バイク写真☆撮影現場での10のプロセス

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今日は七夕なので天の川の景色を見に行きたいところですが、残念ながらお月様は月齢15.8でほぼ満月ですね。月の入りが6:07なのでもしかしたら深夜3~4時くらいに少し見れるかもしれませんが…微妙です。

ちなみに今月の新月は21日なので18~24日あたりであれば天の川の景色を見に行くには良いかもしれませんね。この時期の天の川は本当に美しく輝くものです。

さて今回の究極のツーリング写真では今までとは少しアプローチを変えてツーリング写真において撮影地で私がしている10のプロセスを書いてみたいと思います。いつも私が無意識にやっていることですが、撮影地で何をしていいか分からないというビギナーの方の参考になれば幸いです。

1. 気付き

まずはバイクで走っていて「おや、ここは何かあるぞ」と気付いてバイクを停めたところが始まりです。衝撃的な絶景から小さな発見まで、撮影者のセンサーが反応を示してバイクを停めることから撮影は始まります。

気付きはある種の才能だと思います。気が付かない人は素通りなのでチャンスを逃してしまうものです。変な言葉ですが「気づき力」を磨くことで傑作ツーリング写真を実現できるチャンスが与えられると思います。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

2. 感動

その情景、被写体を受けて自分の心がどう動いたか?ここが地味に重要なポイントです。感動のプロセスが抜けてしまうと良い写真は遠のいてしまいます。感動できない…という景色なのであれば、そこで写真を撮る意味はありません。

しかし人の感情とは曖昧なもので自分でも果たしてどう感動しているのか良く分からない場合もあります。そんな時は感動の言語化が有効です。語彙力に自信のない人でも自分の知りえる限りの言葉の中から最良のワードで気持ちを言葉にしてみましょう。




3. 視覚

目に飛び込んでくる現実の様子を視覚するプロセスは人間の肉体的な機能に依存します。その場所に着いて最初は多くの情報を目立つものから順に視覚していくものです。絶対的な存在感のある例えば巨大な風車とか、ユニークなオブジェなど「おおっ」と思う被写体がある場合、足元に咲く可憐な花を視覚するのはだいぶ後回しになるでしょう。

見落とすことなく全ての情報を洗い出すため、時間をかけて視覚していきましょう。それが完璧にできれば家に帰って写真を見返したとき「よく見たらこんなところに花が咲いていた」なんてことは無いはずです。

「よく見たらこんなところに…」が許されるのは心霊写真だけ、と覚えておきましょう。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS F11 1/125

4. 認識

視覚した情報を元にそれが何であるかを判断するのが認識です。まずは大切なポイントとして空間の認識があります。いま自分がここを写真にしたいと感じている現実の様子について、被写体や周囲の空間や位置関係、風景なら空の表情までも含めた全体の様子を測量するように認識します。ここを正確に把握しておくとレンズの焦点距離を簡単に決めることができるのです。

そしてこれは美しい、これは写真に入れない方が良い、またはこのシーンに似つかわしくない、といった具合に各々の被写体や要素を分析します。自分が映画監督と例えるとキャストを集めてオーディションをしているような工程になります。

5. 想像

視覚や認識の結果、当初に感動したことをどう表現するかを想像するクリエイティブタイムです。いい写真を実現させるために極めて重要なプロセスで「こんな風に撮りたい」「こんな風に撮れるはずだ」という空想の写真を脳内に描きます。

言ってみれば完成予想図であり、この先のプロセスで使用する図面のようなものです。イメージを作らず何が写るか分からないけど、とりあえずシャッターを切ってみた…というのは都会のスナップなどドキュメンタリータッチな写真ならOKですがツーリング写真ではそうもいきません。

情景の特徴を受けて感動したことを表現すること。どう感じたかをどう表現するか?例えば「いい感じ」とか「海がきれい」ではなく「夕景のさんざめく凪の海に郷愁感を覚えた」といった感じに具体的にして、そう見える写真を脳内に描くのです。

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

6. 選択

脳内にイメージの写真が固まったらこの先は作業です。最初の選択はレンズ(焦点距離)です。雄大な景色を受けて広がり感を表現したいなら広角レンズ、特定の被写体に絶対的な存在感を持たせて背景のボケ具合でみせたいとなったら望遠。焦点距離は例えば35mmならこう写るだろう、という感覚を身に着けておかないとイメージに対して何ミリと決めることができません。

そして撮り方の引き出しから今使いたい最良の手法を選択します。例えば三分割構図を複雑に構成して写真の構造を暗号化してみようとか、露出をハイライト部分だけに切り詰めて黒バックでみせようとか、深度とピントピーク位置をコントロールして絞りでみせようとか・・・ イケてるDJが選曲する時のように今はこれだ!というチョイスをする訳ですが定石通りでは退屈です。キラリと光るセンスで選択しましょう。




7. セッション

いよいよカメラに電源を入れて撮影開始です。被写体や情景と向き合ってシャッターを切りながらイメージに近づけていくセッションです。僅かなアングルの調整や微妙な露出コントロールなど撮りながら詰めていきます。そして最終的に自分が納得できるベストを得るまで集中力を高めて撮り切ります。

セッションは集中が切れるおよそ30分くらいがリミットで、それより長引くようだと一度中断してイメージから再考した方がいいでしょう。

この工程は最も楽しく自分らしくいられる時間です。バイクに乗って旅をしている時間に似ています。後にこの時のことが深く記憶に刻まれて、やがて自身の記憶風景に変わっていくものです。記憶風景と作品が重なった時、その1枚の写真がとてつもなく尊いものに感じます。

EOS6D mark2 + EF14mmF2.8L

8. 余韻

納得のいく1枚が撮れたからといってすぐにカメラを仕舞ってバイクのエンジンをかけるのはやめましょう。撮り切った直後の余韻を感じることで自分がこの情景を前にどう感動したのか?本当のことが見えてきます。

この時、脳内にはエンドルフィンやドーパミンといった報酬系の物質がでることで究極のリラックス状態が生まれます。リラックスはインスピレーションを授かる絶好のチャンスでもあるのです。

9. 再考

私たちはプロのカメラマンではありません。アマチュア…言い換えれば個人的な写真家です。撮影に費やした労力を報酬と天秤にかける必要もありませんし妥協しようが失敗しようが何の損害もありません。

