「どんな風景が出現しても大丈夫」という受け皿のような心が大切なのかもしれません。

つい写真をやっていると今日は立派な写真を撮るぞ、と意気込んでしまいがちですが不思議なことに頑張るほど風景は逃げてしまい、旅を楽しみながらニュートラルな気持ちで走っている時ほど、突如として奇跡的な絶景に出会うものです。

不思議ですけど長いことやっていて本当にそう思うこの頃です。




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ストリートスナップから写真の楽しさを知る




今日はスナップ写真について書いてみたいと思います。

スナップとは誰でも一度は聞いたことのある写真用語だと思います。その意味はアッと思った瞬間にパッと撮る写真、つまり瞬間をとらえることに主軸を置いた写真だと私は考えます。

構図や露出といった撮影技法に関わること、被写体と予定調和で挑む撮り方、演出などなど、技術や手間をかけ作り込むように撮るのではなく、あくまで現実の刹那をまさに「切り取る」ことで魅せる写真です。

RICOH GR APS-C

写真を長いことやっているとつくづく感じるのは写真とは「空間」と「時間」の二つの要素が常に付いて回るということ。目の前にある現実の様子は三次元の空間であり一定の時間が常に流れている。この時空を写真は二次元のテキスタイルとし時間を静止させた一枚の「画」とします。スナップはこの「時間」を瞬間に留めることを最重要視しているのです。

さて難しい話は置いておいてスナップ写真とは実に楽しい写真の遊び方です。とにかく深く考える必要はないので撮影者のアンテナが反応した瞬間に従順にシャッターを切るだけ。それがユニークな写真になれば「おっ、やったぞ」と膝を打つ痛快さがあるものです。

写真ビギナーの方は目の前の様子が写真になるとどのような感じになるのか、という感覚がまだ身に付いていないのでスナップ写真を日常的に撮ることで感覚を養うことができます。それと同時に写真を撮る楽しさというのを改めて学ぶことができると思います。




日常的に撮る・・・通勤でバス停まで歩いているとき、出張先での空き時間、バイクに乗れない休日など、何気ない日常風景の中でも楽しいスナップ写真を撮ることができます。撮る対象は何でも大丈夫です。信号機や横断歩道のある道、ちょっと古めかしいお店、道行く人々、もちろん家族やパートナーでも。

立派な写真を撮ろうと身構える必要はありません。極端にいってしまえば手ブレやピントが甘くてもOKな場合も有り得ます。よく言う写真イメージというのも無くても成立する場合もあるのです。

とにかく大切なのは瞬間を意識することです。「あっ」と自分の心のアンテナが反応を示したときに迷いなくシャッターを切ること。いつもポケットにカメラ(スマホでも悪くありませんが)を入れて撮影体制を整えておくのです。

失敗しても大丈夫です。最初のうちは沢山の写真を撮る事でスナップの楽しさを感覚的に理解していくのです。すると風景の特定の一部分を切り取ることで抽象化された美しさを発見したり、そこに注目した奇妙な自分の存在に気が付くはずです。




リコーGR APS-C

写真を撮ることは特別なことではなく日常的なこと。いつでもポケットに入るくらいのカメラを持ち歩いてスナップ写真を撮る。スナップをいつも撮ることで上達だけではなく生きがいを感じることもできます。

スナップ写真、明日からはじめてみませんか?

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写真ビギナーを悩ます露出を再考する

EOS6D Mark2 + EF35mmF2 IS

当ブログでは露出とは何ぞや、という内容を何度か書いてきましたが再び内容をブラッシュアップして書いてみたいと思います。

写真ビギナーの方にとって理解しにくい「露出」。簡単に言うと目の前にある光をどれくらいカメラ内に取り込んで写真にするのか?という意味です。

本来は撮影者が露出値を決めて撮影するものですが、現代ではカメラが自動でやってくれるようになりました。よって普通の記録写真を撮るぶんには露出について理解を深める必要性は低いです。しかし写真を趣味やライフワークとしてやっていきたい!と決心した人であれば、露出はカメラにお任せ・・・では少々寂しいものがあります。

この理由は簡単です。カメラが自動で決めてくれる露出とは機械の測定結果による無機質なデータに過ぎず、そこに人の感情や表現が入る余地はないからです。つまりカメラ任せでは表現は成立しないのです。明るくしようが暗くしようが、特定の部分に露出を合わせようが本来は撮影者の自由であり、精度の高い機械が算出した値が正しい露出ということはないのです。(18%グレースケールによる【適正露出】というのがありますが、それはあくまで記録写真等に用いられる標準的な明るさを求める場合)




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

まずは光について改めて意識してみましょう。

そこに光があるから写真になる。その光をとらえてイメージに近づける露出を決める。そのためにはどの部分にどのような光があり、それが被写体に当たってどのような反応をしているか?それら光によって影の様子はどうであるか?

