先入観を捨てて自由に写真を楽しもう




EOS6D Mark2

私たちは写真を楽しむ上で誰かの決めたルールのようなものに無意識に縛られてはいないでしょうか?

過去の誰かが撮った写真が頭の中に焼き付いていて、無意識に似たような写真を撮ろうとしていないでしょうか?

いまいちど改めて考えてみましょう。

お花はこう撮るべき、風景はこう撮るべき・・・といった雰囲気をまとった写真をみて、それをお手本のようにしていませんか。

個人的に写真を楽しむ上で撮影マナーのようなものはあるかもしれませんが、写真の内容自体にルールのようなものは存在しません。

誰かが決めた…いいえ誰もそのようなことは一言も言ってはいない写真のルールのようなもの。そのようなものに無意識に縛られないよう意識してみましょう。

上の作品はコスモスのお花を撮ったものですが、この場合はLightroomのHSL機能で緑の彩度を抜きました。これはいけないことだと思いますか?誰かにどのようなことを言われようと「私の場合はこうなんです」という確固たる信念のもと表現したのであれば、堂々とそれは貫くべきです。

私の場合はこう、という個人の表現。表現したかったイメージの世界。あるいは事実やリアルよりも抽象的なアートのように撮りたいというスタイルの問題。人ぞれぞれ自由なのです。

自由だから写真って遣り甲斐があるのだと思います。




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ほんのひと工夫で構図が激変 構図に奥行を作る方法




今回はツーリング写真の構図について簡単な内容をひとつ書いてみたいと思います。

突然ですが上の写真のような構図をどう思いますか?朝霧高原のふもとっぱらキャンプ場で撮った一枚です。キャンプ場に着いたよ!ということをSNSで上げるために撮りました。普通にスマホで撮った説明写真なので大きな問題はありませんが、この構図はあまりに平凡だと思いませんか?

富士山を日の丸構図で配置したのは基本に忠実なので安定感があって良しですが、いくつかある被写体の位置関係に注目してみましょう。この場合、R1200GS-ADVENTUREとテントという2つの被写体がありますが、この2つの位置関係は横一列に並んでいます。

この写真が平凡に見えてしまう原因はこの奥行き感の出ない被写体同士の位置関係にあるのです。

シーンが変わって本栖湖の浩庵キャンプ場ですが、このように手前にテント、その奥にR1200GS-ADVENTURE、そして遠景に富士山とくれば、被写体同士の位置関係で3レイヤーの構図を構成できて、これだけで奥行きのある構図が作れるのです。

そこで写真を撮りたいと思ったからには景色の良い場所なのですから遠景は問題なく存在していると思います。そしてそこでバイクや人物など被写体を置いて撮る時、被写体と背景で2レイヤー、ここまでは多くの人が普通にやることです。

大事なポイントはこの先で被写体とカメラの間に前景として一方の被写体を配置してあげるのです。3レイヤー以上の構図が作れれば2次元である写真に奥行きが生まれて平凡さが一気に消えるのですね。




EOS6D Mark2 + EF135mmF2

何か特別な意図があって被写体同士を横に並べたのであれば良いですが、奥行を意識できずに被写体の位置関係に意識が向かなかった…という事であれば、ぜひ次回の撮影から被写体の位置関係で奥行を作ることに挑戦してみてください。

それはバイクやテントの置き場所、撮影するポジションなどに一手間かけてあげれば簡単に出来ることです。上の作品のように幾つものレイヤーを構成できれば、たとえ望遠レンズで圧縮されてしまった写真でも奥行き感を出すことができます。

知識は撮影現場で意識して実践し、成功でも失敗でも良いので経験として積み重ね、それを繰り返して検証し【習得】へとつなげていきましょう。知っているだけでは意味がありませんからね。




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流行写真に流されないスルー力




その時代時代にあった流行の写真というのがあります。例えばフィルム時代であればポジフィルムで極彩色で魅せる写真やセピアカラーの写真、スナップであればわざと下手っぽく魅せるヘタウマ写真、ひと昔前のデジタルカメラ黎明期であればダイナミックレンジを調整したHDR写真などがそうです。

今ではInstagramなどの写真系SNSで話題になるような「映える」といった目立つ写真が流行なのでしょうか。これら流行の写真とは流行である時点で全て一般カメラユーザー間の庶民的な写真文化です。

もちろん庶民的な写真文化に染まることは決して悪いことではありません。それを否定するつもりは全くありませんが、当ブログでは以前より庶民的な写真文化の範疇では「飽き」がきてしまいます…ということを何度も書いてきました。

