たどりついたらいつも雨ふり

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま。音楽はどんなのがお好きですか?ツーリングの時、多くのライダーはヘルメットの中で好きな歌を口ずさんでいるものですよね。

EOS6D mark2  + SIGMA150-600mmF5-6.3DG F5.6 1/160 ISO100

「たどりついたらいつも雨ふり」はThe Mops時代の吉田拓郎さんの名曲ですね。




 

この写真を撮ったとき、久しぶりの西伊豆は「意外と遠かったなぁ」と感じました。まさにようやく辿り着いたという達成感をかみしめました。

そして暫くこの港にいると良いお天気なのにスコールが。

「なんて気持ちいいお天気雨なんだろう」

そう思ってシャッターを切っていました。スマホの画面で見ると分かりにくいと思いますが、かなりの雨粒が写っているのがお分かりいただけると思います。

前も書きましたが、いつか個展を開くことができたら、こんな写真を4切Wサイズプリントくらいの大きさで展示してみたいです。お天気雨の気持ちよさを知ることが出来るのもバイク旅ならではですからね。

”たどりついたらいつも雨ふり”

疲れ果てていることは誰にもかくせはしないだろう

ところがおいらは何のためにこんなに疲れてしまったのか

今日という日が そんなにも大きないちにちとは思わないが

それでもやっぱり 考えてしまうああ このけだるさは何だ 

 




 

この曲、1988年に氷室京介さんのシングル Dear ALGERNONのカップリングとしてカバーされましたね。吉田拓郎さんも最高ですが氷室さんの歌うこの曲も素敵でした。

ちなみにDEAR ALGERNONは私の中では5本の指に入る氷室京介さんの名曲だと思います。

あっ、いつも重い内容の投稿なので、今回はこれだけ!それではまた!

↓↓↓撮影地↓↓↓

仁科漁港 大変美しい夕日が望める、隠れた西伊豆の夕日撮影スポットです!





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オートバイを知らないあなたへ

オートバイと縁のなかった方々へ

冒険や旅を体験しましたか?

もしまだなら今からでも大丈夫

免許をとってバイクを買うだけ、ただそれだけです

2015年11月 千葉県南房総市

 

冒険の旅にでるのに勇気なんてさほどいらない

なぜならオートバイを使えば一瞬で今いる現実の世界に戻ってこれる

日曜日、1日だけで冒険できるのがオートバイ

安定の生活空間を失うリスクなどないのです

 





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↓↓↓撮影地↓↓↓

安房勝山の勝山港の北側 大六海岸にある小さな小さな港

ツーリング写真<私の旅>記憶に焼き付いて離れない。あの時、あの場所

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、皆さまは記憶に深く残っている旅の光景ってありますか?それはどんな景色ですか?絶景地?それとも有名なスポットでしょうか?

たぶん私だけでなく、同じ経験をされている方も多いのでは?と思うのですが、記憶に深く焼き付いている光景って、案外と何でもない国道や街中だったりしませんか?

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG F6.3 1/250 ISO100

こちらの作品をご覧ください。北海道の枝幸から浜頓別へ向かう海沿いの国道238号でのひとこまです。知床半島などの道東エリアを後にして、宗谷岬などのある道北の稚内エリアに移動する、ラリーで例えるならリエゾン区間です。

車も少なく信号もほとんど無い。楽しいカーブも美しい景色もなく、走れど走れど景色に変化も少ない。そんな道を淡々と走っていると、疲労とも眠気とも違う妙な気分がやってきます。ツアラーハイとでも言いましょうか?私の経験上、こんな時に見ている光景が脳裏に強く焼きつくようで、旅を終えた日常の生活に突如としてこの景色を思い出すものです。




この写真のときも「あぁ~、久しぶりにこの感じきたな!」と感じていました。そして淡々とR1200GS ADVENTUREを走らせるのも何となく飽きていたのもあり「そうだ!脳裏に焼きつく様な旅のシーン、まさにこの光景を撮ってみるか!」と思いついて撮った写真がこれなのです。

