ツーリング写真☆画角の違いによる魅せ方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、蒸し暑い日々が続き週末も雨だったりでバイク乗りには我慢の季節になりましたね。こんな時はバイクの整備や写真の知識をつけるためのお勉強でもしましょう。

最近、車の運転手さんがマスクをしているので顔がよく見えないですね。以前にも書きましたが我々バイク乗りはドライバーのその表情をよく見て危険な動きをされないか予測することが大切です。車を見るのではなくドライバーの顔を見るのですね。ドライバーと目が合えばコチラを認識しているか確認できるのでひとまず安心です。中には注意力散漫な人、スマホを見ている人、そして高齢ドライバー・・・思わず「大丈夫かなこの人」と感じてしまうドライバーは決して少なくありません。

マスクをされているとそれが見えないですよね。そうなると車の挙動や雰囲気で危険な車を見極めるしかありません。皆様もくれぐれもご注意くださいませ。

さて今回はツーリング写真における画角のお話を簡単に解説してみたいと思います。ものすごく大雑把に広角レンズを使う場合と望遠レンズを使う場合について同じ撮影場所で説明いたします。




私のホームコースである養老渓谷、房総半島エリアのローカル鉄道「小港鉄道」の風景で解説します。この写真は駅舎に列車が着いたシーンをツーリング写真とした作品です。

画角24mmでR1200GSとのカメラディスタンスは約5m程度。爽やかな青空と緑も入れて景色全体として駅舎風景を撮ってみました。少々背景を多めに作ることで駅舎の小ささを表現しています。

このように広角レンズを選択して背景をつくり、その場所の自然の様子なども写すことでその場所に存在している被写体という表現になります。そこにあった、という場所に対する表現なので旅先で出会った、発見したという雰囲気を持った写真になります。

EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

一方、こちらは135mmの中望遠レンズを使用した作品です。撮影日は違いますが場所は全く同じで小港鉄道の月崎駅です。R1200GSとのカメラディスタンスは25mくらい。画面の多くの割合を駅舎とし、空は曇天だったので画面内に入れませんでした。この比較写真でぜひ注目していただきたいポイントはR1200GSの大きさはどちらもほぼ同じであることです。

先ほどの広角レンズとの違いを一つ一つ確認してみましょう。そもそも広角や望遠といった画角を選択することは目の前の空間に変化を加えること。圧縮したり遠近感をつけたりして肉眼の様子とは違う雰囲気の写真を作ることです。広角レンズの写真は広がり感が表現され出来上がった写真は作品の世界に吸い込まれる、あるいは誘い込まれるような雰囲気を持っています。一方で望遠の方は被写体が突き出てくるような雰囲気があり、その被写体の存在感に強い印象を受けるものです。

望遠は空間を圧縮したことで奥行き方向に存在している各々の被写体がぐっと接近します。構図としては駅舎を画面いっぱいに撮りましたが、最も違いが出たのは列車の大きさです。実はこちらの作品、列車内に乗客が何人か乗っていることを予測して、このような構図を作ったのですが…実際は誰も乗っていませんでした。ちょっと空振りに終わってしまった残念なケースですね。

本来であれば列車内の乗客の様子なども写して人の営みを感じる作品にしたかったのです。そのイメージを再現するため車窓の様子を引っ張るため望遠を選んだのです。




そのほか、駅舎やR1200GSのような人工物のゆがみ具合に注目してみましょう。広角レンズで撮った方は下方へ間延びしたようなゆがみが発生しています。この程度であれば何とか許容レベルといえますが、これ以上のワイドは選択しがたいものがありますね。一方で135mmで撮った方は歪みは全く気になりません。

EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

究極のツーリング写真では何度も同じことを書いてきましたが、やはり大切なことは「こんなふうに撮りたい」と最初に脳内でイメージを描くことです。これをやらないと画角の選択ができないのです。素朴な田舎風景に小さな駅舎が可愛らしいと感じたらそう写るよう広角を選択すれば良いし、列車内の乗客の様子が分かるような写真にしようと思えば望遠を選択すればOK。○○したいから△△にした。被写体の特徴を受けて動いた感情、それをもとに想像したイメージの写真を完成予想図にして撮影開始です。

撮影のほとんどは何らかの選択を繰り返すことです。今回の解説のように画角(レンズ)の選択であったり、露出値の選択、ホワイトバランスの選択…これらはすべてイメージの写真に近づけるためのWorkとなる訳ですね。




どんな時に広角や望遠にするのか?使い分けが皆目分からないよ…という写真ビギナーの方はズームレンズの使い方を間違えていないか確認しましょう。ファインダーをのぞきながらズームリングをぐるぐる回し、被写体の大きさや写る範囲を調整してパシャリ…こうやって撮っている方はいませんか?

これってイメージを想像せずに「試しにどんな風に写るのかな」といきなり撮っているのだと思います。これ、ズームレンズの悪いところで上達の妨げになっているのです。このやり方だといつまでも画角の感覚が身に付かず足で構図を作ることをしなくなります。

ズーム機能は一本のレンズで複数の選択肢を持てるのが本来のメリットです。例えば24-70mmというズームレンズであれば、まずは24、35、50、70くらいの4ポイントを作ってイメージの中から最適な画角をこの4ポイントから選ぶのです。ズームリングを微調整するのは撮影スペースが奪われたときに仕方なくやるものと覚えましょう。

ええ~~ズームリングをぐるぐる…やっていたよぉ、という方は次回のツーリングからぜひ意識してみてくださいね。

今回はこの辺で!!