これらを画面という長方形の中に配置し重要な一つが最も魅力的になるような露出をさぐるのです。そう言われるとカメラの自動測光機能(AE)では無理があるのが何となくお分かりいただけると思います。

とはいえ、写真ビギナーの方にいきなりそれは無理な話なので、まずは評価測光が決めてくれた値に対して補正をしてあげる露出補正を最初に覚えてみましょう。露出補正を使うようになると逆光や夕暮れでもイメージに近い写真が撮れるようになります。AEが万能ではない理由も分かると思います。

EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

露出とは絞りとシャッター速度の両者で決まることは既にご存知だと思います。両者は目の前の限られた光をシェアし合う仲であり、それぞれに持つ役割を全うするため決めた値(例えば絞りF11 シャッター速度1/125など)から最終的に写真の明るさを決定するものです。

上の作品は絞り優先モードで絞りを開いて被写界深度を浅くして撮った写真です。被写界深度とは奥行方向にピントが合う範囲のことで、言い換えればピントが合っていない部分のボケ具合です。絞りを自分で決めることとは重要な一つを浮き立たせて魅せる演出の調整です。上の作品では列車は大きく構図した訳ではないのに列車が主題であることが前景のボケ具合でハッキリ伝わると思います。

一方、開くのとは逆に小さく絞り込むことで画面の全体にピントを合わせる表現もあります。パンフォーカスといいます。カメラのすぐ近くにある花などの被写体から遠景まで全方位をシャープにすることで印象を狙います。その場合、絞り込んだことで光量が不足するのでシャッター速度を遅くして光量を補うことになります。




EOS6D mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG C

絞り優先モードを使用して被写界深度を意識することが空間の魅せ方であるのに対し、シャッター速度を意識することは瞬間やスピード感など写真に時間を与える魅せる方です。

上の作品は岩に砕ける波飛沫を捉えた一枚です。速いシャッター速度に設定することで飛沫の一粒一粒を「瞬間」として表現しています。こちらも速いシャッターを選べば光量は減るのでその分は絞りを開いて補ってもらうことになります。絞りとシャッター速度の両者はいつでも限られた光をシェアし合う仲なのです。

シャッター速度は早くすることで瞬間を、遅くすることでブラしてスピード感や動きを表現することが可能・・・。これって静止画であるはずの写真に時間が表現できるのですから改めて考えると実にユニークな魅せ方ですね。

EOS6D Mark2

露出は光をみつけ被写体がどう反応しているか、影の様子はどうであるかを見て構図を練る。そのうえで空間を魅せる被写界深度(絞り)でいくか、瞬間やブレで写真に時間を与える(シャッター速度)でいくか、その時のイメージに合わせて選択をする…という所まではご理解いただけたでしょうか。

次に明るさはどうするのか?という部分にも触れておきます。実際に目で見た通りの明るさで撮るのが正しいのでしょうか?・・・いいえ、写真を記録ではなく表現としてやるにあたり正解の明るさというのはありません。実際の明るさよりも暗くしようが明るくしようが自由です。上の作品は富士山にある雪と海にうかぶ小舟に露出を合わせました。

結果、実際の様子とはかけはなれた暗さの写真ですが、このように魅せたいという意図のもと選択した露出値です。他の誰かに「露出アンダーですよね」と言われようと撮った私としてはこれで良いのです。




EOS6D Mark2

写真ビギナーの方はまずは露出補正を使いこなす、次に絞り優先モードで被写界深度を意識して魅せる方法を感覚として習得してみましょう。そこにある光を見極めて描いたイメージに求める露出値(F〇〇、S〇/〇秒)が頭にすぐ浮かぶところをひとまず目標にしてみましょう。

どのような光を選んでどのような露出で撮るか、絞りは開くのか、シャッター速度はどうするか・・・これらの選択肢から選ぶのは自由なのですが、なぜそれを選んだのかの理由は必要です。無心でシャッターを切って理由の後付けをする表現というのもありますがビギナーの方がいきなり目指す境地ではないと思います。まずは被写体や情景の特徴を受け、心が動いた「感動」を受けてイメージを作ること。〇〇が△△だと思ったから露出を□□にした。という明確な意図のもと選択をするのです。