道行く他のライダーは「アイツ、なんでこんな場所で写真撮ってるんだ?」と不思議そうに見て去って行きました。また別のライダーは何かとんでもない被写体を見つけて撮っているのか?虹でもあるのか?とキョロキョロしていました。もちろん、虹などありませんが。

しかし、普通のツーリングライダーなら、まず持っていないであろう600mm級の望遠レンズ。これで脳裏に焼きつく旅のシーンを超圧縮して1枚にしてやりました。そう、何でもない風景や道は望遠で凝縮するように封じ込めてやるのです。コレ、私の常套手段なんです。よくバイクツーリングで600mmなんて持っていくね!と驚かれますが、これがやりたいんです。

面白そうだな、と思った方はぜひ真似してくださいね!何でもない風景だけど記憶に焼きつくシーン、それを写真にしちゃう!面白いですよ。





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↓↓↓撮影地↓↓↓

国道238号 オホーツクライン 多くのツーリングライダーが通る道ですが、この辺りは立ち寄るスポットもなく、まさに道東と道北を結ぶリエゾン区間です。

幻想のツーリング風景 ~マイノリティ・二輪写真館~

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG F6.3 1/640 ISO200

 

別に楽しくなくていい。

むしろ楽しい感じは何だか薄っぺらいようで好かない。

孤独だけど本当に自由だ。

敢えて辛い道を選ぶときに誰に気兼ねすることもない。

友達と走るのは楽しいって事は知っている。でも今は時間がないから、またいつか…

むかしからレジャー感覚が嫌いだ。

幻想にまで抱いた旅の景色はレジャー感覚では出会えない。

旅には目的地がなく、達成感もなく、得るものは少なく、快適でも贅沢でもない。

ましてや珍しいものを見に行く訳でもないし、食べ物や温泉とかもついでに過ぎない。

ただ何となくでいい、何となく旅している。それで十分な気がする。

ひとつ嬉しいのは地元の人に「遠くからよく来たな」と言ってもらえること。

オートバイであるのは空間を駆け抜けて旅したいから。

これだけは明確に答えることができる。

野宿や焚火は原始的な夜の明かし方が大好きだからだ。

幻想のツーリング風景にいつか出会える気がして、ただ何となく旅している。

マイノリティである。

 





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↓↓↓撮影地↓↓↓

北海道紋別市 コムケ湖 先日アップした青い屋根の倉庫番屋の写真と同じ場所です。2004年、はじめて北海道ツーリングしたときにF650GS Dakarで行った想い出の場所です。

ツーリング写真<番外編>究極の合成写真!やっぱスマホか…

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、スマホカメラは活用していますか?スマホのカメラ機能は最近の機種ではあなどれない画質ですよね。特に標準のカメラアプリではなく、露出補正やフィルター機能の充実したアプリを使うと本当にスマホ?と疑うほど良い写真が撮れたりしますね。

さて今回のツーリング写真解説は番外編というか遊びで、合成写真をご紹介したいと思います。合成写真は芸術的な写真を志す我々としては基本はタブーですが、遊び感覚でやるなら楽しいものです。

先日、自分の体調不良と、とある所用が重なり休日であるにも関わらず家から一歩も外に出れない日がありました。

都の将軍様は言いました「一休よ、今日はこの家から一歩も出ずに最高のツーリング写真を撮ってこい」。




さあ、困りました。一休さんはオートバイに乗るどころか家から一歩も出ずにツーリング写真を撮るよう将軍様から命ぜられてしまいました。ここで一休さんは得意の「とんち」をきかせます。

 ポクポクポクポクポクポク…

 チ~ン ひらめいた!

