ツーリング写真とバイク写真☆構図とデザインのお話

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、そろそろハナミズキや八重桜も終わりに近づき春のツーリング風景とお別れの時期ですね。蒸し暑い梅雨になる前にラストスパートでツーリングを楽しみましょう。もちろんお弁当持参のソロツーリングで。

ところで私や皆さまが楽しまれているようなバイクを題材とした写真はツーリング写真、バイク写真、バイクのある風景・・・といった具合にいくつかの呼び方がありますね。最近ではフォトツーリングなんて呼び方もあるようです。ここで勝手にツーリング写真とバイク写真の違いを区別するため次のように定義してみたいと思います。

バイク写真とは・・・

バイク(車体)の魅力を伝える写真。愛車との記念写真など主に自分用、またはバイクに興味がある人が見る写真。ツーリングの記念写真。その愛車に乗っていたという記念写真。

ツーリング写真とは・・・

バイク旅のワンシーンを詩的情緒にとらえた風景写真。山や海などの自然、空の表情、道、港などでバイク、ライダーが登場しバイクで旅に出る魅力が伝わる写真。近いカテゴリとして風景写真、旅写真。

まあ…私の勝手な解釈ですので異論のある方はどうぞ寛容にお願い致します。




さて今回のツーリング写真解説では中級者向けの内容としてツーリング写真の構図をつくるにあたり、写真デザインの考え方をどのように応用するのか、作例で解説してみたいと思います。

EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

今まで究極のツーリング写真では構図やデザインのことについて何度か解説をしてきました。簡単におさらいすると構図とは作品の主題へ導くための案内図のようなもので、被写体の大きさや配置を裁量します。デザインは目の前にある風景からデザイン要素となるものを洗い出し写真へ取り入れる方法。主に色、線、図形、質感、立体感、規則的なパターン、シェイプ、連続するリズムなどがあります。構図とデザインの他にも水平線など分断線がある場合に発生する比率というのもあります。

これら構図、デザイン、比率などは写真の構造であり写真の核心を魅せるための土台です。写真の観賞者は写真をパッと見た瞬間に無意識下で視線を写真内で動かしてその様子を認識します。視線の動きを心地よく動かす導線があったり、色による印象などで観賞者はその写真が興味の対象であるかを探るのです。

上の作品は千葉県君津市の亀山湖で撮ったものです。塗装工事を終えて間もない赤い橋が美しく、かつトンネルがあったので面白い写真が撮れないか?と思い撮影に挑みました。




写真デザインの考え方で効果が大きいとされるのが色と線です。とりわけ赤色については強い印象を与える効果があります。自然の中に存在する赤い橋はその存在だけで印象的なものですよね。この撮影場所で写真デザインに使えそうな要素を洗い出してみましょう。

1.橋の赤色 2.トンネルの円 3.連続する橋の垂直線 4.トンネル内のタイル模様(規則的なパターン)5.手前から奥へ延びる道の導線 といったところでしょうか。

まずは目でよく見て状況を把握します。デザインや構図に使えそうな要素と排除したいものを見極めるのです。排除したいものは電線や看板などリアルな邪魔者だけでなく、例えばトンネルは杭口の円を全て枠内に入れる…といった先入観も排除しましょう。ここでは壁に流れる水をアクセントに縦構図とし、杭口の円は右側を切り落としました。

ごく当たり前のことですが画面という長方形の四角形をよく意識して、その中で色、線、図形などを写真の構造として組み立てていきます。それぞれに理由を与え持ち合わせている撮影技法と紐付けて探るような感じです。例えば橋の赤色が重要なのであれば望遠の画角を使って橋の垂直線の間隔を圧縮することで画面内の多くの割合を橋の赤色で占めることができます。壁に流れる水が良い仕事をしてくれると感じたら、それが分かりやすく伝わるよう配置すればOKです。

こういったことは多くの場合で撮影開始の直後はよく分からないものです。ここで写真を撮りたいと感じてバイクを停めたのですから、その場所には何か魅力があるはずです。しかし現実の様子を目でみただけでは心が感じた刹那とリンクしないもの。それを再現するために良く見て良く思考し、目の前の情景をデザインしてみましょう。

現実の様子をそのまま記録しないように。




難しく感じるかもしれません、手間もかかります。しかしここで構図やデザインについて悩むことは成長という意味でも価値があります。何年も写真をやっているのにちっとも上達しない人はこういった悩むことや手間をかけることを避けている人だと思います。

騙されたと思って次回のツーリングで実践してみてくださいね。

今回はこの辺で!!

↓↓↓撮影地↓↓↓

亀山湖の西側、笹川渓谷にかかる小月橋です。農溝の滝が近くにある県道24号から亀山ダムの方へ曲がるとすぐにあります。Googleアースではまだ赤い色に塗装されていませんね。この周辺は千葉県では屈指の紅葉エリアなので12月初旬に行くと素晴らしい景色が堪能できますよ。

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標準画角で撮るツーリング写真の雰囲気とは

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、いい写真を撮って素敵な春のツーリングライフを楽しまれていますか?写真を撮ることとバイクでツーリングすることは非常に親和性の高い両者だと感じます。私は全てのライダーにツーリング先で写真を撮ろうよ!と言いたいですし同時に全ての写真を愛する人にバイクツーリングに行くともっと素敵な写真が撮れますよ!と言いたいですね。

