デザインと構図で遊ぶバイク写真

究極のツーリング写真 touring-photogtaphy.com 読者の皆さま、突然ですが「いい写真」の条件って何だと思いますか?整った構図、的確な露出やピント位置、あるいは決定的と呼べるシャッターチャンスをものにした一枚。まるで本物がそこにあるような高画質、巧みなフォトレタッチで魅せたデジタル作品、奇をてらった表現、ユニークな被写体を撮ったもの…まだまだありますね。

実はいい写真を定義する明確なものは何もなくて一般的な写真文化においては撮った人が「うん、これはいい写真だぞ」と思えばいい写真は成立するものです。




構図だの露出だのといった前出のものは全て【魅せ方の手段】にすぎず、いい写真の核心ではないと考えます。では魅せ方の手段よりも大切なものは何か?というと作者なりの美や感動の表現、あるいは情熱といったエネルギーを感じるもの、作者の個性がよく出ている独自の表現・・・こういったものが人の心に響く「良い写真」ではないでしょうか。

EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

さて今回はややこしい写真論はひとまず置いておいて、魅せ方の代表である【構図】と【写真デザイン】について簡単に書いてみたいと思います。

上の作品は南房総市の海岸から撮ったものです。イスに腰かけて休憩していたときに、ふとR1200GSへ目をやるとシートからタンクへかかるライン上に海に浮かぶ富士山が見えました。すぐにピンときてイメージの写真がわいたので休憩を中断して撮影タイムです。




写真は目の前に見える現実の様子から魅せ方に使えそうな要素(この場合は車体に存在していたライン)を見つけ出し、それを元にイメージを練る事からはじめます。通常の手順ではまずはその景色や被写体が気になったので「ここで撮ろう」と始まる訳ですが、この場合は魅せ方に使えそうな要素を最初に発見して撮る動機となったものです。

構図とは撮影者が意図した作品の主題へ見る人を導く案内図です。被写体の大きさや配置関係などが主な構図の要素です。一方でデザインとは写真をぱっと見た瞬間に受ける印象に関わることです。心地よい安定感やバランス、色による印象などが関係します。上の作品の場合は海に浮かぶ富士山と赤いコンテナ船を主題とし、それへ導くためにR1200GSの車体を使いました。画面全体を隠すようにGSで覆い、意図的に作られたすき間に主題を置くことで視線をそこに集中させる方法です。




使ったデザイン要素は比率と色です。でR1200GSと海+富士山のエリアを3:1とし、船は当初はグレーのタンカーでしたが赤い船が登場するのを待機しました。写真内に赤色が欲しかったのです。

この作品がいい写真か?は置いておいて、撮る動機となったものが感動ではなくデザイン要素を見つけたときのinspirationで始まることもあるものです。この写真を撮った時は正にそうでしたね。

えっ?やっぱりややこしい話でしたか??すいません・・・

今回はこの辺で!!

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意図的に作ったスペースで魅せる☆ツーリング写真点景構図

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、いい写真を撮って写真ライフを楽しまれていますか。コロナ自粛や雨で出かける機会が減ってしまうとツーリング先で撮る写真も減ってしまい、何となく写真へのモチベーションが下がってしまう…そんなことありますよね。

何事もそうですが楽しさや遣り甲斐を見失ってしまうとモチベーションが下がってしまい、気が付くとやめてしまった…とならないよう、出かけられない時でも身近な被写体でいい写真が撮れないかスナップを楽しんでみましょう。意外な発見があるかもしれませんよ。




さて今回はちょっと変わった構図での魅せ方について書いてみたいと思います。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mm f4.5-5.6 EX DG

バイクやライダーの姿をドーンと大きく写したバイク写真と違い、風景の中のバイクやツーリングの様子を切り取ったのがツーリング写真。そこで悩むのが構図におけるバイクの大きさですよね。バイクを大きく撮って存在感が強いと魅せたかった風景を邪魔してしまい、結局バイクが主役なのが風景が主役なのか曖昧になってしまった…そんな写真をよく見かけます。




確かにツーリング写真におけるバイクの大きさは難しい面があります。存在感の調整方法は単純に大きさだけでなく一眼レフの人はボケ具合で調整したり、一部を切り落としてフレーミングで調整したりとやり方はいくつかあります。

上の作品は【バイク点景構図】と当ブログで呼んでいる意図的にバイクを極小した構図でございます。あえて極小に構図することで空間が強調され印象を狙う意図があります。また上の作品のように海岸の監視台、サーファーといった他の被写体とも組み合わせしやすくしています。

ポイントはシンプルな背景を作ることです。ゴチャゴチャと色々なものがある場所で点景構図を作るとバイクを容易に見つけることが出来ずウォーリーを探せ!みたいになってしまいます。ローアングルで背景の大半を空にしてしまうか、海岸のような場所で挑戦してみましょう。

また超広角レンズを使う場合にバイクの歪みが気になる…という問題もバイク点景構図であればバイクの歪みはほぼ気にしなくて大丈夫です。上の作品は画角12mmですがR1200GSの歪みはほとんで発生していません。

え~バイク写真ならやっぱり自分の愛車を大きく撮りたいよ…という方は愛車メインの写真は別カットで撮っておきましょうね。

今回はこの辺で!!