 

まずはスマートフォンのカメラアプリを起動させ、画像は何でも良いのでスクリーンショットで保存します。ここではカメラアプリの枠だけが欲しいのです。そして保存したファイルを一度パソコンに転送します。

次に過去に撮った画像の中から良さそうな写真、今回は海岸での朝日のシーンで撮ったR1200GSアドベンチャーの写真をセレクト。そして先ほど保存したカメラアプリの画像とペイントツール(ウインドウズに元々入っているソフト)で合成します。




別の画像と切った貼ったという合成はLightroomではなくPhotoshopの仕事ですが、ここでは誰でもできるようペイントツールを使ってみました。

こんな画像ファイルを作ります。そして、これを再びスマートフォンに送ってカメラロール等に保存しましょう。

あとはスマートフォンでこの画像を表示させた状態で、家の窓を開けて夕陽に向かってかざし、一眼レフで撮るのです。両手でスマートフォンを持つので一眼レフは三脚に固定してセルフタイマーを使いましょうね。

指の形は写真デザインの観点から、最も画面内で美しいと感じられるポーズを検討します。背景となる部分とスマートフォンの画面内の風景に、なるべく矛盾が発生しないよう絞りは開放を選択します。

これで晴れて家から一歩も外にでないで撮った、ツーリング写真の完成です!どうですか?将軍様!えっ?ずるいではないかって??それを言ったら一休さんだって結構ずるいですよ!




合成した写真はコンテストには応募しないでくださいねぇ。それとSNSで発表する場合も、合成であることを事前に開示した方が良いかもしれませんね。あくまで遊びですので!

しかし、こういった写真は例えばあと10~20年後に見ると、また違った印象になるものです。だってiphone7なんて思いっきり時代性を写しちゃってるではありませんか。10年後に見たら「うわ~懐かしいiphone7だ!」、20年後に見たら「うわ~懐かしい、スマートフォンだ!」みたいなね。

今回はこの辺で!

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~記憶のツーリングシーン~ 名もなき丘

EOS5D mark2 + EF24-70mmF2.8L F8 1/125 ISO100   2009年5月 秋田県男鹿半島

 

