<永久保存版>バイク写真とレンズ選び☆レンズの選び方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ご自身の好きなことに向き合いライフスタイルを充実させていますか?何かと忙しい現代人、コロナ渦で余裕もない…というのが現状かもしれませんが、好きなことを楽しむのに必ずしもお金や時間が必要とは限りません。私は独身時代に比べれば自由に使えるお金や時間がぐっと減ってしまいましたが、今の方がライフスタイルは充実していると感じます。

仕事に家庭にと忙しいから自分の好きなことは諦める…これってもう時代遅れのような気がします。いまの限られた時間やお金を有効に使うにはどうしたら良いか?を考えてみましょう。

さて今回は久しぶりにカメラ、レンズのお話を書いてみたいと思います。カメラ、レンズと聞くと高い、お金がかかる、と感じますよね。いい写真は撮りたいけど最新のカメラや高級なレンズは買えない…そんな人も多いはずです。こんなご時世なのでなるべく出費は避けたいものですね。

実はツーリング写真を充実させるのに最適なカメラやレンズは何か?と聞かれると、その人の好き好きなので一概にコレがお勧めなんて言えないものです。メーカーからもバイクツーリング用のカメラやレンズが製品化されている訳ではありません。各メーカーから発売されている数々のモデルから自分の使い方や好みに合ったカメラを選ぶしかないのです。ただそれではあまりに薄情なので今回はビギナーの方でも自分に合ったレンズ選びができるようヒントのようなものを書いてみたいと思います。

・広角か?望遠か?

広角レンズ(ワイドレンズ)

EOS6D mark2 + EF14mmF2.8L

広角レンズは目の前の風景をワイドに、そして遠近感を出すレンズですよね。主に風景写真で使われるレンズですが、ツーリング写真の基本構造は風景写真なので風景が主体となるツーリング写真に活躍するレンズです。私の場合は多くの作品で広角レンズを使っています。

大まかに言ってしまえば景色の雄大さ、広がり感を表現したいときに使う事が多く、画面内でバイクやライダーは小さく構成することが多いです。特に空一面に広がるウロコ雲や夏の入道雲、星空の写真など空が主役になる場合に広角レンズは重宝します。

上の作品のように特定の主題、この場合は「道」ですが主題にぐっと寄って撮る場合と、逆に引いてスペースを作る場合の2者があります。被写体にしっかり寄っても背景となる範囲がワイドになるので、場所に対して存在している意味を表現するのに適しています。ただこれはあくまで目安であって使い方は他にもたくさんあります。広角レンズをどう使うかは使う人次第です。

注意したいデメリットはバイクや建物といった人工物を大きく撮ってしまうと、レンズの歪みによって不自然な変形が発生すること、順光で撮る場合は自分の影が写ってしまうこと、電線や看板など写したくない余計なものが画面内に入りやすくなること、などです。上の作品に使ったような14mmなどの超広角レンズは扱いに難しい側面もあり、あまりビギナーにお勧めできるものではありません。最初は28mmくらいが良いでしょう。

望遠レンズ

望遠レンズは遠くのものを大きく写すレンズということは誰でもご存じだと思います。もう少し付け加えると写せる範囲を狭めること、カメラから遠景方向に向かって空間を圧縮すること、被写界深度が浅くなって近景や背景はボケやすい傾向になること、といった特徴があります。

こちらも何を撮るかは「あなた次第」でこれという正解はありません。例えば私の場合は上の作品のように遠くまで続く直線路に「隆起している」という特徴を見出して、それを表現する手段として望遠レンズの圧縮効果を使いました。一般的な使い方としてはバイク、ライダーを主題とし背景をボカすようなポートレート的な撮り方があると思います。その場合、85から135mmあたりがお勧めです。

気を付けたいデメリットはバイク写真、ツーリング写真で使う場合、バイクと背景の組み合わせでは後ろに下がれる撮影スペースが必要になってくること、望遠の画角ほど手ブレしやすいので三脚があった方が良いこと、重く大きいので気軽にはバイクツーリングでは使えないこと、などが挙げられます。

…レンズは重いし三脚も必要だしで持って行くこと自体がハードルが高いですね。そう考えると最初は135mm程度までの中望遠レンズが良さそうですね。




この広角レンズと望遠レンズで撮った2つの作品は、どちらも北海道の人気ツーリングスポット オロロンラインで撮ったものです。撮影ポイントこそ少し違いますが、どちらも直線路を主題に撮ったものです。同じ道の写真なのに魅せたい意図に合わせてレンズの画角をチョイスすることで、まったく違った表現になるのがお分かり頂けると思います。

自分はツーリングに行った時に「どんな写真を撮りたいのか?」を最初に決めておくと、広角よりか望遠よりのどちらかを決めやすいです。それもよく分からないという写真ビギナーの方には標準から中望遠くらいがお勧めです。

・ズームレンズか単焦点レンズか?

ズームレンズとは画角を広角よりにしたり望遠よりにしたり調整できる機能を持ったレンズのことですが、現代の多くのカメラは当たり前のようにこのズームレンズが搭載されています。ここで気を付けたいのは「調整できる」のはサブ的なメリットに過ぎず本当のメリットとは複数の画角を1本のレンズで済ますことが出来る身軽さにあります。

特に我々バイク乗りはツーリングの時に何本ものレンズを持って出かけるのは困難です。積める積めないの問題の他に、万一の衝撃による破損や盗難などに遭った場合の損害を考えるとレンズは持って行っても2本くらいが妥当でしょうか。

しかし単焦点レンズにこだわってしまうと旅先で出会った想定外の奇跡の風景に「今日、あのレンズを持って来ればよかった」と後悔の念にかられるものです。それを嫌って念のため幾つかのバリエーションのレンズを持って行けば荷物が増えます。それ以前に何本も購入するのですから経済的ではありませんね。

そんなときズームレンズであれば予想外の出会いというシャッターチャンスを逃すことがありません。少々高いレンズでも1本で済ませると考えれば経済的でもあります。例えば上の写真にあるキャノンEF24-105であれば、24、35、50、70、85、105mmと6本の単焦点レンズを1本で済ませることになります。

単焦点レンズ EF135mmF2L

では単焦点レンズはおススメではないの?と聞かれると違います。単焦点レンズはレンズの群構成(ガラスの枚数)が少ないので透過する光が美しく、ボケ味にも独特の個性があったりするので、そういった特性を作品の表現として使いたい人は単焦点レンズが良いです。何本も持っていかなくてはいけない…という犠牲を払っても、です。

単焦点レンズは画角が固定されているので写真ビギナーの方にとって「足」で構図を作る訓練にも良いですし軽量で機密性も良好なので私は良いと思います。ただ望遠側の画角に限っては「それ以上は後ろに下がれない」というシチュエーションが多々あるので、その時の苦肉の微調整でズーム機能が重宝されるので、望遠はズームがお勧めとなります。しかし望遠ズームレンズは高くて重いことをお忘れなく。




・レンズの大きさと重さ

標準単焦点レンズ 左:SIGMA50mmF1.4DG ART 右:キャノンEF50mmF1.8STM

これも先ほどの単焦点かズームレンズかの話とやや重複しますが、バイク乗りにとってカメラ、レンズの機材ボリュームは極力軽量コンパクトにしたいものですよね。ましてやキャンプ道具も積載する旅となると尚のことです。

そこでレンズ1本の重量とコンパクトさはバイク乗りにとって軽視できないポイントになります。上の写真の左はSIGMAの評判の良いARTラインの50mmF1.4。右は撒き餌さレンズと呼ばれるキャノンのEF50mmF1.8どちらも同じ50mm単焦点ですが重量と軽量さでは大差でキャノンに軍配があります。

もちろん収差やボケの立ち方など細かいことを言ってしまえばSIGMAのARTなのですが、そういった写真クオリティやレンズ固有の特徴が自分が撮りたい写真に果たして必要なことなのか?をよく考えてみましょう。

・高級なレンズは必要なのか?

