旅から帰ってきました

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、8月9日の投稿を最後に当ブログは夏休みを頂いておりました。今回は私にとって13回目の北海道ツーリング…に行っていたはずですが大きく予定変更となり信州と佐渡に行ってまいりました。

出発の直前である8月7日に利尻、礼文、稚内において50年にいちどの大雨という災害があり、今回は礼文島でのトレッキングを楽しみにしていた私にとって衝撃のニュースでした。




ニュースによると家屋に床上浸水、土砂崩れなどで多くの道路は通行止めとありました。こんな災害時にツーリングどころではないですね。自然災害はすぐに復旧するものではない…という事を昨年秋の千葉県の台風で経験していますので、今回は礼文島は諦めることにしました。

 

しかし礼文島以外の道内の天気予報はどうか?というと、これまた蝦夷梅雨の言われの通り不安定そのもので、出発直前の予報では8日間の工程の半分以上は雨の中を走るような感じになりそうです。しかし所々に晴れマークがあるのでドラマチックな景色と出会えるチャンスは多そうだ…という期待もありました。しかし今回は直前になってツーリングを決めた関係でフェリーがとれず往復路ともに自走なので、もし全部雨だったらキツいな…という事で渡道を諦めることを英断しました。

では8日間の休みはどうしよう…。そう考えたときに真っ先に思いついたのはGWのコロナ自粛で断念した佐渡です。

天気予報を見ると梅雨明け宣言後の列島は北海道以外はどこも晴れ。そして危険な猛暑が続くとありました。暑いのにめっぽう弱い私はそれを聞いただけで萎えてしまいますが、かといって家に居るわけにもいきません。もう今年に入って一度も県外へツーリングに行っていないのです。溜まりに溜まった旅への欲求は爆発寸前。




そこで週間予報をよく見ながら工程の前半は信州の標高の高い場所でキャンプし、後半から船に乗って佐渡へ渡る予定としました。予約していた津軽海峡フェリーはキャンセル料が発生してしまいましたが、佐渡汽船の方はスムーズに予約がとれました。お盆休みではありますが東京の人が自粛している関係でお客さんは少ないようです。

道路も外環や関越道などは渋滞はなくスムーズでした。上信越道では途中で少し雨がありましたが蒸し暑い中、終始予定通りに移動。麦草峠、ビーナスラインと定番のツーリングルートを満喫しました。しかしビーナスラインは人が多かったですね。蒸し暑い猛暑の中、標高の高い場所に行きたくなるのは皆さん同じのようですね。

長野では戸隠イースタンキャンプ場で連泊。ここも大混雑まではいかないまでも、ほぼ満員御礼のサイトの埋まり具合でした。奥社のすぐ近くのこのキャンプ場、とっても涼しくて雰囲気の良いキャンプ場でしたね。




今回の旅で最もタフだったのは北陸自動車道を走って新潟市へ抜けるまででした。佐渡汽船の両津行きフェリーの乗り場が新潟市の中心部、新潟駅や伊勢丹なんかがある街のド真ん中とは知りませんでした。暑いと分かっていたので早朝に出発しましたが、想像以上に暑くてバイクに乗るのが危険だ…と感じるほど、あぶなく熱中症になるところでした。

とりあえず佐渡についてはまた別の機会に佐渡ツーリング詳細レポートを書いてみたいと思います。いまは旅で撮った写真を仕上げて整理したところですので、順次公開していきたいと思います。

とりあえず今回は無事に旅から帰ってきました…というご報告まで!

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R1200GS全塗装完了☆R1200GSオールペイント

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ここのところR1200GSの全塗装のことで4回も続けて書いてきましたが、次回から写真の解説を再開しますのでもう少々お待ちを…

さて今回は全塗装した外装をR1200GS-ADVENTUREに装着しましたのでRICOH GRで写真を撮ってみました。

はい、こんな感じでございます。塗装前のオリジナルカラーであるアルピンホワイト×サンドローバーはベージュツートンのシートが良く似合っていましたが、今回の紫とちょっと合わなかったので2008’R1200GSのブラックのシートを装着してみました。




今回塗装したこのソリッドの紫はルノーカングーの限定車に使われたタンタシオンヴィオレという色です。ホルツのMINIMIXで簡単に注文できました。ルノーは限定車で洒落た色をよく出すのでオールペイントを検討中の方はチェックしてみて下さい。

今回、あまりに大胆な色を選択したので暴走族っぽい下品さが出ないか心配しましたが大丈夫だったかと思います。ちなみにかつてのBMW R100GSというOHV世代のGSではこんな感じのパープルが存在していました。古くからGSを知る人には懐かしい色と言っても良いかもしれませんね。

しかし派手なのは間違いないですね…。乗っていて最初は落ち着きませんでした。派手さの種としてはカワサキのライムグリーンに通ずるものがありますが、あちらはNinjaブランドの象徴として世に浸透している色です。バイクの色としては多くの人に「見慣れた色」な訳ですね。ところがこの紫は…賛否分かれるかもしれません。

まあ、バイクの色なんて完全に好みですからね。メーカーには車体のデザイナーとは別にカラーデザイナーというのがあって、車体の造形やキャラクターに見合った理想的なカラーを作る専門家がいるそうです。しかしユーザー側に好みの色というのがある訳ですし、長く乗っているとイメチェンしたくなる心理もありますよね。今回の全塗装のように車体に付いている外装部品とは別に、中古の外装を一式用意すればいつでも元に戻せるので手軽です。




もし今回塗装した色に飽きてしまったら、またサンドペーパーで削って新たに別の色に塗ってもいい訳です。自家塗装であれば1万円程度の予算で実現できます。

私の2008’R1200GS イグニスのブルーに全塗装しています

個人的に感じたことですがR1200GS-ADVENTUREはソリッドのカラーが良く似合い、R1200GSの方はメタリックカラーが似合うのではと思います。実際、純正色でもR1200GS-ADVENTUREはマグマレッド、アルピンホワイト、グレーマットといったソリッド色が採用されていて、R1200GSの方はチタニウムシルバーメタリック、ルパンブルーといったメタリック色が存在します。




たぶん日本に一台のアドベンチャーですね…どこかで見かけたら「究極のツーリング写真の人ですね」とお声がけくださいね。

それではまた!!

