ツーリング写真家が実践している7つのプロセス<中編>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、気が付くともう1月も終わってしまいますね。暖冬とはいえバイクにはまだまだ寒いですが、早くバイクの季節がくるといいですね。

さて前回よりバイク写真家が実践している7つのプロセスとして、ツーリング写真に関わる総合的なことを書いております。今回はその続きでございます。

・前回の投稿ツーリング写真家7つのプロセス 1~3はこちら

4.リストからのsearch&choice

写真は撮り方が大事…と多くの方がご存じだと思います。しかし撮り方は確かに大事ですが最重要ではなく、あくまで今回ご紹介するプロセスの中の1つに過ぎません。撮り方の引き出しはベテランほど豊富に在庫しているものです。その中からいま目の前にある情景や被写体に対して、自分が感動したことを魅力的に表現する手段として自身の「撮り方の引き出し在庫リスト」からsearch(検索)をかけてchoice(選択)するのです。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

撮り方の引き出しは例えば三分割構図で撮るとか、絞りを解放して背景をボカすといったものが一般的に知られていますが、そういったメジャーなものに限らずマニアックな手法からオーバーヘッドキックのような飛び道具的な引き出しまで、豊富なバリエーションで持っておくのがおススメです。引き出しの数は2つ3つでは全く話にならず100でも1000でも多ければ多いほど作品の可能性は広がると思います。

そして豊富な「撮り方の引き出しリスト」から目の前にある情景や被写体に対して、どれをchoice(選択)するかが重要な見せどころであり、貴方らしさを発揮するポイントでもあります。choiceは2.のReal side分析から得た素材情報を元に使えそうな撮り方をリストから見つけます。それは被写体の特徴であったり線や色などのデザイン要素、光の様子といったことからヒントを得ます。

上の作品では南房総にこの時期に咲く頼朝桜(河津桜)のツーリングシーンですが、全体を桜の花で埋め尽くす構図を作り頼朝桜のピンク色を印象付けました。そしてわずかな隙間にR1200GS-ADVENTUREを配置する「のぞき窓構図」を採用しました。そして近景になる桜の様子がある程度明らかに表現できるよう絞りをF18まで絞り込みました。私の撮り方の引き出しリストを検索した結果・埋め尽くす構図・のぞき窓構図・近景から深い深度で魅せる などがヒットしてそれをchoiceしたのです。




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

もう1つ作例をご紹介します。この作品は富士五湖の1つである精進湖で撮った1枚です。太陽を画面内に入れてしまう強烈な逆光のツーリング写真です。

このとき私は道路という限られた撮影スペースでいかに富士山を望む精進湖の雰囲気を表現しようか模索しました。Factorの解明、Real side分析、Heart sideを感じ取るプロセスで富士山や精進湖といった固有の被写体がどうこうではなく、この強烈な光が存在する空間に心が動かされたのだと思いました。そこで撮り方の引き出しリストに検索をかけて、そのイメージにぴったり合うものがないか探しました。

強烈な光が心に突き刺さったツーリングシーンなのですから、光が記憶に残った記憶色風景を演出してみようと思いつきました。記憶色風景であれば抽象的な表現の1つとしてレンズフレア、ゴーストを使ってみようとなったのです。逆光時に発生する光学的なレンズゴーストは一般には嫌われる傾向ですが、私は好きなので積極的に使うことが多いです。八角形のゴーストがR1200GS-ADVENTUREに向かって光の宝石を散りばめるように…あるいはキラキラと注ぎ込まれるようにカメラアングルを探ってみました。

これは事前に撮り方の引き出しリストの中に「ゴーストを被写体に散りばめるの術」を持っていたからに他なりません。忍法みたいですが分かりやすく言うとそうです。

撮り方はある種の演出なので賛否あるものです。中にはそういった手法はあえて使わない写真家や撮り方を感じさせない巧妙な構造の写真を好む写真家もいます。ドキュメンタリータッチなナチュラル写真を撮るベテランは星の数ほど持っている引き出しリストから「1つも使わない」をchoiceしているのです。




5.uniqueさをプラスオン

ここまでのプロセスで試し撮りをした画像を確認し次のように自問してみましょう。本当にこれでいいか?普通すぎやしないか?意外性、驚き、おもしろさ、珍しさなど最後のひとひねりを加えることはできないだろうか?と。

RICOH GR

美しい景色を撮るべきだ!とかカッコいい写真を撮らねばいけない!と執着心のようなものがあると柔軟な発想は出てこないものです。ユニークさはいつも楽しんでいる心から生まれるものでツーリングを、写真を撮ることを、心から楽しむことを忘れずにいましょう。

ユニークな被写体を見つけたら擬人化してみて「ここで何をしているんだい?」と話しかけてみたり、カメラを持って遊んでいる自分の影を撮ってみたりアイデアは無限大です。いつも美しい景色やカッコいいバイク写真ばかりを求めていた自分が馬鹿らしく感じるほど楽しいですよ。




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

そんなユニークな発想力を日常的に鍛えていれば、ある日突然としてツーリング写真の中にユニークをブレンドして目からウロコの写真を撮ってしまうものです。それはかつて誰も撮ったことのないような写真を斬新な表現として誕生させます。

さらに愉快なのはそんな写真を撮ってしまった”未知の自分”の発見です。自分で撮っておきながら「なんだこの写真!」と笑いがこみあげてくるでしょう。そうなると発想力はさらに柔軟になりuniqueとinspirationの無限ループは成立します。

inspiration、つまりひらめきとは考え抜いても気張っても出てくるものではありません。IPS細胞の研究で有名な京都大学の山中教授も「ひらめきは脳のリラックス状態から生まれる」と言っていました。まずは撮影地で少し散歩するような気分で歩き回ってみましょう。奇想天外な何かを授かるかもしれませんよ。

それをキャッチしたら作品にプラスオンするのみです!

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次回、ツーリング写真家の撮影現場7つのプロセスの最終回でございます。お楽しみに!!

永久保存版☆ツーリング写真家が作品を生み出す7つのプロセス<前編>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、皆さまはSNSなどのコミュニティーでいい写真を撮る人、この人が撮る写真が好きだ、という方に「お会いしてみたいな」と思ったことはありませんか?

以前に写真はセンスよりも人柄で撮りましょう…という記事を書いたことがあります。写真に限った話ではありませんが多くの芸術はその作品に惹かれるだけに留まらず作者はどんな人なのだろう?と思いを抱くものですよね。ラジオでかかった曲が「この曲いいな!好きだなこうゆうの」と思えばどんな歌手か気になりますよね?

私もよくFacebookやInstagramで私が大好きな感じの写真を撮る人に「いちどお会いしてみたいものだな」と思う時があります。写真って自分という人間の発表であり、見る人へのメッセージやプレゼントのようなものだな…なんて最近考えます。写真を見る側として「こんな素敵な写真を見せてくれて元気や勇気をもらったな」と作者へ感謝の気持ちを抱くのはごく自然なことだと思います。

そして私のような者でもたまにSNS等で「いちどお会いしたいです」「どこかでご一緒に走りましょう」と言っていただけるのですが、それが本当に嬉しいです。これからもそんな風に言って頂けるような写真活動をしていきたいですね。




EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

さて今回はツーリング写真解説に関わる総合的なお話としてバイク写真、ツーリング写真の「作品」が誕生するまでのプロセスを7つの項目でご紹介してみたいと思います。当ブログをこの投稿で初めて訪れた方が驚かれないよう最初に書いておきますが、バイクでツーリングに行ったついでにせっかくだから記念写真を…という方向けの内容ではありません。ツーリングと写真が融合した写真芸術の魅力に憑りつかれ、ツーリングに行く時は必ずカメラを持って出かける熱いpassionを持ったツーリング写真家(またはそれを目指す人、憧れている人)向けの内容でございます。

1.Factor(理由)の解明

Factorの解明とはツーリング写真のクリエイティブタイムで最も初期段階で行う謎解きのプロセスです。風光明媚な海岸線でも、美しい光が差し込む林道でも、素朴な漁村でも、貴方がバイクを走らせて日常の雑念から解放されている時、旅人として写真家としてのセンサーが何かに反応を示します。「おっ、この辺に何かあるな」「あの小径の先が私を呼んでいるわ」といった具合に、センサーに従順になり少しの勇気と冒険心があれば撮影地を発見するはずです。

しかし!ここだ、と思ってバイクを停めてもすぐには撮り始めることは出来ません。まずはFactor(理由)を探しましょう。写真を撮りたいと思った理由とは多くの場合で最初は見えにくく具体性がないものです。

