天の川を撮るなら実は千葉だ!天の川とバイク写真の撮り方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は星景写真・・・それも天の川の撮影ノウハウを解説してみたいと思います。すごくハードルの高いイメージですが恐らく皆さまが今お使いになってるカメラで天の川はキレイに撮影できるはずです。

ネットで検索すると天の川の撮り方はけっこう情報が出てきますが、今回はバイク写真&ツーリング写真としての天の川の写真の撮り方として私なりのノウハウを公開してみたいと思います。

天の川の撮影って天体の専門的な知識がないと難しいんじゃ…、カメラのベテランでないと写真にならないでしょ…?いいえ大丈夫ですよ。

EOS6D MARK2 + EF35mmF2 IS 千葉県南房総市




・天の川の撮影で準備するもの

まず天の川の撮影において必要な物からご紹介します。1.マニュアル露出できるカメラ(できれば高感度でも低ノイズなモデル)2.三脚(3型くらいのしっかりした物)3.一眼レフの場合は広角レンズ 4.LEDライト(キャンプ用のヘッドランプ 周囲の確認用に強力なライト バイクを照らす用に小さな物を1~2個) 5.レンズの結露を拭き取るレンズクリーナー 6.Sky ViewやStarwalkなどの星座観測用のアプリをスマホに入れておく 7.できればadobe Lightroomもしくはphotoshopのソフトorアプリ。などです。

天の川とバイクを撮るなら35mmがおススメ!

レンズは星景写真では14㎜などの超広角レンズから24mmくらいを使用するのが一般的ですが私が個人的にお勧めしたいのは35mmです。星空に流れる天の川を表現するなら14mmですが天の川銀河自体に絶対的な存在感を持たせるなら35mmです。(APS-Cカメラの場合は24mmくらいに相当します)

解放値はF2.8くらいは欲しいですがカメラが低ノイズであればF5.6くらいでも何とか許容できると思います。私も以前はキャノン純正EF14mmF2.8Lを使っていましたが今はSIGMA12-24mmF4.5-5.6DGにしましたが感度を上げても問題ありません。

それから天の川を撮るためにバイクで出かけるのですから夜間走行用の装備(クリアシールドなど)もお忘れなく。

・天の川の撮影ポイント

天の川の撮影で最も大事なポイントは撮影地選びです。天の川が目視でしっかり確認できるポイントでないと高感度が優秀なカメラでも解放の明るいレンズでも難しいです。

天の川がキレイに見える場所?と聞くと長野県や北海道などの山間部をイメージしますが、意外や意外なことに千葉県の房総半島もキレイに天の川が観測できます。と言うのも今の時期、天の川銀河が見えるのは南東の空です。房総半島の太平洋側、外房のエリアであれば南東の方向は海しかありません。

こんな感じで南東に遮るものがなく海!というロケーションであれば天の川の観測に向いています。伊豆半島は大島があるので微妙ですが下田よりも南なら良さそうですね。

外房の場合は険しい断崖や九十九里平野のような海岸が多いのですが、照明の無い広い駐車場や公園のような場所、高台の空き地などを探してみましょう。

これは南房総市千倉町の漁港で撮った1枚ですが街明かりや近くの街灯、灯台などの光があるとこのように影響を受けてしまいます。夜空の中心に天の川があるのですが殆ど確認できません。この写真は光害の影響を受けたけど、これはこれで不思議な写真になったと思い仕上げてみましたが…。イメージと違う物が偶発的に撮れてもそれは魚釣りで言う外道のようなものですね(ごく稀に傑作になりえますが)。

自分の目では真っ暗闇でも広角レンズをセットすると近くの街明かりなどが影響してしまうものです。カメラのすぐ背後にある道路の街灯なども影響しますが、これは場合によっては地上にあるバイク+ライダーなどを程よく照らす照明として機能する事もあります。




・天の川の撮影時期、時間帯

EOS6D mark2 + EF35mmF2 IS  F2 15SEC ISO1250

今回ご紹介する作品は春から初夏にかけての天の川です。8月、9月となると垂直になって再び斜めになっていくので主に縦構図での写真になると思います。ちなみに天の川は冬よりも夏の方が明るく美しく見えるそうです。

天の川の撮影で注意したいもう1つのポイントは月です。月明かりは肉眼で感じるよりも実際はとても強烈で星空の観測や撮影に大きく影響するものと考えましょう。簡単に覚えるのであれば満月やそれに近い月齢は避けて、新月や三日月くらいのタイミングが狙い目ということになります。

半月程度の月例の場合は月の入り時間をチェックしてみましょう。季節によって変動しますが夜明け前の時間に月没することも結構あります。




F2 15SEC ISO1250

この写真は先ほどのカットと近い場所で撮りましたが先ほどは新月、こちらは月齢9の半月(月齢14が満月)です。半月をカメラの背後に撮っています。露出設定は先ほどと全く同じでF2 15秒 ISO1250 です。ぜんぜん明るいのがお分かり頂けると思います。ちなみに方角的には目の前に天の川ですが、当然ですがこの設定ではほとんど天の川は写りません。

しかしこのような状況でも月没の時間が近いのであれば月没後の30分から1時間くらいでかなり夜空は暗くなるのでチャンスがあります。タイムリミットは日の出で空が明るんでくる直前です。解放の明るい広角レンズを持っていないしカメラも高感度に弱い…という方は肉眼では分からない程度に空が明るんでいる3時や4時に撮るといいと思います(徹夜の撮影になっちゃいますが…もうそうなったら朝焼けの景色も撮って帰るしかありませんね)。

それと天の川は南へ向かって移動するので長時間にわたり待機する場合はバイクとの構図がずれてくるのでご注意を。

長くなったので次回に続きます

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目に見えないものを写真にする技術☆被写体と空間

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、不可解なタイトルをつけてしまいましたが今回はいつもと少しアプローチを変えて写真解説を書いてみたいと思います。題して「目に見えないものを写真にする技術☆被写体と空間について」でございます。

ビギナーだったころ一歩前に出て被写体に寄って撮ること、と教わりましたよね。きっと多くの方が知っている写真の基礎的な技術ですが皆さまはいつも意識されていますか?被写体に寄ることは特徴を強調したり主題をより明確にすることが目的ですが必ず寄らなくてはいけないのでしょうか?被写体に寄るは重要なのは理解できますが逆に引くことはダメなのでしょうか?

