ズームレンズ完全マスター☆焦点距離の感覚とイメージ力

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は久しぶりに<中級>ツーリング写真解説としてズームレンズの使い方と焦点距離、焦点距離のイメージ力について書いてみたいと思います。

といっても焦点距離とは何ぞや、といった固いことは抜きにしてズームレンズが上手に使えるようになるよう、焦点距離の感覚を養えるシンプルな解説を目指してみたいと思います。

まず<中級>ツーリング写真解説とはいえ、最初に簡単に焦点距離やズームレンズについておさらいをしてみたいと思います。焦点距離とはレンズの中心から結像点までの距離が何mmであるかを数値で表したものです。数値が変化することで風景がワイドになったり遠くの物を大きく写したりと倍率が変わります。1つのレンズで焦点距離を調整できるレンズをズームレンズといい、調整できず固定されているのが単焦点レンズです。

※この先の焦点距離の解説では35mm換算(フルサイズ)を前提に書いていきます。センサーサイズAPS-Cのカメラではおよそ1.5倍で考えて頂ければ結構です。例:35mm→52.5mm

人の目はおよそ50mmなので一般的に50mm付近を標準レンズとよび、それより数値の小さい24mmとか35mmというのはワイドに写せる広角レンズ、逆に数値の大きい135mmとか200mmが望遠ということです。

☆ここでワンポイント☆人の目はおよそ50mmで固定なので、例えば目の前の風景を85mmで撮ったらどんな風に写るだろう、28mmで撮ったらどんな風に写るだろう、とすぐにイメージがわかないものです。もし人間の目にもズーム機能があったら…たとえ写真のビギナーでも焦点距離の感覚は完璧に備わっているのだと想像できます。

リコー GR APS-C (焦点距離 28mm)

もちろん焦点距離の感覚などなくても、実際に1枚撮ってみれば分かる話なのですが、事前にイメージを作れることで作品の意図を表現するのに最適な焦点距離の選択ができるのです。

経験豊かな写真家は「こんなシーンは広角レンズで広がり感を出して魅せよう」とか「望遠の圧縮効果を利用して主題を少し押し出してみよう」といった具合に「こんな時はこうしよう」という撮影の引き出しを幾つも持っているのもです。

それぞれの焦点距離での特徴をよく理解し「こんな風に魅せたい」といったcaseに合わせて最適に、または裏技的に選択できれば上級者の領域と言えるかもしれません。【こんな風に魅せたい】とイメージして選択することは焦点距離に限らず露出、深度、デザインやフレーミングなどにも同様に言えると思います。




…さて本題ですが焦点距離を調整できるズーム機能は、もはや現代のカメラでは一般的な機能であり、むしろ焦点距離が固定されている単焦点は何か特別な理由があって拘って撮る人のマニアックなアイテムのようなイメージですよね。

よく聞くのは次のようなことです。・ズームレンズは便利だよ ・やはり単焦点は描写がよい この2つ、よく耳にしますね。もちろん間違いではないです。私もこれについてはある意味で同感です。

しかしツーリングでズームレンズを持っていくか、単焦点レンズを持っていくかはご自身のツーリングスタイル、ご自身が撮りたいと憧れる写真により選択することで、他人からの情報に左右されてはいけません。

EOS6D Mark2 + 望遠ズームレンズEF70-200mmF2.8LIS

ただ1つ、はっきりと言えるのは我々バイク乗りは持っていける荷物のボリュームが極めて限られており、何本ものレンズを持って行くよりはズームレンズなら1本(または2本といった少ない本数)で出かけられるので、やはりズームレンズは便利であるということです。

ズームレンズよりも単焦点レンズの方が描写がいいとか、ボケ具合が美しいとか言われるけど、そこは装備を軽量にすることを優先して妥協しちゃうのか???という疑問も聞こえてきそうです。これについては【どんな写真が撮りたいか】を事前にはっきりと決めておくことが大切です。その撮りたいイメージが単焦点レンズでないと実現できない、という事であればぜひ単焦点レンズを選択するべきです。

次にズームレンズが便利であることの意味を多くの方が勘違いしているので、それについて触れてみたいと思います。

ファインダーを見ながらズームリングを回して大きさを調整しただけの作例

ズームレンズが便利であること…それはファインダー(またはモニター)を見ながら被写体の方にレンズをむけズームリングをぐるぐると回し、大きさや範囲を調整してパチリ!これがズームレンズが便利と言われる理由…ではありません!!!大変な誤解です。

ファインダーをみながらズームリングぐるぐるは足が全く動かないまま、アングルの模索や被写体に寄るという基本までもが奪われてしまいます。上の失敗例はその典型的な写真です。

では正しい…というか当ブログが推奨しているズームレンズの使い方を解説してみたいと思います。上の写真はキャノンのズームレンズEF24-105㎜F3.5-5.6IS STMというEOS6D Mark2のズームキットに付属していたレンズです。このレンズは高級レンズであるEF24-105㎜F4Lの廉価版のようなズームレンズですが、EF24-105㎜F4Lよりも軽量であることを考えるとツーリング写真向きと言えるフルサイズ一眼レフ用ズームレンズですね。

さてこのレンズの場合、24㎜から105㎜を守備範囲としている訳ですが、この範囲内でいくつかのポイントを作り、そのポイントに縛って使ってみましょう。参考になる焦点距離のポイントは一般的に単焦点レンズとして売られている焦点距離の数値を参考にしてみます。つまり24、35、50、70、85、105とレンズにも書いてありますが、この6ポイントに縛って撮るのです。

この6ポイントを撮る直前のイメージの時点で選択するのです。6本の単焦点レンズを持っていると考えても良いと思います。

EOS6D Mark2 + 望遠ズームレンズEF70-200mmF2.8L 焦点距離200mm

海岸に続く砂の小径と波が打ち寄せる海の様子、これを愛車R1200GSと関連付ける構図を作りたい。海岸のツーリングシーンを1枚に。しかし実際のところR1200GSの位置から海までは距離がある…よし!ここは200mmで海を引っ張って砂の小径を短く圧縮しよう。 →このレンズのテレ端である焦点距離200mmを選択。

 

EOS1Dx + EF24-70mmF2.8L 焦点距離24mm

手前に咲くハマヒルガオなどの野生花に寄り、爽やかな空の解放感、キャンプサイトを日の丸に構図して写真を見る人を誘うような表現にしたい。→手前の花からの遠近感、空や野営地の解放感を表現したい →このレンズのワイド端である24㎜を選択。

この2つの例のように被写体や情景からの感動を受けて、その魅力を見出したうえで魅せたいイメージを構築し、そのイメージがどのような焦点距離なのかの決めるイメージ力です。よし!ここは〇〇だから被写体に寄って35mmでいこう、この被写体の存在感を絶対的にしたいから85mmで引っ張ろう、といった具合に表現したいことに対して焦点距離を選択するのです。




まずはイメージを作ってズームレンズのポイント縛りの中から選択をすること。つまりファインダーをのぞく前に、焦点距離は先に決めるのです。ズームレンズの縛ったポイントの中からです。

EOS6D Mark2 + SIGMA50mmF1.4ART 見る人がその場にいるような臨場感の50mm

撮る前に焦点距離を選択できるようになるには2つの要素があります。目の前に広がる空間がその焦点距離でどのような写真になるのかイメージできる感覚が1つ、2つ目はそろれぞれの焦点距離の特徴を理解することです。広角は写真の世界に誘い込むような雰囲気、標準は実際にその場にいるような臨場感、望遠は圧縮された勢いが写真から突き出てくるような迫力があります。

それと撮影者による好み、得意の焦点距離というのがあるのも知っておきましょう。私の場合は14㎜、28㎜、35㎜と言った広角が好きで、望遠は極端な望遠は好きですが中望遠や標準は勉強中であります。

EOS5D Mark2 + EF14mmF2.8L  私の大好きな超広角 14mm

撮る前のイメージで焦点距離を完璧に選択するのは、焦点距離の感覚を養った上級者の写真家脳です。そういった完成された脳を養う方法はゴルフやピアノと同じでとにかく練習して経験を積んでいくしかありません。しかし1つだけオススメの手法があります。それは自分が過去に撮ったお気に入りの写真が何ミリであったのかを覚えておくことです。

