誰も教えてくれない絞りの使い方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ツーリングに行かれていますか?私は今年に入ってからまだ1度も県外へツーリングに行けておりません。来月は志賀高原か裏磐梯あたりの涼しい所へキャンプツーリングに行きたいと思っております。

さて今回はカメラの絞りを調整することについてビギナー向けの解説を書いてみたいと思います。絞りと言えばレンズ内部にある穴ポコの大きさを変え、カメラ内に取り込む光量を調整できることですよね。表現手段としての効果はボケ具合、逆に言うとピントの合う範囲が調整できることです。これらはカメラの説明書にも書いてあるのでビギナーの皆さまもご存じですよね。

絞り込むとF値という数値は大きくなり穴ポコは小さくなる。するとピントの合う範囲は奥行方向に深くなりトレードオフとして取り入れる光量が減るのでシャッター速度が遅くなります。絞りを開くとその逆で背景や前景がボケやすくなるのですね。

しかし実際の撮影シーンで絞りをどのように使って良いか分からない人、何となく分かっているけど完全に理解しないまま写真を撮り続けている人は多いと思います。今回はツーリング写真において絞りを実践で応用できるよう作例を元に解説してみます。

 

EOS6D mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG C

毎度同じような事を書いてしまいますが「作品の主題はこれです」という事を最初に決めましょう。その上で「こんな風にみせたい」という空想の写真を脳内に描きます。これがないと絞りに限らずピント位置も構図もフレーミングも…何も決められないのです。

この作例は北海道のとある国道で撮ったものです。連続する矢羽(積雪時に路肩部分を指し示す雪国特有のもの)がどこまでも続く道ですが超望遠レンズで圧縮して間隔を詰めています。絞りはこのレンズの解放であるF6.3で撮っているのですがピント位置はR1200GSではなく道の先に合わせました。

ピント位置、ボケ具合、被写界深度(ピントの合う範囲)は主題へのアプローチとして機能させましょう。それと同時に主題を浮き立たせるよう演出に使うのが被写界深度のコントロールなのだ、とひとまず覚えてしまいましょう。

この作例の場合は道の先へ意味を持たせました。この撮影シーンでは車の途切れたオールクリアーの写真も撮りましたが、それではありきたりなので敢えて一般車が複数台入るカットを採用しています。その事で道の先には町や集落など人の営みがある地が待っているのだな…という事を見る側へ想像を誘います。「この道の先にはきっと…」が重要なのでピント位置は道の先、それを浮き立たせるため絞り開放で手前の方はボカしたのです。




EOS6D mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG C

うったえたい一つのモノ、コトを明快かつ魅力的に伝えるにはどうしたら良いか?見る側へそれを誘導してあげる何らかの手段が要求されるのですが、それが構図であったり今回ご紹介する絞りのコントロール(被写界深度のコントロール)といった手法なのですね。

この作例の場合は岩に砕ける波の様子が主題ですが、画角と撮影スペース(これ以上後ろに下がれない)の関係でR1200GSがけっこう大きく構図されてしまいました。この構図で絞ってしまうとバイクの存在感が強まって波の印象が際立ちません。

この撮影シーンも何枚もシャッターを切ったのですが、このカットだけは飛沫の様子が翼を広げたドラゴンのようでユニークだなと感じたので採用カットにしました。この作品の主題は岩に砕ける波の様子です。それが最も分かりやすく魅力的に見えるように絞りを選択しています。

遠景に船、岩に砕ける波、R1200GSで大まかに3レイヤーで構成された構図ですが意味を持たせたいのは「岩に砕ける波」なので合焦点は1ポイントでOKです。1ポイントの場合は簡単ですがもし別の意図を作ったとして波の様子とR1200GSの2ポイントにピントを合わせたい場合、両者の距離と選択しているレンズの焦点距離から絞りを決定させます。例えば波とR1200GSの間が15mくらいとしてレンズは200mmを選んでいたとします。その場合最低ほしい被写界深度を計算すると絞りはF11になります。そして重要なのはマニュアルフォーカスに設定してピーク位置を波とR1200GSの中間に置くことです。もっとも更に絞ればピーク位置は気にしなくても2ポイントにピントが合いますが、それでは砕ける飛沫を瞬間として止めるシャッター速度が得られませんし、遠景の船にまで合焦してしまいイメージ通りの写真になりません。




これは主題を浮き立たせるように見せているだけでなく、ボケそのものを演出に使っている例です。前景になっている枯草に夕陽の逆光が当たりキラキラとハイライトが入りました。絞りを開いてこのキラキラをボカすと一般に言われる玉ボケ、レモンボケという効果が得られます。

一眼レフをはじめて買った時、みんなやるヤツなので「これは知っている」という方も多いのではないでしょうか?ここでも先ほどと同様に玉ボケ自体がどうこうではなく、作品の主題(この場合は夕陽に輝くキャンプ地)を魅力的にするための演出手段であることを忘れずに使いましょう。「黄金のキラキラに包まれたキャンプ地」といった具合に表現を言語化しても良いと思います。

玉ボケは人物の背景に使うと効果的ですがツーリング写真の場合はバイクの各パーツに入ったハイライトをボカすと面白い演出になります。




はじめて一眼レフを買って最初に写真を撮るときに、ビギナーの方が途方に暮れてしまう絞り。奥行方向に並べた鉛筆などを作例に絞りを変えると深度が変化する様子はネットやハウツー本によく載っているので知識としては理解できた。しかし実際の撮影で応用できない。結局、Pモードのままいつも撮っている、あるいは適当に絞りを設定している…なんて方も多かったのではないでしょうか?

知識は自分の撮る写真に応用するときに思考しないといけません。思考ばかりは他者を頼ることなく自分でしか出来ない事です。今回ご紹介した3つの例はほんの一部にすぎず、その他にも絞り、深度をコントロールすることで様々な見せ方があると思います。大切なのは最初に「撮りたい写真のイメージ」を想像することです。そのイメージは言ってみれば完成予想図であり、それを実現させる手段として相応しいのは絞りなのか露出なのか構図なのか?を探ってみましょう。

想像と思考をなくして良い写真は実現しません。

今回はこの辺で!!

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バイク写真の構図☆基本中の基本☆徹底マスター

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、最近ニュースを見ているとオートバイの事故が多いようですね。多くは車との接触事故やバイク側のスピードの出し過ぎが原因のように見受けます。特に車との交差点での接触事故、いわゆる右直事故が目立ちますね。

ドライバーから見てバイクは小さく見えるので距離感や接近スピードを見誤ることが多くタイミングを間違えて右折してくるケースはよくあります。本来ならドライバー側にバイクに対する意識をもっと高くもってほしいのですが、他者に期待しても仕方がありません。我々ライダー側が「あの車は曲がってくるかも」と常に疑うようにしましょう。

それとバイクのウインカーの消し忘れも危険ですので気を付けましょうね。ウインカーが付けっぱなしだと本人は直進のつもりでも対向車から見れば「あのバイクは曲がるのか」と誤認させますので大変危険です。R1200GSの場合は約100mで自動で消えますが。




さて今回の<初級>ツーリング写真解説ではバイク写真の基本の基本、三分割構図をもう一度おさらいしてみたいと思います。

地平線をグリッド線に、ライダー+バイクを交点に置いた三分割構図

三分割構図と言えば写真の世界では超有名な基本ですので多くの方がご存じだと思います。このように三分割されたグリッド線に準じて被写体や景色を構図していく手法ですね。以前から何度も書いていますが構図とは被写体や情景が写真と言う二次元の画になったとき、現実の様子が線形となって印象や視線誘導として機能するものです。そして観賞者を作品の主題へ導くよう案内図のように機能すべきものですが、ビギナーの方には難しいところですよね。