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R1200GSの外装部品の交換方法☆外装の着脱

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今年の梅雨は本当に長くてよく雨が降りますね。湿度が高くツーリングに出れない日が続くとライディングギアやキャンプ道具にカビが生えやすくなります。クローゼットのような閉ざされた場所に保管されている方は、風通しの良い場所でいちど干した方が良いと思いますよ。

さて前回までの投稿でR1200GSの外装を自家塗装でオールペイントする手順について3回にわたって解説しました。今回は塗装が終わった外装部品をR1200GSに装着する手順をご紹介したいと思います。

BMWと聞くと整備性が悪くてユーザーでは手が入れられない印象かもしれませんが、R1200GSは非常に整備性が良好です。当ブログでもオイル交換、バッテリー交換など簡単なメンテ方法を解説してきました。外装部品の着脱も例外ではなく非常に簡単なのでチャレンジしてみてくださいね。

必要なものはトルクスレンチ T25の1つだけです。トルクスT25はホームセンターでも売っていますしR1200GSの車載工具にも入っています。

作業場所は地面に排水溝など無い平らな場所、小さなボルトなどを落としてもすぐに見つかるように。ガソリンタンクのキャップを外すので火気の無い場所を選びます。車体はセンタースタンドを立てて作業しましょう。




今回はR1200GS-ADVENTUREで説明しますので、まず最初にアンダースクリーンを外します。2本のフィリスターボルトを外します。金属のワッシャーが入っているので落とさないように。

左右のこのボルトを外します。クチバシ本体とフェンダーエクステンションが共締めされています。

フロントフェンダーエクステンションを外します。隠れていた部分は汚れだけでなく小傷がひどかったですね。

BMWエンブレムのあるカバーを外します。固定ボルトは3か所。一番後ろ側のフィリスターボルトだけ長いので装着時に間違えないように注意しましょう。

車体右側のこのカバーを外します。フィリスターボルト1本と車体側のゴムブッシュにカバーの突起が刺さっている構造なのでボルトを外したら引き抜きます。

アルミ製のサイドタンクカバーを外します。

左側のこのカバーは手前に引っ張れば外れます。こちら側はR1200GSと同じ部品ですね。




~ここでワインポイント~

ここでワンポイント。普段は点検できない箇所を目視で点検してみましょう。これは燃料ポンプですが亀裂による燃料漏れ、ホースの劣化がないか確認しましょうね。ちなみに燃料ポンプは左右で2つあります。

クチバシとタンクカバーを接続しているフェリスターボルトを外します。

ここから先は火気厳禁です。タンクキャップはキャップを開けてボルト4本を外せば簡単に取れます。ボルトや汚れをタンク内に落とさないように。

心配な人は清潔なウエスを穴に詰めて作業しましょう。

タンクキャップが外れました。何となく怖い作業ですけど簡単です。

ここまでくればタンクカバーは簡単に外れます。

クチバシを固定しているサイドのフィリスターボルトを外します。

メーター側の黒い樹脂パーツは引っ張れば簡単に外れます。

クチバシはこのステーの突起が前方に突き刺さっている構造です。これを前に引き抜くように外します。私のアドベンチャーのようにウインカーにプロテクターを装着している人は外した方が作業しやすいです。

クチバシを少し左右に広げながら傷を付けないように慎重に外します。

オイルクーラーへの導風カバーを外しましょう。

新たに装着したいクチバシに取り付けます。

~ここでワンポイント~

ここでもう一度、車体の点検をしましょう。オイルクーラーのコアに詰まった汚れは爪楊枝で掃除。普段は手の届かない場所の清掃や錆落としなど。

今回、気になったのはメーターマウントフレームの錆です。私のR1200GSアドベンチャーも購入後6年が経過しますが、房総半島を頻繁に走るせいか潮風でだいぶ錆びています。普段は手が入らない場所なので、この機会に処置しましょう。

油性ペイントマーカーの黒で塗ってやります。テキトーに見えますが最も簡単な処置方法です。どうせ見えない場所ですしね。錆は放置すると進行するので、それを食い止める意味で塗ってやるのです。

装着したい新たな外装パーツにフィリスターボルトの受け側となる金具を差し込みます。穴のセンターはできるだけ正確に。

まずはクチバシから先に装着ですが、先ほども書きましたこの突起に差し込んでやります。

慎重かつグサっと。

フロントフェンダーエクステンションを装着してボルトで固定します。この先は外した時の逆手順で大丈夫です。

しかし…ドムみたいだな(ガンダムです)。




タンクカバーを装着してタンクキャップで固定。サイドのアルミパネルを装着します。

エンブレムのカバーも装着。もしフィリスターボルトがうまく入っていかない場合は受け側の金具の位置がずれている場合があるので確認してみましょう。無理にボルトを工具で締めないように。

本当にT25だけで簡単に作業できると思います。外装の着脱を覚えておくと出先で何かトラブった時にも安心ですよね。

最後にアドベンチャー用のアンダースクリーンを装着して作業完了です。

以上、空冷R1200GS-ADVENTUREの外装部品の交換方法でした!!

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バイクを缶スプレーで全塗装する方法☆R1200GSオールペイント

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回、前々回と缶スプレーを使ってバイクの外装を全塗装する方法について解説をしております。今回はその続きでクリアーコートと最終仕上げについて書いてみたいと思います。

・前々回の投稿 缶スプレーで全塗装する際の準備、下地処理など

塗装はとにかく手間と時間をかけること。準備するものや耐水ペーパーでの足付け作業、プラサフの吹き付けなどを解説しました。

 

・前回の投稿 缶スプレーで本塗する工程

缶スプレーにより本塗のポイント。缶スプレーをお風呂くらいの温度にお湯で温める。スプレーする距離とスピード。重ね塗りのポイントなどを書きました。

では続きです・・・

本塗を終えたら1~2日程度乾燥させて耐水ペーパーで水研ぎをします。手で触ってみてザラザラが粗い部分を重点的に1500番で優しくペーパーかけします。ゴシゴシやり過ぎると角になっている部分が下地が見えてきてしまうので気を付けましょう。




水研ぎが終わったら本塗前と同様に中性洗剤で脱脂洗浄します。綺麗になったら清潔な場所で十分に乾燥させます。

本塗の時と同様に缶スプレーを40℃のお湯に入れて温めておきます。今回、ウレタンクリアコートは2本使用しました。

2液タイプのスプレー缶ですので最初に青いキャップを外して突起を地面に押し付けて押し込んでやります。これで内部の2種類の液が混ざり始めるのですね。

よく缶を振ってから逆さまにして放置。この辺の使用法は缶に取り扱い説明が書いてあるので詳細は割愛します。

スプレー方法は本塗の時と同様です。最初にモノに埃などが付着していないか目を皿のようにしてチェックしましょう。吹き付ける直前に軽くフロンダスターで表面を吹き飛ばしておきます。