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ツーリング写真☆画角の違いによる魅せ方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、蒸し暑い日々が続き週末も雨だったりでバイク乗りには我慢の季節になりましたね。こんな時はバイクの整備や写真の知識をつけるためのお勉強でもしましょう。

最近、車の運転手さんがマスクをしているので顔がよく見えないですね。以前にも書きましたが我々バイク乗りはドライバーのその表情をよく見て危険な動きをされないか予測することが大切です。車を見るのではなくドライバーの顔を見るのですね。ドライバーと目が合えばコチラを認識しているか確認できるのでひとまず安心です。中には注意力散漫な人、スマホを見ている人、そして高齢ドライバー・・・思わず「大丈夫かなこの人」と感じてしまうドライバーは決して少なくありません。

マスクをされているとそれが見えないですよね。そうなると車の挙動や雰囲気で危険な車を見極めるしかありません。皆様もくれぐれもご注意くださいませ。

さて今回はツーリング写真における画角のお話を簡単に解説してみたいと思います。ものすごく大雑把に広角レンズを使う場合と望遠レンズを使う場合について同じ撮影場所で説明いたします。




私のホームコースである養老渓谷、房総半島エリアのローカル鉄道「小港鉄道」の風景で解説します。この写真は駅舎に列車が着いたシーンをツーリング写真とした作品です。

画角24mmでR1200GSとのカメラディスタンスは約5m程度。爽やかな青空と緑も入れて景色全体として駅舎風景を撮ってみました。少々背景を多めに作ることで駅舎の小ささを表現しています。

このように広角レンズを選択して背景をつくり、その場所の自然の様子なども写すことでその場所に存在している被写体という表現になります。そこにあった、という場所に対する表現なので旅先で出会った、発見したという雰囲気を持った写真になります。

EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

一方、こちらは135mmの中望遠レンズを使用した作品です。撮影日は違いますが場所は全く同じで小港鉄道の月崎駅です。R1200GSとのカメラディスタンスは25mくらい。画面の多くの割合を駅舎とし、空は曇天だったので画面内に入れませんでした。この比較写真でぜひ注目していただきたいポイントはR1200GSの大きさはどちらもほぼ同じであることです。

先ほどの広角レンズとの違いを一つ一つ確認してみましょう。そもそも広角や望遠といった画角を選択することは目の前の空間に変化を加えること。圧縮したり遠近感をつけたりして肉眼の様子とは違う雰囲気の写真を作ることです。広角レンズの写真は広がり感が表現され出来上がった写真は作品の世界に吸い込まれる、あるいは誘い込まれるような雰囲気を持っています。一方で望遠の方は被写体が突き出てくるような雰囲気があり、その被写体の存在感に強い印象を受けるものです。

望遠は空間を圧縮したことで奥行き方向に存在している各々の被写体がぐっと接近します。構図としては駅舎を画面いっぱいに撮りましたが、最も違いが出たのは列車の大きさです。実はこちらの作品、列車内に乗客が何人か乗っていることを予測して、このような構図を作ったのですが…実際は誰も乗っていませんでした。ちょっと空振りに終わってしまった残念なケースですね。

本来であれば列車内の乗客の様子なども写して人の営みを感じる作品にしたかったのです。そのイメージを再現するため車窓の様子を引っ張るため望遠を選んだのです。




そのほか、駅舎やR1200GSのような人工物のゆがみ具合に注目してみましょう。広角レンズで撮った方は下方へ間延びしたようなゆがみが発生しています。この程度であれば何とか許容レベルといえますが、これ以上のワイドは選択しがたいものがありますね。一方で135mmで撮った方は歪みは全く気になりません。

EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

究極のツーリング写真では何度も同じことを書いてきましたが、やはり大切なことは「こんなふうに撮りたい」と最初に脳内でイメージを描くことです。これをやらないと画角の選択ができないのです。素朴な田舎風景に小さな駅舎が可愛らしいと感じたらそう写るよう広角を選択すれば良いし、列車内の乗客の様子が分かるような写真にしようと思えば望遠を選択すればOK。○○したいから△△にした。被写体の特徴を受けて動いた感情、それをもとに想像したイメージの写真を完成予想図にして撮影開始です。

撮影のほとんどは何らかの選択を繰り返すことです。今回の解説のように画角(レンズ)の選択であったり、露出値の選択、ホワイトバランスの選択…これらはすべてイメージの写真に近づけるためのWorkとなる訳ですね。




どんな時に広角や望遠にするのか?使い分けが皆目分からないよ…という写真ビギナーの方はズームレンズの使い方を間違えていないか確認しましょう。ファインダーをのぞきながらズームリングをぐるぐる回し、被写体の大きさや写る範囲を調整してパシャリ…こうやって撮っている方はいませんか?

これってイメージを想像せずに「試しにどんな風に写るのかな」といきなり撮っているのだと思います。これ、ズームレンズの悪いところで上達の妨げになっているのです。このやり方だといつまでも画角の感覚が身に付かず足で構図を作ることをしなくなります。

ズーム機能は一本のレンズで複数の選択肢を持てるのが本来のメリットです。例えば24-70mmというズームレンズであれば、まずは24、35、50、70くらいの4ポイントを作ってイメージの中から最適な画角をこの4ポイントから選ぶのです。ズームリングを微調整するのは撮影スペースが奪われたときに仕方なくやるものと覚えましょう。

ええ~~ズームリングをぐるぐる…やっていたよぉ、という方は次回のツーリングからぜひ意識してみてくださいね。

今回はこの辺で!!