構図に限らずデザインやフレーミングも同様ですが作品の核心ではなくあくまで基礎工事のようなものです。確かに重要だけど最重要ではない…しかし知識も応用力も持っておいた方が良い、それが構図です。

さて有名な三分割構図ですが皆さまは使えていますでしょうか?三分割構図の使い方は1.交点に被写体を置く 2.水平線や建物等の境界をグリッド線に合わせる 3.グリッドのマス目を面として使う 4.これらを複合的に組み合わせて使う 5.日の丸構図や三角構図など他の構図と組み合わせる といった使い方があります。もちろん「この写真では三分割構図は使わない」という選択肢を選ぶときも三分割構図の知識を持っていないと出来ないものです。

では三分割構図の知識とは何ぞや?といいますと単純に言ってしまえば奇数の魔力です。2等分はダメだけど3等分は美しい。5や7も美しい。この奇数がもたらす美的バランスの神秘です。

なぜそうなのか?は私も分かりません。人間のDNAやオウムガイの断面に1:1.618の黄金比であるフィボナッチ数列スパイラルが存在しているのと同様に比率は生命の神秘に通ずるものがあるのです。この写真のように2等分すべき正当な理由なく2等分してしまうと、誰の目にも美しいとは感じられない陳腐な写真に陥るのです。




「正当な理由なく」と書きましたが1:1が絶対にダメな訳ではなく例えば双子の赤ちゃんとか富士山のようなシンメトリーな被写体、とにかく等しいということを表現したいときは1:1が有効です。しかしバイク写真、ツーリング写真ではあまりこういった場面はありません。

面でも交点でも背景と被写体の割合でも、とにかく1:1は避けるべし!とひとまず覚えておきましょう。少しずらすのが美しい…何をするにも1/3単位で…これが多くの芸術での基本になっているのです。

これは右下の交点にR1200GSを配置した三分割構図です。「ちょっと左にずれてない?」とお気づきの人も多いと思います。ここではR1200GSのド真ん中に交点を持ってくるのではありません。ド真ん中に交点を置いたらR1200GSに対して交点の位置が1:1になってしまうのです。ここでも3分割を意識して交点の位置を決めます。(小さな被写体でしたらド真ん中でも大丈夫ですが)

三分割構図に準じるとは逆に言うとあらゆる部分で1:1という等分を避けるという考え方です。背景とバイクの割合を等分にしない、船とバイクの存在感を等分にしない。比率の世界では1に黄金比 1:1.618(5/8)、2に白銀比 1:1.4142(√2)、次いで青銅比や第二黄金比などがありますが、ここでは簡単に考えておよそ1:1.5、つまり三分割は正義なのだな!と覚えてしまいましょう。

この作例では前景の船体を下の分割線、マストを右の垂直分割線、R1200GS+ライダーの位置を左上の交点に合わせた三分割構図です。このように複数のポイントで使用することであからさま三分割構図を回避して写真の構造を暗号化することができます。

もちろんこの位置に合わせるのはピンポイントなアングルを探る必要があるので精度よく動くことや画角の感覚をしっかり身に付ける必要があります。ビギナーの方はいつか挑戦してみてくださいね。




最初にご紹介した悪い例の1:1の写真はSNSなどを見ていると結構よく見かけます。一方で「これは三分割構図を上手に使った写真だな」と思える写真は驚くほど少ないと思います。三分割構図がこれほどまでに有名なのに一体なぜ…その根底には情報化が進んだ現代社会にもあると思います。

「写真の上手な構図」と検索をかければ三分割構図や日の丸構図などの使い方が星の数ほどヒットします。現代の多くの人は必要な情報、困ったことをネットで検索し情報を得ようとします。しかし「なるほど三分割構図ね」と知識をつけたつもりでも自分で考えて応用しなければ実りません。知識だけで終わらせず考えて苦しんで感覚で覚えて、そして理解できればようやく習得になると思います。

自力で理解して習得すると選択肢が増えます。今回の三分割構図であれば線や交点の使い方だけでなく「三分割構図を今は使わない」という選択にも理由を持てるようになります。もちろん三分割構図に限らずデザインやフレーミング、露出やホワイトバランスも全てそうです。ネットで調べた知識をきっかけにするのは悪い事ではありませんが、それを元に自分で考え試行錯誤し理解につながったときに初めて習得です。

毎度偉そうに書いてしまいますが本当の意味での習得を目指してぜひ知識だけでなく「自分で考える」を意識してみてくださいね。

基本中の基本 三分割構図の解説でした!!

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写真が上達する【ぶっちゃけ〇〇】講座

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、上達や進化を実感して写真をやられていますでしょうか?何年もやっているけど以前と変わり映えない…上達したいけど出来ない…こんなお悩みをお持ちではありませんか?

上達や進化を実感できないと、当然ですがおもしろくないものです。通勤途中に咲いているアジサイを「きれいだな!」と思って撮ってみても、ストレージ内には去年も一昨年も全く同じような写真が…これでは面白くないですよね。継続は力なりなんて言いますが継続の秘訣は日々進化を追求しそれを実感できた瞬間に感じる遣り甲斐だと思います。

今回はビギナーの方を対象に写真が上達するための具体的な要素を箇条書きで【ぶっちゃけ】で書いてみたいと思います。




・肉体的な上達

これは写真の場合はあまり多くはないと思うのですが技能的な面での上達のことです。カメラをしっかりホールドし軸足を意識してブレない姿勢を作る。シャッターボタンは指の腹でゆっくり押し込むように押す。ファインダー内で水平や垂直をグリッド線に頼らず精度よく出す。といったことが技能面での上達になります。

たとえばこういったシーン。日中でも光量が乏しく且つ絞り込んで深度を確保したいとき。無情にもシャッター速度は低下してビギナーでは容易くブレ写真を生んでしまいます。

拡大するとよく分かるブレ写真

ブレ写真に関わらず主に覚えていただきたい重要なことは3つです。1つ目はこういった時にシャッター速度が遅くなってブレ写真になりやすい、という知識を持つこと。2つめは三脚にカメラを固定する、無ければISO感度を上げるなど策を講じる手段を身に付けること。3つめは少々シャッターが遅くても手ブレなどしない技術を身に付けること。知識、手段、技術の3つです。どれかが欠けていたり1つだけが突出していたりしないようバランスよく学びましょう。

肉体的な技術の習得という意味ではこれもそうです。水平線を完璧に水平にする、あるいは建物の境界など垂直線を完璧に垂直にして撮る技術です。まず写真において水平線や垂直線が存在した場合の扱いを知識として習得すること。水平が何らかの理由で精度よく出せない場合の策を講じること。水準器などに頼らず感覚だけで完璧な水平を出せるよう技術を習得すること。

誤解のないように付け加えておきますが写真において必ず水平や垂直を完全に出しましょうという意味ではありません。画面と言う長方形の四角内において真の安定(または意図的に作った不安定)を再現するための「感覚的なデザインの水平」ですね。もちろん海岸や塔などがある風景でそれ自体の水平や垂直に意味を持たせる場合は、本当に水平垂直をビシっと出す必要もありますが。

これら肉体的な技能面の上達はとにかく数を練習する以外にありません。ピアノやゴルフが上達するにはどうしたら良いか?と聞かれれば「練習しましょう」となるのと同様です。

