ビギナーを簡単に脱する一つの手段<初級>ツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ここのところR1200GSの中古車の買い方だけで4連続で投稿してしまいましたので、今回は久しぶりのツーリング写真解説をいってみたいと思います。

久しぶりなので単発で即効性のあるネタを…と思い初級者向けにこんなタイトルにしてみました。いつもツーリングで写真を撮ってくるけど、毎度同じような写真ばかりで上達を実感できない…そんな方向けに「おおっこれならできるかも」と思える具体的な一つの手段です。




ツーリング先で「ここはイイ景色だ~」と思ったところでバイクを停めて一枚パチリ。そして上のような写真になっていないでしょうか?風景の中にバイクがあるだけで工夫も何もない写真です。こういった景色の中に被写体を並べただけの平面的な構図をお子様構図といいます。幼い子供が書く絵のようだからこのように呼ばれます。

芸術的な観点での写真とは正解のないものなので、このお子様構図がダメな訳ではありません。ただビギナーの方は撮り方の引き出しが少なく、写真家眼も写真家脚も出来あがっていないのでお子様構図しか撮れない状況を脱することが出来ないのですね。

EOS6D mark2 + EF135mmF2L F4.5 1/400 ISO100

はい、今回ご紹介するのはこんな写真の撮り方です。最初の写真では被写体(バイク)に対して背景があるだけの写真でした。こちらはバイクとカメラの間にもう1つの被写体、菜の花を入れて前景を作った構図です。

これで前景、被写体、背景で写真の中に3レイヤー作れるので写真に奥行き感が出てきます。これだけでビギナーさんが撮ってしまう平凡な写真とは一線を画す写真の出来あがりです。

「こんなの難しいんじゃないの?」

いいえ、これは簡単です。この時は千葉県市原市にある高滝湖で撮ったのですが、湖岸沿いに桜が咲いている様子と早朝の淡い光が気に入ってここで撮影しました。しかし平凡な構図に何か加えられないか?と腐心した結果、すぐ近くに菜の花が咲いているのを見つけました。この菜の花を前景に挟んで撮っただけなのです。




ポイントはただバイクとカメラの間に何か前景になるものを挟めばいい…という訳ではなく2つの大切なことに挑戦してみてください。

1つめは上下左右に動いて構図を調整すること。前景を作るとバイクとの位置関係が発生します。少しでもカメラの位置を変えるだけで構図が大きく変化するのが分かると思います。前景、バイク、背景の位置関係にしっくりくる美的バランスを探ってみましょう。

2つめは絞りの調整です。ここではじめて一眼レフやマニュアル露出機能のあるカメラをお持ちの方は絞りを調整する意味を知ると思います。前景として作った被写体にピントを合わせるのか?またはボカすのか?ボカすのであればどの程度ボカすか?絞りの設定を解放、F5.6、F11、最小絞りと数パターン試してみましょう。どれがいいかはビギナーの方は撮影現場では分からないので、帰って熟考の末にベスト1枚を選別するのです。

この2つはお子様構図ではあまり関係のなかったことですが、前景をつくることで僅かな違いで写真が変化することが学べると思います。それは誰にでも出来るちょっとしたデザイン感覚でもあります。画面という長方形の四角の中に被写体Aを左下に配置したら被写体Bは右上にすれば美しいバランスになるかな…といった感じです。




直ぐ近くや足元に花でも地面でもいいので前景として使えるものが無いか探してみましょう。何も見当たらなければブーツを履いた自分の脚やヘルメットを持った手でも大丈夫です。

ぜひ次回のツーリングから意識してやってみてくださいね。

今回はこの辺で!!

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空冷R1200GSの中古車をディーラー以外で格安で買う場合

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、4回に分けて空冷R1200GSの中古車を買う場合の注意点や基本的な知識について書いてきました。ツーリング写真解説を楽しみにしてらっしゃる方は、申し訳ありませんが次回から再開しますので少々お待ちください。

・空冷R1200GS中古車 中期、後期型の見分け方とラインの違いはこちら

・空冷R1200GS中古車を買う場合の注意点 その1

・空冷R1200GS中古車を買う場合の注意点 その2

今回はこのシリーズのまとめで最終回としたいと思います。

EOS6D Mark2

この記事を書いている2020年3月現在で中古車の相場を確認する限り、空冷R1200GS(中期、後期型)の中古車相場は80~120万円くらいのようです。今から12年前にディーラーで新車購入した私からみると、いま買う人は実に羨ましいです。10年以上が経過したとはいえ褪せることのない究極のツーリング性能はそのまま。程度の良い個体が割安で売られているのですからね。

BMWの新車はやっぱり高いです。例えばR1200GSプレミアムラインでサイドケース、ナビゲーター、補助ライトキットといったオプションを装備すると、諸費用も入れれば250万円は軽くオーバーでしたからね。

バイクの中古車に限らず全ての中古相場に言えることですが相場とはその時の人気により需要とタマ数のバランスで決まります。空冷R1200GSがアドベンチャーバイクというカテゴリーを生み出した元祖であることは前回も書きました。あのセンセーショナルな登場から時間が経過した現在でも「アドベンチャーバイク」というカテゴリーは不動の人気ですが、いまカスタマーの関心の対象は最新のR1200GS、R1250GSや新興勢力である他社製のアドベンチャーバイクです。

空冷ヘッドのR1200GSが今でも大人気ではないのですね。その割に、新車当時は売れに売れた人気車種だったので流通量が多く結果、中古車相場が割安になっているという状態なのですね。例えばまだアドベンチャーバイクとしてブレイクしていなかった世代のR1150GS₋ADVENTUREなんかは発売から20年近く経つモデルなのに希少なため中古車相場は100万円オーバーです。さらに言ってしまうとOHVヘッド世代のR80GSなんかは程度が良ければ200万円とかで売っているのです。




EOS5D Mark2 + EF14mmF2.8L

さて今回は空冷R1200GSを中古車で購入するにあたり、最後の仕上げとして購入店や走行距離などのお話をいってみたいと思います。

ディーラー認定中古車

ディーラー認定中古車はBMWモトラッドとして補償をつけた信頼のおける中古車です。この制度は4輪でもBMWディーラーでよくやっていますが特徴としては新車よりも保証期間が長いことです。例えば前回にも書いたようなABSコントロールユニットなど故障すれば30万円オーバーといった高額修理費が発生しても保証範囲内であれば安心なわけですね。

しかし信頼と保証がある分、価格は割高です。認定中古車として選ばれている個体は程度の良いものが多いので新車時のような安心感が欲しい人はBMW認定中古車がおススメです。

専門店ではない中古車店

国産車やBMW以外の輸入車など、BMWを専門としないバイク屋さんで購入する場合はどうでしょうか?ディーラーでないとできない整備やノウハウが無い分、アフターサービスが不安ですね。整備だけでなくリコール情報やサービスキャンペーン(リコールまでいかない自主回収)もディーラー以外では不安が残ります。

しかし見つけた個体が欲しい条件と合致していて、なおかつディーラーで買うよりも安いときたら気になりますよね。巷では大手中古車&買取専門が勢力を拡大し、その評判はあまり良い噂は聞きません。しかし評判の悪い大手中古車店であっても在庫している車両の全てがハズレな訳ではありません。

専門店以外で買う場合、お店側にR1200GSについて詳しい知識が無いとすると、例えば前回に書いたようなクラッチのカタカタ音をタペット音と勘違いして低く評価しているかもしれません。実はエンジンは絶好調だったりして…だとするとお買い得ですよね。

もし購入後に不調などで困った場合は、最寄りのディーラーに相談することも可能です。「別のお店で買った車両ですが…」と言っても嫌な顔をするディーラーはないと思います。別の店で買ったから、という理由で修理代や整備代が特別高くなることもありません。

