誰も教えてくれない絞りの使い方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ツーリングに行かれていますか?私は今年に入ってからまだ1度も県外へツーリングに行けておりません。来月は志賀高原か裏磐梯あたりの涼しい所へキャンプツーリングに行きたいと思っております。

さて今回はカメラの絞りを調整することについてビギナー向けの解説を書いてみたいと思います。絞りと言えばレンズ内部にある穴ポコの大きさを変え、カメラ内に取り込む光量を調整できることですよね。表現手段としての効果はボケ具合、逆に言うとピントの合う範囲が調整できることです。これらはカメラの説明書にも書いてあるのでビギナーの皆さまもご存じですよね。

絞り込むとF値という数値は大きくなり穴ポコは小さくなる。するとピントの合う範囲は奥行方向に深くなりトレードオフとして取り入れる光量が減るのでシャッター速度が遅くなります。絞りを開くとその逆で背景や前景がボケやすくなるのですね。

しかし実際の撮影シーンで絞りをどのように使って良いか分からない人、何となく分かっているけど完全に理解しないまま写真を撮り続けている人は多いと思います。今回はツーリング写真において絞りを実践で応用できるよう作例を元に解説してみます。

 

EOS6D mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG C

毎度同じような事を書いてしまいますが「作品の主題はこれです」という事を最初に決めましょう。その上で「こんな風にみせたい」という空想の写真を脳内に描きます。これがないと絞りに限らずピント位置も構図もフレーミングも…何も決められないのです。

この作例は北海道のとある国道で撮ったものです。連続する矢羽(積雪時に路肩部分を指し示す雪国特有のもの)がどこまでも続く道ですが超望遠レンズで圧縮して間隔を詰めています。絞りはこのレンズの解放であるF6.3で撮っているのですがピント位置はR1200GSではなく道の先に合わせました。

ピント位置、ボケ具合、被写界深度(ピントの合う範囲)は主題へのアプローチとして機能させましょう。それと同時に主題を浮き立たせるよう演出に使うのが被写界深度のコントロールなのだ、とひとまず覚えてしまいましょう。

この作例の場合は道の先へ意味を持たせました。この撮影シーンでは車の途切れたオールクリアーの写真も撮りましたが、それではありきたりなので敢えて一般車が複数台入るカットを採用しています。その事で道の先には町や集落など人の営みがある地が待っているのだな…という事を見る側へ想像を誘います。「この道の先にはきっと…」が重要なのでピント位置は道の先、それを浮き立たせるため絞り開放で手前の方はボカしたのです。




EOS6D mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG C

うったえたい一つのモノ、コトを明快かつ魅力的に伝えるにはどうしたら良いか?見る側へそれを誘導してあげる何らかの手段が要求されるのですが、それが構図であったり今回ご紹介する絞りのコントロール(被写界深度のコントロール)といった手法なのですね。

この作例の場合は岩に砕ける波の様子が主題ですが、画角と撮影スペース(これ以上後ろに下がれない)の関係でR1200GSがけっこう大きく構図されてしまいました。この構図で絞ってしまうとバイクの存在感が強まって波の印象が際立ちません。

この撮影シーンも何枚もシャッターを切ったのですが、このカットだけは飛沫の様子が翼を広げたドラゴンのようでユニークだなと感じたので採用カットにしました。この作品の主題は岩に砕ける波の様子です。それが最も分かりやすく魅力的に見えるように絞りを選択しています。

遠景に船、岩に砕ける波、R1200GSで大まかに3レイヤーで構成された構図ですが意味を持たせたいのは「岩に砕ける波」なので合焦点は1ポイントでOKです。1ポイントの場合は簡単ですがもし別の意図を作ったとして波の様子とR1200GSの2ポイントにピントを合わせたい場合、両者の距離と選択しているレンズの焦点距離から絞りを決定させます。例えば波とR1200GSの間が15mくらいとしてレンズは200mmを選んでいたとします。その場合最低ほしい被写界深度を計算すると絞りはF11になります。そして重要なのはマニュアルフォーカスに設定してピーク位置を波とR1200GSの中間に置くことです。もっとも更に絞ればピーク位置は気にしなくても2ポイントにピントが合いますが、それでは砕ける飛沫を瞬間として止めるシャッター速度が得られませんし、遠景の船にまで合焦してしまいイメージ通りの写真になりません。




これは主題を浮き立たせるように見せているだけでなく、ボケそのものを演出に使っている例です。前景になっている枯草に夕陽の逆光が当たりキラキラとハイライトが入りました。絞りを開いてこのキラキラをボカすと一般に言われる玉ボケ、レモンボケという効果が得られます。

一眼レフをはじめて買った時、みんなやるヤツなので「これは知っている」という方も多いのではないでしょうか?ここでも先ほどと同様に玉ボケ自体がどうこうではなく、作品の主題(この場合は夕陽に輝くキャンプ地)を魅力的にするための演出手段であることを忘れずに使いましょう。「黄金のキラキラに包まれたキャンプ地」といった具合に表現を言語化しても良いと思います。

玉ボケは人物の背景に使うと効果的ですがツーリング写真の場合はバイクの各パーツに入ったハイライトをボカすと面白い演出になります。




はじめて一眼レフを買って最初に写真を撮るときに、ビギナーの方が途方に暮れてしまう絞り。奥行方向に並べた鉛筆などを作例に絞りを変えると深度が変化する様子はネットやハウツー本によく載っているので知識としては理解できた。しかし実際の撮影で応用できない。結局、Pモードのままいつも撮っている、あるいは適当に絞りを設定している…なんて方も多かったのではないでしょうか?

知識は自分の撮る写真に応用するときに思考しないといけません。思考ばかりは他者を頼ることなく自分でしか出来ない事です。今回ご紹介した3つの例はほんの一部にすぎず、その他にも絞り、深度をコントロールすることで様々な見せ方があると思います。大切なのは最初に「撮りたい写真のイメージ」を想像することです。そのイメージは言ってみれば完成予想図であり、それを実現させる手段として相応しいのは絞りなのか露出なのか構図なのか?を探ってみましょう。

想像と思考をなくして良い写真は実現しません。

今回はこの辺で!!