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キャンプツーリング積載方法☆ついにみつけた理想のパッキング術

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、つい先日のことですが走りなれた南房総を走っていた時に、お弁当を買おうと思って館山駅に寄ったのですが、ガルパンの大洗と同様に館山もアニメの聖地になっていたのですね。

ゆる△キャン、スーパーカブ、ガルパン、ばくおん・・・今やアニメはおじさん達もターゲットにして世界中を席巻していますね。しかし私の愛する館山市もついにアニメの聖地とは!館山といえばXとサカナ君だったのですけどね。

さて今回はたまにはブログらしく、キャンプツーリングのお役立ち情報を書いてみたいと思います。

R1200GS ADVENTUREは左右のアルミケースだけでも相当な容量があるので、それだでも優秀な積載能力ですが、さらにケースの上に防水バッグなどを装着することで長旅にも対応した荷物を無理なく積載できます。上の写真の場合は左ケースにシールライン製の防水バッグを乗せています。

テント、ペグ、焚火台、チェアなど主要なるギアはアルミケース内へ、防水バッグはシュラフ、着替えなど重さのないものが入っていて荷物の低重心化を目指しています。

そしてツーリングメインではなくキャンプメインで旅するときに重要なポイントなのですが、買い出しをした食材やビールなどをどう積むか?です。キャンプ場の近所にスーパーがあると事前に分かっていれば、テントを設営した後に空荷のバイクで再び買い出しに行けばOKです。しかし必ずしもキャンプ場の近くにスーパーがあるとは限りませんからね。途中で買っていくしかない場合は珍しくありません。




しかしバイクの積載状態が既に主要なるキャンプギアだけで一杯になっていると、買い出しした物をどう積むか悩むものです。それ用にソフトクーラーバッグを用意するのが一般的かもしれませんが、それでも質量が限られてしまいます。そこでクーラーボックスはどうかな?と以前より模索していたのですが、クーラーボックスはバイクに積んでしまうとデザインの関係か見た目がイマイチでした。

しかし!バイクに積んでもカッコいいデザイン、しかも大きさや形状が理想的といえるものを見つけました。

これです。クーラーボックスとしては有名なアメリカのブランド IGLOOのプレイメイトエリート THE BOSS です。ダイヤモンドスチールプレートのようなエンボスがかっこいい!実はIGLOOのプレイメイトはアメリカでは定番商品のようで、この他にもポップなカラーや花柄などもあるようです。

唯一残念なのは日本国内では品薄のようで、売っているところを見つけると少々割高のプライスが付いています。いま確認したところ8000~1万円くらいが実売価格でしょうか。

蓋の開閉はサイドのボタンを押すことでカチッとロックが解除されて開きます。保冷力はコールマンのパーティースタッカーなどと同等かそれ以上だと思います。ボックス自体は見た目の印象以上に軽量です。

容量13L サイズは横37cm 奥行27cm 高さ34.6cm 350缶が26缶も入る容量です。これなら保冷剤や氷を入れても2泊分くらいの食材をまとめて入れておけそうです。




このハードなデザインのおかげで積載してもパッと見てクーラーボックスに見えません。R1200GSのリアシートを外したスペースにキレイに置けました。

どうでしょう?生活感ある積載にはなっていないと思います。自分的にはかっこよく積載できたな…と思っております。

底面には保冷剤、またはスーパーでもらってきた氷袋を平たく敷いて、冷やしたい優先度の順で入れていきます。一人分の容量として考えればかなり余裕の大きさです。

これからの時期は特に暑さで食材が傷まないかも心配ですよね。生ものを買えるのは冬のキャンプの時だけ…としている人も多いと思います。しかしクーラーボックスがあれば安心です。

はい、横長のプレイメイトを使うメリットはこれです!横にしたくないトレーの食材を水平にして入れることができます。キャンプツーリングといえお昼ご飯くらいはお店で食べたいですが、コロナ渦の昨今、なかなかそうもいきませんね。そんな時はキャンプの買い出しと一緒にお昼ご飯も一緒に買ってしまい、早めにチェックインしてキャンプ場で昼食としましょう。

そこでスーパーの総菜コーナーで「あぁ!お寿司が美味しそうだ!」となったとき、従来の積載方法ではお寿司を積載するのは難しく諦めるしかありませんでした。他にも総菜コーナーには美味しそうなものがトレーにパックされて売っていますが、どれも水平を保って持ち運ばないといけないものばかり。

クーラーボックスの話から脱線しますが海に近い地域でのスーパーでは驚くほど美味しいお寿司が総菜コーナーにあるものです。私の住む千葉県ですとODOYA館山海岸店、フードプラザハヤシ勝浦店などがお勧めです。スーパーなので運が良ければ割引されている時もありますよ。




就寝時に食材をテントの外に置かない…というのはキャンプツーリングを愛する人の間では常識ですが、クーラーボックスであればテントの前室に置いても問題ないと思います。深夜の珍客(主に猫)でもボックスを開けることはできません。便利です。

ちなみにIGLOOとは雪で作るあの「かまくら」のことだそうです。クーラーボックスとして実にシャレの効いたネーミングですね。ピクニックという文化が古くからあるアメリカならではの可愛らしいクーラーボックス プレイメイトでした!

今回はこの辺で!!

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写真のクオリティを高める最も効果的な意識改革法

究極のツーリング写真 touring-photographu.com 読者の皆さま、梅雨入り前のシーズンを楽しまれていますか?2021年5月現在、日本はオリンピック開催をひかえてコロナ対策に翻弄されています。そんな中、私たちの楽しみであるバイクツーリングは、いま自粛をするべきなのでしょうか???

ツーリングといっても様々なスタイルがありますがソロツーリングで県境を越えず、山や海岸線などを走り、食事はお弁当というスタイルでしたら感染防止策としては問題ないと考えます。あとは高齢者ドライバーとの接触事故に気を付けて普段以上に安全運転を心がけていきましょう。

さて、今回は写真クオリティに関わることを解説してみたいと思います。写真クオリティ、それは文字通り写真の品質。何らかの失敗要因で質が落ちてしまった写真を未然に防ぐにはどうしたら良いでしょうか。

例えば撮影者が意図していない手ブレ、ピンボケ、ISO感度戻し忘れによるノイズ、露出の失敗などが代表例です。その他にも被写体の中央に柱のような物が貫通した串刺し構図、意図せず電線や地面のゴミ等が写ってしまったもの、過度なレタッチで色が飽和したり階調が失わた【レタッチ画像破壊】もそうですね。




写真クオリティは最重要なことではありませんが重要なことです。クオリティが低いけどいい写真というのは有り得ますが、だからといってクオリティ面に無頓着でも良いということはありません。例えば2000万画素のカメラをお使いでしたら、ただの1画素さえも不良要素を見逃さない2000万すべてをチェックする厳格な検査機関となりましょう。

大衆的な写真とARTな写真の線引きは日本の写真文化においては曖昧な部分があり難しいのが実情です。ただ目安として分かりやすい例が1つあります。それはレンズやセンサーの汚れを気が付かず放置している写真。写真をライフスタイルとしている表現者、プロとしての職業カメラマンであればゴミの付いた写真を人に見せることは決してしません。

多くの一般カメラユーザーは写真クオリティに無頓着なものです。ゴミが写っているのに気が付かなかった、という事であれば百歩譲って分からなくもないですが気が付いているのに見ないふり…は明日からやめましょう。