「被写体に寄る」に限らず例えば三分割構図とか写真の基礎と言われること、これらは「使うテクニック」と「使わないテクニック」の両者を身に付けるよう心がけてみましょう。この場合は三分割構図ではない、ここでイメージ通りに表現するのは敢えて被写体に寄らない、といった具合に【使わない方】も覚えるのです。




RICOH GR APS-C

さて今回は「目に見えないものを写真に・・・」と題しましたので、理論的なお話ではなく少々オカルト…ロマンチックな観点でご説明します。上の作品は東京の日常にあったバイク風景を写真にしたスナップです。少し前に風景主体のバイク写真はライダーの姿が無いと風景の中でバイクがお留守番しているみたいで不自然である…と書きました。しかしこの写真はツーリング写真ではなく本当にバイクが主人の帰りを待つお留守番状態なのでライダー無しでも成立するバイク写真だと思います。

私がここで写真を撮ろうと思ったのは都会特有のビル間から差す美しい光、ガラス張りの建物から透過している光の様子、苔むしたアスファルトなどが気に入ったからです。バイクという特定の被写体が存在しているので本来であれば寄って撮るのがセオリーです。しかしこの場合はその空間において被写体が放っている存在感を写真にしています。

「そこに在る」という事実を表現するために目には見えないオーラのような存在感をとらえるのです。




「そこに在る」をとらえるために被写体に寄らない。あえて空間を多めにとるという表現手法です。この引いて撮るやり方は被写体の小ささや可憐さを表現するのにも使われますが、ここでは存在感を放っている範囲をフレーミングし空間自体を撮るのでそれとは少し意味合いが異なるものです。

そう、存在感を放っている範囲です。目には見えないですよね。それは上の写真のように一輪の花がまるでその場に明かりを灯してるような空間のことです。明かりが灯されている部分とその周囲までが対象範囲です。「そこに在る」を撮るとはこうゆう事です。

EOS6D Mark2 + SIGMA50mmF1.4ART

被写体が放つ存在感が目の前の風景の中でどこまで及んでいるか?これは「ものを撮ろう」と凝り固まっていては捉えることができません。被写体がその空間に放っている存在感はまずは作者が被写体に心動されたことに向き合い、その場所に対してどう存在してるのかを感じ取ってみましょう。

この作品では廃屋が放つ崇高さだけでなく、かつて不毛の地を開拓したが自然の力には及ばなかったというStory性なども含め、場所に対して存在している事実を考えてみましょう。




このように目の前にある事実に対して心が動かされること、感じ取ること、想いを馳せることは「いい写真を撮ってやろう」という「やろう精神」では実現できません。以前も書きましたが「私の場合はこうです」という個人的な美的表現と「どうだうまいだろう」というやろう精神は似て非なるもので、間違っても後者にならないよう注意が必要です。被写体と素直に向き合って出会いに感謝する心を持ってみましょうね。

えっ?そんな善人じみたことは難しい?では上の作例でご紹介したような被写体を見つけたらまず最初に「こんにちは」、撮り終わったら「ありがとう、また会いましょう」と呟いてその場所を立ち去りましょう。これでOKですよ。

今回はこの辺で!

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常識を飛躍した表現に…<上級>ツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、コロナウイルスショックで大変な状況ですが如何お過ごしでしょうか?こういった状況になると平凡な日常が実は有難いことだったのだ…と改めて実感するものですね。

普通に会社に行ける事、普通にお店や映画館に行ける事、イベントや芸術鑑賞を出来る事…そんな「普通」を早く取り戻して、そして健康に生きることに感謝できる日がくるといいですね。そのために私たち一人ひとりが出来ることを確実にしていきましょう。




さて今回は私の独り言風にツーリング写真に関わる少々マニアックなお話を書いてみようかと思います。確か今年のはじめくらいにドキュメンタリータッチなツーリング写真とRoadTrip Photoのバイク版を今年の課題にすると書きました。ツーリングのRealを伝える写真は今まで意識したことも無かったので楽しい試みでしたが、いざやってみると課題にするような感じではなく、何というかこう…簡単だったのですね。感じたものへ視線向けた、それにレンズを向けてシャッターを切るだけですから。

そこでちょっとハードルを上げて常識の枠を飛躍したアートと呼べるツーリング写真にも挑戦してみることにしました。

EOS6 mark2

以前から芸術、アートを意識していなかった訳ではないのですが、なにしろ勉強不足で芸術とはなんぞや?というアカデミックなことになると全くダメでした。今も芸術について勉強している訳ではないのですが、以前よりも芸術を好きになり身近に感じるようになったのは確かです。




そこで先日、桜の咲く千葉県富津市の佐久間ダムでこんな写真を撮ってみました。日陰の多い鬱蒼した小径でしたが山間の隙間から強い太陽光が差し込み、ちょうど桜の花の部分とバイクを停めて良さそうな場所に強い日差しが差し込んでいました。

日の当たっている場所にR1200GSを停めて撮影を開始したのですが、当初のイメージが曖昧だったため、撮影は難儀しました。どちらかを立てれば一方が犠牲になり最終的に納得のいく着地点が見つからないパターンです。特に前景になっている緑や茶色が桜の存在を曇らせていました。

この時、どうも自分はいつもこんな事に苦しんいる…なにか腑に落ちない。仮にこの作業で納得のいくアングルを発見しても果たして自分が憧れている写真になりえるのだろうか?そんな疑問がふつふつ沸いてきました。