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バイク写真の構図☆基本中の基本☆徹底マスター

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、最近ニュースを見ているとオートバイの事故が多いようですね。多くは車との接触事故やバイク側のスピードの出し過ぎが原因のように見受けます。特に車との交差点での接触事故、いわゆる右直事故が目立ちますね。

ドライバーから見てバイクは小さく見えるので距離感や接近スピードを見誤ることが多くタイミングを間違えて右折してくるケースはよくあります。本来ならドライバー側にバイクに対する意識をもっと高くもってほしいのですが、他者に期待しても仕方がありません。我々ライダー側が「あの車は曲がってくるかも」と常に疑うようにしましょう。

それとバイクのウインカーの消し忘れも危険ですので気を付けましょうね。ウインカーが付けっぱなしだと本人は直進のつもりでも対向車から見れば「あのバイクは曲がるのか」と誤認させますので大変危険です。R1200GSの場合は約100mで自動で消えますが。




さて今回の<初級>ツーリング写真解説ではバイク写真の基本の基本、三分割構図をもう一度おさらいしてみたいと思います。

地平線をグリッド線に、ライダー+バイクを交点に置いた三分割構図

三分割構図と言えば写真の世界では超有名な基本ですので多くの方がご存じだと思います。このように三分割されたグリッド線に準じて被写体や景色を構図していく手法ですね。以前から何度も書いていますが構図とは被写体や情景が写真と言う二次元の画になったとき、現実の様子が線形となって印象や視線誘導として機能するものです。そして観賞者を作品の主題へ導くよう案内図のように機能すべきものですが、ビギナーの方には難しいところですよね。

構図に限らずデザインやフレーミングも同様ですが作品の核心ではなくあくまで基礎工事のようなものです。確かに重要だけど最重要ではない…しかし知識も応用力も持っておいた方が良い、それが構図です。

さて有名な三分割構図ですが皆さまは使えていますでしょうか?三分割構図の使い方は1.交点に被写体を置く 2.水平線や建物等の境界をグリッド線に合わせる 3.グリッドのマス目を面として使う 4.これらを複合的に組み合わせて使う 5.日の丸構図や三角構図など他の構図と組み合わせる といった使い方があります。もちろん「この写真では三分割構図は使わない」という選択肢を選ぶときも三分割構図の知識を持っていないと出来ないものです。

では三分割構図の知識とは何ぞや?といいますと単純に言ってしまえば奇数の魔力です。2等分はダメだけど3等分は美しい。5や7も美しい。この奇数がもたらす美的バランスの神秘です。

なぜそうなのか?は私も分かりません。人間のDNAやオウムガイの断面に1:1.618の黄金比であるフィボナッチ数列スパイラルが存在しているのと同様に比率は生命の神秘に通ずるものがあるのです。この写真のように2等分すべき正当な理由なく2等分してしまうと、誰の目にも美しいとは感じられない陳腐な写真に陥るのです。




「正当な理由なく」と書きましたが1:1が絶対にダメな訳ではなく例えば双子の赤ちゃんとか富士山のようなシンメトリーな被写体、とにかく等しいということを表現したいときは1:1が有効です。しかしバイク写真、ツーリング写真ではあまりこういった場面はありません。

面でも交点でも背景と被写体の割合でも、とにかく1:1は避けるべし!とひとまず覚えておきましょう。少しずらすのが美しい…何をするにも1/3単位で…これが多くの芸術での基本になっているのです。

これは右下の交点にR1200GSを配置した三分割構図です。「ちょっと左にずれてない?」とお気づきの人も多いと思います。ここではR1200GSのド真ん中に交点を持ってくるのではありません。ド真ん中に交点を置いたらR1200GSに対して交点の位置が1:1になってしまうのです。ここでも3分割を意識して交点の位置を決めます。(小さな被写体でしたらド真ん中でも大丈夫ですが)

三分割構図に準じるとは逆に言うとあらゆる部分で1:1という等分を避けるという考え方です。背景とバイクの割合を等分にしない、船とバイクの存在感を等分にしない。比率の世界では1に黄金比 1:1.618(5/8)、2に白銀比 1:1.4142(√2)、次いで青銅比や第二黄金比などがありますが、ここでは簡単に考えておよそ1:1.5、つまり三分割は正義なのだな!と覚えてしまいましょう。

この作例では前景の船体を下の分割線、マストを右の垂直分割線、R1200GS+ライダーの位置を左上の交点に合わせた三分割構図です。このように複数のポイントで使用することであからさま三分割構図を回避して写真の構造を暗号化することができます。

もちろんこの位置に合わせるのはピンポイントなアングルを探る必要があるので精度よく動くことや画角の感覚をしっかり身に付ける必要があります。ビギナーの方はいつか挑戦してみてくださいね。




最初にご紹介した悪い例の1:1の写真はSNSなどを見ていると結構よく見かけます。一方で「これは三分割構図を上手に使った写真だな」と思える写真は驚くほど少ないと思います。三分割構図がこれほどまでに有名なのに一体なぜ…その根底には情報化が進んだ現代社会にもあると思います。

「写真の上手な構図」と検索をかければ三分割構図や日の丸構図などの使い方が星の数ほどヒットします。現代の多くの人は必要な情報、困ったことをネットで検索し情報を得ようとします。しかし「なるほど三分割構図ね」と知識をつけたつもりでも自分で考えて応用しなければ実りません。知識だけで終わらせず考えて苦しんで感覚で覚えて、そして理解できればようやく習得になると思います。

自力で理解して習得すると選択肢が増えます。今回の三分割構図であれば線や交点の使い方だけでなく「三分割構図を今は使わない」という選択にも理由を持てるようになります。もちろん三分割構図に限らずデザインやフレーミング、露出やホワイトバランスも全てそうです。ネットで調べた知識をきっかけにするのは悪い事ではありませんが、それを元に自分で考え試行錯誤し理解につながったときに初めて習得です。

毎度偉そうに書いてしまいますが本当の意味での習得を目指してぜひ知識だけでなく「自分で考える」を意識してみてくださいね。

基本中の基本 三分割構図の解説でした!!