高級なレンズを使えば自分が憧れる良い写真が撮れる、というのは完全に幻想です。かつてキャノンのLレンズ、SIGMAのARTレンズなど何本も高級なレンズを使ってきましたが断言できます。高級レンズ≠良い写真であると。

もちろん高級なレンズは素材、設計、製造にお金がかかっていますので写真クオリティに関わる部分は素晴らしいです。レンズ特性による写真クオリティとは主に収差、ゴースト、フレア、ハレーションなどの光学的な反応をどれほど抑えられるか?となります。

上の作品は画面内に太陽光が入ったことで盛大にハレーション、ゴーストが発生しましたが、これがキャノンのLレンズだったりするともっと抑えられてクオリティの高い写真が生まれます。しかしどうでしょう?この写真を見てゴーストが残念だな…と感じた方はどれくらいおられるでしょうかね。完全に好みの問題ですが私は気にしません…というよりゴーストが出てくれた方が好きです。人の目だって太陽を見たとき「まぶしい」と目を細めると、視界にはまつ毛に反射した光がゴーストのように虹色になります。つまり人が目で見た記憶風景にもゴーストがあるではないか、だから写真にあっても良いでしょ?と言いたいのです。

・解放F値はどう選ぶ?

絞りを解放したときのF値は明るいほど(数値が小さいほど)良いレンズとされています。解放F値が明るいレンズは暗い場所に強く、美しいボケ味で表現することもできます。一方で大口径となるので大きく重くなります。価格も高いです。

よって解放F値が明るいレンズは星空を撮りたい、ボケ味で表現したい、という要求が発生したときに、はじめて購入するか検討しましょう。

EOS6D MARK2 + EF35mmF2 IS 解放F2




・お気に入りの画角をみつける

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

一眼レフカメラを購入して何年かのキャリアを積んでいくとご自身で得意、あるいは好きだと思える画角を見つけるものです。私の場合は35mmがそうで被写体に寄っても適度に背景がワイドになるのが気に入っています。バイクを大きく構成しても歪みが殆ど気にならない広角という意味でも良いですね。

皆さまもぜひ、ご自身でこの画角が好き、得意だと思える画角を見つけてみてください。そしてその画角は自分にとっては特別な意味のあるもの、として単焦点レンズを用意してみましょう。きっといつかこの意味が理解できる日がきます。

・高倍率ズーム

24-200mmとか凄いものは18-400mmといった具合にカバーできる画角を広範囲にしたレンズを高倍率ズームレンズと言います。先ほど我々バイク乗りは持っていける質量が限られているのでズームレンズは良い、と書きましたが高倍率ズームレンズで行ってしまえば本当に1本でOKとなる訳です。しかしそんな都合の良い話は無い訳で当然ですがデメリットも多いです。具体的には望遠側で顕著に出てしまう画質の低下、解放F値が暗いので手ブレしやすくボケ味も期待できない、などです。画質の低下はSNSにアップする程度なら問題無さそうですが大きくプリントしたい人には許容できかねない場合も考えられます。

価格も安く便利なのは間違いありませんがビギナーにはお勧めできません。慎重に検討しましょう。

 ~レンズの選び方 まとめ~

・ズームレンズを賢く使えば荷物は身軽に&経済的

・高いレンズ≠いい写真

・お気に入りの画角を見つけたらそれだけは単焦点で!

・風景主体のツーリング写真は広角を使おう

・バイク、ライダー主体で撮るには中望遠から望遠を

・星空や夜景で撮りたい場合はF値の明るいレンズを

・ビギナーは高倍率ズームはやめた方が無難…

レンズ選びはカメラ選びと同じで人の好き好きです。こんな写真が撮りたい、という要求に合わせて選ぶものなので他者の情報はあまり参考にならないものです。また「こんな写真が撮りたい」という要求は時間とともに変化していくので何度か買い替えを繰り返すことがあると思います。いろんな写真を撮って写真に対する理解を深め、それと同時にカメラやレンズの知識も覚えて自分に合ったものを自分で探せる能力もつけていきましょうね。

では!!

にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング

写真は考え抜いて工夫を凝らし納得いくまで撮り切る

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、コロナ渦の自粛生活、いかがお過ごしでしょうか?去年の5月、新型コロナウイルスのことがまだよく分かっていなかった時、最初の緊急事態宣言が発令されましたね。あの時は街中も人がまばらで通勤電車も空いていました。私はJR京葉線を使うのですが日曜日なのに東京ディズニーランドのある舞浜駅に人がいなかったのが衝撃的でしたね。社会人になってずっとこの路線を使ってきましたが、あんな光景ははじめてでした。

あまりテレビや新聞では取り沙汰されることはありませんが、去年のあの自粛期間は自然環境には良かったようですね。航空機が減便され工場の稼働も下がり、排出されるCo2や汚染物質が極端に下がったのでしょうか。大気が澄んでいてすごく星空がきれいでした。やっぱり人間の活動と自然破壊は完全には切り離せないのかもしれませんね。

さて、今回のツーリング写真解説では実際の撮影現場ではどんなプロセスで作品をつくるのか?撮影現場で何をしていいか分からない、納得のいく写真が撮れないというビギナーの方向けに書いてみたいと思います。

なお解説に使う作例は前回の構図の解説に使った場所と同じです。

前回の投稿は こちら

左 F9.0  右 F2.0

私の住む千葉県は房総半島。その中でもトップクラスに海が美しい守谷海岸。千葉県とは思えないほどキレイですよね?この場所で撮ったツーリング写真を使って作品のプロセスをご説明します。

まず「ここで写真を撮ろう」と決めたら、そこは何かしら自分が良いと思った特徴のある場所なので、それを明らかにしておきましょう。海が綺麗、空の雲が良い、道に魅力を感じる…といった具合に自分で一つのことを決めます。この写真の場合は海の青さ、海岸の雰囲気ですので高い場所から撮って俯瞰的な風景写真としました。

上の2枚は試し撮りです。まずは試し撮りから色々なことを読み取りましょう。最初に気になったのが堤防のコンクリ壁で、この影がこの写真内でかなり存在の強い分断線を作ることになります。これは配置に注意が必要で1/3または1/5単位といった奇数の比率で配置させます。それでもアクが強すぎると感じたので、後でLightroomで堤防の部分を少しシャドウアップさせることにしました。

次に前景として入れた草地です。冬であることを伝える茶色の草地は左のF9.0だと粗目でうるさく感じてしまい、デザイン上で本題との相性が悪いです。そこでせっかくのキャノンEF35㎜F2ISです。道具の利点はフルに発揮させるべしと解放F2.0で撮ったのが右の写真。粗目だった草地は見事にボケてくれました。これによりデザイン上の問題をクリアしただけでなく、主題となる風景の演出に役立たせることができました。しかし解放を風景で使う時に気を付けないといけないのは周辺光量落ちです。比較すると分かりますがF2.0の方は画面の四隅が暗くなってしまいました。

周辺光量落ちは必ずダメという訳ではありませんが、この写真の場合は無垢の青空があるので気になります。これは後でLightroomで周辺光量補正を入れることにしましょう。




高い場所からのハイアングルを選んだことにより、美しい海の面積を確保することに成功しましたが、砂浜も同時に広く入ってしまいました。青い海が主題なのに砂浜の割合が広すぎます。砂浜には美しい砂紋でもあれば演出として最高のキャストですが、この場合は無数の足跡があるだけで特段魅力的とは言えません。無駄なスペースになってしまいそうです。さあ、どうしましょうか…

ここで私が考えた解決策はライダーの歩く導線で海とバイクを結ぶことです。ライダーが海に向かって歩くことで作品にStory性を加えることができますし、これによって無駄だった砂浜の存在も意味を持つことができます。

左側は堤防の上に立った写真、右側は砂浜を海に向かって歩く様子、砂浜の存在を有効活用したのは後者であるとお分かり頂けるでしょうか?