かつての愛車 空冷ボクサーエンジンの911

私は昔、空冷エンジンのポルシェ911を専門店ではない砂利の青空駐車場の怪しいお店で買いました。この個体はシフトリンケージが外れかかっていて、ギアシフトフィールが渋く、その状態を見た店員がミッションに重大な問題があると判断したのでしょう。相場よりかなり安い値段まで下げてくれました。結果、外れかかっていたシフトリンケージを正しい位置に取り付けただけで調子よくなったのですけどね。あの時はラッキーな買い物でした。この車も空冷R1200GSと同様に10万キロ程度走ったくらいではヤレた感じなど全くなく、質実剛健なドイツのクラフトマンシップを感じる一台でした。

話は脱線しますが空冷911の最大の泣き所は「手放した後の喪失感と深い後悔」と誰かに聞いたのですが、それが本当であることを現在になって実感しています。

個人売買

最近はヤフオクだけでなくフリマアプリでもR1200GSが売っているのですから凄い時代になりました。個人売買と聞くと保証はありませんし、その後のトラブルも心配ですよね。

しかし中古業者、中古車販売店のマージンが無い分、売る方も買う方もウインウインな訳です。それに売り手は買い手と会って取引をするのですから、問題点を隠蔽して売るなんてタチの悪いことは実際にはなかなか出来ないと思うのですけどね。

個人売買の利点は前オーナーによってどのような使われ方をしていたのか分かる事です。ディーラー管理であったか?リコールは全て済ませたか?オフロードは走っていたか?などなど。

出品者が近県でしたら実車確認もそれほど負担ではないので少しでも安く購入したい人に個人売買はおススメです。




お買い得な過走行車

実は日本の中古市場とは特有の風潮のようなものがあって走行距離が2万を超えたものは査定額が下がるのです。今は昔ほどではありませんが車体自体の程度よりも走行距離を気にするユーザーが多いのが要因と推測されます。しかしR1200GSをはじめとするBMWは、たった2万キロ程度の走行では慣らしが終わった程度であり、これからがオイシイところです。中古市場で走行距離が理由で安くなっていれば、それはお買い得なのですね。

おススメは3~4万キロくらい走っていて、距離が理由で通常の相場よりも安い車両です。もちろん走行距離は短い程いいのですが、新車のような個体ではいまだにBMWらしいプライスタグが貼ってありますので、ここでは少しでも低予算でR1200GSを買いたい方への情報として書いておきます。

付いているとラッキーなオプション

BMWの純正オプションは新品では高額なものばかりです。サイドケース左右、トップケース、ナビゲーター、補助ライトキットなどが元々装着されていればお買い得です。逆に言うと車体を買った後にディーラーで新品を購入しようとすれば腰を抜かす出費となるでしょう。ケースなどのオプションを後で買う場合は、やはりヤフオクなどで中古品を狙いましょうね。

容量の拡張機能がある純正サイドケース

R1200GSの純正サイドケースは蓋が横に開くタイプで容量が可変式です。多くの中古車で元々装備されているのを見かけます。アドベンチャーの場合はこれと違いアルミ製のシンプルなボックスで容量は可変しません。しかし、両者は互換性がありそれぞれのマウントさえ用意すればどちらも取り付け可能です。

純正補助ライトキットはR1200GSのクチバシに装着されます。中期型はハロゲンにプロジェクターレンズ。このオプション、私としては一押しでございます。とっても明るいので夜間に暗い道を走るときに重宝するアイテムです。

R1200GS-ADVENTUREの場合はバンパーにマウントされます。これはDOHCヘッドの後期モデルなのでLEDです。LEDはハロゲンと違って球切れの心配が少ないですが体感的には中期のプロジェクターの方が明るく感じます。

コクピット側の電源ソケット

ヘラー型の電源ソケットはハイライン、プレミアムライン共にシート下に標準装備されていますが、写真のように追加でコクピット側にも設置できます。純正の電源ソケットは後付けと違ってCAN-BUSの管理下になるので何かと使い勝手がよいものです。

R1200GSにするかR1200GS-ADVENTUREにするか?

R1200GSアドベンチャー

R1200GSにするかR1200GS-ADVENTUREにするか迷う方も多いと思います。ADVENTUREは派生モデルなので基本は同じバイクである…と多くの方がイメージすると思いますが、実際に乗って見ると両者は全くキャラクターの違うバイクであると体感できます。

アドベンチャーはオフロード走破向けにサスペンションストロークが長く、プリロード量も多いので車高が高いです。その副産物としてR1200RTのようなツアラーと同等の乗り心地が提供されます。33Lのビッグタンク(R1200GSは20Lタンク)と大型のスクリーンでロングツーリングとオフロード走行が素晴らしいです。一方でライダーの体格を選ぶバイクでもあります。

GSとGS-Aを近くに並べるとこんな感じです。圧倒的にGS-Aの方が大きく感じますね。

体格や取り回しにおけるスキルの問題をクリアしている人であればアドベンチャーも選択肢に入れて検討してみましょう。舗装路での軽快なスポーティーさを重視するならR1200GS、オフロード走行と長時間走行での快適性、そしてビッグタンクによる航続距離の長さが魅力であればR1200GS-ADVENTUREです。

なかなか両方を所有している人のコメントは聞けないので貴重なインプレですよ…これは。




やっぱり水冷ヘッドの新型の方がいいかな??

購入予算に余裕のある人はヘッドが水冷化された現行モデルの中古、あるいは最新のR1250GSの新車も検討されていると思います。私は2013年モデルの水冷ヘッドのR1200GSは少しだけ試乗しましたが、空冷モデルとは印象の違ったバイクでした。

感じとしてはパワー、トルク、足回りに至るまで全体にパフォーマンスアップで元気よく走るバイクへ進化した!という感じです。半面、GSの本来の魅力であるツーリングを楽しむためのツーリング性能はやや薄れた感じです。しかし水冷化されたヘッドは長時間の渋滞でもオーバーヒートの悩みから解放されますし、長いリアサスペンションアームはオフロード走行でも走破性良好と聞きます。

クルーズコントロール、キーレス、TFT液晶メーターなどハイテク装備も空冷モデルの比ではないほど満載です。使いこなせば快適なことこの上ないです。最新型のシリンダーヘッドは可変カムまで装備しています。ただこの世代のGSもそろそろフルモデルチェンジと噂されています。新車を検討中の方は次期モデルが出るのを待って、次期モデルにするか現行モデルをディーラーさんに値引きしてもらうか検討するといいかもしれませんね。

ここだけの話、ディーラーさんが早く処分したがっている新車在庫って、びっくりするほど安くしてくれる場合があるのです。

まとめ

今回、4回の投稿にわけてR1200GSの中古車を選ぶ際のチェックポイントを書いてみました。これを見ればディーラー以外のバイク屋さんや個人売買で安いR1200GSを購入しても不安点は解消できると思います。基本は頑丈なバイクですのでファイナルギアやABSユニットなどを押さえておけば大丈夫だと思います。

つい先日も改めて2008’中期型のR1200GSに乗って南房総を一周してきました。やはりこの空冷ヘッドモデルの中期型は理想のGSだな!とつくづく実感しました。後期型のように4000回転付近での微振動もありませんし穏やかなふけ上りでマイルドな特性。ハイテク装備も控え目で適度なアナログ感。それでいてスポーティーな妙がたまらなくイイです。こんな事を言ったらBMWに怒られますが、もしかしてBMWはこの型のR1200GSをこのように作ったのではなく偶然このよなバイクになったのか?とも感じます。特に最近のR1250GSを見ているとそう思わざるえない…という感じですね。

以上、R1200GSを買って12年、R1200GS-ADVENTUREと2台持ちのR1200GS馬鹿である私のインプレッションでした。

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空冷R1200GS中古車選びのチェックポイント☆その2

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回投稿までで空冷モデルのR1200GSの中古車の選び方について書いております。はじめてBMWを買う方、はじめて輸入車を買う方でも安心してR1200GSの中古車を選べるように詳細に書いておりますので、R1200GS気になるな…という方はぜひご参考にしてください。

では前回の続きを…

6.クラッチのカタカタ音とヘッドのタペット音の聞き分け方

以前に書きましたR1200GSインプレッションでも触れましたが空冷モデルのR1200GSは通常のオートバイと違いエンジンとミッションが別室構造になっています。そしてクラッチは乾式単盤クラッチを採用しており4輪のMT車と同じ構造を持っています。