「そうだ、こんな普通の撮り方なんてもう〇〇食らえだ!」と半ばヤケになり、開き直りとは恐ろしいもので突拍子もないアイデアを思いつきました。それが上の写真です。何をしたかと言うと緑と茶色を抜いたのです。モノクロ写真に桜のピンクとR1200GSのブルーがあるのみ。後でLightroomでそうしようと思いシャッターを切りました。

もちろんこの写真が成功であったか?は微妙です。ただ非常識なことをしたのは事実です。私たち現代人、特に職業として芸術とは直接関係ないサラリーマンや公務員はどうも集団と同調するよう教育されているようです。その上で常識の範疇内で物事をすすめるのを良しとする傾向があります。

みんなと同じように常識的にやる…

無意識下に常識を飛躍するような発想を持ち合わせていない人間になっているのかもしれません。日常生活やお仕事をする上ではこれでも良いのかもしれませんが、自由を与えられたアマチュアの写真家が常識に縛られていて良いことがあるでしょうか?




既に誰かがやった撮り方、いい写真とはこんなんだ、一般に画一化された上手い写真…そんなものは貴方の個性でブチ壊してやりましょう。失敗に終わっても損害は何もありませんし、ましてや誰にも怒られたりしません。

私はこの4月からこういった常識を飛躍したアートツーリング写真に挑戦してみたいと思います。楽しそうでしょう?

今回はこの辺で!

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ピント位置と露出で魅せる複合上級テクニック

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、せっかくの良い季節ですが容易に外出できない有事となってしまいましたね…。ここ数日、究極のツーリング写真ではPV数がすごく伸びておりまして、きっと多くの方が外出できずにご自宅でインターネットをされているのだと推測されます。

こういう時は街中でスナップ写真や人の多い場所で桜の撮影とか難しいので、知識をつけるために究極のツーリング写真の過去記事をご覧ください・・・ちょっと無理があるかな?




さて今回はピント位置と露出で魅せる複合テクニックと題して上級ツーリング写真の解説をいってみたいと思います。

EOS6D mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG C

まずは完成作品からご覧ください。南房総の海岸線で撮った一枚ですがこの時、良いお天気と反して海は荒れていました。岩場に砕ける波の様子にすぐに私のセンサーが反応しました。

この砕ける波のダイナミックな表情を望遠レンズで引っ張って撮ろう。すぐにそう思いついてEOS6D mark2にSIGMA150-600㎜F5-6.3DGを装着して撮影に挑みました。

まずリアルサイド分析ですが撮影現場は太陽光が眩しいくらいに注いで十分に明るいこと、岩に砕ける波の様子が様々な表情があること、波の飛沫はかなり白いこと、遠景に船が行き交っていること、後方からの順光によりR1200GSアドベンチャーの各部にハイライトが入り輝くこと…などが確認できます。

充分に明るいということは早いシャッター速度をかせげる状況です。そして望遠レンズを使うには十分なスペースも確保されています。ここは岩に砕ける波を主題に撮るのですから大胆に絞りを解放に設定しピント位置を波にしてみました。

いちおう書いておきますがこのようなシーンでは迷わず高速連写モードを使用します。この撮影シーンだけで軽く200カットはシャッターを切りました。たくさんのバリエーションの中から自分の気に入った波の様子の1枚を後でselectする作戦です。




最終的に仕上げまで行ったカットは25枚でした。その中で上の写真のように葛飾北斎の神奈川沖浪裏を彷彿するような波のものもありました。これを採用カットにするかかなり悩みましたが、採用カットに選んだ写真の方が飛沫が鶴の化身のようで印象的だな、と思い最終的にselectを終えました。

上級者であれば魅せ方は1つと限らず2つ3つと複数の手法を複合的に駆使して表現してみましょう。今回の作品では先ほどご紹介した絞り開放により深度で魅せる方法、たくさんの連写から1枚を選ぶこと、そしてもう1つくらい何かないでしょうか??そう露出です。

リアルサイド分析で波の飛沫は真っ白である…と確認しましたが、この白さが白トビしてディティールが失われないようこの部分に露出を優先します。結果、他の部分が少し暗くなってしまいますが、そうなっても変な写真にならないように構図を組み立てます。飛沫に露出を合わせたことで高速シャッターが捉えた飛沫の一粒一粒まで精密に表現することができました。




いかがでしたか?私もまだまだ勉強中ですが一枚の作品の中にいくつもの表現手法を組み合わせた写真。そうすることで写真の構造を暗号化して見る側に巧妙さを容易には感じさせないという効果もあります。

ちょっとマニアック過ぎたかな…

今回はこの辺で!!

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写真は完璧であってはならない理由<上級>ツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、芸術はお好きでしょうか?当ブログでは以前よりツーリング写真、バイク写真を芸術作品…つまりARTへ進化させバイク写真文化を成熟させていきましょう!と発信してきました。

しかしどうすればバイク写真という小さな写真文化をARTへ昇華させることができるでしょうか?そもそもARTって何でしょう。私も勉強不足なのでこの辺の深い話ができないのですが、観賞者サイドも作者サイドへ寄り添って共に思考して楽しむものがARTではないでしょうか?