缶スプレーを30回程度よく振って新聞紙などに試し吹きしてから1回目の吹き付け。1回目は薄く軽くです。25~30cmの一定距離を保ち、タンクであれば端から端まで1.5~2秒程度のスピードで缶を振ります。モノの上で缶を折り返したり止めたりしないこと。




クリアーは今回は3回の重ね塗りとしました。間隔は本塗と同様に10分程度で大丈夫です。缶スプレーが冷えてきたらお湯に入れて置いたもう一本とローテーションで使っていきます。こまめに缶スプレーを振って軽快なカラカラ音を維持させたまま使用します。

1回目、2回目は「ゆず肌」と呼ばれる少し凸凹した感じになってしまうのは仕方ありません。焦って最初から厚塗りしないよう落ち着いていきましょう。ウレタンクリアーの場合、厚塗りでミスってしまうと垂れるだけでなく泡になってしまう場合もあるそうです。

本塗の時も書きましたがウレタンクリアコートの場合でも缶を全て使い切るのではなく10%程度は残すように使います。どうしても最後の方はガスが減って噴射力が不安定になりますので。

10分放置して最後の3回目。スプレーする距離を20cm程度まで近づけて、振るスピードも先ほどが1.5~2秒程度だったのに対して2~2.5秒程度と少し遅くします。怖いですが3回目はそう簡単に垂れないので大胆に厚さを意識して吹いてみましょう。この工程でテカテカの艶が作れるかが決まるのです。

この写真では右のほうは十分な厚さで塗れて凸凹も最小限ですが左の方はザラザラした感じです。こういった部分を残さないよう良く見て最後の吹き付けを行います。

ウレタンクリアコートが終わったら塗装作業は完了です。この状態で数日は乾燥させましょう。本塗と違ってウレタンクリアコートは少々硬化が遅いようです。

充分に乾燥させたら再び水研ぎです。手で触ってみてザラザラした部分は1500番、その他の部分と最終仕上げは2000番で優しくペーパー掛けします。

ゴシゴシやり過ぎないように気を付けてくださいね…。前回も書きましたが特に角になっている部分が削れやすいので面に意識して優しくかけてあげます。写真のようにペーパーを小さく切ると作業しやすいのですが、ペーパーの角で逆に傷を付けてしまいました…。耐水ペーパーを小さく切るのはお勧めしません。




水研ぎが終わったら細目コンパウンド、極細コンパウンドの順で磨き上げます。不要なTシャツなど軟らかい布を用意しましょう。

マスキングテープを使ってステッカーの位置決めをします。この切り文字ステッカー、純正ではありませんがタンクに貼るには丁度良い大きさでした。メルカリで1200円で入手しました。

ステッカーを貼った上からウレタンクリアコートを吹くべきか悩みましたが、もしステッカーがクリアーコートの成分で縮んでしまったら…と考えると恐ろしかったので、念のためステッカーはクリアーを吹いた後にしました。

最後にワックスをかけて完成です。気になる完成度ですが…自家塗装として考えれば私としては十分に合格点だと思います。もちろんプロに依頼した場合と比較してしまえば劣りますが材料代だけで1.5万円くらい(特注色でなければ1万円くらいで済むと思います)で経済的ですし、自分で作業したことで愛着もひとしおですしね。

3回にわたって詳細に解説してみました。興味のある方はぜひバイクのカウル、外装の缶スプレー自家塗装にチャレンジしてみてくださいね。

~今回使ったもの全て~

・中古外装部品 クチバシ、タンクカバーの2点

・ホルツ MINIMIX タンタシオンヴィオレ缶スプレー 4本

・ホルツ グレー プラサフスプレー 2本

・ホルツ ウレタンクリアコート 2本

・ホルツ 細目コンパウンド、極細コンパウンド 各1本

・耐水ペーパー 320番、600番、1000番、1500番、2000番 各1枚

・タンク用のR1200GSのステッカー 2枚

・その他、フロンダスター、中性洗剤、ワックス、段ボール、ウエス等

実際にR1200GS-ADVENTUREに装着する様子はまた後日にご紹介いたします。

今回はこの辺で。

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バイクを缶スプレーで上手にオールペイントする方法☆バイクを全塗装

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回まででバイクのカウル、外装を缶スプレーで自家塗装する方法について下地処理などを解説してきました。今回はその続きでいよいよ本塗りでございます。

前回の投稿 バイクのカウルを缶スプレーで塗装する方法 下地処理編

自家塗装する場合に最も悩ましいのは作業場所かもしれませんね。プラサフの時と違って本塗りは塗料の粒子が広範囲に舞うので室内だと部屋中が汚れます。かといって屋外だと風で埃が飛んできたり湿度や温度が一定でなかったりと条件が悪いです。それにそもそも家の近所で塗装作業して良さそうな場所なんて無いですよね。

今回は職場の使用していない古い倉庫を間借りしてコンパネ板やブルーシートで覆って簡易的な塗装ブースを作ってみました。これは前日くらいに作っておきます。塗装する直前にこのような作業をすると空間に埃が舞ってしまいますので。




まずはプラサフの時と同様に約40℃のお湯をバケツに入れてスプレー缶を温めます。作業後半にぬるくなってしまうので追加用のお湯もポットに用意しておきましょう。キャップに油性ペンで番号を書いたのはスプレー缶をローテーションで使用するからです。スプレー缶はある程度、連続して使用すると内部のガスが気化することで冷えてしまいます。冷える前に次の暖かい缶へバトンタッチさせてローテーションで使うのです。

せっかく中性洗剤で洗って脱脂したので手でベタベタ触らないように丁寧に扱います。表面のホコリなどはフロンダスターなどでシューっと軽く吹いて飛ばします。あまり激しくシューシューやると周辺の埃が舞ってしまうのでご注意を。

では塗装開始。缶スプレーを30回程度振ってカラカラ音が軽快に聞こえてきたらOKです。まず一発目はいきなりモノに吹くのではなく、新聞紙の上などに試し吹きして安定してシューっと出ることを確認します。




今回、4本の缶スプレーを全て使って4度塗りしたのですが、最初の1回目の吹き付けは超薄く、さらっとで大丈夫です。プラサフの時も書きましたがモノと缶スプレーの距離を約25cmに一定に保ち、タンクくらいの大きさであれば端から端まで1.5秒~2秒くらいのスピードで吹きます。モノの上でスプレー缶を折り返すのではなく、外側で折り返します。モノの上でスプレー缶を折り返したり止めたりしない。