2009年5月 秋田県男鹿半島 県道59号線

混雑の苦手な私としては珍しくゴールデンウィークのド真ん中で旅に出た。

男鹿半島の海岸線である県道59号線は魅力的なコーナーの連続で

今よりずっと若かった自分は買って1年のR1200GSで右に左にコーナーを切り刻んで楽しんでいた。

やがて車が多くなりペースが大きく落ちた。ストレスを感じるので敢えて前走車と十分な車間をとり、自分の意思でつくった「ゆっくり」を楽しむことにした。




自分の住む房総半島とは違った日本海の風景を堪能した。そしてほんの一瞬だけ見えた絶景を見逃さなかった。

すぐにUターンして絶景地への侵入路を探し当てた。

そこは菜の花が一面に咲き乱れ日本海の紺碧色に鮮やかな黄色の光を与えていた。

すでに先客としてファミリーで来られたレンタカーの方がいた。ここでは旅の時間を贅沢に使いたい。

先客がいなくなるのを、のんびり待っているとファミリーのお父さんから記念写真を撮るよう頼まれた。

その方からの意外な質問が今でも忘れられない。

「このお花はなんていうお花ですか?」

菜の花に親しい房総人である自分には驚きであった。




ファミリーにお互いの旅の無事を祈る言葉を交わし、清々しい気分でレンタカーを見送った。

私はEOS5Dを三脚にセットし、今振り返れば未熟極まりない審美眼で風景を切り取った。

撮影を終えると1台の軽トラックがやってきて、中から老夫婦が私のところへやってきた。

笑顔で挨拶を交わすと、強い東北弁で「遠くからよく来たな」みたいな言葉をかけてくださった。

よそ者である自分に優しくしてくれる地元民。その優しさと笑顔が旅心にしみる瞬間だ。

私のR1200GSが千葉ナンバーであるのを見て、こんな話をしてくださった。

数年前、この土地は田んぼだった。自分達の息子に後を継がせる予定だったけど、息子は故郷を離れて千葉の船橋市へ行ってしまったと。

田んぼは自分達だけでは続けられないので、やめることにしたが更地にすると勿体ないので菜の花の種を撒いたのだと。

そして春を迎えるとこんなに綺麗な一面の花が咲き乱れてくれた。田んぼをやめても良かったとも思えたと。

後を継がず故郷を離れた息子さん。それを理解してくれたご両親への感謝の気持ちが、この菜の花を咲かせたのかもしれませんね。

 

終わり





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↓↓↓撮影地↓↓↓

9年前なので場所がここで良いのか定かではありません。男鹿半島の県道59号線沿いのどこかです。

アンチインスタ映えがきてる!インスタに映えないツーリング写真

当ブログはWordPressというCMSソフトで作成しているのですが、そのアクセス解析の中でどのような検索ワードで読者が辿り着いたか分析ができるのですよ。便利ですね~

そしてつい先日、その検索ワードの中に「アンチインスタ映え」があったのです。以前に投稿した騙されたと思ってアンチインスタ映えツーリング写真がヒットしたのでしょう。

興味があったのでgoogleから「アンチインスタ映え」で検索をかけたところ、なんと当ブログのSEO順位は6位となかなかの高得点でした!

ひそかに天の邪鬼さんにブレイクしつつある「アンチインスタ映え」これから流行るかもしれませんよ!!

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG F5.6 1/100 ISO100




という事で今回は、いかにもインスタで誰も「いいね」しないであろう地味な写真をセレクトしてみました。

難しいデザインのお話、線の要素に出てくるS字曲線について、その解説に使用しようと思った写真なのですが、地味だったの没らせておきました。

南房総の養老清澄ラインでのワンカット。望遠を使ってS字を切り取ったのですが天気も時間帯もイマイチでフラットな写真になっております。

個人的にはこういった雰囲気も嫌いではないのですが、スマホの画面で見たらイマイチかもしれませんね。まさにアンチインスタ映え。

自分で言うのも変ですが天の邪鬼なので、インスタ映えしないと誰かに言われれば嬉しくなっちゃうかもしれません。

しかし!アンチインスタ映えが流行ってしまったらどうする??2018年の流行語大賞が「アンチインスタ映え」になったら??

そしたら敢えてのインスタ映えに挑戦するか?でも天の邪鬼の天の邪鬼では普通の人ではないのか?う~ん





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旅と名月<私の旅>ツーリング写真

「旅と名月」

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG F8 1/30 ISO1000

2017年秋 紅葉の磐梯吾妻スカイラインを撮ろうと旅立った。

この年の夏。満を期して出発した北海道ツーリング。しかし悪天候に阻まれ、旅の内容は素晴しかったが納得のいく写真は撮れずに終わった。

本物の旅のワンシーンと撮りに行った写真との違いを見出してやろう、などと考えたのも敗因のひとつ。そもそも写真に最低限の演出を加えるスタイルの自分にとって、本物の…なんていうテーマそのものに自ら矛盾点を作ってしまったのだ。




目指す写真の方向性が定まらず迷走した。

それから2カ月、もう何度行ったか分からない大好きな絶景ロード、福島県の磐梯吾妻スカイライン。しかし狙っていた撮影ポイントではまだ紅葉が早く、若干勇み足だったか…と肩を落とし、観光客の少なくなった一切経山を撮影していると素晴しい月が現れた。

場所が場所だけに神々しくも感じる月だった。まるでツーリング写真の神が現れ「今日はこれね」と言って見せてくれた光景だった。

望遠で捉えると月はみるみる上昇してゆき、地球の自転速度を感じた。三脚を使いながら地上物と構図を練る時間もないため、感度をあげて手持ちで撮影した。この望遠域で1/30なら間違いなくブレが発生して使えない写真になる。しかしこれ以上は感度は上げたくないし、愛車R1200GSの存在感を考えればF8も譲れない。