美術館に行くと難解な作品を目にすることがあります。特に印象派の作品や現代アートなんかでよく感じます。「これは一体なんだろう???」「作者は何をうったえているのかな?」と作品の意図がパッと見た瞬間ではすぐには分からない作品です。このように観賞者が思考することが【観る側の楽しみ】です。ただ見るのではなく感じて思考すること。この意識がないと芸術を単純に視覚的な美しさやバランスだけで見てしまい面白くないものになります。

そして観賞者を楽しませてくれる芸術作品ほど曖昧さや不完全さがあるものだな…と私は感じます。あの岡本太郎さんも「芸術は美しくあってはならない」「芸術は心地よくあってはならない」と何かに書かれていました。不完全さや曖昧さからくる思考の渦を感じ取るもの…よく分かりませんがそんな感じがARTなのではないでしょうか。




さて今回はそんな観賞者を思考や想像で楽しませるツーリング写真をご紹介してみたいと思います。

これは撮影現場の様子をiphoneで撮った1枚です。漁船のキャビンだけが空き地に捨てられている様子ですが、私はこういった光景がいちいち心に刺さってしまうので、撮らずにはいられませんでした。

しかしこの朽ち果てた漁船のキャビンとバイクを合わせてどのようなツーリング写真を撮りましょうか?被写体の特徴をよく観察し、自身が動いた心の様子を自ら感じ取りながら思考します。

まず特徴的だと感じたのは連なる3つの窓です。ガラスは割れていますが枠を固定しているネジなどが面白いと感じました。ここを使って窓の向こう側へR1200GS-ADVENTUREを置いてこんな風に撮ってみました。この写真の説明範囲は漁船のキャビンのような物が横たわっているのだな…という事がかろうじて伝わる程度です。

「説明範囲」とは写真であるからには元は事実な訳ですが、それが何であるか見る側へ説明する作者の責任ようなものです。バイクを撮ったのに小さすぎたりボケすぎたりして、見た人に「ここに写っているのは自転車ですか?」となればバイク写真としての説明範囲が十分でなかったという事です。




ここではバイクはもちろんの事、メイン被写体である漁船もかろうじて漁船であることが多くの人に伝わるのではないかな、というつもりでこのように撮ってみました。

しかしこれだと見る側の思考の楽しみが少々もの足りないようにも感じます。説明範囲が広すぎて退屈なのです。せっかく変わったものを見つけたのですから、もっと観賞者の想像力をかき立てる工夫はできないでしょうか?

EOS6D mark2 + EF35mmF2 IS

そこで最終的にこんな風に撮ってみました。キャビンにぐっと寄って窓枠を主題にした写真にしたのです。寄ったことで枠の様子が明らかになりメイン被写体の質感が表現でき、わずかに残されたガラス片も写すことが出来ました。

しかし、これだとこの白いモノが何なのか?撮影現場を見ていない観賞者には得体の知れない物になってしまいます。説明範囲が狭く事実が伝わらない写真ですね。これが何であるかは観賞者が思考する取り分として意図的に残します。

「わけが分からない」と見向きもされないかもしれません。ここは「想像力が乏しい観賞者は残念ながらターゲット外にしよう」と大胆に割り切りましょう。たまには良いではありませんか。




このように写真とはいえ実際の様子の全てを明らかにせず、あえて観賞者の持ち分として想像範囲を残す手法のご紹介でした。写真は事実を元に生み出す芸術ですが実際の様子の何もかもを写す必要はなく【説明範囲】と【想像範囲】の割合を作者である貴方が裁量するのが面白いのではないでしょうか?というお話でした。

…完璧に説明した写真なんて退屈ではありませんか。

今回はこの辺で!!

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これが究極の黄金比☆フィボナッチ螺旋構図とバイク写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、河津桜の写真はもう撮られましたか?私は房総人なので南房総の河津桜「頼朝桜」の写真を今年も撮ってみました。

頼朝桜とはかつて石橋山の戦いに敗れた源頼朝が小舟に乗って房州の竜島(鋸南町)に流れ着き、そこで再起をはかったことに由来するものです。桜自体は河津桜と同じだと思いますが呼び名が房総では「頼朝桜」となり佐久間ダム親水公園や保田川で頼朝桜のお祭りも開催されるのです。

実は去年も保田川で写真を撮ったので今年は同じような写真を撮らないように、進化を確認するぞ!といった感じでハードルを自分で上げて撮影に挑んでみました。




EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

桜に限らず「今日はお花のシーンで撮るかも」という時に迷わずに持っていくレンズはEF70-200mmF2.8L ISです。このレンズは開放F2.8が通しで得られるキャノンの大三元レンズですが、浅い被写界深度をコントロールしボケ具合で花のある風景をイメージ通りに表現できるのです。

で、今回の写真は究極の黄金比と言われるフィボナッチ螺旋構図、またはフィボナッチスパイラルと呼ばれる黄金螺旋構図を採用してみました。




フィボナッチ螺旋構図とはこのような構図です。黄金比(1:1.618)に基づいた比率の曲線です。少々アカデミックな話ですがフィボナッチ数列といい1から始まり前の数字を足していく数列(1.1.2.3.5.8.13.21・・・)があります。この数列を正方形として積み合わせていくと上の青点線のようになり、その交点を曲線でつなぐと何とも神秘的な渦巻き型の曲線ができあがります。

神秘的な…と形容したのは根拠があって、このフィボナッチスパイラルはオウム貝の断面、竜巻、花びら、DNAなど自然界や生物に存在している正に神秘の曲線なのです。

Lightroom

何だか難しく聞こえますが1:1.618だの数列だのを完全に理解する必要はありません。ポイントはフィボナッチスパイラルを何度も見て覚え、実際の撮影シーンで覚えたフィボナッチスパイラルを意識して構図を作るのです。

以前、私はこの構図を知ったばかりの頃「カメラにもグリッド線のようにフィボナッチスパイラルを表示できれば良いのに」と思っていました。しかしそのようなカメラは有るのかもしれませんが稀です。ここ、大事なポイントなのですがフィボナッチスパイラルはグリッド線のように合わせるものではなく、あくまで感覚でつかんでみましょう。人間のDNAにもある神秘の曲線な訳ですから、そういった意味で感覚が最も精度が高いと私は信じております。




実際には難しいです。まずは曲線の要素を探すよりも最初に渦巻の中心にバイクなどのメイン被写体を置いてみます。その上で曲線上に配置できるデザイン要素を見つけてアングルを探り当てていきましょう。

もしフィボナッチ螺旋構図が成功すれば、それはレオナルドダヴィンチなどの芸術作品に通ずる優れた構造を持った写真が実現できる訳です。

ステップアップの1つの目標として次の撮影で挑戦してみてくださいね。今回はこの辺で!!

