比率を極めるなら1に黄金比!2に白銀比…1:2.303は青銅比

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、楽しいバイクライフ、ツーリング写真を楽しまれていますか?先日、ある方から写真のダメなところがあったら指摘してほしいと依頼されました。作品を拝見しましたが撮り方、カメラの操作などは問題なく上手に撮れている写真ばかりでした。

しかし細部の詰めが甘くよく見ると「ここをこうすれば更に良かったのに」というポイントが複数ありました。それはとても小さなことですが、良き作品は細部に魂が宿るもので逆に言うと細部の詰めが甘いと、せっかく上手に撮れていても傑作と呼べる作品には及びません。

しかし不思議なことにそれをご本人に指摘すると「分かってはいたんだけどねぇ」という反応でした。分かっていた…ではなぜ??単純に妥協したという事でしょうか。

先日の投稿で少し書いた「めんどくさい」の話と少し似たお話ですが、どうも我々人間は無意識下に妥協点を作る癖があるようです。それは日常生活でも仕事でも「一切の妥協なく完璧主義を貫き通すのは無理である」と心のどこかで理解しているので、あるポイントで「こんなものか」と妥協して先に進める回路のようなものが脳内にあるのでしょう。

私がメーカーで製品の開発をしていた頃、1つの製品をつくるのに一切の妥協のない完璧な製品など実現は無理だと知りました。それは会社として利益を上げる以上は当然のことなのですけどね。宇宙に行くロケットとかスパイが使う秘密兵器とかなら妥協のない物作りかもしれません。しかしツーリングに使うバッグや用品なら設計費だけでなく材料原価、調達のしやすさ、プレスや樹脂成型の金型費、生産工場の都合、倉庫代、説明書やパッケージの版代と印刷代、代理店と販売店の利益、店頭での並べやすさ…これら膨大な事情を考慮し多くの妥協ポイントを作って利益の出る製品を生み出します。その結果、素案の時からは大幅に夢が削られた物が出荷されるのが現実なのです。

しかし我々、個人的な写真家が作品を生み出すときにこういった考えを無意識にしてよいのでしょうか?いいえ、撮影シーンでは一切の妥協なく、心の底から納得のいくまでその場で撮影やめることは許されません。どんなに執念深くやろうと何にも損失は与えないのです。プロのカメラマンが仕事写真として撮るのであれば別ですが、個人的に撮る写真は妥協せずに納得いくまで撮りましょうね。

作品の魂は細部に宿るです。




さて前置きが長かったですが、今回は写真のデザイン要素にある比率のお話を少し書いてみたいと思います。比率、と聞くと多くの方は「黄金比」なら聞いたことがあると思います。例えば画面内に水平線が入れば空と海といった具合に2つのエリアが発生しますが、その面積の比率のお話ですね。

比率は目でぱっと見た瞬間の安定感や心地よさなどと関係したデザイン要素です。写真に限らず絵画や彫刻、イラストやキャラクターなどにも使われています。

黄金比は1:1.618で最も理想的な比率と言われレオナルドダビンチの作品やミロのヴィーナスなど多くの芸術に使われています。次に白銀比と言って1:1.414(√2)があり、こちらは日本人が好むと言われる別名「大和比」などとも言われる比率です。

有名なキャラクターであるドラえもんの縦横比はキレイに白銀比です。他にもトトロ、ちびまる子ちゃん、ハローキティ(の顔)などもそうですが、古い芸術作品であれば菱川師宣の見返り美人図も白銀比だそうです。

一方、キングオブ比率の黄金比はオウムガイの断面やDNAの螺旋構造など自然界に太古から存在している神秘の比率と言われ、世界的な芸術作品も古くからこの比率に準じてきました。白銀比が日本人に好まれ、大和比とまで呼ばれる理由は諸説あるようですが、日本人特有の文化といえる「もったいない」という精神が関係しているそうです。1本の丸太から木材を抜き出すには長方形よりも正方形に近い方が、無駄を出さずに材料を使えるという事らしいです。建築物だと法隆寺や五重塔、その他だと風呂敷や畳など、日本の文化的な物の多くに「もったいない」の精神に基づいて白銀比が使われています。




もしこの両者を使い分けるという事であれば黄金比はDNAに通ずる神秘の比率として最高峰の比率、白銀比は日本的な美学にも通ずる合理的な比率と覚えておけば良いと思います。

この作例では陸地と海面の境界に分断線があり、セオリー通りに3分割構図で撮った構図です。分断線が発生すれば2つのエリアが発生し、その比率を意識すること。その初歩的な考え方が有名な3分割構図と言えます。3分割構図は多くのカメラでグリッド線を表示できる機能があるので、初心者の方でも練習しやすいと思います。

 

3分割構図は有名なので多くの人が分断線が水平、垂直だった場合に意識して比率を作れると思います。しかしこの作例のように分断線が単純に真っすぐな線ではなく複雑な場合、みなさん比率を意識できていますか??