さて前回、前々回とツーリング写真における画角の違いによる写真の雰囲気について解説してきました。

前回の投稿は こちら 

広角レンズは景色の雄大さや空の広がり感などを表現するのに適した画角で、写真のもつ雰囲気は作品の世界に吸い込まれるような雰囲気。逆に望遠レンズはバイクやライダーなど特定の被写体に絶対的な存在感をもたせてドーンと突き出てくるような雰囲気であると解説しました。




今回は標準の画角について解説してみたいと思います。

EOS30D + EF28-70mmF2.8L

標準の画角とは当たり前ですけど広角でも望遠でもない普通の画角です。焦点距離は35mm換算で50mm前後となります。APS-Cサイズの一眼レフの場合はおよそ30mmくらいのレンズが標準となります。

カメラやレンズの構造とはたびたび人の眼球に例えられるものです。眼球にはレンズの奥に絞り羽に似た虹彩があったり、視神経は言ってみればイメージセンサーです。しかし眼球とレンズには決定的な違いが1つあります。それは眼球は標準画角で固定されていて望遠や広角には出来ないことですね。

ということは標準の画角で撮った写真の雰囲気とは自然さ、作者の視点、臨場感ということになります。変に空間が変形していないことで目で見た通りの自然な風景が再現されているのが標準画角です。

上の作品は北海道の襟裳岬へ向かう黄金道路で2004年に撮影したものです。APS-C機であるEOS30Dに使用した画角はこのレンズのワイ端28mmです。35mm換算すると約45mmなので標準画角ですね。この時、私は防波堤ブロックの上に立ってハイアングルでシャッターを切りました。防波堤ブロックはF650GSとカメラ位置を接続する導線にもなっていて、説明するまでもなく撮影者はあのオートバイの持ち主と分かるはずです。

つまりこの作品は標準画角で撮ることで写真を見た人もこの場所でツーリングしている気持ちになれる臨場感ある写真に仕上がっています。




EOS6D Mark2 + SIGMA50mmF1.4ART

自然な画角によって人の視線の再現ができること。上の作品はレンガ造りの廃墟(明治時代の木材発電所跡)に出会ったツーリングシーンですが、前景の花、バイク+ライダー、レンガの廃墟の3レイヤーの位置関係に不自然な圧縮や広がりのない自然さがあります。これが標準レンズの特徴と言えます。

こうすると不思議なことに第三者的な視点でシーンを傍観しているような雰囲気にもなります。これも臨場感ですね。

標準レンズとは空間をいじらずにナチュラルに表現する手法です。画角に限らず写真には様々な「魅せ方」が存在します。例えば構図、露出、シャッターチャンス、デザイン、比率…まだまだありますが、その中で画角があります。こういった写真の魅せ方をどのように使うかは撮影者それぞれです。レオナルドダビンチのように複雑怪奇に使っても良いしシンプルに1つでも良いし、あえて何も魅せ方を使わないのも大いにアリな訳です。

そういった意味で標準の画角とは画角で魅せる手法をあえて使わないですよ!という意味でもあります。




自分だけの標準画角をもつ

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

もうひとつ、蛇足かもしれませんが「自分だけの標準画角」というのを持っておくと便利です。標準画角のレンズは「これ一本あれば何でも撮れる」と言われるレンズなのですが、私の個人的な意見として何でも撮れる一本という意味での標準画角はけっこうな個人差があると思うのです。つまり皆が50mmではないのでは?という事ですね。

私の場合は35mmを自分の中の標準画角にしています。上の作品は精進湖で撮った富士山のあるツーリング写真ですが風景写真をスナップ的に…つまりアッと思った瞬間にパッと撮る手法で魅せるやり方に「自分的標準画角」がハマるのです。カメラバッグの中でデフォルトとしてボディに装着しておくレンズですね。

自分的標準画角の決め方は簡単です。自分が得意、好きな画角です。あるいは過去の作品を見てよく撮れたなと思えるお気に入りの一枚が、いつもこのレンズの時だなと思えるそんな画角があなたの標準画角です。

いかがでしたか?前回、前々回と3回に分けて広角レンズ、望遠レンズ、標準レンズのそれぞれをツーリング写真で使った場合の写真の雰囲気について解説してみました。次回は番外編として「極端な画角」について書いてみたいと思います。

今回はこの辺で!!

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望遠レンズで撮るツーリング写真の雰囲気とは

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、新年度で仕事が忙しかったり環境が変わったという方も多いかと思います。まだ落ち着かない生活かもしれませんが、そんな時は究極のツーリング写真をみて「あぁ、このブログはいつも通りだな」とホッとして頂ければ幸いです。

ところで今の時期、道路で引っ越しのトラックをよく見かけますね。引っ越し屋さんの車なら何も問題ありませんが、平ボディーのトラックに家財道具を満載した車を見かけたら距離をおいて走りましょう。風で積み荷が落下してくるかもしれません。最近、テレビで見かけたのですが高速道路でトラックの荷台からソファが落下してくる映像が紹介されていました。ソファのような形状だと地面に着地した後の軌道が予測しにくいので、回避は非常に難しいと思います。その他、畳やブルーシートなどもよく風圧で落下するようです。

この時期、ライダーにとって素人引っ越しのトラックほど恐ろしいものはありません。見かけたら積み荷の状態をよく見て車間距離を多めにとりましょうね。




さて、前回の投稿からツーリング写真における画角のお話を書いています。広角、標準、望遠といった画角の違いで写真の雰囲気がどう変わるのか?今までの解説とは違った観点で解説をしております。今回は前回の広角レンズに続いて望遠レンズでございます。