すぐにEOSを高速連射モードに切り替えて、ここだというアングルで20枚程度を連射した。思惑通り、帰宅して確認したところ中4~5枚はブレもなく使える写真があった。

いつからこんな小賢しいテクニックを身に付けたのか記憶にはない。だけど、こんな引き出しはいくつも頭の中に在庫してある。




仮に撮りに行った写真を否定するなら「撮りに行くのが私の旅」と定義付けてはどうだろうか?それならば本物の旅のワンシーン = 私の撮影旅でもよかろう。

そもそも旅のスタイルなんて十人十色である。いったい何を恐れて撮りに行った写真を否定していたのか、いま振り返ってみれば謎だ。誰かが言っていたのだろうか?いや、誰かが「撮りに行った写真は邪道だ」みたいな事を言ったとしても、それに耳を貸せるほど自分は柔軟ではない。私の性格は手に負えない偏屈頑固なのだ。

とにかく、この月との出会いのように、もう少し単純に考えて旅をしてみよう。15年前にはじめて旅をしたときのように。初心を目指すのである。

 





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かつて結構なお値段だった有料道路でしたが、震災以降に無料化されて久しい絶景ロードです。標高をあげ森林限界点を超えると荒々しい火山地帯が見えてきます。日中は観光客で混雑していますが日没を境に嘘のように人がいなくなります。撮影するならこういった時間帯がお勧めですね。

読む価値なし。アホな青春バイクコラム

平成2年の春 VFR400Rで走る10代の私。カメラは父のニコンF2 カラーネガ

平成2年 夏

高校の同級生Sと上野バイク街にあるCORINでタイヤ交換をした帰り道。木場あたりの大きな交差点だった。私のVFRはSのRG250ガンマの後ろを、まき散らす白煙を避けながら追従していた。

「いつもあぶねぇな!」この頃から慎重派だった私は街中では安全運転の部類だったが、Sはプラグがかぶるから、といつも全開走行である。

カツン!と嫌な音がRG250ガンマの車体から聞こえた。その直後に白煙を上げながら後輪をロックさせ20m以上はフラフラと滑走し、歩道に乗り上げて止まった。歩道にいたご老人が目が点になっていた。

エンジンが焼きついたと思ったが、原因はチェーンが外れてスイングアームの間に挟まったことだった。しかもよく見るとスプロケットがグラグラしている。前日にSがスプロケット交換をしたようだが固定ナットを締め忘れたのだろう。

派手にフラットスポットになった新品タイヤ(アローマックスGT301)を見て、ここだけ皮むきが終わったな、とSは呟いた。

 

平成6年冬

久しぶりにSと再開した。Sはバイクを89’NSR250R-SPに乗り換えていた。しかし個人売買で入手した中古車は一目みてボロイ。今でこそ希少価値の高い2STレプリカだが、この頃はオメガの耐久カウルだのエビ反りテールだのと下品な改造が施され、その後に納屋に放置されていたようなボロがたくさんあった。

しかもSのNSRを良く見ると、リアのブレーキマスターシリンダーにブレーキホースが無い!理由は忘れたがフロントブレーキだけで走っているのだと。

ファミレスでも行こう、という話になり2台で田舎特有の広い直線道路をとばしていた。先導は私のバイク。そして交差点で赤信号になったので停止したところ、Sは私の真横にジャックナイフさせて威勢良く停止し、その後に右側にパタリと倒れ込んだ。

ほんとに昭和コントのようなモーションで倒れた。後で判明したのだが、カッコよくジャックナイフさせたまでは良かったが、停止時に地面へと出した右足が何かにひっかかった。ホースの無いリアマスターのニップルにGパンの裾がひっかかったのだ。

そんな事情も知らず、また面白いパフォーマンスが始まったな!と思い私は自分のバイクに乗ったまま静観していた。やがてジタバタとした動きは辞めて道路に大の字になって寝そべると大声で私に「早く助けろバカ!」と叫んだ。足が車体に挟まっていたらしい。

バイクを引き起こして目が点になっている、後ろのクレスタのオジサンに手を挙げて、再び青信号で走り始めた。問題はここから先だ!