この作例では分断線が発生した場合のエリアの比率ではなく被写体が2つだった場合の比率です。これも比率を意識して構図するだけで見栄えはぐっと良くなります。ただし例外もあって双子の赤ちゃんとか二匹の子犬とか、この写真もそうですが同じ車種(2台とも白のR1200GSアドベンチャーである)といった具合に対象であることを主題にするのであれば1:1が好ましいケースもあります。

これは奇数の法則で構図している作例です。ライダー、バイク、漁船の3つが被写体として構成する場合は奇数の法則で安定感が出るので比率を意識する必要はありません。5つや7つの場合も同様です。

比率を理想的な順に並べると黄金比 1:1.618、白銀比 1:1.414、1:1.5、青銅比 1:2.303 といった具合になります。一方で避けたい比率というのは理由なき1:1です。先ほど書いた双子の赤ちゃんもそうですが、富士山が水鏡に映っているなど対象であることを表現したいのは1:1でもOKです。しかしそういった理由がなく1:1になってしまった…というのは避けたいですね。

撮るときに1と2の比率をどう意識して撮るのか??カメラに表示できるグリッド線のように比率を測定できるツールがあれば最高なのですが、これは無いので感覚で撮る以外にありません。難しいようでしたらお勧めのやり方は次のようになります。

1.まずはおよそ1:1.5くらいを目指して構図する

2.次に1:1.5よりも少し後者側を多めにした構図を撮る(黄金比1:1.618)

3.続いて後者側を少な目にした構図を撮る(白銀比1:1.414)

4.これら微妙に違う比率の構図を何カットか撮っておく

5.理由なき1:1は避ける

6.帰宅してから理想的な比率をじっくり選ぶ

といった具合です。あまり難しく考えるのではなく知識として脳内に入れておき、現場で意識するという単純なやり方で十分に効果があると思います。

特に黄金比のような比率は人間のDNA構造からして1:1.618なのですから、ファインダーをのぞきながら直感だけで探り当てたような比率が実はピッタリと1:1.618だったなんてコトもあり得ます。

黄金比、白銀比などの比率のお話でした!!

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小学生でも分かる順光と逆光の使い分け方<初級>ツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今日からいよいよ4月ですね。桜や菜の花など春の風景のツーリング写真にモチベーションが上がる季節ですね。私はいよいよ月末にせまったGW北海道ツーリングがあるのでソワソワしてきました。北海道など遠くに行く旅とは出発のずっと前から気持ちの中で旅がはじまっているように感じます。




ところでヤマハが海外のショーでテネレ700を量産車に近い姿で発表したようですね。ラリースタイルの顔つき、21インチフロントホイールと長いサスペンション。こういった純粋なビッグラリーモデルって好きなんですよね。

かっこいい…このロボット的な顔つきが好きです。アニメ機動戦士ガンダムに登場するモビルスーツを連想しますね。ガンダムでに出てくるモビルスーツと言えば個人的にはZガンダムシリーズに出てくるティターンズのものが個人的には好みです。もちろん1年戦争に出てきたものも好きですが…すいません40代ネタで。

これは私が2003年から2008年までに所有していた愛車 BMW F650GSダカールです。このクラスのオフ車がもともと好きなんですよね。もう千葉にはダートの残る林道が減ってしまったので、オフロード走行を身近で楽しむことは出来ないのですが。これで北海道の美深歌登大規模林道や風烈布林道などを走ったのが懐かしいです。

ちなみにBMWは単気筒650㏄のオフ車としてダカールの後にG650Xチャレンジというモデルを出し、これが売れなかったのかすぐに生産終了。そして2012年にG650GSセルタオという2003年F650GSダカールをそのまま外装だけ変更したバイクを発売しましたが、これも現在では生産終了です。このシリーズでかつてパリダカを2連勝したのですが、どうも生産車としては成功しない運命のようですね。




さて前置きが長かったですが、今回は<初級>ツーリング写真解説として逆光と順光のお話をスマホ写真の作例を元に簡単に解説してみたいと思います。

逆光と聞くと記念撮影などで逆光で撮ると顔が真っ暗になってしまい、なんだかいけないように聞こえますがそれは間違いですので、ぜひこの機会に正しい逆光の使い方を覚えてくださいね。

スイセンをIphone 7で撮った作例です。これは太陽を背にした順光で撮った例です。ホワイトバランスが合っていませんが、そこは気にしないで見て下さい。順光で撮ると花がどのような色や形をしているのか明らかに写り、花以外の緑や空なども色彩が鮮やかに写るものです。

こちらは全く同じ花を撮影位置を変えて逆光で撮ってみました。なぜかこれはホワイトバランスが適切に出ました。逆光にしてしまうと、まず露出がなかなか合いません。記念写真で顔が暗くなってしまうのも光に向かってレンズを向けると露出アンダーになりやすいからです。この写真ではiphone7に入れたカメラアプリ、Stagecamにある露出補正機能を使用しました。

逆光で撮ると背景となっている緑や青空の鮮やかさは失われてしまいます。しかし主題である花はどうでしょう?スイセンの花びらに光が透過し、エッジにも輝きが入ってぐっと魅力的になりました。




・順光は被写体の様子を伝えるのに適しているがコントラストに欠け印象的な写真にはなりにくい。半面、緑や青空の鮮やかさを出すには良い。

・逆光は多くの場合で露出補正をする必要があるが、被写体や情景に輝きが入り、コントラストに富んだ印象作品が狙える。

上の作例のように花が主題となる写真であれば、背景や空の様子などは潔く切り捨てて主題である花が最も魅力的に見えるよう撮りましょう。そのためには今回の2枚の作例では逆光の方が印象的な作品といえるでしょう。

では順光はどんなシーンで使うのか?例えば同じスイセンの写真なら一面にたくさんのスイセンが咲き乱れ、花以外の緑や青空に浮かぶ雲なども魅力的な風景があったとします。そういった景色で色彩が鮮やかで美しいと感じたら、順光を利用して色彩鮮やかに撮るのが良いかもしれません。エフェクトやピクチャースタイルも風景モードやポジフィルム調などを選んで鮮やかに仕上げると、さらに印象的になるでしょう。

このように順光、逆光はどちらが良い悪いではなく、それぞれに特徴があって被写体や風景に合わせ、作者が感じたことを表現するための手段として選択するものです。もちろん作者の意図で太陽の向きを変えることは出来ませんので、多くの場合はそのシーンでの最良の表現を探る訳ですが。

光の向きについては斜光やトップ光など色々ありますが、今回は簡単にスマホ写真を例に逆光の解説をしてみました。スマホで身近な被写体で実験できるので試してみて下さいね。知識だけではなく実際に撮ってみることが大事ですよ。

今回はこの辺で!!