その構造上、ある程度の走行距離を走ったR1200GSであればアイドリング時にクラッチカバーから「カタカタカタ…」という音を発します。目安として走行距離50000㎞くらいから、カタカタ音が出るようになり100000㎞くらいになると盛大な音になります。

この写真はミッションを外してエンジンを後ろから見た風景ですが、クラッチの中心にある穴を見てください。この穴のギザギザが摩耗してくるとカタカタ音が発生するものです。

こちらはR1200GSのミッション。先ほどの穴に結合されるインプットシャフトです。このようにスプラインが切られていてクラッチカバーと繋がります。クラッチはレバーを握るとカバーが前後に移動します。通常、オートバイは切っている時より繋いでいる時の方が多いので、シャフトのスプラインとクラッチカバーの穴は繋いでいる位置だけが摩耗していきます。

つまりこの部分の摩耗によるカタカタ音であるか?の判別方法はクラッチを切って静かになるのか?で判断できるのです。

再生できますでしょうか?お家で見ている人は少しボリュームを上げて確認してみてください。カタカタカタ…はクラッチを切った瞬間に静かになるのが分かると思います。

狙っている個体が走行距離50000㎞を超えた車両であればこの音は気にしなくて大丈夫です。それとこの確認方法はクラッチカバーの交換履歴があるか?の判断材料としてはあまり使えないです。確かにクラッチカバーを交換すると穴の方は新品になるので理屈では静かになりますが、インプットシャフトは通常は交換しないのでカバーだけの交換では根本的な解決になりません。




本当にみたいのはシリンダーヘッドからの異音です。クラッチを切った状態でヘッドからカタカタ…といった異音がないか確認しましょう。長期間在庫されいたような個体はオイルがパンに全て落ちてしまい、始動直後のみカタカタと発するかもしれません。その場合は始動の1秒くらいで静かになるはずです。

これらを確認の上で気になる異音があるようでしたら、お店に他のR1200GSがあったらエンジン音を比較してみましょう。その場合、中期なら中期同士で比較しましょう。明らかに異音だと感じたら、クリアランスが狂っていたりオイル管理が悪かったり、最悪は重度のオーバーヒートを経験したエンジンかもしれません。

7.装着タイヤで前オーナーの使い方を判断しよう

中古車で売られている個体は走行距離が少ないものを除いて前オーナーが自分の好みに合ったタイヤをチョイスしている訳です。R1200GSほど万能の究極をいっているバイクだとオーナーによってその使い方も様々です。とにかく長距離ツーリング、峠でコーナーを楽しむ人、林道に入ってオフロード走行…

上の写真はシンコーE804/805というオフロード走行向けのブロックタイヤです。このようなタイヤは見た目がカッコいいですが、ライフが極端に短く4000~6000㎞程度で交換時期になります。なので通常のオーナーであれば、よほどオフロード走行の割合が高くないと、ブロックパターンは選ばないものです。

最近になってオンオフ割合が7:3くらいの銘柄が出てきましたが、写真のようなゴツゴツ系のオフタイヤ装着車は本当にオフロード走行していた車両と判断しましょう。過酷な環境下で使われたと想定すると見るべきポイントはファイナルギア内部への浸水やクラッチの摩耗です。どうしても大きなR1200GSを日本の狭い林道に持ち込むと、ギャップセクションやマッドの通過時にエンスト回避で半クラッチを使わざるえないのです。R1200GSの乾式単盤クラッチは半クラッチに弱いものです。

逆に高速ツアラー用のタイヤが入っていれば車体全体としては安心です。強いていえば未だに高速道路を法外なスピードで走れるのが大型バイクの特権だ…と誤解している人もいるので、そのようなオーナーだった場合はエンジンを高回転高負荷で常用したと推測されます。

可もなく不可もなく無難なタイヤを選んだ人は全てとは言いませんがバイクに対して無頓着でR1200GSを毎日のように通勤や買い物で使っちゃうような人かもしれません。タイヤの使い方を見れば走り方もある程度は分かるものですが、中央部のみが摩耗していてサイドが全く使われていないと街乗りオンリーだった可能性もあります。その場合、渋滞で重度のオーバーヒート歴がないかエンジンをチェックしましょう。

8.ブレーキディスクローターの摩耗をチェックしよう

限度超える摩耗がある場合、この部分に段差がある

R1200GSはブレーキパッドが国産車に比べてライフが長いです。しかしそのトレードオフとしてディスクローターが摩耗するというのを覚えておいて下さい。BMW純正のディスクローターは高額でリア用が約3万円×1枚、フロントは3.5万円×2枚、工賃をあわせるとディーラーだったら12万円くらいの費用がかかります。 摩耗限度ですがリアは新品が5㎜で摩耗限度が4.5㎜、フロントは新品が4.5㎜で摩耗限度が4.0㎜です。主に走行距離が50000㎞以上走った車両でのチェックポイントです。

マイクロメーターを持っている人はポケットに忍ばせて中古車屋さんで測らせてもらいましょう。無い人はバイク屋さんにお願いして測ってもらうか、限度を超えるような摩耗であれば指で触れるだけで段差で確認できます。




9.テレレバーのボールジョイントの点検

フロントサスペンションのテレレバーシステム、そのAアームの頂点でステアリングステムと連結されているボールジョイントを点検してみましょう。ゴムブーツの破れ、内部のグリス飛散など目視で分かる範囲で大丈夫です。

ブーツのみの交換なら安価な修理費用ですが、グリスが抜けた状態で前オーナーが気が付かず走行を続けると、ボールジョイント事態にガタが発生し最悪はAssy交換となります。

10.オイルクーラーコアの折れ曲がり

空冷R1200GSは別の呼び方で空油冷R1200GSとも言い、オイルクーラーによってエンジンオイルを効率的に冷却するエンジンでもあります。オイルクーラーの設置位置はフロントハイフェンダー(通称クチバシ)にあります。前オーナーが複数台でオフロード走行していたとなると、前走車が跳ね上げた飛び石を食らっている可能性があります。大きなコアの曲がり、それからオイル滲みがあればオイルクーラーからオイル漏れしているかもしれません。




11.フロントフォークのメッキを点検

空冷R1200GSに限った話ではなく全てのオートバイでも同じですが、フォークのメッキの状態をよく点検しましょう。特にアウターチューブに近い下の方は可動部分ですので重要です。わずかな錆やメッキの食い破りなど障害があるとダストシールにダメージを与えてフォークオイルが漏れてきます。

12.グリップの摩耗をチェック

ハンドルグリップの摩耗もチェックしてみましょう。ベテランであれば運転中にハンドルを握りしめることはありませんが、車体の大きなR1200GSは取り回しのときに強く握られてしまうものです。R1200GSはグリップヒーターがありますので摩耗して交換が必要となると費用もそれなりにお高いです。写真は熱収縮チューブをかぶせてグリップ自体の摩耗を予防しています。それと稀にグリップヒーターが故障している場合もあるので忘れずに左右ともに暖かくなるか確認しておきましょう。スイッチは右側のスイッチボックスにあります。

EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

次回は空冷R1200GSの中古車購入シリーズの最終回、ディーラー以外で安い中古車を買う場合のメリットや注意点について書いてみたいと思います。

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空冷R1200GSの中古車のチェックポイント

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回の投稿より空冷R1200GSの中古車の選び方について書いております。

前回の投稿では空冷R1200GSの中古車選びの知識として年式別モデルの違い、ハイラインとプレミアムラインの違いなどを書いてみました。

前回の投稿はこちら

今回は中古車店で実車を選ぶ際に状態を把握するための具体的なチェックポイントについて書いてみたいと思います。

RICOH GR

空冷R1200GSは先代モデルと同様に堅牢で耐久性の高いバイクですが、定番トラブル箇所や泣き所といえる部分もあります。また輸入車特有の考え方で消耗品のサイクルなども国産とは少し違います。例えばリアブレーキパッドは約4万kmほど持続しますが2回目の交換サイクルを迎える頃にはディスクローターも摩耗して交換が必要です。リアディスクローターは部品だけで3万円もします。




1.リコール対策シールでディーラー管理下か把握しよう

私の2008’R1200GSの場合で国土交通省届出によるメーカーリコールは4件もあります。対策済みであるかの判別方法はこの写真のようにフレームにシールが貼り付けられています。場所はシートを外してすぐ見える所です。車両がディーラー管理下であれば、このようにリコールも正しく対策されていると判断できます。

空冷R1200GSの場合、有名なリコールだと燃料タンクのホース取り付け部分(外-2051)、テールランプの不具合(外-1476)、ブレーキラインの不具合(外-1694)などで重要度の高いものが多いです。

リコールは製造後期であれば元々対策済みで出荷されている場合もあるので、必ずしもシールで確認するべきものではありません。しかしシールがあれば管理状態が悪くはなかったと判断できます。私の2008’R1200GSは4枚もありますが、これは中期型の生産ロットの中で初期ロットだからだと推測します。

というのも私がこのR1200GSを購入する当初、ハイラインでチタンシルバーのスポークホイール仕様を切望したのですがディーラーさんの注文リストや在庫には無く、イレギュラーな方法としてBMWジャパンに置いてあった車両を融通したという経緯があったからです。たぶん発売日より前にBMWジャパンに置いてあったとなると中期型の初期ロットなので、このようにリコール対象も多くなるのは当然だと思います。

2009年式以降であればリコールもだいぶ少ないと思います。

2.EWSエラー対策アンテナの確認

EWSはBMWバイクに備わっているイモビライザー盗難防止システムです。キーに埋め込まれたチップをキーシリンダー内のアンテナで認識しONになる仕組みですが、このアンテナに不具合があり10年くらい前に大騒ぎになりました。何しろツーリング先でキーを回してもONならず、盗難警報システムDWA(オプション)を装着している車両はけたたましくアラームまで共鳴するのですから堪りません。

BMW側の釈明としては全てのアンテナが不良ではなく一部の物が感度が低いとのことでした。一度でも不具合が出ればディーラーで対策済みのアンテナと無償交換でしたが、不具合が出ないものはそのままで大丈夫…と言われ、多くのユーザーから不満の声が漏れたものです。

かく言う私のR1200GSも10年前に発症しました。牛丼屋で食事を済ませて「さて帰るか」とキーを回してもONならず、オンボード表示にはEWS!というエラー表示が出るだけ。その時はBMWの無償ロードサービスに電話したのですが、レッカー車を待機中にもう一度試したところエンジンが始動したので、レッカーをキャンセルして自走して帰りました。

私のように現象が出れば対策品に無償交換なのでマシです。現象が出なかったユーザーはそのままで…はあまりに不評の対応だったので、ディーラーのキャンペーンで無償交換を実施していたと記憶しています。しかしリコールではないので中古車で出回っている車両が全て安心ではありません。

キーシリンダー内のEWS受信用のリングアンテナが対策済であるかの判別方法は写真のように「IGNITION」とあるのが対策済み、これがなくツルツルのは未対策です。




3.最大の泣き所~リアファイナルドライブのチェック!

シャフトドライブ機構とその悪癖を帳消しにするパラレバーサスペンションですが、ドライブシャフトとファイナルギア部分の関節部分を下からのぞき込んでみましょう。写真のようにしたたるようにオイルが漏れていないか?ファイナルギア部分のオイル漏れはリング部分周辺であればシール交換で簡単に直ります。しかし別の部分だと重大な不具合の可能性もあります。

ギア、シール、クラウンベアリングなどにガタつき、異常摩耗、発錆による不具合など重大なトラブルをかかえているようだと、この部分はファイナルギアユニットAssy(つまり丸ごと)交換となるため30万円コースの修理費用が発生します。

前オーナーがこの修理を諦めて不具合を隠蔽して中古車店に売却した可能性もゼロではありません。

ひとつの判別方法としてはブーツの劣化具合を見ることです。どういう訳かR1200GSはこのゴムブーツが劣化しやすく、穴があくほど劣化したブーツを放置して雨天走行されていれば、当然内部に浸水して発錆し不具合を誘発します。

その他にも確認しやすい方法はバイクをセンタースタンドで立てて手でタイヤを回してみることです。ゴリゴリ、ジャリジャリ、キュウキュウ(ゴムが擦れるような音)といった異音がしないか、スムーズに回転することを確認しましょう。

4.ABSユニットの不具合対策

これはR1200GSに限らずこの世代のBMWバイク全般に言えることですが、ABSコントロールユニットの不具合により、ブレーキ故障のワーニングランプが点灯してABSも動作しなくなる不具合があります。私はなったことがありませんがネットで検索するとR1200GSやR1200RTのオーナーでけっこう多く情報が出てきます。

このABSコントロールユニット、もし交換となった場合にそのお値段は約37万円。日本市場に限って多い故障らしく湿度が原因なのでは?という嘘のような説が飛び交っております。私の2008’R1200GSはディーラーさんのキャンペーンで故障していなくても無償交換となりました。対策品(が存在するのかも不明ですが)との判別方法は調べてみましたが分かりませんでした。

もし中古車で点検記録簿があれば過去にユニットを交換済みであるかチェックしてみましょう。ただこの問題は現在ではヤフオクなどに中古品が手ごろな値段でポツポツと出品されていますし、ユニットを割と安価で修理してくれる業者も存在するようです。なのでそれほど深刻に悩む必要もないかもしれません。人によってはABSが作動しないまま乗り続けるという人もいます。




5.シリンダーからのオイル滲みをチェックしよう

R1200GSに限った話ではありませんが中古車を買う場合の基本的なチェックポイントであるオイル漏れ、オイルにじみです。この世代のRシリーズでオイル漏れのトラブルはあまり聞きませんが、エンジンを下方からのぞき込んで矢印の部分を指で触れてチェックしてみましょう。あまり聞かない事象ゆえに尚のこと漏れている個体は避けた方が無難です。

長くなったので続きは次回に!

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空冷R1200GSの中古車のチェックポイント☆中期型と後期型

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、お買い物にメルカリやヤフオクなどを活用されていますか?中古品市場というのは故障やトラブルなどの不安がつきものですが上手に活用すると低予算で欲しかったものを入手できるので良いですよね。

特にカメラの中古というのは殆ど使用されずに出回る個体が多いので大変お買い得です。欲しくて買ったカメラだけど結局、旅行で数回使っただけで飽きてしまった。そんな中古カメラがヤフオクなどで出品されているのを良く見かけます。さらに旧モデルや今が旬ではないタイプ(今ならEOS Kissのような一眼レフ入門機など)であれば、相場が安くさらにお買い得です。

さて今回は空冷R1200GSの中古車の買い方について書いてみたいと思います。最近になって空冷R1200GSの中古車の事で色々と検索されて当ブログを見つけられた方もおられると思います。しかし発売から10年以上が経過した空冷R1200GSについて、各年式(前、中、後期型)やラインの相違点、オプションなどの観点で中古車を選ぶ方法…という情報は意外と不足しているように感じます。

空冷R1200GSの中古車選びのチェックポイントとして、今回は第一弾でモデル年式による違いとその判別方法をいってみたいと思います。

2008年式 中期型SOHCヘッドのR1200GS ハイライン

私は2003年にはじめてのBMWとなるF650GSダカールを購入し、その後2008年に空冷R1200GS、2014年に2013年モデルの空冷R1200GS-ADVENTUREを購入しました。これを書いている現在では2008’R1200GSと2013’R1200GS-ADVENTUREの2台を愛車にしております。上の写真は2008’R1200GSの方ですがこのブルーはオールペイントです。このような色の中古車を探してもありませんのでご注意を…。

空冷R1200GSのモデル年式別の相違点や判別方法の前に簡単にR1200GSというオートバイのルーツをご紹介してみたいと思います。

現在のGSのアイコンとも言える異径ヘッドライトを採用したR1150 GS

原点に遡るとOHVエンジンを搭載したR80G/Sという40年近く前のモデルになりますが、ここではレバーサスペンションを搭載し現代のR1200GS(最新はR1250GS)の基本的なカタチとなった世代からご紹介してみます。