ある程度の経験を積んだ方であれば、誰しも過去に撮ったお気に入りの作品があると思います。そういったお気に入りの1枚は、その写真を撮ったとき実際の情景がどんなだったかも鮮明に記憶しているものです。であれば、そのお気に入りの1枚が例えば28mmであれば「このシーンはあの時の写真に似ている…あの時の感じで撮るなら28mmなんだな」と決められるのです。

少し脱線しましたがズームレンズの使い方に軌道修正します。お使いのズームレンズの数字が書いてあるポイントに縛る撮り方、ポイント縛り。ファインダーをのぞく前に焦点距離を決めよう、という話はご理解いただけたと思います。




次にズームレンズのもう1つの便利な使い方<画角の微調整>です。ズームレンズはせっかくの調整機能です。焦点距離の感覚が身に付いてイメージに対する選択ができるようになったら、いつまでもポイント縛りを守る必要はありません。困った時はズームリングを回して微調整をしてみましょう。

困ったとき…それはスペースを奪われて動けなくなった時です。後ろは壁でこれ以上は下がれない、写真のようにこれ以上近づいたら海に落ちる、尖った岩のてっぺんによじ登って撮っているので全く動けない。そんなときに画角が完璧ではないと感じたら、画面の四隅を慎重にチェックしながらズームリングを回して微調整しましょう。このシチュエーションに出くわすと、ズームレンズって本当に便利だなと実感するものです。

  ~ズームレンズ完璧マスター まとめ~

・ファインダーをのぞきながらズームリングぐるぐるは止めよう

・ズームレンズの調整範囲内でポイントをいくつか作って縛ってみよう

・焦点距離の選択は撮る前のイメージで決めよう

・スペースを奪われたら微調整してみよう

いかがでしたか?やれ単焦点は描写がいいとか、やれズームレンズは便利だとか情報はネット上などで溢れていますが、焦点距離や画角というのは感覚と好みの世界なので、他者の情報は役に立たたないものです。とにかく失敗から成功まで色んな写真をたくさん撮って、経験を積み、好みを知り、そういった楽しみの中から感覚を身に着けてくださいね。

今回はこの辺で!!

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脱ビギナー!「ナニ写真か?」しっかり分けて撮ってみよう

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、夏バテしていませんでしょうか?そろそろ、この夏の暑さが体に堪えてくる時期ですね。

先日、改めてネット上でツーリング写真に関わるトレンドを調査してみましたが、2年ほど前にくらべると、だいぶ記念写真、レポート写真の割合が減って素敵なツーリング写真が増えてきたな、と感じました。

当ブログの活動の成果なのか分かりませんが、少しづつツーリング写真が認知されてきたようで嬉しい限りです。

いまざっと検索したところツーリング写真を専門で運営しているブログやWEBサイトは現在でも当ブログだけでした。もちろん雑誌関係やメーカー系でバイク写真の撮り方を公開しているページはありますが…サイト自体がツーリング写真の専門はたぶん世界中で究極のツーリング写真だけではないでしょうか。

勝手にオンリーワンと思って喜んでおりますが正直すこし孤独でもあります。ビジネス用語で言うとブルーオーシャン戦略ですかね。まあ…まだまだツーリング写真はこれからなので、当たり前なんですけど。




さて今回は<初級>ツーリング写真解説としてツーリング写真ビギナーの方々に、いま撮ろうとしている写真は「ナニ写真なのか?」を意識してみましょう!という解説をいってみます。

ナニ写真ってナニよ???意味が分からないと思いますが、写真には出来上がった時点で様々な役割があって、事実を人に伝えるもの、なにかの記念として大切に保存する写真、時代性を記録する、様子を備忘録として記録しておく、製品の形や色を伝えるカタログ的な写真、コマーシャル的写真、ジャーナリズム、犯罪などの証拠、エロス…などなど本当に様々です。

そんな多岐にわたる写真の種類と役割の中で、どの種の中にも「いい写真」は存在し得るもので、そしていい写真を決めるのはいつも写真を見る側だと思います。しかし誰しも憧れるのは先に挙げましたどれでもない「芸術的写真」または「ドキュメンタリー写真」「リアリズム写真」ではないでしょうか?

このように写真の種類「ナニ写真」を意識することで、明日からのツーリング写真が少し変わるかもしれません。まずはバイク写真に関わるナニ写真をいくつかご紹介してみます。

1.ツーリング記念写真

記念写真はその名の通り、ツーリングに行ったらカメラ目線ばっちりで撮る写真な訳です。ダサい写真のようですが決してそんな事はありません。

こういった写真はご自身が数十年後、または人生を振り返る終末期にたいへん重要な意味が出てきます。写真の中は時間が止まっていて「あの時の自分」が記憶と共に蘇ってくるのです。

または婚活や何かのコミュニティでプロフィールとして使う用途にも適しています。カメラ目線で撮ったことで人物像がよく伝わる写真になるのです。

2.ツーリングレポート写真

景色の中に愛車を置いて普通にパチリと撮れば「こんな場所に行ってきたよ」という事実を伝える写真の完成です。それを見た誰かが「いい景色、私もここに行ってみたいな」となるのがツーリングレポート写真です。

この写真は今年のGWに北海道に行ったとき、美瑛の丘エリアに着いたときにスマホで撮った写真です。私はこの写真を撮ってすぐにFacebookで「いま美瑛の丘エリアを満喫しております」といった内容の投稿をしました。

このように場所がどこであるのか、見た人が分かりやすいよう標識が入るとレポート写真らしくなります。この写真は北海道のオロロンライン、サロベツ原野付近にある夕来展望所です。やはりスマホで撮った写真です。私はこういったレポート的写真を撮る場合、わざわざEOS6D Mark2やRICOH GRを使いません。いつもポケットに入っているiphoneの方が簡単で手間いらずだからです。

こういったレポート写真は多くのライダーがSNSやブログ用として撮っている写真で本当に良く見かけますね。

3.バイク写真

R1200GSアドベンチャー

バイク写真とは愛車自慢、愛車をかっこよく写すことに全てを注いだカットです。バイク乗りなら誰しも自分の愛車のことをカッコイイ、愛おしいと感じているものです。それであれば写真が撮りたくなるのは当然の心理です。

こういった愛車の写真はあとで自分で眺めたり、SNSなどでその車種やジャンル(アドベンチャーバイクとか)のコミュニティーで発表するのに適しています。

こちらもレポート写真と同様にSNSやブログでたいへん多く見かける写真ですね。

4.ツーリング風景写真

構図内でバイクの大きさは小さく、またはバイク無しでも良いので風景を主体に撮った写真です。バイク乗りはせっかく魅力ある地へ旅するのですから、出会った素晴らしい風景を写真にするのは当然のことですね。

1から3では記録写真としての役割の写真をご紹介してきましたが、ここで一気に写真芸術としての趣味性が出てきました。

人に見せる写真ですね。

5.グルメ写真

ツーリングレポートとして良く見かけるのがグルメ写真ですね。ツーリング先で見つけたお店、美味しいものを写真を撮ることで伝える役割があります。

食べ物の写真もただ撮るのではなく美味しそうに伝えるのがポイントですね。コツは窓際席に座って窓からの採光を逆光ぎみにして撮ると食材の質感が伝わります。

その時の状況、お店の雰囲気など情報を伝える役割がある写真です。それを意識して撮ると見る側にも役立つ写真となりえます。

さてここまでは記念、記録、情報を伝えるものといった事実をそのまま写真にしたバイク写真です。これを撮るのはそれほど難しいことではありません。カメラの操作方法や基本的な知識さえ身につけてしまえば、スマホでもコンデジでも綺麗に撮ることができます。回数をこなしていけば構図やアングルも上手になっていき「写真、お上手ですね」と言われる上手い写真が撮れるようになるでしょう。

これらは事実を記録しておく写真としてそれぞれに役割があり、決して否定されるものではありません。これからもカメラやスマホはこういった写真を撮り続けていくでしょう。それに時代が変われば「むかしのツーリング風景」として違った印象の写真になるはずです。