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

最終的に採用カットとなったのはこの写真です。インターバルタイマー機能を枚数無制限に設定して撮影しているので、同じ撮影シーンで何枚ものカットがあるのですが波の表情や自然に歩くポーズなどを意識して慎重にセレクトしました。先ほどの写真と違いライダーの向きがこちら側へ向かう方向となりましたが、原則として人物が写る場合は「顔」があった方がベターであると覚えましょう。もちろん背中で魅せる場合やフレームでカットして想像を誘う手法など、意図がある場合はその限りではありません。

Lightroomのレタッチも撮影現場で作ったイメージの通り、周辺光量落ちの補正、堤防のシャドウリフト、それに加えて守谷海岸の青い海のイメージの再現でHSLでアクアの彩度を上げています。

今回の解説でビギナーの皆さまに知ってほしかったことは試し撮りの中から足りないもの、もっと良くできる部分、なんとなく釈然としない違和感を見つけ、自分で考えて解決策へ導く力を持ちましょう…ということです。

そして、少なくとも撮影現場では納得のいくカットが撮れるまでしっかり撮り切ることです。その為には途方もない労力が必要かもしれません。その原動力となるのはいつでも「いい写真が撮りたい」といpassionに他ならないです。




ほんと毎度偉そうな話になってしまい読者の皆さまには失礼なのですが、最終的には自分で考えるしかないということです。いろんなことをネットで調べる便利な時代・・しかし自身で考えて決めるしかないこともたくさんあり、写真もまた然りです。そして正解のないARTなのですから自分の好き、自分の場合はこう、自分独自の好みや考えを自身で把握しないと撮影現場で途方に暮れてしまうものです。

最初は分からなくてOK。その時、納得のいくまで出来なかったとしても考えて苦しんだことが貴方を成長させてくれます。

今回はこの辺で!!

にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング

今さら聞けない写真のイロハ コントラストって何?

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、写真を楽しまれていますか?写真は現代となっては誰もが撮る当たり前の文化ですが、ただの記録写真ではなくぜひARTを意識して楽しまれてください。自分が芸術家の一員になった気持ちでやるとそれだけで違った作品が撮れるかもしれませんよ。

そう作品・・・ただの写真ではなく作品です。どんなに稚拙だなと感じても自分がARTを意識して一生懸命に撮ったものなられっきとした作品です。なぜなら貴方の見た一瞬のツーリング風景…それを切り取った写真とは記憶風景と重なり人生の財産へと昇華するからです。…いつか人生を振り返る時がきたとき、一枚の写真からバイク旅で見た一期一会の風景に深い想いを馳せるでしょう。

【あの日あの時、写真を撮ったからこそ記憶に焼き付くツーリング風景】私はいつもこんな言葉を大切に写真活動をしています。忘れちゃったら寂しいですものね。

さて今回は写真ビギナー向けに写真の基礎的なこととしてコントラストについて書いてみたいと思います。コントラストと聞くと誰でも一度は聞いたことのある単語だと思います。写真にはいろいろな用語がありますが例えばラチチュードとか回折現象とか難しいのがいっぱいあります。

でもコントラストなら…ご存じですよね??

コントラストって何???

EOS6D Mark2

なに?知らない?・・・大丈夫です、そんな貴方は今回の究極のツーリング写真で覚えちゃいましょう。コントラストとは「コントラストのある写真」などよく言われますが、一般的に写真内で明るい部分と暗い部分の差が大きいことをいいます。

差が大きいことによってメリハリがあり見る人に印象を与える心理的な効果があります。これは明るさに限ったことではなく、鮮やかなものと無彩なもの、派手なものと地味なもの、大型バイクと原付バイク、雄大な大地にぽつねんと一つの人影…とか。これらもコントラストとして印象効果があります。

背の大きい人と小さい人が2人一緒になっていると印象的ですよね。むかし仕事で取引先と待ち合わせをしていた時にこんな出来事がありました。そのお相手はけっこうな大きい会社なのにやってきたのは社長さんと一般社員さんの2人だったのです。普通は直属の上司を連れてきますよね。あるいは重要な取引なら役員と部長クラスとか。このギャップがとても印象的だったので今でもよく覚えています。




コントラストとは別の言い方をするとギャップが激しいことです。闇と光があるからこそ感動を受ける心理です。その昔、北海道ツーリングで冷たい雨に長時間打たれながら走り続け心折れそうになったとき、夕方になって突然晴れて美しい夕陽が現れました。黄金に輝く空が路面の水たまりに反射して、その美しさが心にしみわたり涙が出そうな想いをしたものです。もし雨に打たれて走ってきた経緯がなければ、それほど大きく感動はしなかったかもしれませんね。

EOS6D Mark2

言葉の使い方にもコントラストのようにギャップを利用した方法があります。例えば異性に好意を告白するとき「あなたのことが好きです」と言うよりも「嫌いになれればよいのに好きという気持ちが打ち勝ってしまう」と伝えた方が相手の心に強く響きます。「嫌い」と「好き」の相反する両者が一文に入ったことでギャップ(コントラスト)が生まれたのですね。

このように人は心理的にギャップを受けた時に強い印象を受けるものなのですね。一枚目の写真は強い逆光を受けての夕日のシーンですが、この写真に何か感想をつけるのであれば…そう「ドラマチック」ですよね。ゴールデン洋画劇場のエンディングみたい、という感想の方も多くおられますが、多くの方がそう感じるのであればゴールデン洋画劇場といえばこのシーン、と皆に強く印象に残されているという事ですね。

写真を見る人に印象を与えたいときに有効な「コントラストのある写真」。ではそういった写真を撮るにはどうしたら良いのでしょうか?

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

この3枚の写真をみて勘の良い人は既にお気づきかと思いますが・・・そうです逆光で撮るのです。明るいところと暗いところ、写真用語ではハイライトとシャドウと言うのでこのワードは是非覚えてください。ハイライトとシャドウによる写真への演出、それを得るには太陽光の存在が欠かせません。

ツーリング写真は基本構造は風景写真です。コントラストのある風景写真を撮るには晴天時、しっかり太陽光が出ているとき、順光(太陽を背にした)を避けて逆光、斜光で撮ればコントラストは得られます。




EOS6D mark2 + EF35mmF2 IS

またはこの作品のように被写体などの影になっている部分を使う事でコントラストを得ることができます。太陽の向きと被写体の位置関係を意識すれば、このような写真はそれほど難しいものではありません。

逆光などの強い太陽光、あるいは日陰と日向の両方に向かって果敢にレンズを向けて撮るのですから、カメラの評価測光(AE)はイメージ通りに機能しない場合が多いです。その場合はイメージに合わせてしっかり露出補正を行いましょう。

コントラストのあるツーリング写真を撮る場合のポイント

ハイライトとシャドウ、この両者で演出するツーリング写真。以前に究極のツーリング写真ではカメラには写せる明るさの範囲があり、それをダイナミックレンジと呼びます、そしてその範囲には限りがあるものです・・・という解説をしました。

強烈な逆光ではハイライトかシャドウ側のどちらか一方(あるいは両方)はダイナミックレンジの範囲を超えて写せない(データでは0:真っ黒、255:真っ白)状況が発生しやすいです。黒ツブレ、白トビなどと呼びます。原則としてこういった現象が発生しないよう構図と露出をコントロールする必要があるのですが、これはビギナーの方には少々難しいので知識の片隅に置いておいてください。

簡単なポイントとしては画面内においてシャドウ部とハイライト部で構図にアンバランスがないか意識することです。上の倒れた漁船の作品を見て頂ければ分かりますが、シャドウ1:ハイライト2の比率で3分割されています。これが1:1だったり位置関係に秩序がなかったりすると、高コントラストの写真は例え露出補正しても、いとも簡単に失敗写真となります。

コントラストは必ず必要なの?