アート写真などと言う立派なものをイキナリ目指さなくても良いのですが、忘れたくないのは「写真はせっかくやるのなら個人の表現を楽しもう!」ということです。




個人の表現、私の場合はこうですという個性的な作品を生み出してこそ写真甲斐があるものです。しかし、どうしても情報が溢れかえっている現代社会では個人の表現を妨げてしまう雑音が多いものです。特にSNSをやっている人は写真関連のコミュニティに参加するほど、タイムラインに日々たくさんの写真を目にするようになります。

それらSNSなどで流行となる写真の多くは【目立つ写真】【立派な写真】が多く大変インパクトがあります。見方によっては多くのカメラユーザーはいま、目立つ写真や立派な写真で競い合っているかのようです。

こういった風潮を見てぜひ気を付けたいポイントは「自分もそういった写真を撮らねば」と思わないことです。もちろん撮っても良いのですが、それは前述した通り流行写真の仲間入りとなってしまうので飽きやマンネリが待っているのです。SNSなどで目立つ写真、立派な写真を見かけたら「これはこれは立派な写真でございますね」と軽くスルーする力を身に付けましょう。

私たち勤勉な日本人は皆がそうしていると合わせないといけない…と感じてしまう同調精神が根付いています。これはコロナ渦において人々のマスク装着率が諸外国よりも高いことからも分かります。近年では日本人のこの同調精神が必ずしも良いとは言えない、という考えも徐々に見受けるようになりましたが、それでもまだまだ日本人は「みなと同じ精神」なのです。私の個人的な意見としては少なくとも写真を楽しむうえでは皆に合わせる必要はないのでしょうか?と思います。

皆さまは写真を楽しむにあたって流行の写真を追うのと個性的な写真を生み出すのと、どちらを選びますか?もちろんどちらを選ぶのも自由なのですけど。




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写真ビギナーを悩ます露出を再考する

EOS6D Mark2 + EF35mmF2 IS

当ブログでは露出とは何ぞや、という内容を何度か書いてきましたが再び内容をブラッシュアップして書いてみたいと思います。

写真ビギナーの方にとって理解しにくい「露出」。簡単に言うと目の前にある光をどれくらいカメラ内に取り込んで写真にするのか?という意味です。

本来は撮影者が露出値を決めて撮影するものですが、現代ではカメラが自動でやってくれるようになりました。よって普通の記録写真を撮るぶんには露出について理解を深める必要性は低いです。しかし写真を趣味やライフワークとしてやっていきたい!と決心した人であれば、露出はカメラにお任せ・・・では少々寂しいものがあります。

この理由は簡単です。カメラが自動で決めてくれる露出とは機械の測定結果による無機質なデータに過ぎず、そこに人の感情や表現が入る余地はないからです。つまりカメラ任せでは表現は成立しないのです。明るくしようが暗くしようが、特定の部分に露出を合わせようが本来は撮影者の自由であり、精度の高い機械が算出した値が正しい露出ということはないのです。(18%グレースケールによる【適正露出】というのがありますが、それはあくまで記録写真等に用いられる標準的な明るさを求める場合)




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

まずは光について改めて意識してみましょう。

そこに光があるから写真になる。その光をとらえてイメージに近づける露出を決める。そのためにはどの部分にどのような光があり、それが被写体に当たってどのような反応をしているか?それら光によって影の様子はどうであるか?

これらを画面という長方形の中に配置し重要な一つが最も魅力的になるような露出をさぐるのです。そう言われるとカメラの自動測光機能(AE)では無理があるのが何となくお分かりいただけると思います。

とはいえ、写真ビギナーの方にいきなりそれは無理な話なので、まずは評価測光が決めてくれた値に対して補正をしてあげる露出補正を最初に覚えてみましょう。露出補正を使うようになると逆光や夕暮れでもイメージに近い写真が撮れるようになります。AEが万能ではない理由も分かると思います。

EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

露出とは絞りとシャッター速度の両者で決まることは既にご存知だと思います。両者は目の前の限られた光をシェアし合う仲であり、それぞれに持つ役割を全うするため決めた値(例えば絞りF11 シャッター速度1/125など)から最終的に写真の明るさを決定するものです。

上の作品は絞り優先モードで絞りを開いて被写界深度を浅くして撮った写真です。被写界深度とは奥行方向にピントが合う範囲のことで、言い換えればピントが合っていない部分のボケ具合です。絞りを自分で決めることとは重要な一つを浮き立たせて魅せる演出の調整です。上の作品では列車は大きく構図した訳ではないのに列車が主題であることが前景のボケ具合でハッキリ伝わると思います。

一方、開くのとは逆に小さく絞り込むことで画面の全体にピントを合わせる表現もあります。パンフォーカスといいます。カメラのすぐ近くにある花などの被写体から遠景まで全方位をシャープにすることで印象を狙います。その場合、絞り込んだことで光量が不足するのでシャッター速度を遅くして光量を補うことになります。




EOS6D mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG C

絞り優先モードを使用して被写界深度を意識することが空間の魅せ方であるのに対し、シャッター速度を意識することは瞬間やスピード感など写真に時間を与える魅せる方です。

上の作品は岩に砕ける波飛沫を捉えた一枚です。速いシャッター速度に設定することで飛沫の一粒一粒を「瞬間」として表現しています。こちらも速いシャッターを選べば光量は減るのでその分は絞りを開いて補ってもらうことになります。絞りとシャッター速度の両者はいつでも限られた光をシェアし合う仲なのです。

シャッター速度は早くすることで瞬間を、遅くすることでブラしてスピード感や動きを表現することが可能・・・。これって静止画であるはずの写真に時間が表現できるのですから改めて考えると実にユニークな魅せ方ですね。

EOS6D Mark2

露出は光をみつけ被写体がどう反応しているか、影の様子はどうであるかを見て構図を練る。そのうえで空間を魅せる被写界深度(絞り)でいくか、瞬間やブレで写真に時間を与える(シャッター速度)でいくか、その時のイメージに合わせて選択をする…という所まではご理解いただけたでしょうか。

次に明るさはどうするのか?という部分にも触れておきます。実際に目で見た通りの明るさで撮るのが正しいのでしょうか?・・・いいえ、写真を記録ではなく表現としてやるにあたり正解の明るさというのはありません。実際の明るさよりも暗くしようが明るくしようが自由です。上の作品は富士山にある雪と海にうかぶ小舟に露出を合わせました。

結果、実際の様子とはかけはなれた暗さの写真ですが、このように魅せたいという意図のもと選択した露出値です。他の誰かに「露出アンダーですよね」と言われようと撮った私としてはこれで良いのです。




EOS6D Mark2

写真ビギナーの方はまずは露出補正を使いこなす、次に絞り優先モードで被写界深度を意識して魅せる方法を感覚として習得してみましょう。そこにある光を見極めて描いたイメージに求める露出値(F〇〇、S〇/〇秒)が頭にすぐ浮かぶところをひとまず目標にしてみましょう。

どのような光を選んでどのような露出で撮るか、絞りは開くのか、シャッター速度はどうするか・・・これらの選択肢から選ぶのは自由なのですが、なぜそれを選んだのかの理由は必要です。無心でシャッターを切って理由の後付けをする表現というのもありますがビギナーの方がいきなり目指す境地ではないと思います。まずは被写体や情景の特徴を受け、心が動いた「感動」を受けてイメージを作ること。〇〇が△△だと思ったから露出を□□にした。という明確な意図のもと選択をするのです。

すごく極端に言うと写真とは情熱、行動、出会い、感動、想像、選択、作業、余韻、のパートに分かれると感じます。おっと、また話が飛躍し過ぎたので今回はこの辺で。

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ツーリング写真としての【いい写真】とは?




EOS6D Mark2

いい写真とはどのような写真だろう?

ツーリング写真としての【いい写真】とは何だ?

いつもついてまわるこの永遠のテーマ。

少し前までいい写真とは撮った本人が「いい」と思える写真であり、見る側は主観的に決めるもの・・・と考えていました。

最近はすこし考えが変わってきて見る人がどう感じてもらえるかはさして重要ではないのでは・・・とも思います。

今の時点ではいい写真とは人間性で撮ったものではないだろうか・・・と考えるようになりました。

人間性、人となり、らしさ、それらがしっかり在る上でその人の心が作品の中になんらかのカタチで表現されていれば、素晴らしいのではないでしょうか。

これって簡単なことのようでなかなか出来ないものです。どうしても雑念、先入観、良く見せようという欲望、などが邪魔をして心の動きだけをシンプルかつストレートに表現するのは難しいです。

心のノイズを取り払って情景や被写体に向かい合うこと、どのような心をもって感情に従順に表現するか、こういったことを今後は学んでいきたいですね。




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写真を愛する人にとって最悪の事態

EOS6D Mark2 + EF35mmF2 IS

写真を愛する人にとって最悪の事態…それは写真を失うことだと思います。この場合の写真とはオリジナルとして保存しておくべき元データまたはネガです。

具体的に言うと次のようなもの。

1.撮った画像をパソコンのCドライブに入れっぱなしにしていたら、ある日ハードディスクが故障して中身にアクセスできなくなった。

2.メモリーカードが不具合を起こして撮った画像が破損した、またはアクセスできない。

3.保存しておいたはずのディスクを紛失した

他にもありますが代表的なものは上の3つでしょうか。大切な写真がもう戻らない・・・本当に最悪ですね。撮った本人にとって仮に「まあいいか」と思えるものでも、実際に失った写真は本人が思っている以上に価値の高いものである場合もあります。とにかく写真を失うのは最悪の事態です。




EOS30D + EF28-70mmF2.8L

この作品は私が2005年ころに北海道の黄金道路で撮ったものです。まだ駆け出しだった私は何となくここで写真を撮ったのだと思いますが、その時は「平凡な記念写真だな」と特に思い入れもなくストレージの中に仕舞ったままでした。ただ…誰かに撮った写真の元データはどんな写真であっても必ず大切に保管しろ、と教わっていて律儀にDVDに焼いて保管はしていたのです。

それから15年ほどの月日が経って過去のストレージを何の気なしに回遊していたところ、忘れかけていたこの1枚を発見しました。今の感覚ではこの写真がまとう旅感やリアルが偶然とはいえ実に見事であると感じ、現在の技術で再び仕上げなおしたのです。

もし、あの時「平凡な記念写真みたいだから削除しちゃおう」とか、管理がずさんで紛失していたら…と考えるとぞっとします。本当に「どんな写真でも必ずオリジナルは保管する」は大切なことなのだな、と実感しました。




写真を失ってしまうという最悪の事態を避ける手段は難しくはありません。ただ一つ、確かなことは自分が撮った写真は全て大切なものである、と改めて意識することです。そうすればバックアップをとるという作業に煩わしさなど感じないはずです。

まずバックアップですが外付けハードディスク、DVDなどの光学ディスク、ストレージサービスなどがあります。バックアップはこういったもののどれか一つではなく、最低でも複製を作って二つ以上は保管しないとバックアップとはいいません。

お勧めは外付けハードディスクとDVDです。RAWで撮影している人はRAWデータと仕上げ終わったJPEGデータ、Lightroomユーザーであれば仕上げのプロセスを記録しているLigtroomカタログを保存しましょう。

正規パッケージ品

メモリーカードは怪しいブランドや安物に手を出さないこと。メモリーカードと言えば知れたブランドとしてレキサー、サンディスク、トランセンド、東芝などがあります。またそういったブランドを謳っている品物でも入手ルートによっては十分な性能や品質を満たしていないバルク品やB品などがあり、最悪はコピー商品も存在します。皆さまがよく使っている有名な大手ネット通販でもコピー品は普通に「正規品」と書かれ、サクラレビューによって高評価で売られているのですから恐ろしいものです。

見分け方は簡単で日本語の正規パッケージがあり、同スペックの他の商品と比較して安すぎないことです。もし不安なようでしたらカメラ屋さんに行って店員さんに信頼できる正規品のメモリーカードを買いたいと伝えれば大丈夫です。怪しい品が流通しているのは主にネット通販です。




メモリーカードの注意点は購入時にはじまり使い方にも色々あります。まずは使うカメラで最初に初期化をすること。初期化をしたら他のカメラでは使わないこと。写真以外のデータを入れちゃうなんて論外です。それから撮った画像をその場で選別して、個々に削除するのも良くないそうです。これは削除、これはOKとカメラ上で操作するとカード内に歯抜け部分と断片化されたデータの不均衡が出てしまい不具合の原因になるそうです。

その他にも容量に対してフルになるまで使用しないこと、7~8割くらいまで使用したら別のカードに交換。複数のカードを使用することでリスクの分散にもなります。それから使用開始日を明記して数年使用したら新しいものに替える、といったことも重要です。

正規パッケージを買う事はお金がかかりますし、撮った都度にバックアップを作成するのは煩わしいと感じるかもしれません。しかし大切な写真を失った時のことを想像してみてください。あの日、あの時、写真を撮ったという記憶までもが消滅してしまうのです。

写真とは記憶の片隅に眠っていた風景を、ふたたび呼び起こす役割もあるのですから・・・

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美しい景色に出会うツーリング

EOS6D Mark2




ごく当たり前のことですが人にとって美とは特別なもので美しいものを嫌う人などいないわけです。ところが美を見つけることができない、気が付くことができない、というのは珍しいことではなく、私も含めて多くの人が美の存在に気が付くことなく素通りしている場面があります。

ネットや雑誌、観光案内や口コミなどで〇〇岬から見る夕陽は格別に美しい、といった具合に「ここに美がありますよ」と情報に案内されない限り美しいものを見つけることが出来ない…そんな人は相当に多いのではと感じます。

こと写真をライフワークに生きる人にとって、これは深刻な問題です。実は美は虹や滝、桜の巨木、富士山といった存在感のある絶景に限らず、何気ない日常やふと視線を送った先にぽつねんと存在しているもの。それは控え目で貴方にだけ話しかけてくるようなミステリアスな風景や被写体なのです。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6EX DG




例えるな平凡な日々の中にある幸せと同じだと思います。家族がいること、食べ物や住む場所があること、必要なだけのお金をちゃんと持っていること、オートバイに乗れること。こういったことは当たり前のように感じてしまい、それが実はすごく幸せなことだというのは分かっていても実感はできないものですよね。

では平凡な日々の中で幸せを実感するにはどうしたら良いのでしょう。それはすごくシンプルなことで「ありがとう」「うれしいです」といった言葉を意識して発したり、「今日は素敵な日になる予感」と言って些細な事でもよく笑い、その楽しさや明るさを周囲の人と共有するといったことではないでしょうか。

旅に出るなら美しいものに出会いたいですよね。大切なことは旅立つ日にどんな心を持って出発するかにかかっています。この陸の端っこまで走破してやるぞ、というチャレンジ精神も悪くありませんが、それだと道の先ばかりに意識がいってしまい近くにある美しいものが一瞬でミラーの彼方に消え去ります。私のように30年以上もツーリングしていると、躍起に走り回るだけのツーリングも飽きてしまいました。

やはりバイク旅というのは特別なもので、バイクで行ったからこそ見える風景、出会える被写体が確かに存在します。それに出会うにはツーリングの走り方を少しだけ見直すことが必要かもしれません。

もう一度書きますが美しいものに出会うなら旅立つ日にどんな心を持って出発するか…が大切です。




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どんなに学んでも身に付かないもの

EOS1Dx + SIGMA150-600F5-6.3DG

例えば日の丸構図は作品の主題を分かりやすく伝えるのに有効ですとか、日没後の夕景であれば露出補正をマイナスにすると雰囲気が出るとか、言葉で伝えられることは学ぶのも分かりやすいものです。

一方でどう説明しても伝わらない部分というのもあります。それは感覚です。目の前の風景や被写体が写真になったらどうなるのか?をイメージできる感覚。被写体の大きさや距離など空間を認識する感覚。空間を認識したら画角別にそれがどのように写るかの感覚。どれくらい動けば被写体の位置関係がどのように変化していくかの感覚・・・まだまだありますが、写真の世界では教本をいくら読んでも身に付かない感覚の部分は多くあるものです。




例えばゴルフやピアノをはじめたいとなったとき、良き先生のもとで指導を受けるのは大切なことですが、それ以上に大切なことはたくさん練習することですよね。泳いだことのない人に泳ぎ方を説明してすぐに泳げるはずはありません。壁に当たっているアスリートは練習量をさらに増やしたりします。感覚とは気の遠くなるような反復練習によって身体的に覚える部分でもあります。

南房総から望む冬の富士山が東京湾にうかんでいる。富士山は大きいけど距離は遠い。手前に岩場、地面には褐色の草地。その間に紺碧の海面があったとします。そして沖合5000m付近に巨大なLNGタンカー。さあ、ここで写真を撮りたいぞ、となったとき最初に何をしたら良いと思いますか?

知識だけで感覚を持ち合わせていなければ「こんな風に撮りたい」というイメージも作れないし、何mmのレンズを選んで良いのかも分からない。つまり撮影現場で何から始めて良いのか分からず途方に暮れてしまうのです。




目の前の空間がどうなっているのかを認識する空間認識の感覚。そしてこう撮りたいとイメージする感覚。最低でもこの2つをもってして始めないことには、他の知識を身に付けても応用はできません。

この大きさのトンネルをこの距離関係でこんな風に撮りたい、という感覚。この明るさでトンネル内の暗い部分との光量差をダイナミックレンジに収めて構図を作るには?どの辺までをトンネルとし露出はどの程度か?といった感覚。

感覚ばかりは教えてと言われても教えることは不可能です。まずは50mmまたは35mmあたりの固定された画角を使ってたくさんの写真を撮り、こんな場合はこう撮れるという経験をたくさん積み重ねていきましょう。その中には失敗もたくさん含まれると思いますが、それは検証さえできれば無意味な写真ではありません。繰り返しになりますが、まずはその風景が写真になったらどうなるのか?想像できる感覚を少しづつ養っていきましょう。

途方もないほどの数の写真を撮っていくと、気が付くとあらゆる感覚は自然と身に付きます。すると不思議なことに以前であれば「分からないから試しに撮ってみる」だったのが「こう撮れるはずだ」というイメージを作れるようになり、それは言ってみれば【写真の完成予想図】なので、次に何をすれば良いのかが明確になるのです。