しかし写真を愛する一個人、写真をライフワークに生きる、これから写真をやっていきたい…という人が撮る写真ではありません。これらはみんなが普通に撮っている日常的な写真なのです。




ここから先は当ブログ 究極のツーリング写真が提唱している新たな時代のムーブメント(になってほしい)である人の心にひびく作品、誰かに影響を与えるような芸術的作品としてのバイク写真をご紹介していきます。

☆ツーリング写真☆

網走で名もない風景

当ブログが定義している【ツーリング写真】とはバイクツーリングのワンシーンを表現した写真です。バイクで旅をすることの素晴らしさ、その魅力を1枚の写真で伝えるものです。見た人がバイク乗りでなくても「オートバイでツーリング、いいかも」と思えるような写真です。

EOS30D + EF28-70mmF2.8L 28mm

ツーリング写真も事実の記録であることは間違いありません。しかし撮影者がバイク旅で感じたものを作品にこめているのがツーリング写真です。単なる情報ではないのですね。

上の作品のように道の写真は見る人を旅に誘う最高の被写体です。そう写真を見る人を意識すること、感じたことや心に入ってきた景色を伝えることがツーリング写真の魅力です。

夕刻の野営地

主にライダーの姿をからめたツーリングシーン、道、キャンプなどがツーリング写真のシチュエーションです。そこには多かれ少なかれ演出の類は入りますが、演出は伝えたいことを表現するための一つの手段なのです。

☆ツーリングスナップ☆

ツーリングスナップ…私が勝手にそう呼んでいるこのジャンルはバイクツーリングでライダーが目撃した被写体、情景のことです。必ずしもバイクやライダーを写す必要はありません。ただ通常の旅行やツアーではまず見ない景色を、作者の旅風景として伝えるものです。

とはいえツーリングスナップについては、まだ私も考えついて間もないので、これから時間をかけてツーリングスナップについて考えていきたいと思います。

☆ツーリングリアリズム写真☆

ツーリングリアリズム写真…これも先ほどのツーリングスナップ同様に私が勝手に言っているだけのバイク写真ジャンルの1つです。ライダーの視線を再現してツーリングのリアルを伝える写真です。

単に走行風景を撮るということではなく、ライダーの目線としての心象風景を目指しています。やはりこのツーリングリアリズム写真についても、まだまだ研究の余地があり時間をかけて熟成させたいと思っています。




今回の投稿でバイク写真ビギナーの方々へ何が言いたかったのか?といいますと以上に挙げたような写真のどれにも該当しない、空っぽの写真をまずやめましょう!ということです。

・・・ナニ写真とも言えない空っぽの写真

こんな風にバイクを停めて休憩したついでに撮った写真バイクの方へカメラを向けて何も考えず、何も感じないまま撮った1枚とは惰性的な画像です。写真は撮りたいけど面倒くさいから…。よく分からないから…。これでは撮った側も見る側も面白みや感動もありません。役立つ情報も楽しさもない空っぽな写真です。

こういった写真を撮らないようにまずは意識してみましょう。

ここまで挙げた1~5までの写真は既にみんなが撮っている写真です。ツーリング写真、ツーリングスナップ、ツーリングリアリズム写真はこれから話題になるであろう、バイクツーリングを社会的に認知させる新たなムーブメントとして可能性を秘めています。

私が学生の頃、アニメ好きとえば冷ややかな目でみられオタクとか気持ち悪いと女子からも敬遠されたものです。しかし数十年の歳月を得てアニメは日本が誇るカルチャーとして世界から注目されるまでになりました。

鉄道写真も同じです。かつて鉄道写真は車両にフォーカスされた比較的閉鎖的な写真ジャンルでしたが、中野精也さんの「ゆる鉄」で一気にブレイクし、鉄道写真を撮る女子「鉄子」が流行するほど認知されました。

これと同じようなことを当ブログ 究極のツーリング写真は目指しています。まずは惰性的に撮っていた写真をやめて、ナニ写真かを意識してみましょう。カメラの操作方法や写真の知識がついてきたら、少しづつで良いので写真を見た人に喜んでもらえるツーリング写真を撮ってみませんか?

今回はこの辺で!!

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レベルアップ確実☆ギャラリストになって写真の目利きになろう

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、夏休みのツーリングはいかがでしたか?無事に事故やトラブルなく帰宅されたでしょうか?事故やトラブル…そう、気を付けていても避けられないことや、ついうっかりミスを…人間だからありますよね。

バイクで安全運転、ツーリングでトラブルを起こさない、その為には失敗から学ぶのではなく事前に失敗を予測する能力が求められますよね。

だいぶ以前に何かの書籍で読んだのですが人間はミスをするもの、ミスには認識のエラーと肉体のエラーがあるという事が書かれていました。認識のエラーは「あの対向車のバイクはゆっくりだろう」と思って交差点で右折したら実際はバイクは速く右直事故になった、ただの水たまりだと思ったらオイルでスリップダウンして転倒した、などがそうです。

肉体のエラーとはゴルフやバッティングで空振りになってしまったり、サーキット走行などで些細な操作ミスから転倒やオーバーランになってしまった…といったことで、こちらはバイクツーリングではあまり考えにくいケースです。




「〇〇〇だと思ったら実は違った」と「手元が狂った、空振りしてしまった」はミスの種類が違うのですね。私は先日、ブログ投稿前のチェックで「究極のツーリング社員」というカッコ悪いタイプミスを見つけてしまいました。これは肉体のエラーですが…まあこの程度のミスでしたら笑い話で済みますけどね。

さて前置きが長かったですが、今回は写真道を志す皆さまにとってご自身の撮る写真のレベルアップももちろん重要なのですが、それとは別に写真を観る側として写真芸術への見識を深めていきましょう、というお話でございます。

RICOH GR APS-C

といっても固い話ではなく簡単に言ってしまえばご自身の写真の好みを明確にして知っておきましょう、というシンプルなものです。

写真の好み…それは「こうゆうの好き」「これカッコいい、こんな感じの撮ってみたい」とSNSで誰かが撮った写真、雑誌や広告のカットで使われた1枚、もちろん有名な写真家の作品も、他者による写真をみて自分の好きな作風や被写体、あるいはテーマがどのような感じなのか知っておきましょう。

上の写真はGWで撮った北海道ツーリングでの1枚ですが、私は最近になって特にこういった地味な写真が好きになりました。これをSNSで発表したところで全く反応は薄いですし「映え」もしません。しかしこんな「もの寂しい」雰囲気がどうやら私は好みのようです。




先日、通勤中に都バスの中の広告で見かけた広告写真に「おおっ」と思った1枚がありました。それはこの写真です。

ゲオルギィ ピンカソフ

都営交通のポスターでPROJECT TOEI すべての「今日」のために。…のポスターです。コピーもかっこいいですね。実際は日中に撮ったのかもしれませんが早朝を連想させる露出、仄かな光を大切に撮った1枚でとても雰囲気がいいです。

この作品はモスクワ生まれの写真家 ゲオルギィ ピンカソフによる作品で、都営交通のサイトでこの他の作品も見ることができます。

都営交通 PROJECT TOEI  すべての「今日」のために。

それとだいぶ以前にもご紹介しましたが…

市橋織江さんの作品

これも電車の中吊りで見かけたのですが大塚製薬のカロリーメイトの広告です。写真家は市橋織江さん。赤いウェアーを着た男性が登山する様子をシンプルに構成した作品ですが、これも全体の雰囲気が大好きな1枚です。




うまく言葉で言えませんが写真が見る側を誘っているような雰囲気と言いましょうか…美しさやインパクトは極めて控え目ですが、うったえているコトが素直に心に入ってくるような写真です。

ご自身が上達するプロセスで撮り方などのノウハウや知識を身に付けることは勿論大切なことです。しかしその一方で写真という芸術表現を純粋に考えてみましょう。それは単純な記録や記念ではなく、事実を元にした瞬間的な表現であること。さらに被写体が紛れもない事実がゆえに他の芸術よりもリアリズムを表現できますし、メッセージのようなものを発信できると、私はそんな風に思います。

例えば私が活動テーマにしている「ツーリングのワンシーンを切り取る」のツーリング写真がツーリング絵画だったら…?その絵画を見て私もバイクの免許をとってバイクツーリングしてみようかな?なんて思わないはずです。

皆さまも街中の広告などで見かける写真やSNSで誰かが撮った写真をみて、ひとりの写真好き、写真ギャラリストとして向き合ってみてください。「こうゆうの好き」とあなたの心が反応することで、ご自身の写真に対する考えや意識を育むことができるはずです。

写真をみる力が成長することで、たとえばレタッチの仕上げ方や写真セレクト作業などで迷うことが少なくなると思いますよ。

今回はこの辺で!!!