GSが純粋なビッグオフローダーの道を捨てアドベンチャーバイクへの道を切り開き始めた記念すべきこの世代。R259エンジン世代とも呼ばれ、それまでのOHVエンジンとは違い大幅なパフォーマンスアップと当時としては先進的だったABS付きブレーキやキャタライザー付きエキゾーストなどを装備していました。写真は2003年あたりの後期型R1150GSです。この年式あたりで初の「ADVENTURE」の名を冠したR1150GS-ADVENTUREがデビュー。ちなみに前期型は1100㏄の角型ライトで1994年に登場。BMWは今から26年も前にアドベンチャーバイクの祖先を作ったのですね。

この当時はアドベンチャーバイクというカテゴリーは認知されておらず、フロントが19インチ化されたこのニュージェネレーションGSを見て、オフロードファンからは賛否あったものです。しかしその優れたツーリング性能と万能性で世界中のライダーを魅了しGSは新たなバイクカテゴリー「アドベンチャーバイク」を確立しました。

R259世代はその万能さ、高いツーリング性能、堅牢な車体が魅力でしたが一方で重すぎる車重がオフロードでの取り扱いを難しくさせていました。ドイツ人よりも小柄な日本人には手に余る巨体で足つきや取り回しの不安から購入を諦める人も多かったと思います。




そして2004年にGSはフルモデルチェンジを果たしR1200GSへと進化しました。先代と比較して大きく変わった要素は車重です。とにかく重いと言われたR259世代。その課題をクリアすべく30㎏の軽量化を開発コンセプトに作られたそうです。この2004年R1200GSのデビューはその乗りやすさと軽快な走りで日本でも大ヒットとなりました。その後、MC(マイナーチェンジ)を繰り返し8年近く生産されるBMWの稼ぎ頭モデルとなる訳ですが、この前期型はR259世代にも採用されていたサーボアシストブレーキがまだ採用されていました。

サーボブレーキ(インテグラルABS1)は少ない握力で安全な制動力を発揮する素晴らしいシステムでしたが、オーナーがBMW以外のバイクに乗ったときが危険だから…という理由で前期型モデル末期(2007年あたり)に廃止され、通常のブレーキシステムに変更されました。通常と言ってもサーボアシストが廃止された前後連動式のABSでインテグラルABS2と呼ばれます。この末期モデルのタイミングくらいでR1200GS-ADVENTUREがデビューとなります。

さて…ここまでで大雑把に覚えておくべき知識は先代のGSはR1100GSとR1150GSであり、その世代のは堅牢な車体だけどとにかく重い。R1200GSの前期型(2004~)はサーボブレーキが付いている。とだけ覚えておきましょう。

・R1200GS 中期型

2008年 中期型R1200GS ハイライン クロススポークホイール仕様

そして2008年に最初のMCを果たして「中期型」と呼ばれるモデルへ進化します。前期型と中期型の判別方法はタンク周辺のデザインがだいぶ異なるので一目瞭然です。タンク両サイドの樹脂カバーは意匠が洗練されSUS製の輝くパネルが装着されました。クチバシの愛称で知られるフロントハイフェンダーは少しだけ短くなってシャープなラインに。

デザイン以外の相違点は・電子制御サスペンションESAがオプションで選択できる・トラクションコントロールASCがオプションで選択できる・エンジンが100PSから105PSへ・サーボブレーキの廃止・ミッションの刷新によりギア比が少々オンロード向けに・テールランプがLED化・燃費表示などのオンボードCPUがオプション選択できる・キャストホイールのデザイン変更(メーカーオプションでスポークホイールを選んだ場合は関係なし)などです。細かなことを言えばメーターのデザインや表示の配置変更、シリンダーブロックがシルバーから黒へ、ヘッドカバーがシルバーからグレー、サイレンサーの材質変更、フロントフォークがゴールドになった…などなど沢山あります。あっ!忘れずに大事なポイントを書いておきますが中期型以降はセンタースタンドが劇的に軽くなりました。

中期型での最も大きなトピックスは電子制御サスペンションESAがオプションで選べる(プレミアムラインは標準装備)ことです。このESAは単なるダンピング調整だけでなくサスペンションプリロード(沈み量)も調整可能で大変重宝するシステムです。タンデムやキャンプ装備積載時にリアが沈まず本来の車高へ戻せますし、激しいオフロードステージでは車高を上げてギャップ通過性を高めることができます。

このモデルでのカラーバリエーションは・チタンシルバーメタリック(普通の銀)・ナミビアオレンジ(黄色に近い)・タンザニアブルー(ソリッドの青)の3色展開でした。その後、2009年に限定車としてアルピンホワイトのボディーにアドベンチャー用のブラックリムのスポークを装着したスペシャルエディションが登場。これはレアなモデルで見かけません。そして後期型でも採用されたオストラグレーメタリックマット(艶消し)も追加されました。




・R1200GS 後期型

DOHCヘッドの後期型。この写真はウインカーが中期型と同じなので恐らくプロトです…

2008年にMCした中期型がわずか2年で再びMCとなり、2010年に後期型がデビューしました。後期型の主なトピックスはシリンダーヘッドが従来のロッカーアームを介したSOHC(厳密にはオーバヘッドカムシャフトと呼び難いユニークなレイアウト)だったのに対してDOHC化されたことです。

R1200GS DOHCヘッド内部

ヘッドカバーを開けた内部はこのように所狭しとカムシャフトやバルブスプリングがレイアウトされています。複雑でやや心配になりますがDOHCの方が故障が多い…なんて話は聞いたことがありません。

中期型の105PSに対して110PSとパワーアップし実際に乗り比べた感じでも特に発進時のトルク感が豊かになったのが分かります。ふけ上りも軽やかでスポーティーに。そして排気音がボリュームアップし迫力のエキゾーストサウンド(悪く言えばうるさい)になりました。この辺はマンション住まいなどで近所迷惑が気になる方はご参考にして下さい。本当にこれでノーマルなのか?というほどの音量です。

その他、中期型からの変更点はサイレンサー根元にバタフライバルブを装備・ウインカーがLED化・スクリーンの角度調整のネジが操作しやすい形状に変更・スロットルボディがシルバーから黒へ(若干の大径化)・オプション設定の補助ライトキットがハロゲン+プロジェクターからLEDへ・スパークプラグの品番変更・レッドゾーンが8000から8500へ・オンボード液晶表示のレイアウト変更などです。

後期型はサイレンサーの手前にバタフライバルブを装備

ESAやASCといった中期型から採用されたシステムはそのまま踏襲されます。

この時のボディーカラー展開は・マグマレッド・サファイヤブラックメタリック・オストラグレーメタリックマット(艶消し)・アルピンホワイトの4色展開。1、2年遅れてルパンブルー(鮮やかなブルーメタリック)、チタンシルバーメタリック(中期のカラーが復活。これレアです!)。その他、限定車も存在していて赤いフレームのR1200GSラリー、トリコロールステッカーに赤いシートのGS30周年記念、フォークやフレームまで全身真っ黒のトリプルブラックなどがありました。

中期型と後期型の見分け方は難しいです。シリンダーヘッドカバーの形状かスロットルボディの色、サイレンサーのバルブの有無で確認できます。

中期型はクリアーレンズにオレンジ球
後期型はLEDウインカー(中期型でも2009年の夏くらい以降の入荷はLEDだったりします)

ここで大雑把に覚えたいポイントは中期は2008~2009の僅か2年間。しかし売れに売れた時代なので中古車のタマ数はある。ふけ上りがマイルドなセッティングでツーリング向け。対して2010~2012(2012の後半に水冷ヘッドの新型デビュー)の後期型はDOHCヘッドでトルクフル、排気音が大きい、ふけ上りが軽やかでスポーティー。そして空冷R1200GSを狙っている人に人気である。…といった感じです。

ハイラインとプレミアムライン

空冷R1200GSの中期、後期型中古車を見ていると「ハイライン」「プレミアムライン」という表記を目にすると思います。ハイラインは日本に正規輸入されるモデルとしてベーシックな装備を持ったものです。インテグラルABS2、グリップヒーター、ハンドガード、リアキャリア、シート下のヘラーソケット電源などを標準装備しています。未確認ですが恐らく本国ではベーシックラインといって更に質素な仕様があるようです。これは日本の中古車市場ではまず見かけることは無いと思います。