だから写真ビギナーの間は意識して毎日のようにたくさんの写真を撮ることがお勧めなのです。




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ツーリング写真と逆光について

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、じめじめした季節ですがバイクウェアーやキャンプ道具などにカビがはえていませんか?クローゼットや衣装ケースなど閉ざされた場所に道具を詰め込むと、今の季節はカビが発生しやすいです。たまに出して空気を入れ替えてあげるか、詰め込まないようスペースに余裕をもって収納しましょうね。

さて今回はツーリング写真と逆光について書いてみたいと思います。今まで究極のツーリング写真では何度も逆光に関わる解説を書いてきましたが、今回は少しアプローチを変えて書いてみたいと思います。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2 IS

写真において逆光と聞くとビギナーの方には近寄りがたいものと思われがちですね。何しろ逆光で写真を撮ると肝心の被写体が真っ黒になったり、爽やかな青空や緑の彩度が全くでなかったりと、その扱いには難儀するものです。




きっと綺麗に撮れるはずだ…と思ってシャッターを切っても、思った通りではなかった…となるのが逆光です。なぜ逆光で撮るとうまく撮れないのでしょうか?順に説明したいと思います。

まず一つ目はカメラの自動測光機能(AE)が正しく機能しないことです。正しく…と言うと誤解を招きますが(何しろ当ブログでは写真に正解はないと繰り返しうったえてきましたので)多くの場合でAE任せでは撮影者の欲しい写真の明るさにならないものです。

カメラのAEはしょせんは測光結果を元に平均的な明るさを求める無機質な計算機です。ドラマチックな光を受けて心が揺さぶられた撮影者の感情など配慮してくれるはずもありません。そこで大事なポイント!露出補正機能を使って貴方が本来欲しかった明るさを求めてみましょう。多くの場合でAEが出した露出に対してプラス補正すると良くなるはずです。

えっ?それはどうやるのか?お使いのカメラの取扱説明書に書いてありますよ。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

二つ目は青空が出ない場合です。いいお天気で爽やかな青空が見えていても、太陽に向かってレンズを向ければ空は真っ白にとんでしまいます。これは空以外の地上物などを含めた全てをAEが測定した結果、地上物に露出を合わせたところ空が明るすぎたため白っぽくなった、という結果なのです。

これは地上にある緑やお花などでも極端な逆光で撮れば彩度が出ません。簡単に言ってしまうと光が強烈すぎて色がでないのですね。このような場合、太陽の向きを変える訳にはいきませんし、180度違う向きに全く同じ景色があるはずもないのでその条件で撮るにはどうするのがベストか?考えてみましょう。

上の作品は美ヶ原高原の白樺平ですが逆光なので青空がでません。そこで木々に透過する光に露出を合わせて空の部分は白バックでいくイメージを作りました。この時点でレタッチのイメージも同時に脳内につくります。レタッチでは明瞭度を下げてフォギーなイメージにしています。




EOS6D Mark2

三つ目はダイナミックレンジ、明るさの範囲ですね。画面の中で最も明るい部分と暗い部分の差がいかほどであるか?差が小さいシーンであれば欲しい露出を得るのにそれほど難しいことはありません。しかし逆光の撮影シーンとは明暗差が大きく、その範囲はカメラで写真にできる範囲、ダイナミックレンジを超えてしまうのです。

夕日に輝く海岸であれば、空に露出を合わせれば地上サイドは真っ黒、逆に地上サイドにあるバイクに露出を合わせれば空は明るくなりすぎて夕空の雰囲気が出なくなります。そういった場合、どちらも欲しいのだと欲張るのはやめて空に露出を合わせて地上サイドのバイクやライダーはシルエットとするか、バイクをアップにしてしまいバイク側に露出を合わせるといった具合に目的をはっきりさせましょう。




これら三つのシーンにおいて共通して言えるのは「どの部分に露出を合わせるか?」を最初に決めてしまえば問題は簡単に解決するということです。その作品で表現したかった一つの主題、それさえしっかり決めておけば迷うことはありません。空なら空、バイクならバイクに露出を合わせてあげて、その他の部分が真っ黒や真っ白になったとしても、変な写真にならないよう構図を作れば大丈夫です。

えっ?それを決めるのも苦手だ?そんなワガママな貴方に妙案があります。空に露出を合わせてバイクをシルエットにした写真、バイクに露出を合わせて空の色はとばした写真、この2枚を撮りましょう。どちらを採用カットにするかは家に帰ってハイボールでも飲みながらじっくり考えればOKです。

