ツーリング写真 写真ビギナー向け構図のヒント

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、コロナ渦の日常を如何お過ごしでしょうか?仕方ないことですが今年のモーターサイクルショーも開催中止となってしまいましたね。せっかく盛況なバイク業界ですが「見て触れて」がコンセプトの同展示会なので安易に物に触れることのできないコロナ渦では止む得ませんね。

ところでカワサキがメグロブランドを復活させてメグロK3なるニューモデルを出しましたね。私のような年代のライダーにはかなり響くバイクです。

見たところ従来からあった人気モデルW800と同じバイクに見えます。簡単に調べてみましたがメグロK3とW800の相違点はタンクのペイントやメッキが特別仕様であること、往年の七宝焼きエンブレムをアルミ型押しで再現したところ、そしてアップハンドルなことでしょうか。あとはシートの表皮やメーター文字盤など主に意匠に関わる部分ですね。

このアップハンドルはかつて仕事で何度か乗ったことのあるW800のアップハンドル仕様(W800ストリート?)とよく似ています。バイクとは不思議なものでハンドルの高さひとつで乗っているときの景色が激変するものです。スポーティーなセパレートハンドルは道を中心に見る視点、アップハンドルは景色を見る視点、ローライダーにエイプハンガーなら空を見上げるような視点。ハーレーがプルバックやドラッグバーなど様々なハンドルを用意しているのはカッコ良さの他にライダーに見てほしい景色を意識しているのかもしれませんね。

ともあれメグロK3、バイク旅が似合う素敵なニューモデルですね。もしこれに乗ったら排気量を聞いてくる高齢紳士との会話もはずむことでしょう。「昔はメグロや陸王がのう~」「えっ、おじさん何をおっしゃいますか!メグロと言ったら最新バイクですよ!」と。




EOS6D Mark2 + EF35mmF2 IS

さて今回はツーリング写真の構図のヒントとして、ビギナー向けに簡単な内容を書いてみたいと思います。

上の写真は毎度、私のホームである南房総の漁港です。漁港には海、漁船だけでなく杭、ロープ、浮き、錆びたドラム缶など様々な物が存在します。構図を整理するのが難しい反面、トレーニングには最適ともいえます。

ここでは最初に空の表情が爽やかだったので少々引いたフレーミングで場所の雰囲気を優先してみました。よく「被写体にぐっと寄るのが基本」などと言われますが逆に少し引くことで「そこに存在していた」「その場所の雰囲気」が表現されるので覚えておきましょう。

しかし、この撮り方だと何か釈然としません。どうやら最初のイメージで空に注目したのが良くなかったようです。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2 IS

そこで2mほど前進して赤い舫綱に寄ってみました。いつも同じようなことを書いてしまいますが、イメージを作る際に風景や被写体をよくみて特長をとらえ、それが心の反応とどう関係するのかを考えてみましょう。

この撮影場所の場合、舫綱が赤色であることがユニークな特徴の1つです。赤とは特別な色で人に強い注意意識を持たせる力のある色です。これに寄って前景とすることで作品の舞台に屋台骨として支える構造を作りました。




よし、これだな!と納得できた瞬間、不思議なことに雲に隠れたいた太陽も出てきて、風景に適度なコントラストが入ってくれました。

15年以上もツーリング写真をやっていますが、いまでも撮影場所に着いた直後はどう撮っていいのか分からないものです。よく見てよく感じ取り、好きなものユニークだと感じたもの、あるいは「もの」ではなく「こと」に意識してみたり、光や影、空気などを見極めたりすると少しずつヒントが見えてきます。まずは写真家眼とハートサイドで景色から感動を受け取ります。そして表現の引き出しからsearchしてchoice。ベストなアングルは足で試行錯誤です。

今回は構図を作るためのプロセスとしてのほんの一例にすぎませんが、ビギナーの皆さんも良く見て試行錯誤をしてみてくださいね。きっといつかその写真に理由が持てるようになります。




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分かりやすい☆ツーリング写真 撮影現場でのプロセス

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、一都三県で緊急事態宣言が発令されていますが如何な日常を過ごされていますか?こんな時は新型コロナウイルスに対する感染予防はもちろんのこと、風邪や胃腸の調子、ストレスなどにも気を遣って健康に過ごすことを忘れてはいけませんね。

つい先日、とあるSNSで久しぶりに派手にレタッチした画像を見かけました。それを受けて「日本じゃないみたい」「どうやったらこんなに鮮やかな写真が!」という称賛のコメントもある一方で「こんなに彩度を上げたらもはや写真ではない」といったネガなコメントも見受けられました。

ほんの数年前まで特にSNS上でよく見かけた過度なレタッチ画像。ネオンブルーの空に蛍光グリーンの木々。どこにも階調や影がなくて良く見ると人の顔が宇宙人のような蒼白さ。パッと見ると確かに鮮やかで印象は悪くありませんがパソコンなどの大きな画面で見ると少々気色悪い…。

こういった過度のレタッチを現在でもやっておられる方はそれなりの信念があってやっていると存じますが、写真の権威から冷ややかな反応を受けるのは避けることができませんね。もはや「写真」から乖離して、そろそろ別のARTを宣言すべき時代だと思います。でないと見る方も混乱しますので。

さて、前置きが長かったですが今回は<初級>ツーリング写真解説として、いつもと趣向を変えて実際の撮影現場において試し撮りのプロセスから作例で解説してみたいと思います。

私の地元である千葉県は房総半島。その最南に近い館山市の周辺をツーリングしていた時のことです。海上自衛隊館山航空基地に2機のヘリコプターが役目を終えて眠りについていました。幼いころ家族でここにやってきて間近でヘリコプターを見て興奮したのを覚えています。もしかしてこのヘリコプターはあの時、私が見た機体なのかもしれません。そう思うと何だか特別な感情がこみあげてきました。

この様子がすっかり気に入った私はこの場所でツーリング写真を撮影することにしました。しかし鉄道や今回のようなヘリコプターなど、特定の被写体と組み合わせたツーリング写真は構図をしっかり練らないと「それがどうした写真」に容易に陥るので注意が必要です。

まずは望遠ズームレンズを使用して被写体の特徴を使って遊んでみました。コクピットのノーズ部分をR1200GS-ADVENTUREのクチバシの間に合わせてパチリ。実はヘリコプターの置いてある場所までフェンスがあるのですが、この絞りだとフェンスが完全に消えてくれません。これはこれで面白い写真かもしれませんが…到底フィニュッシュには至りません。まあ準備体操のようなものですね。




もう一度よく状況を見てみましょう。R1200GS-ADVENTUREとヘリコプターまでの距離は25mくらい。すぐ手前にフェンス。遠景に山と建物。太陽光は冬のトップライト。後ろに下がるスペースは15mくらいありますが、さらに下がりたい場合は堤防に登るので少々ハイポジションになります。

横構図にしてバイクの割合を増やし深度は先ほどと大きく変わらず。…これでは何か釈然としません。どうしましょうか?

バイクの向きを変えカメラポジションを調整しヘリコプターの機体を3分割線(横線)の上へ合わせ、R1200GS-ADVENTUREを3分割線(縦線)の右へ合わせてみました。水平をヘリコプターに合わせたらフェンスの支柱の垂直が出ませんが、ひとまずこれで本番を撮ってみましょう。

あれれっ?!何か変だな。ぜんぜんセッティングした構図とズレた写真が出来上がりました。ライダーの顔が切れていることより、意図して作った3分割がまるごと上にズレたことの方がダメージが大きいです。一体何が起きたのでしょう?