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走りながら偶然をキャッチする奇跡のツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、だいぶ蒸し暑くなってきましたね。バイクウェアー、キャンプ道具などクローゼットや押し入れに仕舞ったままにするとカビが生えやすい季節です。定期的に出して天気の良い日に太陽に当ててカビを防ぎましょうね。





さて今回の究極のツーリング写真ではバイク走行写真(コクピット風景)の写真を作例に偶然をキャッチするセンスについて書いてみたいと思います。偶然をキャッチするセンスといっても偶然は偶然なのですからセンスも何もないですよね…。ここでは複数カットの内の本来は捨ててしまうような予定外のものが写った写真から「いや、まてよ…コレはコレで有りかも!」と採用カットにしてしまうセンスについて触れてみたいと思います。

バイク走行写真というと走っているバイクを他の誰かが撮る写真と、自分が運転している時に見ているコクピット風景の2つがあります。コクピット風景は私も大好きでよくやります。

以前も書いたことがありますがコクピット風景は安全運転であることを強くアピールしたいですね。片手運転やスピードの出し過ぎがないことが写真からよく分かるように心がけております。

今回はコクピット風景の撮り方については詳しくは触れませんが、簡単に書き留めておきますとカメラはストラップを最短に調整し首から下げる、シャッターはインターバルタイマーを使用する、シャッター速度は1/40程度と遅くして風景を流す、といった感じです。

今回ご紹介する作例のようにタンク周辺からライダーの両手までしっかり画面内に入れるとなると、フルサイズ一眼レフで14mm程度のワイドレンズが必要になります。今回はSIGMAの12-24㎜F4.5-5.6DGという超ワイドズームレンズを使用しました。




さて、今回のツーリング写真解説の本題である「偶然をキャッチするセンス・・」のお話です。コクピット風景の場合は特に予定外の被写体が登場して撮影者を楽しませてくれるものです。

つい写真をやっていると「余計なモノを入れない」「邪魔なものは排除する」とイメージ通りのオールクリアーに固執してしまうものです。しかし本当に余計なモノかどうかは再考する余地があると思います。今回の作例は南房総の人気ツーリングルートである房総フラワーラインですが、キャンピングカーやコンテナが並んでいる所を通過した瞬間にこのような写真になりました。コンテナに書かれている「Lucky’S」の文字が綺麗に左上のスペースに収まりました。

写真に写った文字とは不思議な効果があるものです。日本語であれば自然と読んでしまいますし外国語が書かれていればオシャレな雰囲気になります。これを見た時にサーフトリップ系の雑誌カットを連想したのでプリセットもその雰囲気に近いものを選んでみました。

しかし今回の撮影シーンで私が最も気に入った1枚はこれです。対向車線から来る白い軽バンとすれ違う瞬間を捉えた写真です。これもまた先ほどと同様に今度は右上のスペースに綺麗に収まってくれました。まさに奇跡ですね。

本来、こういったシーンでは他車が1つも存在していないオールクリアーを狙いたい所です。その方が風景の最果て感や道の存在感が際立ちますからね。しかし実際には道路は自分だけの舞台セットではありませんから対向車も来ます。帰宅して写真セレクト作業をしている時に、イメージには存在していなかった他車が写っているからといって有無を言わさずボツにするのは少し勿体ないです。

この対向車線からやってきた白い軽バンは地元の素朴な雰囲気を象徴しているみたいで個人的にとても気に入りました。これがもし赤いフェラーリや厳ついミニバンだったらこのような素朴な雰囲気にはならなかったと思います。この軽バンだからこそ出せる雰囲気なのですよね。




今回は走行写真(コクピット風景)としての偶然をモノにするセンスについて書きましたが、これは普通の風景写真でも同様です。当初のイメージにはなかった予期せぬキャストは必ずしも邪魔扱いすべきとは限りません。あっこれもアリかも!と思えばラッキーな1枚を実現できるかもしれませんよ。

今回はこの辺で!!

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写真が上達する【ぶっちゃけ〇〇】講座

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、上達や進化を実感して写真をやられていますでしょうか?何年もやっているけど以前と変わり映えない…上達したいけど出来ない…こんなお悩みをお持ちではありませんか?

上達や進化を実感できないと、当然ですがおもしろくないものです。通勤途中に咲いているアジサイを「きれいだな!」と思って撮ってみても、ストレージ内には去年も一昨年も全く同じような写真が…これでは面白くないですよね。継続は力なりなんて言いますが継続の秘訣は日々進化を追求しそれを実感できた瞬間に感じる遣り甲斐だと思います。

今回はビギナーの方を対象に写真が上達するための具体的な要素を箇条書きで【ぶっちゃけ】で書いてみたいと思います。




・肉体的な上達

これは写真の場合はあまり多くはないと思うのですが技能的な面での上達のことです。カメラをしっかりホールドし軸足を意識してブレない姿勢を作る。シャッターボタンは指の腹でゆっくり押し込むように押す。ファインダー内で水平や垂直をグリッド線に頼らず精度よく出す。といったことが技能面での上達になります。

たとえばこういったシーン。日中でも光量が乏しく且つ絞り込んで深度を確保したいとき。無情にもシャッター速度は低下してビギナーでは容易くブレ写真を生んでしまいます。

拡大するとよく分かるブレ写真

ブレ写真に関わらず主に覚えていただきたい重要なことは3つです。1つ目はこういった時にシャッター速度が遅くなってブレ写真になりやすい、という知識を持つこと。2つめは三脚にカメラを固定する、無ければISO感度を上げるなど策を講じる手段を身に付けること。3つめは少々シャッターが遅くても手ブレなどしない技術を身に付けること。知識、手段、技術の3つです。どれかが欠けていたり1つだけが突出していたりしないようバランスよく学びましょう。

肉体的な技術の習得という意味ではこれもそうです。水平線を完璧に水平にする、あるいは建物の境界など垂直線を完璧に垂直にして撮る技術です。まず写真において水平線や垂直線が存在した場合の扱いを知識として習得すること。水平が何らかの理由で精度よく出せない場合の策を講じること。水準器などに頼らず感覚だけで完璧な水平を出せるよう技術を習得すること。

誤解のないように付け加えておきますが写真において必ず水平や垂直を完全に出しましょうという意味ではありません。画面と言う長方形の四角内において真の安定(または意図的に作った不安定)を再現するための「感覚的なデザインの水平」ですね。もちろん海岸や塔などがある風景でそれ自体の水平や垂直に意味を持たせる場合は、本当に水平垂直をビシっと出す必要もありますが。

これら肉体的な技能面の上達はとにかく数を練習する以外にありません。ピアノやゴルフが上達するにはどうしたら良いか?と聞かれれば「練習しましょう」となるのと同様です。

・気付きの繰り返し

失敗やうまくいった例を元に「あっそうゆうコトか」と自分で気が付くことを繰り返して上達していきます。いくらネットで情報を仕入れても所詮は体験したことには適わないものです。実際に自分でやって体験してはじめて経験値となり、やがて上達するのだと思います。

たとえば三分割構図だったら、三分割構図にしたかったけど出来なかった写真、三分割構図の交点で撮れた写真、三分割構図のグリッド面で撮れた写真…そして三分割構図など使わなければよかったと後悔する写真。これらを何度も実際に撮ってはじめて習得したと言えると思います。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