カメラとは優秀なようで駄目な部分もあるのです。今回の逆光のお話はダイナミックレンジ、つまり写真にできる明るさの範囲には限りがあって、カメラはその範囲が思ったほど広くはなく、逆光の場合は明るい側か暗い側のどちらかに寄せて構図を練らないとイメージ通りに写真にはなりませんよ…というお話でした。

  逆光におけるツーリング写真 まとめ

・カメラのAEは機能しないので積極的に露出補正しよう

・青空や緑の彩度はでないので光自体をメインとした写真にしよう

・夕空などは明るい側(空)か暗い側(地上、バイク)のどちからか一方に露出をあわせる

逆光とはコントラストがあり印象的な写真になるものです。バイクのエッジにはハイライトが入り、隠したいところはシャドウに包んだり、ハイライトに飛ばしたりと何かと印象的な表現をしたいときに逆光は良いものです。逆光の写真しか撮らないという写真家もいるくらいですからね。

写真は光が命です。逆光は光に向かってレンズを向けるのですから写真としては積極的な撮り方と言えます。逆に太陽を背にした順光写真は彩度もあり露出も簡単に決まりますが平凡であり、写真家として光に背中を向けた積極性に欠いた写真と言えなくもないです。ややこしい話ですけど本当にそう思います。

ゴーストやハレーションといった光学的な現象も発生しますが、そんな細かい事は気にしないで積極的に逆光写真に挑戦してみてくださいね。

今回はこの辺で!!

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ツーリング写真で私がいつもしていること

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、そろそろ梅雨明けなのか…という時期ですが話題の中心はコロナ渦とオリンピック開催ですね。ここ数年、日本は災害が多いですがせめてオリンピック期間中に災害が起きない事を願いたいですね。

ところで災害に備えて皆さまはご自身のバイクはどのような対策をされていますか?大地震がきたときにバイクはサイドスタンドの方が倒れにくいそうですよ。私のお世話になっているBMWディーラーさんも3.11の時はセンタースタンドで立てていたバイクだけが倒れてサイドスタンドにしておいたバイクは大丈夫だったそうです。R1200GSのような大型バイクほどサイドスタンドの方が安心で出来ればギアを入れておいた方が良いそうです。

さて今回はいつものツーリング写真解説とは少々趣向を変えて私が実際のツーリングシーンでどのようなルーティンで写真を撮っているのかを書いてみたいと思います。具体的な撮影技法のような話ばかりでは飽きてしまいますからね。

いきなり精神論的な話ですが凄い写真を撮るぞ!と意気込むのはおススメできません。「撮ってやるぞ」というハンティング精神は期待を膨らませて作るイメージが凝り固まってしまい、他の素敵な景色があっても見逃してしまうものです。例えば今日は富士山を撮ってやるぞ!と意気込んで走っていると、途中に咲いていた花々や立派な巨木などの存在に気が付けない場合があるのです。

まずは写真のことは一度忘れてシンプルにツーリング自体を楽しむことから始めてみましょう。楽しい、というリラックスした気持ちを持って走ることが何より重要だと感じます。余裕がないと駄目ですよ、ということですね。




EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

まずは場所探しです。探すと言うより出会うという感じでしょうか。この先に何かあるかも?よく通る場所だけどこんな脇道があるなんて、とふと気になった場所には好奇心を頼りに行ってみましょう。発見はそんな「予感」からはじまるものです。

以前に何度か行った場所を再び訪れてみるのも良いものです。時期が違うことで以前とは違った印象の景色であったり、自分自身の成長で見えなかったものが見えてくる場合もあります。

撮影場所とは有名なスポットが全てではなく、探検するように走って出会った景色の方が撮影として適しているものです。自分だけのとっておきの場所を見つけた時の嬉しさは何度経験しても良いものですよ。

おっここは良いではないか!この場所で写真を撮ろう!とバイクを停めたら最初にすることは何か?まずシャッターチャンス的な意味合いで時間に余裕はあるのか?の確認です。夕陽のシーンなのに既に太陽が沈む直前だ…、ローカル鉄道の撮影シーンですぐ列車が来ちゃう…といった時間的猶予の確認です。

時間的猶予の確認で急ぐ必要がないことが確認できたら、最初に精神的に落ち着きましょう。バイクで走ってくるとノルアドレナリンやドーパミンといった脳内伝達物質が放出されてある種の興奮状態なのです。これが一定時間をおくことでセロトニンを活性化させ穏やかなリラックス状態となり、やがてオキシトシンが放出されて気持ちよさ、幸福感がこみ上げてくるのです。写真を撮るにはまずこの精神状態をつくることです。