原因はこれです。カメラをセットした場所は岩を積み上げた堤防なのですが、構図を決めている時に自分の体重で岩が少し傾いていたのです。タイマーをセットしてこの場を離れたときに岩が動いてカメラの位置もずれたのですね。

気を取り直して岩が動かないよう構図を決めてから撮影してみました。・・・どうでしょう。やっぱり納得のいく一枚になりません。イメージはこの場所で出会った被写体との理想的な共演ですが叶わないとなれば「設計」つまりイメージがすでに良くないのかもしれません。

試しにピント位置をヘリコプターではなくR1200GS-ADVENTUREの方にしてみました。この場合、画面の左側に手薄感がでたのでライダーの立ち位置を左にして補ってみました。R1200GSの位置にピントを合わせたことでフェンスにも合焦してしまい、垂直が出せない支柱の存在も気になるようになりました。

やっぱり最初のイメージが良くないようです。そもそもこの構想では納得の一枚にはならないと判明しました。そこでもう一度被写体をよく見て最初からイメージを作り直してみましょう。

赤白オレンジの機体、部品が外されて放置されている様子、機体に書かれた海上自衛隊の文字、日の丸と66の数字…




EOS6D Mark2

日の丸マークと66の数字を主軸に三分割構図を作ってみました。ぐっと引き寄せることで部品が外されてパレットに乗せられた様子が明らかになり、「もう飛べない」という表現ができました。ここまで切ってしまうとヘリコプターなのか何なのか少々分かりにくいですが、少なくとも航空機っぽさは残っているので大丈夫かと思います。

バイクやヘルメットの各所に入ったハイライトは玉ボケとして演出に一役買っています。フェンスは完全には消えませんでしたが、十分に存在感を落とすことが出来たので見ようによっては1つのパターンとして捉えることができます。縦構図で画角を切り詰めたので気になっていたフェンスの支柱も画面外です。

いかがでしたか?当初はヘリコプターを見つけたことで「ヘリコプターと撮るぞ」という見つけた事実に引っ張られていましたが、写真家眼で被写体を見極めてハートサイドで表現のヒントを探し、持てる引き出しから適切な方法をsearchする。その結果、今回の答えは「ヘリコプターと撮るぞ」→「飛べなくなったヘリコプターに出会った」となりました。Story性があるのは断然後者なのはお分かりいただけますよね?

日の丸と66に注目して構図を作ったのはあくまで写真の構造です。引き寄せたことでヘリコプターがここで眠る様子が伝わったことの方が写真としての効果は大きいです。

今回はちょっといつもと変わった視点で解説してみました。自分には難しいかも…と思った貴方、大切なことは納得のいくまで撮り切ることです。悩み考え、被写体をよく見て粘ってみましょう。結果、いい写真にならなかったとしても、そのプロセスが貴方を成長させてくれますよ!

今回はこの辺で!

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これは使える☆バイク写真7つの構図

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、コロナ渦のクリスマスをどう過ごされますか?私は仕事でございます…。

さて究極のツーリング写真では今までバイク写真、ツーリング写真に関わる様々なことを綴ってきました。もう3年もやっているので最初の頃に書いていたような初歩的なことは、記事の奥に埋もれてしまったので再びブラッシュアップして書いてみようかと思います。

いい写真が撮れるようになる、写真が上達する、経験を積むことで進化していく皆様の写真。これって具多的にどういうことでしょうね。ブレずにシャッターが切れる、ピントが被写体に合っている、構図やバランスが整っている、逆光でも露出補正して撮れる…一般にはこういった事でしょうか?

カメラの操作を覚えてくると表現の幅を広げたくなるものです。表現の幅とは「こんなときはこうしよう」という撮り方であったり、夕陽が沈んだ後も空が美しく焼けるので待機する、といった被写体への知識だったりもします。

表現の幅を広げるにはカメラ側で出来ることは数がしれています。露出(絞りとシャッター速度)、画角、ホワイトバランス…それくらいでしょうか。一方で撮る人のハートサイドには無限ともいえる表現が秘められています。それは被写体へどうアプローチするかの着目点であったり、感情の表現であったり、抽象的なARTであったり…そんな色々な表現がある中で、最も知られている方法として今回は【構図】について作例を元に幾つかのバリエーションをご紹介したいと思います。

1.3分割の交点にバイクを置く

最も知られている構図の基本、三分割構図ですね。ここではメインとなるバイクを右下の交点に合わせた配置としました。バイクの写真を撮るときに後ろにスペースを作ると「そこへ辿り着いた」という表現になり、逆に前にスペースを作ると「ここから出発」という旅のスタートの表現となります。ちなみに中央に配置すると「そこに存在している」という動きのない表現になります。ガレージ内で撮る時などに適しています。




2.対角配置構図

画面内において被写体Aと被写体Bの両者があったとき、その配置関係を意識してみましょう。横構図でも縦構図でも写真の画面は長方形であることを意識してAとBは対角状に配置すると美しいバランスが生まれます。この作品の場合は利尻富士が画面の右上、赤い船が左下、対角に配置することで画面内に安定を与えました。

3.埋め尽くす構図

構図と聞くと被写体の大きさや位置関係だと決めてしまいがちですが、こんな一風変わった構図も時としてアリです。桜の花で画面の大半を埋めてしまうような構図で桜の印象を強めています。この写真の場合は「埋め尽くす」と言うより「覆い尽くす」ような雰囲気ですが、いずれにしても画面を占領するような表現となります。

4.点景バイク構図

バイクやライダーといった被写体を意図的に画面内で米粒のように小さくした構図を【点景バイク構図】と呼んでいます。小さくてもそれがバイクであるとハッキリ分かるよう配慮して撮ればこの通りです。逆に言うとスペースをたっぷり作ったとも言えるので、その場所の雰囲気や雄大さを伝えるのに適した構図です。インスタなどのSNSには向かず4切Wサイズあたりのプリント作品にお勧めです。




5.窓枠効果構図

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

窓枠構図も割と知られた構図手法ですね。画面の中にもう一つ画面があるような枠(フレーム)を意識して作る構図です。これによって枠内の風景や被写体の存在感が強調され、奥行きも生まれます。この作品ではテントのフライシート(緑色の部分)を風景の枠とし、テント本体の幕を富士山の裾をトレースするようにアングルを模索しました。

6.斜め構図

EOS6D Mark2 + EF14mmF2.8L

ツーリング写真のベースは風景写真です。風景写真は水平をしっかり出すのが基本ですが意図的に水平を崩して大胆な斜めを作るのも、たまにやる分には大いにアリだと思います。景色を斜めにして撮るとバランスを崩して転びそうな人の視線と同じになり、不安定や異空間を連想するものです。そういった意味を知識として持って、ここは斜め構図が似合うな…と感じたところで使いましょう。上の作品のようにS字カーブがある景色とも相性が良いです。

7.何もしない構図

RICOH GR

おいおい…何もしないってどうゆうコトだよ!という突っ込みが聞こえてきそうですが真面目です。構図やらフレーミングやら撮り方の基礎的なことと言うのは見る側にもある程度は知識があるものです。使い方が「あからさま」過ぎたり写真の構造がバレバレといった雰囲気だと、肝心な作品の主題に注目してもらえません。それなら敢えて何もせずストレートに撮った方がリアリティとなり、結果それが時を切り取ったART写真と昇華するのです。大事なポイントは意図的にそう撮ることで、ビギナーの人が何も出来なかった写真とは似て非なるものです。




EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

いかがでしたか?ツーリング写真で使える7つの構図のご紹介でした。構図って誰でも知っている写真の基礎的なことですが、では構図とはなんぞや??と聞かれると説明は難しいですよね。私が考えるに写真の構図とは作者の意図を伝えるための案内図のようなものだと思います。構図が大事!なんてよく聞きますが最も大事なことは構図ではなく写真で表現したかったこと、これに尽きますね。

今回はこの辺で!!