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上級者の秘密テク☆深度のピークをコントロールする妙

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は久しぶりに<上級>ツーリング写真解説をいってみたいと思います。今から2年前、私はこのブログを立ち上げたばかりの頃にツーリング写真の撮り方の解説として<初級><中級><上級>と3つのカテゴリーに分けて解説を作り始めました。

写真の撮り方のノウハウなんて普通は秘密にするものですし、基本的なことであればマニュアル本にもネット上にも情報は溢れています。世に存在している写真の撮り方とは大半が初級者向けのカメラ操作方法ばかりです。ビギナーを卒業しているはずの人でも最初に教わった基礎に縛られてしまい、それ以上の知識を得る機会が少ないな…と感じてこのようにしました。そして写真を好きになるとは、写真を楽しむには、といった写真を中心としたビギナー向けの情報が乏しいとも感じたのでその辺も最近は書くようにしております。

私のような人間が上級者向けの内容を書くなどまことにおこがましい…という事は承知の上でやってみようと思いました。「ぜったい偉い人に怒られるな」と当初は予想していたのですが、幸いなことに今のところ誰にも怒られておりません。




さて前回と前々回でツーリング写真、バイク写真に使う三脚のお話、そして三脚をバイクに積載するにはどうしたら良いか、という投稿を書きました。

前回の投稿はこちら

前々回の投稿はこちら

この解説の時に撮った作品で今回は被写界深度とピントピークのコントロールについて書いてみたいと思います。

EOS6D Mark2

まずは完成した作品からご覧ください。この冬の季節、南房総からは東京湾ごしに富士山が美しく見えるものです。また海は紺碧色で空気は澄んでいて冬の房総の海岸線は本当にバイクで走ると気持ちいいなと、30年も千葉をツーリングしていますがいつもそう思います。

いちおう<上級>ツーリング写真解説とはいえ、いつも通りこの作品の基本的なプロセスを最初に解説しておきます。まずFactorの解明ですが、ここで撮ろうとバイクを停めた理由は美しい東京湾ごしに見える冬の富士山にアンテナが反応したこと。Real side分析では富士山まで遠い、海が青い、撮影スペースはかなり広い、タンカーやコンテナ船が頻繁に行き交っている、トビが飛んでいる、など作品に使えそうな素材をピックアップしました。heart side分析ではとにかく全体が青の印象として感覚に刺さったこと、日本の玄関口である東京湾の様子とトビの演出で何となくStory性を作れそうだと予感したことです。

左 F6.3                     右 F14

<上級>ツーリング写真なので基本的なことはサラっと解説します。この撮影シーンではR1200GS-ADVENTUREの各パーツに入ったハイライトを使って玉ボケで表現してみました。F14まで絞り込んだ右よりもこのレンズで解放となるF6.3の方がキラキラと抽象的で私好みだったのです。画面全体は望遠レンズによる強烈な圧縮効果で富士山も海面の青も見る側へ圧力的にアピールします。

いくら絞りを解放に設定しても、ある程度から遠くにある部分は被写界深度が深く発生することは上級者の方でしたらご存じだと思います。そして深度は奥行方向に山になっていてピークが存在がします。ピークは最もシャープになる合焦ポイントですが、解放と違って深度が深い場合についてはピークもある程度の奥行きが存在するものです。




☆ここでワンポイント なぜMFを使うのか?

ではそのピーク位置をどこに置きましょうか?もちろんAFではなくMFを使用します。AFはスポーツシーンなど動く被写体を追従する時などに必需ですが、こういった風景写真の場合は被写体との深度の兼ね合いを考慮してMFで精密にコントロールしてみましょう。

カメラのAF機能は深度と被写体の兼ね合いまで考えて動作する訳ではありません。あくまでピントピークを特定の被写体に合わせることしか出来ないのです。

この作品の場合はとにかくR1200GS-ADVENTUREの車体に入る玉ボケのハイライトを美しく表現したい一心でした。そのための手段として開放F6.3で発生した深度とそのピントピーク位置をこの写真の最も遠景となる被写体、富士山の頂に合わせてみました。ピークが思いっきり遠くになったことで、R1200GS-ADVENTUREの玉を大きくしたのです。

これがもしピークを対岸の久里浜や沖合の船に合わせたとしましょう。それでも富士山の頂はシャープに写りますが、F6.3程度ではこれほど大きな玉ボケは作れません。

例えば300mmの望遠レンズで50m先に被写体A、70m先に被写体Bがあったとします。AとBの両方にピントを合わせたいとき、最低必要な被写界深度を出すにはF11だとします。AとB以外の背景や前景はなるべくボカしたいとなったとき、ピントピークの位置はAとBの真ん中となります。AFを使ってしまうとAかBのどちらか一方にピークを合わせてしまうので、両者にピントを持ってきたい場合はF11では深度が足らなくなってしまい、さらに絞れば背景や前景のボケ具合が甘くなってしまいます。

深度のコントロールとピントピークの調整は必ずMFで行う理由はこれです。

絞り込みボタンを押し込みながらフォーカスリングを回す

ピントピークの位置調整は難しいのでお勧めのやり方をご紹介します。まずレンズをMFにしてライブビューさせます。そして絞り込みボタンを押し込んでみましょう。

絞り込みボタンを押し込んだままの状態でフォーカスリングを回し各被写体の合焦を確認しながら調整します。私のSIGMA150-600mmF5-6.3DGの場合はピントリングを左に回していくことで、合焦ポイントは遠景に向かっていきます。拡大表示させる部分はコントラストのはっきりしている部分を探してみましょう。もしR1200GS-ADVENTUREに合焦させるのであれば上の写真のようにBMWのエンブレムが分かりやすいです。皆さんもご自身のバイクでピント確認しやすい部分というのを見つけて決めておきましょう。