一回目はこんなものです。本当に薄くさらっと吹くだけ。これによって次の塗装の食いつきを良くさせるのです。10分程度、乾かしたら2回目の吹き付けを行います。

2回目を塗ったらまた10分乾燥。3回目以降は少しずつ缶スプレーを動かす速さを遅くしていきます。先ほどのタンクであれば1.5~2秒くらい…を2~2.5秒くらいのスピードまで落とし、缶スプレーとモノの距離も25cmだったのを20cmまで近づけてみましょう。

缶スプレーは冷えたらお湯に戻して暖かいスプレーに交換、このローテーションを忘れず、缶スプレー内の残量も気にしながらよく振って作業してください。

タレを恐れて慎重にやりすぎるといつまでもザラザラで光沢が出てきません。本塗りは光沢が出ていなくても最終的にクリアーを吹くので良いのですが、この写真のような感じだとザラザラ過ぎです。

4度目のスプレーの時は思い切って厚塗りしたところ、ご覧のように綺麗な光沢が出てきました。4度目くらいになったら塗り残し、塗りが甘い部分(特に下側などの目立たない場所など)がないかよくチェックしましょう。




缶スプレーで塗装する時の注意点はとにかくスプレーの噴射を一定に保つよう細心の注意を払うことです。安定してプシューーーーーーーーーーとした状態で吹き付ける。缶スプレーが冷えてきたり、ガスの残量が減ってきたりするとプシュッ…シュシュシューープシュップシュッーーと不安定になります。そうなると美しく塗れません。

少々勿体ないのですが缶スプレーがカラになるまで使用せず残量が10~20%残すような感じで使いましょう。一度使用してから時間を置いてしまったスプレー缶はノズル先に塗料の塊があったりするので、必ず使用直前に新聞などに試し吹きをしましょう。

   ~缶スプレー塗装のポイント~

・40℃のお湯でよく温める、冷える前にローテーションで缶スプレーを交換。

・缶スプレーをよく振ってモノと一定の距離を保ち、一定のスピードで塗る

・3~5回(色による)重ね塗りする。重ね塗りの間隔は約10分。

・1回目は薄く、徐々に厚塗りする。

・あせらない

また長くなってしまったのでクリアーと最終仕上げはまた次回に解説します!

つづく!

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バイクのカウルを缶スプレーで綺麗に塗装する方法☆バイクを缶スプレーでペイント

究極のツーリング写真 touring-photography.cpm 読者の皆さま、コロナ渦の中、蒸し暑い毎日ですがご体調は崩されていませんでしょうか?最近、バイクに乗っていると暑いのにマスクをして走っているライダーを見かけます。何か理由があってしているのなら良いですが、バイクを運転中はマスクをしなくても良いと思いますよ。それより熱中症が心配です。

さて、前回の投稿でBMW R1200GSは塗装されている外装点数が少なく、全塗装は意外と手軽ですよ、というお話をしました。私の2008’R1200GSはスズキイグニスのブルーに塗装してあります。今回、R1200GS-ADVENTUREの方を純正のアルピンホワイトからイメチェンして色替えすることにしました。

現在の私のR1200GS-ADVENTURE 車体色はアルピンホワイト×サンドローバー

しかし板金屋さんや塗装専門店にお願いすると良い費用が発生します。そこで思い切ってR1200GS-ADVENTUREを缶スプレーで全塗装することにしました。今回はバイクのカウル、外装を綺麗に缶スプレーで塗装する手順について書いてみたいと思います。

まず最初に入手した外装パーツです。いま車体に装着されている外装は純正色なので中古車で売る時などを考えて塗装せずに保管しておきましょう。今回はヤフオクで小キズの入っている中古外装を入手してみました。クチバシとタンクカバー、両方合わせても2万円くらいで入手できました。

まずは純正ステッカーを剥がし、金具類なども外してしまいます。




バイク外装を缶スプレーで全塗装するのに大事なモノその1。ウレタンクリアコートです。艶を出すための塗装後のクリアーですが2液ウレタンのクリアーをかけてあげることで、ガソリンをこぼしてしまっても簡単には塗装にダメージを与えません。缶スプレーで塗装する場合、これを必ず使うのがポイントです。1本で2500~3000円と高いですがここは妥協できません。今回、R1200GSの外装2点でホルツのウレタンコートを2本使用しました。

次に下地を作る耐水ペーパー。320番、600番、1000番、1500番、2000番。大型ホームセンターで1枚で100円もしません。それと耐水ペーパーをかける時に使う硬質スポンジブロック。

塗装したい色の缶スプレー。今回はホルツの260ml缶を4本購入しました。本当はR1200GSアドベンチャーの外装2点だけあれば2本くらいで足りるのかもしれませんが、缶スプレーは残量が減ってくると噴射力が不安定になり、それが塗装ムラなどの失敗の原因になります。少々勿体ない気もしますが残量20%くらい残すような使い方をしますので多めに用意しました。画像の物は特注色の価格なので通常の物より高いです。

ちなみに色はルノーカングーのタンタシオンヴィオレという紫のソリッドをチョイスしました。私の愛車(クルマ)ルノーカングー アクティフペイザージュはヴェールメールという限定の緑なのですが、この車と同時に発売されていた紫色なのです。バイクを缶スプレーで紫に塗っちゃうなんて田舎の暴走族みたいですね。

ルノーの限定車の色はオシャレなのでチェックしてみてください

板金塗装屋さんに塗装をお願いすると塗料の配合だけでかなりの手間なので、ここにコストがかかるのですがホルツのMINIMIXなら9500色以上の配合が容易に可能だそうです。欲しい色はカラー番号(今回の色ならB74)で指定すれば簡単に入手できるのですね。

その他、下地に使うプラサフを2本、細目コンパウント、極細コンパウンド、マスキングテープ、作業に必要な新聞紙、段ボール、お湯を入れるバケツなどを用意します。

まずは今回用意した耐水ペーパーの中で最も目の粗い320番を使って足付けと呼ばれる作業です。古い塗装の表面やワックスなどを削り、ザラザラを作ることで塗装の食いつきを良くします。このペーパーかけは空研ぎ(水を使わない)で良いと思います。じっくり手間をかけて作業してください。




R1200GSの場合、ローアングルで写真を撮りたい時などにクチバシの裏側が見えてしまいます。元色が残っているとカッコ悪いので今回は艶消しブラックを軽くかけておきました。