私は自分のバイクを2速3速4速と確実にレッドゾーン直前でシフトアップさせ加速させた。ミラーに目をやるとSのNSRもピタリと付いてきている。さすがNSRは速いな!と思ったが、よく見ると何やら様子が変だ。

Sは私の横に並ぶと有り得ない程のデカい声で「ブレーキがきかねぇんだ!!!!」と叫んだ。

それは知ってるよ。リアブレーキだろ。何いってんだ?

後で判明したことだが先ほどの転倒でフロントブレーキのレバーが根本から折れてしまったのだ。すなわちフロントもリアもブレーキが無い状態で、既に法外なスピードが出ている危機的な状況。

Sはジャックナイフで倒れた交差点で、既にレバーが折れたことに気が付いていたそうだが、カタツムリ程度の知能しか持っていないため、前後のブレーキ機能を失ったNSRでフル加速で私を追いかけてきたのである。

先の交差点に目をやると、ちょうど黄色から赤に変わったところだった。「あぁ、今日でヤツも終わりだ」楽しかった高校生活の想い出が走馬灯のように脳裏に流れた。

しかし危険なヤツというのは神様も心配して、いつも見ているようで交差する道路からは1台も車は来ず、奴は交差点のずっと先で鬼エンブレに両足を地面ズルズルして止まった。

 

平成9年夏

Sは旧式の日産シルビア(S12)型に乗っていた。夜の峠族だった自分達はこの日、Sの助手席で峠へ繰り出し、タイヤのショルダーを溶かしまくって遊んでいた。しばらく楽しむと、Sのシルビアがブレーキを踏むだびに「ゴトっ、ゴトっ」と鈍い音を立てるようになった。

「大丈夫か?また適当な整備したんだろ」

「いや、昼間にGABのショックに変えてバネをH150に、パットをエンドレスにしたんだ」

「絶対に何か変だって」と私が言った直後に「ゴガン」と嫌な音がした。

その直後、Sの口から信じられない台詞が飛び出した。

「やべぇ、キャリパーが落ちたな」

はっ??何が落ちたって?

サイドブレーキを使ってシルビアを停止させ、ジャッキアップしてホイールを外したところ、本当にブレーキキャリパーが正しい位置から5cmくらい下の位置にあって、ホースがパツンパツンに引っ張られていた。

そしてSは「ボルト探してくら」と言って真っ暗な峠へと消えたかと思うと、ものの1分で戻ってきて子供のように無邪気な笑顔で「あったぞぉ~ボルト!」と叫んだ。

後で知ったことだが、Sはちょくちょく走りながらキャリパーを落としていたらしい。

 




平成20年 春

もうSとは何年も疎遠になってしまったある日。私は社用車で国道357、通称湾岸道路を走っていた。いつもとは違う場所がやたら渋滞していた。事故だろうか。

20分以上は渋滞にはまっていた。すると片側車線がつぶれて1台の故障車と思わしき車が見えてきた。何やらジャッキアップして作業している。パンクだろうか。

故障車はこの当時で既に古い車、トヨタのZ20型のソアラだった。そしてどんな奴がトラブルの原因なのか?と覗きこんだ瞬間、戦慄が走った。Sだ!ヤツがソアラをジャッキアップして、しかもレンチでブレーキキャリパーを締めあげていたのだ!