このようにピントをかけたい2つの被写体を狙い、絞り込みボタンを押しながらピント調整する一方で、通常の方法としては絞りは解放にしてピーク位置だけを確認するやり方もあります。一般にはこちらが正しいのかもしれません。カメラのファインダー像が通常時は解放で写っているのも、ピントピーク確認用としてそうなっているのかもしれません。ただ今回の作例のように被写体Aと被写体Bの真ん中に目印になる物が何もない場合は困ってしまいますが(上の作品だと海のだいぶ沖らへん)。

最後に作品の深度のお話以外の部分を補足しておきます。絞り値の比較写真ではヘルメットを置いている位置がR1200GS-ADVENTUREの足元ですが、完成写真では画面のちょうど左下の角に置きました。光沢のあるヘルメットであれば、これもハイライトが玉ボケになってくれると思い、画面の中で印象の弱かった左下をヘルメットに補ってもらったのです。そしてコンテナ船は明瞭に写っていませんが、これは冬の東京湾でよく見られる蜃気楼のような現象によるものです。その証拠としてずっと手前に存在している鳶には合焦しています。

今回の解説としては蛇足ですが以前に解説した7つのプロセスの最後【奇跡の待機】によってラッキーを授かりました。鳶が登場し鮮やかに作品の主役を奪っていった・・・その瞬間をとらえることに成功したのです。これが写っているのを確認した瞬間「やはり写真の神は私の味方だな」と勝手に膝を叩いて喜んだものです。

どんなに静かに見える風景でも写真とは瞬間なのだ、という事を忘れずに撮影に挑みましょうね。

今回はこの辺で!!

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↓↓↓撮影地↓↓↓

ちなみにこの撮影ポイントから富士山の頂まで、直線距離で測定してちょうど100kmでしたよ。

ツーリング写真家が実践している7つのプロセス<中編>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、気が付くともう1月も終わってしまいますね。暖冬とはいえバイクにはまだまだ寒いですが、早くバイクの季節がくるといいですね。

さて前回よりバイク写真家が実践している7つのプロセスとして、ツーリング写真に関わる総合的なことを書いております。今回はその続きでございます。

・前回の投稿ツーリング写真家7つのプロセス 1~3はこちら

4.リストからのsearch&choice

写真は撮り方が大事…と多くの方がご存じだと思います。しかし撮り方は確かに大事ですが最重要ではなく、あくまで今回ご紹介するプロセスの中の1つに過ぎません。撮り方の引き出しはベテランほど豊富に在庫しているものです。その中からいま目の前にある情景や被写体に対して、自分が感動したことを魅力的に表現する手段として自身の「撮り方の引き出し在庫リスト」からsearch(検索)をかけてchoice(選択)するのです。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

撮り方の引き出しは例えば三分割構図で撮るとか、絞りを解放して背景をボカすといったものが一般的に知られていますが、そういったメジャーなものに限らずマニアックな手法からオーバーヘッドキックのような飛び道具的な引き出しまで、豊富なバリエーションで持っておくのがおススメです。引き出しの数は2つ3つでは全く話にならず100でも1000でも多ければ多いほど作品の可能性は広がると思います。

そして豊富な「撮り方の引き出しリスト」から目の前にある情景や被写体に対して、どれをchoice(選択)するかが重要な見せどころであり、貴方らしさを発揮するポイントでもあります。choiceは2.のReal side分析から得た素材情報を元に使えそうな撮り方をリストから見つけます。それは被写体の特徴であったり線や色などのデザイン要素、光の様子といったことからヒントを得ます。

上の作品では南房総にこの時期に咲く頼朝桜(河津桜)のツーリングシーンですが、全体を桜の花で埋め尽くす構図を作り頼朝桜のピンク色を印象付けました。そしてわずかな隙間にR1200GS-ADVENTUREを配置する「のぞき窓構図」を採用しました。そして近景になる桜の様子がある程度明らかに表現できるよう絞りをF18まで絞り込みました。私の撮り方の引き出しリストを検索した結果・埋め尽くす構図・のぞき窓構図・近景から深い深度で魅せる などがヒットしてそれをchoiceしたのです。




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

もう1つ作例をご紹介します。この作品は富士五湖の1つである精進湖で撮った1枚です。太陽を画面内に入れてしまう強烈な逆光のツーリング写真です。

このとき私は道路という限られた撮影スペースでいかに富士山を望む精進湖の雰囲気を表現しようか模索しました。Factorの解明、Real side分析、Heart sideを感じ取るプロセスで富士山や精進湖といった固有の被写体がどうこうではなく、この強烈な光が存在する空間に心が動かされたのだと思いました。そこで撮り方の引き出しリストに検索をかけて、そのイメージにぴったり合うものがないか探しました。

強烈な光が心に突き刺さったツーリングシーンなのですから、光が記憶に残った記憶色風景を演出してみようと思いつきました。記憶色風景であれば抽象的な表現の1つとしてレンズフレア、ゴーストを使ってみようとなったのです。逆光時に発生する光学的なレンズゴーストは一般には嫌われる傾向ですが、私は好きなので積極的に使うことが多いです。八角形のゴーストがR1200GS-ADVENTUREに向かって光の宝石を散りばめるように…あるいはキラキラと注ぎ込まれるようにカメラアングルを探ってみました。

これは事前に撮り方の引き出しリストの中に「ゴーストを被写体に散りばめるの術」を持っていたからに他なりません。忍法みたいですが分かりやすく言うとそうです。

撮り方はある種の演出なので賛否あるものです。中にはそういった手法はあえて使わない写真家や撮り方を感じさせない巧妙な構造の写真を好む写真家もいます。ドキュメンタリータッチなナチュラル写真を撮るベテランは星の数ほど持っている引き出しリストから「1つも使わない」をchoiceしているのです。