すごく極端に言うと写真とは情熱、行動、出会い、感動、想像、選択、作業、余韻、のパートに分かれると感じます。おっと、また話が飛躍し過ぎたので今回はこの辺で。

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風景写真にこめた想い




EOS6D Mark2

風の感触、草のかおり、さざ波の音…

本来は写真では伝わらないものを、写真を見てくれる人に感じ取ってもらいたい。

その為にできることは何か?知識、経験を元に工夫をこらし納得できるまで撮り切る。

バイクで走るときっとこんな風なんだろうな

むかし走ったがこんな風だったな

またバイクで旅立ちたくなった

そんな共感や想像を誘えれば素敵だ。

一方で撮った自分もその一枚をみて「あのときこうだった」と思い出せる。

記憶の中で曖昧だった風景は写真を見ることで詳細が蘇り、その時の音、におい、感触が伝わってくる。それは懐かしいともちょっと違う不思議な感じ。

写真は事実の全てを写す必要はなくて、その時の感動を抽出するように撮るもの。それができれば後で見返したときに特別な心象風景となってくれます。

まだ道半ばですが憧れの一枚を求めて旅を続けたいです。




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関心の対象をカメラや愛車ではなく「写真」にすること




たまに写真をやる上で「長続きする秘訣は何ですか」という質問をいただきます。かく言う私も飽きっぽい性格なのですが、こと写真については15年以上継続してやっております。継続は力なり、なんていいますが確かに継続力が実を結ぶことはあると感じます。

では写真を飽きずに継続させるにはどうすれば良いでしょうか。全くの私見ですが兎にも角にも写真が好きな一人の人になることだと思います。カメラではなく写真です。

写真をはじめるとつい関心の対象がカメラやレンズにいってしまったり、バイク写真であれば愛車をカッコよく撮るのに夢中になりすぎて、人に見せる写真ということを忘れてしまいがちです。




もちろんカメラやレンズに夢中になるのは悪いことではありません。愛車の写真をカッコよく撮るのも私だってやっております。しかしそればかりでは数年も続かず飽きてしまうでしょう。写真をはじめたきっかけがカメラが欲しかった、趣味がないから写真でも始めるか、せっかくツーリングに行くのだから素敵な記念写真を撮りたい、といったものが大半だとは思います。それは決して悪いことではありません。

アンリカルティエブレッソンやアンセルアダムスのART写真を見て、自分も写真で芸術の門をたたいてみたい…と写真をはじめる人は稀だと思います。私も写真をはじめたきっかけは決して写真家の仲間入りをしたい、といった立派なものではなく初めての北海道ツーリングでした。

はじまりはそれでも良いと思います。しかし、どこかのポイントで関心の対象を「写真」にすること。写真を愛する人になること。これを心がけてみましょう。

そのためにはいちど冷静になって自分が撮った写真ではない他の写真を見てみることです。この写真はカロリーメイトの広告に使われた市橋織江さんの作品ですが、私はこういった感じの写真が大好きです。最初に見た時どこがどう好きと言葉では説明できなくても直感的に「あっこれ好き」と感じる好みの写真です。そして時間をかけてどこがどう好きだと感じたのかじっくり考えてみるのです。

写真の見識を深める最初の一歩はこのように自分の好みの写真を知り、その中身を考えることだと思います。それにはまず色々な写真を見て写真の目利きになることが大切です。最初は写真をどう見れば良いのか分からなくても、たくさんの写真を見ていけば徐々に見方が理解できてきます。




自分の好みの写真を知る上で注意したいポイントは流行の写真に惑わされないことです。特にSNSなどネット上にある目立つ写真、映える写真など一般に高評価を得ている写真を見て「あっそういうのが良い写真なんだ」と思わないことです。あくまで個人的に好きな写真を探すのです。

好みの写真を知り、様々な写真作品に目を通すことで写真とはなんぞや、という哲学のようなものを考えるようになります。逆に自分の「好き」と向き合わず自分が撮った写真、同じ趣味の仲間達の写真ばかりを見ていると写真を見る審美眼が進化しないのです。

写真を見る目が進化していけば並行して思い描く理想の写真(実現できない幻想でも良い)を日常的に想像するようになり、いつか撮ってみたい憧れの一枚に情熱をそそぐようになるでしょう。

そうなれば写真を撮ることに飽きを感じたり、カメラを持って出かけることに億劫さを感じることもなくなります。作風や撮る対象が変化したり、所有レンズのバリエーションが変化することはあっても写真をやめてしまう・・・という事態にはきっとならないと思います。

なにしろ写真の本当の素晴らしさを知ったら夢中になってしまいますからね。

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見つけて意識するだけ、ツーリング写真のデザイン要素




EOS6D Mark2 + EF35mmF2 IS

港のような雰囲気はバイク写真と相性の良い撮影シーンです。バイク雑誌やクルマ雑誌のイメージカットでもコンテナ埠頭や港が度々使われていることからも分かりますね。漁港は港の雰囲気にカラフルな色を加えたものと私は考えています。こちらもツーリング写真には最適なロケーションと言えそうです。

しかし漁港は色々な物が雑然と存在していて構図を作る上では手間がかかるものです。何となくで惰性的にシャッターを切ればゴチャゴチャとして散漫な構図に陥ります。

こういったシーンこそ何を画面内に入れて何を画面外に除外するかの選別が重要になるものです。そしてぜひ意識したいのはスペースの作り方。この写真の場合はコンクリートの地面ですが意図的にスペースを配置させることでゴチャゴチャした部分と区分を作っています。




さて、本題ですが写真をここで撮ろう、と思った時、撮影者は目の前の風景から様々なことを認識しています。撮りたい対象の大きさ、風景の範囲、特徴など。そのとき構図を組み立てるにあたって役立ちそうな分断線、図形、色などを見つけるのがポイントです。現実が写真という幾何学に落とし込まれたときに機能するこれらのデザイン要素。この写真の場合では特に【色】を意識して撮ってみました。浮きの黄色、船体の水色、こういった自然風景ではない人工物としてのカラフルさは写真の印象に関わるデザイン要素です。

色とは不思議なもので例えば赤は情熱的、青は冷調さ、緑や茶は安心や安定といったそれぞれが持つ心理的な印象があるものです。また異なる色の組み合わせで相性の良い色とそうでない色があります。デザインやイラストの経験のある方であれば常識的なことですが色相環での補色関係の色です。

例えば濃紺に黄色とか茶色に水色といった組み合わせです。洋服やイラストはもちろん、バイクや車にも補色の組み合わせはよく使われています。桜が満開の道で通りゆくバイクを撮ろう・・・となったとき赤色や黒色のバイクを狙うよりカワサキのライムグリーンが登場をするのを待ちましょう。成功すれば膝を打つほどしっくりくるカラー写真になるはずです。

目の前の風景から使えそうな色を見つけたら、その色が印象的になるように被写体に寄ってみるとか、組み合わせの良さそうな他の色を画面内に入れるといった小さな一手間が写真を大きく変えてくれます。

認識してキャスティングして工夫するのです。そこに一般的な正解はなく貴方が「いいな」と思ったやり方が正解です。




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予定調和写真と奇跡の受け皿

RICOH GR

突然深い話ですが人生とは何が起こるか分からないもの・・・よくそのように聞きます。さらに実際にそう思える出来ごとがあると実感するものですよね。10年後にはこうといった人生設計のようなものを立てても、必ずしもそうはいかないものです。

逆に思いもしないタイミングで運命的な人に出会ったり、岐路に立ったりと幸運や不運は天気のように訪れるものです。そしてそれは多くの場合で事前に予測することが難しいです。




時の流れには潮目のようなものがあって良い時期とそうでない時期があるものです。ある有名な占い師はその波は12年周期といいますし、一般的なものでは厄年というのがあります。厄年など気にしなければどうと言うことはない、という意見も散見しますが実際のところ私が41歳頃の時の厄年は最悪でした。

逆に絶好調な時期というのも振り返って考えると確かにある気がします。私の場合は2009年頃で買って間もないR1200GSでロングツーリングを楽しんでいた時期でした。仕事もプライベートも充実していたように感じます。

大切なのは良い時期とそうでない時期の潮目の変わる瞬間を見極めて、そのときにあった身の置き方、ふるまいや行動をすることだと感じます。

こういった話は写真にも通じるものがあります。今回のツーリングではこんな写真を撮るぞ、と走り出す前から今日撮りたい写真のイメージを描いても、実際にはそのような写真が必ず撮れるとは限りません。むしろ今日はこんな写真が撮れるとは思わなかった・・・という意外なシチュエーションに出会うのは多いものです。

鉄道と愛車の写真を撮ろうと中望遠レンズを持って出かけたが、秋でもないのに空一面にウロコ雲が出現して広角レンズを持って来れば良かった、と後悔した・・・そんな経験はをした方は私以外にもおられるはずです。(そういった意味ではズームレンズは良いアイテムと感じます)




夕日、星空、鉄道、季節の花など予定調和で撮る写真を決して否定する意味ではありませんが、偶然の出会いの中にこそ感動の心象風景があると信じたいです。

そのために重要なひとつは奇跡をいつでも許容する受け皿のようなものを心に持っておくことです。「今日はこれを撮るぞ!」と張り切り過ぎるのではなく少しの余裕をもって旅をするように写真を撮ってみましょう。

すると被写体との出会いや心の感度に周期的な波が存在していることに気が付きます。その潮目の変わる瞬間を感じ取ってみましょう。よく分からないかもしれませんが単純に「なんだか調子がいいぞ」という時に積極的に撮影をして、そうではない時は食事処や温泉でも行ってバイクで走ること自体を楽しんでみましょう。メリハリのようなものですね。

もちろんふとした瞬間に奇跡的な風景が出現する場合もあるので心の準備だけはお忘れなく。




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写真観賞者の想像の取り分




EOS6D Mark2

2021年7月現在、私たちは長引くマスク生活を強いられていますが生活様式の変化の中で面白い発見があるのは確かです。例えば人前で話をするのがどうも苦手だ、という人がマスクをしていると緊張せずに人前で話せるとか、マスクをするようになって異性にモテるようになった気がするとか…そんな人、近くにいませんか?

マスク美人なんて言葉があるくらいですよね。マスクの下の様子が隠されていることで不足している情報を無意識に補完しようとする人間の心理だそうです。興味深いのは多くの場合で人は美しいもの、都合の良いものを想像するのだそうです。ある日、その人がマスクを外した顔を見たらガッカリしてしまった・・・という話を耳にしますが勝手に美しいものを想像したのがそもそもの原因なのですね。

見えない部分の情報を無意識に補完しようとする心理。アモーダル心理というそうですが写真にも同じような魅せ方が存在します。上の作品はそんな人間の心理を意識した想像誘導型のツーリング写真です。写真観賞者は写真をパッと見た瞬間に視線を走らせ認識しようとします。その結果を受けてその写真に自分の関心の対象があるのか、退屈なものかを判断します。




この作品の場合、少々やり過ぎ感があるのですがトリックアート的な要素も持ち合わせています。といっても本当にトリックアートな訳ではないのですが、扉がメイン被写体である時点で何やら不思議な世界に誘われているような雰囲気の写真、という意味です。まずライダーですが顔がフレームで見切れることで、この人物はどのような顔なのだろう?とアモーダル補完を誘います。歩む先に何があるのか?扉の中には何があるのか?写真を見ながら想像を楽しめる、言ってみれば観賞者に楽しみを与えた作品になっています。

さらに付け加えるとライダーの右手の後方に小さな人影があります。これは幽霊ではなく偶然に写った通行人です。本来であれば予定外に写ってしまったものは選別時にボツにしますが、この場合はユニークだな!と思い採用カットとしました。観賞者の想像の中に奇妙な緊張感を加える要素になると思ったのです。

一方でこういった観賞者の想像を誘う表現は難しい側面も持っています。とにかく異質なのでこのような写真ばかりを何枚もそろえて人にみせると嫌気がさしてしまう場合も。そのようにならないよう控え目に作れれば良いのですが加減は難しいものです。たまにやるから良いのかもしれませんね。




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被写体をよく見てシンプルに撮る

EOS6D Mark2




立派な写真を撮ろうと思うほど何をして良いか分からなくなり途方に暮れてしまうものです。

まずそこで足をとめたなら被写体、情景をよく見てそこで撮ろうと思った理由を探し、特長を見極めてみましょう。

目についた中で「あっ、なんかこれ面白いかも」と、心の針が少しでもふれたなら、立派な写真を撮る事をいちど忘れて、子供のように素直な気持ちでシャッターを切ってみるのです。

上の作品は当初は漁船が佇む場所でのツーリング写真を目指していましたが、よく見ると大漁旗の代わりに鯉のぼりが漁船の上を泳いでいました。こどもの日でもないのに何故に鯉のぼり…???これは面白いな、と思ったので素直にそれが主役になるような写真を撮ってみたのです。

ちょっとの気づきとソレが「いいな」と思える心を持っていれば特別な撮影技法などはさして重要ではないのかもしれません。

被写体をよくみてシンプルに考えて撮ってみましょう。




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