ツーリングを終えて帰宅して写真を仕上げているとき、あるいは写真を撮ってから何年も経ったときなど。写真を見返して後で気が付くことはよくあります。「あっそうゆうことか」と。自分が撮った写真を見返す時間は特別な時間です。もし自分が過去に撮った写真など見たくもない…という方がおられましたら、それは問題です。自分が好きなことを好きなように撮っていなかった、あるいは自分と言う人間が嫌い…という事ではないでしょうか。

私はかつてメーカーに勤務していたとき、カタログに掲載する製品の写真をよく撮っていましたが、そういった「仕方なく撮っていた…」という写真を今になって見返したいとは思いません。しかし15年前のツーリングで撮った下手な写真でも今になって見返すと特別な1枚に感じるものです。

写真って人に見せて感動を…なんて言う芸術なのかもしれませんが、ぶっちゃけ極論を言ってしまうと自分のために撮っているのですよね。だから自分の好きなように撮って下手でもいいので大好きな自分の写真をコレクションしていきましょう。それを見返す素敵な時間の中で「あっそうゆうことか」という気づきになり次の写真へ繋がるものです。




・失敗の検証

明らかな失敗写真を撮ってしまったとき、誰だってその写真をもう見たいとは思わないですよね。すぐ削除です…。

しかしビギナーの方はご自身が撮ってしまった失敗写真も大切な教科書です。何年かして見ると考えも変化する場合もありますし、念のため失敗写真もストレージに保存しておきましょう。そしてうまく撮れなかった苦い経験は次の撮影で必ず生きてきます。もうあの時のような失敗はしないぞ、と。

たとえばこんな平凡なツーリング記念写真を撮ってしまったとします。帰ってからでいいので何がどうイマイチなのか自分が先生になったつもりで分析してみましょう。何度も自問して苦しんでください。「海でバイクを停めてソコで撮った」それがどうした?何が足りない?と。露出がアンダーだとかポジションが目線の高さで平凡だとか、風景の特徴が表現しきれていないとか…できるだけたくさんのダメなポイントを挙げてみましょう。

その時、何も分からず惰性的にシャッターを切ったダメな自分を明らかにさせておくのです。きっと撮った時は「こんな風に撮りたい」「この風景を写真にしたらこうなるだろう」というイメージ写真を脳内で想像できなかったのではないでしょうか?この1枚の失敗写真はあの時の景色を何もしないで写真にするとこうです、というリザルトです。

何も感じなかった、何も想像しなかった、何も工夫しなかった。被写体を見る目も感受性も足も、何もかも未熟だったことに反省をしましょう。これをやっておかないと次回の撮影もまた同じことを繰り返してしまいます。

・写真に対する見識を豊かに

「なかなか上達できない」とお悩みのビギナーにお勧めする効果的なやり方をご紹介します。それはズバリ!写真が上手くなりたい、カメラに詳しくなりたい、という考えを一度捨てることです。関心の対象を写真という芸術により向けてみましょう。

ビギナーもベテランも目指すのは「いい写真」です。しかしいい写真を定義するものは何もなく、いい写真とはいつも見る側が主観的に決めるものです。経験の浅いビギナーの方はカメラのことに詳しくないのと同様に写真についても詳しくないものです。そこでビギナーの方はキレイに撮ること、整った構図で撮ること、上手な写真というのを「いい写真」であると誤解してしまうものです。

意図的に露出オーバーにした写真

下手だけどいい写真、露出オーバーだけどいい写真、ブレたけどいい写真。…それは撮影者が感動したことがきちんと写っている写真です。整った構図やお手本のような露出だけでは「いい写真」は成立しないという意味が多くの写真を見ることで理解できると思います。

もちろんバランスの良い構図や適正露出など上手に撮る事は大切なことですが、それが全てではないという事です。いつも感心の対象を写真にすることで1つのアートを学ぶ意識を持ちましょう。写真をやるぞ!と決意した人はアートの門を叩いたという事なのですね。




自分が撮った写真に限らず他の人が撮った写真や有名な写真家の作品を見ることも悪くありません。ノージャンルで様々な写真作品を観賞することで写真というアートの見識を深めるだけでなく、自分の好みを知ることもできます。

ぶっちゃけ…上達しない人というのはカメラや撮り方にばかり関心を持ってしまい、写真がアートであることにいつまでも気が付かない人だったりします。

長くなったので今回はこの辺で!!!

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かけがえのない記憶風景をツーリング写真として作品に残す

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は私のツーリング写真独り言コーナーでいってみたいと思います。

当ブログ【究極のツーリング写真】では今までバイク写真、ツーリング写真に関わるあらゆることを綴ってきました。それはカッコいいバイクの撮り方であったり、ツーリング先で出会った風景の撮り方であったり…。そして撮り方に限らず写真という芸術をライフワークとして生きていくことや我々バイク乗りが見ている旅の世界と「写真」は親和性の高い関係であることなど、本当に色々と書いてきました。




そして誰もが憧れる「いい写真」についても何度か触れましたが、現在のところ私の解釈として「いい写真」とは、とりあえずですが次のように定義付けております。いい写真とは常に見る側が主観的に決めるもので撮る側としては永遠のテーマ。美しいかそうでないか、かっこいいか?そうでないか、心動かされる芸術作品であると感じるかどうかは見る側へ委ねられるものです。

撮る側としては本当は見てくれる全ての人へ感動を与えたいところですが実際はなかなか厳しいものがあります。個人の押し売りみたいになるかもしれませんが現状として私は「わかる人の心に響いてくれれば幸せだ」と思っております。実際に私の撮る写真はどこか地味ですしインパクトも欠いているかもしれません。何より流行を全く意識していないのでSNSなどで発表したところで「いいね」などの反応は少数です。

EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

しかしそんな事は気にしません。私にとってツーリング写真とは私自身がバイクで走り紡いだ記憶風景の断片です。誰かに見せて喜んでもらえたり、何かのお役に立てたなら尚更幸せですが、そうでなくても不満はありません。




あの日、あの時、写真を撮ったからこそ記憶に焼き付く旅のワンシーン。「あの時ああだった」と一枚の写真を手に取って、記憶のツーリング風景を回想できれば何にも代えがたい幸せだと思います。その為にはただバイクに乗るのではなく常に旅心を意識して走ること、一枚の写真がやがて尊い記憶に変化していくことを意識して一枚一枚に思いを込めてシャッターを切っています。