 

あなたも気を付けてください。どこかの道端にブレーキキャリパーが落ちていたら、ヤツが近くにいるかもしれません。

 




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ツーリング写真家にとって最高の天気:雨のち晴れ

EOS1Dx + EF14mmF2.8L F5.6 1/25 ISO100

突然ですがツーリング写真家にとって最高のツーリング日和とは雨のち晴れです。

多くのライダーは出かける時点で雨が降っていたら、その日のツーリングは中止にしますよね。例え天気予報で途中で晴れると分かっていても。

逆に晴れのち雨だった場合、もしかしたら降らないかも…という浅い期待に出かけることはありますよね?同じ雨に濡れるにも前半に濡れるか後半に濡れるかで、ずいぶん違うものです。

雨がやんで景色のすべてが艶やかに濡れている時、強いお日様の光に一斉に輝きはじめる光景は感動的です。その瞬間をお気に入りの撮影スポットや旅先で発見した絶景地で切り撮れたら…。心を揺さぶる傑作が生まれるでしょう。

晴れてから家を出かけたら?いやいや、それもダメではありませんが、止んだ直後のスイートな時間は短いものなんです。すぐ近所に撮影スポットがあればOKですけどね。




RICHO GR F7.1 1/30 ISO100 フラッシュ強制発光

1枚目の写真は千葉県浦安市の国道357の路肩から撮影しました。日光からの帰りに中央環状線から凄い虹が見えて、下に降りたらディズニーランドの渋滞と分かっていましたが、湾岸浦安ICで下に降りて撮った1枚。日光では1枚も良い写真が撮れませんでしたが、この日のベストはまさかの浦安市でした。

2枚目の写真は小湊鉄道 養老渓谷駅で1時間ほど雨宿りした後。雨雲レーダーをチェックしながら、向かう先はもう止んでいると分かったので出発した直後。まだ降っていますが空が明るく濡れた路面が輝いています。遠景の山間いは雨で霞んでいて絵画を連想する光景です。写真で見るよりも、かなり降っているのでアレコレと構図を考える余裕はありませんでしたが。

 

EOS5D Mark2 + EF24-70mmF2.8L F5.6 1/60 ISO100

この写真は6年前に撮りました。北海道に詳しい方ならドコなのか、すぐにお分かりかと思いますが稚内市の北防波堤ドームです。1日中、雨の予報の道北エリアで私は浜頓別から稚内へと移動しました。これ以上、雨の中を走行するのは嫌だな、と思いドームで暫く雨宿りし、そのままテントを張ってここで野営することにしました。




今では北防波堤ドームは野営禁止になってしまいましたが、昔からここはライダーの間では荒天時の避難場所として有名でした。

雨の中、快適な雨宿りの空間をみつけ、すっかりくつろいでいた私は突然の光景に呆気にとられました。みるみる雨雲が東の方へ流れ太陽が姿を現し、辺り一帯は燃えるような夕陽に染まったのです。

この場所ならすぐにバイクに乗って走れば日本海側のオロロンラインに出れるのです。ただでさえ絶景ロードの代名詞であるオロロンラインで、こんな燃えるような夕陽、そして濡れて輝きを放つ大地、これ以上ない最高のシーンが撮れるチャンスの到来です!しかし、既にSAPPORO CLASSICの500mlを開けて良い気分だった私には叶わぬ夢に終わりました。

この写真を見ると「なにやってんだよ!!!」と6年前の自分に説教してやりたい気分になります。

雨のち晴れの予報の日、出かけずに家にいると、知らないだけでこういった超絶景をみすみす逃しているのです。雨がザーザー降っている中、準備してツーリングに出かけるのは相当に億劫なのはよく分かります。でもその気持ちを突き破る原動力があれば、とんでもない絶景を撮れるチャンスがあるのです。

原動力って何?それは傑作が撮れた時の自身の満足感、それを誰かに見せた時の喜び、その作品が誰かに影響を与えるほど役立ったとき!です。

今は寒い冬なのであまり晴れのち雨は無いですが、今年は夏になったら雨のち晴れを狙って出かけてみませんか?

 





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