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ツーリング写真 写真の魅せ方とセンス

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回の投稿でツーリング写真7つの魅せ方と題して作例で解説しましたが如何でしたでしょうか。記録写真ではなく作品としての写真は撮る人の表現(ART)です。

なにをどう表現するかは撮る人の自由でありますが、いざ自由を与えられると戸惑ってしまう人も多いと思います。写真の表現手法である「魅せ方」もどう魅せるかは自由なのですが、まず何をしてよいのか分からない…とお困りの方にお役に立てれば嬉しいです。

前回の投稿でおすすめの7つをご紹介しましたが、当然その他にも魅せ方はたくさんあります。王道といえる表現手法から珍しいユニークなもの、ダヴィンチの絵画のように神秘の数学が隠されているもの、または新たな表現手法を自分で考えても良いのです。

EOS6D Mark2 + EF135mmF2

写真の魅せ方を【引き出し】と考えてみましょう。自分のノウハウの中に数多くの引き出しを持っていれば、その中から「今はコレ」とチョイスするのはセンスです。この場面でこの撮り方はあまりにありきたり過ぎるだろう、ならばこんなの面白いかな?と天邪鬼的に個性を発揮するのも面白いものです。

引き出しの数はたくさんあるほどエキサイティングなチョイスができる訳で、逆に言うと誰もが知っているような三分割構図や背景をボカして撮るといった手法しか持ち合わせていないとセンスが発揮できないものです。




EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

いまこの場面においてぴったりの魅せ方はこれだな、いろいろやり方はありそうだけど自分の場合はこうです、といった作者独自の引き出しのチョイス。センスの良いDJのような感じですかね。

または時間的猶予があれば複数の手法を複雑に組み合わせて構造の暗号化も悪くないです。海の写真を撮るときに水平線を三分割構図の線に合わせただけの写真は構造が丸見えの写真です。そこで線だけでなく交点や面も複数使い、割合に黄金比を取り入れたり日の丸構図や三角構図と組み合わせたりと複雑な手法に成功すれば簡単に見る側に写真の構造を見抜かれることはありません。

逆に「いやシンプルイズベストだ!」というのも大いにアリです。どこに正解がある訳でもありません。【今】【ここで】【あなたが】が最も良いと思った魅せ方をあなたが選択する以外にないのです。

センスは磨くもので多くの魅せ方を習得したら、それをチョイスする能力にどんどん磨きをかけていきましょう。上の写真のように複数の要素があって幾つもの引き出しが使えそうな場面でよく考え試行錯誤をしてみます。すると自分のアイデアで自身の引き出しの中からユニークな使い方ができることを発見するものです。

上の作品をぱっと見た瞬間に「これは3分割構図だ」とすぐにピンときた方はスジが良いと思います。この作品は3分割構図の線や交点を複数個所に組み合わせ、マストやロープを導線や図形として取り入れた構図です。細かいことを言うと船体に書かれた「時丸」の文字もデザイン上で効果があります。文字は観賞者が無意識下に読むもので読めない外国語であれば異国を感じるし、文字そのものがシャレている場合もあります。このように複数の要素を複雑に組み合わせるほど手間はかかりますが、高度な構造をもった作品を作ることができるのです。

「あっそうだ!」「なるほど」という気づきを繰り返し、それが蓄積していくと独自のノウハウとなっていきます。

本当におもしろいのはこの部分で魅せ方は習得するだけでなく「意外な使い方」ができるようセンスを磨いたり、魅せ方の度合いを加減できることを覚えてみましょう。こういったことを経験すると自身の写真活動に「スタイル」が少しづつ構築されていきます。




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

誰もが最初はビギナーです。写真に限らず最初の頃は右も左も分からないので、とにかく「やり方」を覚えるのですが、ある程度のキャリアを積むとたくさんある「やり方」から選択するセンスが磨かれていくものですよね。

バレーボールで例えるならセッターのセンスです。その場面でツーアタックか!という意表をついたセンスが功を成すものです。




私が写真をはじめたばかりの頃… いざここで写真を撮ろうと思ってカメラを手にしても、まずは何をして良いのか途方にくれたものでした。今になって振り返れば教科書で見かけた三分割構図やら適正露出やらの知識だけ持っていれば正解写真が撮れると思っていたのです。撮り方は確かに大事ですがそれは数個の引き出しでは全く役に立たず、経験を重ねて行く上で100個200個と増やして、そして自由意志でそれらから選択すること。そこに一人の表現者としての価値があるのだ…と最近になって気が付くようになりました。

究極のツーリング写真読者の皆さまも撮り方は覚えるだけでなく、無限大に増やしていき自由意志で選択する「センス」に磨きをかけてみてください。

毎度偉そうにすいません。

今回はこの辺で!!

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ツーリング写真☆7つの魅せ方 Ver2021

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、2021年のGWはどのように過ごされましたか?

私は本来であれば長崎あたりまでロングツーリングに出る予定でしたが、さすがにこの状況下(4/22~5/11 4都市緊急事態宣言)を受けて出発は断念しました。

本当は感染拡大防止の観点ではソロでキャンプツーリングという行為自体は影響ないのですけどね… しかし東京都から仕事を請け負っている職業の関係上…そうもいかない実情です。

さて今回はツーリング写真解説の総合的な内容として【ツーリング写真7つの魅せ方】と題して作例をもとに解説したいと思います。以前も何度か同じような内容を書きましたが2021年バージョンとしてブラッシュアップいたしました。

1.露出で魅せる

EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

今、目の前にある風景から光をどれくらいカメラ内に取り込むか?という写真の明るさを決めるものが露出…コレ当たり前ですけど念のため書いておきますね。大切なことはここで写真を撮るぞ!と決めた時点で完成させたい写真の明るさを事前にイメージすることです。

目で見た通りの明るさやカメラの評価測光によって決まった明るさが必ずしも自分が目指したい露出とは限らないものです。では…露出は何に合わせるのか?というと

【作品の主題となるひとつの被写体に露出を合わせる】

主題が最も魅力的に見えるように露出を決めたら、その露出で撮って全体が変にならないように構図も作ります。「目でみた通り」「カメラが測光した通り」に撮ることに縛られず貴方だけの理想の露出を目指してみましょう。それが露出で魅せるやり方です。