軽く水で洗って乾かした後、手で触ってツルツルな場所が残っていないかよくチェックしましょう。ペーパーかけの甘い場所があったらやり直してください。くどいようですがとにかく手間をかけるのが大事です。

足付けのペーパーかけは完璧だな!と思ったら中性洗剤で洗って脱脂し乾燥させます。

カウルはABS樹脂なので写真の物ではなくバンパー用プラサフがお勧め

次にプラサフを吹き付けますがここでワンポイント!缶スプレーを吹くときは噴射力を安定させる目的で約40℃(お風呂くらい)のお湯に入れて缶スプレーを温めておきます。

プラサフは塗装したい色が薄い色の場合は特に重要です。塗料の隠蔽力というのですが薄い色は下地が透けて見えてしまうのですね。隠蔽力の弱い色は白、黄色、赤などです。この場合、プラサフはグレーではなくホワイトを選んで元色が見えなくなるまでしっかり吹き付けてください。

スプレーする時はこのように箱などで台を用意して、モノを浮かせると塗りやすいです。埃の立たない室内が理想的ですが換気をお忘れなく。

プラサフは少々垂れても問題ありません。後でその部分をペーパーで削ればOKです。しかし本塗りの練習も兼ねて丁寧に塗ってみましょう。スプレー缶は例えばタンクくらいの大きさだったら端から端まで1.5~2秒くらいで通過させるよう缶を振ります。スプレー缶を折り返しさせる時はモノの外側で折り返すこと。スプレーをモノの上で止めないこと。

重要なポイントはスプレー缶とモノの距離で約25cmの一定距離を保って吹き付けます。近すぎるとタレてしまいますし遠すぎるとザラザラになって光沢が出ません。距離が一定でないとムラになります。

プラサフの場合は3度塗りくらいで良いと思います。1度目は超薄く、2度目、3度目と回を重ねるごとに少しづつ厚く塗っていきます。3度目くらいは先ほどの1.5~2秒くらいで通過させていたスピードを2~2.5秒くらいへと遅くしてみましょう。




プラサフをよく乾かしたら垂れてしまった場所やザラザラしている部分を800番、それ以外の部分は1000番でゴシゴシやらず軽くかけます。仕上げに1500番の耐水ペーパーをかけます。角になっている部分は強く削れやすいので気を付けてください。

プラサフ後のペーパーかけが終わったら中性洗剤で脱脂洗浄します。塗装面に油分が残っているとはじいて綺麗に塗装できません。

よく乾燥させます。今回、クチバシの方は作業性を良くするために付け根の方を木材で固定しました。こういった細かい配慮、手間が成功の秘訣と言えるかもしれませんね。

すいません…長くなったので次回の投稿に続きます。次回は缶スプレーで外装を本塗りしていきます。

つづく!

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R1200GSは手軽にオールペイントできるバイク

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は久しぶりにツーリング写真の話題ではなくR1200GSのことについて書いてみたいと思います。

以前も当ブログで少し触れたことがありますが私の愛車2008’R1200GSは新車時はチタニウムシルバーメタリックという銀でしたがオールペイントで色変えをしております。

EOS6D Mark2

現在ではこんな感じで少し薄いブルーメタリックにしております。これはスズキのイグニスに使われている色ですが、自分で外装を外してペイント専門店でお願いしたものです。




オールペイントといってもR1200GSの場合、色が塗られている部分はこれで全てです。クチバシと呼ばれるハイフェンダー、タンクカバー中央、タンクカバーの左右で全4ピースです。もしR1200GS-ADVENTUREであればタンクカバーの左右は塗装ではなくアルミ地なのでたった2ピースとなります。

フルカウルのオートバイを塗装することを考えれば結構お手軽と言えそうですね。

問題は2つ。ペイントしてしまうとオリジナル状態を失うので中古車として売却したいときにマイナス査定になること。かといって別途、ディーラーで純正部品を取り寄せるとバカ高いこと。この2点です。

しかし中古部品に注目してヤフオクやフリマアプリをチェックすれば、稀に格安の中古品が出てきます。色はどうせ塗るので何色でも良いですし、削れや割れが無ければ少々のキズは問題ありません。気長にチェックして揃えてみましょう。

塗りたい色の決め方ですが、バイクに使われている純正色には多くの場合でカラーナンバーが存在しません。なので4輪のカラーナンバーで塗装屋さんに指定してあげましょう。そうすれば「イメージと違った」という間違いはありませんし、後で補修したい場合でもタッチアップペンが入手できるので楽です。街中で行き交う車や新車情報などをチェックして、どんな色にしたいかじっくり検討してみましょう。

これはペイント専門店でお願いしたときに、お店から送られてきた塗装の様子です。塗装ブース内で綺麗にエアガンで塗ってもらっています。

やはりプロの仕事は美しいですね。実はこのショップ、愛知県にある某オールペイント専門店なのですが、通常は板金屋さんに依頼するとR1200GSの場合は7~8万円の費用がかかりますが、このショップだと4万円でやってくれました。




R1200GSの場合、外装の着脱は比較的簡単です。必要な工具もトルクスT25だけあればOKです。トルクスT25は車載工具にも入っていますよ。

ちなみに上の写真にあるオリーブグリーンの外装ですが、これもかつてペイントしてもらった色です。この時はダイハツの初代ネイキッドの色にしてもらいました。

私がR1200GSをオリーブグリーンに塗装した後、数年くらいしてBMWからF800GSでほぼ同じような色が発売されました。そしてイグニスのブルーに塗装したら、その半年後くらいに現行R1200GSに、やはりほぼ同じ色が登場。どうやらBMWは私の塗装する色を真似しているのかもしれません…

ここ1年くらいかけてR1200GS-ADVENTUREの中古外装も入手してみました。私の後期型R1200GS-ADVENTUREはアルピンホワイト×サンドローバーというサファリルックな色です。とても気に入っていたのですが、もう購入して6年経ちますのでそろそろイメチェンです。

ちなみにR1200GSとR1200GS-ADVENTUREではタンクカバーの外装は全く別のものです。クチバシは同じですがアンダースクリーンを固定するボルト穴がR1200GS用には開いていません。

タンクカバーは中期型のマグネシウムメタリックマット、クチバシはチタニウムメタリックです。どちらも小傷があるので格安で入手できました。

しかし、今回入手したクチバシはR1200GS用でアンダースクリーンの穴が開いていません。まずはこの穴あけ作業からですが、今車両に装着しているアルピンホワイトのクチバシから穴の位置を確認します。

クチバシ自体に固定されているのではなく、その下のフレームに留まっているようですね。正確に位置を把握するため型紙作戦でいきましょう。

アルピンホワイトの方から取った型紙を貼り付けて位置合わせをします。

ポンチをライターで熱して穴のセンターを決めドリルで貫通させます。




さあ、準備ができましたので愛知のショップに連絡して発送です…と、ここで問題発生。いつもお世話になっていた塗装ショップが何と廃業されていました。

4万円でプロの塗装クオリティが手に入るのであれば喜んでまたお願いしたかったのですが、通常の板金塗装店にお願いしたら恐らく7~8万円。困りました…

悩んだ挙句、今回は思い切って缶スプレーを使った自家塗装に挑戦することにしました。

えぇ~BMWを缶スプレーで全塗装するのか?!!