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桜の写真☆個性的な桜の撮り方 東京の桜編

究極のツーリング写真 touring-photoraphy.com 読者の皆さま、今回はツーリング写真、バイク写真の解説はお休みして季節のネタとして桜の写真の撮り方を解説してみたいと思います。

この季節、日本人なら誰もが心躍る桜の開花。その美しさと日本文化の風情に心癒されますよね。桜が嫌いだなんて人はいないのではないでしょうか。そんな素晴らしい桜は日頃は写真なんてやらない人でも、ついカメラやスマホのレンズを向けたくなるものです。

有名な写真家やアマチュアの愛好家もこの季節はみなさん桜の写真撮影を楽しまれると思います。そんな日本人なら誰もが撮ると言っても過言ではない桜。しかし実際に撮ってみると桜の写真って難しいですよね。




思ったようにピンク色が表現できない、人や電線などが邪魔だ、手間をかけて撮ったけど平凡な写真になってしまった…などなど。今回は私がここ2~3日で撮った東京の桜を例に個性的な桜の撮り方の例をご紹介いたします。

RICOH GR APS-C

この写真は中央区佃の石川島公園です。石川島と言えばあのIHIのお膝元で隅田川の対岸に見える丸い屋根付きのビルがIHIビルです。都会のビルと隅田川のある景色ですね。

曇天下で撮った写真なのでまず諦めるのは青空。そして見上げるようにカメラを向けると多くの場合は露出アンダーとなります。このシーンでのポイントは露出にあって真っ白に飛んでしまう空は気にしないで桜の花が最も魅力的に見える露出設定で撮ってみましょう。曇天の光源が手伝って遠景が青っぽくなるのも偶然とはいえ悪くありませんでした。

とても露出設定のシビアなシーンで難しそうに感じるかもしれませんが、露出補正機能を1/3ステップで様々なバリエーションで撮っておきましょう。理想的だと思うカットを帰宅後に選べばOKです。




RICOH GR APS-C

こちらは特定の花を選択してアップで撮った作例です。

白っぽい花をつける少し早咲きの大島桜という種類だと思います。この桜の面白いのは緑の葉と一緒に咲くことです。ソメイヨシノなどは花が散った後に葉が出てきますが大島桜はこのように一緒になります。こういった被写体の特徴をよくとらえて、葉の存在と一緒に魅力的になるよう構図してみましょう。

光は日中のトップ光を使って真上を見上げるように撮っています。ド逆光になる訳ですが積極的に露出をコントロールすれば花びらを透過する光が美しく表現できます。この桜のようにもともと白いっぽい桜を無理に画像ソフトでピンクに調整するのはやめましょう。

RICOH GR APS-C

豊洲のタワマンの一角で撮りました。これも恐らく大島桜ですが私が選んだこの一輪組だけはかなりピンク色が出ていました。すぐ隣にソメイヨシノがあるのでそちらの花粉を受粉したのでしょうか…?専門ではないので分かりませんが。

この桜の面白いのはまるでバナナが実った状態のように桜の花が1つのグループとなってユニークな形状の塊になっていたことです。これを縦構図の画面の中央に堂々と配置して背景はF9まで絞って他の桜のボケ具合を調整しています。これも曇天下で光量に乏しいので、この露出設定で手ブレしないようISO感度を400にしています。これでシャッター1/30です。

RICOH GR APS-C

これは仕事帰りにバス停で撮った1枚です。江東区豊洲で先ほどの写真の近くです。マンションや街頭の仄かな明かりに照らされる桜を表現してみました。Lightroomで花の部分を覆い焼きしてかすみを調整しています。ポイントは手前を走りゆくタクシーの存在で静かそうな風景にスピードをトッピングしました。

このように複合的な要素をプラスしてやる事で、平凡ではない桜の風景を撮ることが可能です。それは何かないかな?と熟考し探し回ってもOKですし、偶然起こった出来事をモノにしても素晴らしいと思います。




RICOH GR APS-C

これも先ほどの桜と同じ場所ですが朝の出勤時に撮った1枚です。歩道橋の上から見下ろすハイアングルで撮ってみました。今日はあいにくの曇天でしたがフラットな写真として仕上げるぞ、と考えれば曇天でも撮り方はちゃんとあります。

Lightroomで明瞭度を下げてフォギーな雰囲気にしています。ポイントは歩く女性ですが欲を言えば赤いお洋服をお召しになられていれば最高でしたね。

桜が満開となっている素晴らしい撮影ポイントは当然ですが人がたくさんいます。じゃまだなぁと思ってしまえばそれまでですが、人がいるのも風景の一部と考えてみましょう。「桜の風景と街の人々」という写真にすれば作品として成立します。

RICOH GR APS-C

こちらは何年か前に撮った桜ですがやはり都内のタワマンの近くで撮りました。水銀灯が光源になっている珍しい撮り方です。東京の夜空は肉眼では気が付きませんが、カメラで測光するととても明るいのが分かります。この写真も東京の明るい夜空を背景に水銀灯に照らされる都会の桜として撮ってみました。

なかなか見かけない桜の写真だと自負しております。

いかがでしたか?桜の写真は多くの人が撮っているので「撮りつくされた」という意味で難しい被写体です。満開の桜を見たよ、という事実を記録しただけの写真にならないよう、少しユニークな観点で撮ってみたり、特徴を捉えて構図してみたり、桜以外のものに注目して「桜のある風景」の写真にしたりとアイデアを凝らしてみて下さいね。

わずかな期間しか咲いてくれない儚い被写体、桜の写真の撮り方でした!!!

