ツーリング写真の魅せ方シリーズ第12回<魅せ方は無限大>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ネットは活用されていますか?活用されている…なんて言われても現代人にとって無くては不便なくらいネットは重要なものになりましたね。このブログもネットで見るものですしね。

先日、検索サイトで調べたいことがあって幾つかのワードを入力しました。1つは時計のことを調べるのに「プレサージュ」、正しくはプレザージュだったのですが…。その後、しばらくしてネットを見るとページ上に表示される車買取りの広告がありました。その広告に日産プレサージュの高価買取!と書いてあり何でプレサージュ…?とその時は不思議に思いました。また別の日にネットでハッセルブラッドの「ステラ」を検索すると、今度は数日後に同じ車買取の広告でスバルステラの高価買取!と出ました。

あぁ…なるほど、検索歴に基づいたリスティング広告だったか。しかし全くお門違いなリスティングで思わず笑ってしまいましたが。この辺の正確さが今後はAIで更に改善されていくのでしょうけど、何だか気持ち悪いというか怖いですよね。




さてツーリング写真の魅せ方シリーズもいよいよ終盤です。いままで露出、被写界深度(絞り)、シャッター速度、望遠や広角レンズ、構図やデザイン・・・様々な手法でツーリング写真の魅せ方があることをご紹介してきました。今回はそんな定番の魅せ方に限らず、魅せ方はアナタ次第で無限大ですよ!!!という事を書いてみたいと思います。

スペースで魅せる

EOS6D mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

例えばこんな魅せ方です。私は千葉県民なので海の写真が多いのですが…、東京湾に沈む夕日に遠方には富士山。SIGMAの超広角ズームレンズで撮った夕陽のツーリング写真です。

通常ならこのようなシーンでは空にウロコ雲でも広がって、その様子が沈む夕日に照らされてマゼンタに染まっているとか、そんなイメージを膨らませてしまいます。この場所に着いた時、雲がひとつも無いことに正直ガッカリしました。しかしどんなに願っても現実は変えることができません。それが写真というものです。

そこで今ある現実の様子に特徴を見出して、それがうったえたい一つのコトを表現する手段に使えないだろうか?今あるこの景色のどこに自分なりの「美」があるだろうか考えてみます。

特徴→雲ひとつない それを読み解くと空に存在する繊細な階調(グラデーション)が美しいこと…と答えが見つかりました。この場合の「答え」とは自分なりの答えです。ビギナーの方がやってしまう「正解探し」とは似て非なるものです。

そうと分かれば雲ひとつない空のスペースを12mmという超ワイドな画角で切り取り、少々大げさなくらいにR1200GS+ライダーを小さく構図しました。バイクはあまり小さくし過ぎると気が付いてもらえないほど存在感が落ちてしまうので、ご覧のようにハイライトと重ねるなどの工夫を施しています。

有名な手法ではありませんがスペースで魅せる表現方法です。




埋め尽くしてのぞき穴で魅せる

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

これはたまに見かける「のぞき穴構図」の応用版ですが、絞り開放で手前の桜をボカすことで深度で魅せる表現とハイブリッドさせています。

ボケている手前の桜とR1200GS-ADVENTUREが置いてある場所の桜は50mくらい離れているので、合焦している桜とのコントラストを作ることができました。また少々高度な話ですがR1200GS-ADVENTUREを配置したところはフィボナッチスパイラルの黄金比構図に合わせています。

カメラ位置のすぐ近くにあった桜に穴のようなポイントを見つけたので思いついた撮り方です。逆に言うと遠景の建物や周囲にあった電柱や電線など、写真にしたくない要素を隠した撮り方でもあります。

被写体をよく見て認識し、状況を把握して出来ることを考える。その結果、この場合はこれしかない!と納得できる魅せ方を自分なりに考えて完成させるのですね。難しいように聞こえますけど、こうやって自分で考えるのは楽しいものです。




シャッターチャンスで魅せる

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

忘れてはいけない大事な魅せ方の一つはシャッターチャンスで魅せるやり方です。「シャッターチャンス」という写真用語はあまりに有名なので今さら感が否めませんが「ここだ!という瞬間、二度と来ないチャンス」という意味で間違いはありません。しかし重要なことはそれがやってくることを信じて待機することなんです。

もちろんやってこないで空振りに終わる事も多々あります。奇跡が起こると信じていることは奇跡をイメージ出来ていることに他ならず、いい写真を撮るために貪欲な想像力の持ち主であることを象徴します。

上の写真は北海道の名もない広域農道で撮った道のツーリング写真です。空には雲が流れていて、太陽が光を落とす地面には影が道をツーリングしていました。「影が道を走っている」そんなイメージをつくってかなりの時間をかけて撮った1枚がこれです。実際には影はすごく早くて時速40km/hくらいでしょうか。まさにスポーツシーンを撮るような感覚でしたね。

黒バックで魅せる

EOS6 mark2

これは<露出で魅せる>の応用型で黒バックで魅せるやり方です。山桜の花に露出を合わせれば、おのずと日陰になっている背景は黒く潰れます。すると黒色のバック紙を置いたようにアーティーな1枚が仕上がるのです。これと真逆に白バックを作る事もできます。アート系フォトグラファーの常套手段ですね。

今回のツーリング写真の魅せ方シリーズは今までの解説の統括的に書いてみました。写真ビギナー向けの内容ではないかもしれませんが撮り方は今までご紹介した有名なやり方以外にもいろいろあるよ!自分で考えても楽しいよ!という事だけ知っていただければ良いと思います。

次回はちょっと深いお話でツーリング写真の魅せ方シリーズ<なにもしないで魅せる>をいってみたいと思います。

お楽しみに!!

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ツーリング写真の魅せ方シリーズ第11回<広角レンズで魅せる>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、少しづつですが涼しくなって季節は芸術の秋ですね。私たち写真道をこころざす人は少々大げさな聞こえですが芸術家です。人それぞれが想いを抱く「いい写真」。写真家の数だけある美への考え。それらは芸術を意味するものです。

なにを写真くらいで大げさな…とお思いになるかもしれません。しかし写真は個人の表現であるからには紛れもなく芸術だと思います。もちろんカメラの用途には記録、記念、カメラコレクションなど芸術と関係ない用途もありますが、いい写真が撮りたいと願う人の先は芸術なのだと思います。

さてツーリング写真の魅せ方シリーズもいよいよ第11回目です。前回の<望遠レンズで魅せる>に続いて今回も画角のシリーズ。<広角レンズで魅せる>でございます。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

標準レンズや望遠レンズはよいけど広角レンズは苦手だ・・・という方も多いかもしれませんね。寄せる望遠、寄る広角なんて言いますが「寄る」からには足がよく動かないといけません。

広角レンズの特徴は望遠の反対なのですが、見える景色をより広範囲に、同時に空間としては遠くへ広がるようにワイドな世界になります。被写体は実際の様子よりも小さく、出来上がった写真は広がり感、または吸い込まれるような印象になります。




広角レンズはワイドになるほど画面の四隅に樽型(またはレンズによっては糸巻き型)の歪みが発生するので建物やバイクなどの人工物を歪みの強い部分に配置すると不自然な写真になります。歪みの強い部分に人物を置いた場合は縦構図であれば足が長く痩せて見え横構図だと足が短く太って見えます。