もちろんレンズやセンサーの汚れは事前にメンテナンスを万全にしておくのが本来ですが、バイク旅におけるツーリング写真では途中でセンサーに汚れが付いてしまうのは仕方のないことです。外でセンサーの清掃をする訳にいきませんしね。その場合は仕方ないので帰宅後にソフトウェアーでコピースタンプツールなどを起動して、付着してしまったゴミを1つ1つ丁寧に消していきましょう。

 

今回の解説ではAdobeのLightroomを使用していますが、多くの無料ソフトウェアーでもこのような機能はついているものです。特に空や白背景となる場面では目立つので拡大表示させてシラミ潰しに消去していきましょう。




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

今回の解説で言いたかったのはセンサーやレンズのゴミが写ってしまった場合、それを放置せずきちんと消去しましょう…という話がしたかった訳ではありません。写真に写ってしまったゴミを1つ1つ消去する行為は写真クオリティに対する意識向上にとても効果的ですよ!というお話が今回のメインです。

細かなところまで目を光らせて画像を拡大表示して精密に検査をするのです。レンズのゴミに限らず、許容しがたいノイズ、彩度の上げ過ぎで失われた解像度、小さな虫、拡大してはじめて分かる微細な手ブレやピント位置の甘さ、これら写真クオリティに関わることを「よく確認する」という意識の向上を目指しましょう。

それにおいてまずはセンサー、レンズのゴミのチェックです。これを最初にやることで写真クオリティの意識が一気に高まります。

逆にいってしまうと大衆的な写真において、いかにも素人っぽい写真とはこの辺のケアが全くできていない写真です。もちろん写真ビギナーの方がそういった写真を撮ってしまうのは仕方のないことですが、「まあこれくらいいいや」と放置してしまう意識の低さ…これを良くしていきましょう!というお話ですね。

小さな失敗に気が付いていれば手間を惜しまず撮りなおしましょう。急ぐように写真を撮っている人、ついメンドクサイと思ってしまう人、悪い言い方ですがそれでは永久にいい写真は撮れません。

クオリティ面に限らずアングルや構図なども手間をかけるほどいい写真になります。




ところで今回の写真、1ポイントしか合いませんでしたが1:1.618黄金比にもとづくフィボナッチスパイラル構図を採用してみました。この位置に被写体を置くと不思議としっくりくるものですね。

今回はこの辺で!!!

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ライラックで駆け抜けた丘

自宅はマンションであるがバイクを洗車するためのスペースは一応ある。

水道代分の数百円を管理室で払えば1時間も洗車作業できるのだ。

本当は庭付き一戸建てにガレージというのが憧れだけど仕方ない。

我が家のマンションは管理人と警備員が常駐、日中は数人の清掃員もいて管理体制は手厚い。

大型バイクを2台も維持するのは費用だけでなく洗車やメンテナンスの手間も2倍だ。

それでも2台並べて洗車する時間はちっとも苦ではない。2台同時には乗れないけど洗車なら同時にできる、このひとときが幸せだ。

「こんにちは 今日は洗車日和ですね」

このマンションの管理人さんでもっともベテランの田中慧さんがやってきた。

他の管理人さんや警備員さんに「田中さん」が何人かいるため、下の名前で呼ばれている。最初に会った時に「慧眼のケイと書いてアキラですよ」と言われ、はて?慧眼のケイってどんな字だ?と自分の未熟さを痛感したものだ。

慧さんは10年以上はこのマンションの管理人をしているけど、もう嘱託なのだろうか?年齢は70後半はいってそうだ。元気だけど笑った顔のシワは深い。

ええ、今日はいい天気ですね。

前回の雨天走行から手入れをしていなかったR1200GS-ADVENTUREの下回りを入念に洗っていた。バイクの洗車は拭き掃除が一番良いのは知っているけど、こうしてたまに水洗いしないとハードなツーリングの汚れは落ちなくなってしまう。

おしゃべりが好きな慧さんに付き合ってしまうと、洗車が全くはかどらなくなるのを知っていたので軽くあしらってしまった。

「このオートバイは何ccですかね?」

ほらきた!この質問。高齢紳士がバイク乗りに投げかける定番の質問が排気量だ。バイク乗りなら誰でも一度は聞かれたことがあるだろう。

慧さんはかれこれ、ここ10年間の間でその質問を私に軽く100回はしただろう。会うたびに必ず「このオートバイは何ccですかね?」と聞いてくるのだ。もちろん都度1200ccですよ、と丁寧に対応しているのだが何度教えてもこの質問は終わることがない。

・・・これは1200ccですね。

この日も一応は質問にこたえた。私の苦笑いを察してか、冷たい言い方が過ぎたか、慧さんはそれ以上話さず「ごゆっくりどうぞ」と言い残して行ってしまった。

それから数か月後。

駐輪場でR1200GSのバッテリーの着脱やら、エンジンオイルの補充やらをしていたとき。慧さんがやってきた。

「あぁ、どうもこんにちは やっぱりBMWはいいですね」

いつものように何度か他愛のない会話をした後に

「このオートバイは何ccですかの?」

安定の質問がきた。

前回、洗車場で会った時は少し冷たい言い方をして悪かったな…という思いもあったので、この日は少し慧さんのおしゃべりに付き合うことにした。

「むかしは陸王やメグロを仲間達でノーヘルで乗り回してねぇー」

陸王とは1937年頃にハーレーの輸入を行っていた三共(製薬会社の)が自社ブランドとしてハーレーダビッドソンにライセンスを得て作った日本版のハーレーだ。しかし陸王は相当古い。慧さんの年代の人が若かりし頃から20年くらい前のバイクだ。そう多くは存在していないはずなのに、この年代の紳士は口をそろえて「昔は陸王をころがしていた」と言う。本当なのだろうか?