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どのような時に広角レンズを使うのか?バイク写真とワイドレンズ

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、コロナ渦ではありますが年末商戦の時期でもありますね。今は世がこんな状況なので経済的にも苦しい…冬のボーナスで何かを買おうという気持ちにはなれない…という方も多いかもしれません。

経済的に苦しいときはヤフオクやメルカリなどで不要なものを売却し現金化できるのですから今は便利ですよね。コロナ渦を受けて今は多くの人がカメラや時計、キャンプ用品やらブランド品やらを売却しています。したがって売り市場が拡大していて相場が下がっていますので、欲しかった物を安く購入できるチャンスとも言えます。

さて今回はツーリング写真、バイク写真において広角レンズはどのように使うのか?広角レンズの特徴や注意点、こんな時は広角レンズを使ってみよう、というお話を作例を元に書いてみたいと思います。

なお解説には焦点距離 mmを使いますが、今回は35mmフルサイズカメラで換算した場合で解説いたします。APS-Cカメラをお使いの方は1.5倍、マイクロフォーサーズの場合は2倍相当で計算してください。




広角レンズ、またはズーム機能のあるカメラの場合はワイド端。目の前の風景を広範囲に写真にできる画角で焦点距離で言うと35mmくらいから広角と呼び、20mm以下を超広角と呼びます。

風景の範囲を広範囲に写せる他にも重要な特徴があります。それはあらゆる被写体を小さくして遠景はより遠くに、そして遠近感を表現できることです。

以前に究極のツーリング写真では写真ビギナーの方は画面内に余計なものを入れないよう配慮しましょう、と書いたことがありますが広角レンズを使うと電線や看板など画面外に排除したいものがいちいち画面内に入ってしまいます。加えて太陽を背にして撮れば自分の影が写ってしまうなど、何かと取り扱いに気を遣う広角レンズ。

写真でうったえたい1つの主題を明確にするのに望遠レンズなら簡単に寄せることができますが、広角レンズでは寄る必要があるためその辺も難しいですよね。

どのようなシーンで広角レンズを使うのか?

EOS6D Mark2 + EF14mmF2.8L

表現の自由が許されている写真の世界ですからコレという決まりはありません。広角レンズをどう使おうと作者の自由なのですが、それではビギナーの方に対する説明として薄情過ぎますので作例を元にお勧めのシーンをご紹介いたします。

まずは上の写真をご覧ください。空一面に雲が存在していて表情の豊かな空のとき。地上の割合を少し減らして大胆なローアングルで撮ってみましょう。この場合、画角は14mmで超広角ですが周囲に余計なものが入らない理想的な撮影スペースを探します。写真のように海岸のシーンでは割と簡単に見つけることが出来るでしょう。

バイク+ライダーが米粒のように小さいですが、これを点景バイク構図といいます。意図的に小さく構成することで印象効果を狙います。被写体に寄れない超広角レンズでの常套手段ですね。

EOS5D Mark2 + EF14mmF2.8L F2.8 10SEC ISO400

風景が全周囲にわたって絶景のとき、魅力的な要素がたくさん存在していたら超広角のフレーミングを生かしてみましょう。上の作品は落葉樹の森にあるキャンプサイトですが、14mm超広角レンズで撮ることでたくさんの木々を表現することができました。

これも先ほどと同様に点景バイク構図です。バイク、ライダー、テントといった複数の被写体は一か所にまとめてセットにする感じで構図を作りましょう。てんでんバラバラにならないように。




EOS1Dx + SIGMA35mmF1.4ART F9 1/200 ISO100

こちらはSIGMAの35mm、ARTレンズで撮った作品です。28から35mmくらいになると特定の被写体にグッと寄って適度な遠近感で表現するのに向いています。この場合は海に浮かぶ不気味な廃船がメインの被写体ですが、注目していただきたいのは空の表情です。筋のような雲が横にのびてユニークな表情だったので、それを撮るのに35mmがとても都合が良かったのです。例えば85mmを使って廃船を同じような大きさで撮ったら、空はほとんど写らないのです。

旅先で出会った被写体をメインに構成しツーリングのワンシーンを表現するなら35mmはお勧めです。

RICOH GR (28mm)

この作品はお気に入りのコンデジ RICOH GRで撮った1枚です。房総半島の山でよく見かける素掘りの隧道です。RICOH GRは28mm単焦点のスナップシューターですが、ローパスフィルターレスで独特の写真が撮れるので風景に使っても悪くありません。

GRやiphoneなどスナップ写真を意識したものは28mmである事が多いように感じます。スナップ写真とは人物や街中などが被写体となるカジュアルな写真のことで「あっと思った瞬間にぱっと撮る」のがスナップだ・・・と私は理解しています。

ツーリング写真で使う場合の28mmは風景主体の広角としてベンチマークな画角ですね。

広角レンズの注意点

広角レンズの歪み

広角レンズは主に樽型と糸巻き型の2種類の歪みが発生します。このことを意識せずバイクや建物といった人工物を撮ると被写体の直線や本来のディティールは溶けるように歪み、不自然かつ違和感の写真となってしまいます。

歪みはワイドになるほど顕著で35mmならさほど意識せずとも大失敗にはなりませんが、14mmといった超ワイドだと上の写真のようになります。

ただ一概に弱点と決めることは出来ないもので逆手にとって利用すればユニークな表現にも使えます。子供やペットの写真でしたら可愛らしさを表現できる場合もありますし、海や空といった自然の風景であれば、そもそも歪みは気になりません。

歪みの回避方法

最も歪みが強く出る部分は樽型の四隅で、逆に画面のど真ん中は歪みが少ないです。もしバイクを撮るのであれば点景バイク構図とし、三分割を避けて日の丸にしてあげると歪みは気になりません。

横構図でライダーを撮るとき、樽型の四隅にライダーを置くと太って短足に見えます。逆に縦構図で同じように配置するとスリムで足が長く見えるものです。これは知っておいて損はない知識でしょう…。




EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

いかがでしたか?ツーリング写真とは主に風景が主体のバイク写真です。愛車の写真をアップで写したバイク写真と違い、風景の魅力を伝えるのが大切ですが、そんな時に役に立つのが広角レンズなのですね。

~ツーリング写真での広角レンズの使い方 まとめ~

・空に表情があるとき、全周にわたって絶景のとき、雄大さを表現したいときに使う

・画面に余計なものが入りやすい、自分の影も入りやすいので注意

・地面などを利用して遠近感を生かした構図をつくろう

・歪みが強い部分にバイクや人工物を入れない

・歪みの回避として日の丸構図、点景バイク構図を使う

・35mmは特定の被写体にグッと寄るべし

ここで書いたことは勿論絶対ではありません。超広角レンズでバイクを大きく撮っても良いですし、あえて自分の影を写したって面白い写真になると思います。写真ビギナーの方にとって扱いが難しいと感じる広角レンズの使い方としてシンプルな解説を作ってみました。

少しでもお役に立てれば嬉しいです。

今回はこの辺で!!