だからこそ1ミリも妥協せず強い意志で納得のいく1枚が撮れるまでしっかり撮り切りましょう。「またいつかここへ来て撮ればいいいや」では良作の道は遠のくばかりです。

まだ何かできることはないか?これで本当にイメージ通りに表現できただろうか?これでは普通すぎないか?もうひとひねり何かないだろうか?という粘りは重要です。時間をかけることで予期せぬゲストが登場し奇跡を授かることもあるでしょう。

一通り撮り終わったら必ず自問してみましょうね。




10. 解釈

バイクに跨ってエンジンをかけ、ギアを一速に入れる時「こうゆうコトだったのだ」と出会った情景や被写体に対して解釈が生まれます。それはこの場所に辿り着いた当初は混沌とした感情の渦に隠されていた被写体の本当の魅力です。

撮ったことによって解明された自分の感情。出会った被写体や景色に感謝の気持ちが芽生えてくる瞬間です。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

いかがでしたか?ツーリング写真における撮影地の10のプロセス。「おおっここは写真を撮るのにいいかも!」と思ってバイクを停めた直後は、バイクに乗ってそこへやって来たことに興奮状態です。目に見える情景から視覚し認識し感動を受けて選択をすること。そうすると混沌としていた感情から具体性が出てきて何をするべきかが見えてくるのですね。

いい場所は見つけたけど何をしていいか分からず途方にくれていた…というビギナーの方の参考になれば幸いです。

今回はこの辺で!!

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いい写真を撮るために進化すること

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、気が付けばもう7月で2020年も半分が終わってしまいましたね。なんだか今年はコロナ騒動のせいで3月あたりから時が奪われてしまったような錯覚があり、本当に一瞬で夏になってしまった感じがします。

さて今回は写真を趣味にしている人、写真をライフワークとして生きている人にとって上達、進化を確認するための具体的な手法について書いてみたいと思います。

「いい写真を撮りたい」というのは写真をやっている人、またはそうでないカメラユーザーにとっても共通の願いですよね。いい写真とは常にみる側が主観的に決めるもので撮る側としては永遠のテーマと私は考えますが、それでは「いい写真」の指標として見えてこない…というご意見もありそうですのでひとまず「自分がいい!と思った写真がいい写真」と決めてしまうのも悪くないかもしれません。

写真はARTとしての表現なのでみる側を意識することは大切ですが、あまり過剰に意識し過ぎると個性が失われて万人ウケに寄ってしまいます。まずは撮る側である自分が「これはいい写真だ」と納得できる1枚を実現し、それを「私がいいと思った作品ですが、恐れ多いのですが皆さまは如何でしょうか?」と発表する感じが良い気もします。この辺は性格の出るところで私の場合はこんな感じなのですけどね…




さて今回は1年に一度、かならず撮っている季節の被写体で自身の進化を確認してみましょう。というお話です。

EOS6D Mark2

これは古代蓮の仲間で大賀蓮という千葉県の県花です。私の自宅の近所の池に咲いているのですが、毎年6~7月は決まって望遠レンズをかついで撮りに出かけます。

別にお花の写真を専門でやっている訳ではないのですが、こんな美しいお花が近所に咲いているのですから撮らないのは勿体ないです。それに蓮はお釈迦様とも縁深い花ですから縁起も良いですよね。千葉県は日蓮縁の地ですが日蓮宗のお題目「南無妙法蓮華経」は「私は法華経の教えに帰依します」という意味です。そしてこのお題目のサンスクリット語の語源では「白い蓮のお花の経」とあるので本当だと白蓮なのでしょうけどね。

皆さまも桜とか紫陽花とか季節のお花を毎年撮っている、という方は多いと思います。上達している人は去年もよりも今年、そして来年はもっと上手な写真が撮れているとお察しします。

しかし中には去年と変わらない…全く同じような写真を撮ってしまった。と、お悩みの方も多いと思います。・・・大丈夫です。

ビギナーの方はピントを合わせる、ブレない、整った構図、的確な露出…といった具合に撮影技法をまずは習得しないといけません。しかしこの撮影技法とは写真を楽しみながら練習した人には割と簡単に身に付くものです。3年もやっているけど未だにピンボケが多い…なんていう方は少数だと思います(たぶん)。




整理された構図、的確な比率、被写体に合わせた絶妙な露出など「撮影技法」を一通り習得した方が最初に当たる壁はARTとしての写真を自身で理解できない事だと思います。ARTであるからにはお手本通りではダメです。自分独自の美意識をもって被写体の魅力を追求し、習得した撮影技法の中から表現手段として相応しいものをチョイスする能力です。

定石通りにやってもARTは成立しません。私はこの池の大賀蓮の写真を毎年撮る事で、1年間いかにARTに対する見識を深めたか?を確認しています。

EOS6D Mark2

ARTって言うけど所詮は写真でしょ?綺麗に上手に撮ればスゴい写真なんじゃないの?という意見はかなり多いと思います。その通りです。しかしスゴい写真はもう世に溢れていますし私はスゴい写真で人を驚かせようという事に今は関心が無くなりました。スゴい写真はもう撮りたくないのです。

写真も20年近いキャリアを数えますが、写真はやればやるほど、つくづくARTなんだと痛感しました。ただの記録でさえも長い年月でARTに昇華する事もありますし、作者の内面に秘める美への意識も月日で変化することも写真で確認できます。

ARTって必ずしも見る人を驚かせている訳ではありませんよね?現代ARTのように幾通りもの解釈がある難解なARTもあれば、やれアカデミック美術が苦手とか印象派が好きだとか人によって賛否分かれるのがARTです。

しかしどのARTにも共通したワードがあります。それは「美」です。「美」というものをARTとして、そして自分にとって何が「美」なのか?いつも自分に問い質しています。もちろん明確な答えはいつも出ませんし、考え方も変化していきます。美醜問わずARTはARTという考え方もアリです。

ララア・スンは「美しいものが嫌いな人なんているのかしら?」とアムロ・レイに問いかけましたが(すいませんガンダムです)美は全ての人間にとって特別なものであり不思議な力をもっていると思います。




美は撮影者が混沌とした苦しみの中から生み出すもので、作品を見た側はそれを想像力と感性でさぐり作者の感じた心の動きをトレースします。すなわち芸術鑑賞とは誰でも出来るものではなく、ある程度は芸術に対する見識がないと修学旅行のついでに寄った美術館のようになってしまうと思います。

世に溢れているスゴい写真は修学旅行で美術館に来た高校生さえも足を止めさせる力があるかもしれません。しかしそこに表現としての美が必ずあるか?というと疑問です。

ややこしいのは流行っているスゴい写真も、ART写真もカメラを使って撮影した写真であることです。どちらもカメラを使うので多くの人はこの違いを理解していません。毎年同じような写真を撮ってしまう…とお悩みの方はこの辺に関所のようなものがあって停滞しているのかもしれませんよ。まずは撮影技法はある程度習得したから次はARTの門をたたいてみましょう。

自分独自の美を孤独に追及する日々は「映え写真」をやってきた人にとって恐ろしく地味かもしれません。しかしその先にみえる世界は・・・

今回はこの辺で!!