上の作品の場合は林道にひっそりと咲いていた山桜の淡い美しさを表現するために評価測光(アベレージ測光)よりも軽く2段はアンダーの露出で撮っています。もちろんこの逆でイメージに合わせて明るく撮ってもOKです。その露出を選んだ結果として暗く潰れた部分や白く飛んだ部分が発生しても「魅せたいひとつの理想の露出」を優先してみましょう。

2.フレーミングで魅せる

EOS6D Mark2

フレーミングの一般的な解釈は目の前の景色や被写体の、どの部分までを写真とするのか?という範囲を示しますが、ここではもう少し深堀りして画面という長方形の四角の【辺】を意識して撮ることと考えてみましょう。

多くの平凡な写真は写す範囲は意識できていても、被写体を辺で切り落とすという表現をする人をまず見かけません。被写体は必ずしも枠内に収めるのではなく、あえて一部を切り落とすことで存在感を強めたり弱めたりできるものです。

上の写真の場合はR1200GSの後部もライダーの背中側もフレームで見切れていますが、このように一部を切り落とすことで画面内で被写体を大きく構成できるので存在感を強めることができます。もちろん割合の調整で弱めることもできますし枠の外の様子に想像を誘う手法などもあります。

フレームで被写体を切り落とす魅せ方は平凡な写真から脱したい人に最もオススメできる簡単な手法でございます。




3.画角で魅せる

EOS6D mark2 + SHIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

画角とはレンズの焦点距離に依る「写せる範囲」のことですね。望遠レンズは画角が狭く、広角レンズは画角が広い。これらは一般的には遠くの小さなものを大きく写したり、近くの大きなものを画面内に収めたりすることが目的で使われます。画角で魅せるやり方はこの光学的な特徴を利用して表現に使うものです。

上の作品は快晴の夕空に繊細な階調(グラデーション)があることに注目し意図的にスペースをたくさん作った構図です。逆に言うと被写体であるバイク+ライダーを米粒大にしてしまった「バイク点景構図」ですが、小さくしたことで存在感が消えないようハイライトと重ねてみました。

この逆で望遠レンズで背景を引き寄せて特定の被写体に存在感を持たせたり、空間を圧縮して無数に咲く花などの密度を上げたり、望遠レンズの光学的な特徴である浅い被写界深度(ピントの合う範囲)を利用してボケ味で表現したりと出来ることは色々とあります。

人間の目は50mm前後と言われますが、画角で魅せる表現は24mmや200mmといった焦点距離を選択することで、目で見た感覚とは異なる雰囲気の写真とすることが可能なのです。広角レンズは写真の世界に吸い込まれるような雰囲気、望遠レンズで撮った写真は被写体が見る人の方へ突き出てくるような迫力があります。

4.シャッターチャンスで魅せる

EOS6D Mark2

シャッターチャンスという言葉は写真の世界では古くからあるもので誰でも知っている言葉ですよね。昔も今も変わらずシャッターチャンスとは大事な要素です。

私の個人的な解釈としてはシャッターチャンスには大きく分けて2つあります。1つめは予定調和型シャッターチャンス。もう1つは奇跡獲得型シャッターチャンス。前者は例えば水平線から出てくる太陽を撮るときや、鉄道写真などで予めダイヤを調べて撮影に挑むもの。こうなるであろうと予測を立てて準備をしておく撮り方ですね。

経験上、シャッターチャンスで魅せる写真というのは多くの場合で予定調和型よりも奇跡獲得型の方が傑作となる可能性を秘めていると思います。少々大げさですが奇跡を信じる者は傑作をなしえるのだと信じたいです。

上の作品は遠景の富士山とタンカーを望遠レンズで引き寄せた構図ですが、たまたま鳶が良い位置に入ったことで作品に個性が加わりました。これは嬉しい誤算でまさに奇跡獲得型のシャッターチャンスだったと言えます。こういった奇跡獲得型のシャッターチャンスを手に入れるにはどうすべきか?それは…いつでもどんなハプニングが起きてもそれを許容する受け皿を心に持っておくことです。




5.構図で魅せる

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

構図は大事…とよく聞きますが構図はあくまで写真の構造だと思います。この作品の主題はこちらですよ、と見る人へ分かりやすく案内するための【図】と考えます。大事だけど核心ではない、でも覚えておいた方が良い…それが構図ですね。

被写体の大きさや位置関係、背景などのスペースとの割合、何かと重ねたり離したり、配置で奥行を作ったりと手法は数えたらキリがありません。被写界深度や露出だって考え方によっては構図といえます。シンプルに1つの手法を用いたものから複数の構造を組み合わせたもの、高度な比率やデザインと巧みに組み合わせたやり方もあります。

上の作品は湖畔のキャンプサイトが美しい緑の光につつまれた様子を主題としたものです。構造としては木の配置で額縁と奥行を作り、日の丸構図としたバイク+テントへ観賞者の視線を誘導します。手前に横たわるボート、反射する湖面、上のハイライトなどは横方向に入る図形要素として意識して配置しています。

これがベスト!と納得できるアングルを割り出すまで手持ちで何度も試し撮りして、ピンポイントな理想のアングルを見つけたら三脚に固定して撮るやり方ですね。複雑な構図ほどカメラポジション、位置はシビアな微調整が要求され腐心するものです。

目の前の情景から構図に関わる知識と結び付け、被写体や背景などの各々の要素をどのように采配するかの能力が問われます。構図はキホン…みたいによく言われますが、構図で魅せる手法とは実はビギナーには敷居が高く難しいものだと思います。