しかしそういった一枚一枚の作品はどこかアートではないだろうか?そう気が付いた時、究極のツーリング写真の目指す世界が見えてきます。「究極のツーリング写真って何が究極なの?」と聞かれればバイクで旅をする世界は人々が忘れかけた旅精神とライダーだけが見ている景色に芸術的な美が存在する…それを写真にすることが「究極」です、と答えます。

テーマこそブレていませんが、どのように表現していくかは未だ手探りでやっています。この「ツーリング写真」とやらが一体何なのか?いつか究極の表現を具現化できる日を夢にみて精進しております。

2020年6月 立澤重良




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ツーリング写真の構図☆重ねない配置テクニック

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、いい写真を撮ってライフワークを充実させていますか?暗いニュースばかりの世の中ですが仕事や私生活とは別に【写真というライフワークを持っている】という意識をしっかりもって人生を楽しみましょう。好きなこともできず仕事もうまくいかない・・・そんな時に1枚の写真にすくわれるかもしれませんよ。

さて今回はツーリング写真の構図についてビギナー向けの内容をさらっと書いてみたいと思います。写真において誰でも知っている用語「構図」。そもそも構図とは何でしょう?

被写体の大きさや配置…??きっと多くの方が漠然とこんな風に考えていると思います。そして「構図は大事である!」と。




私の勝手な構図の解釈は次の通りです。【目の前の風景や被写体は写真になった時に二次元の線形となり、それらが作品の意図へと導く案内図として機能するもの】といった具合になります。あくまで案内図、または建物で例えると基礎工事。ぱっと見た瞬間の視覚的な印象や安定、視線誘導などに役立つものだと考えます。

構図は表現の手段の一つであり核心ではないのですね。大事なのは確かかもしれませんが、それより大事なのは作品で伝えたい1つのことです。それは美や感情であったりメッセージであったり、幾通りも解釈のできる現代的アートであったり、作者の個性を発揮すべく写真の核心はここにあると思います。

つい先日、Facebookのタイムラインに入ってくる広告にこんなものを見かけました。カッコいいですね。しかし何か違和感があるのですがお分かりいただけるでしょうか?…そうです、悪夢の構図と言われる串刺し構図ですね。モデルの頭頂部のほぼ中央に背景にある建物の塔が突き刺さって一角獣のようになっています。

これを見た瞬間、思わず固まってしまいました。私の理解が及ばないだけで何か意味があってやっているのか?と自分を疑いましたが、どう考えてもおかしいです。プロのカメラマンであれば絶対にやらないミスですが、これは恐らくモデルと背景は別々の写真で、広告の製作部門が合成したのだと思います。これとは別カットで女性モデルの写真もあったのですが、そちらは重ねっていないのですから。

しかしこれが帽子の広告ときたのですから二度驚いてしまいました。写真の中で最も重要な主題の中央に背景の線、または図形などの線形要素を不用意に重ねないよう、読者の皆さまは是非気を付けてくださいね。




最悪の構図「串刺し構図」

ツーリング写真でよく見かけるのは風車や街灯や電柱といったものが、バイクやライダーの中心を射抜いている写真です。もちろん撮った人はわざとやったのではなく、特に背景など意識せずにパチリとやったのですから悪く言われる筋合いはありません。しかしこういったミスを生んでおいて高級なカメラや噂の撮影スポットのことで頭の中が一杯なのでは寂しい限りです。

もう1つ失敗例を。この場合はお弁当が主役なのですがご覧のようにヘルメットに重なってしまいました。セルフタイマーで撮っているので難しかったのですが、このような時にはEOS6D mark2のようにスマホと無線接続して遠隔ライブビューで確認すると失敗を防げます。

「こまかいな…」と思うかもしれませんが良作とは細部にまで作者の思いが宿るものです。こまかな部分まで徹底してケアすることは大切なのです。

串刺し構図や被写体が他と重なってしまう失敗写真。これは少しの配慮、少し左右に動くだけで簡単に処置できることです。これが出来ないようなら単純に雑だという事だと思います。面倒くさい、手間をかけられない、また撮りに来ればいいや…といった感じでは永久に憧れの1枚は実現しません。私はかなり大雑把な性格の持ち主ですが写真に関しては1ミリも妥協はしません。

大切なものに重ねない、重ならない、少しの配慮と動く足ですね。もちろん何か理由があって重ねるとか、スナップのようにリアルな刹那として仕上げるのであれば別ですが。

小さな違和感も見逃さない。細部に渡るまで徹底して詰めていきましょう。特に構図に関しては精度よく徹底して組み立てると最終的な仕上がりが見違えるものです。

ここで知識だけ付けるのではなく次回の撮影で実践し最終的に応用できるようにして下さい。




目の前の風景や被写体が二次元の写真になったとき、その線形が作品の主題に導くよう機能するもの。それが構図だとすると「二次元になったときの線形」とは刃物を扱うように注意しなければ串刺し構図のように悪さもするのですよ、というお話でした。

今回はこの辺で!!

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ツーリング写真と天の川の撮影方法 その2

前回より天の川とバイクを撮る撮影方法を解説しております。前回では天の川の写真を撮るための必要な機材、季節や時間帯、月齢、そして夏の天の川を撮るには千葉が意外なスポットですよ!というお話を書きました。今回はその続きで露出や構図について解説いたします。

前回の投稿 天の川の写真を撮るなら千葉だ☆バイク写真と天の川

では続きでございます・・・

・天の川の写真を撮る気象状況

EOS6D mark + SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG  F5 30SEC ISO3200

満天の大空に流れる天の川という写真にするなら14mmあたりのワイドレンズを装着して完全な快晴を狙いたいところです。しかし35mmや50mmのレンズで天の川銀河を大きく切り取るのであれば晴天であれば快晴にこだわる必要はありません。雲は風で流れてゆくのでタイミングをみて撮ればOKです。流れる薄雲がスローシャッターによって演出として機能する場合もあります。

むしろ悩ましいのは温度と湿度、海岸から撮る場合は海水温などによる霞みです。天気補予報で「沿岸部は濃霧に注意」といった予報の時は期待できません。




あとは実際に行ってみないと分からない部分も多くチャレンジ精神が要求されるものです。私の経験上、今日はイケるか!?と期待しても行ってみたら霞んでいてダメだった…なんて残念なことは何度もありました。標高の高い山の上から狙うなら霞の心配はそれほどありませんが、今回私がご紹介しているのは「千葉の海から撮れますよ!」という事なのでこの問題は海から狙う場合ならではかもしれません。