しかし慧さんの話はその先から急に信憑性をおびてきた。

「私は仲間が陸王だったけどアメリカンは好みではなかった。ドイツ軍のバイクが好きでBMWのようなシャフト機構が好きだったんだ。そこでライラックを父に土下座して金を借りて買ったんだ」

ライラックは1950年代に存在した丸正自動車が生産したオートバイだ。ドイツ軍のBMW R69Sを参考にしたシャフトドライブ機構と水平対向エンジンをもつ当時としては先進的なブランドである。本田宗一郎の弟子と言われる創業者、伊藤正の「藤」の字から藤の花を意味するライラックと名が付けられた名車である。

これはシャフトドライブ、水平対向エンジンのBMW R1200GSに乗っている私にとって聞き流せない情報であった。慧さんが本物のバイク乗りであったとは知らなかった…

「ライラックもこのBMWみたいに水平対向エンジンにシャフトドライブでねー。今は技術の進歩でこんなに凄くなったけど、その2点は昔と変わらないのが良いね。しかしこんなに大きかったかな?それとも私の体が小さくなったのか・・・?」

バイクが大きくなったのですよ、慧さん。

「むかしは舗装路なんて少なかったからさ、仲間と砂煙あげてそこらじゅうを走り回ったもんだ。アクセルを開けるとケツがはねて、エンジンは左右にゆれてね。でも速かったよ。警察になんて絶対捕まらなかった。むかし、バイク乗りは警察に追われたら逃げるのが当たり前だったね」

慧さんは少年のような笑顔で熱心に語ってくれた。

「ある日、仲間と一緒に北海道の最北端を目指して旅に出たんだ。仲間はドリームE型、陸王RQ750、私がライラックドラゴンTW。途中で何度も故障したり仲間が転倒して骨折したり、色々トラブルがあってね。でも楽しかったな。どこか場所は失念したけど、大きな丘に登って仲間たちと雄大な空の下を走り回った。結局、いろいろあって最北端にはたどり着けなかったけど、あの丘を走った記憶は色あせない。懐かしいなぁ」

また乗ればいいじゃないですか。バイクに。

「いやぁ~さすがに80になろうかという老いぼれに… また乗りたいけど昔の風景や風の感触を思い出して、輝いていた過去に想いを馳せるのが老人なのですよ!」

「・・・それに、もう体がうまくなくてね」

そう寂しそうに言って慧さんは巡回に行ってしまった。

それからしばらくの月日がすぎて慧さんの姿を見かけなくなった。管理会社の所長に慧さん見かけないけどどうしました?と尋ねると。

「それが慧さん1年前からガンだったみたいでね、ここ数か月で悪化しているみたいで。先月付けで退職されたのですよ」

ええっ?

「先週から後任の管理人が本部からきましたので、こんどご紹介しますよ」

そうでしたか…それは知らなかった 長いことお世話になったのに挨拶もできずにお別れになってしまった。つい最近になって慧さんのことが少し好きになった私は軽くショックだった。

「ところでこのオートバイは何ccですか?」

あっ えっと1200ccですね。

突然知った慧さんの病気と退職のこと。事前に知っていればもっと話をしたかったのにな。100回以上も排気量を聞かれてうんざりしていた自分に急に嫌気がさしてきた。寂しい…とにかく寂しい。うっとうしいけど居なくなると途端に寂しくなる、そんな人ってたまにいるけど慧さんも正にそんなタイプの人だ。

それから数週間後…いつものように洗車場にR1200GSを置いてメンテをしていたある日。真新しい制服を着た見慣れない管理人さんがやってきた。

「こんにちは 大きいバイクですねー」

慧さんの後任で来られた管理人だそうだ。年は慧さんより10は若いだろうか。恰幅がよくおしゃべりが好きそうな感じだ。

あ、どうも、よろしくお願いします。

何となく嫌な予感がしたので忙しいフリをして手短に挨拶だけした…

と、次の瞬間

「このオートバイは何ccですか?」

・・・end

 

ところで「いい写真」ってどんな写真???

EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

「いい写真を撮りたい」これはカメラを手にする全ての人の共通の願いですね。

でもいい写真って誰がどう決めるの??いい写真の定義ってあるの?

一枚のプリントがオークションで高額で取引されるようなART写真界であれば、キュレーターやコレクターがその価値を決めてくれます。しかしARTといえど資本主義社会なので「いい写真」を絶対値で評価するのはやはり金額です。

一般写真界にはそのような絶対値で評価できる基準は何もありません。いつも撮る人、見る人が主観的にいい写真を決めているのが現状です。

一般写真界における「いい写真」とは何だろう?

ある人は「撮った自分が【いい】と思った写真がいい写真である…」と言いました。

なるほど、これは確かにいい写真における絶対条件と言えそうです。

自分がいいと思わない写真を撮って、それが好評を博したとしても

それは偽りの表現となります。誰だって自分に嘘はつきたくないですからね。

撮った自分がいいと思った写真であること…でもコレって当たり前過ぎると思いませんか。

こういった意見が存在している…ということは自分でいい写真だと思わない写真を撮っている人が多いことを意味しているのでしょうか。何だか寂しいですね…

それ以外に何かないでしょうか?

見る人の趣味趣向に合致していること。

これも少なからずあると思います。例えば風景写真であれば風景写真の愛好家に見てもらう、といった具合にジャンル別に発表する場を選べば「いい写真」は成立しやすいです。

夕陽に焼ける富士山、美瑛の丘にかかる虹、美しい女性、可愛い子猫…これら多くの人に受け入れやすい被写体であれば、誰に見せても評価される写真になります。一方でオートバイが写った写真をオートバイに対して良いイメージを持っていない人に見せれば良くは思わないでしょう…

写真に対する見識の深さについても作者と観賞者のレベルが合致していれば「いい写真ですね」という評価を得やすいものです。高度なARTとしての抽象的な作品を写真の見識の浅い人に見せても理解不能なものです。

「いい写真」であるか否かは見せる相手によって変わるものと言えそうですね。




世の中には実に多くの人が多種多様な解釈のもとで写真文化に触れています。

流行のものを追いかけたりカメラというテクノロジーの進化に関心を寄せたり。収入を得るための商用写真。ドキュメンタリーとして社会問題を提起するもの。記憶にとどめる目的で人生の大切な瞬間を記録するもの。本当にいろいろあります。

一枚の写真を自身の表現であると信念をもって挑むのであれば、これら一般に普及している写真文化の全てを対象に発表するのは如何なモノでしょうか?

RICOH GR

分かる人にだけ見てもらえればいい…発表の場を慎重に選ぶこと。

私の場合は最近それでもいいと思うようになりました。むしろSNSで「いいね」をもらうような薄っぺらい評価を何百何千ともらうより、一人の人に心から共感してもらえた方が嬉しいです。

多くの人から「いい写真ですね」と評価されれば誰だって悪い気はしないですし、できればいつもそうでありたいと思うものです。しかしその欲望は宗教的に言うと煩悩のようなものかもしれません。

万人ウケはもうやめよう…という少しの勇気があれば簡単。そろそろ目覚めよう。

みんなと一緒の写真、大衆的な写真文化、カメラというテクノロジー・・・これらに塗れるのは退屈だよ…ほんとうにみんなが目指したいのはソコじゃないでしょ??

まずは試しに好奇心だけを頼りに奇妙な一枚を撮ってみようではないか。

案外それが「いい写真」なのかもしれませんね・・・




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ストアカ「いつか写真家になるための写真教室」空席ございます

令和3年5月15日(土曜日)に東京都中央区勝どきで開催する「いつか写真家になるための写真教室【写真基礎編】」。ご予約いただいた方、ありがとうございます。本教室ですがまだ空席がございますので、お早目のご検討お願い致します。

改めてもう一度ご案内です・・・

この度、究極のツーリング写真の運営者である私、立澤重良がストアカで先生デビューすることになりました。といってもまだ自分の教室を開講したところなので実績もレビューもゼロですが5月15日(土)に第一弾として東京都中央区勝どきで「いつか写真家になるための写真教室 写真基礎編」を開催いたします。

いつか写真家になるための写真教室【写真基礎編】

 

 

感染症対策の意味も含めて当面はマンツーマンで開催します。講義で90分、実技で30分程度のワークを予定しています。実技はご愛用のカメラを持参していただき、月島もんじゃストリートから佃島あたりまでスナップを撮りながらのワークとなります。

カメラの扱い、被写体を見る視点、光の読み方と露出の感覚、ベストアングルを探る体の使い方、そして感動と楽しさをART的写真を通して体験しましょう。

バイク写真はもちろん、風景、スナップ、ポートレート、初歩的な内容やお困りごと・・・写真に関わる様々な疑問にもお答えします。「私は本当に素人だから…」という方も大丈夫ですよ。

究極のツーリング写真を見た!という方は内容をバイク写真向けにカスタマイズも可能でございます。マンツーマンなので臨機応変に対応可能でございます。

よろしくお願い致します!

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS F11 1/125




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これは穴場☆低料金で都心から近い穴場キャンプ場 豊里ゆかりの森

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は久しぶりに絶景日本のキャンプ場のカテゴリーを更新してみたいと思います。といっても絶景と言うほど絶景な訳ではないのですが、大キャンプブームの昨今…なかなか低料金でのんびり過ごせるキャンプ場は貴重になってきたので、穴場的キャンプ場のご紹介です。

EOS6D Mark2

都心から近く1泊で550円で泊れてしまう穴場キャンプ場…それは茨城県つくば市の「豊里ゆかりの森」でございます。

豊里ゆかりの森 公式ページは こちら 

立地としては研究学園都市の外れにひっそり存在している感じです。こんな場所にキャンプ場があったのか!という驚きもありますが、恐らく公営なので地域の子供たちの自然学習のためにあるキャンプ場なのだと思います。

アクセスは常磐自動車道 谷田部ICより約20分 圏央道のつくば中央より約15分 県道24号を走り豚男爵というラーメン屋さんが目印です。

周辺のツーリングスポットは筑波山、霞ケ浦、牛久大仏(?)、少し足を延ばして那珂湊といった感じでしょうか。基本的に街中にあるのでツーリング重視よりキャンプ場でのんびりが良いかもしれませんね。

2021年5月時点での豊里ゆかりの森の情報は…

・キャンプ一泊一名 220円 持ち込みテント一泊330円

・チェックイン時間 ??? チェックアウト時間 ~10:00

・予約は電話受付のみ 予約時に到着予定時間を管理人さんに伝えておきます

買い出しできるスーパーはすぐ近くにあります。茨城県では有名なスーパー「カスミ」です。同じ敷地内にホームセンターのコーナンもあります。

1.4kmほどなので、その気になれば歩いて行けちゃいそうなほど近いです。ビール飲んでしまった後、バイクのエンジンをかけると近所に迷惑…なんて場合は歩いて行っちゃいましょう!

温泉は研究学園都市つくば…だから無いだろうな…と思うなかれ、あります!!!

豊里ゆかりの森から県道を南下して5kmほど走ります。途中、ポルシェやマセラティのディーラーなどがあり、あまりキャンプツーリングに来ているな!という気分にはなりませんが。不思議な感覚… 研究学園都市の真ん中を走るので平日の17時くらいは通勤ラッシュで渋滞が発生するのでお気を付けてください。

つくば温泉 喜楽里 別邸  公式ページは こちら 

ナトリウム塩化物泉の天然温泉かけ流しです。内湯も露天風呂も素晴らしかったですね。平日で1050円ですがタオルも込みの価格。施設内は食事やマッサージなどもあります。




豊里ゆかりの森の駐車場にとりあえずR1200GSを停めます。

駐車場のすぐ近くに管理棟がありましたが、キャンプの受付はこちらではなく…

この昆虫館にキャンプの受付があります。管理人の方はとても感じの良い方でした。

受付でもらった案内図。こりゃちょっと分かりにくいな… 現在地は右の昆虫館。敷地の外周をぐるっと回って左下の方へ行く感じですね。

直火は禁止。そして!オートバイはテントサイトに駐車OK (これ大事!)

テントサイト内にバイク乗り入れOKは有難いですが、マナーの関係上で敷地内はエンジンをかけずに押し歩きでお願いしますとのこと。傾斜や凸凹はありませんのでキャンプ道具を積載したR1200GS-ADVENTUREでも大丈夫です。

写真はテントサイト内にアプローチしてすぐの場所です。いい雰囲気ですね~こういった森の雰囲気、大好きです。しかし北側にある筑波山からの吹きおろしか?この日は北風が強く吹いていました。まあお台場海浜庭園やふもとっぱらの強風を体験した人にとっては楽勝ですけど。




こんな感じの道を数メートルほど押し歩きです。

敷地内には池とバンガローが。そういえば小学生の頃、あんな感じのバンガローで夏の林間学校をやったな。ぜんぜん眠れなかったけど。

奥にはアスレチック広場もあるので子供たちがいたら賑やかかも。

テントサイトは奥へ行くほど木が多くなるのでハンモック派の人には良いかもしれませんね。

炊事棟とトイレ。実はこのキャンプ場、少し以前までは冬季は水道凍結のため営業していなかったのですが、温水器を導入したので通年営業となったようです。しかしこの炊事棟ではお湯の出し方は確認できませんでした。トイレはウォシュレット付き水洗トイレで清掃も行き届いておりました。