その間、ただ突っ立ていても仕方ないので私の場合はボトルに用意したコーヒーを飲み、周囲の状況を軽く散歩しながら観察します。このとき確認事項は大まかに言って2つあります。

1つ目は撮影場所の状況の確認。主に撮影スペースの広さや高さ、そこに何があるのか?太陽の位置や光と影の様子はどうか?の確認です。望遠レンズを使いたいなら後ろに下がれるスペースはあるのか?一面に咲く花畑を撮るのに登れそうな高い場所はないか?高いコントラストが欲しければどの向きで撮るのが理想か?といった具合です。

2つ目は被写体と景色の観察です。観察なんて言うとせっかく出会った被写体に失礼なのですが、とにかく被写体、景色はよく見て特長をとらえることです。この2つの観察は地味に大事なポイントです。後になって気が付けなかった…では遅いですからね。




EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

被写体、風景をよく見て撮影場所の条件も把握したら、いまいちど「そこで写真を撮りたい」と思った理由を考えてみましょう。何となく「いい感じだ」で始まったそのセッションは曖昧さを残すとそのまま写真になってしまうもの。何がどういい感じなのか?をまず言語化して撮影への具体性を出していきます。

その時に美しい、かっこいい、懐かしい、かわいい、郷愁感、崇高さ、荘厳さ、もの寂しさ、といった具合に人間の感情の動きとなるものを強く意識します。とりわけ美しさについては特別な感情の動きであると強く意識しましょう。美しさに感動していない作者の写真はただの平凡写真へと陥るのであります。

例えば夕陽が綺麗な海であれば【夕陽に照らされる水面がキラキラさんざめく海岸】といった具合に詩的情緒に言語化します。そうしたらキラキラ感が表現できる手法を自身のノウハウの引き出しから選択し、それが分かりやすく画面の中央などにくるよう構図を練るのです。言語化することで次の作業に具体性が出てくるのですね。

EOS6D mark2

感動の言語化が出来たらイメージの写真の想像、クリエイティブタイムです。イメージの写真は撮る前に撮影者の頭の中で想像する空想の写真。こう撮りたいという希望、こう撮れるはずだという完成予想図です。これがなぜ大事か?というとイメージ写真を持っておかないと画角が決められないのです。

イメージの写真が脳内に描けたら「よし、ここは海面のきらめきを大胆に引っ張りたいから135mmの中望遠レンズだ」とはじめてバッグからレンズを取り出すのです。

イメージの写真へ近づけるためのトライエラーは試し撮りという形で行っても問題ありません。ただズーム機能を悪用して画角を試すのはやめましょう。




良く動き、よく試し、よく考える。よく見て、よく感じ、よく自問する。被写体に感謝して感受性を高めたり、意識して感情が動くよう心に働きかけるのも効果的です。少し場所を変えてみたり今まで見ていた方向の180度逆の景色を眺めてみたり。ねばることで奇跡の被写体が登場することさえあります。

一通り撮り終えたと感じたら画像をプレビューしてミスがないか厳密に検査をしましょう。微妙なブレやピント位置の甘さ、空に入り込んだ小さなカラス、地面のゴミ。細部にわたるまで厳格にチェックをします。「めんどくさい、またいつかここに来ればいい」そんな気持ちでは憧れの一枚は永遠に幻想です。その撮影地において一切の妥協なく少なくともその時は納得のできるところまでやり切ることです。

人間の集中力が発揮できる時間には規則的なリズムがあるそうです。最も内容が濃く効率の良い集中力が発揮できるのは僅か15分。その次は45分、ちょうど学校の一時限の長さですね。次いで90分だそうでこれはサッカーの試合などがそうですね。

集中が切れたときにいくら粘ってもよい仕事はできません。1クールやって納得できない場合はリラックス状態の作り直しをします。この時にオススメのやり方は散歩です。撮影地の近くをウロウロ歩くことで脳内が活性化されて思わぬインスピレーションを授かる場合もあります。ナイスアイデアとは会議室ではなく散歩中に生まれるものだ、とどこかの偉人も言っていました。

適度な休憩で精神状態が整ったら2クール目として再び景色をよく見てよく感じ取ってみましょう。

ひゃ~なんだか良く分からんけどスゴい手間なのね。とてもマネする気持ちになれない…という貴方。写真は一瞬のシャッターで済んでしまうので、ついスピーディーにやるものと思いがちですが実は逆なんですよ。写真のような一瞬で済んでしまうものこそ急がず焦らずが大事なのです。この事に気が付いている人は実は少ないと思います。

今回はこの辺で!!

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