5.uniqueさをプラスオン

ここまでのプロセスで試し撮りをした画像を確認し次のように自問してみましょう。本当にこれでいいか?普通すぎやしないか?意外性、驚き、おもしろさ、珍しさなど最後のひとひねりを加えることはできないだろうか?と。

RICOH GR

美しい景色を撮るべきだ!とかカッコいい写真を撮らねばいけない!と執着心のようなものがあると柔軟な発想は出てこないものです。ユニークさはいつも楽しんでいる心から生まれるものでツーリングを、写真を撮ることを、心から楽しむことを忘れずにいましょう。

ユニークな被写体を見つけたら擬人化してみて「ここで何をしているんだい?」と話しかけてみたり、カメラを持って遊んでいる自分の影を撮ってみたりアイデアは無限大です。いつも美しい景色やカッコいいバイク写真ばかりを求めていた自分が馬鹿らしく感じるほど楽しいですよ。




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

そんなユニークな発想力を日常的に鍛えていれば、ある日突然としてツーリング写真の中にユニークをブレンドして目からウロコの写真を撮ってしまうものです。それはかつて誰も撮ったことのないような写真を斬新な表現として誕生させます。

さらに愉快なのはそんな写真を撮ってしまった”未知の自分”の発見です。自分で撮っておきながら「なんだこの写真!」と笑いがこみあげてくるでしょう。そうなると発想力はさらに柔軟になりuniqueとinspirationの無限ループは成立します。

inspiration、つまりひらめきとは考え抜いても気張っても出てくるものではありません。IPS細胞の研究で有名な京都大学の山中教授も「ひらめきは脳のリラックス状態から生まれる」と言っていました。まずは撮影地で少し散歩するような気分で歩き回ってみましょう。奇想天外な何かを授かるかもしれませんよ。

それをキャッチしたら作品にプラスオンするのみです!

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次回、ツーリング写真家の撮影現場7つのプロセスの最終回でございます。お楽しみに!!

上級者がスランプに陥ったときの脱出方法

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、お正月の運動不足、食べ過ぎでダラけていませんか?私は元旦から仕事ではありましたが、お酒や食べ物はつい気がゆるんで普段よりも不摂生してしまいました。

年末は連休をいただいたので2019年の最後のキャンプツーリングを2泊で楽しんできました。しかし真冬だというのにキャンプ場はファミリーやその他のカーキャンパーで溢れかえっていてガードマンまで出動するというカオスでした。その昔、真冬にキャンプなんて変人扱いされたものですが、時代は変わりましたね…。

さて今回は少々大げさなタイトルですが写真キャリアを積んだベテランであれば誰もが通過点となる、写真に関わるお悩み「スランプ」の脱出方法について偉そうに書いてみたいと思います。

RICOH GR APS-C

カメラやレンズの使い方、構図や露出などの撮り方、被写体への理解、そして数々の失敗作と成功作。これら写真に関わるあらゆることを経験してきたベテランが、最初に当たる壁は表現やスタイルの問題ではないでしょうか?

万人に受ける写真が良しとされるのか?分かる人にだけ分かってもらえる写真が良いのか?

美しい、驚きといったインパクト系の写真が良いのか?地味でも伝えたい事がきちんと写っている写真が良いのか?




表現の世界であるからには見てくれる人の存在があって成り立つ訳ですから、見る側を全く無視するのは出来ませんよね?しかしあまり意識しすぎると個性が消えてしまい上手なだけの記録写真になってしまいます。そしてそういった写真は既に他の誰かが撮っているものです。

上の写真はいつも通りの私の大好きな撮影シーン、ツーリング先での漁港です。毎度、すごく地味な写真でこのような写真を見ても喜んでもらえる人は稀なのは、何より私自身が理解しています。故にこういった写真が大好き!という人に巡り合ってしまうと怖いぐらいに意気投合してしまうのですが、それはそれで嬉しいものです。

この写真をSNSで投稿しても「いいね」もコメントも少ないです。もちろんコンテストに応募しても入選は難しいでしょう。しかし全く気にしません。好きなものを好きなように撮るのが最高に楽しいからです。反応が薄いのは正直に言えば少し寂しいですが、SNSやコンテストが何なのか?を考えれば簡単です。SNSは近況報告やコミュニティーを楽しむもの、一部の人は承認欲求を満たすもの。コンテストは他者との比較によるコンペです。主催サイドの意向に合致している作品であるか審査し優越を付けるのがコンテストです。

私がSNSの反応を気にしていないのは写真を通して承認欲求を満たそうとはしていないからです。承認欲求とは他者に自分は立派であると認めてもらいたい欲望のことです。簡単に言ってしまえば「どうだ俺、写真うまいだろう~、俺のカメラ凄いだろう~」という見栄や自慢という事ですね。

RICOH GR APS-C




もっと「いいね」をもらいたい、コンテストで入賞したい、もっと人々を驚かせてみたい、こういった欲求は決して悪い事ではありませんが、これに支配されてしまうと自分の撮りたい「好きなものを好きなように撮る」を見失って、たちまち写真を撮る楽しさが消えてしまいます。

楽しさが消えると連鎖反応であらゆる大切なものも消えていきます。楽しんでいないと出会えない、楽しんでいないと気が付かない、楽しんでいないと表現できない。他にもたくさんあります。結果、いい写真など撮れず最終的にpassionも消えてしまいます。昔、ある先人が人生における効率で最も非効率なのは悩むことで、最も効率が良いのは楽しむことと言っていました。

ここまで書けばもうお分かり頂けたかと思います。スランプはいつも楽しめていない時、人の目を過剰に気にしているとき、欲求や得体の知れない何かに支配されているときなのです。