前回の投稿は こちら 

EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG C

望遠レンズとは一言でいってしまえば広角レンズでお話したことの真逆なのですが、そんな適当な解説はいたしません。望遠レンズの画角は狭く、遠くの物は大きく写せるのが望遠レンズだ…という当たり前のことも解説いたしません。野鳥の写真やサーキットでレースシーンを撮る場合は望遠レンズを使う、なんてことは誰でもご存じですよね…。究極のツーリング写真ではあくまで「ツーリング写真を撮る場合において」を解説いたします。

ツーリング写真において望遠レンズで撮った写真のもつ雰囲気とはこの作品の主題はこれですよドーン!と突き出てくるような雰囲気です。上の作品の場合は私の愛しきバイクBMW R1200GSを主題にしたものですが、ライダーも青い海も富士山さえもR1200GSを引き立たせる演出のサポートです。

写真を見た人が無意識下に感じる雰囲気のお話ですね。主題が突き出てくるような強い印象をもつ写真、それが望遠レンズで撮った写真の雰囲気です。この作品では望遠レンズを使う事でR1200GSに絶対的な存在感を持たせました。とてもインパクトがあると思います。

ところでこの写真の場所は南房総の保田海水浴場ですが、富士山までの直線距離がジャスト100kmです。望遠レンズを使用したことで神奈川や静岡から撮った写真なのか?とも思えるほど富士山が大きく写っています。




EOS5D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

もうひとつ、望遠レンズの特徴として空間を圧縮するというのがあります。広角レンズの解説のときに目の前の風景を遠くに飛ばし、遠近感を出すのが広角レンズと書きましたが、望遠の場合は空間を「ギュッ」っと圧縮して遠近感を奪います。言い方を変えると密度を上げることなので、上の作品のように「たくさん咲いているヒマワリ」の「たくさんの」の部分を強調して表現するのに向いています。

望遠レンズで撮った写真の雰囲気として2つ目は「密度が高い」ということですね。たくさん咲いているお花に限らず空気中に存在するチリや水分などの粒子に光が当たっているとき、それらを望遠レンズで圧縮すると霞みとなって演出に役立つ場合もあります。




EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L2 IS

それとオマケでもう1つ。こちらは対比で魅せるやり方です。これは撮影場所がうんと下がれる広い場所でしか出来ませんが、望遠レンズを装着してバイクから距離をとることでバイクは小さく構成し、背景にある主題を巨大にして大小の対比を表現しています。これによって「富士山は本当に大きい」ということを表現しました。広角レンズの解説の時に景色の雄大さを表現するのが広角レンズと書きましたが、このように望遠レンズでも景色の大きさを表現することは可能です。

ちなみにこの作品、本当の主題としたかったポイントは中腹にある宝永山の噴火口なのです。富士山の写真というと美しい裾まで入れたものが通常ですが、たまにはこういった撮り方も悪くはないと思います。撮影場所は富士サファリパークの近くにある樹里木高原でございます。

~望遠レンズで撮った写真の雰囲気とは~

1.写真から被写体が迫るようなインパクトがある

2.バイクやライダーなど特定の被写体に絶対的な存在感をもたせる

3.空間を圧縮して無数に存在する被写体の密度をあげる

その他、望遠レンズの場合は被写界深度が浅くなるのでボケ味で表現できるというのもありますが、それは以前にも何度か解説したので割愛しました。

次回は標準レンズの画角について解説いたします。

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広角レンズで撮った写真の雰囲気とは

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今日から4月なので新年度のスタートですね。時間の経過は実に早いものです。春は出会いと別れの季節とよく言いますがコロナ渦を経て新たに良い出会いがあることを願いたいですね。

最近、ネットかどこかで見かけた記事で興味深いことが書いてありました。それは人間とは他と比較して優越をつけるのが得意で、何もない無の状態から新たなことを生み出すのが苦手なのだそうです。あ、なるほどと思いました。これって写真をやっていると良く分かります。

既に出来上がっているものを見て「どちらが優れているか」を決めるのは簡単です。こちらの作品の方が〇〇だから優れているとか、こちらは〇〇で印象に欠けるとか、偉そうに専門家ぶって(私ですけど)意見するのは才能でも何でもなくて、実は誰でもできることなのですね。

本当に大切なのは自分の生まれながらに持っている唯一無二の個性を生かし、インスピレーションからブランニューな表現を生み出すことです。芸術の世界では偉大なる先人達がこれを成しえているのですね。自分もその領域に強い憧れを覚えます。




さて、今回のツーリング写真解説では画角のお話を今までと違ったアプローチで書いてみたいと思います。画角、つまり目の前の風景をどの範囲までを写真とするのか?というレンズのお話ですね。画角は焦点距離(mm)で表されます。目で見た通りの普通の画角がおよそ50mmで数値が小さいと広角、大きいと望遠となります。

焦点距離とはレンズの先端からカメラ内にあるセンサー(フィルム)までの距離のことで、長いレンズは望遠で短いレンズは広角となり、超広角となるとレンズの前玉が球状になります。

現代の多くのカメラはズーム機能といって画角を一定の範囲内で調整することができます。28-70mmとか70-200mmと言った具合に表記されています。スマホのカメラ機能は多くの機種で起動時におよそ28mm前後の広角となっているようです。28mmといえばスナップ写真の代表的な画角なのですが、つまりスマホのカメラ機能は主にスナップを撮るためにあるという事ですね。