そもそも天の川の景色なんて特別なものですからいつも完璧に見れるわけではないのですけどね。

・天の川を撮影するときの露出設定

星景写真の経験がある方でしたら天の川だからと言って特別なスキルは要求されません。薄雲などで天の川の位置がよく確認できない場合はスマホを空にかざしてアプリで位置を確認してみましょう。そしてカメラを三脚にセットし大まかにアングルを決めたらフォーカスはマニュアル、撮影モードもマニュアルに、手ブレ補正のあるレンズは忘れずにOFFにしておきます。

星空の写真を撮るときの露出設定は夜空の明るさに合わせるのが基本です。例えば新月で14mmで撮る場合、F2.8であれば30秒のISO2000あたりで天の川は鮮明に確認できると思います。ここでポイントとなるのは選択した画角によって許容されるシャッター速度が変わってくることです。地球は自転しているのですから暗いからといって長時間シャッターを開ければ星は点ではなく軌跡を描いてしまいます。14mmのようなワイドレンズであれば30秒開けていても軌跡はさほど気になりません。しかし35mmや50mmで大きく天の川を切り取る場合は10秒程度に抑える必要があります。

これは50mmレンズで30秒シャッターを開けてしまった写真の拡大です。軌跡を描いてしまったことで全体がボヤけたような星空となり失敗写真となりました。星々が丸く円を描いている星景写真を皆さま一度は見たことがあると思います。あれは意図的に軌跡を描かせるため30分や1時間といったバルブ撮影をしたものです。

天の川や星景写真の場合、小さな星の1つ1つの集合なので、軌跡の影響だけでなく風などによるブレ、ピントの甘さ、遠くに飛んでいる航空機などがないか拡大表示して現場でしっかりチェックしましょう。

・天の川とバイクを撮るときのライティング

EOS6D Mark2 + EF14mmF2.8L

天の川の撮影といえば夜空に露出を合わせる訳ですからバイクのある地上サイドは何も光源が無ければ真っ黒に潰れます。上の作品は海へ続くS字カーブが美しかったので画面の割合として地上を多めに入れた天の川の作品です。ツーリング写真における天の川の作品なので空だけの写真ではありません。道やバイクなどの地上物をどう写すかが良作へのカギとなります。この写真ではカメラ背後のナトリウム灯が光源になっていて、バイクにはLEDライトを車体の向こう側から照らしてみました。

バイクを照らす用のLEDは強烈なものではなく100lm程度のダイソーのLEDでも問題ありません。カメラ側から照らすのが基本ですが上の写真のように逆側から照らしてしまうのも技アリだと思います。このようにただ撮るのではなく何かユニークなひと捻りを考えてみましょう。天の川の写真だからといってただ天の川とバイクを撮るのではなく、いつものツーリング写真と同様にユニークな表現やエキサイティングな設定ができないか?思考を凝らして個性を発揮しましょうね。




・天の川とバイクを合わせた構図の作り方

EOS6D Mark2 + EF50mmF1.8STM  F1.8 8SEC ISO3200

天の川は虹と同じように特別なシーンです。特別なシーンの怖いのはそれを写真に収めたこと自体に満足してしまうことです。バイクを置いてライトをセットし天の川が写っていればそれでOK!という写真では他の誰かが撮っているような写真と同じような写真かもしれません。

相手は真っ暗闇の世界なので難しいかもしれませんが、自分なりに表現したい部分を明確化して構図を作ってみましょう。上の写真の場合では大胆にも50mmレンズで天の川銀河を大きく引き寄せF1.8でピントピークを遠景に合わせバイクはボカしてみました。これはほんの一例にすぎませんが道を主題に写したり、モデルのポージングで天の川に対する感情を表現したりと工夫を凝らしてみましょう。

・天の川を撮影する際の注意事項

一つ目の注意点としてレンズの結露、夜露があります。結露がひどい場合は数分に一度の頻度でレンズをクリーナーで拭き取ることもあります。星景写真の専門の人はレンズヒーターを用意している人もいます。レンズの結露に気が付かず撮影に没頭していると明瞭さのないボヤけた写真が出来上がります。

もう一つの注意点は暗がりでモニターを確認することで正しく露出を判断できないことです。暗がりで目が慣れてしまうと真っ暗な画像もモニターのバックライトで明るく感じるものです。ヒストグラムを表示して確認するか念のため明るすぎると思うほどのカットも撮影しておきましょう。案外それが本来欲しかった露出という場合もあります。

飛行機を流れ星に見立てて撮った(撮れた…) 夏の猛暑日で下の方は霞んでいる

ビクセンポラリエなどの赤道儀は必要ないの?という疑問をお持ちの方も多いと思います。ネットで天の川の撮影方法を検索すると赤道儀が紹介されている場合が多いですよね。赤道儀は自転に合わせて空を追従してくれる物ですが、星座や星雲など空にあるものだけを撮るときに使う物です。地上物であるバイク等と一緒に天の川を撮るときにはメリットが出しにくいです。(1分くらいのシャッターであればバイクもさほどブレませんが、その程度であれば高価な赤道儀を用意するメリットがあまりない)

ポイントはバイク写真、ツーリング写真としての天の川風景ですので、地上物とどう撮るか?が重要になってきます。なので私は赤道儀は使っておりません(持ってもいませんが)。

・天の川のRAWデータをLightroomでレタッチする

天の川の写真をイメージ通りに美しく仕上げたい、という事であればAdobe PhotoshopやLightroomなどのソフトはマストであると言っていいと思います。撮影時はRAW+JPEGで記録しRAWデータを取り込んで作業を開始します。ここでは詳細には触れませんが天の川を美しく出すためにテクスチャ、明瞭度、かすみの除去などの機能を使ってレタッチします。暗くなってしまったバイクの露出を上げたり天の川銀河にハイライトを局所的に入れたりもします。

このようなレタッチについては実際の様子と異なる写真ではないか、として否定的な意見も散見されます。私の個人的な考えとしてはカメラは写しているのだから、それを美しく分かりやすく調整することには何の躊躇いも無用だと思います。なのでこれから天の川の撮影を本格的にやってみたい、という方にはLightroomを導入してイメージ通りに仕上げるレタッチに是非挑戦してみてください。

Lightroomを使って天の川の写真を仕上げる解説は別の機会に詳しく書いてみたいと思います。




 ~天の川とツーリング写真 まとめ~

・九十九里や南房総の海岸から天の川の写真が撮れる!