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バイク写真と天の川撮影<Lightroom>天の川のレタッチと仕上げ方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は前回のギャラリー投稿にアップした南房総からの天の川のツーリング写真を使って、画像レタッチLightroomでの仕上げ方の解説をいってみたいと思います。

使用カメラはキヤノン EOS6D Mark2 使用レンズはEF14㎜F2.8L 三脚はNEEWER66インチカーボン三脚です。RAWで撮った画像を元にAdobe Lightroom CLASSIC を使って仕上げる手順をご紹介いたします。

まずは元画像のRAWをLightroomに取り込んだ状態。ご覧のように天の川はこの時点ではっきりと写っていますが、30秒以上はシャッターを開けたくない、これ以上は高感度に設定したくない、という露出の都合で少しアンダー目に撮っています。

こういった星景写真の場合、撮影時に後でLightroomでどのように仕上げるのかを予めイメージして撮ります。

まず画面内に余計な物が写っていないか拡大してチェックしてみましょう。この作品の撮影場所は東京湾の入り口です。飛行機がとても多く飛んでいるので、途切れるタイミングを狙ったつもりでも、画角が14㎜もあるのでどうしても入ってしまう場合があります。この作品も画面の右隅に飛行機のライトが軌跡で入ってしまいました。

スポット修正ツールを起動します。

奇跡を描いてしまった部分をドラグして選択。キレイに消すことができました。




続いて全体の基本的な調整からいってみましょう。調整には基本的に順序があって色温度(WB)、露出、コントラスト…の順で調整を行います。夜空の色をブルー系にするか漆黒の夜空にするのかで色温度を調整してください。

今回は漆黒の夜空で天の川の存在を際立たせたいと思います。よって色温度は4300kへ。そしてコントラストを+20に、ハイライトを+40で全体の暗さを上げます。

天の川の写真を仕上げるのに重要なのはテクスチャ、明瞭度、かすみの除去の3つです。テクスチャは通常ですと被写体の質感アップに有効ですが、星空の場合は星1つの存在感の調整に役立ちます。かすみの除去は撮影時に肉眼では確認できなかったような小さな星まで見えるようになり、+100までスライダーを上げると驚くほど多くの星を明らかにできます。この部分は本当に凄い機能だな…といつも感心してしまいます。

これら3つのスライダーを左右に動かしてイメージに近づけてみましょう。ここでポイント!この場合のイメージとは当たり前ですが撮影者独自のイメージです。どこにも正解などはなく「あの時こうだった」という心象風景の再現、または記憶風景の中で美化された妄想的な表現でも悪くはないと思います。

カメラが間違いなく写しているものに対しての調整がレタッチです。天の川がそもそも無くて書き加えたのならインチキかもしれませんが、そうではないのですからね。

これは明瞭度を+35まで上げて星々と天の川をクッキリと魅せる仕上げ方です。

こちらは逆に明瞭度、テクスチャー共に-21まで下げて柔らかく表現しています。この場合はかすみの除去を+100まであげてみました。

これらはあくまで一例で撮影地であなたか感動した景色(心象風景)に最も近いのは、どういった表現方法なのか?を考えて調整してみて下さいね。




全体の大まかな調整が済んだら補正ブラシを起動します。

天の川を選択します。

星空全体に対して天の川の部分の存在感の調整です。ここでも同様にテクスチャ、明瞭度、かすみの除去で天の川をあなたなりのイメージで調整します。この時、天の川は「天の川銀河」と言われる通り、色が少しだけついていますので彩度を少しだけ上げるのがポイントです。

次に段階フィルターを起動しましょう。

地上側を選択します。この撮影地ではカメラのずっと後ろに国道からの街灯があり、その光によってバイク+ライダーにも光が当たってくれました。本来、何もない場所であれば夜空や天の川に露出を狙えば地上物は真っ黒です。有難い環境だったと言えそうですが、色かぶりが酷いのでこれを調整しましょう。

光が当たっていたと言っても暗いのは確かなので露出を1 1/3上げ明瞭度を+35に、ホワイトバランスを調整してオレンジっぽさを弱めました。彩度も-23にしているのはホワイトバランスの調整だけでは不自然さを取り切れないからです。

この辺でいちど元画像と見比べてみましょう。明らかな不自然さ、イラストや絵画のようになっていないか?写真らしさを失っていないかのチェックです。こうやって改めて見るとLightroomってほんとスゴいですよね。特に星景写真で威力を発揮すると思います。




こんどは補正ブラシで空の下の方を選択します。この辺は地上付近のかすみや光害から影響を受けているので、これを補正します。

赤っぽかった部分を夜空全体と同じように仕上げます。かすみの影響で明瞭さがないので明瞭度を+55に、色温度を大幅に下げて青方向に戻してやります。

はい、今回は最終的にこんな風に仕上げてみました。

今回はLightroomのレタッチ解説でしたので、撮影データは詳細を書きませんでしたが、ここで書き加えますと ボディ:EOS6D Mark2 レンズ:キャノンEF14mmF2.8L ISO1600 S:30SEC F2.8 NEEWER66インチカーボン三脚 微風 月齢3(中潮)千葉県館山市 です。

それではまた!!

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夏の天の川とツーリング写真 南房総から望む夏の天の川

ツーリング写真ギャラリー

~南房総から望む夏の天の川~

EOS6D Mark2 + EF14mmF2.8L




2019年8月 千葉県館山市

正直、星座の知識なんてほとんど無くて天の川に興味をもったのも割と最近です。

毎日むし暑い関東地方、いくら晴れていても湿度がこんなに高いのでは星空なんてキレイに見れないと決めつけていました。

何となくですが星がキレイに見れるのは冬なのかなと。

暑さにめっぽう弱い私は休日もバイクに乗る気力がわかず、かといって何週間もバイクに乗っていないとそれはそれで色々と調子が悪い。

仕方なく蒸し暑いのは変わらないけど日差しが無い分マシなナイトツーリングに出かけてみました。山は虫が多いし真っ暗闇なので、海岸線をひたすらと南下です。




もう房総半島にこれ以上の南はない…という所まで南下すると何も見えない海の向こうに視線を送り、徐々に私の目は暗がりに慣れていきます。

そして空に目をやると見事な満天の星空に大きな天の川。そしてタイミングよく流れ星がキラリと去った。

「あ~真夏なのにこんなに鮮明に天の川が見えるのか」

垂直に立った夏の天の川が日常の小さな旅を記憶に焼いてくれました。




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究極のツーリング写真流 バイク写真の三脚の使い方 グリーンマーカー戦法

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回まででバイク写真、ツーリング写真における三脚の選び方、なぜバイク写真でも三脚が必要なのか?を解説してきましたが如何でしたでしょうか?

三脚も凝り始めるとモノですのでカッコいい高級な奴が欲しくなるものです。しかしバイクで三脚を積載してツーリングとなると破損や盗難のリスクもあります…。あまり高級なものでなく普通のグレードが良いと思います。もし、自分に合ったものが高い三脚だった場合は…旧型や中古品をお安く入手するのがお勧めです。

さて今回はそんな三脚について、実際のツーリングシーンでの実践的な使い方について書いてみたいと思います。名付けて<究極のツーリング写真流グリーンマーカー戦法>でございます。




<究極のツーリング写真流グリーンマーカー戦法>

素掘り隧道

グリーンマーカー戦法。それは私が勝手にあみ出した手法です。

三脚はカメラがブレないようしっかり固定する役割、ち密に組み立てた構図をキープする役割があることは前回の投稿で解説しました。

ち密に組み立てた構図をキープとは実は地味に大事なことです。複数ある被写体の存在感を大きさやボケ具合などで調整し、構図内に直線や曲線などで導線やアイキャッチを作り、目の前の光景からデザイン要素を取り入れたり、フレーミングで印象をコントロールしたり…そんな複雑巧妙なベストアングルを完成させるには、当然ですが当初はカメラを手持ちで試行錯誤する訳ですよね。

そして納得のいくベストアングル、ベストな構成が完成したら次にカメラを三脚にセットして状態をキープしたい訳です。しかしバイクに戻って三脚をとってきて、再び先ほどの場所に戻ったは良いけど、せっかく探り当てたベストなポイントをロストしてしまった…これよくあるんです!

特に望遠レンズを使うシーンではベストなポイントからバイクは離れていますし、海岸のような開けた場所では目印になる物もありません。「あれ~!さっきベストだと決めたポイントはどこだ~???」と!

そんな経験から、私はいつもゴルフのグリーンマーカーのようにベストアングルを見つけたポイントで足元に目印になるものを置くようにします。私の場合スペアのレンズキャップを使用していますが、ハンカチでもキーホルダーでも何でも良いと思います。




そしてズームレンズの場合は忘れずに焦点距離をチェック。深度を深くしてピントピークも調整した場合は、そのポイントもキープさせます。忘れてはいけないのはカメラの高さで胸と首の間くらい…といった具合に高さも事前に覚えておきます。

そして三脚をセットしてカメラを取り付けたら先ほどの手持ちで撮った試し撮りの画像を再生ボタンでプレビューし、全く同じアングルを三脚に固定した状態で再現するのです。

春の小湊鉄道

これがグリーンマーカー戦法です。

ち密に組み立てた画面構成を三脚固定状態で再現できたら、あとはシャッターチャンスまで待機する、またはインターバルタイマー機能を起動して自撮りをする、といった段取りです。

この作業の精度が低いと後でその日に撮った写真を見返したとき、手持ちで試し撮りしたカットの方がアングルがいい…本命カットは何かイマイチだ…なんて事態になります。




3度の投稿にわたってバイク写真、ツーリング写真における三脚のお話を書いてみました。まとめると…

1.三脚の必要性とは・手ブレしそうなほど絞り込んだ(シャッターが遅い)場合 ・夜景や星空 ・組み立てた構図をキープする ・自撮りする場合

2.バイクツーリングに最適な三脚選び ・4段のトラベラータイプ ・自由雲台でクイックリリース ・耐荷重はカメラ(+レンズ)の重量に対応したもの ・予算に余裕があれば軽量なカーボン脚 ・ローアングル用にミニ三脚も持っておこう

3.ツーリング写真、バイク写真における三脚の使い方  ・まずは手持ちでベストなアングルを探そう ・ここだ、というアングルが決まったらそこにグリーンマーキング ・三脚をセットしたら手持ちで撮った試し撮りの画像を見ながらアングルを再現

それではまた!!!

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ツーリング写真、バイク写真に最適な☆バイク用の三脚の選び方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回の投稿で三脚はなぜ必要なのか?どのような時に三脚を使い、どのような時に手持ちでいくのかを<初級>ツーリング写真として解説いたしました。

今回は三脚に関わる解説の続きとして、我々バイク乗りはどんな三脚を選べば良いのか書いてみたいと思います。

・バイクツーリングに最適な三脚選び

まずはじめに前回の投稿でも少し触れましたが、三脚の用途として自撮りや記念写真などで人手が足りない時に使う三脚…という事であれば、三脚選びは悩むことはありません。特段、良い物に拘る必要はなく量販店でワゴンセールされているものでも十分に機能します。価格も数千円で買えるものばかりです。

ここから先は良い写真作品を実現するために、一眼レフカメラをしっかりとホールドしてくれる安定の良い三脚の選び方、そしてバイクツーリングに適した使い勝手と予算などに応じた三脚の選び方を書いていきます。

三脚選びの最初はカメラ(+レンズ)の重量から決めていきます。三脚メーカーの仕様欄に耐荷重と書かれている部分に3kgとか5kgとか記載されているので、ご愛用されているカメラ(+レンズ)の重量を確認してみましょう。特に望遠ズームレンズも使う方は耐荷重に十分な余裕のある三脚が必要となってきます。




次に三脚の脚を伸ばした最大の高さ、そして収納時のサイズ。重量。パイプの太さ。そして素材を見ていきます。三脚はカメラを安定させる事が命であると前回の投稿で書きましたが、重い三脚ほど安定が良好であり反面、持ち運びが大変という相反する要素があります。

高さは通常の三脚であればエレベーターを伸ばして目線くらいの高さまで上げることが出来ればOKだと思います。それ以上のハイアングルも使いたい場合はかなり大型の三脚が必要になってしまい、バイク積載には現実的ではありません。そう、我々バイク乗りは高さのある三脚を持っていくのが難しいのです。

ある程度のサイズのある三脚でしたら通常ですとバイクではちょっと重いのでカーボン三脚が望ましいですが、言うまでもなくカーボン三脚は高価です(一部のチャイナブランドを除いて)。

ブランドは有名どころではSLIK、Velbon、Manfrotto、高級なものでGITZOなどがあります。

この写真は上はGITZOの3段カーボン三脚、下はNEEWERの4段カーボントラベラー三脚です。段とは脚を伸ばす段数で3ピースで構成されるのが3段、4ピースで構成されるのが4段です。4段の方が収納サイズが短く済みますが先端側のピースは径が細く安定は3段に劣ります。伸ばして縮めての操作も4段の方が手間ですが、バイクに積載のことを考えると4段がお勧めです。

トラベラー三脚とはセンターポールを一杯まで伸ばした状態で、センターポールの方に足を収納する構造、つまり雲台を3本の脚の内側に収めるので収納時の全長がとても短くできる三脚のことです。こちらも4段の話と同様にコンパクトな訳ですからバイク向きと言えそうです。

三脚は脚の部分となる本体と、カメラを固定し角度調整機構を備えた上部と、主に2つのセクションに分けられています。カメラを固定する上部のことを<雲台>といいます。ハイアマチュアやプロは脚と雲台は別々でセレクトするのが一般的ですが、今回はスペースの関係で割愛いたします。最初は脚と雲台がセットで売られているものでも十分です。

雲台は主に3Way雲台とボール自由雲台があります。3Way雲台は角度調整のレバーがあり精密に水平を出したいときに便利ですが、収納時はレバーがかさばります。自由雲台は収納時が大変コンパクトな反面、微調整にコツが要ります。写真はどちらもボール型の自由雲台ですが左のGITZOは少し特殊でボール部が横向きに付いているオフセット型ボール雲台といいます。主にローアングル時に活躍する機構です。

こちらもバイクに積載する三脚という意味では3Wayよりボール自由雲台の方がコンパクトなのでお勧めです。しかしボール雲台の微調整がどうしても苦手だという方もおられるので販売店でボール雲台の使い勝手を実際に試して決めてみると良いと思います。私も最初は慣れるまで時間を要しました。




バイク写真を撮る場合、頻繁にローアングルを使うと思います。バイクは低い位置から見た方がカッコイイですからね。ツーリング写真の場合でも空一面にウロコ雲が広がっていたり、燃えるような夕空に出会うと広角レンズをセットしてローアングルで撮るものです。そういった場合に三脚の最低高が高いと大してローアングルにできません。

そんな時に役立つのが写真中央のミニ三脚です。これはManfrotto のPIXIシリーズですが使い勝手もよく価格もリーズナブル、おまけにデザインも良くてお勧めです。

写真の右はHAKUBA産業の「カメラざぶとん」なる製品で、ミニ三脚でも足りないほど更にローアングルを狙いたいときに使います。

ローアングルにし地面と海の境界線、水平線をバイクに貫通させないよう調整。空の割合を大きく構図。
~バイクツーリングに適した三脚の選び方を整理すると~

1.カメラの重量で耐荷重を決めよう 

2.収納サイズはコンパクトな方が良いから4段でトラベラータイプ 

3.バイクに積載を考えると軽量が良いので予算があればカーボン三脚 

といった具合になります。

しかしあまり高いのは破損や盗難も心配だし…かといって安物は信頼性が低いんじゃない…という方に、私も愛用しているお勧めの三脚はNEEWERのカーボン三脚です。以前にNEEWERカーボン三脚についてレポートしましたので、こちらをご参照下さい。とにかくコスパが半端ではありません…。

それとカメラを雲台に固定するには通常のネジのタイプと写真のようなクイックリリースがあり、現在ではクイックリリースが一般的になってきたようです。三脚への着脱が容易で快適なのは言うまでもありませんが、通常のネジタイプはバイクに積載していると振動でネジが脱落して紛失するので、私は大いにクイックリリースプレートをお勧めします。

よほどの長時間露光でガッチリ固定したい場合を除いて、安定も問題ありません。プレートはアルカスイス規格といって統一規格がありますので、社外のプレートでも使用できます。ボディ用、望遠レンズ用と複数枚用意しておくといいですよ。




長くなってしまったのでバイクに最適な三脚のお話は、今回はこの辺にしておきます!!次回は私がいつも実際のツーリングシーンでどのように三脚を使っているのか?秘密の三脚の使い方<グリーンマーカー戦法>について解説いたします。

それではまた!

~関連投稿~

キャンプツーリング装備とカメラ機材、三脚の積載方法

NEEWER 66インチ カーボントラベラー三脚

 

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三脚の必要性☆カメラ初心者のための三脚の使い方を解説

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、突然ですが宇宙人がある日やってきて「写真ってなんですか?」と質問されたらどう答えましょうか?プリントやモニターのような2次元に目の前の光景を記録しておくもの。といった感じですか?

その説明だとロマンチストな宇宙人だったらガッカリするかもしれません…。私だったら…そうですねぇ~ 自分が見たものを瞬間絶景として記録するタイムカプセル!とでも言いましょうか。

そう、写真ってシャッターを切ったその瞬間から時間がストップしているんですよね。撮って1年が経過すれば写真の中身は1年前。10年が経過すれば10年前。当たり前なんですけど改めて意識してみると面白いかもしれませんね。

写真はタイムカプセルであるからこそ、時代性の無い不変的表現が良い場合もあれば逆に時代を反映した作品が年月を経て魅力的に変化したりもします。オートバイが登場するツーリング写真であれば尚更のことですね。遠い未来にその写真を見て「わー内燃機で走るタイヤ付きオートバイだ!昔の人はこれに乗って旅をしていたんだなぁ!海面が低いし自然豊かな景色だな!」といった具合に。




さて今回は今までしたようでしていなかった三脚の初歩的なお話を<初級>ツーリング写真解説としてサラっと解説してみたいと思います。我々バイク乗りにとって三脚なんてなるべく持ち歩きたくないですよね。三脚っているの?スマホで撮っている人なんて三脚使ってないし!でもある日、写真のベテランさんが「三脚は重要だ!」とおっしゃっていた…実際はどうなのでしょう??

そもそも三脚はなぜ必要なのでしょうか?よく観光地の山なんかに行くとご高齢のカメラマン達が皆して立派な三脚に一眼レフを乗せて撮影されていますよね。手で持って撮ったらダメなのでしょうか???

三脚の役割は大雑把に分けて2つあると思います。1つはカメラをしっかり固定することでブレなどの無い写真が撮れる、写真のクオリティに関わる役割です。もう1つは自分の写真を撮りたいけど自分しかいない、旅行先で家族全員の記念写真を撮りたいけどシャッターを切ってくれる他者が周囲にいない、といった人手不足を補うものです。

後者は分かりますよね。しかし写真のクオリティに関わることで三脚は必ず必要なのでしょうか?俺はウマいから手ブレしないぜ~という方は三脚は不要ではないでしょうか???

重量級一眼レフに重いレンズを装着した場合、重くて持っていられない…というのもあるかもしれません。

結論から言ってしまうと三脚は必ず必要ではありません。まず写真のクオリティに関わることですが手ブレなどのカメラブレについてはシャッター速度の下限値と焦点距離で大まかに目安をつけることもできます。一般的には焦点距離と同じ数値のシャッター速度が手持ち撮影の下限と言われます。200mmのレンズなら1/200より遅いシャッター速度なら三脚を使いましょう…という意味です。

しかし実際のところは手ブレを起こさないカメラホールド力には個人差がかなりあり、カメラ+レンズの重さとも関わってきますので、焦点距離の数字がシャッター速度の下限値という話は目安に過ぎません。ある程度の重さのあるカメラ(+レンズ)ほど手ブレしにくく、小さくて軽いカメラほど手ブレしやすい、そして望遠になるほど三脚を使った方が良い、ということだけ覚えておきましょう。

そもそもカメラ側をいくら完璧にホールドしても被写体が動いていたら景色を完璧に止めることはできないのです。薄暮れ時に海岸で撮れば波はブレますし、山の景色でさえ僅かな風で木々がゆらいでいる訳です。

これらを踏まえて速いシャッター速度、広角よりの画角、明るい場所であれば手持ちで撮ってもOKな訳です。三脚は必ず必要…と縛られる必要はありません。




EOS1Dx + SIGMA150-600F5-6.3DG

しかしカメラブレを防止する以外にも三脚にはまだ重要な役割があります。

完璧に組み立てた構図、完璧に狙った深度とピント位置、巧みなフレーミング…これらを精密に組み立てて状態をキープさせるという意味で三脚は有効です。完璧な状態を三脚で固定しキープできれば、そのままシャッターチャンスを待っていれば良いのですね。上の作品の場合はLNGタンカーが「ここだ!」という場所に到達する瞬間のことです。

しかしその反面<完璧な構図やアングル>にたどりつく前に三脚を使ってしまうと自由度を奪われてしまいベストアングル、納得のいく構図に辿り着けない…というのも三脚の特徴です。ベストアングル、納得のいく構図を探り当てるのはまずは足で動いて試行錯誤するのが大切…という事は究極のツーリング写真の読者の皆さまでしたらご存じかと思います。

よ~し、ここで撮ろう!と思っていきなりカメラを三脚にセットすると、ベストなアングル、納得の構図に辿り着けないままシャッターを切ることになりかねません。もちろん開けた場所で遠景だけ狙うような写真であればその限りではありませんが。

もちろん星景写真や夜景では三脚は必須と言えます。

次に三脚の使用方法を念のため簡単に書いてみたいと思います。ごく当たり前のことを書きますが三脚は兎にも角にも安定させることが命です。脚を伸ばすときは太い方から順に伸ばします。脚は細い側の段(先端の方)へ伸ばすほど剛性が低下して揺れやすくなります。全ての脚を伸ばしても高さが足りない場合、中央のエレベーターを伸ばす訳ですがエレベーターを伸ばすと更に安定が低下します。原則、エレベーターはなるべく使わず脚側で高さが足りなくなったときの最後の手段がエレベーターです。

理由があってハイアングルが欲しい場合は仕方がありませんが、高くするほど風などで揺れないか、安定に最大限の配慮が必要になってくるのを覚えておきましょう。

安定が不十分だとわずかな風でもユラユラと微細に揺れてしまい、シャッター速度が遅いとブレてしまいます。最悪は三脚が倒れてカメラやレンズが破損…なんてこともあり得ます。

これは望遠レンズ、三脚の脚を3段とも伸ばした、エレベーターも上げるという悪条件で揺れがどのように出るかを動画で撮ったものです。




脚を大きく開かずスペースに配慮した使用方法 半面、不安定になるので風のある場合は要注意

三脚は暗い撮影シーン、絞り込んでシャッター速度が遅い場合、構図を精密に組立てて状態をキープしシャッターチャンスを待つ場合に必要なもの。その一方でベストアングルを探り当てるために試行錯誤するのは手持ちでいきましょう、明るい場所、動きながら撮ることで良作を狙うシーンは是非手持ちでいきましょう!という事はお分かりいただけたでしょうか。

書き忘れましたが三脚を使用してカメラをしっかり固定できた場合、手ブレ補正機能は忘れずにOFFにしましょう。原則、手ブレ補正機能とは手持ち撮影の時に使うものなのです。

次回以降も三脚のお話の続きとして三脚の選び方、私の三脚の使い方(秘密の戦法)を書いてみたいと思います。

今回はこの辺で!!

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R1200GS リアブレーキパッド交換方法 空冷GSのブレーキパッド交換

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は久しぶりに空冷R1200GSのメンテナンス情報をいってみたいと思います。

今までエンジンオイル交換ミッションオイル交換バッテリー交換などメンテに自身の無い方でも分かるよう詳細に解説してきましたが、今回も同様に詳細な内容でリアブレーキパッド交換を解説いたします。

空冷R1200GSのリアブレーキパッドの残量の確認方法はディスクローターとキャリパーの隙間から何とか見えなくもないですが、限度まで使用したかどうかの確認方法ならば簡単です。

空冷R1200GSのリアブレーキキャリパーは片押しの2ピストンですので、ピストンの無い車体左側から覗くとブレーキパッドの裏面が見えます。このブレーキパットの裏面には穴が2か所空いていて、ブレーキパッドが限度まで摩耗すると穴が貫通してディスクローターが見えるのです。ここまで摩耗したら交換が必要となります。




今回、解説するR1200GSのブレーキパッド交換方法はDOHCヘッドの後期モデルです。R1200GSはご存じの通り2004~の前期、2008~2009の中期、2010~DOHCヘッドの後期と大きく3種類ある訳ですが、中期と後期はユーザーレベルでも難易度としては優しい作業です。ネットでR1200GSのブレーキパッド交換について検索すると、ABSのシステムの関係でエラーが出るとか色んな情報が出てきますが、そのようなややこしい問題が出るのは前期型のサーボブレーキ世代(インテグラルABS1やEVOブレーキと呼ばれていた)の話です。中期と後期は(前期の2007年末期も?)サーボブレーキではなく、普通のオートバイと同じ構造なのでエラーは気にしなくて大丈夫です。

とはいえブレーキに関わる整備ですので間違いがあると事故に繋がります。あくまで自己責任でお願い致します。

まずは交換するブレーキパッドを購入しましょう。R1200GSのキャリパーはブレンボ製で他のBMW車やドカティなどにも使われているタイプです。この純正ブレンボに適合したパッドは割といろんなメーカーから発売されています。

BMW純正リアブレーキパッドは9000円(部品番号:3421 7660 281)。フェロード、ベスラ、Brakingなどで4000~6000円くらいです。写真のCyletoはAmazonで激安で売られていた謎のブランドです。

1270円… 大丈夫なんでしょうか?ネットで検索しても何も情報が無かったので人柱になってみます。この記事を書いている2019年8月以降、もしこのパッドに問題があれば記事の最下部に情報を追記しますね。なにも追記がなければその後、このCyletoブレーキパッドは問題なく使えているんだな…と思ってください。

用意するものはオイル交換方法の時も解説しましたがBMWの整備には必須のトルクスのソケット。それとラジオペンチ、モリブデングリス、ブレーキクリーナー、ウエス、軍手などです。

モリブデングリスとはブレーキの摩擦熱にも対応したグリスですが、バイク、自動車整備用でなくても大型のホームセンターで割と安価に入手できます。ブレーキパッドの裏面とキャリパーのピストン周辺に塗りつけます。




作業は車体をセンタースタンドを立てて行います。

まずはトルクスT30でリアフェンダーを外します。固定ボルトは3か所。ボルトの回転が重く感じたらフェンダーを手で少し持ち上げてボルトへの負担を減らして下さい。

リアフェンダーを外すとブレーキキャリパーを固定しているボルトの後方側も見えるようになりました。

キャリパーを外す前にブレーキパッドを固定しているパッドピンを抜いてしまいましょう。キャリパーが車体側に固定されいた方が作業しやすいのです。まずはパッドピンを横から留めている小さな割ピンをラジオペンチで抜きます。

割ピンは無くさないように気を付けて下さい。この時、シャフト側にこれが刺さっていた穴の様子を見てよく覚えておいて下さい。取付時にその記憶が役立ちます。

次にブレーキパッドを貫通させているパッドピンを抜きます。ネジではなく刺さっているだけです。車体右側から細い物を押し当ててプラスチックハンマーなどで叩いて打ち出してあげます。

反対側からパッドピンを抜きます。小さな穴は割ピンが通っていた穴です。もしこのピンが錆ていたら800番くらいのペーパーヤスリで錆を落としておきましょう。

次にようやくブレーキキャリパーを固定しているボルトを緩めます。レンチのサイズはT45です。

レンチで2本のボルトを外します。

後ろ側のボルトを外すとこのようにリアフェンダーを支えていた金具ごと外れます。この金具は作業後にリアフェンダーを取り付けるときに、穴の位置がずれているとリアフェンダーのボルトが締められないので気を付けましょう。

2本のボルトを外すとこのようにキャリパーは固定ブラケットごと外れます。ブレーキホースが繋がっているので無理に引っ張ったりしないよう気を付けて下さい。もしがっちりと動かない様子でしたらキャリパーを持って前後に揺さぶってみてください。ピストンが戻って簡単にキャリパーが抜けると思います。

!ここでワンポイント!

キャリパーを外したらタイヤを手で回転させてみましょう。空冷R1200GSの泣き所であるリアファイナルドライブ(通称リアデフ)の状態を点検するのです。ゴリゴリとした感触やキュ~キュ~といったゴムが擦れるような異音がしないか、スムーズに軽く回転するかの確認です。ブレーキパッドがディスクローターに接触している普段よりも点検しやすいのです!

既にパッドピンを抜いていますのでキャリパーを持ち上げるとパッドはぽろりと簡単に取り出せます。右が新品のCyletoで左が新車時から使っているBMW純正パッドです。穴が貫通したとは言え、まだ2mmくらいは残がありますので私の場合は4万キロは純正ブレーキパッドが持続するという事になります。もちろんバイクの使い方によってライフは個人差が出ますのでご了承を。




次にリアブレーキマスターシリンダーのフルードタンクのキャップを開けます。密閉を保っているラバー製の中蓋も外して、タンクの上に仮置きしておきます。このフルードタンクのキャップは前期や中期は緩み防止のロック機構がありますが後期型はロック機構がないようです。ロック機構があるタイプの場合は強引に回すのではなく、ロックの爪をマイナスドライバーで押して開けましょう。

ブレーキフルードタンクには2本の横線があって下の線がフルード残量の下限値、上の線は上限値です。ブレーキパッドが走行距離を重ねるにつれ摩耗すると、フルードの油面も下がってきます。ブレーキパッドが摩耗するまでフルードを補充した経緯がないのであればフルードの油面が下限値の線に近いと思います。

現時点でのフルードの油面の高さをよくチェックしてください。

ここでブレーキクリーナーでキャリパーをキレイに清掃します。写真はキャリパーの外を吹いていますが、ピストンのある中もキレイにしてください。

古いブレーキパッドを外したキャリパーの内側は、このように2つのピストンがパッドが摩耗した分だけ飛び出しています。この飛び出たピストンを指で押し戻すのですが1つを押しやればもう一方が飛び出てくる仕組みなので、両手の親指で2つを同時に押し戻して下さい。

こんな感じで戻してやります。万一、ピストンが固着して動かないようですとキャリパーのオーバーホールが必要となります。作業を中断してバイク屋さんに相談しましょう。

ピストンを押し戻すとこのようにブレーキフルードの油面は上がります。ブレーキパッド交換以前にフルードを補充した経緯がある場合、このときに上限の線をこえてフルードが溢れてしまう場合がありますので、その場合は事前にスポイトで抜いておきましょう。

この写真のようにフルードが少し褐色になっていると、もう交換した方が良いです。ブレーキフルードの交換方法はまた改めて記事にしたいと思います。

ちなみにブレーキフルードが車体に付着すると塗装をいためる原因になります。万一、フルードで汚してしまった場合は作業後に入念に洗車しておきましょう。

そしてキャリパーの内側、ピストン周辺にモリブデングリスを均一に塗布します。

新しいブレーキパッドの裏面にも同様にモリブデングリスを塗布します。間違っても表面に塗らないように…。パッドピンにもモリブデングリスを塗布しましょう。

外した時の逆手順でブレーキパッドをキャリパーに取り付けます。ブレーキパッドの表裏を間違えないように、2枚のブレーキパッドの間に確実にディスクローターが入るように!このときパッドピンは奥まで完全に入れず仮組でOKです。奥まで入れるには再びプラハンマーで叩くので、それはキャリパーを固定した後にしましょう。

