ツーリング写真 木の写真を撮る場合のコツ




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

少し前にアップしたこちらの作品ですがSNSで意外と好評でしたので少し解説を書いてみたいと思います。

その前に初歩的なことを少しおさらいです。そこで写真を撮ろうと思った場所では景色や被写体をよく見て、その特徴をとらえ「らしく」見えるにはどうすべきかを考える、ということを以前に書きました。できれば言語化してみると撮影作業で何をすべきか具体的になってきます。




この作品の場合は主題は大銀杏ですが言語化するのであれば「黄色く色付いた立派な大銀杏のご神木が神々しい」といった具合でしょうか。ここで言語化の中から拾えるワードは「立派な」なので、その大きさや迫力を出すにはフレーミングを考えます。木を撮ろうと思ったからと単純に枠の中に木全体を入れては立派さが伝わりません。上部などを切り取って枠に収まり切れない被写体とすることで大きさ、立派さを表現します。簡単なことですよね?

次に木の写真を撮る場合のコツというかポイントなのですが、構図を作る上で幹をしっかり意識することです。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

三分割構図にしろ日の丸構図にしろ幹をしっかりみて配置を決めるのですね。木全体に意識を奪われないように。それと地面の割合を少しだけ多めに入れることで木に安定感を与えます。目では見えませんが地面の中にまでしっかりと根をはっている様子を想像して地面の割合を決めてみましょう。

これからの季節の紅葉や春になったら桜にも使えるのでぜひ試してみてください。




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目からウロコの露出のハナシ

EOS6D Mark2




写真ビギナーの方にとって理解しにくい写真の露出…。一般的な写真文化の範疇では多くのカメラユーザーは露出はカメラにお任せしていると思います。そもそも露出とは真っ暗なカメラの中にあるセンサー(またはフィルム)に外の光をレンズを通してどれくらい取り込むか?という話です。その名の通り光に【露出】させたという意味です。

優しく言ってあげれば最終的に出来上がる写真の明るさを決めるものです。まずは求める明るさというのがあって、その上でいまソコにある光の量を測り、最終的にシャッターを開けていた時間、レンズ内の絞りという穴ポコの大きさの二者の仕事によって露出が決まります。

ここではシャッター速度と絞りの話は別の機会にするとして、最終的な写真としたい【求める明るさ】と【いまソコにある光の量】の関係について書いてみます。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG




こんな風に考えていないでしょうか?

見た通りの明るさに撮らないと・・・。

いきなり結論から言ってしまうと見た通りの明るさを求めるのは表現の幅を自ら制限しているようなものです。写真の世界には適正露出という言葉がありますが、それは製品カタログや証明写真など現実の様子を正確に伝えるための説明写真の用語です。我々が目指したい「いい写真」とは異なるジャンルのお話なのです。

撮影者が感動した情景や被写体。これらをART的に表現するにあたり、実際の明るさを正確に写真にする必要は必ずしもありません。ここは少し暗い写真にした方が自分が感じたイメージに合致するな、とか明るくふんわり仕上げて女性的な表現にしたいな、といった具合に撮る時点でのイメージに忠実に露出を決めれば良いのです。

EOS6D Mark2

ここで一つ、ポイントとなるのはダイナミックレンジ。またややこしい専門用語が…と尻込みせず是非聞いていただきたいのですが、写真にできる明るさには特定の範囲が決まっています。暗い部分から明るい部分まで、様子が写せる範囲がダイナミックレンジです。ダイナミックレンジが広いカメラとか、ダイナミックレンジを広げたレタッチ写真と言った具合に使われます。

そしてダイナミックレンジは人間の目ほど広くはなく、ごく限られた範囲であるということです。この限られた範囲を「日陰と日向があって双方に露出が合わない」と苦しむか「ダイナミックレンジの外側に写したくないものを沈めて被写体を演出した」と出来るかが良きフォトグラファーであるかの分かれ道です。

よく「見た通りに撮れない」と露出について悩む方がおられますが見た通りに撮れないのが当たり前と覚えてしまいましょう。カメラは目ではないのです。で、あればその限られた光の範囲をうまく使ってあげるのです。