キーを左に回し愛機のエンジンを停止させれば辺り一帯は静寂に包まれます。まずはここでなぜここで写真を撮ろうと思ったのか?なぜここが良いと思ったのか?をしっかりと説明できるよう明らかにしておきましょう。これをやらないと次のプロセスで具体的な作業に落とし込めないのです。

まず最初に言葉で説明できるのは「ここイイ感じだから」です。ここが謎解きのスタート地点。そして目の前に景色や被写体をよく見て走りぬいてきたライダーの鼓動を落ち着かせる意味で深呼吸でもしてみましょう。見るだけでなく空気の香り、草が風でゆらぐ音、肌に感じる空気など五感をフル動員します。

心が落ち着いて静寂した空間に馴染んでくると、当初は見えなかったものが見えてきます。湖がいいと思ったんだけど実は空を写し込んだ湖がキレイだったんだな、緑の木々がいいと思ったんだけど一番の魅力は差し込む光だったんだな、桜が満開で心が高揚していたが実は幹が堂々としていたんだな、といった具合です。

上の作品では遠景に見える十勝岳連峰を撮ろうと当初は思ったのですが、Factorの解明の結果、大空の空間に何か惹かれて自分はここでR1200GSを停めたのだと確信しました。

このように1つのFactorを決めたら小さな声で言葉にしてみましょう。




2.Real side分析

Real Side分析に欠かせない重要アイテムは写真家眼です。写真家眼は被写体の特徴や細かな部分まで逃さず分析する感性の眼です。そして目の前の空間がいまどのようになっているのか?工事現場で言う測量のような仕事もします。写真家眼は豊富な経験によって養われていくもので決して視力のことではありません。

被写体の大きさ、位置関係、遠景と近景の確認、色や図形といったデザイン要素を見つける、そして重要なのが光と影の様子を把握することです。

7つのステップの中で最も退屈な作業と言えるかもしれませんが、これをしっかりやらないと基礎工事の無い建物を作ってしまうのです。それに写真を撮る上で重要なある決め事を決定付けることができません。それは焦点距離の選択です。

EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

この作例では遠景となる利尻富士とR1200GSのある場所までの距離を考慮しその結果として望遠レンズを選択しました。近景として赤い船を置いたこと、デザイン要素として船体の赤とロープの黄色を意識したこと、そして利尻富士の峰が雲に覆われる直前のタイミングである事に気が付いたことです。

出来あがった写真を見れば誰でも分かることですが、いざ撮影地で目の前の光景からこれらの特徴や空間構造を洗い出すのは簡単なことではありません。写真家眼、審美眼を鍛え上げた人だから見えること、確認できることなのですね。

Real side分析は街中のスナップ写真のようにアッと思った瞬間にパッと撮る写真や、ドキュメンタリータッチな表現では必ずしも重要ではありません。しかしビギナーの方は時間をかけて習得しておきたいのが写真家眼、または審美眼です。

Real(現実の様子)Side分析は写真の測量と材料収集と覚えてくださいね。

3.Heart sideを感じ取る

Heart sideを感じ取るのに欠かせないのは写真家の豊かな感受性、感性です。よく見かけるような普通の夕陽でもジーンと感動してしまう繊細なheart、雑草のお花に「わあ、可愛いお花!」と無邪気に喜んでしまう人、そうゆう人でないと撮れない写真があるものです。

宗谷丘陵 白い貝殻の道

感受性は誰でも幼いころは豊かだったはずですが、時と共に世の中の雑踏ですり減って輝きを失うのでしょうか?感度を落とさないと傷つくことばかりだから自己防御で鈍感にしてしまったのでしょうか?それはそれで仕方のない事かもしれませんが、少なくとも写真を撮るときは幼い子供のように小さな事でも声に出して、表情にして感動するよう、自分の心に働きかけてみましょう。

恥ずかしいですか?お気持ちは分かりますが残念ながら恥ずかしくて無理!という事ですと憧れの一枚は永久に叶わないと思います。




逆にこう考えてもいいと思います。写真をライフワークとして生きていくことで失いかけた感受性を取り戻してみましょう。写真にはそんな素敵な力があると思います。もしどうしても難しいようでしたらロマンチストという事でもいいと思います。

この作品では宗谷丘陵の白い貝殻の道に夕陽が当たってキラキラと輝いていました。あまりの美しさに心打たれ危うく心の何かが崩壊しそうでしたが、感動が大きすぎる場合はある程度はコントロールしないといけません。感情が押しつぶされてしまえば冷静にカメラも操作できないですからね。これは写真家の悲しい運命です。

そしてオススメの手法は感動したことを小説や詩に出てくるような日常ではあまり使わない言葉で形容してみましょう。上の作品では「夕陽の光が貝殻の道に宝石を散りばめていた」といった具合です。そしてこれを次のステップで作品に埋め込むのです。宝石を散りばめたように写すにはどうしたら良いのか?と。

1枚の写真の中に作者の感動したことをメッセージとして埋め込むこのプロセスは今回ご紹介する7つのプロセスの中で最重要であると断言できます。けっこう見かけるのが構図やら露出やら撮り方は上手なのですが作者の感動が入っていない空っぽの写真です。

そういった写真にならないよう感受性、感性を意識して何にでも純粋に感動できる心を育みましょう。

ちょっと長くなってしまったので続きはまた明日の投稿で!!!

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企業秘密☆どこにも書いていない三分割構図の応用例

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は久しぶりに秘密シリーズとして、このブログを見た読者の方以外には他言無用の写真ノウハウをいってみたいと思います。といっても大した内容ではありません。誰でも知っているアレです…「三分割構図」でございます。

三分割構図は写真に限らず絵画や彫刻など多くの芸術分野で使われている比率の基本ですよね。比率は芸術に限らず建築やデザインやロゴなどにも多く使われ黄金比や白銀比(別名大和比)などが存在します。そういった比率の中でオーソドックスに1:1:1を元に画面を縦横に三等分にグリッド線をひいたものが三分割構図なのは皆さま既にご存知ですよね?

少々話が脱線しますが奇数とは不思議な魅力を秘めているもので、3分割構図、3等分、3つ(あるいは5つ)の主役といった具合であれば歓迎されるのですが、これが2等分構図とか主役が2つある写真となると、たちまち美的バランスが崩壊し、特別な意図なくこのような構造の写真を生み出すと駄作に陥るものです。

「いやぁ~三分割構図?今さら勘弁してよ、初心者じゃないし」…という貴方。本当に大丈夫でしょうか???

こんな構図だけが三分割構図の全てだと思っていませんか??




SNSやブログで他の方が撮った多くのツーリング写真、バイク写真を拝見しますが「これは三分割構図を巧みに使った構図だな」とうなるような作品は意外と見かけないものです。これは何故でしょう?

三分割構図は誰でも知っている基礎的なこと故に「もう教わったからできている」という出来てるつもりになってしまうのが落とし穴です。今回は三分割構図の応用的な使い方とその効果などについて、いつも通りツーリング写真の作例で解説してみたいと思いますので、これを機会にもう一度三分割構図の良さを見直してみましょう。

1.線で使う

まずはオーソドックスに三分割線に水平線や建物の境界など線の要素を合わせたやり方です。きっと多くの方が想像する三分割構図の撮り方とはコレではないでしょうか?

三分割構図を意識する際に線などにぴったり精度よく合わせるのが正しいと思い込んでいる人も多いようですが、必ずしもぴったりにする必要はありません。上の作品でも地平線部分が少し線からズレているのがお分かり頂けると思います。

後述する交点でも同様ですが合わせる部分は被写体そのものではなく被写体の魅力的な部分、あるいはボリューム感のある部分などに合わせます。上の作品の場合は左側へ存在する山の線と右側に存在する日向となる部分の境界線を吟味し、これらのボリューム感を総合的にみて感覚的にこの位置で撮っています。

以前も似たような話を書きましたが撮影時に考え込んで精度よくやる必要はありません。自分の感覚を信じて「しっくりくる」三分割でいいのです。写真とは計測するのではなくいつでも自分の感覚を信じることです。

2.交点で使う

これも多くの方が思い描く三分割構図の使い方ではないでしょうか。グリッド線の交わる交点にバイクやライダーといった被写体を置くやり方ですね。

多くのカメラにはファインダー(またはモニター)に三分割グリッド線を表示する機能が付いているものです。ビギナーの方はまずはこの機能を使って三分割構図を交点を使って練習してみましょう。慣れてくるとグリッド線を表示しなくても脳内に描いた「こう撮りたい」という写真イメージの時点で三分割構図が作れるようになります。

上の写真のようにツーリング写真としてはしっかりとバイクの存在を見せる撮り方の場合、交点の位置は安定のでるポイント、重心であろう位置に決めてみましょう。この場合はF650GSダカールのクランクケースに合わせています。これが人物であれば瞳(できれば左目)、山の風景であれば頂だったりします。