6.黄金比で魅せる

EOS1Dx + EF70-200mmF2.8L F2.8 1/80 ISO250

これはやや高度なお話なので今回書こうか悩みましたが1:1.618の黄金比に基づくフォボナッチスパイラル構造の構図です。

美術の授業で見たかも…という人が多いと思いますが、この曲線は自然界に存在する神秘の曲線なのです。DNA構造、オウムガイの断面、花びらなど、あらゆる自然界のものがこの黄金比曲線の構造を持っています。

三分割構図も日の丸構図も使えそうにない…といったときに試してみると案外としっくりくるのがこの構図。実践するのは難しいかもしれませんが挑戦する価値は高いと思います。

7.何もしないで魅せる

何もしないとはなんだ!やる気あるのか?と怒られそうですが、何もしないで自然に魅せる手法も立派な魅せ方のひとつです。例えば有名な三分割構図などは使い方によっては「あからさま」過ぎて写真の構造がバレバレになったり、複雑な魅せ方をこれみよがしに使ったことで「すごいだろう」という嫌味が生まれたりするものです。写真の魅せ方は時としてこの辺のセンスが問われるものなのです。

そこで…あえて標準に近い画角、シンプルな日の丸構図、露出も評価測光と違わず、前述したような「魅せ方」の引き出しは何一つ使わずにフツーに撮った写真を目指すのです。これにより写真を見た人があたかも写真の中の世界にいるような【臨場感】を感じさせる作品ができるのですね。

スナップ写真の場合はこういったあれやこれや考えずにパッと撮った雰囲気がよく似合うと感じます。ただ気を付けるべきは「あえて何もしなかった」と「何もできなかった」は似て非なるものです。自分はナチュラル派だと宣言して乱雑な写真を量産するのはちょっと違うので気を付けましょう。その点だけ押さえておけばふとした瞬間を切り取る「ツーリングスナップ」というのは撮っていても楽しいものです。




EOS6D mark2 + EF35mmF2 IS

いかがでしたか?ツーリング写真7つの魅せ方。次回は写真の表現にあたり、これらの魅せ方をどう使うか?センスのお話を書いてみたいと思います。

今回はこの辺で!!

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写真ビギナーはまずはグッと被写体に寄って…

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、本ブログは開設から4年目になりましたが今回の投稿で投稿数が900記事となりました。我ながらツーリング写真、バイク写真の話題を中心によくも900記事も書いたものだな…と感心しております。

本来、写真に関わるノウハウは秘密にするのが通常かもしれません。私もその昔はあまり人に教えたくないタチでした。真似をされたりノウハウを取られるのは誰だって良い気分はしないですものね。

その昔、最初に就職した会社で顧客向けの講習会の先生を依頼されたことがありました。その講習会は光ファイバーの扱いなど専門的なものであり、従来は研究部門の管理職が先生役をしていたのですが「話がアカデミック過ぎて理解できない」と不評でした。そこで学歴などない私のような人間が先生をした方がむしろ顧客も理解しやすいのでは?ということで白羽の矢が立ったのです。

当時は私が先生なんて…と戸惑いましたが、自分で教科書やスライドを一から作り直して講習生の理解力に合わせて講習会を実施したところ、効果測定も良好となり不合格者の数も減って好評を博しました。その時の経験が何となく今でも生きている気がします。教えることで自身も学ぶ。究極のツーリング写真とはオートバイで旅をする魅力を広めること、写真界にバイクツーリング写真という新たなムーブメントを起こすこと、という目的がありますが、一方で書いている私自身の「自分用教科書」でもあります。

物事は人に上手に説明できるようでなければ本当の意味で理解していない。そんな風にも感じます。今でも究極のツーリング写真を書いていて自分が学んでいるような感覚は以前と変わりません。なのでこれからも書いていきたいと思います。




さて、前置きが長かったので今回は写真ビギナーを対象にツーリング写真の基本的な撮り方について簡単に書いてみたいと思います。

古くから写真は「一歩前に寄って撮る」というのがあります。目の前の景色、被写体にレンズを向けて、いざシャッターを切るぞというとき、人の視界は景色全体を見渡すような画角となっており、特定の一つを良く観察するような視点ではないものです。風景写真がベースであるツーリング写真であっても、その風景の中に魅力的な一つが存在するからこそ、そこで写真を撮ろうと思った訳ですから、その一つに一歩「グッ」と寄って撮りましょうね、ということですね。

上の写真の左側は赤いヨットが画面内に収まるように構図して、その場所の様子が分かるように撮った写真。こちらは目で見ている風景の様子に近いです。一方で右側は一歩、ぐっと寄って撮ってみました。赤いヨットは右側が見切れてしまいましたが、こちらの方が主題が明確になったのがお分かり頂けると思います。




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

先ほどの作例では太陽が薄雲に隠れていたのでコントラスに欠けていましたが、空の様子を見ながらタイミングを見て本カットとしたのがこちらです。太陽が出てきたので風景写真として十分なコントラストを得ることができました。このツーリングシーンはヨットが置いてある港で休憩する様子ですが主役は赤いヨットであることが明確だと思います。

写真デザインの色要素でとりわけ効果が大きいのが赤色…というお話は以前にも何度かしましたが、赤い色の主役を見つけたらより印象的になるように一歩寄って撮ってみましょう。フレームから切れちゃうから…という考えは捨てて下さい。

フレームで被写体を切り落とす時の注意点は1/3単位で切ることです。特別な理由なく1/2で等分にしないよう気を付けましょう。

ところで足で一歩寄るのと自分は動かずズームレンズで寄せるのでは何が違うの?という疑問があると思います。単焦点レンズであれば寄るしかありませんがズームならリングを回してやれば同じような事ができますよね。ズームで寄せるとは実は被写体だけを寄せているのではなく目の前の空間を全て圧縮しているのです。つまりズームで寄せると何もかもを大きくしちゃいますが足で寄る場合は被写体だけを大きくできるのですね。

少々ややこしい話でしたが今回はこの辺で!!