・ツーリング写真としての天の川作品は地上サイドをどう撮るかが重要

・春から夏に南東の空、新月や三日月のときを狙おう

・光害のない開けたロケーションで撮ろう

ちなみに天の川とは英語でmilky wayといいますが由来はギリシャ神話に登場する女神ヘレの母乳なのだそうです。

ツーリング写真における天の川の撮影方法でした!

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天の川を撮るなら実は千葉だ!天の川とバイク写真の撮り方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は星景写真・・・それも天の川の撮影ノウハウを解説してみたいと思います。すごくハードルの高いイメージですが恐らく皆さまが今お使いになってるカメラで天の川はキレイに撮影できるはずです。

ネットで検索すると天の川の撮り方はけっこう情報が出てきますが、今回はバイク写真&ツーリング写真としての天の川の写真の撮り方として私なりのノウハウを公開してみたいと思います。

天の川の撮影って天体の専門的な知識がないと難しいんじゃ…、カメラのベテランでないと写真にならないでしょ…?いいえ大丈夫ですよ。

EOS6D MARK2 + EF35mmF2 IS 千葉県南房総市




・天の川の撮影で準備するもの

まず天の川の撮影において必要な物からご紹介します。1.マニュアル露出できるカメラ(できれば高感度でも低ノイズなモデル)2.三脚(3型くらいのしっかりした物)3.一眼レフの場合は広角レンズ 4.LEDライト(キャンプ用のヘッドランプ 周囲の確認用に強力なライト バイクを照らす用に小さな物を1~2個) 5.レンズの結露を拭き取るレンズクリーナー 6.Sky ViewやStarwalkなどの星座観測用のアプリをスマホに入れておく 7.できればadobe Lightroomもしくはphotoshopのソフトorアプリ。などです。

天の川とバイクを撮るなら35mmがおススメ!

レンズは星景写真では14㎜などの超広角レンズから24mmくらいを使用するのが一般的ですが私が個人的にお勧めしたいのは35mmです。星空に流れる天の川を表現するなら14mmですが天の川銀河自体に絶対的な存在感を持たせるなら35mmです。(APS-Cカメラの場合は24mmくらいに相当します)

解放値はF2.8くらいは欲しいですがカメラが低ノイズであればF5.6くらいでも何とか許容できると思います。私も以前はキャノン純正EF14mmF2.8Lを使っていましたが今はSIGMA12-24mmF4.5-5.6DGにしましたが感度を上げても問題ありません。

それから天の川を撮るためにバイクで出かけるのですから夜間走行用の装備(クリアシールドなど)もお忘れなく。

・天の川の撮影ポイント

天の川の撮影で最も大事なポイントは撮影地選びです。天の川が目視でしっかり確認できるポイントでないと高感度が優秀なカメラでも解放の明るいレンズでも難しいです。

天の川がキレイに見える場所?と聞くと長野県や北海道などの山間部をイメージしますが、意外や意外なことに千葉県の房総半島もキレイに天の川が観測できます。と言うのも今の時期、天の川銀河が見えるのは南東の空です。房総半島の太平洋側、外房のエリアであれば南東の方向は海しかありません。

こんな感じで南東に遮るものがなく海!というロケーションであれば天の川の観測に向いています。伊豆半島は大島があるので微妙ですが下田よりも南なら良さそうですね。

外房の場合は険しい断崖や九十九里平野のような海岸が多いのですが、照明の無い広い駐車場や公園のような場所、高台の空き地などを探してみましょう。

これは南房総市千倉町の漁港で撮った1枚ですが街明かりや近くの街灯、灯台などの光があるとこのように影響を受けてしまいます。夜空の中心に天の川があるのですが殆ど確認できません。この写真は光害の影響を受けたけど、これはこれで不思議な写真になったと思い仕上げてみましたが…。イメージと違う物が偶発的に撮れてもそれは魚釣りで言う外道のようなものですね(ごく稀に傑作になりえますが)。

自分の目では真っ暗闇でも広角レンズをセットすると近くの街明かりなどが影響してしまうものです。カメラのすぐ背後にある道路の街灯なども影響しますが、これは場合によっては地上にあるバイク+ライダーなどを程よく照らす照明として機能する事もあります。




・天の川の撮影時期、時間帯

EOS6D mark2 + EF35mmF2 IS  F2 15SEC ISO1250

今回ご紹介する作品は春から初夏にかけての天の川です。8月、9月となると垂直になって再び斜めになっていくので主に縦構図での写真になると思います。ちなみに天の川は冬よりも夏の方が明るく美しく見えるそうです。

天の川の撮影で注意したいもう1つのポイントは月です。月明かりは肉眼で感じるよりも実際はとても強烈で星空の観測や撮影に大きく影響するものと考えましょう。簡単に覚えるのであれば満月やそれに近い月齢は避けて、新月や三日月くらいのタイミングが狙い目ということになります。

半月程度の月例の場合は月の入り時間をチェックしてみましょう。季節によって変動しますが夜明け前の時間に月没することも結構あります。




F2 15SEC ISO1250

この写真は先ほどのカットと近い場所で撮りましたが先ほどは新月、こちらは月齢9の半月(月齢14が満月)です。半月をカメラの背後に撮っています。露出設定は先ほどと全く同じでF2 15秒 ISO1250 です。ぜんぜん明るいのがお分かり頂けると思います。ちなみに方角的には目の前に天の川ですが、当然ですがこの設定ではほとんど天の川は写りません。

しかしこのような状況でも月没の時間が近いのであれば月没後の30分から1時間くらいでかなり夜空は暗くなるのでチャンスがあります。タイムリミットは日の出で空が明るんでくる直前です。解放の明るい広角レンズを持っていないしカメラも高感度に弱い…という方は肉眼では分からない程度に空が明るんでいる3時や4時に撮るといいと思います(徹夜の撮影になっちゃいますが…もうそうなったら朝焼けの景色も撮って帰るしかありませんね)。

それと天の川は南へ向かって移動するので長時間にわたり待機する場合はバイクとの構図がずれてくるのでご注意を。

長くなったので次回に続きます

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令和時代のツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、当ブログでは今までバイク写真、ツーリング写真に関わる様々なことを綴ってきました。ツーリング写真の魅力、人に見せて喜んでもらえる旅写真、そしてビギナーや壁に当たっている方へのヒントなど。

今回は久しぶりにギャラリーの更新も兼ねてツーリング写真とはいったい何だろう?令和時代におけるこれからのツーリング写真とは何か、バイク旅という文化と写真について、私なりに稚拙な語彙力で【ツーリング写真】を定義してみたいと思います。

EOS6D mark2

大好きな愛車をドーンと大きく撮った写真を愛車写真とするとツーリング写真は風景の中のバイクです。風景の中のバイク+ライダーを写せばそれはツーリングのワンシーンであり「旅」というStory性のある作品が成立します。

ロケーションは美しい自然はもちろんのこと、寂れた山村、無機質な高速のジャンクション、寺社仏閣など歴史ある建造物、最果て感のある海岸、荒涼とした火山地帯などライダーであれば「ツーリングが好きな理由」として数え切れないほど列挙できると思います。

カメラを使って写真を撮るとは現代となっては当たり前すぎることで、それゆえに不思議なあることを見失いがちです。それは写真になった瞬間から時間が止まっていることです。その写真を5年後に見れば5年前にタイムスリップできる不思議です。当たり前すぎますがチョット冷静に考えるとスゴいと思いませんか?




EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

写真はひとつひとつのロケーションを走り紡いだ記録。それが後に断片的な旅の記憶風景と重なります。いつか記憶になるであろう風景を今撮ること。それがツーリング写真だと私は考えます。

EOS6D mark2 + EF70-200mmF2.8L

私のツーリング写真のギャラリーは全て私自身がツーリングで走り紡いできた記録であり、それと同時に儚い記憶風景の断片集であります。

そう、儚い記憶風景の断片。その時間はもう二度と帰ってこない儚い風景なのです。いつか年老いて自分の記憶を回想するとき、記憶の風景はかつて生み出した写真作品によって確かなものと存在し続け、そして尊いものになると信じています。




もちろん風景の美しさや道の魅力、オートバイのカッコよさも忘れずに撮っているつもりです。しかしそれらがツーリング写真の全てではありません。もっとライダーの内面にある本能的な旅精神であったり、独特のバランス感覚で空間を駆け抜ける喜びであったり、地域の人々や文化に触れた時の感動であったり・・・そういった写真にするのは難しいことも表現したいと思っています。

EOS6D Mark2

ツーリングと写真を撮ること。この両者は極めて親和性が高くその事に気が付いているのは私とごく一部の人だと思います。もちろんツーリングでは必ず写真を撮ってくるよ、という方は既に多くいらっしゃるのは承知しています。ここで言う【ツーリング】とは自由意志を持ってバイク旅に出る人たちのことです。

そう、自由意志を持っていること。好きなところへ好きなように旅してくることがツーリング。好きなことを好きなように表現できるのが写真。すべて自分が決める自由さが両者の最大の共通点かもしれません。

はじまりは誰かの影響であったり、ネットで偶然見かけた1枚の写真でも良いと思います。しかしどこかのポイントで自由意志をしっかりもって「私の場合はこうだ」という個の魅力を自信をもって発信してみましょう。




EOS6 mark2 + EF35mmF2 IS

写真への想い、ツーリングへの想いを皆さんがそれぞれ個人的な発表として作品にしてもらえれば、きっとツーリング写真という文化もいつか花開くと思います。

もしそんな日がきたらどんな素敵な世界が待っているかな?それに自分が少しでも貢献できたのなら幸せだな…と想像を馳せてみましょう。

ツーリング写真に関わるノウハウのようなものは当ブログ  究極のツーリング写真で発信していきます。私もやりたい!という方はご一緒しましょう。知識よりも知恵、腕よりも心、見栄より情熱です。

そんな風に令和時代のツーリング文化に写真芸術の表現者として私は寄り添っていきたいです。

令和二年 五月 立澤 重良

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バイク写真☆工場夜景とホワイトバランス

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、なかなか世界の夜明けが見えてきませんが希望を失わず強くいきましょう。明けない夜はありません。

さて今回は究極のツーリング写真で初登場?となる工場夜景をご紹介してみたいと思います。この写真は私の自宅から深夜であれば30分程度で着いてしまう場所です。

実際の様子は真っ暗闇の中に工場だけが光っているような場所ですが、露出の設定で空も明るくなるよう表現しました。巨大なクレーンを後部に配した船を構図内に大胆に配置し、工場夜景は遠景としました。海面にリフレクションとして入った工場のハイライトとR1200GSが重なるようにカメラポジション(カメラの高さ)を調整しています。

この写真のポイントは空の雰囲気にあります。無機質な工業地帯から出ている蒸気や煙が不気味さと冷たさを感じさせる風景の中にも空がある訳ですね。この空をどう表現するか?という事で今回は工場夜景におけるホワイトバランスについて触れてみたいと思います。




まずはアンバーに調整した例です。究極のツーリング写真の読者の皆さまでしたら説明するまでもありませんが、念のため書いておきますとこの場合でホワイトバランスはこう設定しましょう…という正解などはありません。

撮影者がどう感じたかの根拠さえあれば何ケルビンに設定しようと自由です。このような写真に実際がどうであったかは大して重要ではないと考えます。どのように感じたかを頭の中で整理してピッタリの設定を探してみましょう。

上の設定の場合はこの場所に漂っていたタールやコークス(?)のような甘ったるい異臭が漂っていたので、それと関連付けてアンバーに調整してみました。




この場合、私が最終的に選んだ設定はこちらです。インダストリアルな光景に不気味さや崇高さを感じた理由は、もし自分とR1200GSが何らかのアクシデントで巨大なプラントに吸い込まれたとしたら…粉々に砕かれるかドロドロに溶かされて集合煙突から出る煙にされてしまうでしょう。そんな恐ろしい妄想の結果、最も気味の悪い色合いであるマゼンタを風景にブレンドしてみたのです。

もちろんこれらの考え方は個人の好きずきです。あくまで私の場合はこうだ!という主張に何か理由のようなものが見えていればOKだと思います。ただし自由だからといって滅茶苦茶をやっていい訳ではありません。滅茶苦茶という言葉を辞書で調べると酷く混乱した様子、筋道の立たないこととあります。工場の無機質さから感じる恐怖を表現するのに最も最適と感じたのがマゼンタだ…といった筋道が大事なのですね。




しかしこういった雰囲気の写真、なんとなく今の世界を象徴しているとも感じました。早く爽やかな光をあびる自然の中をバイクで駆け抜ける日が来ないかと願うばかりです。湖のほとりや満天の星空の元でキャンプもしたいですね。

今回はこの辺で。

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