と、なかなかクセの強い広角レンズですが風景主体のツーリング写真であれば景色の雄大さや雰囲気を伝えるのには最適な画角とも言えます。上の作品はつい先月にツーリングしたビーナスライン、美ヶ原高原での白樺林の道ですが多くの白樺の木々を広角レンズでとらえ、その空間の緑の光が中心から放射状に輝くような表現としました。

空の表情や雄大さを表現しよう

空に表情があるとき(つまり雲が空の表情となるとき)やその場所の雄大さを表現したいシーンで広角レンズを使ってみましょう。あまりバイクや人物を大きく撮らないこと。広い景色の中にバイクとライダーは小さく構成して存在感を調整するのです。

これからの季節は秋らしいウロコ雲、イワシ雲などをツーリング先で見かけたらお持ちのレンズの最もワイドな画角で撮ってみましょう。

広角レンズはバイク米粒構図で

EOS6D Mark2 + EF14mmF2.8L

景色の雄大さを強調する手段としてバイク+ライダーを意図的に小さく構図する手法があります。ぱっと見、どこにバイクがあるか分からないほど小さく構図しても大丈夫です。何らかの手法で小さな主役に存在感を持たせるよう工夫してみましょう。

上の作品の場合は海に出た堤防の図形要素を視線誘導線として利用しバイク+ライダーへ導いています。この他にも日の当たっている部分を使う、太陽や海面の反射などのハイライトとバイクを重ねるなど手法はいろいろあります。




28~35mmあたりはスナップ感覚で

RICOH GR

いままでの作例は全て超ワイドレンズでしたが、こちらの写真はRICOH GRで撮ったので画角は28mmです。GRはスナップシューターと呼ばれているカメラなのでツーリングの何気ない瞬間を切り取るのに向いています。

広角レンズは少しでもカメラを下に向けてしまうと、自分の影が画面内に入ってしまうものですが、逆に意図的に影を撮っても面白い写真になるものです。

星景写真も広角レンズです

星景写真はビギナーの方が撮る写真ではありませんが、これもまた沢山の星を収めるという意味で広角レンズを使用するものです。この写真は画角12mmです。超ワイドレンズはメーカー純正だと非常に高価ですがChinaブランドであれば2万円程度で入手できます。このようなレンズは光学系の完成度が落ちますが逆光で撮る訳ではないので影響は少ないですし、MFしかできないというデメリットもありますがこれもまた星空の写真なら関係ありません。星専用ということでChina製の超ワイドレンズを使っている人はだいぶ多いと思います。




ツーリングで出会った感動の景色。その大きさに自分という存在の小ささを実感したことはないでしょうか?いつもいつも愛する我が愛機の記念写真ばかり撮っていて物足りなさを感じませんか?景色主体のツーリング写真は表現手法をしっかり身に着けて作者の心を表現すれば感動の一枚になります。

そんな素敵な写真を撮れれば誰かに見せた時に喜んでもらえるし、撮った自分もツーリングで写真を撮ってきて良かったな、また次行ったら撮ろう!と思えるようになると思います。

広角レンズはそんなツーリングの魅力、ライダーが見ている景色を伝えるのにぴったりの表現手段だと思います。

まだ続きます、ツーリング写真の魅せ方シリーズ!

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ツーリング写真の魅せ方シリーズ第10回<望遠レンズで魅せる>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、つい先日のことですがパープルに全塗装した我が愛車、R1200GS-ADVENTUREで深夜の海岸線をツーリングしていた時です。休憩でコンビニに入ったとき駐車場にいた若者5~6名、よく見ると上半身裸で全員に登り竜などの入れ墨…いやタトゥー??が入っていたのですが、私のアドベンチャーを見るなり「わ~すげー、かっこいい~」と騒いで取り囲まれてしまいました。

しかし変な連中にからまれた訳ではなく、意外や意外なことにみんな言葉遣いは丁寧で礼儀も正しく「いくらするんですか?」「でかいですね~」といった感じに質問を投げかけてきました。まあ、千葉の田舎の方なんでBMWのバイクというだけで珍しいのかもしれませんが。しかし彼らの興味を抱いたポイントがアドベンチャーが迫力あったのが良かったのか、紫色が彼らの趣味にハマったのかが気になります。

やっぱり元の色の戻そうかな…




さてツーリング写真の魅せ方シリーズの続きですが、今回は第10回目となる<望遠レンズで魅せる>でございます。

道の魅力を望遠で表現しよう

オロロンライン

といってもここまでのツーリング写真魅せ方シリーズの作例で、さんざん望遠レンズを使った写真を使用したので今さら感がありますが…私の写真は極端な焦点距離の画角が多いので仕方がありません。

望遠レンズといえば写真ビギナーの方でも遠くのものを大きく写すレンズ、ということはご存じですよね。もう少し詳しく言うと写せる範囲を狭くする、空間を圧縮する、遠近感が失われる、背景や近景がボケやすくなる、といった特徴があります。

それと望遠レンズは大きく重く、大口径(F値の解放が明るいレンズ)のものは大変高価です。バイクツーリングで持っていくには悩ましい問題ですね。コンデジでも望遠側の画角をカバーしたズームレンズのモデルがありますが、コンデジで極端な望遠というと色々とクオリティ面で問題があって実際には使えなかったりします。

ここではそんな望遠レンズをツーリングに持っていくか?あるいは高いお金を出して買うのか?という話は置いておいて、ツーリング写真&バイク写真としての望遠レンズでの魅せ方を解説いたします。

上の作品は北海道の道北にある日本海オロロンラインですが地形が最も隆起しているポイントで超望遠で切り取った1枚です。

道は長く細く続く被写体。それを標準や広角の画角で撮れば画面内の割合として多くが道以外の風景になります。それでも魅力的な道の写真に仕上げることは可能ですが、道自体に絶対的な存在感を持たせたいのであれば、細く長い道を望遠レンズで圧縮すれば画面内の多くの割合を道にできます。

写せる範囲を限定する望遠

左:35mm   右:200mm

望遠レンズを使うことも写真でうったえたい一つのことを表現する有効な手段です。上の写真は左は35㎜の広角レンズ、右は200㎜の望遠レンズ。撮影場所は全く同じで主題となる巨木が両者とも同じ大きさになるよう、カメラディスタンスだけを変えて撮った比較写真です。

何が違うか一つ一つみていきましょう。まず背景の範囲、35mmの方は背景が広範囲で青空まで入りましたが200mmの方は崖の岩肌だけとなりシンプルな背景となりました。これだけで写真を見た人は情報量が減って主題の巨木が見やすくなるものです。次にR1200GSの大きさ。遠く離れた分だけ200mmの方が小さくなったのですが、単純に小さくなっただけでなく巨木との対比が表現されたことで主題の迫力を強調することに成功しました。

念のため書いておきますがこの場合は200mmの方が主題が明確となり良い写真となりました。青空は確かに爽やかですが主題を魅せるのに余計な要素でした。




背景を大きく引き寄せる望遠

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8LIS

これは望遠レンズの最もオーソドックスな使い方ですが遠くのものを大きく引き寄せて印象的になるよう魅せるやり方です。望遠レンズを使う際の重要な注意点は撮影スペースです。あの山を大きく引き寄せて迫力を出したい!となったときにまず確認しなくてはいけないのが後ろに下がれるスペースがあるか?です。