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風景から表現したい一つを抽出して撮る写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、この春のシーズンは良い写真が撮れましたでしょうか?お気に入りの桜並木でバイクを置いてパチリと撮ったけど、よく見たら去年も全く同じような写真をこの場所で撮っていた…なんて方はおられませんか?写真をやる上での一つの重要な楽しみは進化を実感することです。日々、上達を意識して写真を楽しみましょうね。

つい先日のニュースで老舗雑誌である日本カメラが休刊とありましたね。昨年は日本最古のカメラ雑誌であるアサヒカメラが休刊。雑誌業界で言う休刊とは廃刊とほぼ同じだそうで残念なニュースですね。カメラ雑誌にかぎらず出版業界の全体が振るわないようですが、これも時代の流れなのでしょうか。

いま多くの人が写真を楽しみ写真という文化が過渡期を迎えています。スマホで撮る人、SNSで世界に発表する人…一見すると写真文化は盛況のように思えます。しかし古くからあるカメラメーカーやカメラ雑誌が衰退していく…いったいなぜでしょうね。昔からあった一般需要における写真文化は記念写真、記録写真、趣味の写真など現在と大きくは変わっていません。変わったのはカメラのデジタル化、インターネットの普及による写真文化の変化、スマートフォンの登場といったことでしょうか。

多くの人々が「私もいい写真を撮ってみたい」という願望を抱いている。このことについて改めてもう一度、メーカーや雑誌などは考えた方が良いのかもしれませんね。




さて今回は前回の投稿でご紹介した小湊鉄道のあるツーリング写真の作品を使って解説してみたいと思います。最近、すっかり鉄道とバイクのハイブリッドばかりです…

はい、いつも通りまずはスマホで撮った撮影地の様子です。県道から平行して走る小湊鉄道の線路。そこに菜の花が咲いているポイントがあったのでR1200GSを停めて撮影に挑みました。この近くにある菜の花の鉄道風景で有名な「石神菜の花畑」とはまた違った雰囲気で、自然と咲いている菜の花という控え目な雰囲気が私の琴線に触れました。

まずはどんな風に魅せたいかな?と希望のイメージを作ります。次にそれがここで出来ることなのか?撮影地の条件と照らし合わせて考えます。続いてキャスティング、この撮影シーンのキャストは後でやってくるであろう1.列車 そして2.線路 3.菜の花 といった感じです。メインキャストは列車で菜の花は舞台、線路は写真の構造となります。

この場所で私が特に気に入ったのは線路が微妙にS字を描いていることです。写真デザインの観点で色、線、図形…といった要素を風景から見つけ出し、写真の中に組み込んでいくことで観賞者の目を楽しませる写真が実現できます。特にS字曲線は視線誘導線として心地よく目を走らせる効果があるので歓迎すべき要素です。

上の写真から分かると思いますが多くの場合で実際の様子とはさして美しくはないものです。もしそのままの景色が絶景!ということであれば写真家のできる仕事は少なく面白さもありません。イエローストーン国立公園、夕陽の当たるマッターホルン、水鏡のモンサンミッシェルなどを前にすれば、普通にシャッターを押すだけで誰でも立派な写真が撮れるものです。

そういった意味では多くの人が気にもとめずに通り過ぎていく風景こそ、写真家のオリジナルな表現ができる、とも言えますね。




左はS字の導線 右は①と②の比率が1:3の比率

画面という長方形の四角形の中でS字曲線が理想的に入るようアングルを模索しました。同時にバイク+ライダーのエリアとそれ以外の風景のエリアで2つのエリアに理想的な比率を作ります。比率は理由なき等分(1:1)を避け、原則として1:3単位の奇数で作っていきます。有名な三分割構図や露出の段数が1/3単位であること、そもそも画面という長方形が2:3の比率であったり写真の世界ではとにかく【3】あるいは【5】といった奇数が傑作へのPINコードになっているのです。

三分割構図 左は交点に列車を置いた 右は色のエリアを斜めに3分割とした

構図とは必ずしも1つの手法を1つだけ使うものとは限りません。複数の手法を組み合わせてもOKです。三分割構図は写真の世界ではよく知られた構図ですが例えば交点、線、面といった具合に複数のポイントで使うことも出来ます。この場合は列車の位置を右上の交点に合わせ、イエローのエリアを中央としグリーンで挟んだ三分割としました。線で三分割とするとき必ずしも線を水平に使う必要はありません。このように斜めに使っても悪くはないのです。

こういったアングルを作るにあたり、何をすれば出来るの?と聞かれればカメラの位置を数センチずらしたり、三脚のエレベーターで高さを微調整したりと実際には地味な作業です。大切なことは予め知っている知識を目の前の状況と結び付けて【いま出来ること】を思考することです。それは謎解きのように考え込むことではなく、ひらめきや直感を使って瞬間的に決めます。説明すると理屈っぽいですが実際には感覚の世界ですね。




EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

この場所で私が大切にしたかったことは菜の花が人工的ではなく自然とそこにある雰囲気です。そこへ登場した気動車キハ200とその景色に出会ったツーリングライダー。一期一会の風景の出会いといつまでも変わらない素朴なもの。こういった「気持ち」をよく意識してイメージを作りました。投稿のタイトルに「表現したい一つを抽出」と書きましたが、何でもないような風景の中から自分の気持ちを抽出するように撮りましょう、という意味ですね。

最初はとにかく試行錯誤です。時間的猶予があればとにかく良く見て、良く感じ、良く考えて試す。画像を再生して「これが一枚の写真となったとき、これで果たして良いか?」と自問してみます。少しの傾き、少しのバランス、少しの比率などほんの小さな調整で完成度が激変することを意識しましょう。神は細部に宿るのです。

ところでこの撮影場所、スマホで時刻表をチェックしようと思ったらまさかの圏外でした。近くに駅や踏切が無いので音で列車の登場を判断するにはキハ200のディーゼルエンジン音だけが頼りでした。県道は割と交通量がありトラックなどが通るとキハ200の音がよく聞こえません。なかなか難儀しました…

しかしいざキハ200が登場すると運転手さんが私を確認したのか「プワァ~ン」という独特の警笛を鳴らして挨拶してくれました。この時の嬉しかった気持ちも大切に帰宅してからLightroomでレタッチをしてみましたよ。

今回はこの辺で!!!

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ツーリング写真ギャラリー 里山を走るローカル列車




EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

ガタンゴトン…ガタンゴトン…

プップー

春の里山に響く素朴な音風景

そよ風にのって鼻腔をなでる菜の花のかおり

いつまでも忘れたくない旅でみた風景

あの日、あのとき、写真を撮ったからこそ

記憶に刻まれるツーリングシーン

いつか自分が走りぬいた軌跡を振り返るときがきたとき

どんな風景だったか思い出せなかったら寂しいから

だから一枚の写真を残しておきたい

私のツーリング写真は究極の記念写真だ




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ツーリング写真とバイク写真☆構図とデザインのお話

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、そろそろハナミズキや八重桜も終わりに近づき春のツーリング風景とお別れの時期ですね。蒸し暑い梅雨になる前にラストスパートでツーリングを楽しみましょう。もちろんお弁当持参のソロツーリングで。

ところで私や皆さまが楽しまれているようなバイクを題材とした写真はツーリング写真、バイク写真、バイクのある風景・・・といった具合にいくつかの呼び方がありますね。最近ではフォトツーリングなんて呼び方もあるようです。ここで勝手にツーリング写真とバイク写真の違いを区別するため次のように定義してみたいと思います。

バイク写真とは・・・

バイク(車体)の魅力を伝える写真。愛車との記念写真など主に自分用、またはバイクに興味がある人が見る写真。ツーリングの記念写真。その愛車に乗っていたという記念写真。

ツーリング写真とは・・・

バイク旅のワンシーンを詩的情緒にとらえた風景写真。山や海などの自然、空の表情、道、港などでバイク、ライダーが登場しバイクで旅に出る魅力が伝わる写真。近いカテゴリとして風景写真、旅写真。

まあ…私の勝手な解釈ですので異論のある方はどうぞ寛容にお願い致します。




さて今回のツーリング写真解説では中級者向けの内容としてツーリング写真の構図をつくるにあたり、写真デザインの考え方をどのように応用するのか、作例で解説してみたいと思います。

EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

今まで究極のツーリング写真では構図やデザインのことについて何度か解説をしてきました。簡単におさらいすると構図とは作品の主題へ導くための案内図のようなもので、被写体の大きさや配置を裁量します。デザインは目の前にある風景からデザイン要素となるものを洗い出し写真へ取り入れる方法。主に色、線、図形、質感、立体感、規則的なパターン、シェイプ、連続するリズムなどがあります。構図とデザインの他にも水平線など分断線がある場合に発生する比率というのもあります。

これら構図、デザイン、比率などは写真の構造であり写真の核心を魅せるための土台です。写真の観賞者は写真をパッと見た瞬間に無意識下で視線を写真内で動かしてその様子を認識します。視線の動きを心地よく動かす導線があったり、色による印象などで観賞者はその写真が興味の対象であるかを探るのです。

上の作品は千葉県君津市の亀山湖で撮ったものです。塗装工事を終えて間もない赤い橋が美しく、かつトンネルがあったので面白い写真が撮れないか?と思い撮影に挑みました。




写真デザインの考え方で効果が大きいとされるのが色と線です。とりわけ赤色については強い印象を与える効果があります。自然の中に存在する赤い橋はその存在だけで印象的なものですよね。この撮影場所で写真デザインに使えそうな要素を洗い出してみましょう。

1.橋の赤色 2.トンネルの円 3.連続する橋の垂直線 4.トンネル内のタイル模様(規則的なパターン)5.手前から奥へ延びる道の導線 といったところでしょうか。

まずは目でよく見て状況を把握します。デザインや構図に使えそうな要素と排除したいものを見極めるのです。排除したいものは電線や看板などリアルな邪魔者だけでなく、例えばトンネルは杭口の円を全て枠内に入れる…といった先入観も排除しましょう。ここでは壁に流れる水をアクセントに縦構図とし、杭口の円は右側を切り落としました。

ごく当たり前のことですが画面という長方形の四角形をよく意識して、その中で色、線、図形などを写真の構造として組み立てていきます。それぞれに理由を与え持ち合わせている撮影技法と紐付けて探るような感じです。例えば橋の赤色が重要なのであれば望遠の画角を使って橋の垂直線の間隔を圧縮することで画面内の多くの割合を橋の赤色で占めることができます。壁に流れる水が良い仕事をしてくれると感じたら、それが分かりやすく伝わるよう配置すればOKです。

こういったことは多くの場合で撮影開始の直後はよく分からないものです。ここで写真を撮りたいと感じてバイクを停めたのですから、その場所には何か魅力があるはずです。しかし現実の様子を目でみただけでは心が感じた刹那とリンクしないもの。それを再現するために良く見て良く思考し、目の前の情景をデザインしてみましょう。

現実の様子をそのまま記録しないように。




難しく感じるかもしれません、手間もかかります。しかしここで構図やデザインについて悩むことは成長という意味でも価値があります。何年も写真をやっているのにちっとも上達しない人はこういった悩むことや手間をかけることを避けている人だと思います。

騙されたと思って次回のツーリングで実践してみてくださいね。

今回はこの辺で!!