プレミアムラインはハイラインの装備に加えて電子制御サスペンションシステムESA、トラクションコントロールASC、OBC(オンボードコンピューター)、クロームメッキエキゾーストなどを装備しています。ASCは砂地やマッドなどでリアタイヤが掘ってしまわないよう制御してくれるもので機能をカットすることも可能です。オンボードコンピューターは気温表示、平均燃費、燃料残に対する走行可能距離、平均速度の表示などがあり便利です。クロームメッキエキゾーストは見た目がカッコイイですが磨く手間をサボると逆に汚く見えます。

電子制御サスペンションESAを標準装備するプレミアムライン
ハイラインに装備される通常のリアサスペンション

R1200GSはキャストホイールが標準でクロススポークホイールはメーカーオプション設定です。R1200GS-ADVENTUREはクロススポークホイールが標準です。一時期、アドベンチャーでもオプションでキャストホイールを選べた時期がありましたが、アドベンチャーでキャストホイールの中古車を探すのは大変です。

見つけた中古車がハイラインかプレミアムラインか、どちらなのか店員さんでも分からない…という場合があると思います。上記のようなオプションは個別でもハイラインに装着できるので例えばハイラインにESAだけ付けた、という個体も無くはないと思います。そこでハイラインとプレミアムラインの確実な判別方法ですが1.左スイッチボックスにESAボタンとASC/ABSボタンがあること 2.オンボードに気温や平均燃費が表示するか 3.エキゾーストがクロームメッキであるか?の3ポイントがそろっていればプレミアムラインと判別していいと思います。

プレミアムラインの左スイッチボックス。上の大きなボタンはオプションの補助ライト。

おススメはどれか?

ここで私の個人的なオススメを書いてみたいと思います。ずばりお勧めは中期型のプレミアムラインでクロススポークホイール仕様です。中期型はセッティングがマイルドでツーリングで扱いやすく音も静か。後期型だと少し急かされるようなフィールで気のせいかヘッド周辺からの微振動も大きいです。燃費やオイル消費も後期型の方が少し悪いと感じます。中期型と後期型の両方を所有している私の意見なので説得力があるかと思います…。

プレミアムラインをお勧めする理由ですがESAはキャンプ装備で走るときに車高を適切に戻せるので重宝します。ASCも何度か助けられたことがありました。OBCも気温の把握や燃費が見れるので便利です。スポークは舗装路での走りでダイレクト感が若干劣りますが、乗り心地がよくオフロードをルーツとするGSのデザインに良く似合うと思います。

中古車ではBMW純正のサイドケース、トップケース、補助ライトキットが既に装着されているものがお買い得です。これらのディーラーオプションは金額にするとかなり高額なものばかりなのです。

次回は中古車を選ぶ際の具体的なチェックポイントを書いてみたいと思います。

お楽しみに~

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これが究極の黄金比☆フィボナッチ螺旋構図とバイク写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、河津桜の写真はもう撮られましたか?私は房総人なので南房総の河津桜「頼朝桜」の写真を今年も撮ってみました。

頼朝桜とはかつて石橋山の戦いに敗れた源頼朝が小舟に乗って房州の竜島(鋸南町)に流れ着き、そこで再起をはかったことに由来するものです。桜自体は河津桜と同じだと思いますが呼び名が房総では「頼朝桜」となり佐久間ダム親水公園や保田川で頼朝桜のお祭りも開催されるのです。

実は去年も保田川で写真を撮ったので今年は同じような写真を撮らないように、進化を確認するぞ!といった感じでハードルを自分で上げて撮影に挑んでみました。




EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

桜に限らず「今日はお花のシーンで撮るかも」という時に迷わずに持っていくレンズはEF70-200mmF2.8L ISです。このレンズは開放F2.8が通しで得られるキャノンの大三元レンズですが、浅い被写界深度をコントロールしボケ具合で花のある風景をイメージ通りに表現できるのです。

で、今回の写真は究極の黄金比と言われるフィボナッチ螺旋構図、またはフィボナッチスパイラルと呼ばれる黄金螺旋構図を採用してみました。




フィボナッチ螺旋構図とはこのような構図です。黄金比(1:1.618)に基づいた比率の曲線です。少々アカデミックな話ですがフィボナッチ数列といい1から始まり前の数字を足していく数列(1.1.2.3.5.8.13.21・・・)があります。この数列を正方形として積み合わせていくと上の青点線のようになり、その交点を曲線でつなぐと何とも神秘的な渦巻き型の曲線ができあがります。

神秘的な…と形容したのは根拠があって、このフィボナッチスパイラルはオウム貝の断面、竜巻、花びら、DNAなど自然界や生物に存在している正に神秘の曲線なのです。

Lightroom

何だか難しく聞こえますが1:1.618だの数列だのを完全に理解する必要はありません。ポイントはフィボナッチスパイラルを何度も見て覚え、実際の撮影シーンで覚えたフィボナッチスパイラルを意識して構図を作るのです。

以前、私はこの構図を知ったばかりの頃「カメラにもグリッド線のようにフィボナッチスパイラルを表示できれば良いのに」と思っていました。しかしそのようなカメラは有るのかもしれませんが稀です。ここ、大事なポイントなのですがフィボナッチスパイラルはグリッド線のように合わせるものではなく、あくまで感覚でつかんでみましょう。人間のDNAにもある神秘の曲線な訳ですから、そういった意味で感覚が最も精度が高いと私は信じております。




実際には難しいです。まずは曲線の要素を探すよりも最初に渦巻の中心にバイクなどのメイン被写体を置いてみます。その上で曲線上に配置できるデザイン要素を見つけてアングルを探り当てていきましょう。

もしフィボナッチ螺旋構図が成功すれば、それはレオナルドダヴィンチなどの芸術作品に通ずる優れた構造を持った写真が実現できる訳です。

ステップアップの1つの目標として次の撮影で挑戦してみてくださいね。今回はこの辺で!!

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サイドケースにシンデレラフィット☆キャンプツーリングの小物入れ

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、写真を楽しんでいますか?写真を楽しむとは「いい写真」を撮ることですが、これが簡単にはいかないものですよね。

どうしたらいい写真が撮れるのだろう?この場合、どう撮るのが正解なのだろう?といった具合に「いい写真が撮れない問題」「撮り方の正解が分からない」といった問題を解決するための手段の模索、つまり問題解決型にしてしまうと、たちまち写真はつまらないものになります。

私の個人的なオススメとしては問題解決型ではなく問題定義型にすることです。みる側にとって「何かを問いかけてくるような」写真です。それは未完成さ、曖昧さがあり、撮った側と見る側の共同作業で作品の真理を感じていく、そんな写真が優れた芸術写真なんだと思います。よく「写真とは正解がないものだ」なんて言いますが別の言い方をすると撮る側と見る側で百人百様の解釈があるのだと思います。




さて今回はR1200GSアドベンチャーでキャンプツーリングをする方にお役に立つ(?)かなと思う情報をいってみたいと思います。

つい先日、近所の釣具屋さんでこんな物を発見しました。私は中学生以来、釣りはやっていませんが釣り具ってキャンプツーリングで使えそうな物が結構あるんですよね。

で、これは何かと言うとSHIMANOのBK-097Rシステムケース ロングという製品です。本来の用途はバッカンなる釣り用のバッグのインナーのようです。この縦横比を見てピンときたのですが、これって私の愛車であるR1200GS-ADVENTUREのサイドケースにピッタリではないだろうか?という事なのです。




買って帰って万一入らなかったら嫌なので、いちど帰ってサイドケースの寸法を測ってから出直しました。

いや~見事にピッタリ。よくキャンプ用のコッヘルの中にカップなどがジャストで入ることを「シンデレラフィット」とか呼びますが、まさにこれもシンデレラフィットです。

バッグ自体は底部に板が入っていて構造がしっかりしており、ファスナーも粗目ピッチで開閉がスムーズ。何より天面がクリアーなので一目見て中身が確認できるのが素晴らしいです。

R1200GS-ADVENTUREの積載力は通常のオートバイと比較すれば相当な荷物を積めるのですが、それでも積載はスペースを有効に使って効率よく積みたいですからね。こういったフィットはスペースを有効に使えて本当に気持ちいいものです。

えっこれに何を入れるのかって?