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写真ビギナーはまず時間帯と太陽光を意識しよう

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、師走の冷え込みも厳しくなってきましたが、ツーリングに出かけられる方は日陰など路面凍結にお気をつけください。

前の投稿でイギリスが2030年までにガソリン車の新車販売を禁止すると発表したことを受け、バイクの将来像について色々と書いてみました。そこから数日して日本もそれに合わせるように政府から2030年までにガソリン車の新車販売を禁止するとありましたね。いよいよ車のEV化が本格的になってきたようです。

2030年になっても世の中からすぐにガソリン車が消滅する訳ではなく街中はガソリン車が走っているでしょうし中古車だって流通すると思います。しかしガソリン車に対する増税などのペナルティは何かしらの形であると想像できます。

それより我々バイク乗りにとって心配なのはガソリンスタンドが極端に減ってしまうことです。ただでさえ消防法に関わる地下タンクの設備更新ができず廃業するスタンドが多いのに、需要の急激な先細りが見えた昨今では廃業するスタンドは加速度的に増えると予想されます。

いつまでも今の愛車に乗ってツーリングをしたい!と願っても10年後にはガソリンスタンドが少なすぎて現在のように気軽にはツーリングに行けない時代になるのです。またガソリンの単価が石油税の増税や需要低迷の影響で高コストとなり、例えばリッターで1000円とかも有り得なくはないと思います。

もちろんその時代に我々ライダーが「このバイクが欲しい!」と熱くなれるEVバイクが存在していれば心配はさほどありません。EVバイクはこれから免許を取得するニュージェネレーションには受け入れられやすいかもしれません。しかし私のようなベテラン世代には新しい時代のEVバイクを受け入れられるか?はある意味で試練ですね。

前回も書きましたが本当に今から向こう10年が内燃機バイクを楽しむ最後の一時代と言えそうです。




さて前置きが長かったですが今回のツーリング写真解説は写真ビギナーの方が風景写真をどう撮るのか分からない、いつもツーリング先で風景写真を撮るけど何か平凡だ…とお悩みの方へ、まずは写真を撮る時間帯と太陽光の様子について意識してみましょう、というお話を書いてみたいと思います。

以前に究極のツーリング写真では何度か太陽光の向きと写真の関係について解説してきました。太陽を背にした順光の場合は風景が鮮やかに、逆光の場合はコントラストがある印象的な写真に、斜光の場合は被写体の立体感が表現できる…といった内容でしたが、この辺の知識はもう大丈夫でしょうか?

ツーリング写真は基本は風景写真です。その場所で「ここで写真を撮ろう」と思ったからには何か景色や被写体に特徴があり、それを受けて撮影者が気に入った場所な訳ですよね。しかしソレに向かってカメラを向けたとき、太陽の向きはどうでしょうか?当たり前のことですがスタジオ照明のように太陽の向きをその場で変えることはできません。




写真ビギナーの方が撮ってしまう平凡写真の多くは、太陽の向きと被写体の関係を意識できていません。また露出が難しいからと逆光を避けているケースも多いようです。実はそれ、全く逆です。太陽が高い位置にある日中ほど平凡な写真に陥りやすく、朝夕の傾いている日差しに向かって逆光で撮る方が空気や水分も写真になるような印象的な写真になります。

上の写真は何の変哲もない千葉の舗装林道で撮りました。山間いから差し込む朝の光が水分を蒸発する森の空気に当たって一筋の光線になっています。実際にこの風景は日の当たらない林道を走り抜けてくると「うわっ眩しいなここ」と感じるだけで通過してしまいそうでしたが、良い写真を撮るための良い光とは多くの場合で肉眼では確認できないものです。

朝夕の低い位置からの太陽光は素敵な写真が撮れる光が存在しています。その確認方法でお勧めなのはカメラをマニュアル露出モードにして太陽光下であればF18 1/100 ISO100でとりあえず1枚撮ってみます。すると目では見えなかった光と影の様子が確認できるので、それを踏まえて構図やアングルを模索し撮ってみましょう。

何かのモノを撮るという意識は一度捨てて、とりあえず光と影を撮ると切り替えてみるのも良いと思います。どんなに素晴らしい被写体もどんなに感動的な風景も光あってのものですからね。




「そこにいい光がある」そう気付くことが出来るまで長い道のりかもしれません。上達のプロセスで成長させるのは知識や撮影技法だけではなく、目、足、イメージ力、発想力、デザインセンス、そして被写体への理解…様々なものがあります。ある日、いきなり上手くなることはありませんが、ある一枚の写真が「そうか!なんとなく分かったぞ」と教えてくれるものです。

あせらず一歩一歩で上達してくださいね。

今回はこの辺で!

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写真ビギナーがつい撮ってしまう陳腐なツーリング写真はこれだ!

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、師走ですが走り納めツーリングの計画はもう立てられましたか?

ずいぶん前のことですがクリスマス時期に東京ディズニーランドに行った時にこんな出来事がありました。ディズニーランドのシンボルであるシンデレラ城の前でした。見知らぬ女子2人組が私に「写真を撮ってください」と頼んできました。カメラは確かEOS Kissでキット物のズームレンズが付いていたと思います。

私はシンデレラ城をバックに素敵な記念写真を撮ってあげようと、許される限り後ろに下がってレンズのテレ端で撮りました。縦構図で左上に引っ張ったシンデレラ城、右下にお二人のバストアップ、絞りはF18に設定しパチリパチリと数枚。「これでバッチリかな」とカメラをお渡しし、念のため問題ないか画像を見てもらいました。

喜んでもらえるだろうか…という期待とは裏腹に返ってきた反応は「足まで全身を入れてください」というまさかの再撮依頼でした。おそらく写真とは枠の中にきちんと被写体を収めるものだ、という固定観念なのでしょうね。苦笑しながらも言われた通りに再度撮り直しましたが、全身が入るように撮るには広角よりの画角となったので、シンデレラ城は最初の写真よりもうんと小さくなってしまい平凡な写真になってしまいました。

ご帰宅されてから「あの時、あの人が最初に撮った写真の方がいいわね」と私が最初に撮った写真が採用カットになったことを願うばかりです。




さて、今回のツーリング写真解説は写真ビギナーがつい撮ってしまう平凡な構図とは?と題して簡単な構図のお話を書いてみたいと思います。先ほどのシンデレラ城のエピソードと同様に被写体を枠内に収めて云々…という写真をツーリング写真に当てはめると次のような写真になります。

被写体の存在感が等分され主題が曖昧な写真=平凡写真

はい、こんな感じです。もう12年も前に私が撮った写真です。今では有名な小湊鉄道の撮影スポットである石神お花畑です。信じられませんが菜の花が満開のシーズンでも当時は誰も写真を撮っている人が居なくて貸し切り状態でした。今だったら週末なら撮り鉄さんが100人くらい集まりますけどね。この写真の場所にバイクを停めようものなら大ヒンシュクです。

で、この写真をみて「いい写真だ」と思った方はいらっしゃいますか?これは写真がいいのではなく石神お花畑という場所、つまり事実が素晴らしいのであって写真がいい訳ではないのですね。

写真は被写体をきちんと枠内に収めて撮ろう、この固定観念に縛られていてはお子様構図ばかりを撮ってしまい、せっかくの撮影シーンも陳腐な写真で終わってしまいます。バイク、小湊鉄道の車両、お花畑、これら重要な被写体がバッチリ枠に入っていればOKなんて極めて稚拙なことです。

では最初に何をするか?