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写真が上達する【ぶっちゃけ〇〇】講座

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、上達や進化を実感して写真をやられていますでしょうか?何年もやっているけど以前と変わり映えない…上達したいけど出来ない…こんなお悩みをお持ちではありませんか?

上達や進化を実感できないと、当然ですがおもしろくないものです。通勤途中に咲いているアジサイを「きれいだな!」と思って撮ってみても、ストレージ内には去年も一昨年も全く同じような写真が…これでは面白くないですよね。継続は力なりなんて言いますが継続の秘訣は日々進化を追求しそれを実感できた瞬間に感じる遣り甲斐だと思います。

今回はビギナーの方を対象に写真が上達するための具体的な要素を箇条書きで【ぶっちゃけ】で書いてみたいと思います。




・肉体的な上達

これは写真の場合はあまり多くはないと思うのですが技能的な面での上達のことです。カメラをしっかりホールドし軸足を意識してブレない姿勢を作る。シャッターボタンは指の腹でゆっくり押し込むように押す。ファインダー内で水平や垂直をグリッド線に頼らず精度よく出す。といったことが技能面での上達になります。

たとえばこういったシーン。日中でも光量が乏しく且つ絞り込んで深度を確保したいとき。無情にもシャッター速度は低下してビギナーでは容易くブレ写真を生んでしまいます。

拡大するとよく分かるブレ写真

ブレ写真に関わらず主に覚えていただきたい重要なことは3つです。1つ目はこういった時にシャッター速度が遅くなってブレ写真になりやすい、という知識を持つこと。2つめは三脚にカメラを固定する、無ければISO感度を上げるなど策を講じる手段を身に付けること。3つめは少々シャッターが遅くても手ブレなどしない技術を身に付けること。知識、手段、技術の3つです。どれかが欠けていたり1つだけが突出していたりしないようバランスよく学びましょう。

肉体的な技術の習得という意味ではこれもそうです。水平線を完璧に水平にする、あるいは建物の境界など垂直線を完璧に垂直にして撮る技術です。まず写真において水平線や垂直線が存在した場合の扱いを知識として習得すること。水平が何らかの理由で精度よく出せない場合の策を講じること。水準器などに頼らず感覚だけで完璧な水平を出せるよう技術を習得すること。

誤解のないように付け加えておきますが写真において必ず水平や垂直を完全に出しましょうという意味ではありません。画面と言う長方形の四角内において真の安定(または意図的に作った不安定)を再現するための「感覚的なデザインの水平」ですね。もちろん海岸や塔などがある風景でそれ自体の水平や垂直に意味を持たせる場合は、本当に水平垂直をビシっと出す必要もありますが。

これら肉体的な技能面の上達はとにかく数を練習する以外にありません。ピアノやゴルフが上達するにはどうしたら良いか?と聞かれれば「練習しましょう」となるのと同様です。

・気付きの繰り返し

失敗やうまくいった例を元に「あっそうゆうコトか」と自分で気が付くことを繰り返して上達していきます。いくらネットで情報を仕入れても所詮は体験したことには適わないものです。実際に自分でやって体験してはじめて経験値となり、やがて上達するのだと思います。

たとえば三分割構図だったら、三分割構図にしたかったけど出来なかった写真、三分割構図の交点で撮れた写真、三分割構図のグリッド面で撮れた写真…そして三分割構図など使わなければよかったと後悔する写真。これらを何度も実際に撮ってはじめて習得したと言えると思います。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

ツーリングを終えて帰宅して写真を仕上げているとき、あるいは写真を撮ってから何年も経ったときなど。写真を見返して後で気が付くことはよくあります。「あっそうゆうことか」と。自分が撮った写真を見返す時間は特別な時間です。もし自分が過去に撮った写真など見たくもない…という方がおられましたら、それは問題です。自分が好きなことを好きなように撮っていなかった、あるいは自分と言う人間が嫌い…という事ではないでしょうか。

私はかつてメーカーに勤務していたとき、カタログに掲載する製品の写真をよく撮っていましたが、そういった「仕方なく撮っていた…」という写真を今になって見返したいとは思いません。しかし15年前のツーリングで撮った下手な写真でも今になって見返すと特別な1枚に感じるものです。

写真って人に見せて感動を…なんて言う芸術なのかもしれませんが、ぶっちゃけ極論を言ってしまうと自分のために撮っているのですよね。だから自分の好きなように撮って下手でもいいので大好きな自分の写真をコレクションしていきましょう。それを見返す素敵な時間の中で「あっそうゆうことか」という気づきになり次の写真へ繋がるものです。




・失敗の検証

明らかな失敗写真を撮ってしまったとき、誰だってその写真をもう見たいとは思わないですよね。すぐ削除です…。

しかしビギナーの方はご自身が撮ってしまった失敗写真も大切な教科書です。何年かして見ると考えも変化する場合もありますし、念のため失敗写真もストレージに保存しておきましょう。そしてうまく撮れなかった苦い経験は次の撮影で必ず生きてきます。もうあの時のような失敗はしないぞ、と。

たとえばこんな平凡なツーリング記念写真を撮ってしまったとします。帰ってからでいいので何がどうイマイチなのか自分が先生になったつもりで分析してみましょう。何度も自問して苦しんでください。「海でバイクを停めてソコで撮った」それがどうした?何が足りない?と。露出がアンダーだとかポジションが目線の高さで平凡だとか、風景の特徴が表現しきれていないとか…できるだけたくさんのダメなポイントを挙げてみましょう。