キャンプに必要な細々とした道具類を一括で入れてしまいます。なかなかの容量なので250Tのガス缶、トランギアのケトル、ガストーチ、MSRウィスパーライトも入ってしまいました。




キャンプに必要な小物とは箸やフォーク、スプーンなどのカトラリー、ライター、調味料、洗剤、スポンジ、ふきん、洗濯ばさみ、ジップロック、ビニール袋などなど。

私の場合、これとは別にポーチを1つ用意してそれには洗面用具や耳栓、絆創膏、目薬、ウェットティッシュなどを入れています。これはツーリングの途中に温泉に寄った時にすぐに取り出したいから別にしています。

SHIMANOと言えば自転車のコンポーネントと釣り具ですが昔はスノーボードのビンディング、ブーツもやっていましたね。スノーボード業界からは何年も前に撤退しましたが、その数年後にはスノーボード業界のバブルが崩壊したので「さすがSHIMANOのマーケティングは一流だな」と当時は感じたものです。

ところでこのSHIMANO NK-097R システムケースですが生産終了のようで流通在庫のみのようです。欲しいと思った方はお早めにどうぞ。私は釣り具のPointでセール品として2200円くらいで購入しましたよ。

今回はこの辺で!!

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ツーリング短編小説 旅の記憶 小さな海岸

もう約30年も走っている房州の海岸線。

その日は東京湾に沈みゆく夕陽を拝んで帰ろうと決めていた。

きのうまで大雨だったので空気も清浄されてさぞ美しい夕景が見れるだろう。

そんな期待を膨らませてR1200GSを走らせる。

EOS1Dx + SIGMA35mmF1.4ART

この小径の先に何かあるな…

幹線道路から一つはずれ細い生活道路に入ってみる。

さらに軽自動車でギリギリくらいの細い路地を海の方へ向かって入ってみる。

海岸線の国道は数え切れないほど走ってきたけど、走ったことも無い細い道には知らない景色が潜んでいるものだ。

そんな小さな「旅情」感じる風景を求めて探検気分を味わうのが大好きだ。

何となく…ただ何となく、直感だけで迷路のような小径を走り紡ぐ。




地元の人に迷惑にならないよう極力、エンジンの回転数を下げて静かにゆっくりR1200GSを走らせる。

やがて小さな漁村に出た。そこは袋小路になった箱庭のような空間だった。

素朴な漁村風景は私の中の桃源郷と言える絶景だった。

EOS6D Mark2+ EF35mmF2IS

小型船を係留できる小さな防波堤は風景を遮るものもなく海に浮かぶステージのようだった。そこにR1200GSを停めて愛車の姿を少し離れた場所から眺めてみた。

太陽はみるみる低い位置に移動している。

いつもと同じように旅のワンシーンをイメージに描いてブツブツと呟きながらEOS6D Mark2にお気に入りの35mm単焦点レンズを装着した。楽しいクリエイティブタイムの始まりだ。

ここがベストアングルだ、と納得のいく撮影ポジションは道路沿いの大きな堤防の影のような場所だった。打ち寄せる波の表情は豊かで、ぶつかり合った波の境界が弧を描いたり、壊れたテトラポットに砕けたりを繰り返す。水はクリスタルのように透明で泡立つ潮の様子はまるでクリームだった。

「被写体とセッションしている時間が一番自分らしくいられる」

無我夢中でシャッターを切りまくって、やがて集中が切れた…。

もう太陽は水平線にさしかかってきたので撮るのをやめた。

夕陽の写真を撮るときは沈む瞬間だけは撮影をやめて、この目で見届けるようにしている。特別な理由はないけれど以前からそうしている…自分でも謎の儀式だ。




ふと、背後に人の気配がした。

EOS6D mark2

振り向くと女の人がいた。いつの間に後ろにいたのだろう。綺麗な人だ。

こちらが気が付いたタイミングで向こうも私の存在に気が付いた。まさかこんな場所に人がいるとは思わなかったようで少し驚いた様子だった。

30代くらいだろうか…着の身着のままという感じで、おそらく近所の人だろう。

ここに何か用があって来たのではなく、夕陽が海に沈みゆくのを見にやってきたと分かる。

誰もいない海岸に私と彼女の二人だけ…

映画のワンシーンではよくあるシチュエーションだが、実際にそれが起こると事故のような感じだ。

戸惑ってしまったがとりあえずご挨拶くらいは…と思い顔を見た瞬間はっとした。

泣いている…

参ったな…軽く会釈だけして私は気付かなかったフリをして視線を夕陽の方へ戻した。この夕陽を見て感動して泣いているのかな?いや、今来たばかりだしソレはない。きっと何か悲しいことが別にあって、それを夕陽に重ね合わせているのだろう。




水平線にさしかかった太陽は海面付近の温度でユラユラと蜃気楼になり一本の筋を貫通させた。今まさに一日が終わろうとしている。地球はコペルニクスの言う通り間違いなく自転している。

そして時間は儚くも尊い。

「彼女は泣いている顔を私に見られたと気にしていないだろうか?」

そうだ、こうしよう「私もこんな美しい夕陽を見て思わず泣いてしまいそうです」そう言えば彼女もこの場をやり過ごすのに都合がよいだろう。

数分ほど経って太陽の峰が水平線にフーっと消えた直後に彼女の方へ振り返ると…そこにはもう誰も居なかった。

「あれ…もういないや」

思わず声に出してしまった。こりゃ、私も嫌われたもんだな。

R1200GSのボクサーツインを始動しヘルメットをかぶってギアを入れた。いま来た細い小径をゆっくりと走る。不思議と来るときとは少し違った景色に感じる。

風情ある古民家が並ぶ中に一軒だけ庭の広い家があり、そこに先ほどの彼女の姿が見えた。こちらに気が付いた様子で振り向いた。そして微笑みながら大きく手を振ってくれた。

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~関連投稿~

ツーリング短編小説 旅人たちの子守歌

一眼レフカメラをバイクに積んで振動で壊れないのか?

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、花粉がだいぶ飛散していますが花粉症の方は対策の方は万全でしょうか?私も花粉症ですがバイクに乗ると特に乗り始めの30分くらいが症状が酷いです。せっかくのツーリングシーズン、症状が酷いと気分的にも楽しめませんね…。私は今年は舌下免疫療法というのを試してみようかと思っています。

さてここ数日、究極のツーリング写真では「バイクに一眼レフ 故障」「バイクの振動でカメラ壊れない?」といったクエリが増えております。カメラをバイクに積んでエンジンの振動や車体から伝わる衝撃でカメラが壊れてしまわないか、多くの方が心配しておられるようです。

私は前職でバイク用品メーカーで製品の開発に関わっていましたが、その時のノウハウを元に今回はバイクの振動とカメラの積載について書いてみたいと思います。

私は一眼レフをトップケースに収納しています

バイクのエンジンの振動は車種によって色々な特徴があります。単気筒エンジンや不等間隔爆発のツインエンジンの場合、低回転ほど振幅(揺れ幅)が大きく低周波、逆に4気筒エンジンで高回転域ほど振幅が少なく高周波になります。そして震源から遠くなるほど振幅は大きくなる、つまり激しい振動になる傾向です。震源は主にクランクシャフトのバランサーやそれを相殺する目的で着いているバランサーシャフトの周辺です。




かつてミラーの開発をしていたとき、走行中に鏡面が振動して視認性が落ちないように腐心したものです。バイクの中でミラーが装着されている位置とは震源から最も遠く、条件が悪い場所なのです。単気筒のバイクやハーレーであれば振幅が大きく低周波、常用回転域も低めなので、その辺の車種のユーザー狙いであれば揺られないようデザインする。4気筒の高回転エンジンのスーパースポーツモデルをターゲットにした製品であれば高周波振動に強いようにデザインするといった具合です。