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

一般的に写真にコントラストはあった方が良いと言われますが、自由表現が許されたARTの世界なのですから絶対ではありません。そもそも天気が悪く曇天や雨天だったらコントラストのある写真が撮れません。

上の写真は低コントラストの作品で天気は曇天です。色付いたイチョウの様子を表現するのに作ったイメージはふんわりと柔らかさのある写真です。このように低コントラストで表現する写真の多くは力強さと相反する「やさしい」「やわらかい」という女性的な印象の写真です。

低コントラストの写真をイメージした場合、露出設定でハイキー(全体が明るめ)とし、レタッチでは明瞭度を下げてフォギーな仕上げにしてみましょう。




EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

コントラストが低ければ「フラットな写真」などとも言いますが、ただフラットなだけでは印象が薄い写真になってしまいます。見る人に伝えるための演出の1つとしてフラットな場合は露出や色、明瞭度などを調整して表現しましょう。上の作品の場合は緑の仕上げ具合とホワイトバランスを慎重に調整した表現です。高コントラストもフラットもその景色、その被写体にぴったりな表現はどれであるか?を作者なりに考えて選択するのですね。

いかがでしたか?知っているようで知らない…写真のコントラスト。辞書で調べると並置されているものごと、近縁のものごとが大きく異なっていること。色、トーン、形などの差異。とあります。

私はよく裏磐梯にツーリングに行くのですが、ゴールドライン、レイクライン、白布峠とワインディングを堪能し、その興奮が冷めぬ直後に諸橋近代美術館でART鑑賞をするのが大好きです。バイクを降りた直後のドーパミン、アドレナリン分泌状態で静まり返った美術館でエンドルフィン、セロトニンを分泌し快楽の報酬物質の悦にひたるのです。同じことを箱根でもやったことがあります。芦ノ湖スカイライン、伊豆スカイラン、ターンパイクなどを走ってポーラ美術館に行くのです。このギャップが最高の快楽ですのでぜひ皆さまも試してみてください。

写真におけるコントラストのお話でした!!

にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング

リコーGR APS-C

写真における「考える力」とは…

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、新型コロナウイルス流行第3波の最中ですね…。観光業、飲食業…そして医療関係の方は本当に大変だとお察しします。一方、依然としてバイクやキャンプが感染リスクが少ない趣味として人気のようです。

先月、富士山の朝霧高原にある人気キャンプ場【ふもとっぱら】に行ってきたのですが、平日にも関わらず凄い人の多さでした。ざっと見た感じで200~300組くらいのキャンパーが来ていたと思います。ふもとっぱらキャンプ場はとても広いキャンプ場で最大で1000組以上は内包できるキャパシティですから200~300組であれば「密」ではないのですが…それでも冬にこれほどキャンパーが集結するとは凄い事ですね。

その昔、冬にキャンプするなんて変人扱いされたものですが現在では「冬こそキャンプ」という風潮がすっかり浸透したようです。




EOS6D mark2

ふもとっぱらは目の前に富士山がドーンと見える、開けた風景の雄大なキャンプサイトです。星空も朝日も美しいですし反対側の毛無山の風景も素晴らしいです。私のようにキャンプ場に求める重要な要素は風景である、という人間にとっては最高のキャンプ場と言えます。

目の前に富士山が見える絶景…これこそがふもとっぱらキャンプ場が人気である最大の理由であるのは疑う余地がありません。一方で仲間同士でバーベQ大会のように騒いでいる人達や一日中薪割りをしておられる人達にとって、このふもとっぱらの風景は重要なのだろうか?と些か疑問でもありますが…

きっと「人気のキャンプ場」と検索して上位に出てきた情報がたまたま「ふもとっぱら」だったのかもしれませんね。ちなみに去年に行った浩庵キャンプ場と同様に、ここふもとっぱらも人気アニメ「ゆる△キャン」の聖地です。




上の写真は夜明け前のサイトで明るんだ空にうかぶ富士山の様子を撮ってみました。この時、地上側であるバイクやテントの様子をどのように写すか腐心しました。いかんせん太陽がまだ登っていないので光が絶対的に乏しいのです。かといって地上側に合わせて露出を設定すれば空の雰囲気は飛んでしまうし、そもそもイメージがローキーなものだったので、これ以上明るい露出は検討の余地すらありません。

さて…困った、ライトでも当てるか?さんざん考えた挙句、あるアイデアを閃きました。焚火に湿った落ち葉を集めて投げ入れスモークを焚いてみたのです。風向きも手伝って狙った通りR1200GS-ADVの背後に白い煙が重なってくれました。これで誰が見てもそこにバイクがあるのが分かる写真になったと思います。

今回の撮影ではこの後、空の様子がもっと魅力的になったので、このカットは採用カットに至りませんでしたが、改めて悩み考え工夫を凝らすことの大切さを学んだ気がします。こういった事っていくらネットで調べたって解決策は出てきませんからね。最後は「自分で考える力」です。

例えば人気のラーメン店に行けるチャンスがあったとします。そこで人気メニューは塩ラーメンなのに知らずに醤油ラーメンを注文してしまえば後で後悔するかもしれません。初めて行く土地に乗ったことのない路線で出かける時、最短で運賃の安い経路で行きたいものですね。これらは事前にインターネットで調べて情報を入手しておくのが賢い現代流ですね。

しかし素敵な写真を撮りたいときや、素晴らしいキャンプ場はどこにあるのか?といったことをインターネットで調べてしまうと、必ずしも最良の情報を入手できるとは限りません。何でもネットで調べる悪い癖をつけてしまうと「自分で考える力」が退化して自分という人間が情報社会のシステムの一部になってしまうようです。

以前、Facebookのあるグループを見ていた時のことです。BMWバイクのグループで「次はBMWのバイクを買おうと思いますがお勧めの車種は何ですか?」という質問をポストしている人がいました。多くの人が懇切丁寧にレスを書いていましたが、私が最も親切だなと感じたのは「あんたの好きなバイクでいいんやで」と書いたレスでした。それとは別の日にキャンプ関係のグループでこんな投稿を見かけました。「キャンプ場で夜ご飯は何を食べれば良いでしょうか?」という質問です。これも同様に様々なレスが書かれていましたが、私が一番親切だなと感じたのは「あんたの好きなもん食えや」というものでした。同一人物だったかは未確認ですが…面白いですね。

私自身、頻繁にネットで色々と調べることが多いので改めて「自分で考える力」について意識していきたいと思いました。自分の好き、自分で考える、自分の場合ならこうだろう…こういった自由意志こそが人間らしさであり、決して失ってはいけない大切なものだと思います。

今回はこの辺で!




にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング

ツーリング写真におけるいい写真とは?

いい写真とはカメラを持つ全ての人の共通の願望ではないだろうか?