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CASIO エクシリムEX-10

やっぱり向き不向きってあるだろうか<初級>ツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photorgaphy.com 読者の皆さま、最近以前よりも輪をかけてミラーレスカメラの話題がカメラ業界を賑わせていますね。シェアを大きくリードしたSONYを大御所であるキャノン、ニコンが追従する形になったので、誰の目にもこれからはミラーレスだ、と見えるのは当然ですよね。

技術の進歩によって従来は不可能だったものが実現されるのはカメラに限らず素晴らしいことです。しかし使う側の我々は進化したものと引き換えに何かを失ってはいないだろうか?と今一度考える余裕が欲しいですね。

決してミラーレスカメラを否定する訳ではありませんが、いまある光学ファインダー搭載の一眼レフは例えば数十年後には消滅していて「むかしはペンタプリズムのファインダーで綺麗に見れたよなぁ」なんて言っているかもしれませんね。個人的には光学ファインダー搭載のデジタル一眼レフはデジタルとアナログのハイブリッドのようで、撮影者の感覚と調和するのに絶妙なバランスなのではないかな…?なんて思ったりもします。




さて今回は<初級>ツーリング写真解説として超初歩的なお話をさらっといってみたいと思います。つい先日、ある知人から「私もいい写真が撮りたいけど、いつも平凡な写真を撮ってしまい進歩がない」というご相談を受けました。

その方は例えば絞りを変えると被写界深度が調整できるとか、そういった知識は一通りもっておられるようでした。ではその方の悩みの正体は何なのでしょうか。

EOS6D Mark2 + SIGMA150-600㎜F5-6.3DG

いろいろとお話を聞いているとある事に気が付きました。例えばバイクが最もカッコよく見える角度というのがあるから、しゃがんだり左右に動いたりしてその角度を探すといいですよ。とアドバイスすると「え~なんか大変、めんどくさいですね」と返ってきて、背景がゴチャゴチャしていたり画面の四隅に電線やガードレールなどが入ると良い写真にならないので、まずは写真に適した背景探しを先にやるといいですよ、とアドバイスするとやはり「ええ~めんどくさいですね」と返ってくるのです。

そう…めんどくさい…。その方はいい写真を撮りたいんだけど色々と労を費やすのはめんどくさいのです。

バイクの中心に電柱が貫通していたらバイクの位置を動かして調整しましょう、と言えば「たかが写真にそんなマメなことできませんよ」挙句には「自分ヘタレなんで気合ないんっす」とまで…

私の個人的な感覚では本当に残念で仕方がありませんが、冷静に考えれば写真を撮るなんて行為は極めて万人に普及している訳で、ツーリング先で油絵を描くとかツーリング先でギター弾き語りをするとかに比較すれば誰でもやるフツーの事です。だから「人によってはこんなものか…」と捉えるのがむしろ正しいとさえ言えます。




しかし、それではその方の「いい写真が撮りたい」という要求の源は何なのでしょうか?SNSで「映え」する写真が撮りたい?綺麗に撮って友達を驚かせてみたい?…この辺はかなり個人差があるように感じます。「どうだ!俺、うまいだろうっ」と自慢したいというのも確かに人によっては願望としてあるかもしれません。このように写真という趣味に限っては一言に「いい写真」と言ってもあまりに多様だと感じます。

そう考えると個人的な写真家を名乗る私、立澤重良が誰かに「いい写真とはこうですぞ!」なんて話をしたところで、大半の人には迷惑なことなのかもしれません。その人が景色や被写体を本物ののように撮ることや高画質で撮ることが「いい写真」と思い込んでいれば尚更のことです。

EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

いい写真を撮りたいんだけど難しいことやメンドクサイのは苦手。それって働きたくないどけお金は欲しいって言っているのと同じで、労を費やさず成果が欲しいという我儘な要求ではないでしょうか?そして、それは最新のカメラや高級なレンズを手に入れれば実現する…なんて思っていたら勘違い甚だしいですよね。

しかし、せっかく良いカメラを持ってツーリングでそれを使って「いい写真が撮りたい」と言っているのですから、私としては無視する訳にはいきません。結局、その方にできた唯一のアドバイスは「人を感動させられる写真が撮れれば見せる喜びを味わうよ、それを知ってしまえば写真を撮るときに如何なる労力もメンドクサイなんて感じないはずだよ」という事だけでした。




人に感動を与えられる、写真を通して多数の人にメッセージを伝えることができる。そしてそんなコトができてしまう新しい自分の発見。こういったことに幸福を感じるのが写真をはじめた初期の醍醐味だと思うのですが。

しかし、その方はどんな景色の素晴らしい道でも前の車をバンバン抜いていくハイペースだし、どんなに美味しいモノでも早食いだし、素晴らしい温泉に行っても烏の行水です。そしてこれらのシーンでいつも感じるのは「最高の景色!」とか「超おいしい~」とか「いい湯だなぁ」とか感想のコメントが一切口から出てこないんですね。

感受性が乏しいと言うのでしょうか?感受性のない人なんていないはずですが、人生のどこかのタイミングで輝きを失ってしまい、今は濁って鈍感なままなのでしょう。それをふたたび磨きをかけて人生を豊かにするのが「写真」という趣味、ライフスタイルだと私は考えます。

しかし…高いカメラを買ってツーリングに持ち出したまでは良いけど…やっぱり厳しいかなぁ…。人には向き不向きってありますからね…。

皆さんの近くにもこういった方いませんか?今回はこの辺で!