3.面で使う

意外と知られていないのがマス単位で使うやり方です。この作例ではフレームカットしたR1200GSを右下の面に合わせてみました。私のストレージを探しても見当たらなかったのですが、このマス面を中央に配置した日の丸三分割構図もお勧めです。後述でこれに似たことをご紹介しますが、ここではあくまで面単位で使う場合の話です。三分割線の中央の面を使えば主題を強調し、作品の意図を明確化できる安定三分割構図が作れると思います。




4.複合させて使う

1から3でご紹介したような使い方を複数あわせて使う方法です。巧妙にこれを完成させるには知恵の輪やルービックキューブを攻略するように、目の前の被写体や情景のあらゆる要素を組み上げては崩してを繰り返して完成させます。

上の作例では船の船体、船のマスト、R1200GSを止めているコンクリの堤防の3辺で線の部分に合わせています。加えてR1200GSの場所は左上の交点にぴったり合わせているのがお分かり頂けると思います。

複合的に魅せる三分割構図の効果は写真を見る側に「おっ三分割構図だな」と気が付かせない、写真の構造を隠した巧妙な構図が完成することです。例えば1.の写真のようにシンプルに地平線と空の境界だと、恐らく見た人の多くが三分割構図であると認識すると思います。

いい写真とは見た人が専門家でない限り、極力は構造を感じさせないのがベターだと思うのです。どのような手法で撮ったか?を連想させるのは重要な作品の意図、主題をボヤけさせてしまうでしょう。複合的に見せるこの方法はあからさま三分割構図を回避できるのです。

5.貫通ポイントで使う

よく写真の「この撮り方はダメですよ」と言われるタブー構図に串刺し構図というのがありますね。バイク関係のSNSなどで見かけるのは道路標識などの前にバイクを停めてパチリと撮った1枚。標識の縦のパイプがバイクのド真ん中を貫いているような写真です。それはさすがにダメですが、一概に貫通や串刺しを敬遠するのもどうかと思います。

上の作例は小舟の船首に舫を固定する杭がありますが、杭はクギ型であるのも手伝ってデザイン上では船に突き刺さっているように見えます。こういった「突き刺さっている感」は印象として強烈です。この刺さっているポイントを利用しない手はない…というのが私の個人的な考えですが。

とにかく突き刺さっていると感じたデザインを発見したら、そのポイントを三分割線の交点に配置してみましょう。

6.日の丸とのハイブリッド

これも複合的な見せ方ですが三分割構図の中に日の丸構図を入れて安定を狙った構図です。左右の木立と横たわるカヤックで三分割線で囲い、主題となるバイク、テント、タープといったキャンプシーンのアイテムを小さく一か所、つまり中央のマス目内に集めました。さらに黄色で囲んだ木を日の丸構図として配置することで、画面の中央へ視線を吸い込む効果を期待したものです。

ちなみにこの構図、いま偉そうに解説に使っていますが実のところ撮影の時点では三分割と日の丸構図のハイブリッドいこう!なんて考えもしないで撮っていました。つまり意識して撮っていません。無意識にこうしたのか、ただの偶然なのかは撮った私でも分かりませんが、私は最近になってこのような無意識と偶然を彷徨う曖昧さに何か惹かれるものを感じます。

おっと…また話がマニアックな方向に飛躍するのでやめておきましょう。マニアックな話はまた別の機会に書きます。




いかがでしたか?誰でも知っている構図の基本、三分割構図ですが私が説明できる応用例だけでもコレだけあるものです。もちろんこの他にも三分割構図の応用はまだまだあると思います。

写真に限ったことではありませんがキャリアを積むうえで、どこかのポイントで基礎を見直すって大事なことですよね。

今回はこの辺で!!!

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上級者がスランプに陥ったときの脱出方法

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、お正月の運動不足、食べ過ぎでダラけていませんか?私は元旦から仕事ではありましたが、お酒や食べ物はつい気がゆるんで普段よりも不摂生してしまいました。

年末は連休をいただいたので2019年の最後のキャンプツーリングを2泊で楽しんできました。しかし真冬だというのにキャンプ場はファミリーやその他のカーキャンパーで溢れかえっていてガードマンまで出動するというカオスでした。その昔、真冬にキャンプなんて変人扱いされたものですが、時代は変わりましたね…。

さて今回は少々大げさなタイトルですが写真キャリアを積んだベテランであれば誰もが通過点となる、写真に関わるお悩み「スランプ」の脱出方法について偉そうに書いてみたいと思います。

RICOH GR APS-C

カメラやレンズの使い方、構図や露出などの撮り方、被写体への理解、そして数々の失敗作と成功作。これら写真に関わるあらゆることを経験してきたベテランが、最初に当たる壁は表現やスタイルの問題ではないでしょうか?

万人に受ける写真が良しとされるのか?分かる人にだけ分かってもらえる写真が良いのか?

美しい、驚きといったインパクト系の写真が良いのか?地味でも伝えたい事がきちんと写っている写真が良いのか?




表現の世界であるからには見てくれる人の存在があって成り立つ訳ですから、見る側を全く無視するのは出来ませんよね?しかしあまり意識しすぎると個性が消えてしまい上手なだけの記録写真になってしまいます。そしてそういった写真は既に他の誰かが撮っているものです。

上の写真はいつも通りの私の大好きな撮影シーン、ツーリング先での漁港です。毎度、すごく地味な写真でこのような写真を見ても喜んでもらえる人は稀なのは、何より私自身が理解しています。故にこういった写真が大好き!という人に巡り合ってしまうと怖いぐらいに意気投合してしまうのですが、それはそれで嬉しいものです。

この写真をSNSで投稿しても「いいね」もコメントも少ないです。もちろんコンテストに応募しても入選は難しいでしょう。しかし全く気にしません。好きなものを好きなように撮るのが最高に楽しいからです。反応が薄いのは正直に言えば少し寂しいですが、SNSやコンテストが何なのか?を考えれば簡単です。SNSは近況報告やコミュニティーを楽しむもの、一部の人は承認欲求を満たすもの。コンテストは他者との比較によるコンペです。主催サイドの意向に合致している作品であるか審査し優越を付けるのがコンテストです。

私がSNSの反応を気にしていないのは写真を通して承認欲求を満たそうとはしていないからです。承認欲求とは他者に自分は立派であると認めてもらいたい欲望のことです。簡単に言ってしまえば「どうだ俺、写真うまいだろう~、俺のカメラ凄いだろう~」という見栄や自慢という事ですね。

RICOH GR APS-C




もっと「いいね」をもらいたい、コンテストで入賞したい、もっと人々を驚かせてみたい、こういった欲求は決して悪い事ではありませんが、これに支配されてしまうと自分の撮りたい「好きなものを好きなように撮る」を見失って、たちまち写真を撮る楽しさが消えてしまいます。

楽しさが消えると連鎖反応であらゆる大切なものも消えていきます。楽しんでいないと出会えない、楽しんでいないと気が付かない、楽しんでいないと表現できない。他にもたくさんあります。結果、いい写真など撮れず最終的にpassionも消えてしまいます。昔、ある先人が人生における効率で最も非効率なのは悩むことで、最も効率が良いのは楽しむことと言っていました。

ここまで書けばもうお分かり頂けたかと思います。スランプはいつも楽しめていない時、人の目を過剰に気にしているとき、欲求や得体の知れない何かに支配されているときなのです。

「あ…私そうかも…」と気が付いた貴方はすぐに軌道修正に取り掛かりましょう。好きなものを好きなように撮って、これが私流、俺スタイル、とにかく私の場合はこうです!という自分の主張をこれでもか!と盛り込んでみましょう。上級者なら他人のコピーなどやめてインスピレーションを信じて独自の表現を貫いてみましょうね。それはSNSで発表しても「いいね」は少ないかもしれませんが素晴らしいことです。

リコーGR APS-C

「でもそれって自己満足の押し売りじゃない?」という疑問も出てくると思います。いいえ違います。確かに写真をはじめたばかりのビギナーの頃は、写真は人に見てもらう表現の世界なのだから、自己満足ではいけませんよ…と教わった記憶がありますね。もちろん正しいことですが、ここで言う自己満足とはただ撮ったという中身のない画像を他人へ見せるのはやめましょう、という意味で今回の解説でいう「自分の大好きを好きなように撮る」とは本質的に異なります。




大丈夫です…あなたが本当にツーリングを愛しているのなら難しいことに悩まなくてもきっと撮れます。

ツーリングで出会うものをキャッチする受け皿になる感じです。「いい写真を撮ってやるぞ」というハンターにならないよう気を付けましょう。

以前も書いたことがありましたがインスピレーションを生み出すのはいつもリラックス状態です。楽しい、落ち着く、のんびりと…といった穏やかな精神状態のときにインスピレーションは生まれます。もし精神状態の構築が難しいと感じるなら簡単な方法が一つあります。それはバイクを停めて写真を撮り始める前に、15分くらいで良いので撮影地を歩いてまわってみましょう。気楽に歩き回るだけで楽しさ、落ち着きといったリラックス状態がつくれますよ。

今回はこの辺で!!