しかし【いい写真】とは極めて主観的であり、こういった写真がいい写真だと定義するのは難しい。カメラを使いこなして高画質な写真が撮れればソレをいい写真と言う人もいる。整ったバランスや計算されたような比率を持つ写真をいい写真と言う人もいる。私はどちらもそれだけではいい写真は成立しないと思う。




ただ1つだけ確かなことは撮った自分がいい写真だと思える写真であること。これはいい写真を追求していくための土台であり、これだけは是が非でも貫きたい。それが許されるのがアマチュア写真家の最大の特権なのだから。

EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5.6-6.3DG

写真をライフワークとして生きていく写真家(自称写真家含む)であれば美とは何だろう?という疑問が常についてまわる。

被写体や風景の特徴を受けて何らかの心の反応があったとき、それは美を感じた瞬間かもしれない。そしてその瞬間を表現したいという願望が湧いてくる。それが写真家という生き物の性ではないだろうか。それを表現ではなく記録しておきたいと思うのが一般カメラマン、この両者は似て非なるものだ。

心の反応…感動や感情といった人の心は極めて複雑であり、自分の心でさえも何がどう感動しているのか把握するのは難しい。そんな時は自分の持てる語彙力を使って感動を言語化してみる。すると不思議なことに感動の正体が姿を見せて撮影を開始するための具体性が出てくる。

ところで語彙力については私も苦手・・・、気の利いたワードが思い浮かばない時のもどかしさとは、うまく写真にできない時の気持ちに少し似ている。両者とも自分の心がどうであったか?の答えは簡単には見つからないのだ。

景色をみつめ、さざ波の音、風の感触、太陽のぬくもり、草木の香りなども含め全ての感覚を動員して感じよう。そして自分の内面と向き合って心に問うてみる。細部にも宿る美をも見極めてうったえたい一つのことを決めたら、キャストに役割を与えよう。

キャストとは主題、副題といった主要メンバーに限らず、岩や草、かすむ遠景、きらめく水面、差し込む光のすじなど、小さなものや「もの」ではないものも含めて作品のキャストとして考えよう。




そろったキャスト達にそれぞれ見合った役割を与えたら表現の引き出しから最適な表現手法を検索してみよう。一般に言われる「撮り方」というヤツだ。オーソドックスに構図しても良いしダヴィンチのように数学的複雑さを持たせても良い。またはあえて何もせずシンプルに表現するのも悪くない。

表現の引き出しに最適と思えるものが無かったらリラックスしてユニークなアイデアを授かってみよう。inspirationはいつでもリラックス時に突如として生まれる。

感動の正体を見極め、被写体のキャスティングが済んだら空想の写真を描くクリエイティブタイムだ。空想の写真は一般に「イメージの写真」と言われ、いわば作品の完成予想図だ。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

空想の写真が脳内に固まったらレンズを選ぼう。ここから先はカメラや三脚をセッティングするワークタイム。空想の写真に限りなく近い写真が撮れるよう構図や露出などを決めていく。特にベストアングルと呼べる納得のアングルを探り当てるのは重要だ。




もし時間的猶予があるのなら、試し撮りを繰り返して熟考の末「本当にこれでいい?」と自問しなかがら試行錯誤だ。多くの場合、いつも通りに作業をすすめていけば、それっぽい写真が撮れるのだが、そこでフィニッシュにしてしまうと何かが足りない平凡な写真に終わる。

最後のひと捻り、粘り。自分の感じた「美」を暴き表現するための執着心のようなもの。普段、写真以外のことでは現実を受けて妥協しなければならない事は多々ある。しかし写真だけはただの1ミリでさえも絶対に妥協はしないと決めている。

こういった苦しみに近い戦いと葛藤の末に「いい写真」と呼べる作品が生み出される・・・そう信じている。

最後の最後まで自問しよう「これで本当にバイク旅の魅力が表現できたかな」と。

にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング

ツーリング写真の魅せ方シリーズ第12回<魅せ方は無限大>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ネットは活用されていますか?活用されている…なんて言われても現代人にとって無くては不便なくらいネットは重要なものになりましたね。このブログもネットで見るものですしね。

先日、検索サイトで調べたいことがあって幾つかのワードを入力しました。1つは時計のことを調べるのに「プレサージュ」、正しくはプレザージュだったのですが…。その後、しばらくしてネットを見るとページ上に表示される車買取りの広告がありました。その広告に日産プレサージュの高価買取!と書いてあり何でプレサージュ…?とその時は不思議に思いました。また別の日にネットでハッセルブラッドの「ステラ」を検索すると、今度は数日後に同じ車買取の広告でスバルステラの高価買取!と出ました。

あぁ…なるほど、検索歴に基づいたリスティング広告だったか。しかし全くお門違いなリスティングで思わず笑ってしまいましたが。この辺の正確さが今後はAIで更に改善されていくのでしょうけど、何だか気持ち悪いというか怖いですよね。




さてツーリング写真の魅せ方シリーズもいよいよ終盤です。いままで露出、被写界深度(絞り)、シャッター速度、望遠や広角レンズ、構図やデザイン・・・様々な手法でツーリング写真の魅せ方があることをご紹介してきました。今回はそんな定番の魅せ方に限らず、魅せ方はアナタ次第で無限大ですよ!!!という事を書いてみたいと思います。

スペースで魅せる

EOS6D mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

例えばこんな魅せ方です。私は千葉県民なので海の写真が多いのですが…、東京湾に沈む夕日に遠方には富士山。SIGMAの超広角ズームレンズで撮った夕陽のツーリング写真です。

通常ならこのようなシーンでは空にウロコ雲でも広がって、その様子が沈む夕日に照らされてマゼンタに染まっているとか、そんなイメージを膨らませてしまいます。この場所に着いた時、雲がひとつも無いことに正直ガッカリしました。しかしどんなに願っても現実は変えることができません。それが写真というものです。

そこで今ある現実の様子に特徴を見出して、それがうったえたい一つのコトを表現する手段に使えないだろうか?今あるこの景色のどこに自分なりの「美」があるだろうか考えてみます。

特徴→雲ひとつない それを読み解くと空に存在する繊細な階調(グラデーション)が美しいこと…と答えが見つかりました。この場合の「答え」とは自分なりの答えです。ビギナーの方がやってしまう「正解探し」とは似て非なるものです。

そうと分かれば雲ひとつない空のスペースを12mmという超ワイドな画角で切り取り、少々大げさなくらいにR1200GS+ライダーを小さく構図しました。バイクはあまり小さくし過ぎると気が付いてもらえないほど存在感が落ちてしまうので、ご覧のようにハイライトと重ねるなどの工夫を施しています。

有名な手法ではありませんがスペースで魅せる表現方法です。




埋め尽くしてのぞき穴で魅せる

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

これはたまに見かける「のぞき穴構図」の応用版ですが、絞り開放で手前の桜をボカすことで深度で魅せる表現とハイブリッドさせています。

ボケている手前の桜とR1200GS-ADVENTUREが置いてある場所の桜は50mくらい離れているので、合焦している桜とのコントラストを作ることができました。また少々高度な話ですがR1200GS-ADVENTUREを配置したところはフィボナッチスパイラルの黄金比構図に合わせています。

カメラ位置のすぐ近くにあった桜に穴のようなポイントを見つけたので思いついた撮り方です。逆に言うと遠景の建物や周囲にあった電柱や電線など、写真にしたくない要素を隠した撮り方でもあります。

被写体をよく見て認識し、状況を把握して出来ることを考える。その結果、この場合はこれしかない!と納得できる魅せ方を自分なりに考えて完成させるのですね。難しいように聞こえますけど、こうやって自分で考えるのは楽しいものです。




シャッターチャンスで魅せる

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

忘れてはいけない大事な魅せ方の一つはシャッターチャンスで魅せるやり方です。「シャッターチャンス」という写真用語はあまりに有名なので今さら感が否めませんが「ここだ!という瞬間、二度と来ないチャンス」という意味で間違いはありません。しかし重要なことはそれがやってくることを信じて待機することなんです。

もちろんやってこないで空振りに終わる事も多々あります。奇跡が起こると信じていることは奇跡をイメージ出来ていることに他ならず、いい写真を撮るために貪欲な想像力の持ち主であることを象徴します。

上の写真は北海道の名もない広域農道で撮った道のツーリング写真です。空には雲が流れていて、太陽が光を落とす地面には影が道をツーリングしていました。「影が道を走っている」そんなイメージをつくってかなりの時間をかけて撮った1枚がこれです。実際には影はすごく早くて時速40km/hくらいでしょうか。まさにスポーツシーンを撮るような感覚でしたね。

黒バックで魅せる

EOS6 mark2

これは<露出で魅せる>の応用型で黒バックで魅せるやり方です。山桜の花に露出を合わせれば、おのずと日陰になっている背景は黒く潰れます。すると黒色のバック紙を置いたようにアーティーな1枚が仕上がるのです。これと真逆に白バックを作る事もできます。アート系フォトグラファーの常套手段ですね。

今回のツーリング写真の魅せ方シリーズは今までの解説の統括的に書いてみました。写真ビギナー向けの内容ではないかもしれませんが撮り方は今までご紹介した有名なやり方以外にもいろいろあるよ!自分で考えても楽しいよ!という事だけ知っていただければ良いと思います。

次回はちょっと深いお話でツーリング写真の魅せ方シリーズ<なにもしないで魅せる>をいってみたいと思います。

お楽しみに!!

にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング

ツーリング写真の魅せ方シリーズ☆第3回<シャッター速度で魅せる>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今日から9月ですが秋のツーリングの予定は立てられましたか?ツーリング先で素敵なバイク写真を撮るのが楽しみな季節ですね。紅葉で色づく山々やウロコ雲の広がる夕空など、想像するだけで心躍りますね。

さて前回まででツーリング写真の魅せ方シリーズを解説してきましたが、第1回が露出で魅せる、第2回が被写界深度で魅せる、ときたので3回目の今回は<シャッター速度で魅せる>を書いてみたいと思います。

写真ビギナーの方にとって露出、絞り、シャッター速度…これらカメラ用語でよく出てくるワードがやたら難解に聞こえるものです。それが何なのかは世にあるHowto本やネットにも情報は溢れていますが、いざ自分が撮る写真に応用できない人は多いと思います。

究極のツーリング写真ではバイク写真、ツーリング写真の作例を使ってどのようなシーンでその撮り方を使うのか?を具体的に解説しております。

・スローシャッター

EOS6D Mark2

シャッター速度は露出でつまずいているビギナーにとって絞りに比べれば優しい内容だと思います。その名の通り「シャッターが開いていた時間」のことでシャッターボタンを押したときのカシャという音でもその時間を感じとることができます。

普通はカシャっという音が聞こえてきますがシャッター速度を遅く設定するとカ・・・シャとなります。もしカメラを手持ちで撮ったのであればブレブレの写真の出来あがり…誰でもそんな経験があると思います。

絞りの時も同じように説明しましたが露出の観点(出来上がる写真の明るさ)ではシャッター速度が早ければ暗い写真、遅ければ明るい写真となります。先ほどのカ・・・シャ→ブレブレ写真の完成、は暗い場所で露出をカメラに任せた結果、または深い被写界深度を求めて絞り込んだ場合などによく起こることです。

実際の撮影シーンでシャッター速度を意識するシーンとは作品に時間、動き、スピード感を与えたい時です。例えばスローシャッターに設定すれば上の作例のように景色は流れてスピード感が表現されているのがお分かりいただけると思います。

この写真のシーンをもしシャッター速度を意識しないで平凡な設定で撮れば、ここまで「駆け抜けている感」は表現されません。事前に緑の森を疾風のごとき駆け抜けるイメージを描いた結果、スローシャッターを選択したのですね。




・流し撮りについて

シャッター速度 1/15

スポーツシーンや走り去るオートバイを撮るときなどに「流し撮り」と呼ばれる表現手法があります。シャッター速度を遅く設定し、カメラは動く被写体を追従しながら連写モードなどで撮る方法です。

よく写真テクニックという言葉を耳にしますが私は個人的に写真テクニックという言い方が好きではありません。しかし流し撮りについては写真テクニックという言い方が相応しいなと思えます。それくらい技能的な手法であり事前に練習を重ねて習得しておかないと成功は難しいです。

・高速シャッター

EOS6D mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG C

これは先ほどの作例とは逆に早いシャッター速度で撮った写真です。岩に砕ける波の飛沫が一粒一粒の玉となってその刹那を捉えました。シャッター速度で魅せるやり方はスピード感を与える一方で「瞬間」を表現することもできます。

ここでワンポイント。上で紹介したような作例による解説は世に溢れているので既にご存知の方も多いと思います。大切なことは被写体の特徴をうけて認識したことを表現手法に結び付ける発想力です。この場合は岩に砕ける波の飛沫をよく注視し「あの様子を高速でシャッターでとらえたら、きっとユニークなものができるぞ」と思ったので高速シャッターで撮りました。結果、飛沫はまるでドラゴンか鶴のような姿となり本当にユニークな写真が撮れたなと自分では思っております。

ちなみにこの写真はバイク、波の飛沫、遠景の船と3レイヤーの構成で被写界深度も意識しなければいけなかったので、ピントピーク位置を波の場所を含めた少々奥にマニュアルフォーカスで合わせています。ほぼ無限遠ですけどね。




・エキサイティングな設定とブレについて

RICOH GR APS-C シャッター速度 1/8

ブレ写真といえば誰でも失敗写真をイメージすると思います。ブレにはカメラブレと被写体ブレの2つがあって詳しくはまた別の機会に書いてみたいと思います。ここではシャッター速度とブレは関係しているので少しだけ触れておきます。

シャッター速度が遅くなると手ブレ写真になるリスクが高まることは既にご存知の方も多いと思います。失敗写真となるブレを防ぐには三脚を使用する、ISO感度を上げる、絞りを開いてシャッター速度を落とさない…などがあります。一般的にブレたら失敗写真…とされていますが、決めつけてしまうと表現の幅に制限が出てしまうので気を付けましょう。

上の作品では大胆に流した風景の中に疾走するカワサキW650。その様子はまるで風景の中に吸い込まれるような表現としています。ここで注目していただきたいポイントは縦にカメラブレしていることです。本来であればブレてほしくないW650、私のバイクのテール部分ですが、これに縦ブレが入ったことで作品に一気に緊張感が加わりました。

このようにカメラブレが必ずしもダメな訳ではなく、時として演出に役立つ場合もあるものです。ルールのようなものに縛られるのではなく柔軟にとらえましょう。




それとシャッター速度の話と少々脱線しますが、この作品は1/8と大胆すぎるほどのスローシャッターに設定しました。普通、このくらいのシーンなら1/40だろうとかベテランほど数値を思い浮かべますが、それって平凡写真を生んでしまう要因のひとつでもあります。簡単にいってしまうとアホみたいな設定も試してみようぜ!と言うことです。

自分で考える、自分独自の発想、自分が好きなようにやる…これが写真って本当に楽しいなと思えるポイントです。だから皆さまもセオリーに縛られずエキサイティングな設定を試してみてくださいね。この楽しさを一度でも味わえば誰かが撮った写真の撮影データを知りたがっていたのが馬鹿らしく思えてきますよ。

ツーリング写真の魅せ方シリーズ、まだまだ続きます。

にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング

いい写真にセンスは重要か?