もし後ろに下がるスペースがなければバイクと遠景を合わせて撮る事は断念せざるえません。

間隔を詰める、密度を上げる望遠

オトンルイ

望遠は空間の圧縮効果が得られる、なんてよく言われます。上の作品は北海道の人気ツーリングスポットであるオトンルイ風力発電所ですが連立する風車を1枚の写真にするには範囲がとても広すぎます。これを離れた場所から望遠で撮る事で間隔を詰めて収めることに成功しています。

この写真は望遠レンズの利点をいくつも盛り込んだ1枚で、前景として置いた私のR1200GS-ADVENTUREとSHOEIホーネットADV、これは綺麗にボカして存在感をおさえることにしました。この作品の小さな主役は左フレームギリギリに走る他のツーリングライダーです。望遠レンズの圧縮効果、ボケやすさ、一つの主題を浮き立たせて魅せる、といった複数の利点を使って表現しています。

ちなみにこの時、三脚にクロスズメ蜂がとまっていたのを知らずに思いっきり蜂を握ってしまいました。薬指を刺されて悶絶する激痛を味わったのですが幸い大事には至りませんでした。




やっぱり望遠レンズはいい

望遠レンズを使うべき時とは・・・、遠くのものを大きく引き寄せて迫力を出したい、道の魅力を表現したい、余計なものを画面外に除外したい、間隔を詰めたい、密度を上げたい、遠景や前景をボカしたい…そんな要求があったときに望遠レンズは役に立ちます。

反面、注意点としては手ブレしやすい、わずかにアングルを動かすだけで画面内が大きく変わってしまう、引き寄せたい場合は後ろに下がれるスペースが必要となる…といった事が挙げられます。

ただこれらの注意点だけを見れば写真ビギナーが最初に挑戦するには難しいのかな…と思えてしまいますが、特定の被写体に絶対的な存在感を持たせるには簡単ですし、余計なものを画面外に排除できるという意味でも簡単に構図が作れます。誤解を恐れずに大胆に言ってしまえばツーリング写真のビギナーの方に望遠レンズはお勧めである!と言えます。

次回はツーリング写真の魅せ方シリーズ<広角レンズで魅せる>でございます。

お楽しみに!!

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ツーリング写真の魅せ方シリーズ第9回<ホワイトバランスで魅せる>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、もう季節は秋…ですね。この新型コロナウイルス騒動でもキャンプ場は相変わらず盛況のようですね。もうゆる△キャンがブレイクしてから2年くらい経つのでしょうか。それでも衰えることなく第三次キャンプブーム健在といった感じです。ちなみにゆる△キャンのseason2は2021年の1月から放送開始だそうですよ。

そのキャンプブームの下支えとなっているのがソロキャンプ、つまりお一人様文化の定着もあるかもしれませんね。むかしはキャンプといえばファミリーかグループで楽しむものでした。ソロキャンパーと言うのは私のような一人旅をしている者の宿泊手段という感じで、うっかりファミリーやグループで賑やかなキャンプ場に入ってしまうと浮いた存在になったものでした。

今でこそ賑わっているキャンプ場の中でファミリーもソロも良い感じで均衡していますけどね。そういえば15年くらい前に私があるキャンプ場でソロキャンプしていたとき、近くのグループから「あのバイクの人、一人でキャンプしているのかしら?一緒に来てくれる友達いないのかしらね」という声が聞こえてきて笑われた記憶があります。隣のテントの声なんて筒抜けですからね。あの時、私を笑った人たちも今頃はソロキャンプしているかもしれませんね。




さてツーリング写真の魅せ方シリーズ、今回は第9回目で<ホワイトバランスで魅せる>をいってみたいと思います。

ホワイトバランス 4000K

ホワイトバランス(色温度)とは写真ビギナーの方にとっては少々聞きなれない言葉かもしれませんが、カメラの取扱説明書にも書いてある基本的なことになります。身近なものではお部屋の照明に使われる蛍光灯や電球、最近はLEDになっていますが電球色とか昼白色とか書いてあるのを見たことないでしょうか?あれがホワイトバランス(色温度)です。

バイクや車のヘッドライトバルブもクリア、ホワイト、ブルー系などありますよね。ホワイトバランスは単位がK(ケルビン)で表記される絶対数で5000Kあたりが中立付近、4000K、3000Kと数値が少なくなれば黄色みをおびた暖色方向に、6000K、7000Kと数値が大きくなれば青っぽい冷調な色味になります。

PIAAのバルブに表記されている色温度の説明 これが本来の考え方でカメラとは真逆なんです

カメラにとってのホワイトバランスとは白い物を正しく白として写しましょうという補正の観点での機能です。よって上のPIAAの製品パッケージの説明とは逆の考え方になります。白を白として写すための補正…例えば青かぶりしていればK数値の少ない方に補正しましょうね!という意味です。ややこしいですが数値の小さい方が「青い時に使おう」ということです。

撮影環境では曇天だと青っぽくなったり電球の光でやたら黄色っぽくなったりと白を白として写せないシーンが多々あるものです。人間の目は露出と同様に優秀な自動調整機能が備わっていますけどね。そういった影響を受けないように調整しましょうね、というのがカメラの説明書に書いてあると思います。

ここで重要なポイント!!白を白として正しく調整することに縛られない事!!!カタログ写真や証明写真ではないのですから事実を忠実に再現することに固執しないように。露出の時も同様のお話を書きましたがホワイトバランスも撮影者の表現手段の一つとして自由に設定してみましょう。

上の作品は湖畔のキャンプ場で撮った1枚ですがシダ類の植物を前景に置いたこの雰囲気には冷調なホワイトバランスの方がよく似合うと思ってこのようにしました。




EOS6D Mark2+ EF35mmF2IS  ホワイトバランス 6000K

この作品は夕刻の海岸で強烈な逆光を受けるシーンです。しかし時間帯としては15~16時くらいで陽が傾いているとはいえ夕方っぽい風景ではありませんでした。そこをイメージに近づけるためホワイトバランスを6000K程度に調整しています。

写真ビギナーの方にとってホワイトバランスをケルビン単位で調整するのは少々難しいかもしれません。その場合、お勧めの簡単なやり方はプリセットを使うことです。プリセットとはカメラに予め入っている幾つかのシーンに分けたホワイトバランスのパターンです。主に曇りモード、日陰モード、太陽光モード、蛍光灯モード、電球モードなどが入っているものです。

それなら知っている!という方も多いと思いますが一点だけ注意が。先ほども書きましたがカメラにとってのホワイトバランスは白を正しく白に写すための補正という考え方です。例えば曇りモードといったら青っぽくカブるのをアンバー方向に補正するという意味です。だから上の作例のように夕方っぽくしたい場合に曇りモード、もっとアンバーにしたければ日陰モードを選びます。

夕焼けの風景写真をよりイメージに近づけて撮りたいのであれば曇りモード、日陰モードを試してみてくださいね。ただし実際の夕景の様子がすでに燃えるように焼けているときは、それ以上はホワイトバランスを弄らないように。破壊行為になってしまいますので。




こちらは工場夜景のシーンです。私はあまり撮らないジャンルですがコロナ騒動でツーリングできない時期に近所で撮った写真です。露出も実際の様子よりは明るく仕上げていますがホワイトバランスは少し奇をてらってアンバー方向に設定してみました。無機質な工場夜景は冷調な設定をする写真が多いと思いますが、逆に暖色で仕上げることで異空間を演出しています。

カメラの記録方式をRAWとすることでホワイトバランスは撮影後の画像を後から変更することもできます。JPEGで記録する場合は撮影時にしっかり設定するか、いくつかのバリエーションで撮っておくと良いと思います。

実際の様子を再現するのではなく自由に演出の手段として使う・・・、とはこのような事なのですね。もちろん賛否あるとは思いますが「私の場合はこうです」という個人的な発表こそが写真芸術なのですから、そこを楽しみましょう。

さあ、ツーリング写真の魅せ方シリーズも終盤になってきました。次回はカメラの画角のお話として<望遠レンズで魅せる>をいってみます。

お楽しみに。

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ツーリング写真の魅せ方シリーズ第8回<光と影で魅せる>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、また検索などでたまたま当ブログにたどり着いた皆さま、見ていただき感謝です。当ブログはバイク写真に関わるあらゆることを綴るバイク写真の専門サイトです。

間もなくサイト開設から3年になりますが徐々に「ツーリング写真」という写真ジャンルが確立されつつあると感じております。従来、ツーリングをするライダーはツーリング先で愛車の写真、立ち寄ったスポットでの記念写真、食べた物の記録などを撮っていたと思います。SNSなどでよく見かけるツーレポ的な写真ですね。

それも素晴らしいですが…せっかくライダーがバイク旅で目撃した感動の風景です。それを1枚の写真にしたART的ツーリング写真にしてみましょう!という趣旨を発信しているのが究極のツーリング写真 touring-photography.com です。

以前はアウトライダーというツーリング雑誌の写真コンテストで盛り上がっていましたが、同誌が休刊になって以降は寂しい限りでした。本サイトでみんなでツーリング写真を盛り上げていきましょう、という目的で写真ビギナーの方にも分かりやすいようにツーリング写真の作例で写真の解説を書いております。

ここ最近はツーリング写真の魅せ方シリーズと題して表現方法の具体的なものをシリーズで書いております。今回はその第8回目となる<光と影で魅せる>をいってみたいと思います。

EOS6D Mark2

写真を撮ることを「撮影」っていいますよね。この漢字、そのまま解釈すると影を撮るになります。写真とは光があって影があり、その限られた光の範囲で表現するから面白いものだな…と恥ずかしながら最近になって思うようになりました。

レンブラントやフェルメールなど光を表現した絵画は写実的と呼ばれますが、実に写真に近い表現なのだと思います。これとは逆に光と影の範囲を何らかの手法で広げた写真をHDR(Hight dynamic range)写真などと呼び、まるで絵画のような写真となります。

ダイナミックレンジとは写真にできる明るさの範囲です。暗い所から明るいところまでちゃんと写せる範囲。その範囲を超えると明るすぎれば真っ白、暗すぎれば真っ黒、白トビとか黒つぶれなどと呼ばれます。デジタル写真であればデータの無い部分になってしまうので一般的には画面内の全てはダイナミックレンジの範囲内に収めるとされています。

芸術は数学などと違って正解はありませんから写真とはこうだ、絵画はこうだ、という明確な定義はできません。しかしそれでも写真は光と影の限られた範囲「ダイナミックレンジ」で表現するからこそ素晴らしいと思います。そして重要なポイントは写真にできるダイナミックレンジには限りがある、ということです。




目に見えるすべてのものは光によって明らかにされています(少なくとも我々人類にとっては)。写真も光の存在を意識できなければ良作は望めません。上の作品はこの夏、佐渡の大野亀で撮った夕刻のツーリング写真です。太陽が画面内にバッチリ入るド逆光ですが、狭いダイナミックレンジ、フレアやゴーストなどの光学的な反応、伸びる影の部分の構成などを意識して撮ってみました。明るい太陽の光、その影となる部分は暗く、この写真のように明るい所と暗い所の差があり印象的な表現となる写真を一般的にコントラストのある写真と呼びます。

逆光はダメ、太陽を撮ってはダメ、は完全に間違いですのでビギナーの方はこの機会にぜひ覚えてください。特にツーリング写真において逆光はドラマチックな写真が撮れる最高のシチュエーションであることを。

EOS6D Mark2

そこにどんな光があり被写体が光にどのように反応しているか?反射、吸収、透過…全ての被写体は光に反応を示していて、多くの場合でその様子は人間の目ではよく確認できないものです。

人間の目はなかなか優秀なAE(自動露出調整)機能が備わっていて少しでも暗くなれば眼球内でカメラの絞りのような機能が自動で開いて、明るく補正してその様子を脳に伝達します。暗がりでも少しすると目が慣れてきますよね。実際の様子を詳細に見るにはこれで不都合はないのですが、写真を撮るのに良い光を見つけるにはこの機能では明るすぎなのです。

EOS6D Mark2 EF35mmF2IS

見つけるのが難しい場合はカメラで-1/3~1段程度に露出を落として試し撮りしてみると確認しやすいです。そこにある仄かな光の一滴を見つけてみましょう。

光の使い方と影の処理はビギナー向けにはあまりに難解な解説になってしまうので、ここでは深くは触れません。露出で魅せるやり方は構図、フレーミングとも深く関係していてその理由を理解するのも難しいです。




そこにどんな光がどんな風に当たっているのか?それを写真にするならどのような表現手段として使うのか?といったことは写真を志す全ての人は長い長い時間をかけて学んでゆくものだと思います。

EOS6 mark2

つまり光と影を使った表現手法は究極の魅せ方と言って良いと思います。

写真に適した「いい光」を見つけるようになるには少しの時間を要します。私もビギナーの頃はこれを見つけることができず(そもそも知識もなかった)、いつも日中の太陽光で順光を使って鮮やかな風景写真を撮っていたものでした。鮮やかな風景写真とは青空は青、草木は緑、花はその花の実際の色を忠実に、彩度が高くて説明的な写真です。

しかし経験を重ねるごとに逆光や斜光などで多くの失敗写真を撮り、光と影の関係を少しずつに学んでいきました。今では光を生かしてこそ写真だと信念のようなものさえ芽生えてきたところです。




写真をはじめたばかりのビギナーの方は1.逆光で撮っても良い 2.影を意識して構図を作る 3.写せる光の範囲は限られている、この3つを知識としてもっていれば今は十分だと思います。キャリアを積んでいけばあるポイントで「あっそういうことか」と気付きを得る瞬間がきっとあると思います。

そういった小さな気付きを繰り返して「いい写真を撮るための光と影」を学んでいくのが私のお勧めのやり方です。

今回はちょっと難しい話でしたが写真に光と影は重要なので書いてみました。次回はもう少し応用しやすい魅せ方をご紹介いたします。

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ツーリング写真の魅せ方シリーズ第7回<比率で魅せる>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、写真ビギナーの方に向けてツーリング写真の魅せ方シリーズを続けておりますが如何でしょうか?露出、被写界深度、シャッター速度・・・これらをどのようなシーンで応用するのかを作例を元に解説しましたが、何となく分かっていただけたでしょうか。

多くのカメラは撮影モードが備わっていて主にA(絞り優先モード)、T(シャッター速度優先モード)、M(マニュアルモード)、P(プログラムオートモード)などがあります。

構図に前景を作って深度で魅せたいと思ったらAにしてダイアルを回せばOK。走りゆくバイクを流し撮りしたいならTにしてお好みの値に設定にすればOKです。今回の魅せ方シリーズを読んで頂いた方なら簡単ですね。こんな時はこうしたい、という自らの意志による操作は楽しいものです。峠道をスポーツカーで走るならAT車よりMT車が楽しいですよね。

Mのマニュアル露出は「おっここはF5.6の1/200でいくぞ!」と景色を見た瞬間に露出値が出てくるベテランの使うものですが、夜景や星空を撮るときはビギナーの方でもMでいきましょう。

問題はPです。もうオートモードでお任せ…というのは卒業しましょうね。Pは大きな失敗こそないものの芸術と呼べる傑作写真は撮れないモードと覚えておきましょう。失敗が怖い人はPモード、エキサイティングな表現ができるアーティストならPは使わない。ここまでPモードの悪口を書いておけば、もうPを使う人はいないでしょう…




さて今回の魅せ方シリーズは第8回で<比率で魅せる>でございます。

比率も前回までで解説しましたフレーミング、デザインと同様に構図の亜種とご理解いただいて良いと思います。写真を撮りたいと思った情景に2つ以上のエリアが発生したとき、その両者の割合をどう分断して構図するか?というお話ですね。

分かりやすいのは海岸風景などによくある水平線、地平線です。画面のど真ん中にもってくるのではなく三分割線に合わせて構図を作るのが基本ですよね。しかし2つ以上のエリアが発生するシーンとは海岸以外にも多くあるもので、例えば上の作例のように前景とした船体の底部とそれ以外、といった具合に何かの被写体と合わせて撮るときに容易に分断エリアは発生するものです。

上の作例では1のエリアと2のエリアの比率が1:1.5になるよう意識して構図を作っています。

もし両者の比率を意識しないで撮れば多くの芸術で避けるべき二等分を作ってしまい、バランスも秩序もない陳腐な写真を生んでしまいます。二等分とは恐ろしいもので特別な意図がない限りは原則避けるものと覚えましょう。

これを見て下さい。めちゃくちゃダサい撮り方です。もし3分割構図が2分割構図だったこんなに酷い写真になります。海と空の境界、R1200GSを置く位置、これらが1:1で等分した構図です。2等分がいかに美しくないかがよく分かる作例です。

比率にはいくつかの決まった数字があって有名なものであれば・黄金比 1:1.618 ・白銀比 1:1.4142(√2) ・1:1.5 ・青銅比 1:2.303 などがあります。黄金比はDNAやオウムガイの断面などに存在する生命の神秘とも呼べる最強の比率です。ダヴィンチの作品にも使われいるのは有名ですよね。

白銀比の1:1.4142は別名「大和比」とも呼ばれています。有名なキャラクターであるドラえもんの縦横比はキレイに白銀比です。他にもトトロ、ちびまる子ちゃん、ハローキティ(の顔)などもそうですが、古い芸術作品であれば菱川師宣の見返り美人図も白銀比だそうです。

しかし2つのエリアが発生したときに、その両者の比率を正確に測定する術はありません。写真ビギナーの方にとって最初に出来ることは「ここに2つのエリアが発生したな」と気付き両者の比率をおよそ1:1.5で調整することです。

もう1つは比率が微妙に異なるカットを幾つかのバリエーションで撮っておき、帰宅後にもっとも納得のいく比率のものを熟考の末に選別すること。これは私もよくやるのでお勧めのやり方です。




EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

ツーリング写真とはベースは風景写真なので多くの場合は地上サイドと空で2つのエリアが発生するものです。どちらが魅力的な要素であるのかイメージの写真で決めた上で両者の比率を意識してみましょう。

逃げ水のエサヌカ線

それから比率は2つ以上のエリアが発生した場合の分断線の位置だけでなく、被写体が2つ発生したときも両者の存在感の比率を意識しましょう。ここでも大まかに1:1.5を目指すのですが単純に大きさだけでなくボケ具合や光の当たり具合も関係するので「存在感」としての比率を考えるのがポイントです。




いかがでしたでしょうか。黄金比という言葉は誰でも聞いたことはあるかと思いますが写真にも黄金比などの神秘の比率は応用できるものです。なぜこのような比率が美しく感じるのか?それは誰にも分かりませんが。

2つあるエリアや2つある被写体を特別な理由なく二等分にしない。原則として1/3単位で考えること。特別な理由なく…とは例えば双子の赤ちゃんを撮る場合は存在感をぴったり二等分した方が同じであることを強調できますし、水面のリフレクションを狙った風景であればシンメトリーであることを強調するには境界をど真ん中に置いた方がよりらしくなります。そういった特別な根拠がない場合は二等分は避けましょうね、という意味です。

ツーリング写真における構図の1つ、比率について解説してみました。

ツーリング写真の魅せ方シリーズ、まだまだ続きます!!!

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ツーリング写真の魅せ方シリーズ第6回<デザインで魅せる>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ここ最近になって社会問題になっている「あおり運転」、皆さまはどう対策されていますか?バイク用ドラレコの装着、怪しい車には用心するなどありますよね。

私は道路を走るときは常に周囲の車がどんなドライバーであるかをチェックするようにしています。特に新たに後ろに付いた車については良く見るようにしています。だいたいあおり運転をしてきそうな車とは雰囲気で分かります。そういった車が後ろに付いたときはストレスを与えないようにキープライトの走行ライン、車の流れに遅れをとるような走り方をしない、など色々と対策はありますが、それでも車間距離を詰めてくるようでしたら道を譲って抜かせるようにしています。相手にしないのが一番ですね。




さて写真ビギナー向けにシリーズで書いているツーリング写真の魅せ方シリーズですが今回は第6回<デザインで魅せる>でございます。

千葉県富津市

写真におけるデザインとはちょっと聞きなれない言葉かもしれませんが、これも前回のフレーミングと同じで構図の亜種と考えていただいて良いと思います。ここで言うデザインとは観賞者が写真をパッと見た瞬間の印象に関わる視覚的な要素のことを言います。

代表的なデザインの要素は色、線、図形、規則的なパターン、質感、立体感、連立するリズム感などがあります。中でも色、線、図形は効果が大きく、観賞者が写真をパッと見た瞬間に視覚的に興味をいだけるか否か、最初の視線の動きで明暗が分かれるポイントになります。

上の作品は冬の南房総から望む東京湾ごしの富士山です。デザインの要素がいくつも入っている作例ですので1つ1つ解説してみます。まず富士山はシンメトリー(左右対称)な三角です。三角は底辺を水平に置いた場合、画面内にどっしりとした安定感を与えます。次にLNGタンカーの4つのタンクが円です。円はアイキャッチ効果(最初にここを見てねと観賞者に誘う要素)として機能しますが、この場合は小さいのでその効果は薄いです。

それから図形要素は被写体同士の位置関係で形成することもできます。このようにバイク、ライダー、タンカーの位置関係で三角を作れればこれも図形要素で安定を得ることができます。




この写真のように三角が2つも入れば安定感は良好と言えそうです。

それから色です。色は暖色と寒色、進出色と後退色、補色関係などデザインに関わる知識を身に付けることで色の印象を作品の表現に使う事ができます。ここではスペースの関係で詳細には触れませんが上の作品ではブルー系とブラウン系の組み合わせが補色関係に近く、良い組み合わせと言えます。

もちろん写真デザインを意識すると言っても目の前の風景の色を変えることはできません。重要なのは景色の中からデザインに使える要素を見つけて、それを意識して組み立てていくことです。

EOS6D mark2 + EF14mmF2.8L

バイクが登場するツーリング写真は「道」が被写体となることが多いのでデザイン要素では線を上手に使う事がポイントです。道は写真になると直線、点線、曲線、S字線を形成することが出来、写真の観賞者の視線を誘導して目で遊べる写真を作ることができるのです。

画面の中に線があれば見る人は無意識にその線を目でトレースし、その先に何があるかに想像を馳せるものです。上の作品は北海道の稚内に向かう日本海オロロンラインですが、気の遠くなるような直線の先は本土ではまず見ることの無い地平線が存在していて「道の先の景色」に想像を誘う写真となります。

雨の宗谷国道

線の要素の中でも特に効果的なのはS字線です。人は写真でも絵画でも最初にパッと見た瞬間に無意識下に画面内で視線を動かすものです。その際にどのように視線を走らせてよいのか?ガイドのようなものがないと視線は泳いでしまい主題に辿り着けずに「この写真に興味の対象は写っていない」と判断されてしまうものです。

S字線は画面という長方形の中に対角に配置させると、視線を気持ちよく流せる理想的な誘導線と言えそうです。もしツーリング先でS字を見つけたら、バイクを安全に停めるスペースを見つけて写真を撮ってみましょう。

上の作品はS字を配置しただけでなくセンタラインがオレンジであることも効いています。




EOS1Dx + EF70-200mmF2.8L F2.8 1/80 ISO250

これは北海道の有名なスポットである稚内の北防波堤ドームです。北海道ツーリングに行かれたことのある人はここで写真を撮った!という人も多いと思います。これもデザイン要素でいう連続する規則的パターンとなります。

繰り返し書きますが写真デザインとは目の前にある要素をデザインの知識に結び付けて意識して撮る事です。景色の色や形を変えることはできないですからね。以前に桜が咲いている峠道でこんな事がありました。通りゆくツーリングライダーを桜の風景の中で流し撮りで撮っていたときです。淡いピンクで印象を狙う桜の作品ですが、主役となるのは駆け抜けていくバイク。最初はブラックやシルバーのバイクを撮っていたのですが、あるタイミングでライムグリーンのNinjaが通りました。その写真を確認すると桜のピンクとカワサキのライムグリーンは理想的な補色関係であることが確認できました。

このように知識があればどのカットを採用するかのセレクトにも役立つ時があります。色、線、図形…これらがもたらす印象の効果。ぜひ次回のツーリングから意識してみてくださいね。

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ツーリング写真の魅せ方シリーズ第5回<フレーミングで魅せる>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ツーリング写真の魅せ方シリーズも今回で第5回目となりました。露出、絞り、シャッター速度、構図…ときましたので今回はフレーミングをいってみたいと思います。

前回の「構図で魅せる」で構図は一般的に写真の基本的なことのように言われていますが、実は奥が深くてビギナーの方がいきなり構図を意識するのは少々無理があることはお分かりいただけたでしょうか?

確かに完成度の高い構図を作れれば良作の基礎として素晴らしく機能します。しかしそういった写真の骨組みのようなものは構図に限りません。今回解説するフレーミングもまた写真の構造として良く機能するものです。写真ビギナーの方は構図をマスターする前にまずフレーミングを意識してみましょう。

EOS6D Mark2

さあ、ここでまた写真における「フレーミング」とは何か?その言葉の響きから考えてみましょう。すぐネットで検索しない…。ネットで検索すれば正しい答えがすぐに手に入りますが、それは一般的に言われている正しい答えであり、貴方にとって本当の意味で必要な情報とは限りません。

個人的に写真をやる上で常に自分で考え、他人の考えは自分とは関係ない、既にある手法や考えは先人たちに敬意を払うが同時に疑う…という天邪鬼的であること。私はこんな感じです。ちなみにフレーミングについてキャノンのサイトでは構図と同じ意味…なのだそうです。

此処から先はそんな私の恐らく偏った考えによる解説になります(いつもそうですけど)。構図が被写体の位置関係、大きさなどによる魅せ方だとするとフレーミングは枠を意識した構図の亜種です。




目の前にある風景のどの範囲までを写真とするか?あるいは枠を意識して被写体を切り落とす、枠すれすれに置いたことによる時間や緊張などの表現に使う…、見せたくないものは枠の外に追いやる、といったことがフレーミングだと思います。

上の写真ではR1200GSのスクリーン上部を少々切り落としたのですが、これによりR1200GSはそれほどドアップでなくても近くにあることを強調させ、遠近感を表現しています。この写真は遠くで歩くライダーとR1200GSを結ぶ道がポイントなのですが、同時に海も美しい背景として機能してほしいのです。しかし実際には海面はけっこう遠かったので引き寄せる目的で望遠レンズを使用しました。望遠レンズを使うと遠近感が失われてしまうので、R1200GSを少々切り落とすことで補っているのです。

実際の様子を観賞者に想像してもらう

房総の素掘り隧道

この写真は隧道の上部を切り落として撮っています。実際には隧道の杭口は美しいアーチを描いているのですが、その事は写真を見る人に想像してもらう「想像の取り分」を観賞者へ与えています。それよりも緑に輝く部分をファイグリッド三分割で置くことを優先した結果でもあります。

フレーム外の様子を想像させる

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG F8 1/100 ISO100

これはライダーが画面の外に向かって見切れていくフレーミングです。映像用語ではフレームアウトでしょうか。これは写真を見る人に写真には写っていないフレーム外の様子について想像を促す手法です。

ちなみに撮影場所は北海道のコムケ湖で古びた番屋を見つけて撮ってみました。こういったシーンを一人で撮る、つまり今風に言うと自撮りの場合、その画角でどの辺に立てばギリギリで狙えるのか?なかなか難しいですよね。EOS6D mark2のようにWi-FiやBluetoothでスマホと連携させれば離れた場所からカメラの画面をスマホで確認することができます。無線機能のないカメラをお使いの方は最初にヘルメットなど目印になる物を置いて確認するとうまくいきます。




切り落として存在感を弱める

これも簡単な手法です。バイクやライダーがいくらツーリング写真として重要な被写体であっても、作品の主題が別の部分に存在するのであれば、その存在感は少し遠慮してもらいましょう。そうすれば主題はより際立ちます。この作品の場合は海面すれすれで魚を狙っている鳥の群れですが、R1200GSは後ろ側2/3をフレーム外へ切り落としたことで存在感を弱めました。ちなみにピントも合わせていません。

切り落とす際のポイントはど真ん中で切って等分にしないこと。三分割構図の考え方にならって1/3単位で切り落とします。写真に限らずあらゆる芸術に共通した基本的なことですが理由なき二等分は避けるものと覚えましょう。

枠ギリギリに配置する

RICOH GR APS-C

構図のセオリーでは三分割の交点や日の丸に被写体を配置する…とされていますが、このように枠の近くに意図的に配置してしまうのも枠を使ったという意味でフレーミングです。この写真の場合はR1200GSの後方にたっぷりスペースを作ったことで「ここにやってきた」という到達感が表現されました。

逆に前方にたくさんのスペースを作って配置すれば出発感、これから始まる時間を予感させます。他にも例えば背の高い人をより大きく表現するなら頭部を少しだけ切り落とす、おチビちゃんであれば上にたくさんのスペースを作って撮れば小ささが強調できる、といった具合に色々あります。




フレーミング、それは画面という長方形の四角を意識して、その枠を使った何らかの表現手法。外へ除外したり切り落としたり、ギリギリに配置したりと使い方は様々あります。または景色の中のどの範囲までを写真にするか、という画角の観点でのフレーミング。これは焦点距離(レンズ)を選択することにも関係しています。

構図は目の前の景色や被写体が二次元になったときに、どのような線形つくるのか事前にイメージが作れないビギナーには難しい面がありますがフレーミングは優しいと思います。

いつもバイクを枠の中に収めて撮っていた…という方はぜひ次のツーリングからフレーミングを意識して撮ってみてくださいね。

まだまだ続きますよ!

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ツーリング写真の魅せ方シリーズ☆第4回<構図で見せる>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、酷暑の夏でしたが体調を崩されていませんでしょうか?私の場合、体質的に暑さに弱いということもあり、すっかり弱り切っております…。

さて前回までで写真ビギナーの方、またはベテランの方でもおさらいの意味も含めて初歩的な内容をシリーズで解説してきました。題してツーリング写真の魅せ方シリーズという事で始めたのですが、今回はその第4回目<構図で魅せる>を書いてみたいと思います。

構図ってそもそも何?

写真の世界では基本的なこととしてよく耳にする構図。しかし、そもそも構図って何でしょうかね?はい、ここですぐネットで検索するのはやめましょう。まずは自分で考えてみて自分なりに構図とは何か?を定義してみましょう。私個人としては写真における構図とは目の前の被写体や風景が二次元の画となったとき、その様子は線形となって主題へ導く案内図として機能するもの、としています。一般的にどう言われているかは分かりませんが。

 




 

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

実は構図で魅せる…なんて言っても写真ビギナーの方にとって相当にハードルが高いと思います。だから「まずは構図を上手に…」というのはいちど忘れてしまう方が良いかもしれません。

構図を組み立てるには視覚した情報を元に状況を認識し、それぞれの要素をアングル、画角、比率などを駆使して被写体や背景の大きさ、位置関係を調整します。そして各々の被写体は主題、副題、引き立て役、アクセント、アイキャッチ、視線誘導線…といった具合にキャストに役割を与えるように的確に裁量するものです。聞くだけで何だかややこしいですよね。

これは私の個人的な考えですが構図には幾つかのタイプがあって、1つめは上の作品のように複数の手法を組み合わせた複雑タイプ、2つ目は例えば三分割構図とか日の丸構図などの1つの構図を使用したシンプルタイプ、3つめは構図など意識しないドキュメンタリータイプの3つがあると思います。

ドキュメンタリータイプとは例えば都会のスナップ写真とか戦場写真とかリアルを切り取るもの、社会に対して問題提起するもの、といった現代アートとしての作品であれば、比率だの視線誘導線だの構図のセオリーのようなものはあまり関係ないということです。

どれが良いとか悪いではなく被写体や景色に見合ったものを選ぶ、またはその人(写真家という表現者)のスタイルや追っているテーマで決まるものです。写真をこれから始めるぞ!と決意したビギナーの方にとって、1の複雑タイプは難し過ぎますし3のドキュメンタリー云々は絶対無いと思います。

ばかにできない三分割構図

写真ビギナーの方が最初に構図を意識するのに最も優しいのは2つ目の1つの手法でシンプルに魅せるタイプです。代表的なものは上のような三分割構図です。三分割構図は神秘的な比率に基づく実に古典的かつ良くできた手法です。縦横に3等分されたグリッド線に合わせて被写体を置く手法ですね。

三分割構図はあまりにも有名な構図なのでバカにしている人もおられるかもしれません。しかし本当に三分割構図を上手に使えたな、と思える写真を撮った人は少数ではないでしょうか。使い方は境界線などを線に合わせる、被写体の位置などを交点に合わせる、グリッドの面を使う、そしてこれらを複数組み合わせる、日の丸構図などとハイブリッドさせる…などなど色々あります。上の例では水平線を下の横線に合わせ、ライダーの位置を右下の交点に、表情のある雲は左上の2マスに合わせています。

いかがですか?三分割構図は知っていたけど1ポイントしか意識していなかった…という方には目からウロコかもしれませんね。

 




自分で考えた構図

三分割構図や日の丸構図などの有名な構図は先人が作ってくれた実績のある堅実な表現手法です。それとは別に自分で考えて新たな構図をあみ出してもOKです。上の例は木の幹が効果的に配置されるよう作った構図ですが、鍵盤楽器のようなリズムを感じるユニークなものとしました。

このように他者の情報をたよらず自分のアイデアだけで生み出した構図は出来あがった瞬間は実に愉快です。写真を長く続ける上で楽しさは重要です。真面目に正解探しのようにやっていると楽しさを見失ってしまうので、好奇心や遊び心で挑戦してみてください。

最初はシンプルな背景を探そう

写真ビギナーの方にお勧めなのはシンプルな背景となる場所を探し、バイクと背景だけとなるシーンを作る事です。上の作例のように景色の開けた海岸、あとは倉庫のような場所でよく見かけるシチュエーションです。

例えばバイク、ライダー、電車、船、花、岩、木、海、何かのオブジェ…被写体の数が増えるほど、作品の主題へ導くための作業量は膨大となり、何もせずに惰性的にシャッターを切れば秩序なき画像の出来あがりとなってしまいます。

構図を組み立てるにはその風景が二次元の画となったときに、その様子がどのように線形となるか?が事前にイメージできる感覚が先決です。背景の中にバイクだけであればバイクをどの位置にどのくらいの大きさとして置くか?だけに集中すれば簡単ですよね。

知られざる日の丸構図の強さ

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

構図は目の前の被写体や情景が写真という二次元の画になったとき、その様子が線形となって作品の主題へ導くために機能するもの。と最初に書きました。この作品では湖越しに富士山を望むキャンプサイト、それが夕刻の光に照らされる様子を主題としたものです。富士山、湖、テント+寝袋(キャンプであることの説明)、R1200GS、チェアに座るライダーと複数の被写体がある訳ですが、それぞれが主題へ導くための案内図のように機能させるよう意識しています。

複数の被写体が存在するシーンの場合、作品の主題(うったえたい一つのこと)がボヤけてしまいがちです。しかしそんな他者の要素に負けることなく「主題はこれです!ドーン!!」という絶対的な力があるのが日の丸構図です。富士山を日の丸構図に配置したことで見る人の全てに富士山の魅力をうったえる一枚に仕上げました。

ちなみにこの写真はテントのフライシートを利用して窓枠構図も取り入れ、テントインナーは富士山の裾をトレースさせています。加えて湖面のハイライトはR1200GSと重なるようにバイクの置き場所を調整…。自分では「芸が細かい構図」と呼んでいます。

 




 

いかがでしたか?構図ってまるで最初に覚えるべき写真の基本みたいに言われていますが、けっこう難しいそうだな…と感じられた方も多いと思います。実際、良くできた構図なんて本当に難しいと思います。だから急に構図が上手くなるということはなく、経験を積んで習得していくことなので構図がうまくいかなくても悩む必要はありません。

たくさんの写真(失敗も含む)を撮っていく過程で感覚として身に付いていく部分が多いです。ピアノやゴルフが上達するにはどうしたらよいか?たくさん練習するのが一番ですよね。まずは失敗でもいいので構図を意識してたくさんの写真を撮ってみましょう。そして楽しむために遊び心をお忘れなく。

次回以降は構図以外の手法でもビギナーの方が「おおっよく撮れたぞ」と思える写真が撮れるよう簡単な魅せ方をご紹介していきたいと思います。

 

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ツーリング写真の魅せ方シリーズ☆第3回<シャッター速度で魅せる>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今日から9月ですが秋のツーリングの予定は立てられましたか?ツーリング先で素敵なバイク写真を撮るのが楽しみな季節ですね。紅葉で色づく山々やウロコ雲の広がる夕空など、想像するだけで心躍りますね。

さて前回まででツーリング写真の魅せ方シリーズを解説してきましたが、第1回が露出で魅せる、第2回が被写界深度で魅せる、ときたので3回目の今回は<シャッター速度で魅せる>を書いてみたいと思います。

写真ビギナーの方にとって露出、絞り、シャッター速度…これらカメラ用語でよく出てくるワードがやたら難解に聞こえるものです。それが何なのかは世にあるHowto本やネットにも情報は溢れていますが、いざ自分が撮る写真に応用できない人は多いと思います。

究極のツーリング写真ではバイク写真、ツーリング写真の作例を使ってどのようなシーンでその撮り方を使うのか?を具体的に解説しております。

・スローシャッター

EOS6D Mark2

シャッター速度は露出でつまずいているビギナーにとって絞りに比べれば優しい内容だと思います。その名の通り「シャッターが開いていた時間」のことでシャッターボタンを押したときのカシャという音でもその時間を感じとることができます。

普通はカシャっという音が聞こえてきますがシャッター速度を遅く設定するとカ・・・シャとなります。もしカメラを手持ちで撮ったのであればブレブレの写真の出来あがり…誰でもそんな経験があると思います。

絞りの時も同じように説明しましたが露出の観点(出来上がる写真の明るさ)ではシャッター速度が早ければ暗い写真、遅ければ明るい写真となります。先ほどのカ・・・シャ→ブレブレ写真の完成、は暗い場所で露出をカメラに任せた結果、または深い被写界深度を求めて絞り込んだ場合などによく起こることです。

実際の撮影シーンでシャッター速度を意識するシーンとは作品に時間、動き、スピード感を与えたい時です。例えばスローシャッターに設定すれば上の作例のように景色は流れてスピード感が表現されているのがお分かりいただけると思います。

この写真のシーンをもしシャッター速度を意識しないで平凡な設定で撮れば、ここまで「駆け抜けている感」は表現されません。事前に緑の森を疾風のごとき駆け抜けるイメージを描いた結果、スローシャッターを選択したのですね。




・流し撮りについて

シャッター速度 1/15

スポーツシーンや走り去るオートバイを撮るときなどに「流し撮り」と呼ばれる表現手法があります。シャッター速度を遅く設定し、カメラは動く被写体を追従しながら連写モードなどで撮る方法です。

よく写真テクニックという言葉を耳にしますが私は個人的に写真テクニックという言い方が好きではありません。しかし流し撮りについては写真テクニックという言い方が相応しいなと思えます。それくらい技能的な手法であり事前に練習を重ねて習得しておかないと成功は難しいです。

・高速シャッター

EOS6D mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG C

これは先ほどの作例とは逆に早いシャッター速度で撮った写真です。岩に砕ける波の飛沫が一粒一粒の玉となってその刹那を捉えました。シャッター速度で魅せるやり方はスピード感を与える一方で「瞬間」を表現することもできます。

ここでワンポイント。上で紹介したような作例による解説は世に溢れているので既にご存知の方も多いと思います。大切なことは被写体の特徴をうけて認識したことを表現手法に結び付ける発想力です。この場合は岩に砕ける波の飛沫をよく注視し「あの様子を高速でシャッターでとらえたら、きっとユニークなものができるぞ」と思ったので高速シャッターで撮りました。結果、飛沫はまるでドラゴンか鶴のような姿となり本当にユニークな写真が撮れたなと自分では思っております。

ちなみにこの写真はバイク、波の飛沫、遠景の船と3レイヤーの構成で被写界深度も意識しなければいけなかったので、ピントピーク位置を波の場所を含めた少々奥にマニュアルフォーカスで合わせています。ほぼ無限遠ですけどね。




・エキサイティングな設定とブレについて

RICOH GR APS-C シャッター速度 1/8

ブレ写真といえば誰でも失敗写真をイメージすると思います。ブレにはカメラブレと被写体ブレの2つがあって詳しくはまた別の機会に書いてみたいと思います。ここではシャッター速度とブレは関係しているので少しだけ触れておきます。

シャッター速度が遅くなると手ブレ写真になるリスクが高まることは既にご存知の方も多いと思います。失敗写真となるブレを防ぐには三脚を使用する、ISO感度を上げる、絞りを開いてシャッター速度を落とさない…などがあります。一般的にブレたら失敗写真…とされていますが、決めつけてしまうと表現の幅に制限が出てしまうので気を付けましょう。

上の作品では大胆に流した風景の中に疾走するカワサキW650。その様子はまるで風景の中に吸い込まれるような表現としています。ここで注目していただきたいポイントは縦にカメラブレしていることです。本来であればブレてほしくないW650、私のバイクのテール部分ですが、これに縦ブレが入ったことで作品に一気に緊張感が加わりました。

このようにカメラブレが必ずしもダメな訳ではなく、時として演出に役立つ場合もあるものです。ルールのようなものに縛られるのではなく柔軟にとらえましょう。




それとシャッター速度の話と少々脱線しますが、この作品は1/8と大胆すぎるほどのスローシャッターに設定しました。普通、このくらいのシーンなら1/40だろうとかベテランほど数値を思い浮かべますが、それって平凡写真を生んでしまう要因のひとつでもあります。簡単にいってしまうとアホみたいな設定も試してみようぜ!と言うことです。

自分で考える、自分独自の発想、自分が好きなようにやる…これが写真って本当に楽しいなと思えるポイントです。だから皆さまもセオリーに縛られずエキサイティングな設定を試してみてくださいね。この楽しさを一度でも味わえば誰かが撮った写真の撮影データを知りたがっていたのが馬鹿らしく思えてきますよ。

ツーリング写真の魅せ方シリーズ、まだまだ続きます。

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