「あ…私そうかも…」と気が付いた貴方はすぐに軌道修正に取り掛かりましょう。好きなものを好きなように撮って、これが私流、俺スタイル、とにかく私の場合はこうです!という自分の主張をこれでもか!と盛り込んでみましょう。上級者なら他人のコピーなどやめてインスピレーションを信じて独自の表現を貫いてみましょうね。それはSNSで発表しても「いいね」は少ないかもしれませんが素晴らしいことです。

リコーGR APS-C

「でもそれって自己満足の押し売りじゃない?」という疑問も出てくると思います。いいえ違います。確かに写真をはじめたばかりのビギナーの頃は、写真は人に見てもらう表現の世界なのだから、自己満足ではいけませんよ…と教わった記憶がありますね。もちろん正しいことですが、ここで言う自己満足とはただ撮ったという中身のない画像を他人へ見せるのはやめましょう、という意味で今回の解説でいう「自分の大好きを好きなように撮る」とは本質的に異なります。




大丈夫です…あなたが本当にツーリングを愛しているのなら難しいことに悩まなくてもきっと撮れます。

ツーリングで出会うものをキャッチする受け皿になる感じです。「いい写真を撮ってやるぞ」というハンターにならないよう気を付けましょう。

以前も書いたことがありましたがインスピレーションを生み出すのはいつもリラックス状態です。楽しい、落ち着く、のんびりと…といった穏やかな精神状態のときにインスピレーションは生まれます。もし精神状態の構築が難しいと感じるなら簡単な方法が一つあります。それはバイクを停めて写真を撮り始める前に、15分くらいで良いので撮影地を歩いてまわってみましょう。気楽に歩き回るだけで楽しさ、落ち着きといったリラックス状態がつくれますよ。

今回はこの辺で!!

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ドレミファ構図で決める☆ツーリング写真におけるデザイン~リズム編

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今年も残すところわずかになりましたね。年末のお仕事、家の大掃除など何かと忙しい日々を送られているのではないでしょうか。それと愛車の洗車と整備、カメラのレンズやセンサーの清掃もお忘れなく。

つい先日、職場の近くで私のファーストバイクと同じ1990年のVFR400R(NC30)を見かけました。そのバイクはオリジナルを忠実に保存した個体ではなく、90年代の走り屋スタイルを再現したバリバリのカスタム車両で思わず見入ってしまいました。オメガの耐久カウル、ヤマモトのマフラー、コワースのバックステップ、ブルーフォックスのレーシングパーツなどなど… 約30年前に自分が走っていた頃に峠や埠頭でよく見かけた懐かしいスタイルです。

さらに驚いたことはオーナーさんがとても若い方だったこと。20代前半でしょうか…てっきり私と同年代の人が当時を懐かしく思い復活させたNC30なのかと思いました。4輪も同じようなことが言えますが安全面、環境性能、生産コストなど様々な背景でむかしはOKだったけど今は作れない。そんな時代なので20~30年前に作られていた車やバイクが若い世代の人から見て魅力的に感じるのはごく自然なことかもしれませんね。




さて今回は久しぶりに<上級>ツーリング写真解説として写真の基礎工事とも言えるデザインの話をしてみたいと思います。

EOS6D Mark2

以前にも究極のツーリング写真では何度か写真におけるデザインのお話を解説してきました。写真におけるデザインとは主に色、線、図形、規則的なパターン、立体感、質感、シェイプなどですが、今回はリズムを解説してみたいと思います。

この写真は関東地方で最も遅い紅葉と言われる養老渓谷の近くで撮影しました。秋の台風で塩害があったため、例年ほど美しく色付いてくれませんでしたが、それでも赤や黄色の葉に午後の太陽光が透過する様子が素晴らしかったです。

ここでは「午後の光が紅葉を透過して降り注いでいる空間」として表現できるよう、光や空気の様子を大切にフレーミングや露出を決めました。このように全体が赤、黄色、オレンジが主体となると写真デザインの上で「色」の要素が効果的になり、とりわけ暖色として見る人に暖かさ、安心感を与えるものです。

しかし紅葉した葉の密度を上げる目的で150mm望遠を使用したので、すこし奥行きが失われてしまいます。それを木の幹をリズム配置して補ってみました。




木のある風景を撮るときに紅葉した葉や花をつけた桜などに気をとられすぎて、つい幹の存在が手薄になってしまうものです。木の写真の多くの場合、幹の様子をしっかりデザインとして取り入れるかで安定感が決まります。重要なポイントなので覚えておきましょう。

写真の観賞者とはその写真をぱっと見た瞬間に、写真内で視線を右に左に走らせています。その無意識下で動く視線の動きは写真の中に誘導係がいないと泳いでしまい「この写真に関心の対象はない」と思われてしまうものです。しかしデザイン要素で効果の高いS字曲線やカラフルな色が存在すれば、極端に言ってしまうと被写体が何であろうと「おっ」と感じる写真が成立するものです。

この作品ではピンクの枠で囲ったように木の幹の様子をドレミファソラシドで配置するよう意識してみました。これだけで観賞者の視線はかなり楽しめますし泳ぐこともありません。もちろん見る人にそのような知識などなくても、あくまで無意識下で視線を楽しんでいるという意味です。




ポイントはデザインに使えそうなリアルサイド(現実の様子)を最初に洗い出して、構図内に使えそうか検証することです。それと忘れ勝ちなのは悪影響してしまうデザイン要素は画面外に排除すること。被写体を串刺しにしてしまう垂直の貫通線や色であれば色相環で補色とはほど遠い組み合わせを見つけた時などです。

あっ、紅葉の木々からの光にぬくもりを感じた…といったハートサイドでのアプローチも大切なのでお忘れなく。

今回もマニアックな話だったなぁ…誰も最後まで読んでないかも…

しかしまた書きます!今回はこの辺で!!

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