2枚のブレーキパッドが確実にディスクローターを挟むように差し込みます。

キャリパーを固定する2本のボルトを固定します。今回、取り外す前にボルトにマーキングしたので、それを基準にトルクをかけました。もちろんデジラチェなどでトルク測定して締結しても良いと思います。指定締め付けトルクは24N・mです。

パッドピンを左側から打ち込んで固定し割ピンを入れます。もしパッドピンが十分な位置まで押し込まれていない場合は、割ピンを入れる穴が見えません。抜く前の様子を思い出して正しい位置まで確実にパッドピンを入れてください。

ブレーキペダルを押し下げてみましょう。普段ではあり得ない所まで下がりますが、これはピストンを押し戻したためです。何度か繰り返して押し下げることでピストンが出てブレーキパッドを締め付けてくれます。このときフルードの油面も少し下がると思います。

ブレーキフルードの油面がタンク内のMAXのレベルになっているか確認しキャップをしっかり締めます。少ないようなら補充しましょう。私のお世話になっているBMWディーラーではR1200GSのブレーキフルードはワコーズのSP-4です。

最後にリアフェンダーを3本の固定ボルトで固定します。一番上のボルトが入らない場合はキャリパー固定ボルトと共締めされている黒い金具の位置がずれています。いちどキャリパーボルトを緩めて穴の位置を合わせてください。

これで作業終了ですが正しくブレーキが効くか安全な場所で作動テストし、ブレーキパッドとディスクローターの当たり面が出るまでは適度なペースで慣らし運転をしてくださいね。

長文になってしまったので今回はこの辺で!空冷R1200GSのリアブレーキパッド交換方法でした!!!

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インスピレーションの有機栽培<上級>ツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回より<上級>ツーリング写真解説として・写真家脳の使い方を再考しましょう・思考は妄想の渦を巻いている・issue drivenとvision driven の違い、などをお話しました。

今回はその続きで妄想の渦はインスピレーションを生み出すための種まきをしている、という話をいってみたいと思います。

インスピレーション、それは「ひらめき」の事ですが、なにか妙案はないものだろうか?と考えてもコレだ!と思える案が浮かばなかった…こんな経験、どなたにもあるかと思います。

そもそもインスピレーションは考えても出てくるものではなく、リラックス状態で妄想渦が瞬停したような時に突如として生まれてくるものです。「そうか!そのテがあったか!」と思わず膝を叩いてしまうインスピレーションが生まれた時は、考えるのをやめてボーっと海や空を眺めている時だったりします。




そう、写真もビジネスと同じで欲しいのはインスピレーションです。誰も撮ったことのない写真で印象や個性を表現できれば、何にも代え難い喜びがあるでしょう。

しかし、考えても生み出すことのできないインスピレーションはどのようにして手に入れるのでしょうか?ヒントは妄想 Vision driven にあります。日常的に妄想の渦を脳内でまわしている人は、その時にインスピレーションの種を脳内に撒いているのです。妄想は想像力を柔軟化し自分独自のナチュラルなインスピレーションを生み出してくれる胎盤のような機能をもっています。

話し相手もいなくテレビを見るわけでもない。何もしていない時に脳内で渦をまく妄想。お風呂に入っているときや散歩している時など、心がリラックス状態のときに妄想は活性し良質なインスピレーションの種まきをしています。

良質な…と書きましたが妄想には悪質な側面があるのも事実です。人の心を傷つけたり、破壊的なことを妄想したり、犯罪を企てたり、被害妄想なんていう言葉もある通り、妄想は必ずしも良い結果を出すとは限らないのです。

日々、ニュースで聞く振り込め詐欺の手口なんかも、最初に考えたやつは妄想からインスピレーションを受けて生み出したはずです。現実とは受け入れがたい残忍な凶悪犯罪も最近はよくニュースになりますが、それも同じだと思います。仏陀の教えでは妄想の渦を断ち切る教えがあるそうですが、妄想は使い方を間違えれば負の要素となることも覚えておきましょう。

そうと分かれば日々、流されるように妄想にふけるのではなく、良い妄想を意識して心の状態をポジティブに保つことが重要になってきます。優しいことを妄想する人は優しいことを実際にするし、破壊的な妄想をすればやがて犯罪を犯すかもしれません。夢を抱いている人はそれを実現した自分の姿を妄想し、日々それに近づけるよう努力するのでしょう…。毎日妄想することは将来の自分のセルフイメージの構築でもあるのです。

いつも楽しい、おもしろい、素敵、美しい、かっこいい、可愛い、オシャレ、夢のような・・・といったポジティブな妄想をする習慣をつけることです。これを質の良いインスピレーションの有機栽培といいます。

日頃からインスピレーションの有機栽培をしていれば、いざ旅に出たときに風景を前にしてissue drivenだけではなくvision drivenを自然と使えるはずです。そして究極のリラックス状態を作ったら自然と生まれたインスピレーションをキャッチするのみです。




インスピレーションを生まれやすくするヒントは脳の使い方だけでなく、肉体的な部分にも鍵があります。それは足または手を動かして作業に没頭することです。以前に<初級>ツーリング写真解説で撮影シーンで1枚だけシャッターを切って終わりにするのは勿体ない、デジタルカメラ主流の現在であればシャッターを何度でも切って試行錯誤し、探り当てるように撮ってみよう!という解説をしました。

あの解説は単に「いろいろ試してみようよ」という事だけではなく、手を動かして作業に没頭する、アングルを探るのに足で動き回ることにより脳内のVision driven 回路が活性化するという効果もあるのです。

リコー GR APS-C

むかしバイク用品メーカーにいたときに新製品の発売日が迫ってしまい、しかし中国の工場からの入荷が遅れてしまった…なんて事が頻繁にありました。そうなると入荷後に国内で行っている作業は日程が押してしまい、普段は人任せでしたが自分も加わってお手伝いをしたものです。

タンクバッグのフラップに磁石を入れる作業、説明書を折って袋に入れる、パッケージ台紙をホチキスで留める、段ボールへの箱詰め…どれも1000個、2000個とある同じ製品を流れ作業でこなしていく単調作業です。ちなみにタンクバッグは縫製時にミシン針が磁石に引っ張られてしまうため、完成させた後に磁石を入れるのです。

ある日、私はそんな完成品工場の流れ作業でひたすら袋詰めをしていました。作業開始から1時間もしたころ、周囲の仲間との会話も尽きてしまい静かな中で黙々とやっていたら、ある製品のことで行き詰っていた問題を打開できる妙案を突如として思いついたのです。これは単調な作業で緊張感もストレスもない仕事→リラックス状態になっていた。そして手を動かしていたことでVision drivenが活性化していたことが要因と思います。




あのIPS細胞の京都大学 山中伸弥教授も最初にIPS細胞の実現に関わるアイデアをひらめいた時はご自宅でシャワーを浴びていた時に突如として授かったのだそうです。これもリラックス状態とシャワーで手を動かしていたことが要因ではないでしょうか。

EOS6D Mark2 + EF14mmF2.8L

こんな写真はかつて無かった、新しい写真のスタイルだ、といったブランニューを生み出すにはインスピレーションが命であり、それを授かるには日々の良質な妄想(Vision driven)の種まきが大切なのはお分かりいただけたでしょうか?

えっ?よく分からなかったですか?では今回のお話をLEGOブロックで例えてみましょう。パッケージや説明書にある完成作例を見て、それと全く同じものを作るのではなく、ブロックで何を作るかを考えるのがvision drivenという事です。いくら考えても何を作っていいかアイデアが出てこないときはissue drivenを使っているのが原因です。リラックスして楽しい気分でブロックに触れて手先を動かす。そうするとアイデアはパッと突如として出てくるのですね。

もちろん何か問題が発生したときや迷いが生じたときはissue drivenを機能させても良い訳です。ここでは人間の思考回路にはVision drivenとissue drivenがあり、それぞれの役割と特徴を使い分け、そして日々の妄想から写真家脳を育みましょう!といったことを書いてみました。

それではまた!!

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