いや、たぶん大丈夫です。塗装は手間と時間をかけて慎重にやればプロにはかないませんが綺麗に塗る事は可能です。プロにお願いした場合の費用内訳は主に下地処理などの手間、塗料配合の手間、塗装ブースやエアブラシなどの設備、技術料などです。下地処理はサンドペーパーでこするだけ、配合は缶スプレーならそもそも不要、エアブラシの吹き付け力は缶スプレーの比ではありませんが、これについては裏技があります。

という事で、次回は空冷R1200GS-ADVENTUREを缶スプレーで全塗装する行程をご紹介したいと思います。

今回はこの辺で!!

 

ツーリング小説 幽玄なる雨の森

2003年 10月

出羽三山を見に行こう…そんな単純な動機で購入したばかりのBMW F650GSダカールにキャンプ道具を積載して千葉市を出発した。今になって振り返ると私にとって旅らしい旅と呼べる記念すべきファーストアドベンチャーだ。

当時はバイク用ETCなど無くライダーはハイウェイカードを購入し料金所で通行券と一緒におじさんに渡して払っていたものだ。山形自動車道の山形蔵王IC料金所。

「今日は寒いし夜は天気が崩れるから気を付けてね」

暖かい言葉をもらう。

ぱっとしない天気だけど仕事が忙しい合間にせっかく捻出した連休。買ったばかりのBMWに真新しいキャンプ道具。どうしても出かけたかったのだ。それに何よりストレスが溜まってもう限界だ。毎週のように大阪や名古屋に出張。得意先で説明会、支店で会議、帰りの新幹線で同僚と愚痴話。翌日は会社で報告書つくってまた会議。会議、会議…出張、そしてクレーム。もう1人にしてくれ。誰とも口を利かず誰の顔も見ずに2、3日過ごしたい。そんな気分だった。

当時は今ほど天気予報を正確に把握できなかった。出かける直前にチェックした「曇りのち雨」という大雑把な情報だけでバイク旅に出るとは現代の感覚ではいささか抵抗があるものだ。

月山湖の景色を楽しみ湯殿山神社を参拝。当時は旅慣れていなかったので退屈な3ケタ国道を走りつなぐだけのツーリングだった。それでも自分の住む千葉にはない山深い景色に心を躍らせていた。

「そろそろ食材とビールの買い出しをしないと…」国道とはいえ山の中をひたすら走る道。どこに集落があるのか、どこが観光地なのかも知らないで走っているのでスーパーやコンビニを見つけることが出来ない。今でこそコンビニはどんな僻地にも存在するけど当時はスキー場が近くにない限り、山間部には滅多にコンビニはない。

ようやく見つけた商店に入るとビールは売っていたもののキャンプで食べれそうな物は魚肉ソーセージ、貝の缶詰、カップラーメンは2種類しか置いていないときた。しかしこの先に店があるとは限らないので、それらを買ってF650GSダカールのリアに積載した。

朝日スーパー林道。その名前の響きに惹かれてこの旅のハイライトに選んでいた全長52㎞の大規模林道。三面川から猿田川に沿って走るブナの原生林。F650GSダカールを購入する以前はジェベル250、セロー225、スーパーシェルパなどで関東圏の林道をよく走っていたので、オフロード走行は今よりずっと長けていたと思う。この日に選んだ朝日スーパー林道も景色よりもオフロードをたっぷり走りたいという欲望の方が強かった。F650GSダカールも朝日スーパー林道のためにタイヤをミシュランT63に交換しておいたくらいだ。

朝日スーパーライン県境展望台で小休止したころで小雨がパラついてきた。予報よりも少し早く雨が降り始めるのか…と思ったが山の天気は変わりやすいものだ。臆せず新潟県村上市方面を目指した。

「この林道を制覇すれば麓にあるキャンプ場にチェックインできる。そこでゆっくりビールを飲もう」

路面状況は前半は安定の砂利ダートであったが後半は水たまりも多く、加えて雨脚も本降りとなった。県境の展望台から5㎞ほど走った地点で工事中の箇所が出てきた。重機が何台も入って大規模に工事している様子だ。ガードマンに通行止めだと告げられて一瞬焦ったが、もう1人のガードマンに「バイクなら何とか通れるので良いですよ」と言われヌタヌタの泥の中を慎重に通過させてもらった。なぜこのような水を含んだ泥が多いのか…きっと近くでブナを伐採しているのが原因だろう。

「あと1時間もするとバイクも通れないほど削りますが戻っては来ないですよね?」そう言われて戻る予定などなかったので快諾して通った。後にこのことが後悔を招くとは全く予知しなかった。




その後、雨の降りしきる林道を淡々と走りつないだ。暫くすると予想よりもダートが荒れてくるのに違和感を覚える。道はやがて狭くなり生い茂る草木も深みを増す一方だ。

「これはミスルートか?」

四方が山で目印になるものが何もない。完全に現在地をロストしている。コンパスに目をやると南西に移動するはずが北東に進んいるようだ。どこかの分岐を間違えたか?分岐などあった記憶がないけど水たまりだらけの路面に目線を集中させていたので見落としたかも・・・。どう考えてもスーパー林道とは呼び難いフキが一面に生い茂った獣道のような雰囲気になってしまった。

今ではGPSがあるのでダムや川の位置表示で容易に現在位置を確認できるけど、当時は紙の地図とコンパスしか持ち歩いていなかった。進むか?戻るか?決断を迫られたが北上しているこの道は明らかにナシだろう…。そう思って引き返した。雨脚はさらに強まり周辺が黒っぽい景色に変貌した。

30~40分ほどダートを走ると何と先ほどの工事現場に戻ってしまった。街中と違って景色が変わらないので先ほど自分が走ってきた道なのかどうか、180度向きが変わってしまうことで分からなくなるのだ。