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、いよいよ夏のツーリングシーズンですね。今年は春に巣ごもりしていた関係で体が暑さに対応できていない場合があるそうですね。例年に増して熱中症に注意してツーリングしましょうね。こまめな休憩とのどが渇く前に水分補給が大事だそうですよ。

さて今回は写真をやる上でセンスは重要なのでしょうか?という話に触れてみたいと思います。センスというと生まれ持った才能のようで後からではどうにもならない…という印象ですが、センスは磨けば光るものです。




「私はセンスがないから…」と諦めモードの人をよく見かけますが、私が考えるにセンスは今だけ輝きを失っているだけです。確かに個人差はありますがセンスは人それぞれ種類が違うだけで優劣ではないと思います。大切なのは今のセンスではなく美や芸術に対して無関心な事の方が問題だと思います。

EOS6 mark2 + EF35mmF2 IS

先日、知人の方と「私はセンスがないのでどうにも…」とやはり諦めモードの方と話す機会がありました。その方は私と同じEOS6D Mark2を愛用されているのですが、そろそろEOS Rに買い替えようかと思っている…という話題の最中でした。

「EOS Rに買い替えてもセンスがないから上手い写真は撮れないだろうけどね」

もちろん今のままでは買い替えてもきっと写真は変わり映えないと思います。カメラを買いかえれば写真がよくなる…というのは幻想です。カメラの買い替えを検討するのは自分が撮りたい写真を実現するのに必要な機能が発生したときです。

その方との会話で今の季節は千葉からでも天の川が綺麗に見れますよ、という話題になりました。天の川という単語に「おぉ~」と反応してくれたので、上の写真をお見せしたところ「なんですかこれは?雲ですか?」と首をかしげていました。

天の川を知らないのは問題ではありません。普通なら「わー、きれい」となるはずですが表情が全く変わらなかったのが気になりました。美しいものを見ても美しいと思えない…動かない心。美や芸術に対してあまりに無関心なこと。これがこの方の写真が進歩しない原因なのだなと思いました。(私の撮ったこの写真が美しくないのが原因かもしれませんが)




写真を上手になりたい、すごい写真を撮りたい、見た通りに綺麗に撮りたい、こういった写真の要求はもっているけど美や芸術には関心がない。被写体や情景に対して感動もしていない。これだと撮影技法や知識を身に付けてもお手本写真のような写真しか撮れないのですね。

センスよりも人柄で撮ってみましょう。まずは反応すること、感受性を磨くのが効果的です。長年の運動不足でなまっているハートをまずはストレッチして子供の頃のように戻してみましょう。雨があがって青空が見えただけで「わ~晴れた」と喜ぶような人がいい写真を撮れる人なんだと思います。

センスは数ある「撮り方の引き出し」の中から今はコレを使おう、という選択のときに定石通りではないエキサイティングな選択ができるコトだと思います。ビギナーの方にとっては【数ある撮り方の引き出し】を得るまで時間を要するので少々先のお話ですね。

自分はセンスがない…なんて諦めモードはやめましょう。アマチュアなのですから「自分はセンスがある」「天才かも」と思うくらいでちょうど良いのかもしれません。

今回はこの辺で!




にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング

 

バイク写真☆撮影現場での10のプロセス

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今日は七夕なので天の川の景色を見に行きたいところですが、残念ながらお月様は月齢15.8でほぼ満月ですね。月の入りが6:07なのでもしかしたら深夜3~4時くらいに少し見れるかもしれませんが…お天気が微妙です。

ちなみに今月の新月は21日なので18~24日あたりであれば天の川の景色を見に行くには良いかもしれませんね。この時期の天の川は本当に美しく輝くものです。

さて今回の究極のツーリング写真では今までとは少しアプローチを変えてツーリング写真において撮影地で私がしている10のプロセスを書いてみたいと思います。いつも私が無意識にやっていることですが、撮影地で何をしていいか分からないというビギナーの方の参考になれば幸いです。

1. 気付き

まずはバイクで走っていて「おや、ここは何かあるぞ」と気付いてバイクを停めたところが始まりです。衝撃的な絶景から小さな発見まで、撮影者のセンサーが反応を示してバイクを停めることから撮影は始まります。

気付きはある種の才能だと思います。気が付かない人は素通りなのでチャンスを逃してしまうものです。変な言葉ですが「気づき力」を磨くことで傑作ツーリング写真を実現できるチャンスが与えられると思います。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

2. 感動

その情景、被写体を受けて自分の心がどう動いたか?ここが地味に重要なポイントです。感動のプロセスが抜けてしまうと良い写真は遠のいてしまいます。感動できない…という景色なのであれば、そこで写真を撮る意味はありません。

しかし人の感情とは曖昧なもので自分でも果たしてどう感動しているのか良く分からない場合もあります。そんな時は感動の言語化が有効です。語彙力に自信のない人でも自分の知りえる限りの言葉の中から最良のワードで気持ちを言葉にしてみましょう。




3. 視覚

目に飛び込んでくる現実の様子を視覚するプロセスは人間の肉体的な機能に依存します。その場所に着いて最初は多くの情報を目立つものから順に視覚していくものです。絶対的な存在感のある例えば巨大な風車とか、ユニークなオブジェなど「おおっ」と思う被写体がある場合、足元に咲く可憐な花を視覚するのはだいぶ後回しになるでしょう。

見落とすことなく全ての情報を洗い出すため、時間をかけて視覚していきましょう。それが完璧にできれば家に帰って写真を見返したとき「よく見たらこんなところに花が咲いていた」なんてことは無いはずです。

「よく見たらこんなところに…」が許されるのは心霊写真だけ、と覚えておきましょう。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS F11 1/125

4. 認識

視覚した情報を元にそれが何であるかを判断するのが認識です。まずは大切なポイントとして空間の認識があります。いま自分がここを写真にしたいと感じている現実の様子について、被写体や周囲の空間や位置関係、風景なら空の表情までも含めた全体の様子を測量するように認識します。ここを正確に把握しておくとレンズの焦点距離を簡単に決めることができるのです。

そしてこれは美しい、これは写真に入れない方が良い、またはこのシーンに似つかわしくない、といった具合に各々の被写体や要素を分析します。自分が映画監督と例えるとキャストを集めてオーディションをしているような工程になります。

5. 想像

視覚や認識の結果、当初に感動したことをどう表現するかを想像するクリエイティブタイムです。いい写真を実現させるために極めて重要なプロセスで「こんな風に撮りたい」「こんな風に撮れるはずだ」という空想の写真を脳内に描きます。

言ってみれば完成予想図であり、この先のプロセスで使用する図面のようなものです。イメージを作らず何が写るか分からないけど、とりあえずシャッターを切ってみた…というのは都会のスナップなどドキュメンタリータッチな写真ならOKですがツーリング写真ではそうもいきません。

情景の特徴を受けて感動したことを表現すること。どう感じたかをどう表現するか?例えば「いい感じ」とか「海がきれい」ではなく「夕景のさんざめく凪の海に郷愁感を覚えた」といった感じに具体的にして、そう見える写真を脳内に描くのです。

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

6. 選択

脳内にイメージの写真が固まったらこの先は作業です。最初の選択はレンズ(焦点距離)です。雄大な景色を受けて広がり感を表現したいなら広角レンズ、特定の被写体に絶対的な存在感を持たせて背景のボケ具合でみせたいとなったら望遠。焦点距離は例えば35mmならこう写るだろう、という感覚を身に着けておかないとイメージに対して何ミリと決めることができません。

そして撮り方の引き出しから今使いたい最良の手法を選択します。例えば三分割構図を複雑に構成して写真の構造を暗号化してみようとか、露出をハイライト部分だけに切り詰めて黒バックでみせようとか、深度とピントピーク位置をコントロールして絞りでみせようとか・・・ イケてるDJが選曲する時のように今はこれだ!というチョイスをする訳ですが定石通りでは退屈です。キラリと光るセンスで選択しましょう。




7. セッション

いよいよカメラに電源を入れて撮影開始です。被写体や情景と向き合ってシャッターを切りながらイメージに近づけていくセッションです。僅かなアングルの調整や微妙な露出コントロールなど撮りながら詰めていきます。そして最終的に自分が納得できるベストを得るまで集中力を高めて撮り切ります。

セッションは集中が切れるおよそ30分くらいがリミットで、それより長引くようだと一度中断してイメージから再考した方がいいでしょう。

この工程は最も楽しく自分らしくいられる時間です。バイクに乗って旅をしている時間に似ています。後にこの時のことが深く記憶に刻まれて、やがて自身の記憶風景に変わっていくものです。記憶風景と作品が重なった時、その1枚の写真がとてつもなく尊いものに感じます。