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ツーリング写真☆レベルアップの為の7つの心得

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、当ブログは皆さまのお陰で開設から2周年をむかえ堅調に成長しております。ブログの開設当初、ネット上で検索をしてもツーリング写真やバイク写真に関わる専門サイトというのは恐らく存在していなかったと思います。

愛車をかっこよく撮るには…といったHOWTOはメーカー系や雑誌系のトピックで紹介されている場合がありますが、サイト自体がバイク写真のそれも撮り方を解説するものは、恐らく今でも究極のツーリング写真だけだと思います。

せっかく唯一無二のブログを作ったのですから、中身も変わったアプローチで作ってみようかな…そんな思いで撮り方の解説は少し変わった表現で書いております。今回もそんな変わった観点でツーリング写真、バイク写真に関わることを綴ってみたいと思います。

さて今回は自身の写真をレベルアップさせるにはどうしたら良いのか?上達して今よりもイイ写真を撮ってみたい、これって誰でも願うことですよね。しかしレベルアップを実現するのはどうするのか?なんて検索しても何処にも出てきませんね。上級者の人たちが秘密にしているのでしょうか?そんな事は決してないと思いますが。

今回は私自身の約15年にわたる写真キャリアを元にビギナーだった頃からを思い出してレベルアップとは一体どういう事なのか?を7つの心得として書いてみたいと思います。

1.関心の対象は常に自分の憧れる写真であること

ごく当たり前のことですが常に写真のことだけを考えましょう。内面で憧れをいだく自分だけの最高傑作を夢見ましょう。

日本にいると世界最先端のカメラ、レンズメーカーのお膝元なので、ついカメラ、レンズのテクノロジーの進化の声に惑わされる環境にあります。いつものようにFacebookのタイムラインを見ればリスティング広告で最新のカメラの広告があなたを狙っています。本当にそのカメラが必要な理由があれば別ですが「私は写真を愛する人間、カメラが欲しいのではない」と意志を固くもちましょうね。

自分は写真を愛する人、個人的な写真家、写真をライフワークに生きる人、そう言葉にして写真家を気取りましょう。写真家を名乗るには免許も資格も実績も不要です。写真が好き、それだけで写真家を名乗っても誰に咎められる訳でもありません。

カメラ愛好家、カメラコレクター、いつも新しいカメラが欲しい人…こういった人たちの一部は残念なことに写真をあまり撮らないので上達が望めません。

そしてもう1つ、あまり取り沙汰されない事ですが承認欲求に支配されないことも大切です。承認欲求は誰かに認めてもらいたい、写真が上手な人と思われたい、という欲求から能力以上に見栄のようなものを張ってしまうことです。これは誰でも陥りやすい魔の落とし穴です。これに支配されると写真を良く見せようと盛る方向に走ってしまい、自分が本来撮りたかった写真を完全に見失って手遅れになると後からでは修正がききません。




2.いつもカメラを持ち歩いて「写真」を身近に生きる

いつでもカメラを持ち歩いて通勤中でもバイクに乗れない休日でも「あっ」と思った情景や被写体を発見したらパッとカメラを取り出してシャッターを切れるようにしておきましょう。これが最も上達するやり方でもあり、写真の楽しさを味わう最良の手段だと思います。

ツーリングに出かけるとき、特別な記念日、新しいカメラを買ったばかり、といった時だけ写真を撮る人は、まずレベルアップしないと思います。

その為に一眼レフとは別でポケットに入るくらいのコンデジ(マニュアル露出できるもの)を用意しておくと良いかもしれません。

RICOH GR APS-C  通勤中に撮ったスナップ

3.撮る楽しさと作品が生まれる喜びを見失わない

初めて写真を撮ったあの時(覚えていないかもしれませんが)の気持ちを大切にしてみましょう。パチッとシャッターを切ったときにソレが写真になる喜びです。目の前の光景が一瞬で二次元の静止画になって、それはまるで時間がストップしたような不思議な感じ。そう、写真ってそもそも撮ること自体が楽しいんですよね。

私が幼かった頃、何かの付録にあった紙の箱でできたあぶり出しカメラのような物で遊んだ記憶があります。太陽光に何分間か当てて待っているとボンヤリと風景が出てくる…確かそんな物でした。すごくワクワクしたのを覚えています。それとポラロイドカメラの初期の物も面白かったですね。今になって考えるとポラロイドカメラはその場でプリントされる事で写真が生まれる楽しさを正にインスタントで味わえる最高に楽しいカメラでした。

今ではシャッターを切れば綺麗な画像が出来上がるのはごく当たり前のことなので、むしろそのせいで写真になる楽しさを忘れかけているかもしれません。

4.被写体とテーマを見つけたら理解を深める

テーマなんて言うと大げさなと思うかもしれませんが、大切なことは自分の好きなモノ、コトを撮りたいという欲望に従順に撮り続けることだと思います。やがて好きなモノ、コトへの理解が深まり「よしコレを追求して写真を撮っていくぞ」と決意した時が貴方のテーマが決まった瞬間です。

私の場合は「ツーリングのワンシーンを切り取る」ですが15年以上にわたってツーリング写真を撮って、私なりにバイクツーリングに対する理解を深めてきました。それは作品にも当然反映されていると思います。例えば道のあるシーンであればバイクより前に大きくスペースを作れば出発のイメージ、逆に後ろにスペースを作れば到達したぞ!というイメージの写真が出来上がります。

EOS6D mark2 + EF14mmF2.8L

このようにテーマを追求していけば、それはその専門分野の研究成果としてノウハウが蓄積されていくのです。例えばフィギュアスケートであれば演技の専門的な知識や選手の特徴などを熟知していないと、真のシャッターチャンスをものにできません。セレブポートレイト専門の写真家はモデルの個性、魅力を最大限に引き出す術を知っています。歌舞伎を撮る写真家は役者が見得を切るとき最も姿勢の美しい瞬間を逃さないそうです。

私はツーリング写真の専門としてテーマを追求し日々研究しています。自分が専門としている被写体やテーマの見識を深めていくことは写真のステップアップと密に関係していると思います。

5.感覚は気の遠くなる反復練習で養う

いま目の前にある情景、被写体が写真になったらどんな感じだろう。またはこんな風に撮りたい、こんな風に写るであろう、とシャッターを切る前に脳内に描く想像の写真を描けるようになりましょう(これ凄く大事!)。

もちろん200mmの望遠レンズならこうなるだろう、24mmの広角ならあの辺りまで背景の範囲になるだろう、といった画角の感覚も然りです。

しかし、感覚の世界ばかりは勉強していても仕方ありません。ゴルフやピアノが上達するにはどうしたら良いですか?と聞かれたら「たくさん練習してください」としか言いようがないですね。それと同様に失敗でもいいからとにかく沢山の写真を撮って感覚を養うしかありません。




6.過去に撮った作品は何度も見返して

ここだけの話ですが写真の上達で侮れない手法の1つに既に出来上がっている写真の分析というのがあります。過去に自分が撮った写真でも他の誰かが撮った写真でもいいので解説者を気取って写真のあらゆることを分析してみましょう。

秀作であればどの部分がどう良いのか、駄作であればどこをどう撮れば良かったのか、明らかな失敗写真はもちろんのこと、説明のできないような不思議な作品まで自分なりの観点で誰かに解説するように分析してみましょう。

EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

例えばこの作品の場合「船体にあるような赤があると、やはり印象的な写真になるな。望遠で圧縮されているけど遠景は青系統なので空気遠近法で補えている、やっぱり写真デザインにおける色は重要なのだな」あるいは「空の雲が流れていてちょうどバイクの位置だけが日向になった瞬間を撮った写真だ。シャッターチャンスって風景写真にもあるんだな」といった具合です。

美術館や書展とかに行って誰かの作品をああだこうだと論じるのは難しいことではないですよね。自分では描けないくせに偉そうに言う人いますよね…私ですけど。つまり出来上がったものを見てコメントするのは簡単なので、それを自身のスキルアップに使ってしまおう!という事なのです。

ただSNSなどで人の作品にコメントを入れるときは撮った人の気持ちを考えて優しさあるコメントにしましょうね。当たり前ですけど。

7.マンネリに屈しない無限ループを構築しよう

どうしても同じような写真ばかりを撮っていると変化がなくて飽きがくるのが人間というものです。同じような撮り方を追求して少しづつ洗練させていく考え方もありますが進化している手ごたえがないと面白くないものです。