その時、何も分からず惰性的にシャッターを切ったダメな自分を明らかにさせておくのです。きっと撮った時は「こんな風に撮りたい」「この風景を写真にしたらこうなるだろう」というイメージ写真を脳内で想像できなかったのではないでしょうか?この1枚の失敗写真はあの時の景色を何もしないで写真にするとこうです、というリザルトです。

何も感じなかった、何も想像しなかった、何も工夫しなかった。被写体を見る目も感受性も足も、何もかも未熟だったことに反省をしましょう。これをやっておかないと次回の撮影もまた同じことを繰り返してしまいます。

・写真に対する見識を豊かに

「なかなか上達できない」とお悩みのビギナーにお勧めする効果的なやり方をご紹介します。それはズバリ!写真が上手くなりたい、カメラに詳しくなりたい、という考えを一度捨てることです。関心の対象を写真という芸術により向けてみましょう。

ビギナーもベテランも目指すのは「いい写真」です。しかしいい写真を定義するものは何もなく、いい写真とはいつも見る側が主観的に決めるものです。経験の浅いビギナーの方はカメラのことに詳しくないのと同様に写真についても詳しくないものです。そこでビギナーの方はキレイに撮ること、整った構図で撮ること、上手な写真というのを「いい写真」であると誤解してしまうものです。

意図的に露出オーバーにした写真

下手だけどいい写真、露出オーバーだけどいい写真、ブレたけどいい写真。…それは撮影者が感動したことがきちんと写っている写真です。整った構図やお手本のような露出だけでは「いい写真」は成立しないという意味が多くの写真を見ることで理解できると思います。

もちろんバランスの良い構図や適正露出など上手に撮る事は大切なことですが、それが全てではないという事です。いつも感心の対象を写真にすることで1つのアートを学ぶ意識を持ちましょう。写真をやるぞ!と決意した人はアートの門を叩いたという事なのですね。




自分が撮った写真に限らず他の人が撮った写真や有名な写真家の作品を見ることも悪くありません。ノージャンルで様々な写真作品を観賞することで写真というアートの見識を深めるだけでなく、自分の好みを知ることもできます。

ぶっちゃけ…上達しない人というのはカメラや撮り方にばかり関心を持ってしまい、写真がアートであることにいつまでも気が付かない人だったりします。

長くなったので今回はこの辺で!!!

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上達の秘訣☆いつも撮る・何でも撮る・気軽に撮る

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回の深度のピントピークの解説があまりに難解だったので、今回は一気にハードルを下げてシンプルな内容でいってみたいと思います。

写真をやるようになって色々とやっているつもりだけど、いま一つ上達が実感できない。いつも同じような写真を撮ってしまいモチベーションも下がってきた…。こんな事でお困りではありませんか?そのお気持ちよく分かります。

上達が実感できないと遣り甲斐を感じないのは当然ですね。満開の桜の下にバイクを停めて構図を整えてパチリ…しかし帰宅してその写真をSNSにアップしたら、そのタイムラインのすぐ下に「1年前の今日」という自分の記事に全く同じような写真が出てきた。こんな事ありますよね?




ビギナーの方に一番多いと思われる上達の壁の原因は”写真を撮っていないこと”だと私は思います。週末にバイクに乗った時だけ、どこかに旅行に行った時だけ、たまには写真でも撮りに出かけるかーと出かける時だけ。こんな風に写真を撮る機会が限定されているようでは全く上達など望めません。

RICOH GR

どこかにツーリングに行って綺麗な景色を、噂の映えスポットに行って自分もインスタ映え写真を、桜が満開になったら出かけよう、流星群が来る日を狙っていこう、どれも悪いことではありませんが、そういった時だけ写真を撮るという習慣が上達を妨げる元凶です。

少なくとも上達を望むビギナーさんはもっとたくさん撮るべきです。毎日のように撮るのが理想です。「毎日はちょっと忙しすぎで無理だよー」・・・確かにそうですね。しかし仕事の日もバイクに乗れない休日でも、ちょっとした合間に日常スナップなら撮れるはずです。

対象は美しい景色や映えるか否かに拘る必要は全くありません。自分のセンサーの感度を上げて何となく琴線に触れる被写体にカメラを向けて撮って見ましょう。

RICOH GR

何でもない日常風景でいいんです。それを撮るだけで写真とはまず瞬間になることが楽しいという基本を改めて実感できると思います。

目の前の空間が一瞬で二次元の絵になること。感じたコトが写真になる感覚を途方もない反復練習によって研ぎ澄ませていくのです。




RICOH GR

本当に何でもいいんです。無理に人に見せる必要もありません。理由も不要です。この写真で何がいいたかったの?と誰かに言われるような写真を日常の中でたくさん撮ってみましょう。

その為にはスマホでも大丈夫ですが、できればポケットに入る程度のコンデジを用意して、いつでも持ち歩いて迎撃態勢を整えておきます。

RICOH GR

コツは何を撮るという発想をいちど捨てて「光のある空間」「刹那と表現できる瞬間」を自分で創作することです。最初のうちはうまくいきませんが何十枚、何百枚と撮っていけば「おやっ」と思える1枚がヒットするはずです。

その1枚を検証して自分の「好き」を認識してみましょう。誰も見向きもしない被写体や日常風景に自分の好きを確認できれば、それが貴方の個性です。

RICOH GR

何も身構える必要はありません。アナログラジオのボリュームダイアルを回すように感受性という感度を少し敏感方向に回してみましょう。それは平凡な1日を楽しくするダイアルでもあります。




RICOH GR

みんなが美しい景色や映えにこだわるなら、自分は美しくない景色や地味なものを撮ってやろう、という天邪鬼や反骨精神でもいいと思います。やっぱり人と同じことって退屈じゃないですか。

ここでご紹介した日常スナップは全て私が仕事の日に少しの合間で撮った写真です。いつもポケットにRICOH GRをしのばせて移動時間や通勤の途中で撮ったものです。何気ない日常に存在する自分だけの美や感動は他人からは見えないものばかり。それを写真にすることでアーティーな刹那として仕立て上げるのです。これが最高に楽しい!日常は実は美や感動に溢れた世界だったのか!と驚きを体験してみましょう。それが日常スナップの世界です。

こんな風に楽しみながら何でも気軽に何時でも写真を撮っていれば、この目の前の光景が写真になるとこうだ!という写真イメージ力も養えますし、28mmならこんな感じだろう、という画角の感覚も養えます。カメラで写真を撮るという行為が二足歩行やお箸を使う事のように、ほぼ無意識にできようになれば一人前だと思います。

感覚や楽しむコツを日常生活の中で毎日鍛え上げてあげれば、次のツーリングで一眼レフを持って出かけても素晴らしい写真を撮るためのベースとして機能するはずです。

騙されたと思ってやってみてください。楽しいだけでなく意外な自分の発見もあるかもしれませんよ!