今回の解説は広角、標準、望遠と解説しますがまずは広角をご説明いたします。

過去に究極のツーリング写真では広角レンズを使ったツーリング写真として、景色の広がり感、風景主体のバイク写真、空一面に広がるウロコ雲など空を主体に撮るときに出番の多いレンズですと解説しました。

今回は広角レンズのもつ写真の雰囲気について書いてみようと思います。




広角レンズのもつ写真の雰囲気・・・それは一言でいってしまえば写真の世界に吸い込まれるような雰囲気です。あたかも作品に誘われて思わずその世界に引き込まれてしまうような感覚です。景色のもつ雄大さ、その中にぽつねんと存在するバイクやライダー、点景構図(バイクやライダーなどを米粒大にする)で表現する風景写真の世界ですね。

地球は広い、空も広い、北海道はでっかいどう、海は広いな大きいな・・・とにかく広い、大きいというスケールに対比として被写体を置いて表現し、作品を見た人を壮大な風景の世界に誘い込むのです。

もう1つ、広角レンズのもつ雰囲気として遠近感があります。広角レンズはその切り取る範囲がワイドなだけではなく、奥行方向に風景を飛ばす遠近感が特徴です。カメラの近くに被写体を置いて前景のある構図を作れば、その遠近感が写真に強烈な奥行を与えてくれます。

広角レンズを装着してカメラを構えた時、レンズの先から風のようなものが放射されて被写体や景色を遠くへ飛ばしているような感じと覚えてみましょう。このイメージで広角レンズの使い方が何となくつかめます。

寄る広角、寄せる望遠などと言われますが特定の被写体に一歩「ぐっ」と寄って被写体の質感など魅力を高めて撮ってみましょう。きっとその先にある被写体も魅力的になるはずです。




広角レンズは歪みによりバイクやライダーが変形してしまったり、画面内に電線や看板など余計なものが入りやすかったりと、何かと取り扱いが難しい面もありますが広角のイメージを早く作れるようになると難しさは消えていきます。

今回ご紹介したような見る人を風景に誘うような写真、圧倒的な遠近感で印象を与えたい、といったイメージが浮かべばそこは広角で撮ろう!となる訳ですね。

次回は標準レンズを解説いたします。

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春のツーリング写真☆撮影小物と写真演出について

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、間もなく3月も終わりですがいかがお過ごしでしょうか。私はスギ花粉のアレルギーなので桜の開花を過ぎてしまえば症状はもうありません。3月前半は目のかゆみが辛かったですが、これから一か月くらいはベストシーズンを満喫したいと思います。

さて春のツーリングといえば桜や菜の花の風景と愛車を一緒に撮りたいものですよね。SNSなどでも満開の桜やお花畑で撮ったバイク写真をよく見かけます。以前にも何度か解説しましたが、風景とバイクを撮るときは・バイクが主役で花は背景とする ・花のある風景を主体としその中に溶け込むようにバイクを置く のどちらかをハッキリさせましょうね。バイクが主役なのか風景が主役なのか曖昧にしないように。迷ったら両方撮っておけばOKです。

さて今回は写真の演出に関わる話題でございます。南房総、小湊鉄道のツーリング写真を作例に解説してみます。

究極のツーリング写真ではお馴染みの小湊鉄道の風景でございます。場所は月崎駅でこの季節は菜の花がたくさん咲いております。この場所でR1200GSをおいて気動車【キハ200】が来たところを写真にするという場面です。

まずは現場の様子をスマホで撮ってみたのですが、菜の花がたくさん咲いている場所を前景とし、バイクの向こう側が列車となるよう構図を練ります。




列車が登場するまでタップリ時間があるので落ち着いて試行錯誤です。まずは試し撮りの一枚がこれです。ちょうど菜の花のピークだったので傷んでいる花もなく手前の花の様子を表現しても悪くはないですね。しかし手前の緑の部分がゴチャゴチャしてお世辞にも美しいとは言えません。背景に駅の看板がありますが、あれはきっと列車が来たら隠れると思われます。

ここで撮影小物の登場です。これ、ダイソーで売っている菜の花の造花です。本物を摘み取ってしまうのはお花が可哀そうですからね。右の白いアームはホムセンの店舗用品コーナーでよく売っているヤツですね。




はい、こんな風に使います。三脚のエレベーターにアームを固定し、もう一方に菜の花の造花を付けてあげます。レンズの直前に花がくるようセットするのです。

少し絞りん混んで試し撮りしてみました。ゴチャゴチャしていた緑の部分をレンズの直前に置いた菜の花の造花で隠し、1レイヤー追加した奥行のある構図です。しかしまだ釈然としません…見る人には分からないかもしれませんが、本物と造花の違いも微妙に出ている気がします。

それに緑の部分のゴチャゴチャ感も完全に消えた訳ではなく、このままではイメージに届かないのでここは大胆に絞り開放でいくことに決めました。




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

はい、絞り開放でF2でございます。インターバルタイマー1秒毎で枚数無制限。小湊鉄道も日本の鉄道ですのでダイヤ通りぴったりに列車がやってきます。Lightroomでの仕上げはシャドウを上げて全体を明るい印象に、明瞭度を下げてフォギーに仕上げてみました。ふんわりと春の温かみを感じる風景写真といった感じですかね。

ところで本題の【写真の演出】のお話ですが、こういった写真に加える演出については本当に人それぞれ考え方が違うものです。今回の造花を使った方法なんて悪い言葉で言えばインチキですからね。写真は現実を正直に伝えるのが正義であり、演出を加えるのは嘘と同じ!観賞者を騙す行為だ!とおっしゃるナチュラル派の権威も存在します。

しかし写真に演出を加えるのは果たして本当に悪なのでしょうか?もし見たままの現実こそが正義だ!ということであれば、例えばシャッター速度を落として流し撮りすることや、望遠レンズを使うことだって見たままではないのでNGとなる訳です。これらは古典的な手法で一般に浸透しているからOKだ…と言えばそれでは矛盾が生じます。昔から知られている演出は良いけどそうでないものは駄目という事ですからね。

突き詰めていけば完全ナチュラルを追求するほど無理が生じるものです。綺麗な風景を前に写真を撮るにあたって、地面にゴミが落ちていれば拾いますよね。しかしそれを「ゴミが落ちていた風景に手を加えた演出」となればいよいよおかなしな話です。

今、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムであのロベール・ドアノーの作品展をやっていますが、ドアノーの代表作である「パリ市庁舎前のキス」をご存じでしょうか?あれは発表当初は偶然にもカップルがキスをしている瞬間をドアノーが撮ったものとされていました。ナチュラル写真の権威からは「これぞ演出のない本物のスナップだ!」と称賛されましたが、何十年もあとにドアノーがカップルにキスのやり直しを依頼して撮った…とカミングアウトし、実は作品が演出だったことが公になったのです。当然、作品を称賛したナチュラル派達は面を食らったそうですね。その道のプロが演出を見抜くことが出来なかったのですから。

このように写真の歴史に名を遺す偉大な写真家でさえ演出をしているのです。そして専門家でさえ演出を見抜くのは難しいのです。大切なことは自分の中で写真に加える演出についてしっかり考えを持っておくことだと思います。私の場合はイメージの写真を実現するにあたり、今回のような小物を使うことに躊躇いはありません。前景が欲しくて咲いている花を摘み取ってしまう人よりうんとマシだと思います。

ただ一つ確かなのは今回の私のように撮影裏を公開するようなことはしない方が良いと思います。私はこのブログの運営に写真解説という目的があってやっていますが、皆さまは「実はこうやって撮りました」などという種明かしはどうかしないでくださいね。

今回はこの辺で!!

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ツーリング写真☆構図の整理のやり方 その2

前回の続きでございます。




前回の投稿は こちら 

前回のまでの投稿で左にある電柱はどうしても画面の外に出来なかったので、仕方なく仲間入りさせて撮るところまで説明しました。この写真は当初の試し撮りと違い絞りを解放にして、バイク+ライダーを大きくボカしたことで、船のある背景とのゴチャゴチャ感を解消しました。しかし、これではライダーに赤い灯台が突き刺さったような「串刺し構図」です。まだ納得の写真とは言えませんね。

写真はいつでもその時に自分が納得できるまで撮り切ること。これ大切なことなので覚えておきましょうね。・・・でこれでは納得できないのでさらに考えます。

当初、自分がイメージに描いた富士山の見える冬の港風景、そこにバイクでやってきた男の旅物語です。それを作品として表現するのにどうすべきか?自分の持てるノウハウから探すか?新たにアイデアを考えるか?どうする?




はい、船が係留されている堤防を歩いてみました。小さくなることは分かっていましたが…う~んどうでしょう。これでウェアーが赤か黄色だったら合格だったかもしれません。ゴチャゴチャエリア内に小さな人が歩いていても存在感が足りないのです。それにこの写真、よく見ると画面右下のエリアが弱いです。




EOS6D Mark2 + EF135mmF2

はい、これでフィニッシュとしました。R1200GSを置いた2~3mほど先の位置にヘルメット+ライダー。立ってしまうと漁船と重なってしまうので地面に座って寛いでいるところとしました。座っているとはいえポージングは背骨がS字を描くコントラポスト。小物としてKlean Kanteenのボトルも置いてみましたよ。芸が細かいでしょ。

この写真の構図のポイントを整理してみます。全体が青の印象となる風景写真。遠景は富士山でどっしりと安定を。海は紺碧色からアクアまでの階調を大切に表現。堤防はZ字の視線誘導。絞り開放でピント位置を奥とし、R1200GSとライダーは大きくボカす。港特有のゴチャゴチャ感はゴチャゴチャエリアとして中央に集約し、手前のコンクリ地面で無垢の部分を入れて中和。電柱は垂直の棒たちの仲間として撮る。…こんなところでしょうか。

シンプルな背景の場所で撮るのと違ってとっても手間のかかる撮影でした。1時間以上はここで撮っていましたが、時間が経ってくると気が付くと富士山が霞みはじめてしまいました。前半のカットほど富士山が綺麗でフィニッシュの頃には富士山が写っていない…なんて笑えないことも良くあります。

ところでこの写真、少々画面の下側に地面の割合を大きく入れています。これは手前にバイクがある時のコツなのですが、バイクって不安定なものですよね?不安定なものを置くときは地面の割合を少し多めにとると安定感が出るのです。幹のか細い樹木なんかでも効果的ですので覚えておくと役立つかもしれません。

ツーリング写真 構図の整理のやり方 でした!

今回はこの辺で!!

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ツーリング写真☆構図の整理のやり方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、春のツーリングシーズンを安全運転で楽しまれていますか?先日、走りなれた房総のツーリングルートでまたバイク事故を目撃しました。恐らく前の車を追い越すため反対車線を加速していたとき、右手の脇道から出てきた車と衝突したと思われます。

車の運転手は優先道路へ出る時、一時停止して車が来ないか確認をしますが左折の場合は右しか見ない人がいます。まさか左の行く手に加速中のオートバイが来ているなんて思わないのでしょう。こういったドライバーを確認不足と責めるのは簡単ですが、現実としてこのような運転を「つい」やっている人は一定数存在します。我々ライダーは身を守るために他者の安全運転に期待するのではなく、道路にはヤバいやつがいっぱいいる!と肝に銘じて想像力を働かせましょうね。

幸い、この時のライダーさんは大事には至らなかったようですが、楽しいはずの一日は台無しに。コロナ渦で医療機関のお世話になることに…と考えると良くないですよね。

さて今回のツーリング写真解説は色々な要素が存在していて構図の整理が難しい風景写真について書いてみたいと思います。長くなりそうなので2回に分けて解説いたします。

上の写真は南房総から望む冬の港の景色です。遠景に美しい富士山、紺碧の海、コンクリの堤防、漁船、赤い灯台などがあります。バイクやライダーなどを置かずに風景だけを撮るのであれば、ベテランであれば難しいことではありません。

しかし漁港の場合は海岸と違って色々な要素が複数あってゴチャゴチャした構図に陥りやすいです。もしこのままバイクを置いたら構図は散漫になり何が主題かボヤけた写真となってしまいます。

写真の観賞者がぱっと見た瞬間に「見やすい」と思えるかどうか?これは作品の主題へ導く以前の写真構造の問題です。核心的なことではありませんが見にくいより見やすい方が良いに決まっていますよね。




まずはイメージを作って試し撮りです。東京湾に浮かぶ冬の富士山。それを遠景に漁港の様子を爽やかなツーリング写真として撮ってみたいです。写真を見た人が冬の内房をバイクで走ってみたくなるような、旅情感あるツーリング写真ですね。

で、試し撮りとして縦構図を作っていたとことろ、タイミングよく沖に大型タンカーが通過したのでパチリと撮った写真が上の写真です。しかし被写界深度やピント位置などを練る前にイキナリ撮ってしまったので、R1200GSがゴチャゴチャした背景に重なってイマイチです。

ここで構図のお話の前にデザインについて少し触れておきます。写真におけるデザイン要素とは色、線、図形、規則的なパターン、質感、立体感、連続するリズムなどがあります。とりわけ効果が大きいのが色と線です。この場合、海、空、船、私のGSなど青色が多く、そして刺し色として灯台の赤があります。堤防はZ字型を描いていて観賞者の視線誘導にも効果がありそうです。富士山は二等辺三角形でどっしりと安定が出る図形。

そして撮影時に悩んだのは何本もある垂直線です。特に一番左にある電柱が厄介で何とか画面の外に除外できないか腐心しました。

別のカットで解説します。例えばこんな感じで左に入ってしまった電柱は明らかに不要なものです。「入れた」のではなく「入っちゃった」という感じが否めず、構図がスッキリしません。こういった細かな部分のケアが及ばないだけで写真はたやすく陳腐化するものです。

はい、こんな感じです。少しだけ位置を変えるだけで邪魔だった電柱は画面の外になりました。たったこれだけで先ほどの一枚とは全然違うのがお分かり頂けると思います。




しかしこの写真の場合は色々と試みてみましたが電柱を排除すると富士山が中央にこなかったり、赤い灯台の位置が悪くなったりとうまくいきません。悩んだ結果、この邪魔な電柱も仲間に入れてやる以外ないと思いました。

「電柱君よ、君のような3流役者が我が劇団究極のツーリング写真のオーディションに来るとは!?しかし私も人の子だ。今回は特別にキャスティングしてやろうぞ」

そうと決まればどう撮るか?です。他にも似たような役者は何人かいて、船のマスト、堤防のポール、そして赤い灯台です。彼らとリズミカルに間隔を作って「垂直な棒の仲間たち」にしてやりました。しかし、それでも醜いものは醜いので、その位置にライダーを置いて薄めてみようかと試しましたが、これも妙案とは言えませんでした。灯台がライダーに串刺しになってしまったのです。

長くなったので次回に続きます・・・




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意識改革で露出を極める☆ツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、充実したツーリングライフで良い写真を撮っていますか?

今回は少々大げさなタイトルをつけてみましたが、写真ビギナーの皆さまが最初に難しいと感じる露出のお話を書いてみたいと思います。以前にも究極のツーリング写真では露出に関わる事を何度も書いてきました。それは絞りとシャッター速度の両者で写真の明るさを決めることや、絞りとシャッター速度には各々に異なる役割があり、それは写真の表現に役立つことなど。

今回は露出をシンプルに「写真の明るさを決めるもの」ととらえ、風景主体のツーリング写真で露出についてどのように考えるのか?を書いてみたいと思います。




EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

いま目の前にある情景に写真を撮るぞ!とカメラを向けたとき。その範囲に存在する光の量を仮に100とします。では写真にするにはどうするのか?目で見た通りの明るさを再現するのか?カメラの評価測光に従うのか?あるいは教科書に従って18%グレースケールを用意して正確に適正露出100を求めるのか?