そこでお勧めの方法はテーマから大きく脱線しないよう、被写体やシーンを少し変えてみることです。私の場合は「ツーリングのワンシーンを切り取る」がテーマですが、いつもいつも港や道でバイクとライダーの自撮りでは飽きてしまいます。

そこでツーリングシーンにおける愛車写真、ツーリング先で目撃した被写体、走行中にライダーが見ている風景、ヘルメット+グローブといった小物を主役に、お友達やパートナーにお願いしてライダーポートレートを、といった具合に撮ったことのない被写体やシーンにシフトすることです。

走行中のライダーの視線を表現した作品

それでもネタが尽きて一巡してしまったら再び当初に撮っていたものに回帰してみましょう。きっと以前は気が付かなかった発見があるはずです。これを繰り返していくと各々の被写体、シーンでの写真が洗練されて自分でもレベルアップが実感できるでしょう。レベルアップが実感できると楽しさ、遣り甲斐を感じるのでマンネリに陥いることはありません。この無限ループを作れれば最強なのです。




いかがでしたか?私の拙い写真キャリアから写真の上達とは一体どういうプロセスなのか?7つの心得として書いてみました。この7つの心得の中に敢えて「撮り方」については触れませんでした。多くの方が撮り方を身に付ければ上達できると思っているようですが、撮り方以外にも大切なことは沢山あるので、今回はこのように書いてみました。

本当はこんな事を書いても仕方ないよな…と分かってはいるのですが、あまりに多くの方がカメラやレンズ、撮り方や有名な撮影スポットにこだわり過ぎているように感じたので、どこにも書かれていないような写真の上達方法を私なりに書いてみました。少数でも誰かのお役に立てれば嬉しいです。

今回はこの辺で!!

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構図の上手い下手が分かれるポイントはここだ!構図の基本を徹底マスター

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、またまた大げさなタイトルを挙げてしまいましたが、久しぶりにツーリング写真の基礎的なことを書いてみたいと思いますので、特にビギナーの方はお付き合いくださいませ。

構図とは写真に詳しくない人が聞いても大切なことだなとご存じだと思います。しかし構図とは一体なんでしょうね??そもそも構図の定義を調べても明確な答えはあまり見かけません。

一般的には被写体の大きさや配置をどのように構成するか、背景との兼ね合いをどうするか、水平線などの分断線をどの位置にして比率を作るか…といった事でしょうか。

こういった構図を撮影者の意図のもとで巧みにコントロールされたか、まったく意識せずに無秩序で作ってしまったかで作品の印象は左右されるものです。




今回は構図の解説の1つとして主題を明確にするために、主題以外の被写体や要素の存在感の落とし方について作例を元に解説したいと思います。

・深度とフレーミングで魅せる

EOS1Dx + SIGMA150-600F5-6.3DG

この作品は東京湾越しに臨む冬の富士山を主題にしたものですが、他の被写体であるライダー、バイクは深度(ボケ具合)とフレーミングで存在感を落としています。

画面の枠から被写体を切り落としてしまうフレーミング、ピントを合焦させずボケ具合でコントロールする深度での調整は存在感を落とす手法として最も分かりやすいやり方です。

・露出で魅せる

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

この作品は雪を冠した美瑛岳に美しい夕陽の光が当たっている様子が主題となっています。その他の被写体であるバイク、ライダー、道などは暗くボケています。露出を美瑛岳に合わせたことで結果、バイク側が暗くなったのですが露出で主題以外の被写体の存在感を落とした構図です。

露出とは画面の全体がちょうど良くなるよう合わせることではありません。それはカメラのコンピューター(AE機能)でも出来ることです。露出は作品の主題が最も魅力的に見えるように設定するものと覚えましょう。

露出を使った表現方法を身に付けるだけで一気に写真がレベルアップするのでビギナーから早く脱したい方は露出表現を集中的にマスターしてみると良いかもしれませんね。




・導線で魅せる

EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

導線は写真のデザイン要素(色、図形、線、規則的なパターン、質感、ディティール、立体感など)でも効果の高い要素の1つです。特にS字を描く曲線は写真の観賞者がパッと見た瞬間の視線を楽しませる要素として良く機能するものです。

この作品は北海道のオロロンラインの最も隆起しているポイントを望遠レンズ撮りました。強烈な圧縮効果により実際のイメージよりも大きく隆起しているように見えます。道路の白線などから受ける直線効果と隆起による曲線の複合で魅せています。

その導線上にバイクを乗せてあげることで作品の主題を絶対的に表現しました。

・セットにして魅せる

それともう1つはこんなユニークな方法もあります。この作例の場合はバイク、ライダー、太陽と3つの被写体がありますが、これらを小さく構成して一か所にまとめてセットにするやり方です。チーズバーガー、ポテト、コーラみたいにワンセットにするとまとまり感が出てスッキリするものです。




ビギナーの方がつい撮ってしまう失敗作とは被写体A、被写体B、副題、アクセント被写体、背景、地面や空など…これら各々の存在感を意識できずに惰性的にシャッターを切ってしまった写真です。その結果、散漫な構図となってしまい主題がボヤけた平凡写真に陥るのです。

空なら空、バイクならバイク、これがこの写真の主題です、という事を心の中ではっきりと決めて、その他のものは脇役として機能するよう存在感を調整してあげましょう。これが今回ご紹介した上の4つの例です。もちろん他にもたくさん方法はありますが、特に深度やフレーミングでやる方法はベテランの常套手段なのでぜひマスターして下さいね。

今回はこの辺で!!

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写真が確実に上達する唯一の手段 毎日撮って写真好きになろう

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、この3連休はツーリングに行かれましたか?

つい先日、当ブログを読んでいただいている方に撮り方のノウハウを公開しちゃっていいの?と聞かれました。確かにノウハウは本来は秘密にするべきかもしれません。しかしバイク写真において、ツーリングの魅力やバイクに乗ることの良さを広める【ツーリング写真】を世に認知させたい…という想いで個人的なノウハウ(大したものではありませんが)を公開しております。

また、その一方で解説を作成することで私自身も勉強になっている、というのもあります。その昔、最初に就職した会社で専門的な分野において顧客相手に講習会をやってほしいと言われました。やがて、その仕事が増えて使いやすいように教科書やマニュアルを自分で作ったものです。教科書やマニュアルを自分で作ると抜けていた知識や間違った知識を見つけられて自分自身が勉強になったものでした。その時の経験で「教えるは教わる」「人に分かりやすく説明できなければ理解していないのと同じ」ということを学びました。

今は読者の皆さまがこのブログの写真解説を読んで、写真がレベルアップしてくれたら良いな…という想いと、私自身へのセルフピグマリオン効果を期待して書いております。




さて今回のツーリング写真解説では、上達するにはどうするのが良いのだろう?というざっくりとしたお話をいってみたいと思います。

上達とは大きく2つに分けて考えると1つは上手に撮れるようになること、2つ目はいい写真を目指す人になること…でしょか。前者の上手になる…はキレイに撮る事、整った構図や美しいバランスで撮る事ですが、これはビギナーから見ると憧れかもしれませんが実際には数年やれば誰でも達成できることです。ここを目標にするとキレイな写真が撮れるようになった途端「上手に撮れるようにはなったけど、何か違うな…」と感じてしまうものです。

2つ目の【いい写真を目指す人】を常に心のどこかに置いて写真を楽しみましょう。いい写真とは常に写真を見る側が主観的に決めるもので、撮る側にとっては永遠のテーマです。キレイに撮る事、上手に撮る事とは別次元であり極端に言ってしまえば下手だけどいい写真、酷い画質だけどいい写真も有りえる訳です。

EOS30D F16 1/100 ISO100

写真といえばカメラで撮るのですから、つい関心の対象がカメラやレンズにいってしまいますね。しかしカメラの知識はご自身のカメラを使いこなすことや基本的な構造や理論などを勉強したら、それ以外のことはさほど重要ではありません。

関心の対象はカメラやレンズではなく常に写真にしましょう。写真が好きな人になる。写真を撮ることの楽しさ、写真作品を生み出すアーティストのような自分の発見、写真とともに旅することで変わるツーリングスタイル、写真を見ることが好きな人…

写真に対する想いは人それぞれで自由です。記録としての写真、芸術としての写真、楽しさの追及、どれにも共通して言えるのは見る人がいてくれて自分が表現者になれることでしょうか。