今回はこの辺で!!

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ツーリング写真家が実践している7つのプロセス<後編>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今年はオリンピックイヤーという事もあり、ついにキャノンからあのEOS1Dx mark3 が発表されましたね。広告のキャッチでは「光学ファインダーカメラの最高峰」とありましたがEVF搭載のミラーレスカメラが主流となりつつある昨今で、OVF搭載の従来型一眼レフを”光学ファインダーカメラ”と呼称するようにしたようですね。

EOS1といえば昔からキャノンのフラッグシップ一眼レフで別名オリンピックカメラと呼ばれているプロのスポーツ写真家のカメラでした。

大きく重厚なボディに空間を切り裂くようなシャッター音。高速連写に優れたAIAF性能。今回はオリンピックの開催に合わせて満を持して登場といったところでしょうか。常用ISO感度102400だそうですよ…いつもEOS1は何かがケタ外れです。

しかし今はスポーツシーンのような素早く動く被写体を精度よく追従するAF性能についてはミラーレスカメラが主流となりました。前回のオリンピックでは多くのプロカメラマンがEOS1Dx mark2を使用していましたが今年はどうでしょうか?その勢力図の変化に注目です。




さて今回は前回、前々回とシリーズで”ツーリング写真家が撮影現場で実践している7つのプロセス”としてツーリング写真に関わる総合的なことを書いてきました。今回はその最終回でございます。

ツーリング写真家が実践している7つのプロセス 1~3は こちら

ツーリング写真家が実践している7つのプロセス 4~5は こちら

6.フィニッシュ前の最終inspection

カメラはかつてのフィルム時代からデジタル時代へと変貌し20年くらいは経過したのでしょうか。あのキャノンが最後のフィルムカメラであるEOS1Nを生産終了にした、というニュースも何年も前の事だと記憶します。

しかしカメラやフィルムの入手が難しくなったとはいえ今後もフィルムカメラのアナログ的魅力は不滅と思われます。レコードや真空管アンプ、あるいはキャブレター搭載の旧車のように、一部のマニアの趣味として今後も細々と生き残っていくでしょう。一方で実用カメラとしてのデジタルカメラのメリットは数え切れないほどあります。フィルム代+現像代がかからない。その場で画像を確認できる(練習に適している)、感度の変更が自在、ホワイトバランスの調整が容易、データとしてすぐにネット上にアップしたり他者へ送ることが可能。一般の人でも写真レタッチができるようになった…まだまだあります。

EOS6D Mark2

この6番目のプロセスでは撮った画像を再生してミスや問題点がないか詳細にinspection(検査)しましょう、というお話をしてみます。フィルムカメラでは撮影現場でできない作業です。デジタルの恩恵をしっかり活用させ、貴方ご自身が寸分も見逃さない厳格な検査官となって撮った画像をチェックしてみましょう。

バイクの新車工場で例えてみましょう。製造ラインから仕上がってきたピカピカのマシーン。それはまだオーナーによって魂が入る前の無機質な機械です。この時点で機能や美観に問題点がないか、メーカーの責任において厳しい検査が行われますよね。もし問題が確認されれば、その工程に戻って正しい状態へと手直しされるのです。検査が甘く傷の入ったバイクや機能に問題があるバイクが出荷されてしまえば、ユーザーを失望させメーカーの信頼を失う訳です。

あなたが今撮ったその写真も、まだ撮り直しのきく撮影現場で問題点を発見できれば、帰宅してガッカリすることも無くなるはずです。主なチェックポイントはたくさんありますが代表的なものは・レンズや撮像素子に付着したゴミ ・手ブレなどの肉体的エラー ・ピントが甘い、ピント位置が的確でない ・感度の設定ミス、許容できないノイズ ・地面に落ちている吸い殻などの小さなゴミ ・水平を出すべきシーンなのに水平が甘い ・画面の四隅などに歓迎しがたい物が入っている ・メッキパーツや光沢部分に余計なモノが写り込んでいる ・シートの上にグローブなどがだらしなく置かれている ・・・まだまだありますがパッと思い付くだけでもこれくらいあります。

上の写真は曇天の日の夕刻に撮ったキャンプツーリングのシーンです。とても露出設定のシビアなシーンでしたが、私はこのとき何度も再生ボタンを押して画像をチェックし暗部が潰れていないか?レタッチで無理なく調整できる範囲に入っているか?局所的に拡大したりして何度も確認しました。




以前、知人が私に写真を見てほしいと言うので拝見したところ、写真の空の部分に無数のセンサーに付着したと思われるゴミが確認され、それがすごく気になりました。ご本人に指摘したところ「自分は大雑把なのでそこまで細かな部分は気にしないんですよ」とのこと。それ以上は何も言えませんでしたがコレはいけません。誰かに1000円やるから風景写真を撮ってこい、と言われた写真ならいざ知らず。自身の作品にこういった姿勢で望むのであれば永久に憧れの1枚は実現しないと思います。

自分が大好きな被写体、心打たれた情景、そのときの感動を自分なりに表現した特別な写真、そんな写真に憧れて写真を撮っているのではないでしょうか?であれば1ミリも1ミクロンでさえも妥協は許されないのです。その為の厳格な検査機関がこのプロセスなのです。

間違ってもセンサーのゴミが写っているような写真を発表したりしないようにしましょう。写真を見ていただける人を裏切ってしまわないように…。

7.奇跡を待機

1から6までのプロセスで一通りの撮影を終え、心の底から納得いくまで撮り切ったな!と達成感を感じたら、カメラを仕舞ってバイクのエンジンをかける前に最後に次の2つのことを実践してみましょう。

まず1つ目は撮り終えた余韻を楽しんでください。これはかなり余裕のある旅ライダーにしか成しえない玄人のやる行為なので秘密でお願いします。撮り終えてその場所にしばらく佇んで余韻を味わう。お子様には分からない大人のライダーの世界です。