昔からよくあるオーソドックスな感じですね。

喜楽里別邸に行ったので使いませんでしたがシャワールームも完備。

テンゲルスタンダードを設営してのんびり過ごします。今回、2021年4月末の平日。他のキャンパーは全部で10組程度。それほど広いキャンプ場ではありませんが、隣同士が密集するような混雑にはなりません。ただ管理人さんの話によると特に今年になってからキャンプのお客さんが激増!とのことなので週末は賑やかになるのかもしれません。

それにしても爽やかな雰囲気で気持ちのいいキャンプ場です。




敷地内をショートカットして歩いて昆虫館へ行き薪を購入しました。これで500円です。これ…何の木だろうか?何かの菌のようなものが付いていて湿っぽく感じましたが実際にはよく燃焼する良い薪でした。

購入した薪の他にキャンプ場内に落ちている枝なども集めてみました。落ちた枝などは自由に薪として使用して良いそうです。

15年愛用しているウィスパーライトは今日も絶好調です。

コーヒーをのんで…

ヘリノックスに座って読書をして…

ギョーザを買いに行きました!実はここ、豊里ゆかりの森の近くに有名な「ホワイトギョーザ」があるのです。事前に持ち帰りギョーザを電話で注文し取りに行きました。

出来立てでアツアツ…

いちおうホーロー皿に盛り付けて

ビールがぐいぐい進んじゃいました。やっぱりホワイトギョーザは美味しいです。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2 IS

夜は近くのグループの話し声と遠くの珍走族の音が気になったので耳栓で熟睡。朝は鳥たちのさえずりが賑やかで気持ちよく目覚めることができました。

朝食は焚火で作るホットサンド

アイリスオオヤマの具だくさんホットサンドメーカーは食パンを3枚はさめる大容量です。1Fはチーズにコンビーフ…

2Fはツナコーン・・・

焚火じゃなくてバーナーでも良いのですけどね…気分の問題で焚火を使います。

プレスされているので見た目よりもボリュームあります。6枚切りを3枚使っていますからね。苦しくなりました…

食後は森の中を散策してカロリー消費を。10時に撤収して終了!

 ~豊里ゆかりの森 まとめ~

・公営なので料金が格安

・すぐ近所にスーパーとホームセンターあり

・バイクで5~10圏内に温泉、ホワイトギョーザあり

・筑波山からの吹きおろしで北風がふく

格安で都心から近くバイク乗り入れOK。森の雰囲気もよく近くにスーパー、温泉あり。キャンプ場でのんびり過ごすにはオススメでございます。

つくば市 豊里ゆかりの森のご紹介でした!!

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ツーリング写真 写真の魅せ方とセンス

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回の投稿でツーリング写真7つの魅せ方と題して作例で解説しましたが如何でしたでしょうか。記録写真ではなく作品としての写真は撮る人の表現(ART)です。

なにをどう表現するかは撮る人の自由でありますが、いざ自由を与えられると戸惑ってしまう人も多いと思います。写真の表現手法である「魅せ方」もどう魅せるかは自由なのですが、まず何をしてよいのか分からない…とお困りの方にお役に立てれば嬉しいです。

前回の投稿でおすすめの7つをご紹介しましたが、当然その他にも魅せ方はたくさんあります。王道といえる表現手法から珍しいユニークなもの、ダヴィンチの絵画のように神秘の数学が隠されているもの、または新たな表現手法を自分で考えても良いのです。

EOS6D Mark2 + EF135mmF2

写真の魅せ方を【引き出し】と考えてみましょう。自分のノウハウの中に数多くの引き出しを持っていれば、その中から「今はコレ」とチョイスするのはセンスです。この場面でこの撮り方はあまりにありきたり過ぎるだろう、ならばこんなの面白いかな?と天邪鬼的に個性を発揮するのも面白いものです。

引き出しの数はたくさんあるほどエキサイティングなチョイスができる訳で、逆に言うと誰もが知っているような三分割構図や背景をボカして撮るといった手法しか持ち合わせていないとセンスが発揮できないものです。




EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

いまこの場面においてぴったりの魅せ方はこれだな、いろいろやり方はありそうだけど自分の場合はこうです、といった作者独自の引き出しのチョイス。センスの良いDJのような感じですかね。

または時間的猶予があれば複数の手法を複雑に組み合わせて構造の暗号化も悪くないです。海の写真を撮るときに水平線を三分割構図の線に合わせただけの写真は構造が丸見えの写真です。そこで線だけでなく交点や面も複数使い、割合に黄金比を取り入れたり日の丸構図や三角構図と組み合わせたりと複雑な手法に成功すれば簡単に見る側に写真の構造を見抜かれることはありません。

逆に「いやシンプルイズベストだ!」というのも大いにアリです。どこに正解がある訳でもありません。【今】【ここで】【あなたが】が最も良いと思った魅せ方をあなたが選択する以外にないのです。

センスは磨くもので多くの魅せ方を習得したら、それをチョイスする能力にどんどん磨きをかけていきましょう。上の写真のように複数の要素があって幾つもの引き出しが使えそうな場面でよく考え試行錯誤をしてみます。すると自分のアイデアで自身の引き出しの中からユニークな使い方ができることを発見するものです。

上の作品をぱっと見た瞬間に「これは3分割構図だ」とすぐにピンときた方はスジが良いと思います。この作品は3分割構図の線や交点を複数個所に組み合わせ、マストやロープを導線や図形として取り入れた構図です。細かいことを言うと船体に書かれた「時丸」の文字もデザイン上で効果があります。文字は観賞者が無意識下に読むもので読めない外国語であれば異国を感じるし、文字そのものがシャレている場合もあります。このように複数の要素を複雑に組み合わせるほど手間はかかりますが、高度な構造をもった作品を作ることができるのです。

「あっそうだ!」「なるほど」という気づきを繰り返し、それが蓄積していくと独自のノウハウとなっていきます。

本当におもしろいのはこの部分で魅せ方は習得するだけでなく「意外な使い方」ができるようセンスを磨いたり、魅せ方の度合いを加減できることを覚えてみましょう。こういったことを経験すると自身の写真活動に「スタイル」が少しづつ構築されていきます。




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

誰もが最初はビギナーです。写真に限らず最初の頃は右も左も分からないので、とにかく「やり方」を覚えるのですが、ある程度のキャリアを積むとたくさんある「やり方」から選択するセンスが磨かれていくものですよね。

バレーボールで例えるならセッターのセンスです。その場面でツーアタックか!という意表をついたセンスが功を成すものです。




私が写真をはじめたばかりの頃… いざここで写真を撮ろうと思ってカメラを手にしても、まずは何をして良いのか途方にくれたものでした。今になって振り返れば教科書で見かけた三分割構図やら適正露出やらの知識だけ持っていれば正解写真が撮れると思っていたのです。撮り方は確かに大事ですがそれは数個の引き出しでは全く役に立たず、経験を重ねて行く上で100個200個と増やして、そして自由意志でそれらから選択すること。そこに一人の表現者としての価値があるのだ…と最近になって気が付くようになりました。

究極のツーリング写真読者の皆さまも撮り方は覚えるだけでなく、無限大に増やしていき自由意志で選択する「センス」に磨きをかけてみてください。

毎度偉そうにすいません。

今回はこの辺で!!