↓↓↓撮影地↓↓↓

亀山湖の西側、笹川渓谷にかかる小月橋です。農溝の滝が近くにある県道24号から亀山ダムの方へ曲がるとすぐにあります。Googleアースではまだ赤い色に塗装されていませんね。この周辺は千葉県では屈指の紅葉エリアなので12月初旬に行くと素晴らしい景色が堪能できますよ。

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標準画角で撮るツーリング写真の雰囲気とは

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、いい写真を撮って素敵な春のツーリングライフを楽しまれていますか?写真を撮ることとバイクでツーリングすることは非常に親和性の高い両者だと感じます。私は全てのライダーにツーリング先で写真を撮ろうよ!と言いたいですし同時に全ての写真を愛する人にバイクツーリングに行くともっと素敵な写真が撮れますよ!と言いたいですね。

さて前回、前々回とツーリング写真における画角の違いによる写真の雰囲気について解説してきました。

前回の投稿は こちら 

広角レンズは景色の雄大さや空の広がり感などを表現するのに適した画角で、写真のもつ雰囲気は作品の世界に吸い込まれるような雰囲気。逆に望遠レンズはバイクやライダーなど特定の被写体に絶対的な存在感をもたせてドーンと突き出てくるような雰囲気であると解説しました。




今回は標準の画角について解説してみたいと思います。

EOS30D + EF28-70mmF2.8L

標準の画角とは当たり前ですけど広角でも望遠でもない普通の画角です。焦点距離は35mm換算で50mm前後となります。APS-Cサイズの一眼レフの場合はおよそ30mmくらいのレンズが標準となります。

カメラやレンズの構造とはたびたび人の眼球に例えられるものです。眼球にはレンズの奥に絞り羽に似た虹彩があったり、視神経は言ってみればイメージセンサーです。しかし眼球とレンズには決定的な違いが1つあります。それは眼球は標準画角で固定されていて望遠や広角には出来ないことですね。

ということは標準の画角で撮った写真の雰囲気とは自然さ、作者の視点、臨場感ということになります。変に空間が変形していないことで目で見た通りの自然な風景が再現されているのが標準画角です。

上の作品は北海道の襟裳岬へ向かう黄金道路で2004年に撮影したものです。APS-C機であるEOS30Dに使用した画角はこのレンズのワイ端28mmです。35mm換算すると約45mmなので標準画角ですね。この時、私は防波堤ブロックの上に立ってハイアングルでシャッターを切りました。防波堤ブロックはF650GSとカメラ位置を接続する導線にもなっていて、説明するまでもなく撮影者はあのオートバイの持ち主と分かるはずです。

つまりこの作品は標準画角で撮ることで写真を見た人もこの場所でツーリングしている気持ちになれる臨場感ある写真に仕上がっています。




EOS6D Mark2 + SIGMA50mmF1.4ART

自然な画角によって人の視線の再現ができること。上の作品はレンガ造りの廃墟(明治時代の木材発電所跡)に出会ったツーリングシーンですが、前景の花、バイク+ライダー、レンガの廃墟の3レイヤーの位置関係に不自然な圧縮や広がりのない自然さがあります。これが標準レンズの特徴と言えます。

こうすると不思議なことに第三者的な視点でシーンを傍観しているような雰囲気にもなります。これも臨場感ですね。

標準レンズとは空間をいじらずにナチュラルに表現する手法です。画角に限らず写真には様々な「魅せ方」が存在します。例えば構図、露出、シャッターチャンス、デザイン、比率…まだまだありますが、その中で画角があります。こういった写真の魅せ方をどのように使うかは撮影者それぞれです。レオナルドダビンチのように複雑怪奇に使っても良いしシンプルに1つでも良いし、あえて何も魅せ方を使わないのも大いにアリな訳です。

そういった意味で標準の画角とは画角で魅せる手法をあえて使わないですよ!という意味でもあります。




自分だけの標準画角をもつ

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

もうひとつ、蛇足かもしれませんが「自分だけの標準画角」というのを持っておくと便利です。標準画角のレンズは「これ一本あれば何でも撮れる」と言われるレンズなのですが、私の個人的な意見として何でも撮れる一本という意味での標準画角はけっこうな個人差があると思うのです。つまり皆が50mmではないのでは?という事ですね。

私の場合は35mmを自分の中の標準画角にしています。上の作品は精進湖で撮った富士山のあるツーリング写真ですが風景写真をスナップ的に…つまりアッと思った瞬間にパッと撮る手法で魅せるやり方に「自分的標準画角」がハマるのです。カメラバッグの中でデフォルトとしてボディに装着しておくレンズですね。

自分的標準画角の決め方は簡単です。自分が得意、好きな画角です。あるいは過去の作品を見てよく撮れたなと思えるお気に入りの一枚が、いつもこのレンズの時だなと思えるそんな画角があなたの標準画角です。

いかがでしたか?前回、前々回と3回に分けて広角レンズ、望遠レンズ、標準レンズのそれぞれをツーリング写真で使った場合の写真の雰囲気について解説してみました。次回は番外編として「極端な画角」について書いてみたいと思います。

今回はこの辺で!!

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