「しまった…」

絶望的だったのは工事の人は全て撤収していて道はバリゲートで完全封鎖されて通れない状況だった。再び先ほどの道を戻ってミスルートしないように走るしかない。1時間半くらい頑張って走ればキャンプ場に着くはずだ。しかし時間をだいぶロスってしまった。もう日没が近いが本当に大丈夫だろうか…

ブナの原生林の中を暫く走ると、雨は小降りになってきたがヘッドライトが照らす部分が認識できるほど周囲は暗くなってしまった。ほどなく峠を下ったと思われる場所で何かの管理棟らしき建物があった。林野庁か土木関連の施設だろうか。その駐車場で野宿してしまおうか迷ったが白いバンが一台停まっていて何だかマズそうだったのでもう少し下ってみることにした。

峠を下っていくにつれて砂利ダートはどんどんフラットになっていき走りやすくなったが時計に目をやると19時近くになってしまった。

「もう時間切れだな」

ちょうど工事車両か何かの転回スペースだろうか?広くなっている場所を見つけたので止む得ずここでテントを張って明日の朝までやり過ごすことにした。設営の頃はちょうど雨も止んで気分は悪くなかった。

消耗した体は水分を欲していたようで缶ビールは一気に開けてしまった。僅かな食料はまだ20代だった自分の胃袋を満たすには少なかったが「すぐ寝ちゃおう」と思っていたので良しとした。




20時過ぎには寝落ちしたと思う…そして深夜にゴォォォォーーーーという強烈な音で目が覚めた。テントをたたく大粒の雨の音だった。時計は23時を差している。

雨はやがてバケツをひっくり返したように激しくなり、そして小降りになりを何度も繰り返した。テントの四隅から水が浸入してきたので、雑巾で拭き取って前室で絞ってを繰り返した。しかしその作業も追いつかなくなり寝袋や着替えなど濡らして困る物はマットの上に避難させ、自分は横にもなれなくなったので座ってじっと雨の轟音を聞くだけの時間になった。

起きていると足りなかった夕食のせいで激しい空腹感に襲われる。ビールももう無い。あの時、工事現場で引き返して月山の近くのキャンプ場へ行けばよかった…と深く後悔した。深夜、山奥で独りぼっちで大雨をテントで凌ぐ虚しさ。普段、単独行動派を誇りに思う自分も、この時ばかりは誰か話し相手が欲しいと寂しく感じた。

「あのー、大丈夫ですか?」

外から突然に声がしたので激しく焦った。野宿していて怖いのは動物や幽霊よりも人だ。しかし冷静さを取り戻すとどうやら恐れる者ではないらしい。テントのファスナーを開けて外の様子を見ると作業服を着た高年の男性が心配そうにこちらを見ていた。

その背後には夕方に見た管理棟のような場所に停めてあった白いバンがあった。雨の音が激しすぎて車が来た音は聞こえなかったようだ。どうもこの場所で野宿している自分に何か緊急性を感じたのか、心配して声をかけてくださったようだ。人の優しさがやたらしみる。

「ありがとうございます。大丈夫ですから…夜が明けたらすぐ出ますので」

そういって林野庁か土木関係の人らしき方々にお礼を告げた。白いバンの中には5人くらい乗っていたが皆心配そうにこちらを見ていた。時間は深夜0時半だった。

ちょうどその頃、雨はぱったり止んでF650GSダカールとテントのある場所はシーンと無音の空間に変わった。人と話したことでホッとしたのか、その後は朝まで熟睡してしまった。

翌朝、昨夜の大雨が嘘のように晴れた。もし今なら日向にテントを干して乾燥させてから撤収だが、当時はキャンプのノウハウも浅かったのでグショ濡れのテントを無理やり収納してズッシリ重いバッグをF650GSダカールに積載して出発した。

濡れた森が朝日に輝いて息をのむほど美しい。その空間をバイクで駆け抜ける爽快感は昨夜の憂鬱を忘れさせてくれた。スタンディングポジションでF650GSダカールのステップに立ち、全身にフィトンチッドを浴びてアクセルを開けた。茶色い水たまりも粘土のような泥も、不思議と気持ちよく通過できた。

間もなく麓の集落か、という地点でアンテナ設備のような所が見えてきた。そこで昨夜の白いバンと作業員のような人が2人見えた。バイクの音でこちらに気が付いたようで笑いながら手を振ってくれた。




あとがき

今回はノンフィクションで書いてみました。独りぼっちになりたくて旅に出たが、結局最後は人の優しさに救われたという旅のエピソードです。しかしこの経験が朝日スーパー林道だったか他の林道だったのか?の記憶が曖昧で場所だけが微妙です。とりあえずたぶん朝日スーパー林道という事で…。この時、食料が足りなくて深夜に虚しい思いをした経験から、以降の私の旅では食料を多めに買いすぎてしまう傾向になりました。それは現在でも変わらず、結局食べきれなくて家に持ち帰ることになります。

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レンズフィルターは必要なのか?

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、夏休みのツーリングの計画は立てられましたか?今の状況ですとツーリングに出かけるときもお店や宿に入ったとき用にマスクを持って行った方がいいですね。コロナ時代の新しいバイク旅のスタイル…?といってもバイクに乗ること自体は密ではないので、立ち寄りスポットや宿泊をどうするかが変わってくる所でしょうか。

私の場合は以前よりソロツーリング派。宿泊はキャンプ、人の多い観光スポットは避けていたので、ほとんど変わりないと思いますが…。

さて今回はカメラ、レンズの話題に触れてみたいと思います。つい先日、知人から「フィルターは色々と揃えるものですか?」という質問をいただきました。レンズに装着するフィルターは様々な種類が存在しますが私の場合は2種類しか使っておりません。




かつて数多くの種類があったフィルター。デジタル写真が主流である現在、その多くは無用の長物となってしまい、今生き残っているフィルターはC-PL、ND、プロテクトの3種類くらいでしょうか。夕景をマゼンタにするトワイライトフィルターや色を調整するエンハンサーなどはカメラの設定やカメラを買った時に付属しいてるソフトで調整できてしまうので今はもう使っている人は少ないと思います。

夜景の光を線状にして交差させるクロスフィルターなんて物もありましたが最近はめっきり見かけなくなりました。かつての流行だったのでしょうね。

NDフィルターとはサングラスのように減光させるフィルターですが明るい場所でスローシャッターが欲しい時、絞り込みだけでは不十分な時に役立つものです。ツーリング写真ではあまり出番がないと思います。