しかし見る人の存在を強く意識しすぎると承認欲求が強く出てしまい良く見せよう…という見栄のような写真を生んでしまうので注意が必要です。

写真はレポートのような記録写真や旅行の記念写真を除き、人にみせて喜んでもらえるような写真を撮る場合、個人の発表となりますので少なからず恥を覚悟でやらなくてはいけません…。

自分がツーリング先で出会った風景、見つけた被写体、それらに対して個人的に感じたことを写真にしたい…これをやるために構図やら露出やらといった撮り方が存在します。しかしやり方によっては撮り方はこだわらず敢えてナチュラルに撮ったという表現方法もあります。




自分が出会ったものに感動して、それをこんな風に写真にしてみました・・ってこれって考えようによっては発表するのは恥ずかしいものです。誰かが撮った写真がインスタなどのSNSで話題になると、こぞって同じ撮影スポットに行って全く同じ構図で撮るのは恥ずかしい事ではありませんけどね。

個人の作品の発表とはそれくらい、ある程度の恥をかくことを覚悟の上でやらなくてはいけないと思います。シャイな性格の人でも写真は大胆に発表しましょうね。

CASIO エクシリム EX-10

上達の過程とは撮って失敗しての繰り返しの中で「あっそうゆうコトだったのか」という気づきを幾つも得ることです。それは被写体に対する理解であったり画角の感覚であったり、露出の概念であったりと実に様々あります。

人間は失敗からしか学ぶことが出来ないと、どこかの偉い人が言っていましたが写真については成功から学ぶことも多いです。後になって見てみたら我ながら良く撮れたな、と思える写真をたまに手に入れるものです。それは嬉しくウキウキしてしまい何度もその写真を眺めては友達や家族見せたりするはずです。

そのよく撮れたお気に入りの一枚は、上達の重要なカギとなります。その写真を撮ったときの実際の様子やその日のツーリングのことも深く記憶に刻まれるからです。




EOS6D mark2

いつも私が大切にしていることはイメージです。カメラの電源を入れる前に頭の中で描く空想の写真です。こんな風に撮りたいな、きっとこんな風に写るはずだ。というイメージです。目の前の光景は眼球という体のパーツが情景や被写体を脳に信号として送っている訳ですが、写真はこれとは異なって二次元の静止画です。

この様子をシャッターを切って写真にすると、どんな風になるか?このイメージがとても大切です。

イメージを脳内に描く想像力、構図を作る足、被写体の特徴や魅力を解明する目、いい写真を手に入れたいという情熱と行動力…そして写真が好きな人であること。これらを育むには兎にも角にも写真をたくさん撮るしかないと思います

いつも写真を撮って写真を身近に生きることで、理解を深め感覚を養うのでは…最近、そんな風に思います。

以前も書きましたがツーリングに行く時だけ、休日だけに写真を撮っているのではなく、いつでもコンデジをポケットに忍ばせて、通勤路や仕事の休憩時間なども利用し毎日、何かしらの写真を撮るようにすると、みるみる上達していきます。

皆さまもぜひ毎日スナップを撮り、写真を身近に日々を送ってみてくださいね。

今回はこの辺で!!

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イタすぎる失敗例☆ミスから学ぶ写真術 星景ツーリング写真の場合

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回の投稿でミラーレス一眼SONY α7Ⅲの広告でバイク写真がイメージカットに使われていました!という話題を書きました。いま改めてSONYのサイトを見てみましたがSONY α7Ⅲをはじめ最新のミラーレス フルサイズ一眼レフの性能は本当に素晴らしいですね。

写真を志す人であれば多くの人が高画質、高性能は喜ばしいことと思っていると思います。しかしこの部分を少し冷静に考えてみましょう。写真は画質の観点でハイクオリティになることで何が良くなるのでしょうか?写真家や写真愛好家が欲しいのはいつの世も「いい写真」という定義なき理想です。高画質といい写真は必ずしも関係しているのでしょうか?

従来の技術では無しえなかった表現が広がるから…これは間違いないですね。こんな風に撮れたらいいのにな、という憧れが技術の進歩によって実現されるのであれば、何より喜ばしいことです。そういった方は迷わず最新のカメラを購入するべきだと思います。

高画質であることは被写体の質感を高めたり、撮影時に作者が見えていなかったものまで写っていたり、まるで本物がそこに有るかのようなリアルな写真が手に入ります。ここで言うリアルとはリアリズム写真とは意味が違っていて、本物のような写真という意味です。リアリズム写真は1950年代に有名な写真家が提唱し、それに賛同した多くのアマチュアで盛んになった文化のようなものです。

まるで本物のように撮れる…という表現手段が必要か否かを考えてみましょう。写真は正解がなく自由なもので、表現の手法は無限大だと私は思います。いい写真を実現するには追い続けるテーマや被写体への知識なども関係しています。無限大にある表現手法の1つとして「本物のような」があるわけですね。多くの人にとって喜ばしいことですが、全ての人が必ず必要な事とは思えません。

もちろんカメラは高性能なほど良いですし、画質は良いに越したことはありません。しかし写真という芸術分野で考えると、技術の進歩はもう数年前に成熟期をむかえ、過度なまでの高性能を追求している時代に突入したのかな?と考えられなくもありません。

マスコミやメディアがソレで盛り上がっていると、ついソレじゃないと駄目だみたいに感じてしまいますが、写真に対する考えをしっかり持っていれば情報に振り回されることはないと思います。カメラメーカーはカスタマーのあらゆるニーズに応えシェアを伸ばす目的で新製品を開発します。しかしあなたが憧れる写真を実現できる機能が必ずしもその新製品に備わっているとは限りません。




さて今回は<中級>ツーリング写真解説として失敗談を元に人間がミスを犯すしくみ、失敗から何をどう学ぶべきかを考えてみたいと思います。

人間はミスをおかすもの。我々バイク乗りなら誰でも理解していることですよね。「俺は事故らない」とか「私はミスをしない」では想定外を想定できない、ただの浅はかな人です。

かく言う私も当ブログで偉くもないのに偉そうに写真のことを綴っている訳ですが、つい先日に何とも情けないミスをしました。

それは館山市で撮った海岸線での天の川の撮影です。

以前に当ブログでご紹介したカットは私の大好きなレンズ、超広角単焦点のEF14mmF2.8Lで撮ったのですが、この時は天の川だけを少し引き寄せて撮ってみよう!と思いEF50mmF1.8STMを試してみることにしました。

後ろにも十分に下がれるスペースがありましたし、星景をいつもいつも14mmで撮っていてはマンネリとも言えますので。しかし、かつて私は50mmという焦点距離で星空の写真など撮った経験はありませんでした。

何も考えずにいつもの露出設定である絞りは解放、シャッターは30秒、ISO感度は1000~2000くらいで試し撮りしてみました。今になって思うとミスはこの直後からです。

試し撮りした画像をモニターでプレビューしたのは覚えているのですが、チェックが甘く「これで良いな」と思ってしまったのです。本来、星景写真であれば特定の部分を拡大させてブレなどをチェックするべきでしたが、それを怠ったのです。

結果、帰宅して撮った画像をチェックしてみると天の川を大きく撮ることに成功はしているものの、全体が不明瞭でとても採用できるカットではありませんでした。

失敗の原因は極めて単純です。拡大してみるとこのように星が軌跡を描いてしまっているのです。普段、14mmという画角で撮っている分には30秒というシャッターは何とか軌跡を描かないギリギリでしたが、それよりずっと長い50mmで30秒も開けてしまうとこの通り。




これが前回に投稿しましたEF14mmF2.8Lで撮った天の川の写真です。

シャッター速度は30秒ですが拡大して見てもこの通り、星はほとんど軌跡を描かず止まっています。

長いレンズになればシャッターもあまり開けられなくなる事は理解はしていました。しかしミスをおかした上にチェックまで甘いという二重の要因で見事な失敗写真を生んだ訳です。50mmで天の川を撮るならせいぜい5~10秒が限界なのだと思います。

天の川の露出に限らず、写真をやっているとこういったミスはちょいちょい有るものです。うっかりISO感度を戻し忘れていたとか、三脚に固定しているのに手ブレ補正機能を切り忘れたとか、被写体に自分の顔が写り込んでいたとか…。

間違いを犯す原因は幾つも考えられます。思い込み、慣れ、疲労、認識不足、準備不足、どれも事前に回避できたはずの事ばかり。いつも「いい写真」に憧れをいだき傑作を手に入れたいという情熱を絶やさずにいれば抜かりなくやるべきなのに、それが出来なかったのですね。




しかし悔しい失敗は記憶にも深く刻まれます。私はこの失敗経験をもとに二度と50㎜レンズで天の川を30秒で撮ったりはしないでしょう…。

どこかの偉い人が人間は失敗からしか学べないと言っていましたが、想像力を豊かにし意識を高めていれば事前に防げることも多いと思います。これは写真に限らずバイクの運転も、長旅もキャンプも、もちろんその他の事にも言えると思います。

そのためには自分を客観的に分析し、いかにも自分がやっちゃいそうなミスがこれから始まるシチュエーションで起こりえないか予測を立てることです。私は方向音痴がひどいので林道で何度も分岐したときは「そろそろまずいな」と思って一度止まります。現在地をロストして目的地からどんどん離れてしまうという最悪の状況を回避するためです。

自分を分析して予測を立てる。これって地味に重要かもしれませんね。

今回はこの辺で!!