EOS6 mark2

この山桜の作品は露出を桜に合わせた結果、背景が黒バックとなりました。背景の部分は荒れた草地で所々に土が露出しているような場所です。メインである桜に露出を合わせた結果、見せたくない部分をシャドウに沈め作品を演出したのです。もちろんこの様子は実際に目でみた風景よりも、ずっと暗いので撮影場所に一緒に居合わせた人にこの写真を見せれば「信じられない」と言うでしょう。

撮りたいと思った写真のイメージを描き、求める露出を決めます。次にそこにある光の量を測り、最終的に露出値を決める。マニュアル露出モードで撮りましょうという意味ではありませんが、評価測光の場合であってもカメラが最初に算出した露出に惑わされないことが大切です。どんな高性能なカメラであっても撮影者のイメージをくみとることは出来ないのです(少なくとも2021年現在)。

明暗差のあるシーンでは限られた範囲【ダイナミックレンジ】を意識して写す部分、写さない部分の選別をしてから双方の割合が変にならないよう構図を作りましょう。露出と構図はセットで考えると習得しやすいです。

その被写体が最も魅力的にみえる露出はどうか?最初にその風景で感じたものを露出で魅せるにはどうであるか?これを今目の前にある光の量と相談して露出を決めるのです。カメラのAE(自動測光機能)はあくまでCPUが測光結果を受けて算出した機械的な値でしかないのです。

【カメラを使って写真を撮る人】と【カメラに写真を撮ってもらう人】の話を以前にしましたが、露出もまた然りなのですね。

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子供でも分かる【絞り優先モード】の使い方




一眼レフカメラや上級機種のコンデジには撮影モードなるものが存在します。絞り優先、シャッター速度優先、マニュアル、Pオート・・・などがそうです。その他にも入門機にはシーン別撮影モードというのがあって風景モードとかスポーツモードなどがあるようです。

写真を撮る人はすごく大まかに言って二種あります。一つ目はカメラを使って写真を撮る人。二つ目はカメラに写真を撮ってもらう人。どちらが良いかは言わずもながですが前述のシーン別撮影モードというのは永久に【カメラに撮ってもらう人】を卒業できない悪夢の撮影モードです。

その昔、写真はキレイに撮ること自体が難しく、キレイに撮れればプロ級であると言われた時代がありました。昔はフィルムだったので撮った写真をその場で確認できませんし、フィルム代と現像代があるのですから無暗に何枚も撮っておく訳にもいきませんでした。そして何より昔のカメラは露出やピントをマニュアルで操作する以外なかったのです。

そして時代が変わり技術が進歩したことで露出が自動になり、フォーカスが自動になり、キレイに撮る事は誰でも出来るようになりました。現代ではむしろクオリティ面で問題のある写真を撮ってしまうこと自体が稀になったと言えます。

そしてフィルムからデジタルとなり…携帯電話とデジタルカメラが一緒になり、見る場面もプリントからモニターへと変わっていきました。

個人的な感想ですがフィルムからデジタルへ変貌したことは多くの人が理解しているようですが、見る側の文化がプリントからモニターに変わってしまったことに多くの人が意識が向いていないように思います。もちろん現代でもプリント作品という文化はありますが、大衆的写真文化としてはプリントの需要はかなり減少しました。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

さて今回は撮影モードの中でも多くの人が使っている【絞り優先モード】について、写真ビギナーの人でも分かりやすいように書いてみたいと思います。

絞り優先モードとはカメラを構えている撮影者の方から奥行方向にみて、ピントが合う範囲を絞り値を指定して調整できるモードです。言い換えるとピントが合っていない部分のボケ具合の調整でもあり、何れの考え方でも写真に付加したい表現、演出の手段の一つとなります。




写真に付加したい表現、演出の手段… 例えば、手前から奥までしっかりピントが合っている、背景が美しくボケて被写体を浮き立たせている、といった調整を撮影者の意図の元でコントロールするのです。

ですから目の前の風景に対して奥行方向に存在する被写体や背景などの位置関係をよく把握し、それを踏まえて幾つかのレイヤーを組み立てる意識で構図を作るのが先決となります。背景は空しかないローアングルで前景も作らず、一つの被写体だけを撮る写真であれば、絞り値をいくつに設定しようが写真に大した変化はないのです。

では具体的に絞り優先モードの使い方を書いていきたいと思います。前述した通り、絞り値をどうするか?はまずは奥行方向に被写体を置いた構図作りが先決となります。少々脱線しますが構図は被写体を物語のキャストと見立てて配置や大きさを調整すると考えてみましょう。被写体Aは手前、被写体Bはその奥、さらに背景と作れば奥行方向に3レイヤー作ったことになります。

被写体と背景だけの2レイヤーだけでも悪くはありませんが、絞り値をコントロールする楽しさを味わうのであれば、なるべくカメラ側に置いた前景を作ってみることです。わずかな絞り調整でも変化するのが良く分かるので絞りを理解するという意味でも前景作りはオススメです。

上の作品では草地に立つR1200GS+ライダー、岩場、海、LNGタンカー、富士山と大まかに5レイヤーを作った構図です。試し撮りの段階でこういった構図を作ったら次に作品の主題とピント位置を決めます。この時「作品の主題ってよく言うけど、それが難しいんだよね」という方は主題という言葉はいちど忘れて、そのシーンでの主役級のキャストは何かを考えてみましょう。そうすれば上の写真の場合であれば「富士山」と簡単に答えが出ますよね。




主題を決めてピントを合わせる対象が定まったら、マニュアルフォーカスにしてピント位置を主題に固定します。次にその他のキャストの存在感をピントのボケ具合で調整します。この先は少々高度な話になりますがピントの合う範囲(正式には被写界深度と呼びます)とは望遠の画角ほど浅くなり、広角ほど深くなる傾向があります。この辺は知識として覚えるよりも、被写界深度を意識した写真をあらゆる画角で何枚も撮って感覚で覚えてしまうのがお勧めです。

EOS1Dx + SIGMA35mmF1.4ART F13 1/25 ISO250

主役級をいかに演出して魅せてあげるか?を脇役キャストの存在感で調整するのはご理解いただけたでしょうか?

絞り値をFいくつに設定すればどうなるのか?という感覚はビギナーの方にはないので、まずはF11や明るい場所ならF18あたりで試し撮りしてみましょう。その時に選んでいる画角によって、またはカメラと被写体の位置関係によってボケ具合は変化をするので一概にFいくつならこれくらいボケると言えないのですが、数値が小さい程にボケやすく、大きくすることで奥行方向の広い範囲に焦点を合わせることができます。

そしてボケ具合、あるいは合焦している範囲をどう裁量して主題を魅せるのか?は少々薄情な言い方ですが「お好みでどうぞ」という正解のない話になります。

どう魅せるか?に正解はなく、いつでも撮影者が自分で決めること!というのをお忘れなく。

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インターバルタイマー撮影と写真セレクト




EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

今日は海の写真を撮るにあたり簡単なことを一つ書いてみたいと思います。

以前にツーリング写真においてライダーの姿を自撮りする場合、セルフタイマーではなくインターバルタイマーを活用しましょうという事を書きました。




インターバルタイマーとは任意に設定した間隔と撮影枚数で自動で撮影してくれるタイマー機能のことです。例えば5秒毎にシャッターを切って計30カット撮影したら終了となる、といった具合です。インターバルタイマーは最近のカメラでは標準で搭載されている場合が多いですが、カメラにその機能がない場合はリモコンレリーズにインターバル機能が搭載されている製品があるのでそういったリモコンを用意すれば大丈夫です。

このインターバルタイマー機能、自然なポージングで自撮りできるだけでなく単純に撮れ高がかせげるので、海岸のシーンでは波の瞬間などを捉えるのに有効です。

上の作品ではインターバルタイマー撮影により何枚ものカットを撮影した訳ですが、その中で波が最も魅力的な表情を魅せている一枚をセレクトしたのです。その他にも例えば桜吹雪が舞っているシーン、空に鳥の群れが飛んでいるシーン、降るように流れ星が見える夜空なども同様に何枚も撮る事で理想的な【瞬間の一枚】をセレクトできるものです。

せっかく動きのあるシーンなのに一枚しか撮っていなかった…という方は次の撮影からぜひ試してみてください。




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ツーリング写真 最初の一歩




四国カルスト

写真に関わる質問で多くいただくのが次のようなことです。

「見たままに写真にできないけどどうすれば良いのですか?」

シチュエーションによっては見たままに撮ることが簡単な場合もありますが、ここではいちど「見たままには撮れない、それが写真だ!」と、とりあえず覚えてしまいましょう。

そもそも写真は二次元の静止画であり現実の様子を何もかも伝えるのは難しいものです。二次元にされてしまうのですから奥行や立体感を出すには何かしらの工夫が必要ですし、静止画なのですからスピード感や瞬間も何かしらの工夫が必要とされます。

それから画面という限られた枠の範囲であったり、ダイナミックレンジという光の範囲であったり、あらゆる範囲に限りがあるものです。加えて音や香りや温度といったものはそもそも写真になりません。

このように表現できることに限りがあるからこそ写真は面白いものだ…ということを知るのが最初の一歩と言えるかもしれません。逆に言ってしまうと写らない部分をうまく利用してあげる!ということです。




では見た通りに撮るのを忘れてどうすれば良いのか?それは「写真になるときっとこうなるだろう」というイメージを作ることです。カメラを構える前に「こう撮りたい」という想像の写真を描くにあたり、これは写真にならない部分、これは写真になる部分、という選別ができるようになることです。

例えば上の作品の場合は望遠レンズを使用して道の風景を圧縮しましたが、カルスト地形特有の石灰岩の風景は潔く枠外へ排除しました。それと同時に空気中にある水分や塵といったものに光が散乱する様子が「かすみ」として強調されることをイメージの中で予め作っています。

カルストの石灰岩の風景は写真にしない、目では見えないけど空気中の塵に反射するかすみは写真にする、という選別を事前にした結果なのですね。四国カルスト特有の石灰岩の露出した風景は説明不足の写真になりましたが、四国カルストがどのような場所であるのかを説明する写真ではないのです。あくまで目指すのは心象風景としての作品です。

「きっとこう写るはずだ」という根拠となる知識や観察力を養っていくことがレベルアップの道なのです。

見た通りに撮りたい…はひとまず忘れて感じた通りに撮りたいと考えてみましょう。




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ほんのひと工夫で構図が激変 構図に奥行を作る方法




今回はツーリング写真の構図について簡単な内容をひとつ書いてみたいと思います。

突然ですが上の写真のような構図をどう思いますか?朝霧高原のふもとっぱらキャンプ場で撮った一枚です。キャンプ場に着いたよ!ということをSNSで上げるために撮りました。普通にスマホで撮った説明写真なので大きな問題はありませんが、この構図はあまりに平凡だと思いませんか?

富士山を日の丸構図で配置したのは基本に忠実なので安定感があって良しですが、いくつかある被写体の位置関係に注目してみましょう。この場合、R1200GS-ADVENTUREとテントという2つの被写体がありますが、この2つの位置関係は横一列に並んでいます。

この写真が平凡に見えてしまう原因はこの奥行き感の出ない被写体同士の位置関係にあるのです。

シーンが変わって本栖湖の浩庵キャンプ場ですが、このように手前にテント、その奥にR1200GS-ADVENTURE、そして遠景に富士山とくれば、被写体同士の位置関係で3レイヤーの構図を構成できて、これだけで奥行きのある構図が作れるのです。

そこで写真を撮りたいと思ったからには景色の良い場所なのですから遠景は問題なく存在していると思います。そしてそこでバイクや人物など被写体を置いて撮る時、被写体と背景で2レイヤー、ここまでは多くの人が普通にやることです。

大事なポイントはこの先で被写体とカメラの間に前景として一方の被写体を配置してあげるのです。3レイヤー以上の構図が作れれば2次元である写真に奥行きが生まれて平凡さが一気に消えるのですね。




EOS6D Mark2 + EF135mmF2

何か特別な意図があって被写体同士を横に並べたのであれば良いですが、奥行を意識できずに被写体の位置関係に意識が向かなかった…という事であれば、ぜひ次回の撮影から被写体の位置関係で奥行を作ることに挑戦してみてください。

それはバイクやテントの置き場所、撮影するポジションなどに一手間かけてあげれば簡単に出来ることです。上の作品のように幾つものレイヤーを構成できれば、たとえ望遠レンズで圧縮されてしまった写真でも奥行き感を出すことができます。

知識は撮影現場で意識して実践し、成功でも失敗でも良いので経験として積み重ね、それを繰り返して検証し【習得】へとつなげていきましょう。知っているだけでは意味がありませんからね。




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何を撮っていいのか分からない人へ




Iphone7

写真を趣味やライフワークとして始めてみたものの、何を対象に撮って良いのか分からない。といったご相談を受ける場合があります。確かにせっかく写真を撮るのだから美しいものを撮りたいのですが、いざカメラを手にして出かけても美しいものはその辺にある訳ではないようです。

これには訳があって、まず私たちの目は日常生活において生きていくのに必要な情報を視覚から認識しています。その現実的な様子の中には例え美しいものがあっても、脳へ送られる信号そのものは美しいものとは限らないのです。薄暗い中で段差につまずいたり危険な動物や害虫などをいち早く認識したりと生きて行くために不自由がないよう見える様子を調整しているに過ぎないのです。




たとえば光。そこに美しい一滴の光が存在していても意識していないと見逃してしまうものです。経験が豊富な写真家はそういった光を見逃さない眼をもっていて、その光がもっとも魅力的になるように写真にできる術を持っています。

光だけでなく画角や色なども同様です。目で見た通りの現実の様子の中で「自分の撮りたい美しいものはないかな?」と探しているだけではなかなか難しいものがあります。

現実の様子だけを見るのではなく、限られた光や被写体のもつ本質的な魅力について意識してみましょう。例えば上のスプレー菊の写真は自宅の近所にてiphoneで撮ったものですが、花はピークではなく一部が傷んでいます。お花の写真は美しさのピークを撮ってあげたいところですが、あえて傷んでいる花を撮ることで「終わり」を予感させる写真としました。夕陽の柔らかい光を使用しているのもポイントです。

こういったものは考え事でもしながら歩いていれば気付きもしない被写体ですが、少し意識を変えるだけで気が付くことができます。撮る対象を見える現実から探すのではなく好奇心と感受性を使って見つけてみましょう。




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見つけて意識するだけ、ツーリング写真のデザイン要素




EOS6D Mark2 + EF35mmF2 IS

港のような雰囲気はバイク写真と相性の良い撮影シーンです。バイク雑誌やクルマ雑誌のイメージカットでもコンテナ埠頭や港が度々使われていることからも分かりますね。漁港は港の雰囲気にカラフルな色を加えたものと私は考えています。こちらもツーリング写真には最適なロケーションと言えそうです。

しかし漁港は色々な物が雑然と存在していて構図を作る上では手間がかかるものです。何となくで惰性的にシャッターを切ればゴチャゴチャとして散漫な構図に陥ります。

こういったシーンこそ何を画面内に入れて何を画面外に除外するかの選別が重要になるものです。そしてぜひ意識したいのはスペースの作り方。この写真の場合はコンクリートの地面ですが意図的にスペースを配置させることでゴチャゴチャした部分と区分を作っています。




さて、本題ですが写真をここで撮ろう、と思った時、撮影者は目の前の風景から様々なことを認識しています。撮りたい対象の大きさ、風景の範囲、特徴など。そのとき構図を組み立てるにあたって役立ちそうな分断線、図形、色などを見つけるのがポイントです。現実が写真という幾何学に落とし込まれたときに機能するこれらのデザイン要素。この写真の場合では特に【色】を意識して撮ってみました。浮きの黄色、船体の水色、こういった自然風景ではない人工物としてのカラフルさは写真の印象に関わるデザイン要素です。

色とは不思議なもので例えば赤は情熱的、青は冷調さ、緑や茶は安心や安定といったそれぞれが持つ心理的な印象があるものです。また異なる色の組み合わせで相性の良い色とそうでない色があります。デザインやイラストの経験のある方であれば常識的なことですが色相環での補色関係の色です。

例えば濃紺に黄色とか茶色に水色といった組み合わせです。洋服やイラストはもちろん、バイクや車にも補色の組み合わせはよく使われています。桜が満開の道で通りゆくバイクを撮ろう・・・となったとき赤色や黒色のバイクを狙うよりカワサキのライムグリーンが登場をするのを待ちましょう。成功すれば膝を打つほどしっくりくるカラー写真になるはずです。

目の前の風景から使えそうな色を見つけたら、その色が印象的になるように被写体に寄ってみるとか、組み合わせの良さそうな他の色を画面内に入れるといった小さな一手間が写真を大きく変えてくれます。

認識してキャスティングして工夫するのです。そこに一般的な正解はなく貴方が「いいな」と思ったやり方が正解です。




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写真観賞者の想像の取り分




EOS6D Mark2

2021年7月現在、私たちは長引くマスク生活を強いられていますが生活様式の変化の中で面白い発見があるのは確かです。例えば人前で話をするのがどうも苦手だ、という人がマスクをしていると緊張せずに人前で話せるとか、マスクをするようになって異性にモテるようになった気がするとか…そんな人、近くにいませんか?

マスク美人なんて言葉があるくらいですよね。マスクの下の様子が隠されていることで不足している情報を無意識に補完しようとする人間の心理だそうです。興味深いのは多くの場合で人は美しいもの、都合の良いものを想像するのだそうです。ある日、その人がマスクを外した顔を見たらガッカリしてしまった・・・という話を耳にしますが勝手に美しいものを想像したのがそもそもの原因なのですね。

見えない部分の情報を無意識に補完しようとする心理。アモーダル心理というそうですが写真にも同じような魅せ方が存在します。上の作品はそんな人間の心理を意識した想像誘導型のツーリング写真です。写真観賞者は写真をパッと見た瞬間に視線を走らせ認識しようとします。その結果を受けてその写真に自分の関心の対象があるのか、退屈なものかを判断します。




この作品の場合、少々やり過ぎ感があるのですがトリックアート的な要素も持ち合わせています。といっても本当にトリックアートな訳ではないのですが、扉がメイン被写体である時点で何やら不思議な世界に誘われているような雰囲気の写真、という意味です。まずライダーですが顔がフレームで見切れることで、この人物はどのような顔なのだろう?とアモーダル補完を誘います。歩む先に何があるのか?扉の中には何があるのか?写真を見ながら想像を楽しめる、言ってみれば観賞者に楽しみを与えた作品になっています。

さらに付け加えるとライダーの右手の後方に小さな人影があります。これは幽霊ではなく偶然に写った通行人です。本来であれば予定外に写ってしまったものは選別時にボツにしますが、この場合はユニークだな!と思い採用カットとしました。観賞者の想像の中に奇妙な緊張感を加える要素になると思ったのです。

一方でこういった観賞者の想像を誘う表現は難しい側面も持っています。とにかく異質なのでこのような写真ばかりを何枚もそろえて人にみせると嫌気がさしてしまう場合も。そのようにならないよう控え目に作れれば良いのですが加減は難しいものです。たまにやるから良いのかもしれませんね。




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ツーリング写真と逆光について

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、じめじめした季節ですがバイクウェアーやキャンプ道具などにカビがはえていませんか?クローゼットや衣装ケースなど閉ざされた場所に道具を詰め込むと、今の季節はカビが発生しやすいです。たまに出して空気を入れ替えてあげるか、詰め込まないようスペースに余裕をもって収納しましょうね。

さて今回はツーリング写真と逆光について書いてみたいと思います。今まで究極のツーリング写真では何度も逆光に関わる解説を書いてきましたが、今回は少しアプローチを変えて書いてみたいと思います。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2 IS

写真において逆光と聞くとビギナーの方には近寄りがたいものと思われがちですね。何しろ逆光で写真を撮ると肝心の被写体が真っ黒になったり、爽やかな青空や緑の彩度が全くでなかったりと、その扱いには難儀するものです。




きっと綺麗に撮れるはずだ…と思ってシャッターを切っても、思った通りではなかった…となるのが逆光です。なぜ逆光で撮るとうまく撮れないのでしょうか?順に説明したいと思います。

まず一つ目はカメラの自動測光機能(AE)が正しく機能しないことです。正しく…と言うと誤解を招きますが(何しろ当ブログでは写真に正解はないと繰り返しうったえてきましたので)多くの場合でAE任せでは撮影者の欲しい写真の明るさにならないものです。

カメラのAEはしょせんは測光結果を元に平均的な明るさを求める無機質な計算機です。ドラマチックな光を受けて心が揺さぶられた撮影者の感情など配慮してくれるはずもありません。そこで大事なポイント!露出補正機能を使って貴方が本来欲しかった明るさを求めてみましょう。多くの場合でAEが出した露出に対してプラス補正すると良くなるはずです。

えっ?それはどうやるのか?お使いのカメラの取扱説明書に書いてありますよ。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

二つ目は青空が出ない場合です。いいお天気で爽やかな青空が見えていても、太陽に向かってレンズを向ければ空は真っ白にとんでしまいます。これは空以外の地上物などを含めた全てをAEが測定した結果、地上物に露出を合わせたところ空が明るすぎたため白っぽくなった、という結果なのです。

これは地上にある緑やお花などでも極端な逆光で撮れば彩度が出ません。簡単に言ってしまうと光が強烈すぎて色がでないのですね。このような場合、太陽の向きを変える訳にはいきませんし、180度違う向きに全く同じ景色があるはずもないのでその条件で撮るにはどうするのがベストか?考えてみましょう。

上の作品は美ヶ原高原の白樺平ですが逆光なので青空がでません。そこで木々に透過する光に露出を合わせて空の部分は白バックでいくイメージを作りました。この時点でレタッチのイメージも同時に脳内につくります。レタッチでは明瞭度を下げてフォギーなイメージにしています。




EOS6D Mark2

三つ目はダイナミックレンジ、明るさの範囲ですね。画面の中で最も明るい部分と暗い部分の差がいかほどであるか?差が小さいシーンであれば欲しい露出を得るのにそれほど難しいことはありません。しかし逆光の撮影シーンとは明暗差が大きく、その範囲はカメラで写真にできる範囲、ダイナミックレンジを超えてしまうのです。

夕日に輝く海岸であれば、空に露出を合わせれば地上サイドは真っ黒、逆に地上サイドにあるバイクに露出を合わせれば空は明るくなりすぎて夕空の雰囲気が出なくなります。そういった場合、どちらも欲しいのだと欲張るのはやめて空に露出を合わせて地上サイドのバイクやライダーはシルエットとするか、バイクをアップにしてしまいバイク側に露出を合わせるといった具合に目的をはっきりさせましょう。




これら三つのシーンにおいて共通して言えるのは「どの部分に露出を合わせるか?」を最初に決めてしまえば問題は簡単に解決するということです。その作品で表現したかった一つの主題、それさえしっかり決めておけば迷うことはありません。空なら空、バイクならバイクに露出を合わせてあげて、その他の部分が真っ黒や真っ白になったとしても、変な写真にならないよう構図を作れば大丈夫です。

えっ?それを決めるのも苦手だ?そんなワガママな貴方に妙案があります。空に露出を合わせてバイクをシルエットにした写真、バイクに露出を合わせて空の色はとばした写真、この2枚を撮りましょう。どちらを採用カットにするかは家に帰ってハイボールでも飲みながらじっくり考えればOKです。

カメラとは優秀なようで駄目な部分もあるのです。今回の逆光のお話はダイナミックレンジ、つまり写真にできる明るさの範囲には限りがあって、カメラはその範囲が思ったほど広くはなく、逆光の場合は明るい側か暗い側のどちらかに寄せて構図を練らないとイメージ通りに写真にはなりませんよ…というお話でした。

  逆光におけるツーリング写真 まとめ

・カメラのAEは機能しないので積極的に露出補正しよう

・青空や緑の彩度はでないので光自体をメインとした写真にしよう

・夕空などは明るい側(空)か暗い側(地上、バイク)のどちからか一方に露出をあわせる

逆光とはコントラストがあり印象的な写真になるものです。バイクのエッジにはハイライトが入り、隠したいところはシャドウに包んだり、ハイライトに飛ばしたりと何かと印象的な表現をしたいときに逆光は良いものです。逆光の写真しか撮らないという写真家もいるくらいですからね。

写真は光が命です。逆光は光に向かってレンズを向けるのですから写真としては積極的な撮り方と言えます。逆に太陽を背にした順光写真は彩度もあり露出も簡単に決まりますが平凡であり、写真家として光に背中を向けた積極性に欠いた写真と言えなくもないです。ややこしい話ですけど本当にそう思います。

ゴーストやハレーションといった光学的な現象も発生しますが、そんな細かい事は気にしないで積極的に逆光写真に挑戦してみてくださいね。

今回はこの辺で!!

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