バイクから伝わる振動や衝撃は何らかの対策をしないと大切なカメラや機材にダメージを与えます。バイクからの振動とは1つは前述したエンジンからの振動、2つ目は路面のギャップなどからくるショック系の振動です。

カメラ、レンズに多く使われている小さなネジは高周波振動で緩みやすい

エンジンの振動は回転数によって変化しますが基本は振動周波数が正弦波であり、こいつはネジ類を緩めたり固い物同士が触れるとヤスリのように削るという特徴があります。路面の凸凹やギャップからくる衝撃系の振動はランダム波といいリアシートに固縛していた荷物がズレる、壊れやすい荷物が破損するなどの特徴があります。

少々脱線しますがバイクを含む自動車業界ではJISで定められた振動試験基準があり、現在ではSOR(sign on random)試験が導入されています。これはエンジンの振動を想定した正弦波(sign)に路面からのショック系振動であるrandom波を乗せてダブルで振動試験をかけるというものです。SOR試験対応の振動試験機という機械があるのです。

軟らかいスポンジの仕切りは衝撃は吸収するが高周波の正弦波振動には効果が無い

カメラをバイクに積載する際に注意すべきことは正弦波振動は三脚のロックやカメラの小さなネジ類を緩めてしまうこと、衝撃などのrandom波は積んでいた三脚やカメラバッグがズレることです。上の写真はトップケース内にカメラバッグ用のスポンジの仕切りを使って収納している様子ですが、スポンジは軟らかいものを選んでも高周波の振動はほとんど吸収してくれません。

背負っていて疲れるが振動や衝撃に対して理想的なのはボディバッグ

振動や衝撃に対して最も理想的なのはライダーの体がワンクッション入るボディバッグ系です。しかしボディーバッグは肩こりなどの疲労、防水効果が低く雨に弱い…といったデメリットの方が多く、立ちごけや転倒の多い人はそもそも向いていません。

大型のタンクバッグ

大きいサイズのタンクバッグに一眼レフを入れるのも悪くはありません。タンクバッグの底にスポンジシートを1枚ひいておけば、タンクから伝わる振動はだいぶ吸収されると思います。運転中に見える部分にあるので安心感もあります。しかし大きなタンクバッグとは言え一眼レフに交換レンズを複数本となると少々厳しいですね。




総合的に考えてカメラも三脚もリアシート上積載が一番良いと思います。振動対策は三脚の脚やロックレバー、ネジ類は積載の前にしっかり締め込んでおく、レンズキャップ、ボディキャップもしっかりと締めこんでおく(キャップの締めが緩いとヤスリをかけたように粉を吹いてキャップが削られ二度と締まらないキャップになる)、固い物同士(例えばレンズとミニ三脚など)が触れ合わないように収納するなどの対策を施しましょう。

脚のロック、雲台のハンドルなどをしっかり締めこんでバイクに積みましょう

上の写真は以前にご紹介した驚異のコスパ三脚 NEEWER66インチカーボン三脚ですが、この三脚は脚のナットロックを強めに締めておくと、こんどは使いたい時に緩まなくなってしまう…というトラブルがありました。GITZOやVelbonではそのような事はありません。やはりバイクにカメラや三脚を積載するとなると、通常のカメラマンでは知りえない別のノウハウが発生すると改めて感じた出来事でした。

特に注意したいのが雲台のネジです。写真のタイプはカメラを固定していないとき、ネジがフリーになっているのでバイクの振動でネジが落ちてしまうのです。できればこのタイプの雲台ではなくクイックリリースシューを使いましょう。私は以前、北海道をツーリング中にこのネジを落としてしまい、以降は三脚無しの撮影を強いられた経験があります。

それと振動で壊れにくいカメラは何か?とバイクに積むからといって振動に強いカメラを探す方がおられますが、一般的に振動に強いカメラとはかつてCASIOであったGショックのような雰囲気のカメラ、現在ではRICOH WG-60、ペンタックスWG-2などですが、これはツーリング写真用としておススメしません。振動や防水性能が特化したカメラは記録的に写す描写で「いい写真」を目指したい我々にとって最良の選択肢とは言えないと思います。

私の個人的な経験談になってしまい恐縮なのですが、光学ファインダーを有した普通のデジタル一眼レフがおススメです。15年以上はキャノンEOSを使用してきましたが故障はただの1度もありませんでした。対してコンデジは何度故障したか分かりません。単に相性の問題かもしれませんが振動や衝撃の問題に関わらず、使いやすさや総合的な信頼性も含めて普通の一眼レフカメラが私のおススメです。




 ~バイクに一眼レフカメラを積載して振動で壊れないか?まとめ~

・リアシート上に積載でスポンジ仕切りを活用し上手に収納しよう

・三脚のロックや雲台のネジなど緩まないようしっかり締めて積載する

・固い物同士が触れ合わないよう積載する

・光学ファインダーの一眼レフならバイクの振動くらいでは簡単に壊れない

以上、バイクに一眼レフを積んでカメラが壊れないのか?について書いてみました。

今回はこの辺で!!

~関連記事~

・バイクツーリングに最適な三脚の選び方

・バイクに三脚を積載するには?バイクへの三脚積載方法

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縦構図で使える☆ツーリング写真構図 S字スペース

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、100円ショップは活用していますでしょうか?私は最近100円ショップ、ワークマン、釣り具屋さんにハマっております。キャンプツーリングで使えそうなモノ、ツーリング重宝するアイテムなどお店で見ていると楽しいんですよね。ついネット通販ばかりの昨今ですが、やっぱり実店舗は買い物が楽しいです。

そんな100円ショップで先日こんな物を見つけました。

ダイソーの製品ですが車のヘッドレストのパイプに装着し、後席の人のカップホルダーになるものです。このパイプにかける部分の穴の大きさがナポレオンGSミラーのステーにぴったりでした。

私なんかはツーリング先でコンビニで昼食をとることが多くて、そんな時に飲み物を置いておく場所に困るんですよね。R1200GSはサイドスタンドで立てるとかなり傾斜していますし、そもそも平らな部分がありません。これならちょっとミラーにかけるだけなので簡単です。

もちろんこの状態で走るわけじゃないですよ。カッコ悪いですしハンドルが切れません…。カップホルダーは普段はトップケースなどに仕舞っておいて、コンビニ休憩の時に出す感じです。




さて前置きはこれくらいにして今回は「縦構図で使えるS字スペース」と題してこんな構図の作り方をご紹介したいと思います。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

極めてシンプルなことですが二者ある要素、この場合はR1200GS-ADVENTUREと漁船ですが右下と左上(もちろん逆も可)に配置して空いたスペースをS字にする構図です。




この写真の場合だと逆S字ですね。曲線ではなく直線的にZ字でも大丈夫です。以前に究極のツーリング写真では写真における導線効果というお話をしました。その時に写真の観賞者の視線を誘導する誘導線として特にS字線は効果が大きいですよ…という解説をしました。今回は導線ではありませんが写真の構造的なデザインの一部としてS字を取り入れる手法です。

被写体が2つある場合、その存在感を等分してしまうと美的バランスが崩れてしまい陳腐な写真に陥るので気を付けましょう…という解説は過去に何度もしていますが、このSスペースを作る構図に限っては2つある被写体の存在感が2等分されてもバランスは成立します。

ポイントはフレーミングにあって両者をどの部分で切り落とすかです。バイク側が重要であると感じたら車体全体(またはホイール)を1/3単位で切り落としましょう。上の写真の場合は車体をおよそ1/3フレーム外へ切り落としました。




念のため写真全体の解説を付け加えておきますが、この写真を撮ったときは太陽が高い時間帯の逆光下です。このような強い太陽光の逆光で期待できる効果は車体の上面などに入る輝きです。ヘルメット、タンク、シートの上面にハイライトが入っているのがお分かり頂けると思います。逆に期待できないのは爽やかな青空や鮮やかな緑の風景などです。これらの知識を元にその状況に合わせた撮り方を選択しましょうね。

縦構図で使えるS字スペース構図でした!

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