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ズームレンズ完全マスター☆焦点距離の感覚とイメージ力

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は久しぶりに<中級>ツーリング写真解説としてズームレンズの使い方と焦点距離、焦点距離のイメージ力について書いてみたいと思います。

といっても焦点距離とは何ぞや、といった固いことは抜きにしてズームレンズが上手に使えるようになるよう、焦点距離の感覚を養えるシンプルな解説を目指してみたいと思います。

まず<中級>ツーリング写真解説とはいえ、最初に簡単に焦点距離やズームレンズについておさらいをしてみたいと思います。焦点距離とはレンズの中心から結像点までの距離が何mmであるかを数値で表したものです。数値が変化することで風景がワイドになったり遠くの物を大きく写したりと倍率が変わります。1つのレンズで焦点距離を調整できるレンズをズームレンズといい、調整できず固定されているのが単焦点レンズです。

※この先の焦点距離の解説では35mm換算(フルサイズ)を前提に書いていきます。センサーサイズAPS-Cのカメラではおよそ1.5倍で考えて頂ければ結構です。例:35mm→52.5mm

人の目はおよそ50mmなので一般的に50mm付近を標準レンズとよび、それより数値の小さい24mmとか35mmというのはワイドに写せる広角レンズ、逆に数値の大きい135mmとか200mmが望遠ということです。

☆ここでワンポイント☆人の目はおよそ50mmで固定なので、例えば目の前の風景を85mmで撮ったらどんな風に写るだろう、28mmで撮ったらどんな風に写るだろう、とすぐにイメージがわかないものです。もし人間の目にもズーム機能があったら…たとえ写真のビギナーでも焦点距離の感覚は完璧に備わっているのだと想像できます。

リコー GR APS-C (焦点距離 28mm)

もちろん焦点距離の感覚などなくても、実際に1枚撮ってみれば分かる話なのですが、事前にイメージを作れることで作品の意図を表現するのに最適な焦点距離の選択ができるのです。

経験豊かな写真家は「こんなシーンは広角レンズで広がり感を出して魅せよう」とか「望遠の圧縮効果を利用して主題を少し押し出してみよう」といった具合に「こんな時はこうしよう」という撮影の引き出しを幾つも持っているのもです。

それぞれの焦点距離での特徴をよく理解し「こんな風に魅せたい」といったcaseに合わせて最適に、または裏技的に選択できれば上級者の領域と言えるかもしれません。【こんな風に魅せたい】とイメージして選択することは焦点距離に限らず露出、深度、デザインやフレーミングなどにも同様に言えると思います。




…さて本題ですが焦点距離を調整できるズーム機能は、もはや現代のカメラでは一般的な機能であり、むしろ焦点距離が固定されている単焦点は何か特別な理由があって拘って撮る人のマニアックなアイテムのようなイメージですよね。

よく聞くのは次のようなことです。・ズームレンズは便利だよ ・やはり単焦点は描写がよい この2つ、よく耳にしますね。もちろん間違いではないです。私もこれについてはある意味で同感です。

しかしツーリングでズームレンズを持っていくか、単焦点レンズを持っていくかはご自身のツーリングスタイル、ご自身が撮りたいと憧れる写真により選択することで、他人からの情報に左右されてはいけません。

EOS6D Mark2 + 望遠ズームレンズEF70-200mmF2.8LIS

ただ1つ、はっきりと言えるのは我々バイク乗りは持っていける荷物のボリュームが極めて限られており、何本ものレンズを持って行くよりはズームレンズなら1本(または2本といった少ない本数)で出かけられるので、やはりズームレンズは便利であるということです。

ズームレンズよりも単焦点レンズの方が描写がいいとか、ボケ具合が美しいとか言われるけど、そこは装備を軽量にすることを優先して妥協しちゃうのか???という疑問も聞こえてきそうです。これについては【どんな写真が撮りたいか】を事前にはっきりと決めておくことが大切です。その撮りたいイメージが単焦点レンズでないと実現できない、という事であればぜひ単焦点レンズを選択するべきです。

次にズームレンズが便利であることの意味を多くの方が勘違いしているので、それについて触れてみたいと思います。

ファインダーを見ながらズームリングを回して大きさを調整しただけの作例

ズームレンズが便利であること…それはファインダー(またはモニター)を見ながら被写体の方にレンズをむけズームリングをぐるぐると回し、大きさや範囲を調整してパチリ!これがズームレンズが便利と言われる理由…ではありません!!!大変な誤解です。

ファインダーをみながらズームリングぐるぐるは足が全く動かないまま、アングルの模索や被写体に寄るという基本までもが奪われてしまいます。上の失敗例はその典型的な写真です。

では正しい…というか当ブログが推奨しているズームレンズの使い方を解説してみたいと思います。上の写真はキャノンのズームレンズEF24-105㎜F3.5-5.6IS STMというEOS6D Mark2のズームキットに付属していたレンズです。このレンズは高級レンズであるEF24-105㎜F4Lの廉価版のようなズームレンズですが、EF24-105㎜F4Lよりも軽量であることを考えるとツーリング写真向きと言えるフルサイズ一眼レフ用ズームレンズですね。

さてこのレンズの場合、24㎜から105㎜を守備範囲としている訳ですが、この範囲内でいくつかのポイントを作り、そのポイントに縛って使ってみましょう。参考になる焦点距離のポイントは一般的に単焦点レンズとして売られている焦点距離の数値を参考にしてみます。つまり24、35、50、70、85、105とレンズにも書いてありますが、この6ポイントに縛って撮るのです。

この6ポイントを撮る直前のイメージの時点で選択するのです。6本の単焦点レンズを持っていると考えても良いと思います。

EOS6D Mark2 + 望遠ズームレンズEF70-200mmF2.8L 焦点距離200mm

海岸に続く砂の小径と波が打ち寄せる海の様子、これを愛車R1200GSと関連付ける構図を作りたい。海岸のツーリングシーンを1枚に。しかし実際のところR1200GSの位置から海までは距離がある…よし!ここは200mmで海を引っ張って砂の小径を短く圧縮しよう。 →このレンズのテレ端である焦点距離200mmを選択。

 

EOS1Dx + EF24-70mmF2.8L 焦点距離24mm

手前に咲くハマヒルガオなどの野生花に寄り、爽やかな空の解放感、キャンプサイトを日の丸に構図して写真を見る人を誘うような表現にしたい。→手前の花からの遠近感、空や野営地の解放感を表現したい →このレンズのワイド端である24㎜を選択。

この2つの例のように被写体や情景からの感動を受けて、その魅力を見出したうえで魅せたいイメージを構築し、そのイメージがどのような焦点距離なのかの決めるイメージ力です。よし!ここは〇〇だから被写体に寄って35mmでいこう、この被写体の存在感を絶対的にしたいから85mmで引っ張ろう、といった具合に表現したいことに対して焦点距離を選択するのです。




まずはイメージを作ってズームレンズのポイント縛りの中から選択をすること。つまりファインダーをのぞく前に、焦点距離は先に決めるのです。ズームレンズの縛ったポイントの中からです。

EOS6D Mark2 + SIGMA50mmF1.4ART 見る人がその場にいるような臨場感の50mm

撮る前に焦点距離を選択できるようになるには2つの要素があります。目の前に広がる空間がその焦点距離でどのような写真になるのかイメージできる感覚が1つ、2つ目はそろれぞれの焦点距離の特徴を理解することです。広角は写真の世界に誘い込むような雰囲気、標準は実際にその場にいるような臨場感、望遠は圧縮された勢いが写真から突き出てくるような迫力があります。

それと撮影者による好み、得意の焦点距離というのがあるのも知っておきましょう。私の場合は14㎜、28㎜、35㎜と言った広角が好きで、望遠は極端な望遠は好きですが中望遠や標準は勉強中であります。

EOS5D Mark2 + EF14mmF2.8L  私の大好きな超広角 14mm

撮る前のイメージで焦点距離を完璧に選択するのは、焦点距離の感覚を養った上級者の写真家脳です。そういった完成された脳を養う方法はゴルフやピアノと同じでとにかく練習して経験を積んでいくしかありません。しかし1つだけオススメの手法があります。それは自分が過去に撮ったお気に入りの写真が何ミリであったのかを覚えておくことです。