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ツーリング写真☆7つの魅せ方 Ver2021

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、2021年のGWはどのように過ごされましたか?

私は本来であれば長崎あたりまでロングツーリングに出る予定でしたが、さすがにこの状況下(4/22~5/11 4都市緊急事態宣言)を受けて出発は断念しました。

本当は感染拡大防止の観点ではソロでキャンプツーリングという行為自体は影響ないのですけどね… しかし東京都から仕事を請け負っている職業の関係上…そうもいかない実情です。

さて今回はツーリング写真解説の総合的な内容として【ツーリング写真7つの魅せ方】と題して作例をもとに解説したいと思います。以前も何度か同じような内容を書きましたが2021年バージョンとしてブラッシュアップいたしました。

1.露出で魅せる

EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

今、目の前にある風景から光をどれくらいカメラ内に取り込むか?という写真の明るさを決めるものが露出…コレ当たり前ですけど念のため書いておきますね。大切なことはここで写真を撮るぞ!と決めた時点で完成させたい写真の明るさを事前にイメージすることです。

目で見た通りの明るさやカメラの評価測光によって決まった明るさが必ずしも自分が目指したい露出とは限らないものです。では…露出は何に合わせるのか?というと

【作品の主題となるひとつの被写体に露出を合わせる】

主題が最も魅力的に見えるように露出を決めたら、その露出で撮って全体が変にならないように構図も作ります。「目でみた通り」「カメラが測光した通り」に撮ることに縛られず貴方だけの理想の露出を目指してみましょう。それが露出で魅せるやり方です。

上の作品の場合は林道にひっそりと咲いていた山桜の淡い美しさを表現するために評価測光(アベレージ測光)よりも軽く2段はアンダーの露出で撮っています。もちろんこの逆でイメージに合わせて明るく撮ってもOKです。その露出を選んだ結果として暗く潰れた部分や白く飛んだ部分が発生しても「魅せたいひとつの理想の露出」を優先してみましょう。

2.フレーミングで魅せる

EOS6D Mark2

フレーミングの一般的な解釈は目の前の景色や被写体の、どの部分までを写真とするのか?という範囲を示しますが、ここではもう少し深堀りして画面という長方形の四角の【辺】を意識して撮ることと考えてみましょう。

多くの平凡な写真は写す範囲は意識できていても、被写体を辺で切り落とすという表現をする人をまず見かけません。被写体は必ずしも枠内に収めるのではなく、あえて一部を切り落とすことで存在感を強めたり弱めたりできるものです。

上の写真の場合はR1200GSの後部もライダーの背中側もフレームで見切れていますが、このように一部を切り落とすことで画面内で被写体を大きく構成できるので存在感を強めることができます。もちろん割合の調整で弱めることもできますし枠の外の様子に想像を誘う手法などもあります。

フレームで被写体を切り落とす魅せ方は平凡な写真から脱したい人に最もオススメできる簡単な手法でございます。




3.画角で魅せる

EOS6D mark2 + SHIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

画角とはレンズの焦点距離に依る「写せる範囲」のことですね。望遠レンズは画角が狭く、広角レンズは画角が広い。これらは一般的には遠くの小さなものを大きく写したり、近くの大きなものを画面内に収めたりすることが目的で使われます。画角で魅せるやり方はこの光学的な特徴を利用して表現に使うものです。

上の作品は快晴の夕空に繊細な階調(グラデーション)があることに注目し意図的にスペースをたくさん作った構図です。逆に言うと被写体であるバイク+ライダーを米粒大にしてしまった「バイク点景構図」ですが、小さくしたことで存在感が消えないようハイライトと重ねてみました。

この逆で望遠レンズで背景を引き寄せて特定の被写体に存在感を持たせたり、空間を圧縮して無数に咲く花などの密度を上げたり、望遠レンズの光学的な特徴である浅い被写界深度(ピントの合う範囲)を利用してボケ味で表現したりと出来ることは色々とあります。

人間の目は50mm前後と言われますが、画角で魅せる表現は24mmや200mmといった焦点距離を選択することで、目で見た感覚とは異なる雰囲気の写真とすることが可能なのです。広角レンズは写真の世界に吸い込まれるような雰囲気、望遠レンズで撮った写真は被写体が見る人の方へ突き出てくるような迫力があります。

4.シャッターチャンスで魅せる

EOS6D Mark2

シャッターチャンスという言葉は写真の世界では古くからあるもので誰でも知っている言葉ですよね。昔も今も変わらずシャッターチャンスとは大事な要素です。

私の個人的な解釈としてはシャッターチャンスには大きく分けて2つあります。1つめは予定調和型シャッターチャンス。もう1つは奇跡獲得型シャッターチャンス。前者は例えば水平線から出てくる太陽を撮るときや、鉄道写真などで予めダイヤを調べて撮影に挑むもの。こうなるであろうと予測を立てて準備をしておく撮り方ですね。

経験上、シャッターチャンスで魅せる写真というのは多くの場合で予定調和型よりも奇跡獲得型の方が傑作となる可能性を秘めていると思います。少々大げさですが奇跡を信じる者は傑作をなしえるのだと信じたいです。

上の作品は遠景の富士山とタンカーを望遠レンズで引き寄せた構図ですが、たまたま鳶が良い位置に入ったことで作品に個性が加わりました。これは嬉しい誤算でまさに奇跡獲得型のシャッターチャンスだったと言えます。こういった奇跡獲得型のシャッターチャンスを手に入れるにはどうすべきか?それは…いつでもどんなハプニングが起きてもそれを許容する受け皿を心に持っておくことです。




5.構図で魅せる

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

構図は大事…とよく聞きますが構図はあくまで写真の構造だと思います。この作品の主題はこちらですよ、と見る人へ分かりやすく案内するための【図】と考えます。大事だけど核心ではない、でも覚えておいた方が良い…それが構図ですね。