素敵な場所にきた記録を撮るのではなく、この景色を受けて撮影者が心動かされたことを1つだけ選び、それを明快に表現できるよう構図を作ってみましょう。

まずは写真を撮ろうと思った場所で被写体がいくつあるか数えてみましょう。バイク、鉄道、花…このように2つ以上の要素がある場合は主役を1つに絞ります。シンプルな背景にR1200GSを置いただけであれば、被写体は1つなので必要ありませんが2つ以上の被写体があれば1つに絞るのです。

1.鉄道が主役でバイクが脇役

鉄道が主役でバイクが脇役

この場合、バイクの存在感はそこへバイクでツーリングで来たのだな、という事が伝わる程度で十分です。バイクをやたらカッコよく撮る必要性はありません。大切なことは1つの主役が魅力的に写るよう主役の存在感を意識すること。カラーが可愛らしいと思えばそれが伝わるように撮ったり、重厚な質感に魅力を感じたらそれを表現するのです。

やり方はいろいろあります。大きさや位置関係はもちろん一方にピントを合わせてもう一方はボカす、フレームで切り落とす、一方は光に当ててもう一方は影に置くなど…。ちょっとした一工夫と手間で写真が激変するものです。

上の写真の場合はカーブで傾いている様子が気に入ったので、それが分かりやすいようアングルを模索しました。




2.バイクが主役で鉄道が脇役

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

先ほどと逆になっただけです。

とにかく2つある被写体のどちらが主題でどちらが副題かを明らかにするのです。ここでの注意点は中途半端にしないことです。どうしても写真ビギナーはあれも写そうこれも写そうと欲張ってしまうものです。欲張れば欲張るほど主題は曖昧になりやすく、構図は複雑さを要求してきます。

上の写真の場合はR1200GSが主役となる構図ですが、フロントタイヤの下1/3を切り落とすことで迫るような迫力で存在感を強めています。

もしシンプルな背景にバイク1台なら構図は簡単です。今回の鉄道のように何かの被写体とバイクであれば被写体は2つ。2つなら主題と副題を決めるのにさして複雑さはありません。この辺までが写真ビギナーの方におすすめと言えます。

3.バイクも鉄道も副題で花が主役

EOS6D Mark2 + EF70-200F2.8L IS

もし構図を作る上でこれら被写体のキャスティングが難しいように感じたらお勧めのやり方が1つあります。それは感動の言語化です。

そこで写真を撮りたいと思った理由、あなたの心の針がふれた瞬間を表現するには?目の前の風景の特徴を受けて普段は使わないような詩的な言葉で表現してみましょう。「辺り一面を黄色い絨毯が包み込む温かみある鉄道風景。どこか懐かしさを覚えた」といった具合に気持ちを言語化したら、主題は「菜の花が包み込む鉄道風景」に決まりです。

あとはそう撮るために包み込んでいるように見せる深度(絞り値の調整)、望遠の画角で花の密度を上げる、といった具合に作業に落とし込みます。こんな時はこうしよう、というイメージと撮り方の引き出しを紐付けるのはビギナーには難題ですが、いつか上達すればそう撮るようになるのだな、と覚えておいてください。

4.工夫をこらす

伝えたい1つを明確にするのは割と基礎的なことです。それができれば写真は一気に陳腐さが消え写真の見識のある人が撮った1枚!という感じになります。しかしその程度では作品と呼べる個性を出すのは難が有ります。

写真にあなたらしさ、ユニークさを加えるなら型にはまった撮り方でない、定石と違った撮り方を考えてみましょう。この写真は1枚目の平凡写真と同じ場所、小湊鉄道の石神お花畑で撮ったものです。R1200GS-ADVENTUREのコクピット越しにみた風景としました。これには周囲に他のカメラマンがたくさんいてスペースに限りがあった…という事情も隠されています。




ツーリング写真を撮りに行ったのにどうしても愛車もカッコよく撮りたい!という気持ちが抑えられない場合、それは別で撮ると覚えておきましょう。1つは愛車が主役ではない風景主体のツーリング写真、もう1つは愛車が主役で一方の被写体は背景に留めた愛車カット。後で帰ったらそれぞれの写真をどのような場所で発表しようかじっくり考えましょう。

いかがでしたか?

写真を見る人は「この写真になにか素敵なことが写っているのだろうか?」「興味のあること、美しいものは写真の中にあるのかな?」と写真に対する期待を抱くものです。一方で撮影者が「俺のバイクはやっぱりカッコいいな」「小湊鉄道の菜の花の景色を写真に収めたぜ~イエー」では撮る側と見る側にあまりに温度差があります。人に見せる写真と自分で見る用の写真は全く別のものなのですね。

自分で見る用の写真を「見て見て、俺写真うまいでしょー」とSNSで発表するのは悪い事ではありませんが、そろそろ見る側も「うんざり」しているかもしれませんよ。

今回はこの辺で!!

↓↓↓石神菜の花畑↓↓↓

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写真ビギナーも納得☆誰も教えてくれなかった露出の話

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、最近アクセス解析を見ているとアメリカから当ブログを見て頂くPV数がとても増えました。日本語で作っているサイトなので恐らく在アメリカの日本人の方が見て頂いていると思うのですが…毎日のように100PVくらいアメリカなので何かのサイトで紹介されたのでしょうか?不思議です…

さて今回は初級ツーリング写真のカテゴリーとして、写真ビギナーの多くの方を悩ます露出のお話を究極のツーリング写真流に解説してみたいと思います。ベテランの方はスルーするか「おさらい」で読んでくださいね。

EOS6D mark2  F14 1/1600 ISO100

・露出とは何ぞや?

露出とは写真用語でよく耳にする単語ですね。やれ露出が決まんないだの露出アンダーだのと。露出とはその単語の通り真っ暗な箱になっているカメラの中に、外の光をどれくらい入れてセンサー(またはフィルム)に光を露出させましょうか?というコトです。

簡単に言ってしまえば写真の明るさを決めるもの。あるいはそこにある光をどれだけカメラの中身に集めるか?という話です。

写真をどのような明るさにするか、カメラ内にどのくらい光を露出させるかは本来は撮影者が決めることです。しかしいつの時代からか、その部分はカメラのコンピューターにお任せ出来るようになりました。そして多くの一般カメラユーザーは当たり前のように露出をカメラにお任せするようになったのです。

ここでワンポイント!

露出を得るには大まかに2つの考え方があります。1つは現実の明るさの通りの露出で撮ること。もう1つは「こんな風に撮りたい」と撮影者がイメージする空想写真の再現です。前者は目で見た現実に近い明るさの写真で証明写真や見本写真など説明的な役割を持った写真に使われる露出です。

後者は多くの人が憧れる「いい写真」、つまりARTな写真としての露出です。これは必ずしも実際の明るさを再現した露出である必要はありません。

この2つははっきりさせておきたい重要なポイントで、特に後者の「イメージの再現」の露出はその後の工程である構図とも関係してきます。ここ、多くの写真解説で抜けている大事なポイントだと思います。




EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

現実の様子を再現した説明的な露出は面白くもないですし、カメラの自動露出機能(AE)で得ることも可能です。正しくはグレースケールなるもので「適正露出」を得るのですが…この辺の話は割愛いたします。本解説ではARTな写真、いい写真を撮るための露出のお話としてすすめていきます。

露出を決める方法は主に絞りとシャッター速度の二者です。絞りとは大きさを自在に調整できるレンズ内の穴ポコです。大きい穴なら多くの光を、穴を絞りこんで小さくすれば光は僅か。シャッター速度とはガレージのシャッターと同じ「幕」が開いていた時間のこと。長く開いていれば多くの光を、短ければその逆です。

絞りとシャッター速度には光の取り入れ量の他に、それぞれ写真表現に役立つ別の役割があります。絞りは被写界深度といってピントが合う範囲の調整、逆に言うとボケ具合の調整です。これは作品の主題を浮き立たせるように演出したり、手前から遠景までシャープにして印象を狙ったりできます。

・被写界深度で魅せる写真

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

例えばこの写真。絞りを開いて被写界深度を浅く、つまりピントの合う範囲を小さくして前景の桜を大きくボカした表現です。大きくボカすことで手前の桜はカラーフィルターのように風景が透過し、合焦ポイントに置かれた主題を演出しています。

これとは逆にどこもボケていない全体がシャープにピントがきている表現方法もあります。もちろんその他にも沢山あります。この場合はこうだ!という決まりは無く、その被写体、情景の特徴を受けて撮影者の心が動いた一つを表現するにあたり、どの手法が今ぴったりなやり方か?撮影者自身が自由意志で選択するのです。

次にシャッター速度で魅せる写真の作例を見てみましょう。

・シャッター速度で魅せる写真

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

こちらの作品はシャッター速度を遅くすることで動くもの、この場合は小湊鉄道の列車をブラし作品に動きを与えました。静かなる風景写真の中に動きを加えることで印象を狙う演出方法です。シャッター速度のコントロールは遅くすればスピード感、早くすれば瞬間の表現になります。

また別の見方をすると列車をブラしたことにより列車自体の存在感を落として、主題であるイチョウの木を際立たせて魅せる手法とも言えます。この作品のように列車、バイク、ライダー、そしてイチョウの木、といった具合に複数の被写体が作品に登場した場合、それぞれに正しい役割を与えて1つの主題へ導く秩序を組み立てないと「俺が主役!いや私が主役よ!」という秩序なき作品に陥ります。

各々の存在感の調整という意味でも被写界深度やシャッター速度の調整は役に立ちます。ちなみにこの作品はAEの露出値よりもうんとオーバー(明るい)な写真に仕立てております。こういった写真を「ハイキーな写真」とも言いますね。

はい、カメラのAEに露出をお任せすればこのようになります。

これは目で見た通りの風景なので考えようによっては嘘偽りない正直な写真と言えます。しかしこれは現実を切り取ったドキュメンタリー写真などではなく、作者の感動や美、心の針が触れた瞬間といった抽象的な心象風景が表現されていない記録写真に過ぎません。

こういった写真を撮って自分は演出などしない潔白なナチュラル派であると主張する人を見かけますが本当に可哀そうな方だなと感じます。

いい写真を、ARTな写真を目指すのであれば中途半端にナチュラルを意識するのはやめましょう。多くの場合で現実の様子はさして美しい訳ではなく、本当に美しいのはそれを受けて感動した貴方の心の中に存在しています。それを写真にするには露出をコントロールするのです。




・露出で魅せるART写真

EOS6 mark2

この作品は上のイチョウの作品とは逆にローキー(意図的に暗め)な露出の1枚です。山桜の淡い色と雰囲気を出すのに選択した露出で、同時に見せたくない要素はシャドウ部分に沈めました。あたかも黒バック紙に浮かび上がる被写体という感じですね。こういった魅せ方はベテランの写真家にとって常套手段と言えます。

こんな感じの写真は写真ビギナーの方がすぐに目指すべきものではありませんが…ご参考までに。

・ISO感度は?

絞りとシャッター速度はそこにある限られた光をシェアし合う仲です。しかし互いの要求で折り合いがつかない場面もあるものです。それは絞り込んで被写界深度を深くしたい、しかし風で揺れている草花はブラしたくはない、だが曇り空で光が乏しい…といった具合です。その場合は夜景シーンと同様にISO感度を上げて対応します。

ISO感度とはカメラの心臓部であるイメージセンサーをGAINアップさせて敏感にさせる調整機能です。ISO感度を500…1000…2000…と上げれば光の量が乏しくても写真に明るさを与えることが出来ます。多くの場合は暗い室内でカメラを手持ちで撮影する場合や夜景の撮影で使いますが、絞り込んで且つ風景を止めたいという要求にも補足的に使用できるのです。

しかし感度を上げ過ぎるとノイズが発生し写真のクオリティに関わる問題が発生するものです。ISO感度は原則としてISO100が理想であり、仕方ない事情があるときに上げるものと覚えましょう。

・明るすぎる場合

上のISO感度の話とは真逆に明るすぎて困ってしまうシチュエーションもあります。強烈な太陽光下でF1.8といった具合に絞りを開いて深度を小さくしたい時です。高性能なカメラでも1/8000くらいが高速シャッターの限界ですがそれでは不足してしまう時…。解決策は適切な明るさとなるまで絞り込むかNDフィルターというサングラスのようなフィルターをレンズの先端に装着するかです。

・数値を感覚として養う

絞りはF値、シャッター速度は例えば1/125といった具合に絶対値で表現されます。10m先に置いたバイクに15m先にある桜の木、その両方にピントを合わせたい場合、レンズの焦点距離が85mmだとして、絞り値Fはいくつになるでしょうか??または60km/hで走りゆくバイクを焦点距離200mmのレンズで追う場合、イメージの流れ具合を得るにはシャッター速度はいくつに設定すれば良いでしょう??

ここですぐに数値が出てくれば苦労無いですね。しかし残念なことにコレばかりは気の遠くなるような反復練習によって感覚として養っていくしかなく、ネットで調べても写真教室に通ってもダメなものはダメです。ピアノやゴルフが上達するにはたくさん練習するしかないのと同じです。

ただ1つ、有効な練習方法があります。シャッターボタンを半押しした時、自動測光機能(AE)が算出した露出値がファインダー内に表示されますよね。あれを読み上げる習慣をつけるのです。F6.3で1/250とかF18で1/125とか、声に出してみましょう。すると少しづつですが望遠だと1/100以下じゃ手ブレしやすいな…とか、これくらい天気よければ絞ってもシャッター速度が落ちないな…といった具合に体験することで理解していきます。騙されたと思って実践してみてください。

数値の感覚が少しづつ掴めてきたら被写界深度で魅せたいときは絞り優先モード、写真に時間を与えたいときはシャッター速度優先モードを使ってみましょう。この撮影モードは多くのカメラに当たり前のように搭載されていると思います。

そしてこの両者による「写真の明るさ」を決める露出は自動測光(AE)です。カメラのAEは例え最新のカメラであっても多くの場合で撮影者が望む露出を得ることができません。常にAEを疑って積極的に露出補正をしてください。

目の前の風景に確かに存在している美しい光と影。しかしその様子は目ではよく確認できませんし、AEも目でみた明るさを求めるので同様にダメです。上の写真は光を捉えるために露出をコントロールした写真です。実際の様子より少しアンダー(暗い)な写真ですが、このように露出を選択することではじめて光と影の様子が見えてきます。




・写せる明るさの範囲には限りがある…それが写真

人間の目のAEは良くできていて現実の様子を脳に送るために適宜調整されています。しかし写真は人間の目よりも光をとらえる範囲がうんと限られていて、その範囲をうまく使うのがARTな写真です。ビギナーの方にとって少々難しい話ですが写真は写せる明るさの範囲(ダイナミックレンジ)に限りがあるからこそ、露出で魅せることに意味があるのだ…と覚えてくださいね。いつかこの意味が理解できる時が必ずきます。

 ~写真ビギナーの為の露出 まとめ~

・露出は見たままの明るさを必ず再現する必要はない

・絞りは被写体を演出する表現手法

・シャッター速度は写真に時間を与える表現手法

・絞りとシャッター速度は限られた光量をシェアし合う仲

・自動露出(AE)は絶対に信用しない

・数値は練習して感覚として覚えるほかにない

カメラ、写真に関わるあらゆるHowtoは世に溢れていて、露出についての解説も星の数ほど存在していますが、写真ビギナーの方にとって苦しい壁はここだろうな…と想像を馳せてユニークな視点で書いてみました。今回の解説で何か1つでもお役に立てたことがあれば嬉しいです。

究極のツーリング写真ではこのような解説をこれからも書いていきたいと思います。

今回はこの辺で!!

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写真における「考える力」とは…

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、新型コロナウイルス流行第3波の最中ですね…。観光業、飲食業…そして医療関係の方は本当に大変だとお察しします。一方、依然としてバイクやキャンプが感染リスクが少ない趣味として人気のようです。

先月、富士山の朝霧高原にある人気キャンプ場【ふもとっぱら】に行ってきたのですが、平日にも関わらず凄い人の多さでした。ざっと見た感じで200~300組くらいのキャンパーが来ていたと思います。ふもとっぱらキャンプ場はとても広いキャンプ場で最大で1000組以上は内包できるキャパシティですから200~300組であれば「密」ではないのですが…それでも冬にこれほどキャンパーが集結するとは凄い事ですね。

その昔、冬にキャンプするなんて変人扱いされたものですが現在では「冬こそキャンプ」という風潮がすっかり浸透したようです。




EOS6D mark2

ふもとっぱらは目の前に富士山がドーンと見える、開けた風景の雄大なキャンプサイトです。星空も朝日も美しいですし反対側の毛無山の風景も素晴らしいです。私のようにキャンプ場に求める重要な要素は風景である、という人間にとっては最高のキャンプ場と言えます。

目の前に富士山が見える絶景…これこそがふもとっぱらキャンプ場が人気である最大の理由であるのは疑う余地がありません。一方で仲間同士でバーベQ大会のように騒いでいる人達や一日中薪割りをしておられる人達にとって、このふもとっぱらの風景は重要なのだろうか?と些か疑問でもありますが…

きっと「人気のキャンプ場」と検索して上位に出てきた情報がたまたま「ふもとっぱら」だったのかもしれませんね。ちなみに去年に行った浩庵キャンプ場と同様に、ここふもとっぱらも人気アニメ「ゆる△キャン」の聖地です。




上の写真は夜明け前のサイトで明るんだ空にうかぶ富士山の様子を撮ってみました。この時、地上側であるバイクやテントの様子をどのように写すか腐心しました。いかんせん太陽がまだ登っていないので光が絶対的に乏しいのです。かといって地上側に合わせて露出を設定すれば空の雰囲気は飛んでしまうし、そもそもイメージがローキーなものだったので、これ以上明るい露出は検討の余地すらありません。

さて…困った、ライトでも当てるか?さんざん考えた挙句、あるアイデアを閃きました。焚火に湿った落ち葉を集めて投げ入れスモークを焚いてみたのです。風向きも手伝って狙った通りR1200GS-ADVの背後に白い煙が重なってくれました。これで誰が見てもそこにバイクがあるのが分かる写真になったと思います。

今回の撮影ではこの後、空の様子がもっと魅力的になったので、このカットは採用カットに至りませんでしたが、改めて悩み考え工夫を凝らすことの大切さを学んだ気がします。こういった事っていくらネットで調べたって解決策は出てきませんからね。最後は「自分で考える力」です。

例えば人気のラーメン店に行けるチャンスがあったとします。そこで人気メニューは塩ラーメンなのに知らずに醤油ラーメンを注文してしまえば後で後悔するかもしれません。初めて行く土地に乗ったことのない路線で出かける時、最短で運賃の安い経路で行きたいものですね。これらは事前にインターネットで調べて情報を入手しておくのが賢い現代流ですね。

しかし素敵な写真を撮りたいときや、素晴らしいキャンプ場はどこにあるのか?といったことをインターネットで調べてしまうと、必ずしも最良の情報を入手できるとは限りません。何でもネットで調べる悪い癖をつけてしまうと「自分で考える力」が退化して自分という人間が情報社会のシステムの一部になってしまうようです。

以前、Facebookのあるグループを見ていた時のことです。BMWバイクのグループで「次はBMWのバイクを買おうと思いますがお勧めの車種は何ですか?」という質問をポストしている人がいました。多くの人が懇切丁寧にレスを書いていましたが、私が最も親切だなと感じたのは「あんたの好きなバイクでいいんやで」と書いたレスでした。それとは別の日にキャンプ関係のグループでこんな投稿を見かけました。「キャンプ場で夜ご飯は何を食べれば良いでしょうか?」という質問です。これも同様に様々なレスが書かれていましたが、私が一番親切だなと感じたのは「あんたの好きなもん食えや」というものでした。同一人物だったかは未確認ですが…面白いですね。

私自身、頻繁にネットで色々と調べることが多いので改めて「自分で考える力」について意識していきたいと思いました。自分の好き、自分で考える、自分の場合ならこうだろう…こういった自由意志こそが人間らしさであり、決して失ってはいけない大切なものだと思います。

今回はこの辺で!




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写真ビギナーでもすぐ撮れる☆かんたんツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、いよいよ今日から12月ですね。コロナ、東京オリンピック延期、日本とアメリカはリーダー交代…いろいろあり過ぎた2020年でした。新たな年で切り替えていきたい!と願う人は私だけではないと思います。

一方でコロナ特需としてのバイクやキャンプが注目されていますね。感染リスクの少ない趣味としてバイクツーリングやキャンプ、そしてソロ活動も密かなブームのようです。…いやバイク業界については「密かな」どころかちょっとしたバブルのようになっているそうですね。

先日、近所の中古バイク店の前を通ったのですが在庫バイクが通常の半分程度で店内はガランとしていました。中古車が売れに売れて在庫不足なのだとか。そう考えると休日に見かけるバイクは初心者ライダーが多いことです。いつも以上に安全意識を高めて走りましょうね。

さて今回は3年前に究極のツーリング写真で記事にしていた「かんたんにツーリング写真を」という趣旨の投稿を改めて書いてみたいと思います。いい写真は撮りたいけど構図とか露出とか難しいことは苦手…。いつも同じような平凡写真を撮ってしまう…。そんなお悩みをお持ちの方に、ご自身の写真が変わる!手法をご伝授いたします。ベテランの方はスルーで!




1.前景を入れて撮ってみよう

写真ビギナーの人がつい撮ってしまう平凡な写真とは構図が平面的な「お子様構図」が多いものです。お子様構図とは人、家、花などの要素を幼い子が書いた絵のように並べただけの構図です。しかし被写体の配置関係やバランスは写真ビギナーの方にとって「構図を作る足」がないため難しいものです。

そこで!写真を撮りたいその場所で足元に何かないか探してみましょう。お花、草、岩、木の根…なんでも良いです。それを前景…つまりバイクとカメラの間に入れて撮るのです。そうすると前景、バイク、背景の3レイヤーが完成し、写真に奥行きが出てメイン被写体を際立たせてくれます。

上の作品では前景にスイセンの花を入れて撮ってみました。カメラに近い前景を作るとピントが大きくボケる傾向なので、カメラを絞り優先モードにしてボケ具合を調整するのがポイントです。

2.ヘルメットや小物を主役にしてみよう

ちょっとした発想の転換です。ツーリング写真なのだから当然バイクを撮りたいのですが、ヘルメットやグローブを主役にしてバイクを脇役にした写真を撮ってみましょう。ヘルメットやグローブといった身に付ける小物は、ライダーの存在を予感させるもので「ツーリングのワンシーン」を演出するのに打ってつけなのです。

コツはどちらが主役かハッキリさせることです。小物とバイクの存在感が中途半端に等分されないように。ヘルメットならヘルメットにぐっと寄って撮りましょう。シールドに写り込んだライダー(貴方ご自身)の姿を意識してみるのもユニークだと思います。

こういったカットはSNSやブログにアップする際に、通常のツーリング写真と織り交ぜて使う事でシャレた感じになります。




3.夕陽の逆光を使って愛車を撮ってみよう

強烈な逆光はカメラ任せの露出だと真っ黒な失敗写真に陥るものです。そのため一般カメラユーザーの間では逆光は避けるべき…などという残念すぎる話をよく聞きます。実はベテランやプロほど逆光を好んで使っています。逆光はバイクやヘルメットのエッジにハイライトを入れ、高コントラストで印象深い写真が撮れる最高のシチュエーションと覚えてください。

「でも逆光で撮るのは難しいんでしょ?」という方へ。大丈夫…やるべきことは1つだけ。露出補正です。最初は難しいのでまず1枚を試し撮りします。真っ黒になったら露出補正をプラスの方へ調整し再び試し撮り。繰り返してイメージに近い露出を得たら写真全体の明るさを考えるのではなくバイクだけがカッコよく見える露出を探ってください。

コツは上の写真のように地面に入るバイクの影も意識して構図してあげることです。きっとカッコいい1枚が撮れるので試してくださいね。




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

写真ビギナーでもかんたんに撮れるツーリング写真のご紹介でした!今回はこの辺で!

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はじめてのツーリング写真☆バイクと風景をどう撮るか【番外編】

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今日は祝日ですがもしかして昨日を有給休暇にして4連休なんて方もいらっしゃるのでしょうか?私もはやくキャンプツーリングに行きたいです。

つい先日知ったことなのですが私の住む房総半島の内房側。浦賀水道よりも南は東京湾ではなく太平洋なのだそうですね。知りませんでした…。館山から富士山の写真を撮ったりして「東京湾から望む冬の富士山」などと書いてきましたが…間違いだと知ってとっても恥ずかしいです。

でもブログやSNSで「太平洋から撮った冬の富士山」と書いてしまったら多くの人が困惑するのではないでしょうか?そう考えると館山から撮っても「東京湾から…」と書いてしまった方が良い気もします。




さて前回まででツーリング写真の作例として幾つかのバリエーションでご紹介してきました。ツーリング先で愛車の写真をパチリと撮る愛車写真、どこかに行った記念を撮るツーレポ的な写真…それら説明的写真とは違う、ARTを意識した【ツーリング写真】が何なのか、お分かりいただけたのではと思います。

今回はこのシリーズの最終回としてツーリング写真のバリエーション、番外編バージョンをご紹介してみたいと思います。

撮り方に困ったときは…

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

あぁ、ここは素晴らしい景色だ。ここでツーリング写真を撮りたい…そう思っても撮影スペースに制限があったり他にもカメラマンがたくさんいて自由にできないなど、撮りたいけど問題をどう解決すべきか分からないとき…ありますよね。

そんな時は頭を柔らかくして普段は絶対に撮らないようなエキサイティングなやり方を思案しましょう。こういったシーンではネットも何も役に立ちません。頼りになるのは自分の発想力だけです。

上の写真は北海道の富良野にある通称「赤い屋根の家」ですが、道からはかなりの距離がありますし、望遠で寄せるにも後ろに下がれるスペースはありません。何しろ畑の中の細い道に路駐して撮るしかないのですから。こういった時、望遠レンズを使ったツーリング写真は成立しないものです。

そこで赤い屋根の家は小さいままで良いから何かユニークな手法で表現できないか?と考えたところ、上の写真のような撮り方になりました。R1200GSのアナログメーターのコクピットに35mmレンズで寄って絞り込んで撮ってみました。メーターがアナログのお陰で誰が見てもこれがオートバイであると伝わると思います。




それでも自分のバイクを撮りたい!

EOS6D Mark2

最後に番外編らしく… そう、やっぱり自分のバイクをカッコよく撮りたいですよね。分かります、私もバイク乗りですから自分のR1200GSをかっこいいと思っております。ツーリング写真では愛車をカッコよく撮っただけの愛車写真は人に見せる写真ではない…といった事を書いてきましたが、ツーリング中に撮る愛車メインの写真でもツーリングの魅力を伝える1枚に仕立て上げることは可能です。

それはずばり、オーナーとの関係性が伝わってくる写真にすることです。背景に富士山や海、これだけの所にバイクを置いてパチリと撮るとバイクがオブジェのようになってしまい、アングルを工夫してカッコよく撮ろうとするほどバイク雑誌に載っているような写真になってしまいます。

そこでオーナーである貴方が脇役として控え目に登場することで、このバイクはこのオーナーに愛されて共に旅をしているのだな、というStory性が出るものです。ここまで成功すれば「自分で見る用」の記念写真ではなく胸を張って人に見せられる写真が出来上がると思います。

リコー GR APS-C

いかがでしたでしょうか?バイク写真という大分類の中のツーリング写真。それはバイク旅の魅力をARTで伝える役割のある作品。その1枚でバイクとは縁遠かった人が「私もオートバイに乗って旅に出たいかも」と思えるような、そんなARTが生み出せたら素敵ですね。




むかし鉄道写真は鉄道車両自体にフォーカスされた比較的閉鎖的な写真ジャンルでした。それが「鉄道のある風景」として車両ではなく景色の中の鉄道の写真ということで鉄道写真は生まれ変わり世に認知されました。

それと同じようなことをバイク写真でもやってみたいのです。現状、多くのライダーは愛車の写真やツーリングの記念写真を記録やSNSのレポート用として撮っているだけです。それでも多くの人は「いい写真を撮りたい」と願い新しいカメラや高級なレンズを購入したりしています。しかし「いい写真」とは極めて主観的であり本当の意味でいい写真を追求するならARTを意識せずには進めないと思います。

上手い写真、綺麗な画像、有名な撮影ポイントに行く、珍しい被写体で見る人を驚かす…これらは決して悪いことではありませんが、画一化された表現の世界であり個人の発表ではありません。ARTは個人の発表なので反応は賛否あって当然です。流行の映え写真や「いいね」を狙う写真とは言葉は悪いですが「万人ウケ狙い」なのでART写真とは全く真逆の世界です。

私は皆と同じではなく自分独自の世界をツーリング写真で表現していきたいです。その方が自分の作品が世に残されていく可能性を秘めていますし、何より写真活動そのものが精神的に充実します。

まだまだ道半ばですけどね。

皆さまもぜひ私と一緒にARTなツーリング写真をはじめてみませんか?必要なことはこのブログ「究極のツーリング写真」で発信していきますので。

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