私の使っているフィルターの1つはC-PLフィルター。偏光フィルターとも呼びますがガラス面を写す時に反射を押さえたり晴天時のギラつきを軽減したりします。釣りをする人が使う偏光サングラスと同じです。C-PLのCとは回転することを意味していて回転させると偏光の度合いが調整できるのです。空や海をより鮮やかな青にできるので風景写真家がよく使うフィルターでもあります。

C-PLフィルターは私の場合はほとんど出番がないのですが虹が鮮やかに写るという意味でいつも持ち歩いてはいます。しかし実際に虹のシーンで試した経験はないです。露出も2段程度は暗くなってしまうため風景の場合であっても通常は使用しておりません。

もう1つはプロテクトフィルターといってレンズの前玉を万一の衝撃から保護するものです。出来上がる写真とは直接関係なくバイクに例えるとスライダーやクラッシュバーのような役割を持ったものです。

プロテクトフィルター、付けていて本当に良かったです

実はかつてプロテクトフィルターが見事に役に立ったことがありました。氷点下の撮影現場で長時間にわたり撮っていたときです。レンズを交換しようとバッグからEF-24-70mmF2.8L(高い!)を取り出したとき、かじかんだ手が言う事をきかず手からレンズが滑り落ちてガチャン!となりました。非常に嫌な音がしましたが音の正体はプロテクトフィルターのガラス面が割れた音であり、肝心なレンズはほぼノーダメージだったのです。




衝撃は壊れることで吸収されるのものですがフィルターが割れることでエネルギーは吸収されて大切な物は守られるのですね。

よく似た話ですがレンズフードでも同じようなことがありました。これは割と最近の出来事なのですが望遠ズームレンズEF70-200mmF2.8L(これも高い!)を装着して三脚に固定していた時です。風の強い状況だったのであまりカメラポジションを高くしたくなかったのですが、地面に咲く花を逆光でとらえたいシーンだったので強風を加味しつつ可能な範囲でハイポジションにセットしました。

しかし予想しない突風が吹いてしまいあえなく「ガチャン」と、やはり嫌な音を立てて倒れてしまいました。しかしダメージはレンズフードが割れただけで、先ほどの話と同様にレンズ本体はほぼノーダメージで済みました。

フードならいくらもしませんし純正ではない物であれば通販で激安で売っています。レンズが割れたときの修理代を考えたら安いものです。

レンズフードは着脱が面倒ですが原則として必ず装着しています。フレアやゴーストの軽減だけでなく、このような不測の事態に大切なレンズを守ってくれる役割があるからです。




 まとめ

・デジタル写真が主流の現在ではフィルターの役割は減った

・プロテクトフィルターは万一に備えて装着しましょう

・C-PLフィルターは露出で2段程度暗くなるが空や海を鮮やかに撮りたい場合に有効

・NDフィルターは明るい場所でスローシャッターが欲しい時に使う

・色を変えるためのフィルターはデジタル写真には不必要と言える

今回はこの辺で!!

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ちょっと技アリな?スマホで撮るツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、最近のスマホってカメラ機能がすごく優秀ですよね。最新のiphoneでは一眼レフで撮った写真のように背景をボカしたり、暗部がつぶれないよう自動で調整してくれたりで本当に良くできています。

スマホのカメラ機能って光学的な部分がどうこうではなくアプリケーションのAIが気が利いているのだと思います。きっと撮影者はこう撮りたいのだろうな、という予測がすごく的確なのですね。これって普通のカメラにはなぜか搭載されていませんよね。カメラメーカーの考え方って露出でもフォーカスでも平均的な値を出すことに縛られているように感じます…。

しかしいくら最近のスマホのカメラ機能が優秀だからと言ってどんな写真も実現できる訳ではありません。強烈な逆光、超望遠、深度やピント位置を微妙にコントロールしたい…他にもありますがカメラではないと出来ない事はまだまだ沢山あります。

今回は一眼レフカメラとスマホがコラボしたような、少々の遊び心で作ったユニークな写真をご紹介したいと思います。

iphone???

先日、自分の体調不良と、とある所用が重なり休日であるにも関わらず家から一歩も外に出れない日がありました。




都の将軍様は言いました「一休よ、今日はこの家から一歩も出ずに最高のツーリング写真を撮ってこい」。

さあ、困りました。一休さんはオートバイに乗るどころか家から一歩も出ずにツーリング写真を撮るよう将軍様から命ぜられてしまいました。ここで一休さんは得意の「とんち」をきかせます。

 ポクポクポクポクポクポク…

 チ~ン ひらめいた!

まずはスマートフォンのカメラアプリを起動させ、画像は何でも良いのでスクリーンショットで保存します。ここではカメラアプリの枠だけが欲しいのです。そして保存したファイルを一度パソコンに転送します。




次に過去に撮った画像の中から良さそうな写真を1枚選びます。今回は海岸での朝日のシーンで撮ったR1200GSアドベンチャーの写真をセレクト。そして先ほど保存したカメラアプリの画像とペイントツール(ウインドウズに元々入っているソフト)で合成します。

別の画像と切った貼ったという合成はPhotoshopの仕事ですが、ここでは誰でもできるようペイントツールを使ってみました。

こんな画像ファイルを作ります。あたかもiphoneで撮ったみたいですね。そして、これを再びスマートフォンに送ってカメラロール等に保存しましょう。

あとはスマートフォンでこの画像を表示させた状態で、家の窓を開けて夕陽に向かってかざし、一眼レフで撮るのです。両手でスマートフォンを持つので一眼レフは三脚に固定してセルフタイマーを使いましょうね。

指の形は写真デザインの観点から、最も画面内で美しいと感じられるポーズを検討します。背景となる部分とスマートフォンの画面内の風景に、なるべく矛盾が発生しないよう絞りは開放を選択します。

これで晴れて家から一歩も外にでないで撮った、ツーリング写真の完成です!どうですか?将軍様!えっ?ずるいではないかって??それを言ったら一休さんだって結構ずるいですよ!




合成した写真はコンテストには応募しないでくださいね。それとSNSで発表する場合も、合成であることを事前に開示した方が良いかもしれませんね。あくまで遊びですので!

しかし、こういった写真は例えばあと10~20年後に見ると、また違った印象になるものです。だってiphone7なんて思いっきり時代性を写しちゃってるではありませんか。10年後に見たら「うわ~懐かしいiphone7だ!」、20年後に見たら「うわ~懐かしい、スマートフォンだ!」みたいなね。

今回はこの辺で!

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