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まずは一滴の光を探してみよう<中級>ツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、春のツーリングシーズンを楽しまれていますか?つい先日、ある書籍を見ていた時に思ったのですが著名な写真家の方は特定の焦点距離しか使っていない場合が多いようですね。多くは50㎜の標準レンズですが他にも35㎜や85㎜であったりと概ね標準に近い焦点距離のようです。

多くの経験を積み1つのテーマを追求して個人の作品を高めていくと、行きつくところは1つの焦点距離だけで十分なのかもしれません。「50mm一本あればそれでよい」というのはよく耳にしますね。

私は自分の写真に14mmや600mmといった極端なレンズを飛び道具のように使うことに躊躇いはありませんが、ふと思ったのですが私がよく使う14mm、35mm、135mmや超望遠などは、それぞれに別人格の自分が存在していて、14mmを使うときの自分と35mmを使う時の自分は撮る対象や表現が全く異なると感じます。言ってみれば多重人格のような感じですね。なんだか少し不気味ですが…

さて今回の<中級>ツーリング写真解説はツーリング写真、バイク写真においてなかなか上達を実感できず、ついいつもと同じような写真を撮ってしまう、自分の撮る写真に進化が感じられない…と悩まれている方を対象に解説してみたいと思います。




つい同じような写真を撮ってしまう…。自分の撮る写真に進化が感じられない…。その原因は風景や被写体だけを求めてしまい、光や影に対して無関心であるからかもしれません。

この写真は何の変哲のない田舎の道路で撮りましたが遠景となる山の上から強烈な夕陽が燦燦と注ぎ込んでいる様子に心打たれ撮った1枚です。ススキや草地が逆光によって輝きを放っているのも重要なポイントかもしれませんが、それより光そのものを主題としてレンズを向けてみました。光の様子を表現する手段の1つとしてキャノンEF50mmF1.8STMから発生するレンズフレアも積極的に演出に利用した例です。

RICOH GR APS-C

こちらの作例は仕事中に都内で見かけたバイクのある風景を写真にしてみました。ここで写真を撮ろうと思った理由は画面の右手側から午後の暖かい光がビルの谷間から差し込んでいる光の様子が美しかったからです。この光が無ければ全く同じようなシーンであっても撮らなかったと思います。




 

こちらの作例は南伊豆の舗装林道で出会った光景です。鬱蒼とした林道の風景自体は特にレンズを向ける対象とは思えませんが、早朝の光が森全体を輝かせ空間に存在する水分や粒子までも輝く様子は美しいの一言でした。まるで光の精霊たちが森の中で朝のミーティングをしているような空間です。

 

この作例は紅葉した舗装林道で日中の高い太陽光が木々の合間から差し込んでいる様子を撮ってみました。注目していただきたいのは地面で周囲の薄暗い様子に対してスポットライトのように当たっていることです。紅葉した木々の葉は強い光が透過して独特の葉自体が輝いているようにも見えます。




風景や被写体を見つけてソレをどう撮ろうかと悩むのも決して悪いことではありません。しかしそれだけではなく光と影は写真に重要な要素であり、ないがしろにしてしまうと何かが乏しい写真になってしまいます。何か?…それはドラマチックさ、インパクトなど人の感情に訴える要素です。人は本質的に光に感情が反応するようになっているそうです。

しかしイキナリ光、影を撮るといってもまずは対象となる「いい光」を見つけるのが先決です。これは日常的に光の存在を意識して、どのような光がいい写真を撮るのに適しているのか覚えていく必要があります。最初のうちは難しいので、ここでチョット面白い方法をご紹介します。

「暖かい光が溜まり込んでいる空間」「午後の光がするどく差し込んでいる」「水分を持った光が集まっているようだ」といった具合に抽象的な(要はよく分からない)言語化をしてそれを頭の中に在庫させておくのです。これがうまくいくと実際の撮影シーンできっと見つけることが出来ると思います。

光と影のお話でした!ぜひ実践してくださいね。

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やってはいけない☆菜の花の景色とツーリング写真 色飽和に注意

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、東京モーターサイクルショー、開催されていますね。もう行かれましたか?本日3月24日が最終日なのでお時間のある方はぜひ行かれて下さい。こういった業界の一大イベントは最新の動向がわかる機会ですし何よりブースを見るのは楽しいものです。

私はすっかりご無沙汰でたまには行きたいのですが…どうも人込みが苦手でして。ビッグサイトのすぐ近所で仕事をしているのですが、今回も行けそうにありません。バイク用品メーカー時代のお世話になった方々に「たまには来いよ」と言われるのですけどね…。




さて今回は<初級>ツーリング写真の解説として今の季節、とても多い鮮やかなお花の景色の作品。その時の注意事項として彩度上げると色飽和を起こして画質低下を招きますよ!というお話です。

EOS1Dx + SIGMA35mmF1.4ART F1.4 1/2500 ISO100

こちらの作例をご覧ください。春の小湊鉄道 月崎駅で撮った一枚です。遠景と前景に菜の花をおいた画面構成です。特にバイクよりも手前側、前景にたくさんの菜の花を入れてみました。

こういった花や緑がある鮮やかな景色というのは、当然ですが鮮やかに撮って仕上げたいと思いますよね。しかし、この作例のように特に黄色がある場合は色飽和に注意です。色飽和とは色が鮮やかになり過ぎた時に被写体のディティールが死んでしまう現象です。

これはLightroomを使ってかなり大袈裟に彩度を上げて拡大した様子です。一見すると黄色も緑も鮮やかになって、明るい印象(実際に明るいわけではありません)で良くなったように見ええるかもしれません。しかし大切な菜の花はディティールが死んでしまい、気色の悪い画像になってしまいました。




しかしこういった気味の悪いほどの鮮やかな彩度は、インスタなどでサムネイル表示された場合(つまりスマホの小さな画面内で小さな画像として表示させる)に限ってはそれほど気にならず、良い写真に見えてしまう場合があるようです。

本当にインスタだけを狙ってやるならOKかもしれませんが、少なくともプリントする写真とスマホ表示では同じ写真でも人が受ける印象は違ってくると覚えておきましょう。

通常、オーソドックスなカメラの設定(キャノンで言えばピクチャースタイルのスタンダード)であれば、あまり心配することではありません。しかしカメラのフィルター機能で・風景・ビビット・ポジフィルム調 といった具合に鮮やかにするフィルターをかけた場合、またソフトウェア―に取り込んで仕上る場合に彩度のスライダーを調整する際に、極端に上げてしまうとこのような色飽和が発生します。特に黄色が要注意なのです。

景色を見た時の印象とは、実際の風景よりも鮮やかに心に残るものです。決して実際の風景を忠実に撮りましょう、という意味なのではなくフィルター効果やレタッチ時の彩度の上げ過ぎに気を付けないと、黄色などは色飽和で酷い画質低下を招きますので気をつけましょう、というお話でした。




SNSはあくまでコミュニティーなので、色飽和の酷い写真をみて「この写真は色飽和がひどいですね」なんて言ってくれる人はいないですからね。本当はその方が親切なのでしょうが、私はやりません…。

ではまた!

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使える構図☆桜のツーリング写真☆のぞき穴構図と桜の写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、いよいよ各地で桜の開花の知らせが聞こえてきそうですね。今回は一足先に頼朝桜(南房総での河津桜の呼び方)の写真で桜のツーリング写真の構図例をご紹介したいと思います。




ところで桜が見事に咲くスポットというのはツーリングライダーに限らず多くのカメラマンや観光客が訪れるものです。マナー問題や場所取りのようなトラブルは目撃するだけで一日が嫌に気分になってしまいますね。そうならないよう、できれば人の少ない早朝に現着する感じで撮影に挑みたいですね。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS F2 1/800 ISO100

千葉県鋸南町保田川の頼朝桜です。木々の合間にわずかに存在する穴を探し、そこからのぞき込むようにバイクを狙うのぞき穴構図です。私はこのとき、まず最初に背景を決めました。菜の花畑を背景にしてバイクを配置すれば、小さく写したバイクもきっと存在感を放つだろうと考えたのです。

実はこの写真、なかなか手間のかかった写真でして遠く離れた橋を渡って対岸まで歩き、のぞき穴として狙えるポイントがないか試行錯誤の繰り返しでした。結果、花が密集している木にピンポイントで狙える空間を発見し、なおかつバイクの背景となる菜の花を絶妙に狙えるアングルを発見しました。




こういったシチュエーションではオートフォーカスは機能しないのでマニュアルフォーカスに切り替えます。そして難しいのはバイクをどこに配置するか?ですが、この時はできればフィボナッチスパイラル構図を狙いたかったのですが、無理にそれをやると桜が密集するポイントから外れてしまうので、バイクの配置は優先順位を下げて構成しました。

光は薄雲に隠れた太陽光を逆光でとらえていますが、露出補正を大きくオーバーにふって撮っています。多くの場合、桜の花を見上げるようなアングルで撮ると露出アンダーになりますので、ここは注意してしっかり露出補正をしてくださいね。

河津桜のようにピンクの色が濃い花はそれほど迷うことがありませんが、これが淡い発色のソメイヨシノなどになるとホワイトバランスの設定もシビアになってきます。桜をピンクにみせようと変な風にいじると品の無い発色になりますので気を付けましょう。




ところで桜のバイク写真を撮る場合、カワサキのライムグリーンに乗っている方は是非この季節に頑張って撮ってみてください。桜のピンクとカワサキのライムグリーンは色相環で補色関係に近く抜群に映えるのですよ!

それではまた!

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ほんの小さな工夫で写真が激変☆ベストアングルの探り方<初級>ツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ここ最近当ブログはRICOH GRや北海道ツーリングといった検索キーワードでのSEO順位が向上したらしく、嬉しいことにアクセス数が伸びております。

より多くの方にこのブログを見ていただき、オートバイでツーリングに行ったら素敵な写真を撮ってみよう、バイクツーリングの写真っていいものだな、と感じていただきたいと思います。




さて今回は久しぶりに<初級>ツーリング写真の解説としてベストアングルの探り方をご紹介いたします。ほんの少しの工夫で写真が激変するという事を夕陽の野営地の作例で解説したいと思います。

まずこちらの作例をご覧ください。失敗作例でございます。雲ひとつない空に傾く太陽。海岸の野営地での一コマを超広角レンズEF14mmF2.8Lで切り取った1枚です。実際には間昼間のように明るいのですが太陽をド真ん中に配置した大胆な撮り方の場合、あえて夜っぽい露出で撮るのも良いものです。

さて露出は良いとして、この失敗作例の何が失敗かと言いますと究極のツーリング写真の熱心な読者様でしたら既にお気づきかと思います。そうバイクやテントが良く写っていません。強烈な逆光で露出を空や海面に定めたため、地上物は真っ黒です。それにバイクの大きさを小さく構図した「バイク米粒構図」であることを考慮すると、バイクの存在感を補填する何らかの工夫がほしいところです。




はい、先ほどの写真に加えて2つのことをしました。まず1つめは陸地と海面の境界になっていた線がバイクを貫通していましたが、これをカメラをローアングルにすることで回避しました。そして2つ目がこの写真のポイントなのですが海面に入ったハイライトの部分とバイクの位置が合うように右に左に動いてポイントを探ってみました。

たったこれだけでバイクとテントの存在が劇的に明らかになったのがお分かり頂けると思います。この作例のようにバイクの大きさを小さく撮った写真とはそれがバイクであることが誰の目にも明らかであるように撮る必要があります。あとで発表して「ここに写っているのはバイクですか?」と聞かれないように、バイク米粒構図の時はその存在感を明らかにするよう工夫しましょうね。

アングルをさぐるとは足を使って動き、カメラを高くしたり低くしたり場合によってはレンズを交換するなどの試行錯誤の繰り返しです。逆に言うと動くことのできない人はベストアングルにたどり着くには難しいと言えます。

EOS6D Mark2 + EF14mmF2.8L F20 1/250 ISO100

はい、自撮りとポージングで決めて仕上げでございます。太陽や空が主題の場合はモデルの視線はその方向へ。

この写真、当初は空に雲ひとつなく表情に乏しいなと感じて少しがっかりしたものです。しかし何もない空は階調が繊細なスペースです。コレをうまく構成すれば決して悪くはありません。スペースを構成するとはこの場合、強烈な存在感をはなつ太陽を文字通りの日の丸で配置することです。これによりスペースに存在する階調が魅力的に変貌してくれます。

これは日の丸構図の便利な使い方なので覚えておきましょう。




それと太陽から放射状に延びる光線を作りたいときは簡単です。絞りをいっぱいまで絞り込む。これだけです。光線の本数はそのレンズの絞り羽の数で決まります。注意点は絞り込むとイメージセンサーやレンズの汚れが目立ちはじめますので、うっかり機材のメンテを怠っていた人はゴミだらけの画像に悔しい思いをするでしょう…。センサーやレンズの清掃は日常的にしておきましょう。そして後の祭り…だった人は帰宅してからスタンプツールで綺麗に汚れを消去しましょうね。決してゴミだらけの写真をSNSで発表しないように。

この写真で私が失敗したなと思ったことが1つ。海面のハイライトは良く見るとS字状に潮目を描いていて、これはこれで大変魅力的だということに帰宅してから気が付いたのです。このことに現地で気が付いていれば望遠レンズを使って別の作品が撮れたかもしれませんね。

実際には眩しすぎて潮目がいい感じだったのに気が付くのは難しかったのですが。

今回はこの辺で。

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ツーリング写真における写真デザイン<中級>ツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、だいぶ以前に写真のデザインについて解説しましたが、古い読者の皆さまは覚えていらっしゃるでしょうか?今回はそんな写真におけるデザインのお話を作例を元に改めて解説してみたいと思います。

写真におけるデザイン要素とは観賞者が写真をパッと見た瞬間の印象に関わることで主に線、図形、色、規則的なパターン、質感、立体感などがあります。とりわけ効果が大きいのが線と色で、これらの要素は観賞者の目を心地よく楽しませる重要な役割が備わっています。




最初に書いておきますが良い写真に必ず優れたデザインが必要という訳ではなく、あくまで表現の手法の1つ、演出でいう舞台装置や小道具のようなものです。かの岡本太郎さんは芸術は美しくあってはならない、心地よくあってはならないと何かに書かれていましたが、こういった手法を使うか使わないかの裁量は全て作者の個性の範疇です。

ただし使う使わないは別として知識として持っていても損はないはずです。

EOS40D + EF28-70mmF2.8L

こちらの作例をご覧ください。北海道のエサヌカ線と並行して走る海岸沿いのダートで撮った1枚です。木の柵に漁に使う浮きが竿と共に立て掛けられている風景に、郷愁感に似たものを感じました。

この個性的な被写体を主題にツーリングのワンシーンをイメージして撮った1枚です。木の柵はセオリー通りに3分割構図で配置しましたが、画面全体の安定感という意味で悪くはなかったと思います。これが線の要素です。




次に主題となる浮きですがデザイン要素の図形要素となる円(実物は球体ですが)であり複数が組み合わさることで印象的になっています。そして浮きの色ですが赤、オレンジ、黄色と進出色や暖色と呼ばれる色要素です。これは非常にインパクトのある色でやはり観賞者に印象を与えるのに有効です。

そして背景となっている空と海の深い青色。青は後退色、寒色などと言われこの作例のように背景に使い前景や被写体が対照的な赤やオレンジだとコントラストを得ることが可能です。

太陽光は日中のトップライトですが、下方に影ができるので立体感も得ることができました。

こういった被写体や情景に存在しているデザイン要素とは、当たり前ですが撮影者がそのようにデザインした訳ではありません。あくまで元々そこにあったに過ぎないのですが、重要なことはデザイン要素に気が付いて意識してレンズを向けたか?です。

写真は長方形の画面です。この長方形の中にいかにしてデザイン要素である線や図形や色を配置させるかが撮影者のウデの見せどころとなる訳です。




ところでこの写真をはじめ、私が最近になって掘り起こしている過去画像には多くの場合でミラーにヘルメットがかけてあります。コレ…最近では皆さんやめましょう、という動きが広まっているそうです。Araiがヘルメットの内装に良くないと公式にコメントしたことでバイク雑誌やメディア関係がミラーにヘルメットをかけた写真を使わないようにしているそうですね。

皆さんも多くの人に見てもらうツーリング写真を!という事であればミラーにヘルメットをかけるのは、もうやめた方がいいかもしれません。私も最近では気を付けております。

では今回はこの辺で!!

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巧みな構図☆漁港の撮影シーンと比率<中級>ツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、きのうの投稿で訳の分からない独り言を書いてみましたが、何が言いたかったかと言うと今年も北海道ツーリングに行けることが決定~というラッキーな出来事とからめて書いてみました。

現在の私の生活環境ですと長期間の休暇を要する北海道ツーリングは本来は叶わぬ夢なのですが2017年8月、2018年8月と奇跡的に良いことが重なって北海道ツーリング行くことができました。そして2019年はなんと超大型連休となる4月末から5月のゴールデンウィークに行けることになったのです。




二度あることは三度ある…三度目となると奇跡と呼べないかもしれませんが、とにかく周囲の人の暖かいご理解で出発が許可されました。どうして自分が望むことは、こうしてラッキーにやってくるのだろう?チャンスはフルに生かしたいので、私の生涯追及するテーマである「ツーリングのワンシーンを切り取る」を具現化した作品が撮れるよう充実した旅をしてきたいと思います。できればキャリアベストと呼べる1枚が欲しいですね!

それにしても雪化粧の山々を望む5月の北海道ツーリング、今から楽しみです。

さて今回の<中級>ツーリング写真解説ですが、上級者が当たり前のようにやっている構図テクニック、あらゆる要素を複合的に、かつ巧妙に組み立てていく画面構成について解説してみたいと思います。

EOS6D mark2 + EF14mmF2.8L F16 1/40 ISO100

こちらの作品をご覧ください。以前も同じ場所で撮影した写真をアップしましたが、漁港で役目を終えた漁船が保管されている場所です。台風で台座が破壊されてしまい倒れてしまった様子です。

その船体をスクリュー部分からのカメラアングルで漁港の様子を切り取った画面構成です。

これは撮影現場の様子をiphoneで撮った1枚です。こういった漁港のように様々な物が目の前の光景に存在している場合、被写体のキャスティング作業、背景の整理、スペースの確保など、構図を作る上で割と高度なスキルが要求されるシーンです。

何となく雰囲気が良い場所だからと、被写体をよく見ず言語化もしないで撮れば、ゴチャゴチャと乱雑な写真に陥ります。

ではこういったシーンで意図を明確化し整った構図を作るにはどうしたら良いか?それを解説いたします。




まず主題は船体のスクリューです。これに注目して35㎜単焦点レンズで足で寄ってみました。寄ることによってスクリューに固定されたロープと船体のやれたFRP部(赤で囲った部分)の質感が表現されました。被写体の質感を表現するにはまず寄る事です。

ロープは線の要素として画面の角にピッタリと合わせて斜めに走らせました。線は画面の角に合わせることにより効果がより際立ちます。

そして重要なのは黄色で囲った部分。何もないスペースです。これを意図的に作ることでゴチャゴチャ感を回避して被写体の存在を際立たせるのです。上のiphoneで撮った写真に写っていますが、この場所にはハシゴやら水槽やらロープやらが散乱していますが、仮にそれが良い感じでも決して入れないこと!

次に分断線と比率です。この写真のようにメイン被写体のエリアとそれ以外のエリア、または例えば海と空とか、分断線が発生したことによる2つのエリアの比率です。簡単な構図であれば有名な三分割構図を適用すれば良いですが、この写真のような場合は2つのエリアの面をよく注視して2等分にならないよう精密に配分してください。




比率は偉い順に並べると1:1.168(黄金比)、1:1.414(白銀比)、1:1.5、1:2.303(青銅比)といった具合です。しかし撮影時にファインダーを覗きながら、これらの比率に正確に合わせるのは困難です。知識として覚えておく程度でも十分だと思います。しかし多くの人が感覚で「心地よい」と感じる比率がこれらの比率に近いことも頭に入れておきましょう。とにかく1:1は絶対に避ける、およそ1:1.5くらいを狙うと覚えておきましょうね。

その他、この作品ではモデルがちょうど顔の部分で見切れています。歩む方向は船体の陰へアウト方向です。これは観賞者の想像をさそう心理的手法です。この人物はどのような顔をしているのか?歩く先に何があるのか?これはミステリーやホラー映画なんかでも頻繁に使われる心理的手法ですが、静止画である写真にもこのように応用できるのです。

いかがでしたか?そんな計算高くやるのかぁ…と半ば呆れてる方もおられるかもしれません。しかし、こういった手法は上級者ともなると半分無意識にやる感じで、作業時間も数秒で決めています。きわめて瞬間的なデザインと言えるのです。

こういった理論に面倒だと背中を向ければ、いつまでも変わり映えない写真のままですよ。

次回の撮影でぜひ挑戦してみてくださいね!

↓↓↓撮影地↓↓↓