・気付きの繰り返し

失敗やうまくいった例を元に「あっそうゆうコトか」と自分で気が付くことを繰り返して上達していきます。いくらネットで情報を仕入れても所詮は体験したことには適わないものです。実際に自分でやって体験してはじめて経験値となり、やがて上達するのだと思います。

たとえば三分割構図だったら、三分割構図にしたかったけど出来なかった写真、三分割構図の交点で撮れた写真、三分割構図のグリッド面で撮れた写真…そして三分割構図など使わなければよかったと後悔する写真。これらを何度も実際に撮ってはじめて習得したと言えると思います。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

ツーリングを終えて帰宅して写真を仕上げているとき、あるいは写真を撮ってから何年も経ったときなど。写真を見返して後で気が付くことはよくあります。「あっそうゆうことか」と。自分が撮った写真を見返す時間は特別な時間です。もし自分が過去に撮った写真など見たくもない…という方がおられましたら、それは問題です。自分が好きなことを好きなように撮っていなかった、あるいは自分と言う人間が嫌い…という事ではないでしょうか。

私はかつてメーカーに勤務していたとき、カタログに掲載する製品の写真をよく撮っていましたが、そういった「仕方なく撮っていた…」という写真を今になって見返したいとは思いません。しかし15年前のツーリングで撮った下手な写真でも今になって見返すと特別な1枚に感じるものです。

写真って人に見せて感動を…なんて言う芸術なのかもしれませんが、ぶっちゃけ極論を言ってしまうと自分のために撮っているのですよね。だから自分の好きなように撮って下手でもいいので大好きな自分の写真をコレクションしていきましょう。それを見返す素敵な時間の中で「あっそうゆうことか」という気づきになり次の写真へ繋がるものです。




・失敗の検証

明らかな失敗写真を撮ってしまったとき、誰だってその写真をもう見たいとは思わないですよね。すぐ削除です…。

しかしビギナーの方はご自身が撮ってしまった失敗写真も大切な教科書です。何年かして見ると考えも変化する場合もありますし、念のため失敗写真もストレージに保存しておきましょう。そしてうまく撮れなかった苦い経験は次の撮影で必ず生きてきます。もうあの時のような失敗はしないぞ、と。

たとえばこんな平凡なツーリング記念写真を撮ってしまったとします。帰ってからでいいので何がどうイマイチなのか自分が先生になったつもりで分析してみましょう。何度も自問して苦しんでください。「海でバイクを停めてソコで撮った」それがどうした?何が足りない?と。露出がアンダーだとかポジションが目線の高さで平凡だとか、風景の特徴が表現しきれていないとか…できるだけたくさんのダメなポイントを挙げてみましょう。

その時、何も分からず惰性的にシャッターを切ったダメな自分を明らかにさせておくのです。きっと撮った時は「こんな風に撮りたい」「この風景を写真にしたらこうなるだろう」というイメージ写真を脳内で想像できなかったのではないでしょうか?この1枚の失敗写真はあの時の景色を何もしないで写真にするとこうです、というリザルトです。

何も感じなかった、何も想像しなかった、何も工夫しなかった。被写体を見る目も感受性も足も、何もかも未熟だったことに反省をしましょう。これをやっておかないと次回の撮影もまた同じことを繰り返してしまいます。

・写真に対する見識を豊かに

「なかなか上達できない」とお悩みのビギナーにお勧めする効果的なやり方をご紹介します。それはズバリ!写真が上手くなりたい、カメラに詳しくなりたい、という考えを一度捨てることです。関心の対象を写真という芸術により向けてみましょう。

ビギナーもベテランも目指すのは「いい写真」です。しかしいい写真を定義するものは何もなく、いい写真とはいつも見る側が主観的に決めるものです。経験の浅いビギナーの方はカメラのことに詳しくないのと同様に写真についても詳しくないものです。そこでビギナーの方はキレイに撮ること、整った構図で撮ること、上手な写真というのを「いい写真」であると誤解してしまうものです。

意図的に露出オーバーにした写真

下手だけどいい写真、露出オーバーだけどいい写真、ブレたけどいい写真。…それは撮影者が感動したことがきちんと写っている写真です。整った構図やお手本のような露出だけでは「いい写真」は成立しないという意味が多くの写真を見ることで理解できると思います。

もちろんバランスの良い構図や適正露出など上手に撮る事は大切なことですが、それが全てではないという事です。いつも感心の対象を写真にすることで1つのアートを学ぶ意識を持ちましょう。写真をやるぞ!と決意した人はアートの門を叩いたという事なのですね。




自分が撮った写真に限らず他の人が撮った写真や有名な写真家の作品を見ることも悪くありません。ノージャンルで様々な写真作品を観賞することで写真というアートの見識を深めるだけでなく、自分の好みを知ることもできます。

ぶっちゃけ…上達しない人というのはカメラや撮り方にばかり関心を持ってしまい、写真がアートであることにいつまでも気が付かない人だったりします。

長くなったので今回はこの辺で!!!

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実践で使える☆ツーリング写真の被写体とデザイン

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、梅雨のためバイクの季節とは言い難いですが写真は楽しまれていますか?バイクに乗れない休日でもカメラを持って近所に出かけてみましょう。あまり写真を撮らないでいると運動不足と同じように感覚や感性もなまってしまいますので。

さて今回はツーリング写真における構図やデザインのお話を漁港での撮影シーンで解説してみたいと思います。その前に構図とデザインとは何ぞや?という事を軽くおさらいしておきましょう。構図とは被写体の大きさや位置関係であると一般に解釈されているようです。もう少し掘り下げて私の個人的な解釈をここに書きますと「構図とは情景や被写体が二次元の画になったとき、一定の視覚的効果を生み出す線形を利用して作品の主題へ導く案内図である」となります。

またデザインとは構図に似ていますがあくまで写真をパッと見た瞬間の印象に関わるものです。それは色の組み合わせによる感情の動きであったり、図形やパターンなどによる安定感であったり、線による視線の動きであったりします。

今回は詳細に触れませんが他にもフレーミングというのがあって、これは情景に対してどの範囲までを写真とするか?という解釈が一般的です。しかしフレーミングも極めれば奥が深く、被写体を切り落とし存在感を調整する手法や枠外の様子について想像を誘う心理的手法などがあります。




構図もデザインもフレーミングも作品の基礎工事や図面のようなものであり、核心ではありません。極端な話、核心をシンプルかつ明快に打ち出せるのであれば構図もデザインも不要な場合さえあり得ると思います。

さて前置きが長かったですが本題に入ってみたいと思います。今回は房総や伊豆など半島のツーリングでよく見かける漁港のロケーションで解説してみます。漁港に限らず「港」というだけでバイクとは相性のいいロケーションと言えますよね。私が中学生の時に愛読していた「あいつとララバイ」も横浜港のコンテナふ頭のようなロケーションが度々出てきたのを覚えています。

海、港、船、カモメ…これらツーリング写真に適したロケーションですが漁港のような港はシンプルな背景を探すのも難しいものです。舫綱、杭、ドラム缶、漁網、浮きなど色々なものが乱雑に存在し、それを写真にするとゴチャゴチャとして主題を明確化できなくなります。

上の写真では漁船、舫綱、杭、浮きなどそれぞれ存在感の強い被写体が1枚の写真の中に収まっています。お世辞にも美しいとは言えませんし、何をうったえたい写真なのかよく分かりません。

こういった色んなものが散在している場所は難しいので思い切って1つの被写体に注目してみましょう。私はこの場所で最も気に入ったのはこの赤い舫です。とても太く頑丈そうな様子と深い赤がとにかく印象的だと思いました。

写真デザインの要素として挙げられる代表的なものは【色】【直線&曲線】【図形】【規則的なパターン】【質感】【立体感】【光と影】などです。とりわけ色は印象に大きく影響するもので赤は強烈に見る側へインパクトを与えます。




1つのものに注目したら寄って撮る事で、その被写体の質感も表現されます。質感とは実際に肌で触れた時の感触があたかも伝わってくるような様子です。ここでは舫綱の質感ですね。

雑然とした現場で撮り方に困ったら1つの被写体を決めて、その特徴をよく見て撮るだけで印象的な1枚になります。

EOS6D mark2

こちらは写真デザイン要素の1つ【規則的なパターン】に注目して撮った作例です。潮風で浸食されたブロック塀の様子を1つのパターンとして捉えました。

言語化してみるのも効果的なやり方です。目の前の情景から見えている物を順番に挙げていき、それぞれがどのような特徴を持っているのか言葉にしてみましょう。浮きの形が果物のようだ、鎖の周囲に錆水が流れた跡がある、ブロック塀に草が立派に生えている、といった具合です。




その場所で写真を撮ろうと思ってバイクを停めた時、脳は目やその他の感覚器官から様々な情報を一度に処理しきれずビジー状態です。そのような状態でシャッターを切れば秩序なき惰性写真になるのは明白です。少し落ち着いて順に見て言葉にしてみましょう。そして自分が気に入った1つ、もっとも特徴的だと分かった1つを35mmか50mmレンズあたりで寄ってみましょう。きっと写真だからこそ見えてくる世界があるはずです。

今回はデザインの観点で1つの物に注目し、それに寄って撮る方法をご紹介しました。また別の方法は機会をみて解説したいと思います。少々理屈っぽいですがこういった知識を礎に実践、応用して力をつけてくださいね。

今回はこの辺で!!

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やさしい☆はじめてのバイク写真☆基本講座

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回はツーリング写真の解説ではなく愛車をカッコよく撮るバイク写真の撮り方について解説してみたいと思います。

当ブログ「究極のツーリング写真」ではバイク写真という大分類に属する・愛車写真・バイク生活の記念写真・ツーリング写真の中から「ツーリング写真」に特化しツーリング写真をよりARTに、そして世にバイクツーリングの魅力を発信できるよう活動しています。

しかし風景主体のツーリング写真とはいえバイクも登場するわけでバイクをカッコよく撮るノウハウも決して軽視はできません。バイクをカッコよく撮るにはどうしたら良いか?多くの方がツーリング先で撮っている愛車の写真ですが、ここで改めて「バイクのかっこいい撮り方」を深く掘り下げて優しく解説してみたいと思います。

以前にもバイクのかっこいい撮り方は何度か解説してきました。軽くおさらいをすると1.最初に雰囲気の良い背景探しをすること 2.横7前3といった7:3の角度を基準にベストアングルを探ること 3.バイクの造形に存在する特徴が美しく映えるよう工夫する(上の写真ならR1200GSのクチバシと呼ばれるハイフェンダー) 4.メッキパーツやタンクのエッジなどに光を当ててハイライトを作る 5.ライダーの存在を予感させるヘルメットなどの小物を上手に使う…といった事でした。

今回は背景とバイクの割合や配置について書いてみたいと思います。




・バイクを日の丸構図で大きく配置

まず最初にバイクを大きく配置して完全に日の丸構図で配置する撮り方です。最初の写真と比較してバイクの位置が完全に中央になっているのがお分かり頂けると思います。

バイク写真に限らず日の丸構図の特徴というのは写真の主題を明確化すること、そして抜群の安定感&バランスが得られるのが日の丸構図です。「この写真の主役はこれです!ジャーン!!」という感じです。このシーンの場合はどうでしょうか?この大きさでR1200GSを撮るのであれば、配置など関係なく誰でも主題はR1200GSだと分かりますね。そこで追い打ちするように日の丸で配置するとややクドい感じもあります。

日の丸構図はこういったシーンではなくバイクを中古で売りたい時の1枚目の写真に使うような構図だと思います。

・バイクを小さめに背景をたっぷり作る

なかなか愛車写真で背景を多めにとるという発想自体が出てこないと思いますが、その場所の雰囲気が良ければ良いほど、背景の割合を増やすのはアリだと思います。

バイクが主役の愛車写真なのですからバイクの存在感は少々強めに出したいですよね。しかしバイクの存在感とは何も大きさとは限りません。この写真のように暗い(黒っぽい)背景の中で車体の各パーツに輝きが入るようにバイクを輝かせれば、ご覧のようになります。このような構図では「R1200GSがそこに存在している空間」という写真になります。この背景にもぴったり似合う撮り方と言えそうですね。

しかしスペースを多めにとる方法は実は結構難しいです。ポイントはスペースを作るというプラスの意識です。バイクを小さめに撮ってみようと考えてしまうと「できちゃった無駄なスペース」になり、スペースを作った写真とは似て非なるものになります。いつでも写真とは撮影者の意図のもと必然的に成立するものと考えましょう。




バイク雑誌で活躍するカメラマンは意図的にスペースを作るのに慣れています。雑誌はカメラマンだけの仕事ではなく誌面デザイナー、ライター、編集者などの連携でページが完成するものです。後で誌面デザイナーが仕事しやすいようにスペースを作って撮るのですね。

後でこんな風に文字が入っちゃいそうなスペースを作らない

こんな風に後で文章や別カットが挿入されることを想定してスペースを作ったりするのですね。私たちは雑誌で活躍するプロカメラマンではないのですから1枚の写真で作品として成立するよう、後で文字が入れられちゃいそうな無駄なスペースを作らないよう気を付けましょう。

・後方にスペースを作って到達感を演出

これはおススメのやり方です。バイクの後方にスペースを作ることで「走ってきた」「到達した」という表現ができツーリングにおけるバイク写真として成立します。ただ上のシーンの場合だとツーリングを連想させる重要な被写体…そう「道」が写っていないのでこの背景に似合った構図とは言い難いですね。主に旅を連想させる道を写すときや宗谷岬の碑のようにライダー達が目指すシンボルなどが写るときに有効な構図です。

ちなみにバイクの前方にスペースを作ることで「出発」「スタート」といった雰囲気の演出になります。




・背景の雰囲気に似合った撮り方を選ぶ

ここで最後にまとめてみましょう。愛車写真に限ったことではありませんが「そこがどんな場所で被写体が何者として存在しているか」を再考して撮り方を決めてみましょう。

前述しましたが道であればスペースを後方に作って到達感を演出するといった具合です。今回の作例の場合、錆びたトタン壁の倉庫で撮影したのですが、これ自体にStory性というのは薄く、単純にクールな背景であるに過ぎません。そうと分かれば走り始めそうな姿勢という意味で少しだけ前にスペースを作って配置してみました。

アングルとしてはタンクのサイドからフロントホイールにボリュームを持たせるために、レンズ歪みも利用して少しだけ寄ってみました。たったこれだけのことで不思議なことに無機質なバイクに表情が加わるものです。このアングルをよく見ると何となくですが「よし行くぜ!」とR1200GSがライダーを誘うような表情をしていると思いませんか?

バイク写真に相応しい撮影地、すなわち背景を見つけたらまずどんな空間なのか感じ取ってみましょうね。これは風景主体のツーリング写真と同じです。その場所がどんな場所なのか?そこに何者として存在しているのか?それを理解した上でバイクの大きさ、配置、背景の範囲を決定させましょう。

どれも細かなことの積み重ねですがこういった小さな工夫が大きく作品の出来栄えに影響するものです。もし今回解説した内容が「う~ん、よく分からんな」と感じた方は単純に手間と時間をかけて撮影に挑んでみてください。その意識だけでもきっと以前とは違う写真が撮れると思います。

愛車メインのバイク写真の基本的な撮り方でした。

今回はこの辺で!

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ツーリング写真の構図☆重ねない配置テクニック

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、いい写真を撮ってライフワークを充実させていますか?暗いニュースばかりの世の中ですが仕事や私生活とは別に【写真というライフワークを持っている】という意識をしっかりもって人生を楽しみましょう。好きなこともできず仕事もうまくいかない・・・そんな時に1枚の写真にすくわれるかもしれませんよ。

さて今回はツーリング写真の構図についてビギナー向けの内容をさらっと書いてみたいと思います。写真において誰でも知っている用語「構図」。そもそも構図とは何でしょう?

被写体の大きさや配置…??きっと多くの方が漠然とこんな風に考えていると思います。そして「構図は大事である!」と。




私の勝手な構図の解釈は次の通りです。【目の前の風景や被写体は写真になった時に二次元の線形となり、それらが作品の意図へと導く案内図として機能するもの】といった具合になります。あくまで案内図、または建物で例えると基礎工事。ぱっと見た瞬間の視覚的な印象や安定、視線誘導などに役立つものだと考えます。

構図は表現の手段の一つであり核心ではないのですね。大事なのは確かかもしれませんが、それより大事なのは作品で伝えたい1つのことです。それは美や感情であったりメッセージであったり、幾通りも解釈のできる現代的アートであったり、作者の個性を発揮すべく写真の核心はここにあると思います。

つい先日、Facebookのタイムラインに入ってくる広告にこんなものを見かけました。カッコいいですね。しかし何か違和感があるのですがお分かりいただけるでしょうか?…そうです、悪夢の構図と言われる串刺し構図ですね。モデルの頭頂部のほぼ中央に背景にある建物の塔が突き刺さって一角獣のようになっています。

これを見た瞬間、思わず固まってしまいました。私の理解が及ばないだけで何か意味があってやっているのか?と自分を疑いましたが、どう考えてもおかしいです。プロのカメラマンであれば絶対にやらないミスですが、これは恐らくモデルと背景は別々の写真で、広告の製作部門が合成したのだと思います。これとは別カットで女性モデルの写真もあったのですが、そちらは重ねっていないのですから。

しかしこれが帽子の広告ときたのですから二度驚いてしまいました。写真の中で最も重要な主題の中央に背景の線、または図形などの線形要素を不用意に重ねないよう、読者の皆さまは是非気を付けてくださいね。




最悪の構図「串刺し構図」

ツーリング写真でよく見かけるのは風車や街灯や電柱といったものが、バイクやライダーの中心を射抜いている写真です。もちろん撮った人はわざとやったのではなく、特に背景など意識せずにパチリとやったのですから悪く言われる筋合いはありません。しかしこういったミスを生んでおいて高級なカメラや噂の撮影スポットのことで頭の中が一杯なのでは寂しい限りです。

もう1つ失敗例を。この場合はお弁当が主役なのですがご覧のようにヘルメットに重なってしまいました。セルフタイマーで撮っているので難しかったのですが、このような時にはEOS6D mark2のようにスマホと無線接続して遠隔ライブビューで確認すると失敗を防げます。

「こまかいな…」と思うかもしれませんが良作とは細部にまで作者の思いが宿るものです。こまかな部分まで徹底してケアすることは大切なのです。

串刺し構図や被写体が他と重なってしまう失敗写真。これは少しの配慮、少し左右に動くだけで簡単に処置できることです。これが出来ないようなら単純に雑だという事だと思います。面倒くさい、手間をかけられない、また撮りに来ればいいや…といった感じでは永久に憧れの1枚は実現しません。私はかなり大雑把な性格の持ち主ですが写真に関しては1ミリも妥協はしません。

大切なものに重ねない、重ならない、少しの配慮と動く足ですね。もちろん何か理由があって重ねるとか、スナップのようにリアルな刹那として仕上げるのであれば別ですが。

小さな違和感も見逃さない。細部に渡るまで徹底して詰めていきましょう。特に構図に関しては精度よく徹底して組み立てると最終的な仕上がりが見違えるものです。

ここで知識だけ付けるのではなく次回の撮影で実践し最終的に応用できるようにして下さい。




目の前の風景や被写体が二次元の写真になったとき、その線形が作品の主題に導くよう機能するもの。それが構図だとすると「二次元になったときの線形」とは刃物を扱うように注意しなければ串刺し構図のように悪さもするのですよ、というお話でした。

今回はこの辺で!!

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はじめての一眼レフ☆レンズの選び方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回までの投稿で私の住む千葉県の房総半島についてお役立ちツーリング情報を書いてみました。いま改めて読み返してみると、どうしてこう長文になるのか自分でもよく分かりません。おそらく性格なのだと思いますが、何もお土産のことまで書かなくても良いだろうに…と自分でもおかしく思います。

さて今回は何を書くにも長文になってしまう…そんな私のお勧めする「はじめての一眼レフ☆レンズの選び方」をいってみたいと思います。

コンデジやスマホを卒業して本格的に写真をやりたい!と決意した方がはじめて一眼レフ(またはレンズ交換できるミラーレスカメラ)を購入したとき、悩ましいのがレンズ選びですよね。

たくさんの種類があって価格帯も2万円くらいから30万円オーバーなんて物も。いったい自分がどれを選べば良いのか?バイクツーリングで持っていくレンズとしてどれが良いのか?ビギナーの方にはよく分かりませんよね。私も最初はそうでした。そんな写真ビギナーの方のために最初のレンズの選び方として幾つかの項目を作って説明したいと思います。




焦点距離や画角って何?

画角とは簡単に言ってしまえば範囲と距離感です。人間の目は1つの画角で固定されているのでまずここが最初に「よく分からない」と感じるポイントだと思います。遠くのものを大きく写すことを望遠、逆にワイドに写すことを広角と言います。画角は「焦点距離」というmmの単位で表記され、肉眼に近い画角を標準と呼び数値では50mm(APS-Cサイズのカメラの場合はおよそ35mm)となります。14mmや28mmといった具合に数値が小さい方がワイド、200mmとか400mmとか数値が大きいと望遠です。

望遠レンズの特性を生かした作例

ここで重要なポイントを1つ。お使いになっているカメラ本体がフルサイズセンサーかAPS-Cサイズセンサーかを確認して焦点距離を選びましょう。APS-C機の場合はレンズに表記される数値におよそ1.5倍(キャノンなら1.6倍)で換算します。例えば50mmというレンズをニコンD7500で使用する場合は77mm、EOS Kissに使用すると81mmくらいになります。

※今回の解説は以降はフルサイズ換算で表記していきます。

~ズームか単焦点か~

「ズーム」とは誰でも聞いたことがある単語ですよね。画角を望遠や広角に調整できる機能をズーム機能と呼びます。望遠にすることだけがズームではありませんので勘違いされていた方はここで正してください。ちなみに映像の世界では望遠方向へズームすることを「ズームイン」、逆に引いていくことを「ズームバック」と言います。写真では使わない言葉ですが。

一眼レフ用の交換レンズは主に単焦点とズームレンズに二分されます。単焦点には焦点距離を変更する機能がなく固定されています。ネットの情報やカメラ雑誌なんかでは「単焦点レンズは描写に優れる」といった内容を見かけますが、ビギナーの方にとって「優れた描写」を作品に反映するのが難しいので最初に無理して単焦点を買う必要はありません。ただし後で買い替えるのは無駄なので最初にしっかり投資したい!という方には最初から良いレンズを手に入れておくのはアリだと思います。

ズームレンズと単焦点レンズ、それぞれにメリット&デメリットがあります。ズームレンズは1本のレンズで複数の画角を選択できること、スペースを奪われたとき(壁があってそれ以上下がれない、尖った岩の頂点に登って撮るなど)に画角の微調整ができるといったメリットがあります。これらのメリットの一方で重量が重い、摺動部分の密閉が悪く内部にチリが混入しやすい、といったマイナス面もあります。

最近のズームレンズは技術の進歩で描写も美しいです。ここ10年以内に発売されたモデルであれば、まずビギナーの方にとって不足は感じないと思います。バイクでツーリングに出かける場合、何本も交換用レンズを持っていく訳にはいきませんのでバイク用という意味ではズームレンズはお勧めです。

しかし単焦点はビギナーの方にとって1つ、とても良いことがあります。それは写真をやる上で必要なよく動く足を手に入れる練習になることです。焦点距離を縛ると自分が動くしかないので自然と被写体に寄れるようになるのです。逆に言うとズームレンズに頼っていると足は動かず、ファインダーを覗いたままズームリングをグルグル回して大きさの調整をしてしまいます。これを癖にしてしまうと上達が遅れてしまうものです。




ここでお勧めのレンズを!最初は24-70mmまたは上の写真のような24-105mmくらいを守備範囲にしたズームレンズを1本でいってみましょう。これにもう1本を加えるのであれば、それは思い切って単焦点レンズの35mm、50mm、85mmあたりから1本を選んでみましょうね。選び方は次項で説明します。

~焦点距離はどう選ぶか~

写真を撮るときに焦点距離の選択を最初にします。今日持ってきているレンズの中で今、写真を撮りたいと思ったその場所でどのレンズを選択するのか?です。これはビギナーの方にとっては酷な要求なのですが、写真とはまず最初に「こう撮りたい」というイメージを描くもので、最初にそれを想像してから焦点距離を選ぶのが多くの場合でセオリーとされています。ビギナーの方は最初にイメージの写真を想像できないので「試しに一枚撮って確認してみよう」と思って先に撮ってしまうものです。しかしその試し撮りの焦点距離はどうしますか???

どの焦点距離のレンズを買えばいいのか?も自分がどんな写真を撮りたいのか?を最初に決めないと選びようがありません。しかし最初はカメラのことがよく分からないのと同じように写真のことがよく分からないものです。レンズ選びが難しく感じるのはレンズに対する知識が不足しているのではなく写真に対する見識がまだ浅いのが原因です。

広角レンズの特性を生かした作例

ここでビギナーの方へ「絶対ではないけど一般的にこうです」という焦点距離の主な選択法を目安として記しておきます。

広角レンズ:景色主体で撮るツーリングシーンに使う。大空に広がるウロコ雲や夕空。北海道のような場所で雄大さを表現したい。星空なども。ワイドになるほど歪みがあるのでバイクを大きく撮る場合は注意が必要。自分の影、電線など余計なものが画面に入りやすい。ワイドになるほどビギナーには難しいレンズと言われる。

標準レンズ:バイク、ライダーを主体に撮る場合に使う。写真を学ぶための基本と言われるレンズ。自然な画角は見る人に臨場感を与える。リアルを伝える、ドキュメンタリータッチ、視線を再現するような写真などに使う。自然な画角ゆえにビギナーが使うといとも簡単に陳腐な写真になる。

望遠レンズ:特定のものに絶対的な存在感を与える。遠くの山を引き寄せたり長く続く直線道路を大きく撮りたい時などにお勧め。三脚を使わない場合は望遠ほど手ブレしやすい。背景がボケやすい。少しカメラを動かすだけで画面内の様子が大きく変わるといった特徴がある。余計なものを画面の外に除外しやすいので構図という意味では優しいです。それと焦点距離の長い望遠レンズは重く大きいのでバイクで持っていくのは少々の無理が生じます。

経験を積んでいくと好みの焦点距離というのが分かってきます。私の場合は35mmですが皆さんも色んなツーリング写真を撮っていくうちに好きな画角が見つかると思います。そういった好きな画角は単焦点で少し高級なレンズを奢ってやるのも良いかもしれませんね。




EOS6D mark2 + SIGMA35mmF1.4ART F11 1/125 ISO100

これは私の好きな35㎜レンズで撮った作品です。この時はSIGMAの35㎜F1.4ARTという少し高級なレンズを使っていましたが、現在ではもう少し軽量さを求めてCANON EF35㎜F2ISという手ブレ補正機能を有したレンズに買い替えました。と言うのも35㎜で撮りたいシーンでは絞り込んで深度を保ちたい時、すなわちシャッターが遅くなるのでキャノンIS(露出4段分の手ブレ補正機能)が重宝するからです。このように自分の好みや使い方に合わせてレンズを買い替えることは珍しくありません。

長くなったの次回に続きます…

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バイク写真☆ビギナーを脱するカンタン7つの撮り方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、当ブログは【バイク写真】という生まれたばかりの写真ジャンルを成熟させて世に広め、そしてバイクツーリングの魅力を芸術写真で発信していくサイトでございます。

そのためにはまずは記念写真や記録写真を卒業し写真芸術の理解を深め、表現手法を身に着け、写真のすばらしさを体験していくことを始めましょう。そのために何をすれば良いのか?ノウハウやヒントのような物を惜しまず発信していきます(記念写真や記録写真も芸術と昇華する場合もあり得ますが)。

今回ははじめて究極のツーリング写真を見つけた、という方向けに平凡な写真を卒業する簡単な7つの撮り方をご紹介したいと思います。いい写真が撮りたくていつもカメラを持ってツーリングに出かけるけど平凡な写真ばかり撮ってしまう…、一年前に撮った写真と変わり映えしない…といったお悩みをお持ちの方にお役に立てれば幸いです。

1.前景を作って奥行をつくろう

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

ビギナーの方が平凡な写真を量産してしまう原因は幾つかありますが、その一つとして奥行き感のない平面的な写真があります。平面的な写真がダメなわけではありませんが「平面的に撮った」と「奥行きが出せなかった」とは違うものです。どちらも撮れるようになりましょう。

方法は簡単で撮影地で前景として使えそうな被写体を探し、バイクとカメラの間に入れてやるのです。上の作品の場合は木やボートです。EF70-200㎜という望遠ズームレンズを使用したのですが望遠の場合は空間が圧縮されてしまうので遠近感が失われ、さらに平面的になりやすい傾向があります。前景を作って構図することで奥行きを補いメイン(R1200GSアドベンチャーとキャンプサイト)を引き立たせているのです。




2.バイクか風景かどちらが主体かハッキリさせよう

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

この写真は1の作品と同じ場所、同じ日に撮影したものです。愛車R1200GSアドベンチャーを撮った写真です。SNSなどでよく見かけるバイク写真は風景とバイクの割合を中途半端に等分してしまい主題がぼやけたものが多いです。風景の中にバイクがあるツーリングシーン、バイクが主役で風景はただの背景にする、この2者をはっきりさせましょうね。

愛車写真かツーリング写真か??この違いが10人に見せて10人とも同じ解答が返ってくるよう意識して撮りましょう。

3.ライダーの登場でツーリングシーンを演出しよう

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

SNSなどでバイク写真のトレンドをチェックすると良くみかける写真があります。それは上手に撮れているのに風景の中でバイクがお留守番している写真、ライダーの存在を感じない風景の中のオブジェ化されたバイク・・・そんな写真です。

バイクをメインに大きく撮った愛車写真であればライダーが居なくても違和感はないかもしれません。しかし風景主体で撮ったのにライダーが居ないと寂しい写真と感じるのは私だけでしょうか?

バイクは車と違ってライダーがいて美しさが成立すると言う方もいます。サラブレットだけを撮った写真とサラブレットに騎手が乗った写真、どちらが魅力的な写真でしょうか。ツーリングの魅力を伝えるならぜひライダーと一緒に旅のワンシーンを演出しましょう。

4.フレーミングで被写体を切り落とす

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

フレーミングとは目の前の景色に対してどの範囲までを写真にするか?という事はご存知だと思います。もう少し掘り下げて説明すると画面と言う長方形の四辺を意識して撮ろうという事です。

ビギナーの方がよく撮ってしまう平凡な写真とはバイクなどの被写体を枠の中に収めて並べただけの構図です。枠の中に収めて撮るのが悪い訳ではありませんが、そう撮ることしか出来ないのは卒業しましょう。

上の作品ではR1200GSの後部の約1/3をフレームで切り落として存在感を調整しました。被写体の各々の存在感の調整はベテランであればあらゆる手法を駆使して行いますがビギナーにはそれができません。しかしフレームで切り落として調整するのは最も簡単なやり方です。四辺のフレームが鋭い刃物とイメージして時に被写体をカットしてみましょう。




5.シンプルな背景を探してみよう

EOS6D mark2 + SHIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

「私はどうも構図が苦手だ」という方は多いと思います。バイク、ライダー、ヘルメット、花、岩、空、飛行機や船…いろんな物を欲張って画面内に入れれば、整理しなくてはいけない作業は増し、どんどん難しくなります。あれもこれもと欲張り構図が許されるのは各々の存在感をあらゆる手法で巧みにコントロールするベテランの世界です。

逆に言うとシンプルな背景の中に一つの被写体だけであれば、上の作品のように構図にはそれほど悩まず美しい写真が撮れます。実際に私もビギナーの頃はこんな写真からはじめました。海岸や標高の高い山など景色の開けた場所でシンプルな背景を探してみましょう。

6.露出補正を使ってみよう

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

露出とは簡単に言ってしまえば写真の明るさを決めるものです。現代の全てのカメラはAEといって目の前の明るさを測って「こんなもんでしょ」と露出値を自動で決めてくれます。しかしそのカメラが決めた露出に「そうじゃないよ」と撮影者である貴方が補正を入れるのが露出補正です。

ベテランであれば目の前の情景を前に脳内で「こんな風に撮るぞ」とイメージを描き「露出はF5.6の1/200でいくぞ」といった具合に数値が出てきます。そんなベテランはカメラのマニュアル露出モードを使用するものです。しかしその領域は数年くらいのキャリアでは身に付くものではありません。

まずは絞り優先モードを使ってカメラが決めてくれた露出値に対して「自分だったらこうだ」という意思で露出に補正を入れてみましょう。上の作品の場合は実際の景色よりもずっと明るく撮っています。コスモスの魅力を表現するにはふんわり明るく撮りたいと思ったからです。

7.道をテーマに撮ってみよう

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

ツーリングであるからには当然、ライダーは道を走ってきたわけです。道は旅を感じさせる最も魅力的な被写体と言えるかもしれません。SNSのバイク写真を見ているとそんな道に魅力を感じて撮っている人も多く見受けます。

しかしそんな道の写真も何も考えずに普通に撮ってしまえば平凡なツーリング記念写真に陥ります。道は景色全体に対して細長く続く被写体です。絶対的に存在感を与えるのであれば上の作品のように望遠レンズを使ってみましょう。ポイントは道の先を大切に意識することです。せっかく素晴らしい道なのに道の先を物で隠してしまっているエサヌカ線やオロロンラインの写真をよく見かけます。

ちなみにこの写真、風景主体のツーリング写真なのにライダーが写っていません。望遠レンズで道の真ん中から撮るのに、まさかそこに三脚を立てる訳にはいきませんからね…。このように何らかの事情でライダーを登場させるのが難しい場合、ヘルメットを分かりやすい位置に置くなどしてライダーの存在を予感させるよう工夫します。




いかがでしたか?ネットで写真の撮り方を検索すれば溢れるほど情報が存在する昨今。自分にとってどれが必要な情報なのかを選別するのも大変ですよね。検索上位に出たものが必ず自分の欲しかった情報とは限りません。

バイク写真の解説も本当にたくさん存在していますが、どれを信用していいのかを決めるお勧めの方法があります。それは解説を書いている人がどんな写真を撮っているか見てみることです。わぁ~こんな写真好きだ、と感じるようであればその方の解説を参考にすると良いと思います。今回、7つの項目でご紹介した7枚の作品はすべて私、立澤重良がツーリングで撮ったものですが、こういった感じがお好きでしたら解説もご参考にして頂ければと思います。

ツーリング写真「ビギナーを脱するカンタン7つの撮り方」でした!!

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撮影現場で私がいつもしていること☆その3

前回の投稿までで私がツーリング先の撮影地でしていることを書いてきました。

その1の投稿では憧れの写真を胸にバイクで旅立ち、走りで浄化された精神状態で感動的な風景に出会う。そこで被写体や情景の特徴を元に感動し脳内に描く空想の写真が出来上がったら…

その2の投稿ではレンズの焦点距離を選択しアングルを模索、構図やデザインを駆使して(あるいは駆使しないで)脳内に空想した写真イメージを再現させる…

といった内容を書いてきました。今回は写真イメージを実際に再現できるアングル、構図を完成させた次のフェイズに入ります。

前回までのベストアングルの模索、構図の組み立てなどは何枚か試し撮りを繰り返しながらカメラを手持ちでシャッターを切り、確認しての繰り返しの作業でした。納得のいくベストアングルを見つけたら本番は三脚に固定するので、いちどバイクに戻って三脚の準備をするのですが、せっかく見つけたベストポイントを見失わないように気を付けましょう。




手持ちで「ここだ!」というポイントを見つけたらそれを1枚撮っておきます。次に1.立っていてる位置に目印を置く(私の場合はクイックリリースプレート) 2.カメラポジション(カメラの高さ)を覚えておく 3.ズームレンズの場合は選択している焦点距離を確認しておく、の3点です。

これを元に三脚をセットして試し撮りの1枚を確認しながら当初に見つけたベストアングルの再現を行います。三脚でセットした本番用の構図は画面の四隅に細心の注意をして余計なものが写っていないか?安定のある水平は精度よく出ているか?重要な被写体に重なっている物がないか?など雲台のハンドルを機械のように精密に操作してクオリティの高い構図を完成させます。

EOS6D mark2 + EF35mmF2 IS

カメラの電源を入れて本番カットの準備をします。まずこういったシーンでは狙いたいポイントは静止していますので、ピント合わせはマニュアルフォーカスを使用します。ライブビュー機能を活用して狙いたい部分を拡大し、しっかりピントピークの位置を調整します。上の写真のように絞り込んで深い深度を発生させる場合はピント範囲も絞り込みボタンを使用して確認します。

そして手ブレ補正機能のあるレンズの場合は三脚固定では機能を忘れずにOFFにします。




ここで一度、当初に脳内に空想した写真イメージをもう1度思い出してみます。露出を決めるためです。露出は主題が最も魅力的に見えるよう設定するもので考え方はアングルを探すことと同じです。その被写体が最も魅力的に見える理想的な露出を決めます。

インターバルタイマーが内蔵されたリモートコントローラー

ライダーの姿を登場させる写真の場合、カメラのセルフタイマーでは全く役に立たないのでインターバルプログラムを使用します。写真はインターバルプログラム機能のあるリモコン Canon TC-80N3ですが現在私が愛用しているEOS6 mark2やRICOH GR(APS-C)には元々内蔵されているので今は使っていません。

インターバルタイマー機能を使って複数カットを撮影したら画像を再生させてチェックします。露出は狙ったイメージ通りであるか、ピント位置や深度は表現の一手段として的確に機能しているか、写真イメージを納得できるまで再現できた写真と言えるか?まだ現場に居る時点で徹底的に検証します。

たとえ家から近い撮影場所でも「また撮りにくればいいや」という気持ちで妥協して帰るようではダメです。心の底から納得いくまで撮り切ること。これに全てをかける!まさに完全燃焼ですね。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

次に静かなる風景にも時間が流れている事を感じ取ってみましょう。シャッターチャンスの待機です。何が起こるか分からいものですが予測できることもあります。それは野生動物の登場や上の写真のように自然現象による変化かもしれません。上の写真は北海道ツーリングのワンシーンですが一通り撮り終えた後「何かもうひとひねりないものか?」と待機していたところ、流れる雲が地面に影を走らせてゆく様子を写真にすることに成功しました。もしこの手前の影が無かったら平凡な写真になっていたと思います。




シャッターチャンスの待機は帰る時間が遅くなる訳ですが、粘れば粘るだけいい写真が撮れる確率が高まります。粘ったもん勝ちです!美しい夕陽の撮影を済ませて帰る支度をしていたら太陽が沈んだ後にさらに美しく空が変貌したという経験はありませんか?

私はいつも「まだ何か起こりそうな予感がする」という直感に従い、簡単には撤収はしません。いちど撮影を終えてから周囲を散歩してコーヒーでも飲んで、再度リラックス状態を構築して再び撮影を再開することもあります。こんな調子なのでいつも私はソロツーリングなのですけどね。連れがいたら「いい加減にしてくれ」と怒られます。

RICOH GR

いかがでしたか?3回にわけて私、立澤重良がツーリング先で写真を撮るときにしていることを書いてみました。実はこれで写真は終わりではありません。ツーリング先でしていることはこれでほぼ全てですが、あとは帰宅してから写真の選別と仕上げがあります。

次回は「私がツーリングから帰ったらしていること」と題して写真の選別と仕上げについて書いてみたいと思います。

今回はこの辺で!!

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撮影現場で私がいつもしていること☆その2

前回の続きです

情景や被写体の特徴の分析、大きさや位置関係など空間の測量を済ませたら次に写真イメージの想像です。写真イメージは脳内に描く空想の写真で「こんな風に撮りたいな」という完成予想図です。

ビギナーの方が撮ってしまう平凡な写真は写真イメージを想像せずに惰性的にシャッターを切ったので例えるならば設計図なしに作られた建物です。設計図なしに作られたものは機能もデザインもなく砂浜で作ったお城のように容易に崩れ消えます。

写真イメージの想像の仕方は十人十色で良いと思いますが私の場合は次の通りです。最初に被写体や情景の特徴から感動を受けて、それを元に1つの主題を決めます。主題は写真にこめるただ1つのメッセージです。主題以外は引き立て役として機能するようキャスティングします。地面の石ころや草など小さなものは舞台セットを構築するように考えます。これらに合致しない物はすべて写さないよう排除する方向で調整です。

1つの主題とは物でもコトでも光でも感情でもOKです。上の北海道のフレシマ湿原で撮った作品はライダーの感情が主題になっています。これら主題を画面という長方形の四角にどのような大きさ、位置、あるいはフレーミングでとらえるか想像します。




ここでツーリング写真として重要なこと【自分はその空間において何者であるか】を決めます。1枚の写真として完成したとき、それは映画のワンシーンのように物語を客観的に見るものなのか?あるいは写真の世界に鑑賞者も参加する視線型の写真にするのかを決めるのです。前者の場合は上の写真のように自らが登場人物(ツーリング写真におけるライダー)として演出します。

後者の場合は想像力を働かせればかなり色んな写真がイメージできます。写真自体がライダーの視線ということですから、はっきり言って何でもアリですね。上の写真は走行中にチラっと横に見えた一瞬の風景ですがこれを見た人はきっとバイクに乗って旅をしている気分を味わうと思います。このように見る人にもバイクツーリングの世界に参加してもらう「臨場感」を大切にイメージします。

写真イメージの想像に深く関わるのが【美】に対する考え方です。人間、誰でも美しいものを求め受け入れるものです。人類にとって美意識は特別なものです。だからこそ美しさに対する個人の考え方を表現できないか?壮大なことですがチャレンジしてみましょう。目には見えにくい美しさを表現するか、美しいものを醜く撮るのが真の美とするか、鮮やかでバランスの良いものを美とするか、あるいはそれらを何らかの意図で崩したものを美とするか…などなど。

被写体の特徴や情景の様子を分析し、感動をして写真イメージが完成したら次にやることはレンズ(焦点距離)の選択です。

レンズの使い方に「こう」という決まりはありませんが、原則として標準レンズは自然な画角なので臨場感、広角は雄大さなどを表現する広がり感、望遠は1つの被写体に絶対的な存在感を与える圧縮感であると考えます。




ベテランであれば焦点距離を感覚として持っているので脳内に描いた空想の写真イメージに対して、すぐに「よし200mmでいこう」といった具合に焦点距離を決定させます。ズームレンズの微調整は撮影スペースを奪われたときに止む得ず行いますが、原則としてベテランの脳内は14、28、35、50、70、85、100、135、150、200mmといった複数の単焦点から選択しているものです。

カメラに選択したレンズを装着したら次に足腰を使って動きアングルを模索します。被写体Aと被写体Bの間隔は左右に動けば変化しますし、ハイアングル(ハイポジション)にすれば地面の割合が多く、逆にローアングル(ローポジション)にすれば空の割合が多くなります。一面に咲く菜の花に逆光が当たって輝いていればハイアングルで撮れば良いし、千切れ雲を夕日が紫に染めていたらローアングルでそれを撮ればOKです。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6EX DG

焦点距離を選択し大まかにアングルを決めたらデザインや構図を練ってみましょう。ここでも被写体や情景からの特徴にヒントをもらいます。例えば上の写真であればオレンジのセンターラインです。画面の右下の角にぴったり合わせて視線誘導ラインとして機能させました。バイクは広角レンズで小さくしてしまったので存在感を補う意味で日の丸構図に、しかしラインとの兼ね合いで大和比を意識して少し左に寄せています。

こういった知識を撮影シーンで応用するにはどうしたら良いのか?はすべて経験値に関わってきます。知識を応用できなくて失敗写真を生んでしまった…という悔しい写真を何万枚と撮ってきたキャリアの賜物です。




構図については良く聞く三分割構図、日の丸構図、8分割やファイグリッドなど色々ありますが、私の場合はシンプルにいくのか巧妙に組み立てるかのかの二択です。上の作例では三分割構図を複数個所の交点やグリッド線で合わせてみました。こうった撮り方を暗号化したような複雑な構図も精度よく動けるカメラワークにかかってきます。正に微調整の嵐ですね。

またまた長くなったので続きは次回に…

次は三脚のセット、自撮り、露出や被写界深度などを解説します。

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