EOS6D mark2 + EF14mmF2.8L

8. 余韻

納得のいく1枚が撮れたからといってすぐにカメラを仕舞ってバイクのエンジンをかけるのはやめましょう。撮り切った直後の余韻を感じることで自分がこの情景を前にどう感動したのか?本当のことが見えてきます。

この時、脳内にはエンドルフィンやドーパミンといった報酬系の物質がでることで究極のリラックス状態が生まれます。リラックスはインスピレーションを授かる絶好のチャンスでもあるのです。

9. 再考

私たちはプロのカメラマンではありません。アマチュア…言い換えれば個人的な写真家です。撮影に費やした労力を報酬と天秤にかける必要もありませんし妥協しようが失敗しようが何の損害もありません。

だからこそ1ミリも妥協せず強い意志で納得のいく1枚が撮れるまでしっかり撮り切りましょう。「またいつかここへ来て撮ればいいいや」では良作の道は遠のくばかりです。

まだ何かできることはないか?これで本当にイメージ通りに表現できただろうか?これでは普通すぎないか?もうひとひねり何かないだろうか?という粘りは重要です。時間をかけることで予期せぬゲストが登場し奇跡を授かることもあるでしょう。

一通り撮り終わったら必ず自問してみましょうね。




10. 解釈

バイクに跨ってエンジンをかけ、ギアを一速に入れる時「こうゆうコトだったのだ」と出会った情景や被写体に対して解釈が生まれます。それはこの場所に辿り着いた当初は混沌とした感情の渦に隠されていた被写体の本当の魅力です。

撮ったことによって解明された自分の感情。出会った被写体や景色に感謝の気持ちが芽生えてくる瞬間です。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

いかがでしたか?ツーリング写真における撮影地の10のプロセス。「おおっここは写真を撮るのにいいかも!」と思ってバイクを停めた直後は、バイクに乗ってそこへやって来たことに興奮状態です。目に見える情景から視覚し認識し感動を受けて選択をすること。そうすると混沌としていた感情から具体性が出てきて何をするべきかが見えてくるのですね。

いい場所は見つけたけど何をしていいか分からず途方にくれていた…というビギナーの方の参考になれば幸いです。

今回はこの辺で!!

にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング

 

いい写真を撮るために進化すること

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、気が付けばもう7月で2020年も半分が終わってしまいましたね。なんだか今年はコロナ騒動のせいで3月あたりから時が奪われてしまったような錯覚があり、本当に一瞬で夏になってしまった感じがします。

さて今回は写真を趣味にしている人、写真をライフワークとして生きている人にとって上達、進化を確認するための具体的な手法について書いてみたいと思います。

「いい写真を撮りたい」というのは写真をやっている人、またはそうでないカメラユーザーにとっても共通の願いですよね。いい写真とは常にみる側が主観的に決めるもので撮る側としては永遠のテーマと私は考えますが、それでは「いい写真」の指標として見えてこない…というご意見もありそうですのでひとまず「自分がいい!と思った写真がいい写真」と決めてしまうのも悪くないかもしれません。

写真はARTとしての表現なのでみる側を意識することは大切ですが、あまり過剰に意識し過ぎると個性が失われて万人ウケに寄ってしまいます。まずは撮る側である自分が「これはいい写真だ」と納得できる1枚を実現し、それを「私がいいと思った作品ですが、恐れ多いのですが皆さまは如何でしょうか?」と発表する感じが良い気もします。この辺は性格の出るところで私の場合はこんな感じなのですけどね…




さて今回は1年に一度、かならず撮っている季節の被写体で自身の進化を確認してみましょう。というお話です。

EOS6D Mark2

これは古代蓮の仲間で大賀蓮という千葉県の県花です。私の自宅の近所の池に咲いているのですが、毎年6~7月は決まって望遠レンズをかついで撮りに出かけます。

別にお花の写真を専門でやっている訳ではないのですが、こんな美しいお花が近所に咲いているのですから撮らないのは勿体ないです。それに蓮はお釈迦様とも縁深い花ですから縁起も良いですよね。千葉県は日蓮縁の地ですが日蓮宗のお題目「南無妙法蓮華経」は「私は法華経の教えに帰依します」という意味です。そしてこのお題目のサンスクリット語の語源では「白い蓮のお花の経」とあるので本当だと白蓮なのでしょうけどね。

皆さまも桜とか紫陽花とか季節のお花を毎年撮っている、という方は多いと思います。上達している人は去年もよりも今年、そして来年はもっと上手な写真が撮れているとお察しします。

しかし中には去年と変わらない…全く同じような写真を撮ってしまった。と、お悩みの方も多いと思います。・・・大丈夫です。

ビギナーの方はピントを合わせる、ブレない、整った構図、的確な露出…といった具合に撮影技法をまずは習得しないといけません。しかしこの撮影技法とは写真を楽しみながら練習した人には割と簡単に身に付くものです。3年もやっているけど未だにピンボケが多い…なんていう方は少数だと思います(たぶん)。




整理された構図、的確な比率、被写体に合わせた絶妙な露出など「撮影技法」を一通り習得した方が最初に当たる壁はARTとしての写真を自身で理解できない事だと思います。ARTであるからにはお手本通りではダメです。自分独自の美意識をもって被写体の魅力を追求し、習得した撮影技法の中から表現手段として相応しいものをチョイスする能力です。

定石通りにやってもARTは成立しません。私はこの池の大賀蓮の写真を毎年撮る事で、1年間いかにARTに対する見識を深めたか?を確認しています。

EOS6D Mark2

ARTって言うけど所詮は写真でしょ?綺麗に上手に撮ればスゴい写真なんじゃないの?という意見はかなり多いと思います。その通りです。しかしスゴい写真はもう世に溢れていますし私はスゴい写真で人を驚かせようという事に今は関心が無くなりました。スゴい写真はもう撮りたくないのです。

写真も20年近いキャリアを数えますが、写真はやればやるほど、つくづくARTなんだと痛感しました。ただの記録でさえも長い年月でARTに昇華する事もありますし、作者の内面に秘める美への意識も月日で変化することも写真で確認できます。

ARTって必ずしも見る人を驚かせている訳ではありませんよね?現代ARTのように幾通りもの解釈がある難解なARTもあれば、やれアカデミック美術が苦手とか印象派が好きだとか人によって賛否分かれるのがARTです。

しかしどのARTにも共通したワードがあります。それは「美」です。「美」というものをARTとして、そして自分にとって何が「美」なのか?いつも自分に問い質しています。もちろん明確な答えはいつも出ませんし、考え方も変化していきます。美醜問わずARTはARTという考え方もアリです。

ララア・スンは「美しいものが嫌いな人なんているのかしら?」とアムロ・レイに問いかけましたが(すいませんガンダムです)美は全ての人間にとって特別なものであり不思議な力をもっていると思います。




美は撮影者が混沌とした苦しみの中から生み出すもので、作品を見た側はそれを想像力と感性でさぐり作者の感じた心の動きをトレースします。すなわち芸術鑑賞とは誰でも出来るものではなく、ある程度は芸術に対する見識がないと修学旅行のついでに寄った美術館のようになってしまうと思います。

世に溢れているスゴい写真は修学旅行で美術館に来た高校生さえも足を止めさせる力があるかもしれません。しかしそこに表現としての美が必ずあるか?というと疑問です。

ややこしいのは流行っているスゴい写真も、ART写真もカメラを使って撮影した写真であることです。どちらもカメラを使うので多くの人はこの違いを理解していません。毎年同じような写真を撮ってしまう…とお悩みの方はこの辺に関所のようなものがあって停滞しているのかもしれませんよ。まずは撮影技法はある程度習得したから次はARTの門をたたいてみましょう。

自分独自の美を孤独に追及する日々は「映え写真」をやってきた人にとって恐ろしく地味かもしれません。しかしその先にみえる世界は・・・

今回はこの辺で!!

にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング