ツーリング写真の魅せ方シリーズ☆第2回<被写界深度で魅せる>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回の投稿から写真ビギナーの方を対象にツーリング写真の魅せ方シリーズというの書いております。前回の第一回目は<露出で魅せる>を書いてみました。

露出とは出来上がる写真の明るさのこと。露出を決めるには撮影者のイメージ(こう撮りたいと想像すること)の写真が大事であること。必ずしも実際の明るさを再現する必要はない…といった事を解説してみました。

さて、第二回目の今回は露出繋がりで<被写界深度で魅せる>を解説してみたいと思います。露出繋がりで…と書いたのは被写界深度を調整する絞り機能とは露出を決めるための機能でもあるからです。




EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

絞りとは写真の世界ではよく耳にするワードですが写真ビギナーの方にとっては理解しにくい最初の難関ですよね。簡単に言ってしまうとレンズの中にある穴ポコのことで、穴を大きくしたり小さくしたり調整できる機械的な機能です。

露出の観点でみると穴を大きくする(絞りを開く)と光はたくさん取り入れられるので明るい写真に、逆に小さくする(絞りを絞る)と光は少しで暗い写真になります。

絞りには明るさの量を調整することとは別に、もう1つ重要な役割があります。それが被写界深度です。被写界深度とはカメラから見て奥行方向にピントが合う範囲を意味します。ピントが合っていない部分はボケるので、逆に言うとボケ具合の調整でもあります。

被写界深度の調整はどのようなシチュエーションで使うのか?というと特定の被写体(主に作品の主題となるもの)を浮き立たせるように見せる表現、または手前から遠景までシャープにすることで視覚的遠近感を狙うなどの表現手法として使います。

絞りを絞ると被写界深度は深く、逆に開くと被写界深度は浅くなって背景や前景はボケて写るようになります。女性モデルや子供さんの写真なんかでは絞りを開いて背景をボカすのが定番ですよね。

上の写真は北海道ツーリングで道北の稚咲内漁港から見た利尻富士の風景です。前景として赤い船を入れて望遠レンズで利尻富士を大きく引き寄せました。このようにバイクとカメラの間に別の被写体を入れて3レイヤー以上の構図を作った時、カメラに近い物ほどボケやすくなります。そして望遠レンズほどそれは顕著になります。

この場合は完全なパンフォーカス(全ての部分にピントが合っている表現)に近い深い深度を作って手前の船を表現したかったので絞り込んで撮ってみました。




EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

こちらはシチュエーションとしては先ほどの作例によく似ていますが絞りを開いた作例です。合焦点は遠景(富士山、コンテナ船、鳶)としてマニュアルフォーカスで無限遠に設定していますが、手前にあるR1200GS-ADVENTURE+ライダーについては存在感を落とす目的でボカしています。またボカしたことによる副産物として玉ボケと呼ばれるハイライトが美しく入りました。

絞りを開くのはこのように富士山とバイク、どちらが主役なのかを明確にするのに使える表現手法とも言えます。バイクをボカしたからこそ富士山などの遠景が美しく浮き立って見えるのですね。SNSなどでよく見かける平凡なツーリング写真とは富士山もバイクも存在感が等分されていて主題が明確化されていないものが多いと感じます。作品に意味を持たせ表現ができるか?できないか?正に明暗が分かれるポイントですね。

EOS6 mark2 + EF35mmF2 IS

もちろん絞りを開けばボケを得るだけでなくたくさんの光をカメラ内に取り込むことが出来ます。このような星景写真や夜景など、そもそも場の光が僅かしかないシーンにおいては絞り開放を選ぶのが一般的です。この場合、解放だけではまだまだ光量が不足するのでシャッターもスローシャッターにしISO感度も上げて撮っています。

絞り、シャッター速度、ISO感度の関係性についてはまた別の機会に詳細に解説いたします。




絞りを開いて背景をボカすのは一眼レフをはじめて買った人が誰でもやることですが、いつまでもボカしてばかりいないで深度を意識して表現してみましょう。

さて、ここまでの解説で気が付いた方も多いと思いますが解説の中で「〇〇だから△△した」という表現が度々出てきました。富士山の美しさを浮き立たせたいから絞りを開いて手前のバイクをボカした。紫陽花に当たる光の様子を表現したいからローキーな露出を選んだ。このように写真に意味を持たせるとは被写体や情景の特徴を受けて作者が感じたコトを何らかの表現手段に落とし込むことなのですね。

だから撮り方だけをいくら覚えても、その景色や被写体に作者の心が動かされていなければ具体的に何をしてよいのか途方に暮れてしまうものです。そこで惰性的にシャッターを切ればたちまち陳腐な写真を生んでしまいます。いくらカメラの性能がよくて高画質でもこれではダメです。音程やリズム感は抜群でも心がこもっていない歌は聞く人を感動させることはできませんよね。

まずは子供のように純粋に感動できる心の持ち主になりましょう。

まだまだ続きます。

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ツーリング写真の魅せ方シリーズ☆第1回<露出で魅せる>

究極のツーリング写真 tourig-photography.com 読者の皆さま、当ブログは「ツーリング写真」という新たな写真カテゴリーを世に認知させるために活動しているバイク写真専門ブログでございます。

間もなくサイト開設から3年になりますが、ここで初心に帰ってバイク写真、ツーリング写真の魅せ方シリーズと題して様々ある写真の表現手法について、作例をもとに解説してみたいと思います。




今回は第一弾で「露出で魅せる」でございます。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2L IS

ビギナーの方も多くいらっしゃると思うので初歩的なことから書いてみます。写真における露出とは簡単に言ってしまえば出来上がる写真の明るさを意味します。カメラの中は真っ暗な箱になっていて通常時は外部の光は遮断されています。それがシャッターを切った瞬間だけレンズを通してセンサー(またはフィルム)に露光する仕組みになっています。

レンズから取り入れた外の光がたくさん入れば明るい写真、少しであれば暗い写真です。その光量の調整は主に2つの手段があって1つは絞り、2つ目はシャッター速度です。それぞれの役割はまた別の機会に解説しますが、両者は撮影者がカメラを向けているその風景に在る限られた光量をシェアし合う仲です。

ここでワンポイント。露出を決めるにはどうしたら良いでしょうか?ひとつはカメラにお任せすること。2つ目は撮影者が決める。3つ目はカメラが決めた露出に対して撮影者が補正する、この3つがあります。

正しい露出を得ることを「適正露出」などと呼びますが適正露出とは例えば証明写真や図鑑などに使用する事実を記録する写真によく使われる用語です。ここでは事実は必ずしも再現しなくても良いARTと理解して適正露出とは自分の脳内で描いたイメージ写真の明るさの再現とひとまず理解しましょう。




そうと決まれば大事なのは「こんな風に撮りたいぞ」と事前に脳内に描くイメージ写真を想像することです。ここでぜひ覚えていただきたいのが実際の明るさをそのまま再現する必要は必ずしもないという事です。上の作例では紫陽花の花の魅力を際立たせるために実際の様子よりは暗めの露出設定をしています。紫陽花の魅力をが伝わるにはどのような露出にするか?緑の部分にハイライト(光が当たっている部分)が存在していたので、その部分が白くとんだりしないよう光の様子を表現するにはどうしたら良いだろう?そんな想いでこのような露出を選んでいます。

もちろんこの場合、AE(カメラにお任せした露出)ではこのような明るさにはなりません。AEは画面全体を平均的に(その他にも局所的など設定変更はできますが)測光した結果、一般的に写真の明るさとはこうでしょ!という数値を出すだけです。撮影者がこう撮りたい!という願望を叶える機能ではないのですね。

イメージなくしてこのような写真は生まれないと思います。くどいようですが事前に作るイメージで先に露出(撮りたい写真の明るさ)を決めてしまうこと。見せたくない部分があればそれはシャドウに包み、主題が最も魅力的に見える明るさを求めること。あるいは逆にハイキー(意図的に明るく撮った写真)に飛ばして抽象的な表現をしたりと被写体や自分のイメージに合わせて出来上がる写真の明るさを事前に想像してみましょう。

このように撮影者の意図に合わせて表現する手段のひとつが「露出で魅せる」やり方です。実際の様子(明るさ)を再現することは間違いではありませんが、それに縛られていてはARTは成立しないと思います。

魅せ方シリーズ、まだまだ続きます!!!




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ツーリング写真の構図のヒント☆シンプルに寄ること

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、まだまだ残暑が厳しい毎日ですね。ツーリングに行く際は感染症対策だけでなく熱中症対策をお忘れなく。小まめな休憩と水分、塩分補給ですね。

さて今回はツーリング写真、バイク写真の撮り方において被写体をより魅力的に写すためのヒントのようなものをサラっと書いてみたいと思います。

写真の撮り方と一言でいっても手法は様々あり、代表的なものは構図、フレーミング、比率、デザイン、露出、被写界深度、シャッター速度、ホワイトバランス、画角、などなどパッと思いつくだけでもこれだけ出てきます。




そんな数ある写真の撮り方の中で基本と呼ばれている「被写体に寄る」について作例を元に解説してみたいと思います。

千葉県市原市の人気ローカル線 小湊鉄道の月崎駅です。懐かしい木造駅舎が何とも趣がありますね。映画やドラマの撮影でも度々使われる駅で、最近では夏美のホタルで使われて話題になりました。

そんな月崎駅も最近になって駅舎をリニューアルし、写真を撮るには少々お邪魔であった自販機も撤去されて以前にも増して魅力的になりました。

さて、そんな私の大好きな月崎駅でR1200GSを置いてこんな夏っぽい写真を撮ってみました。普通に駅舎の前にバイクだけ置いて撮るのは面白みに欠けるので、手前に咲いていたピンクのお花を前景に置いてみました。

前景を作ることで写真に奥行きが出ますし、デザインの観点では青空と相性の良いピンク色を得る事にも成功しました。しかしこの写真だとまだ被写体の魅力が十分に伝わっているとは思えません。




はい、ぐっと花に寄ってみました。ごく当たり前のことですが先ほどの1枚とは花の大きさが全然違いますね。これによって余計な要素だった傷んだ葉の割合をぐっと減らしてピンク色が画面を占める割合を増やすことができました。

花の存在感が強まったことで別の何かが弱まるのですが、この場合はR1200GSではなく空の印象が弱まりました。この時の青空は爽やかでしたが特段、雲などで表情があるとか魅力的な要素はありませんでしたので弱まってもらっても支障はありません。

けっこう昔から写真は被写体に一歩寄る事が基本、とされてきましたが、それは現在でも通用するやり方です。もちろん何でもかんでも寄れば良いというものではありませんが。ズームレンズに慣れてしまった一般ユーザーは特に「寄る」という動きがそもそも欠けている人も多いと思います。




ズームレンズで被写体を大きくするのは「寄せる」。この場合は体で動いて「寄る」のです。寄せると寄るの違いはまた別の機会に書いてみたいと思います。

今回はこの辺で!!

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バイク旅に抱く想い

EOS6D mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

バイク旅は本当にいい。

そこで写真を撮るのも素晴らしい。

キャンプは自然を感じながら原始的に夜を明かす。そんな瞬間が好きだ。

私の旅に明確な目的地や目的は決めない。

自由気ままと言ったら洒落た聞こえだけど、ほんとそんな感じ。

天気にも左右されるし、細かく予定を立てると予定外のことに翻弄されてストレスになる。

だから適当でいいんだ。




今回の佐渡のようにはじめて旅する所も発見と感動の連続で素晴らしい。

北海道や地元の房総半島みたいに何度も行った場所であっても発見や感動はある。

絶景はいつも旅人の心の内面に存在する。

旅で感じたことは全て写真にしたいという願望がある。

風景とセッションしている時が最も自分らしくいられる時間だ。

最近、つくづく考える。いい写真って何だろうって。

まずは自分がいいと思った写真であること。これは絶対条件だと言える。

それを踏まえて客観的にみていい写真かどうか?ARTと呼べる立派なものかどうか?

これは難しい。自分では分からない。正に永遠のテーマ。

でも自分はプロカメラマンではないから、自分が「いい」と思える写真を撮り続けていれば十分だと思える。それにソレって結構幸せなのかもしれない。

そういう意味ではバイク旅と写真という世界を味わい尽くして生きている自分は

果報者なのかもしれない。




 

ART写真…

写真とは紛れもなく現実を写し撮ったものだ。

しかしART写真の世界は現実の様子は極力写さず

作者の内面を何らかの手法で表現するのが一般的だ。

写真は現実を撮るものだけどARTなら現実は写さない。

このどうにも厄介な矛盾を個人的にどう消化して

作品として仕立てるか?だ。

とりあえず今、理解していることはドキュメンタリータッチな写真と

ARTな写真の二者が存在していて、それはしっかり使い分けていくべき。

ということ。

私の場合はどちらか一方ではなく両者を使ってツーリングの魅力とバイクのRealを伝えたい。




 

現代人が忘れかけた旅精神。

それを現代流に取り戻す最良の旅の移動手段はバイクではないだろうか?

「バイクに乗って旅に出よう!」

そんなメッセージを1枚の写真で発信したい。

 

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どんな時にマニュアルフォーカスを使うのか

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、写真をライフワークにされている方、写真の方は上達されていますでしょうか?どんなに写真のことが好きでも上達、進化が実感できないとモチベーションが下がってしまうのでベテランであっても常に上達、進化したいところですね。

しかし何事もキャリアを積めば積むほど上達は容易ではなくなり、少しでも停滞すれば上達はおろか退化する場合もあるから恐ろしいものです。

もし壁に当たったときやマンネリを感じた時は、いつもと違ったものを対象に撮ってみましょう。風景写真専門だった人は家族にモデルになってもらいポートレートに挑戦するとか、バイク写真専門だった人は海岸で拾ってきた貝殻を自宅に置いて窓からの自然光を当てて撮ってみるとか。きっと何か得るものがあると思いますよ。




さて、今回は<中級>ツーリング写真解説としてカメラのマニュアルフォーカスとはどんな時に使うのか?という解説を書いてみたいと思います。

EOS6D mark2 + EF35mmF2 IS

こちらの作例をご覧ください。焦点距離は35mm。R1200GS-ADVENTUREまでのカメラディスタンスは約15m、手前の漁船までは1mくらいです。

EOS6D Mark2+EF35mmF2ISを絞りをF14まで絞り込んで撮った(ほぼ)パンフォーカスの表現です。

マニュアルフォーカスはこの作例のように主要な被写体が2つ以上存在するとき、その両者が奥行方向に異なる位置関係となったときに使用します。たっぷり深度を確保したときに、そのピークをどのポイントにもってくるかは撮影者にしか分からないことなのです。この場合、前景となる廃船とR1200GS-ADVENTUREの中間にピントピークがくるようにピント位置を調整しました。

オートフォーカスは被写体A、被写体Bとなったとき、どちらか一方にピントピークを合わせることしか出来ないのですね。




EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

先ほどの作例が絞り込んだ写真だったのに対して、こちらはレンズの解放を使った作例です。これは200mmの焦点距離で撮ったものですが絞りは解放F2.8です。R1200GS-ADVENTUREまでのカメラディスタンスは約50m。この場合の被写界深度はおよそ10mとなります。この作品ではR1200GS-ADVENTUREのすぐ後ろからボカす、という地味な表現を使っています。これによって解放らしい遠景のボケ具合を出しているのですが、これもマニュアルフォーカスです。

もしこのシーンでオートフォーカスを使ってR1200GS-ADVENTUREに合焦させると、10mある被写界深度のピーク位置がR1200GS-ADVENTUREとなるので、その前後5mにピントが合うことになります。車体のすぐ後ろからボカすのは難しいですね。

バイクの手前に咲いている花は全てピントを合わせて、バイクのすぐ後ろからはボカしたい、そういった要求をマニュアルフォーカスを使用して実現させました。




ところで今日もまた職場の人にカメラのことについて相談を受けました。またしても「カメラを買わなくてもスマホで十分ですか?」という内容のものでした。カメラを買うかスマホでも十分か?はその人がどんな写真を撮りたいかによってYesにもNoにもなります。

今回の解説のように絞り込んで被写界深度で魅せたり、ピントピークを意図に合わせて精密にコントロールしたり、といった表現をしたい人は「スマホでもいいですか?」の問いには当然「No」となります。

今日も地味な話だったなぁ。今回はこの辺で!

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ツーリング写真で唯一、動かせるもの☆ひと手間かけて

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、少しづつですが厳しい暑さが和らいでくる季節、いかがお過ごしでしょうか?

今年の猛暑は暑さに弱い私にはかなり堪えました。お盆の信州~佐渡のツーリングは信州は涼しかったのですが北陸自動車道での新潟市までの移動、帰路の関越自動車道の暑さが激しかったですね。熱中症の症状は急にくるので少しでも変だと思ったらすぐに冷房のある場所で休憩、水分塩分の補給ですね。

帰りの関越道なんてR1200GSのオンボードで41.5℃を表示していました。メッシュウェアーの下に着ているTシャツを水で濡らして走行風の気化熱で冷やす水冷ジャケット作戦で何とか凌ぎましたが…危険な暑さでした。まだまだ暑い日は続くのでツーリングに行かれる方は気を付けてください。




さて今回は初級ツーリング写真の解説として、久しぶりに初歩的な内容かつシンプルな事を書いてみたいと思います。

先日の佐渡ツーリングでのひとこまです。佐渡の南端に近い沢崎鼻灯台です。ゆるやかなS字を描く道に六角形の白亜の灯台が何とも画になると感じたのでここで撮影に挑みました。

さてここでR1200GS-ADVENTUREを停めている場所に注目してください。まず1つ目に気になるのは重要な被写体である灯台と位置関係が重ねっていることです。以前に解説した最悪の構図「串刺し構図」に近いものがあります。2つ目としてR1200GS-ADVENTUREの存在感が弱く写真全体にツーリング写真としてのストーリー性が出ていません。




はい、これではダメだと思い手直しした写真です。R1200GS-ADVENTUREを停めている場所を5mほど前に移動。これにより灯台に近すぎた問題を解決しバイクの存在感も補いました。

先ほど「ツーリング写真としてのストーリー性が弱い」と書きましたが、これはバイクに乗ってこの場所までやってきた到達感のことを意味します。道で構図を作った画面に対してバイクをどう置くかで決まってくる問題です。バイクよりも先にスペースを作れば出発、旅の始まりを予感させるものになり、逆に後ろにスペースを作れば到達を表現できます。道に対してバイクをどう置くかで旅感を表現する…最初は難しいかもしれませんが意識してみて下さいね。




ツーリング写真とは基本は風景写真です。風景は山とか灯台とか被写体の位置を変えることは当然ですが出来ません。自分が動くかレンズを交換して画角で調整するなどしか手段が無い訳です。しかし唯一、動かして問題ないものがバイクです(もちろんんヘルメットとかライダーも)。何か釈然としないな…となった時にバイクの位置かな?と気が付いたら、そこで面倒がらずに一手間かけてみましょうね。

今回はこの辺で!!

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何でもない景色

RICOH GR

「何でもない景色」

その景色のなにがいいの?写真ばっかり撮っていて楽しいの?

他人から見れば私の旅は滑稽かもしれません。

特別、景勝地として知られている場所でもなければ話題のスポットでもない。

何でもない景色。

しかし、それは私にとっては特別な風景で

のちに記憶に残る尊いツーリング風景です。

あの日、あの時、私がそこで旅をした証。

被写体が何かを放つその空間の記録。

それらが一枚の写真となって静かな画になる。

写真を撮ったからこそ記憶に焼き付く風景だ。

例えばこんな何でもない港とか、地元の人の生活道路でもいい。

心に響いた小さな出会いこそが

いつか人生を振り返るときに

思い出す風景ではないだろうか。

 




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超ワイドレンズで魅せる☆ツーリング写真(その2)

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回の投稿で超広角レンズを使ったツーリング写真について解説してみましたが如何でしたでしょうか。

超広角レンズと言うと目の前の景色の何もかもを小さくトバしてしまい、強烈なレンズ歪みが発生したり、少しでもカメラアングルを下げると自分の影が写ってしまったりと何かと難しい印象ですが、ツボを押さえてしまえば使えるレンズであることはご理解いただけたと思います。

今回は前回の超広角レンズの解説の補足として強烈なレンズ歪みの対処について書いてみたいと思います。

こちらの作例をご覧ください。SIGMA12-24㎜F4.5-5.6DGで撮影したサンプルです。超広角レンズとは特に画面の四隅に樽型(レンズによっては糸巻き型)の歪みが発生するものです。この歪みが強く出てしまう部分にバイクなどの人工物を入れてしまうと、バイクの造形が歪んでしまい場合によっては許容しがたい写真になってしまいます。




前回のビーナスライン白樺林の作例ではバイクを画面内で小さく構図することで歪みの問題を解決させました。今回の写真はそれほどバイクを小さく写したくないケースですので、その場合の対処方法を書いてみたいと思います。

まず上の写真ですがR1200GS-ADVENTUREが上下に間延びしたように歪んでいるのがお分かり頂けると思います。本来、タイヤは正円のはずですが上下に長い楕円になっていますね。このように広角レンズの歪みがバイクに影響してしまうと、特に縦方向に延びた場合にバイクがカッコ悪くなってしまいます。

この場合は縦構図なので上下方向に歪みましたが横構図でこの位置にバイクを置くと左右方向に間延びしたようになります。ちなみにライダーを置く場合は縦構図でこの位置に立つと足が長くスリムに見え横構図でこの位置に立てば足が短く太って見えます。

はい、こんな感じで対処してみました。地面の砂利にぐっと寄って遠近感を出しバイクは画面の中央に寄せてみました。R1200GS-ADVENTUREの歪み具合がぜんぜん違うのがお分かり頂けると思います。




ちょっとしたアングル、ポジションの違いが写真になると激変するのは広角でも望遠でも一緒です。大切なことは「少しでも大きく変わる」ことを意識して試行錯誤することです。この場合、アングルが変わったことで当初、画面の左下にあったレンズゴーストも消すことができました。

バイクだけを見るとちょっと露出がアンダーかな…という気もしますが空のハイライトが飛ばないように意識した結果です。ちなみに撮影場所は志賀草津道路の長野側にあるスキー場で撮りました。標高の高い高原に行くと空が美しいですよね。

今回はこの辺で!!




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超ワイドレンズで魅せる☆白樺の道のツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、先日まで行っていた信州~佐渡の旅の写真が仕上がったので、今回はその写真で久しぶりにツーリング写真解説を書いてみたいと思います。

皆さまがお使いのカメラはズーム域はどのくらいでしょうか?多くのカメラは24㎜あたりの広角から200㎜くらいの望遠がズームの範囲になっていると思います。デジタル一眼レフカメラの場合は装着するレンズが様々あり、解放F値も気になるところなので標準ズームであれば24-70㎜あたりでしょうか。

今回は私が撮るツーリング写真に度々出てくる超広角レンズについて、その扱い方や表現手段としてどのように使うのか?に触れてみたいと思います。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

関東圏では定番のツーリングルートであるビーナスライン。その山頂にある美ヶ原高原の県道464号で撮った作品です。白樺の木々が爽やかな雰囲気を演出してくれるシーンですね。究極のツーリング写真では今まで何度も同じような解説を書いてきましたが、まず「ここで撮ろう」と決めたらその場所の何がどう良いのか言語化しイメージの写真を最初に想像してみましょう。

この場合は白樺の木々に囲まれた道ですが、それを魅力的に表現するにはどうしたら良いか想像します。毎度偉そうな書き方になってしまいますが写真の基本はその被写体、情景が最も魅力的になるにはどうしたら良いかを考えることです。




まずは状況把握として視覚&認識のプロセスを時間をかけてじっくり行います。この場合、シャッターチャンスという意味での時間的猶予はたっぷりありますので焦る必要などありません。最初は「白樺に囲まれた綺麗な道だ」という事でバイクを停めた場所ですが、それ以外に何があるのか視覚&認識をしてみましょう。

まず光の向き、太陽の位置の確認です。これを確認して順光でいくか逆光でいくか?あるいは斜光でいくかを決めます。空に雲が流れていたら太陽が雲に隠れた時を使うか?薄雲に透過した光が使えないか?などの確認も行います。

それから白樺の緑の葉の様子、幹の表情などを確認します。色や形だけでなくボリューム感や広がる様子も観察しましょう。それと地面に目をやると標高の高い山によくある熊笹があるのが分かりました。これは使えそうです!

これらの視覚、認識のプロセスを経て被写体、情景の特徴やどのような光がどのように当たっているのか?などが分かりました。それを受けて脳内にある「こんな時はこう撮ろう」リストからsearchをかけてchoiceを行います。私がこの時に頭の中で描いた空想のイメージ写真は木々が広がる様子の中に緑のシャワーが降り注いている空間を描きました。

そこで「シャワーのように降り注いでいる」を表現する手段として超ワイドレンズを選択することにしました。幸い、この撮影地では電線やガードレールなど画面内に入れたくない余計なものが殆ど無い場所でした。「降り注いでいる」を表現するには逆光です。逆光は彩度が少々失われますがコントラストで印象を狙えるメリットが大きいです。この場合は葉を透過する光となるので空間自体が緑になるよう、その色の印象を大切にホワイトバランス、カラーバランスを丁寧に決めます。

超ワイドレンズを使う場合の注意点は?そうレンズの歪みですね。特にバイクや建物といった人工物は歪みによる影響が気になるので注意しましょう。この場合はバイクの大きさを小さく構成すること、歪みの影響が少ない画面の中心付近に配置すること、この2点でR1200GS-ADVENTUREに不快な歪みが発生しないよう対処しました。




バイクを小さく構図するとせっかくのツーリング写真なのにバイク(+ライダー)の存在感が弱まってしまいます。その場合はバイクの存在感を補ってあげる何らかの手段を加えてみましょう。例えばハイライトに重ねるとか道などの導線と接続させるなど方法は色々あります。この場合は木々の影や光の差し込む線、レンズの特性による周辺流れなどが放射状となったため、その中心にR1200GSを置くことで存在感を補っています。

Lightroomによるレタッチは少々フォギーな印象にするために明瞭度を落とした程度に留めました。緑の光がシャワーのように降り注いでいる空間、という当初のイメージをちゃんと帰宅後も覚えておいてレタッチの作業でもブレずに踏襲しましょうね。

いかがでしたか?超ワイドレンズというと目の前の景色の何もかもを小さくトバしてしまい、歪みの影響を受けたり余計な物が写り込んだりと難しい印象ですが、空間の様子を表現するにはツーリング写真でも使える画角だと私は思います。




超ワイドレンズはメーカー純正だと高いのでSIGMAの型落ち中古やサムヤンなどで始めてみると良いかもしれませんね。星景写真でも重宝しますよ。

今回はこの辺で!!

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ツーリング写真☆視覚と認識のタイムラグ

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、いい写真を撮ってライフワークを充実させていますでしょうか?

ライフワークとは生涯の仕事として人生をささげる「その人のテーマ…」と辞書にあります。これは職業に限ったことではなく趣味とも少し違った意味合いです。「趣味は写真です」とか「仕事はカメラマンです」ではなく「写真をライフワークに生きています」と言えるよう私はツーリング写真の活動をしております。

さて今回は久しぶりにマニアックな写真解説をしてみたいと思います。バイクでツーリングしていて「おおっここは良いかも」と思ってバイクを停めた場所。これがツーリング写真の最初のフェイズですが、この時に「おおっ」と感じた中で多くの情報を直感が反応を示して「ここは撮影スポットだぞアラート」が発令された状態と言えます。




しかし「ここは撮影スポットだぞアラート」が出ただけの状態では、その場所の何がどう良いのかは詳細が明らかにされていません。

先日、とある漁港でこんな写真を撮ってみました。漁船の下から覗き込むようなアングルでR1200GSアドベンチャーの置いてある場所を切り取ったツーリング写真です。船体の造形や影を利用して構図を作り、文字などによる印象効果も取り入れています。

その場所の特徴と最も良いと感じた「ひとつの物、コト」を決め、それを打ち出す構図を作りましょう…という解説を過去に何度もしてきましたが、この場合は漁船です。

しかし上の写真はセッションをはじめた前半のカットなのですが、まだこの場所の魅力を十分に表現し切れていません。状況を視覚し認識するプロセスが未完成です。自分でも撮っていて「何かまだ釈然としないな」と感じていました。

そういった時はイメージ(事前に脳内に描く空想の写真)の解像度を上げると共に、目の前の景色を再度、詳細にスキャンしてみましょう。




やはり甘かったのは状況のスキャンでした。再度、詳細にスキャンした結果、遠景に神社の屋根がありそこに光が当たっていること、右手にあった鉄パイプの格子、電柱などは不要であったとこ…の2つか解明されました。

神社のお堂の屋根が良いキャストであることは再スキャンによって明らかにされましたが、実は当初に「おっここはいい感じだ」と思った時も無意識に視界に入っていたはずです。こういった無意識下に見えていたものを正確に洗い出すためには少々の時間が必要だと覚えておきましょう。

情景を正確に視覚&認識するのはタイムラグがあるものです。

ごく当たり前のことですが数枚撮ったからといって満足して撤収しないこと。その場所で常に「これで本当に良いか?」と自問し納得のいくまで(少なくとも撮影現場では)撮り切る事が大切です。

時間はかかるものです。最初の一枚が納得のいくもの…というのも稀にありますが、多くの場合で被写体とセッションしている後半で謎は解明され、納得の1枚は成立するものです。




ところで今回の作品、漁船の下にペットボトルのゴミがあるのをお気づきになったでしょうか?これ、撮影現場ですごく悩みました。少し前の私でしたら拾っていたと思います。ゴミを拾えばその場所は美しくなりますが一方で手を加えた情景になります。

写真はありのままの事実を芸術に…という考えでは演出は悪ですが、全くの演出をなしに完全なナチュラル写真というのも難しいのが事実です。この場合、さんざん悩んだ挙句、漁港でこういったゴミはよくみかける光景だし、漁船と何か関係ある被写体と言えなくもないと思いました。そこで敢えて手を加えず「ありのまま」で撮ってみましたが見る側の皆さまにはどう感じたでしょうか?

情景を理解する「視覚と認識」にはタイムラグがあるものです、というお話でした。

今回はこの辺で!!

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