100ある光を必ずしも100で撮らなければ写真ではない!といったルールはありません。70にしようが160にしようが、極端な話として1でも500でも1000でも良いのです。カタログの説明写真や研究所の記録写真ではないのですから実在すらしない架空のルールに縛られないように気を付けましょう。どの明るさで撮るかはあくまで撮影者の意志で決めるもので、そこにある光の量は写真家が使える資源のようなものです。

目で見た通りの明るさを再現することに執着する方もいますが、目で見た通りの明るさは人間の眼球の露出に過ぎません。人間の目は100に対して状況に応じて虹彩が動き、80や120といった具合に露出変化させています。暗がりに目が慣れてくれば当初は見えなかった足元の段差も見えるようになりますよね。




EOS6D Mark2

私たちがツーリング先で出会う素敵な風景、そこでバイク旅の魅力を表現するためのツーリング写真を撮るにあたり、実際の明るさや目で見た通りの明るさを求めるのは一旦忘れてしまいましょう。目で見た通りではなく心で感じた明るさの再現を目指します。

それは被写体や情景が最も魅力的にみえる露出を求めることに他なりません。花なら花、夕陽が当たったバイクならその車体自体、そういった時、地面や空が白く飛ぼうが黒く潰れようがそれはどうでも良いのです。

被写体が最も魅力的に見える露出設定は今のところはカメラにお任せすることが出来ません。カメラはあくまで画面全体の平均や指定したポイントなどを測光する機能しかないのです。樹齢数百年の杉林の参道、その荘厳さを表現する露出、秋桜をふんわり柔らかく女性的に表現する露出、といったものはカメラではなく撮影者しか決めることができないのですね。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

そうと分かれば露出は撮影者のイメージの通りで良いのですから、表現の自由が与えられていることを強く意識してみましょう。私たち日本人は誰かが決めたルールやお手本を無意識下に遵守する真面目な人種です。しかしせめて写真の時だけは「我が道をゆく」を貫きましょう。定石通りの露出なんてク〇くらえです。

上の写真はマニュアル露出を使って実際の風景の明るさとはかけはなれた露出で撮った作品でございます。撮った本人の私でさえ、その記憶の糸をたどっていかないと満月を夜に撮ったのか?昼間に絞り込んで太陽を撮ったのか?夜なのか昼なのかよく分からない絵本の風景のような写真になりました。

実際には昼の3時くらいなのですが…実際にどうかは私にとって重要ではないのです。




写真ビギナーの多くが特に常識に縛られてしまうのが露出です。適正露出だのアンダーだのと撮影技法の観点では「見た通りの露出で撮る」ことは大切ですが、カメラ操作や基礎知識を覚え習得した人は、どこかのポイントで見た通りに撮る…は卒業。【適正露出で撮れる人】から【露出を表現としてコントロールする人】へ進化を遂げましょう。

経験を積むと写真家眼も進化します。すると被写体に当たる魅力的な光を感じ、それに露出を合わせることが出来るようになるはずです。まずは露出に対する意識改革をして次回の撮影から実践してみましょう。

今回はこの辺で!

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フレームで切り落とし心理的想像を誘うツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、花粉症には辛いツーリングシーズンですが如何お過ごしでしょうか。どうでも良い私事でございますが先日、古い写真を整理していたらこのような物が出てきました。

25年くらい前ですが車でサーキットを走っていた頃の写真です。サバンナRX-7(FC3S後期型)でナンバー付きクラスのサンデーレースですね。車高調にLSD、ブレーキ強化とライトチューンで日光サーキットなどを走っていました。

この写真の頃は17インチのSタイヤ(公道走行可能なサーキット向けタイヤ)を履いていたので賀集スポーツというショップのシリーズ戦だと思います。この草レースは非常にレベルが高くてシリーズ中で表彰台に入ったことは一度しかなく、ほとんどギリギリ入賞という感じでした。当時のトップクラスの参加者には今では有名なプロのドライバーもいましたね。

しかしこの写真、昔サーキットでよく見かけた写真屋さんが撮ってくれたものでレーシングフォトサービス2次元…だったかな、とにかくカッコよく撮ってくれるので、つい毎回購入しちゃったのを覚えています。この写真は日光サーキットの最後コーナーでゼロカウンターのドリフト進入でクリッピングを目指す瞬間を見事にとらえてくれました。

写真ってこうやって過去の時間を残してくれる「思い出」として本当に尊いものだなと、当たり前のことを改めて実感しちゃいました。




さて、前置きが長かったですが今回は少々変わったネタでツーリング写真解説をいってみたいと思います。マンネリで困っている人は必見。

EOS6D Mark2

はい、こんな変わった写真です。何の小屋でしょうね…海岸にある道具用の倉庫でしょうか。浸食されたコンクリートの様子と木製の扉が印象的です。旅先で出会う【扉】という被写体には特別な何かを感じます。

中はどうなっているのか?誰か出てきやしないか?想像をふくらませると好奇心と恐怖が入り混じったような緊張感を覚えます。このユニークな被写体をツーリング写真で撮らない手はありません。小屋と扉のもつ雰囲気を最大限に伝えるように安定構図を作って、Storyの演出としてR1200GSとライダーの姿で挟む構成としました。

ライダーの体をフレームで切り落とすことで、扉という主題の存在感を強めるとともに、フレームの外の様子はどうなっているのか?と見る側へ想像を誘います。このような手法は映像の世界ではよく見かけるもので、特にサスペンスやホラー映画では常套手段といえる手法です。けっこうクセの強い表現方法ですからたまにやるくらいで丁度よいかもしれませんね。




しかも、よく見るとこの写真…小屋の右に小さく人影があります。実際に人がいたので幽霊ではありませんが、パッと見て少しの時間差でこれを見つけてドキッとする写真になりました。通常、このように関係ない人などが写ってしまった写真は不採用ですけど、今回は面白いので敢えて採用カットにしてみました。

ちょとしたトリックや謎めいた雰囲気をもった写真は好みの分かれるところですが個人的には悪くないのかな、と感じます。ツーリングをしていて何か惹かれる不思議な被写体に出会ったら、こんな風にフレームで切り落とす手法をやってみてはいかがでしょうか?おもしろいですよ。

今回はこの辺で!!




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バイク写真、ツーリング写真の撮り方のポイント

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、コロナ渦も少しづつではありますが収束の傾向が見え、加えてワクチン接種も国内ではじまったようですね。明るい先が見えてきた気がします。明けない夜はないのと同様にこの辛い時期を凌げばまた夢をもてる日がくるはずです。

まずは季節的にライダーの待ち望んだ「春」なのですから、心は明るくいきましょう。お花見は自粛を…と言われますがライダーは宴会をする訳ではないのですから、桜のある風景を楽しむツーリングの計画を立てましょうね。お弁当持参で。

この季節、バイクウェアーやツーリング用品なども各メーカーから新製品が登場するので、まずはツーリングギアを新調して気分だけでも上げてみるのも良いかもしれません。私は今、ガエルネのGストーンというブーツが欲しいです。

さて今回のツーリング写真解説では桜の風景を作例に、背景がイマイチだな…という場所での撮り方を解説いたします。




前回もご紹介しましたが、また千葉県南房総にある頼朝桜(河津桜)の風景で解説いたします。この写真は頼朝桜で有名な鋸南町の保田川で撮影しました。

この写真のままでも悪くはないかもしれませんが、これでは究極のツーリング写真とは言えず、大衆的な平凡ツーリング写真ですよね。何がどう平凡なのかと言えば細部の完成度の低さです。いちおう木の幹を意識して広角レンズで寄って構図を作った写真ではありますが背景が悪すぎます。

桜の向こうにはビニルハウスがあって太陽光を反射しているし、R1200GSの向こうには民家が写っています。時間帯は午前で南向きで撮っているので画面の左から太陽光が差す斜光です。頼朝桜特有の濃いピンク色は出たかもしれませんが、果たしてこれで頼朝桜を魅力的に撮ったと言えるでしょうか?

この地域の観光ガイドに使う説明的な写真を撮る訳ではありませんので、現実的な様子を伝える必要はありません。多くの風景で現実の様子とはさして美しくはないものです。写したくないマイナス要素は徹底的に画面外に排除です。

そこで、撮る位置を変え余計なものが写らないよう工夫をしてみましょう。まったく違う場所から撮ることで当初のイメージはゼロから作り直しとなりますが、視点を変えて試行錯誤するのは大切なことです。今回は川の土手に降りて低いポジションからローアングルで撮ることに挑戦してみました。




土手に降りてローアングルで撮影したことで背景は空だけになり、頼朝桜の存在感は一気に際立つようになりました。原則、背景とはシンプルであるほど被写体は際立つと覚えておきましょう。

しかし南向きで撮っていたのが東向き、しかも空に向かって撮ることになったのでド逆光となってしまいました。しかも画面内に太陽がばっちり入るほどの。

逆光で撮る場合は彩度が期待できないトレードオフとして強いコントラストを得て印象的な写真が撮れるようになります。今回は被写体が「花」ですので花びらには透過や反射といった様々な光の反応が発生し、当初の写真よりも印象的で美しいものになりました。

こういった場合、カメラの評価測光は機能しなくなるので、ド逆光の場合はうんとプラスへ補正するか、ベテランであればマニュアル露出でイメージ通りの明るさを得ましょう。

…どうでしょう?ここでフィニッシュでも良いのですが、この時の私はまだ納得できませんでした。撮影現場では「その時、自分が納得できるまで撮り切ること」が鉄則です。「またいつか来ればいいや」は絶対にやめましょう。…という事で、まだ何かできないか?ひとひねりのユニークや奇跡はないか…とクリエイティブタイムの第二ラウンドです。

先ほどの撮影ポイントよりさらに2~3mほど下にスイセンが咲いていました。スイセンの存在には当初から気が付いてはいましたが、35mmで撮るには少々バイクから離れすぎかな…と思ってキャスティングしませんでした。こういった時はズームレンズの方が便利ですね。しかし、このスイセンは良く観察すると傷んでいる花弁など1つもなく、実に見事に咲き誇っていたので敗者復活のキャストとして採用としました。




レンズの目の前にスイセンを置いて3レイヤーの構図を作りました。この場合、極めて深い被写界深度を要求したいのでFを絞り込むのですが、強烈な逆光の場合は回折現象(小絞りボケ)の問題も発生します。何度か試し撮りしてプレビューし、写真クオリティ面と欲しいイメージの両者で折り合いをつけるように絞りを決めました。

ところでこういった木などの向こうに太陽がある場合、カメラの位置を少し動かすだけで太陽を木で隠したり、半分だけにしたりと調整できるものです。露出は通常はカメラの側で調整するものですが、このようなシーンでは風景サイドでも露出は調整できると覚えておきましょう。もしレンズの特性上、許容しがたいゴーストやフレアなどが発生した場合は、太陽を木に隠して試してみるのも妙案です。

古くから写真は引き算、と言われてきましたが被写体がその場所で最も魅力的に見えるようにするにはどうしたら良いか?を考えると、まずは背景にある余計なものを排除ですね。そして今回のスイセンのように時には足しても悪くはないと思います。

今回はこの辺で!

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