被写体の大きさや位置関係、背景などのスペースとの割合、何かと重ねたり離したり、配置で奥行を作ったりと手法は数えたらキリがありません。被写界深度や露出だって考え方によっては構図といえます。シンプルに1つの手法を用いたものから複数の構造を組み合わせたもの、高度な比率やデザインと巧みに組み合わせたやり方もあります。

上の作品は湖畔のキャンプサイトが美しい緑の光につつまれた様子を主題としたものです。構造としては木の配置で額縁と奥行を作り、日の丸構図としたバイク+テントへ観賞者の視線を誘導します。手前に横たわるボート、反射する湖面、上のハイライトなどは横方向に入る図形要素として意識して配置しています。

これがベスト!と納得できるアングルを割り出すまで手持ちで何度も試し撮りして、ピンポイントな理想のアングルを見つけたら三脚に固定して撮るやり方ですね。複雑な構図ほどカメラポジション、位置はシビアな微調整が要求され腐心するものです。

目の前の情景から構図に関わる知識と結び付け、被写体や背景などの各々の要素をどのように采配するかの能力が問われます。構図はキホン…みたいによく言われますが、構図で魅せる手法とは実はビギナーには敷居が高く難しいものだと思います。

6.黄金比で魅せる

EOS1Dx + EF70-200mmF2.8L F2.8 1/80 ISO250

これはやや高度なお話なので今回書こうか悩みましたが1:1.618の黄金比に基づくフォボナッチスパイラル構造の構図です。

美術の授業で見たかも…という人が多いと思いますが、この曲線は自然界に存在する神秘の曲線なのです。DNA構造、オウムガイの断面、花びらなど、あらゆる自然界のものがこの黄金比曲線の構造を持っています。

三分割構図も日の丸構図も使えそうにない…といったときに試してみると案外としっくりくるのがこの構図。実践するのは難しいかもしれませんが挑戦する価値は高いと思います。

7.何もしないで魅せる

何もしないとはなんだ!やる気あるのか?と怒られそうですが、何もしないで自然に魅せる手法も立派な魅せ方のひとつです。例えば有名な三分割構図などは使い方によっては「あからさま」過ぎて写真の構造がバレバレになったり、複雑な魅せ方をこれみよがしに使ったことで「すごいだろう」という嫌味が生まれたりするものです。写真の魅せ方は時としてこの辺のセンスが問われるものなのです。

そこで…あえて標準に近い画角、シンプルな日の丸構図、露出も評価測光と違わず、前述したような「魅せ方」の引き出しは何一つ使わずにフツーに撮った写真を目指すのです。これにより写真を見た人があたかも写真の中の世界にいるような【臨場感】を感じさせる作品ができるのですね。

スナップ写真の場合はこういったあれやこれや考えずにパッと撮った雰囲気がよく似合うと感じます。ただ気を付けるべきは「あえて何もしなかった」と「何もできなかった」は似て非なるものです。自分はナチュラル派だと宣言して乱雑な写真を量産するのはちょっと違うので気を付けましょう。その点だけ押さえておけばふとした瞬間を切り取る「ツーリングスナップ」というのは撮っていても楽しいものです。




EOS6D mark2 + EF35mmF2 IS

いかがでしたか?ツーリング写真7つの魅せ方。次回は写真の表現にあたり、これらの魅せ方をどう使うか?センスのお話を書いてみたいと思います。

今回はこの辺で!!

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マンツーマンの写真教室を東京で開催します!!

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今日はいつもの写真解説やR1200GSの話題ではなく皆さまへ【お知らせ】でございます。

皆さまは ストアカ をご存じでしょうか?ストリートアカデミーの略なのですが例えば動画撮影、ヨガ、エクセル、ダンス、話し方、お菓子作り…などなど習い事の総合的なコミュニティーですね。

驚くのはその種類の多さと手軽さです。通常、習い事と言うとお月謝を払って定期的に通うものですが、ストアカは都合の良い時に単発で受講できます。また近所の開催地を選べること、自分が習いたい部分だけをピンポイントで受けられるのもメリットです。

ユニークなのはそのジャンルに精通している人であれば誰でも先生になれることです。これにより講座のバリエーションが非常に豊富なのです。何かを学びたいけど通うには時間がないし… 自分が習いたいことと合致している教室がない… そんな悩みをストアカは解消してくれます。

この度、究極のツーリング写真の運営者である私、立澤重良もストアカで先生デビューすることになりました。といってもまだ自分の教室を開講したところなので実績もレビューもゼロですが5月15日(土)に第一弾として東京都中央区勝どきで「いつか写真家になるための写真教室 写真基礎編」を開催いたします。

いつか写真家になるための写真教室【写真基礎編】

 

 

感染症対策の意味も含めて当面はマンツーマンで開催します。講義で90分、実技で30分程度のワークを予定しています。実技はご愛用のカメラを持参していただき、月島もんじゃストリートから佃島あたりまでスナップを撮りながらのワークとなります。

カメラの扱い、被写体を見る視点、光の読み方と露出の感覚、ベストアングルを探る体の使い方、そして感動と楽しさをART的写真を通して体験しましょう。

バイク写真はもちろん、風景、スナップ、ポートレート、初歩的な内容やお困りごと・・・写真に関わる様々な疑問にもお答えします。「私は本当に素人だから…」という方も大丈夫ですよ。

最初なので価格は3000円/120分とお得に設定しました。

今回、なぜこのようなことを始めたのか?というと究極のツーリング写真ではお伝えできないことも対面であれば伝えることが出来ますし、実技というワークを交えれば確実に感覚として写真を学ぶことが可能だからです。知識を習得へ結ぶことが何であるか伝授できるのです。

それに…この年齢になると何か人の役に立ちたい、という願望が芽生えてくるものです。日本における写真文化をよりARTに昇華させるため少しでも役に立ちたい!という貢献意欲であります。単にお金儲けなのではなく「写真が上達した」「写真っておもしろい」と誰かに感じていただければ嬉しいです。

東京近郊でご興味ある方はぜひストアカに登録してご参加ください。受講するためのアカウント登録は簡単です。写真のことを学ぶだけでなく楽しい時間をご一緒しましょう。

必ず上達することをお約束いたします。

では、皆さまにお会いできるのを楽しみにお待ちしております。

 

令和3年 4月 立澤重良

このギャラリーのように基本ノージャンルでございます。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

もちろんツーリング写真の内容も大歓迎です。




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