ある程度の経験を積んだ方であれば、誰しも過去に撮ったお気に入りの作品があると思います。そういったお気に入りの1枚は、その写真を撮ったとき実際の情景がどんなだったかも鮮明に記憶しているものです。であれば、そのお気に入りの1枚が例えば28mmであれば「このシーンはあの時の写真に似ている…あの時の感じで撮るなら28mmなんだな」と決められるのです。

少し脱線しましたがズームレンズの使い方に軌道修正します。お使いのズームレンズの数字が書いてあるポイントに縛る撮り方、ポイント縛り。ファインダーをのぞく前に焦点距離を決めよう、という話はご理解いただけたと思います。




次にズームレンズのもう1つの便利な使い方<画角の微調整>です。ズームレンズはせっかくの調整機能です。焦点距離の感覚が身に付いてイメージに対する選択ができるようになったら、いつまでもポイント縛りを守る必要はありません。困った時はズームリングを回して微調整をしてみましょう。

困ったとき…それはスペースを奪われて動けなくなった時です。後ろは壁でこれ以上は下がれない、写真のようにこれ以上近づいたら海に落ちる、尖った岩のてっぺんによじ登って撮っているので全く動けない。そんなときに画角が完璧ではないと感じたら、画面の四隅を慎重にチェックしながらズームリングを回して微調整しましょう。このシチュエーションに出くわすと、ズームレンズって本当に便利だなと実感するものです。

  ~ズームレンズ完璧マスター まとめ~

・ファインダーをのぞきながらズームリングぐるぐるは止めよう

・ズームレンズの調整範囲内でポイントをいくつか作って縛ってみよう

・焦点距離の選択は撮る前のイメージで決めよう

・スペースを奪われたら微調整してみよう

いかがでしたか?やれ単焦点は描写がいいとか、やれズームレンズは便利だとか情報はネット上などで溢れていますが、焦点距離や画角というのは感覚と好みの世界なので、他者の情報は役に立たたないものです。とにかく失敗から成功まで色んな写真をたくさん撮って、経験を積み、好みを知り、そういった楽しみの中から感覚を身に着けてくださいね。

今回はこの辺で!!

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小学生でも分かるシャッター速度と絞りの話☆露出ってなんだっけ?

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、当ブログではバイク写真、ツーリング写真に関わるあらゆることを、ビギナーの方やこれからバイク写真をやってみよう!と思い始めた方々を対象に解説しております。

しかし「マニアックすぎてよく分からん」というお声もチラホラあるようですので、今回は初心に帰って「小学生でも分かる露出」と題して優しい内容でいってみたいと思います。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

露出と聞くと何やらカメラの専門用語っぽくて難しく感じるかもしれません。しかし意味としては真夜中にコート1枚を着ている怪しいオジサンと同じで、閉ざされいたモノを明るみに露出させることです。

カメラの内部は真っ暗な箱になっていてシャッターを切った瞬間だけレンズを通してカメラを向けた先の様子を光として取り入れます。

その外の光をあびたイメージセンサー(またはフィルム)は瞬間の画像としてメディアに記録します。これが写真です。当たり前のことですけどね。

カメラ内に外の光をどれくらい露出させるか?つまり光をどれだけ取り入れるか?が露出の基本的な考え方です。

方法は主に2つあって1つはシャッターが開いていた時間。2つめは絞りといってレンズ内にある穴ポコの大きさです。シャッターは長く開いていれば光はたくさん。短ければ少しだけ。絞りの穴ポコは大きければ光がたくさん…小さければ少しだけ。

いま目の前のシャッターを切ろうとしているその風景。そこにある光が仮に100だとします。目で見た通りの明るさの写真が欲しければ露出は100欲しい…。そんなとき例えばシャッター速度君が40の光を取り入れるから、絞りチャンは60取り入れましょう。お互いに持ちつ持たれつという事なのです。




ここでポイントを1つ。シャッター速度と絞りはそれぞれに違った役割があります。シャッター速度は写真に時間を与える役割、絞りはピント範囲(逆に言うとボケ具合)で印象を調整する役割があります。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

絞りチャン:お~い、シャッター速度君。ちょっと頼みがあるんだが!ここは手前の桜から遠くまで全部にピントを合わせたいから絞り込みたいんだよね。したがって20くらいしか光が仕入れられん。何とかなるかい?

シャッター速度君:おぉ~絞りチャン、いつもお世話になっているから今回は何とか俺が頑張るよ。では80の光をオイラが仕入れよう。少し遅くなっちゃって電車がブレるけど、電車の存在感を控え目にできるし、動きも加わってアリでしょ。

 

RICOH GR APS-C

シャッター速度君:おーい、絞りチャン。今回はめっちゃスピード感を出したいのよね。でもスピード違反をする訳にもいかないし、長~~~く開けたい訳よ。でもそうすると光が90くらい入っちゃう、分かるでしょ?

絞りチャン:水臭いな~シャッター君。2人は生まれた時からずっと1つのカメラにいる大の仲良しではないか。よしここは持てる筋力をフルに絞って超絶ちっちゃい穴ポコにするぜ。そうすれば光は10にできるぜ~

・・・とこのように写真を撮るイメージに合わせて〇〇だから絞りをF11にした、とか〇〇のように表現したいからシャッター速度を1/10にした、といった具合に絞りかシャッター速度のどちらか一方を撮影者の意図で選択するとします。するともう一方はそれに合わせて適切な明るさにするため光の量をフォローしてくれるのですね。

しかし次のような場合はどうでしょう…?

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

絞りチャン:おーい、シャッター速度君。今回も手前のR1200GSから遠景の電車までバッチリとピントを合わせたいんだよ。また絞り込みたいんだ。40くらいになっちゃうけどあと60頼める?

シャッター速度君ちょ…ちょっと待って。今回は俺だって主張させてくれ。ここで俺が光をいっぱい取り入れると電車がブレちゃうんだ。今回の構図では桜の時と違って電車はピタっと止めたいんだよね。ここは譲れないよ。せいぜい40くらいしか光は入らない。

絞りチャン:えぇ~マジっすか?40+40で80。あと20足りない…どうしようか?

シャッター速度君:「こんな時はあのお方に頼むか…ISO感度先輩へ」

絞りチャン:「えぇ~マジ。あの怖いISO感度先輩!いつも昼間寝てるじゃん、いま頼んで怒られんじゃね?」

シャッター速度君:「確かに怖い。何年か前にオーナーが三脚忘れた時。ISO5000とかで撮った写真見た??もう荒れ荒れ!!」

絞り君:この間なんか「あ~天の川撮りてぇ~」とか言って指をポキポキやっていたよ。

こえ~~~

しかしここでは明るいシーンとはいえシャッター速度、絞りの両者に撮影者の意図が存在しています。そんなときは届かない分の露出をISO感度で補う引き出しを備えておきましょう。ISO感度を上げるのは夜や暗い屋内と決めつけないように~。




ISO感度は絞りとシャッター速度の両者では不足している光量分を「感度」という名の通りセンサー(またはフィルム)を敏感にして補うものです。しかし無暗に感度を上げてしまうとノイズが発生してしまい荒れた画像になってしまうため、原則としてISO100を常用します。

絞り込んだらシャッター速度が低下した、しかしカメラを手持ちで撮るので手ブレが心配である…とか夜景や星景のようにそもそも元の光が僅かかな場合にISO感度は「仕方ない、あの先輩に頼むか!」といって出番となる訳です。

EOS6D Mark2 + EF14mmF2.8L ISO1000

この写真はISO感度先輩が1000まで頑張った写真で肉眼では見えないような小さな星々や流れ星まで写真にできました。最近のカメラではISO1000やISO2000くらいでは高感度に設定したとは思えないほど、ノイズの少ないカメラが増えました。

一方で露出にはこんな考え方もあります。目の前の100の光に対して必ずしも100で撮る必要はありません。あなたが情景や被写体から感じたことを表現する手段として60とか130で撮ってもいい訳です。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2L IS

この作品は日の光が僅かしか入らない山道でとりました。そこに咲いていた紫陽花に僅かな光が当たっていたのを私は見逃しませんでした。紫陽花を撮ったというより僅かな光のある空間に惹かれて撮ったと言った方がいいかもしれません。




実際の100の明るさの通りに撮ったのではなく「僅かな光」を明確に表現する手段として70くらいの露出を選んで撮ってみました。もちろんこの逆もアリで実際の明るさよりもうんと明るく撮ってみるのも面白いです。

ここが露出で魅せるやり方の最も面白いところだと私は思います。

小学生でも分かる絞り、シャッター速度のお話でした!!!

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