そもそも全身全霊で撮影に挑んだのであれば、エネルギーを吸い取られた後の屍のように、達成感と共に脱力感が襲ってくるはずです。少し休憩しましょう。コーヒーでも飲むか今どきではありませんが愛煙家なら一本つけてみましょう。

EOS6D Mark2

2つ目は奇跡の待機です。撮影の余韻を楽しむ穏やかな時間…もう少し待っていれば何かが起きないかな…それが具体的に何を?と期待する訳ではないけれど、素敵な何かが起きればいいな。そんな淡い想いが奇跡や偶然を呼ぶものです。この写真では漁港で一通りの写真を撮り終わったあと、珍客が現れたのでこの場所で撮る写真の最後のキャストとしました。

この時はとにかくこの猫の顔が気に入ってしまいました。特に可愛い訳でもなく人に媚びるような様子もない。かといって憎めない顔といいますか、とにかく望遠ズームを装着したEOS6D Mark2のファインダーを覗きながら「人間にもこんな感じの人いるよな!」とつぶやいてしまいました。

こんな風に撮影現場で当初のイメージした写真を撮り終えた後に、そそくさ退散するのではなく余韻を楽しみながら奇跡の待機をすると野良猫のような珍客、地元の漁師さん、空の雲間から天使のはしご、日ごろの行いが良ければ虹が出現するかもしれないのです。




 ~ツーリング写真家が撮影現場で実践している7つのプロセス~

1.Factorの解明

2.Real side分析

3.Heart sideを感じ取る

4.撮り方の引き出しからsearch&choice

5.uniqueさをプラスオン

6.フィニッシュ前の最終Inspection

7.奇跡を待機

いかがでしたでしょうか?ツーリング写真家が撮影現場でしている7つのプロセス。今回はあくまで撮影現場でのプロセスをご紹介しましたが、撮影現場ではない場所でも作品が最終的にプリントとしてフィニッシュするまでのプロセスはあります。例えば採用カットのselectがあります。その撮影シーンで撮った何カットもある中からBESTと呼べる1枚を選ぶ作業です。

よく作品とは2度シャッターを切られていると言われます。1度目は撮影現場でカメラのシャッターを、2度目は何カットもあるそのシーンのフィルムストリップから1枚をselectする瞬間です。これがベスト1枚だと納得できる採用カットを選ぶselect能力についてはまた別の機会に解説したいと思います。

ところで今回の解説で4.の項目でsearch&choiceと書きました。選ぶことを英単語ではselect、choice、choose、pick、などがあります。selectはその中での最良の1つを選ぶこと、choiceは自由意志の判断による選択という意味らしいです。なので4.撮り方の引き出しからのsearch&・・・の項目では「あなたの好きなのを選んでくださいね」という意味を込めてchoiceとしました。必ずしも最良を選ぶことはありませんよという意味です。

おっと、3500文字も書いてしまったので今回はこの辺で!!

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ツーリング写真家が実践している7つのプロセス<中編>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、気が付くともう1月も終わってしまいますね。暖冬とはいえバイクにはまだまだ寒いですが、早くバイクの季節がくるといいですね。

さて前回よりバイク写真家が実践している7つのプロセスとして、ツーリング写真に関わる総合的なことを書いております。今回はその続きでございます。

・前回の投稿ツーリング写真家7つのプロセス 1~3はこちら

4.リストからのsearch&choice

写真は撮り方が大事…と多くの方がご存じだと思います。しかし撮り方は確かに大事ですが最重要ではなく、あくまで今回ご紹介するプロセスの中の1つに過ぎません。撮り方の引き出しはベテランほど豊富に在庫しているものです。その中からいま目の前にある情景や被写体に対して、自分が感動したことを魅力的に表現する手段として自身の「撮り方の引き出し在庫リスト」からsearch(検索)をかけてchoice(選択)するのです。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

撮り方の引き出しは例えば三分割構図で撮るとか、絞りを解放して背景をボカすといったものが一般的に知られていますが、そういったメジャーなものに限らずマニアックな手法からオーバーヘッドキックのような飛び道具的な引き出しまで、豊富なバリエーションで持っておくのがおススメです。引き出しの数は2つ3つでは全く話にならず100でも1000でも多ければ多いほど作品の可能性は広がると思います。

そして豊富な「撮り方の引き出しリスト」から目の前にある情景や被写体に対して、どれをchoice(選択)するかが重要な見せどころであり、貴方らしさを発揮するポイントでもあります。choiceは2.のReal side分析から得た素材情報を元に使えそうな撮り方をリストから見つけます。それは被写体の特徴であったり線や色などのデザイン要素、光の様子といったことからヒントを得ます。

上の作品では南房総にこの時期に咲く頼朝桜(河津桜)のツーリングシーンですが、全体を桜の花で埋め尽くす構図を作り頼朝桜のピンク色を印象付けました。そしてわずかな隙間にR1200GS-ADVENTUREを配置する「のぞき窓構図」を採用しました。そして近景になる桜の様子がある程度明らかに表現できるよう絞りをF18まで絞り込みました。私の撮り方の引き出しリストを検索した結果・埋め尽くす構図・のぞき窓構図・近景から深い深度で魅せる などがヒットしてそれをchoiceしたのです。




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

もう1つ作例をご紹介します。この作品は富士五湖の1つである精進湖で撮った1枚です。太陽を画面内に入れてしまう強烈な逆光のツーリング写真です。

このとき私は道路という限られた撮影スペースでいかに富士山を望む精進湖の雰囲気を表現しようか模索しました。Factorの解明、Real side分析、Heart sideを感じ取るプロセスで富士山や精進湖といった固有の被写体がどうこうではなく、この強烈な光が存在する空間に心が動かされたのだと思いました。そこで撮り方の引き出しリストに検索をかけて、そのイメージにぴったり合うものがないか探しました。

強烈な光が心に突き刺さったツーリングシーンなのですから、光が記憶に残った記憶色風景を演出してみようと思いつきました。記憶色風景であれば抽象的な表現の1つとしてレンズフレア、ゴーストを使ってみようとなったのです。逆光時に発生する光学的なレンズゴーストは一般には嫌われる傾向ですが、私は好きなので積極的に使うことが多いです。八角形のゴーストがR1200GS-ADVENTUREに向かって光の宝石を散りばめるように…あるいはキラキラと注ぎ込まれるようにカメラアングルを探ってみました。

これは事前に撮り方の引き出しリストの中に「ゴーストを被写体に散りばめるの術」を持っていたからに他なりません。忍法みたいですが分かりやすく言うとそうです。

撮り方はある種の演出なので賛否あるものです。中にはそういった手法はあえて使わない写真家や撮り方を感じさせない巧妙な構造の写真を好む写真家もいます。ドキュメンタリータッチなナチュラル写真を撮るベテランは星の数ほど持っている引き出しリストから「1つも使わない」をchoiceしているのです。




5.uniqueさをプラスオン

ここまでのプロセスで試し撮りをした画像を確認し次のように自問してみましょう。本当にこれでいいか?普通すぎやしないか?意外性、驚き、おもしろさ、珍しさなど最後のひとひねりを加えることはできないだろうか?と。

RICOH GR

美しい景色を撮るべきだ!とかカッコいい写真を撮らねばいけない!と執着心のようなものがあると柔軟な発想は出てこないものです。ユニークさはいつも楽しんでいる心から生まれるものでツーリングを、写真を撮ることを、心から楽しむことを忘れずにいましょう。

ユニークな被写体を見つけたら擬人化してみて「ここで何をしているんだい?」と話しかけてみたり、カメラを持って遊んでいる自分の影を撮ってみたりアイデアは無限大です。いつも美しい景色やカッコいいバイク写真ばかりを求めていた自分が馬鹿らしく感じるほど楽しいですよ。




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

そんなユニークな発想力を日常的に鍛えていれば、ある日突然としてツーリング写真の中にユニークをブレンドして目からウロコの写真を撮ってしまうものです。それはかつて誰も撮ったことのないような写真を斬新な表現として誕生させます。

さらに愉快なのはそんな写真を撮ってしまった”未知の自分”の発見です。自分で撮っておきながら「なんだこの写真!」と笑いがこみあげてくるでしょう。そうなると発想力はさらに柔軟になりuniqueとinspirationの無限ループは成立します。

inspiration、つまりひらめきとは考え抜いても気張っても出てくるものではありません。IPS細胞の研究で有名な京都大学の山中教授も「ひらめきは脳のリラックス状態から生まれる」と言っていました。まずは撮影地で少し散歩するような気分で歩き回ってみましょう。奇想天外な何かを授かるかもしれませんよ。

それをキャッチしたら作品にプラスオンするのみです!

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次回、ツーリング写真家の撮影現場7つのプロセスの最終回でございます。お楽しみに!!

永久保存版☆ツーリング写真家が作品を生み出す7つのプロセス<前編>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、皆さまはSNSなどのコミュニティーでいい写真を撮る人、この人が撮る写真が好きだ、という方に「お会いしてみたいな」と思ったことはありませんか?

以前に写真はセンスよりも人柄で撮りましょう…という記事を書いたことがあります。写真に限った話ではありませんが多くの芸術はその作品に惹かれるだけに留まらず作者はどんな人なのだろう?と思いを抱くものですよね。ラジオでかかった曲が「この曲いいな!好きだなこうゆうの」と思えばどんな歌手か気になりますよね?

私もよくFacebookやInstagramで私が大好きな感じの写真を撮る人に「いちどお会いしてみたいものだな」と思う時があります。写真って自分という人間の発表であり、見る人へのメッセージやプレゼントのようなものだな…なんて最近考えます。写真を見る側として「こんな素敵な写真を見せてくれて元気や勇気をもらったな」と作者へ感謝の気持ちを抱くのはごく自然なことだと思います。

そして私のような者でもたまにSNS等で「いちどお会いしたいです」「どこかでご一緒に走りましょう」と言っていただけるのですが、それが本当に嬉しいです。これからもそんな風に言って頂けるような写真活動をしていきたいですね。




EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

さて今回はツーリング写真解説に関わる総合的なお話としてバイク写真、ツーリング写真の「作品」が誕生するまでのプロセスを7つの項目でご紹介してみたいと思います。当ブログをこの投稿で初めて訪れた方が驚かれないよう最初に書いておきますが、バイクでツーリングに行ったついでにせっかくだから記念写真を…という方向けの内容ではありません。ツーリングと写真が融合した写真芸術の魅力に憑りつかれ、ツーリングに行く時は必ずカメラを持って出かける熱いpassionを持ったツーリング写真家(またはそれを目指す人、憧れている人)向けの内容でございます。

1.Factor(理由)の解明

Factorの解明とはツーリング写真のクリエイティブタイムで最も初期段階で行う謎解きのプロセスです。風光明媚な海岸線でも、美しい光が差し込む林道でも、素朴な漁村でも、貴方がバイクを走らせて日常の雑念から解放されている時、旅人として写真家としてのセンサーが何かに反応を示します。「おっ、この辺に何かあるな」「あの小径の先が私を呼んでいるわ」といった具合に、センサーに従順になり少しの勇気と冒険心があれば撮影地を発見するはずです。

しかし!ここだ、と思ってバイクを停めてもすぐには撮り始めることは出来ません。まずはFactor(理由)を探しましょう。写真を撮りたいと思った理由とは多くの場合で最初は見えにくく具体性がないものです。

キーを左に回し愛機のエンジンを停止させれば辺り一帯は静寂に包まれます。まずはここでなぜここで写真を撮ろうと思ったのか?なぜここが良いと思ったのか?をしっかりと説明できるよう明らかにしておきましょう。これをやらないと次のプロセスで具体的な作業に落とし込めないのです。

まず最初に言葉で説明できるのは「ここイイ感じだから」です。ここが謎解きのスタート地点。そして目の前に景色や被写体をよく見て走りぬいてきたライダーの鼓動を落ち着かせる意味で深呼吸でもしてみましょう。見るだけでなく空気の香り、草が風でゆらぐ音、肌に感じる空気など五感をフル動員します。

心が落ち着いて静寂した空間に馴染んでくると、当初は見えなかったものが見えてきます。湖がいいと思ったんだけど実は空を写し込んだ湖がキレイだったんだな、緑の木々がいいと思ったんだけど一番の魅力は差し込む光だったんだな、桜が満開で心が高揚していたが実は幹が堂々としていたんだな、といった具合です。

上の作品では遠景に見える十勝岳連峰を撮ろうと当初は思ったのですが、Factorの解明の結果、大空の空間に何か惹かれて自分はここでR1200GSを停めたのだと確信しました。

このように1つのFactorを決めたら小さな声で言葉にしてみましょう。




2.Real side分析

Real Side分析に欠かせない重要アイテムは写真家眼です。写真家眼は被写体の特徴や細かな部分まで逃さず分析する感性の眼です。そして目の前の空間がいまどのようになっているのか?工事現場で言う測量のような仕事もします。写真家眼は豊富な経験によって養われていくもので決して視力のことではありません。

被写体の大きさ、位置関係、遠景と近景の確認、色や図形といったデザイン要素を見つける、そして重要なのが光と影の様子を把握することです。

7つのステップの中で最も退屈な作業と言えるかもしれませんが、これをしっかりやらないと基礎工事の無い建物を作ってしまうのです。それに写真を撮る上で重要なある決め事を決定付けることができません。それは焦点距離の選択です。

EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

この作例では遠景となる利尻富士とR1200GSのある場所までの距離を考慮しその結果として望遠レンズを選択しました。近景として赤い船を置いたこと、デザイン要素として船体の赤とロープの黄色を意識したこと、そして利尻富士の峰が雲に覆われる直前のタイミングである事に気が付いたことです。

出来あがった写真を見れば誰でも分かることですが、いざ撮影地で目の前の光景からこれらの特徴や空間構造を洗い出すのは簡単なことではありません。写真家眼、審美眼を鍛え上げた人だから見えること、確認できることなのですね。

Real side分析は街中のスナップ写真のようにアッと思った瞬間にパッと撮る写真や、ドキュメンタリータッチな表現では必ずしも重要ではありません。しかしビギナーの方は時間をかけて習得しておきたいのが写真家眼、または審美眼です。

Real(現実の様子)Side分析は写真の測量と材料収集と覚えてくださいね。

3.Heart sideを感じ取る

Heart sideを感じ取るのに欠かせないのは写真家の豊かな感受性、感性です。よく見かけるような普通の夕陽でもジーンと感動してしまう繊細なheart、雑草のお花に「わあ、可愛いお花!」と無邪気に喜んでしまう人、そうゆう人でないと撮れない写真があるものです。

宗谷丘陵 白い貝殻の道

感受性は誰でも幼いころは豊かだったはずですが、時と共に世の中の雑踏ですり減って輝きを失うのでしょうか?感度を落とさないと傷つくことばかりだから自己防御で鈍感にしてしまったのでしょうか?それはそれで仕方のない事かもしれませんが、少なくとも写真を撮るときは幼い子供のように小さな事でも声に出して、表情にして感動するよう、自分の心に働きかけてみましょう。

恥ずかしいですか?お気持ちは分かりますが残念ながら恥ずかしくて無理!という事ですと憧れの一枚は永久に叶わないと思います。




逆にこう考えてもいいと思います。写真をライフワークとして生きていくことで失いかけた感受性を取り戻してみましょう。写真にはそんな素敵な力があると思います。もしどうしても難しいようでしたらロマンチストという事でもいいと思います。

この作品では宗谷丘陵の白い貝殻の道に夕陽が当たってキラキラと輝いていました。あまりの美しさに心打たれ危うく心の何かが崩壊しそうでしたが、感動が大きすぎる場合はある程度はコントロールしないといけません。感情が押しつぶされてしまえば冷静にカメラも操作できないですからね。これは写真家の悲しい運命です。

そしてオススメの手法は感動したことを小説や詩に出てくるような日常ではあまり使わない言葉で形容してみましょう。上の作品では「夕陽の光が貝殻の道に宝石を散りばめていた」といった具合です。そしてこれを次のステップで作品に埋め込むのです。宝石を散りばめたように写すにはどうしたら良いのか?と。

1枚の写真の中に作者の感動したことをメッセージとして埋め込むこのプロセスは今回ご紹介する7つのプロセスの中で最重要であると断言できます。けっこう見かけるのが構図やら露出やら撮り方は上手なのですが作者の感動が入っていない空っぽの写真です。

そういった写真にならないよう感受性、感性を意識して何にでも純粋に感動できる心を育みましょう。

ちょっと長くなってしまったので続きはまた明日の投稿で!!!

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ツーリング写真☆レベルアップの為の7つの心得

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、当ブログは皆さまのお陰で開設から2周年をむかえ堅調に成長しております。ブログの開設当初、ネット上で検索をしてもツーリング写真やバイク写真に関わる専門サイトというのは恐らく存在していなかったと思います。

愛車をかっこよく撮るには…といったHOWTOはメーカー系や雑誌系のトピックで紹介されている場合がありますが、サイト自体がバイク写真のそれも撮り方を解説するものは、恐らく今でも究極のツーリング写真だけだと思います。

せっかく唯一無二のブログを作ったのですから、中身も変わったアプローチで作ってみようかな…そんな思いで撮り方の解説は少し変わった表現で書いております。今回もそんな変わった観点でツーリング写真、バイク写真に関わることを綴ってみたいと思います。

さて今回は自身の写真をレベルアップさせるにはどうしたら良いのか?上達して今よりもイイ写真を撮ってみたい、これって誰でも願うことですよね。しかしレベルアップを実現するのはどうするのか?なんて検索しても何処にも出てきませんね。上級者の人たちが秘密にしているのでしょうか?そんな事は決してないと思いますが。

今回は私自身の約15年にわたる写真キャリアを元にビギナーだった頃からを思い出してレベルアップとは一体どういう事なのか?を7つの心得として書いてみたいと思います。

1.関心の対象は常に自分の憧れる写真であること

ごく当たり前のことですが常に写真のことだけを考えましょう。内面で憧れをいだく自分だけの最高傑作を夢見ましょう。

日本にいると世界最先端のカメラ、レンズメーカーのお膝元なので、ついカメラ、レンズのテクノロジーの進化の声に惑わされる環境にあります。いつものようにFacebookのタイムラインを見ればリスティング広告で最新のカメラの広告があなたを狙っています。本当にそのカメラが必要な理由があれば別ですが「私は写真を愛する人間、カメラが欲しいのではない」と意志を固くもちましょうね。

自分は写真を愛する人、個人的な写真家、写真をライフワークに生きる人、そう言葉にして写真家を気取りましょう。写真家を名乗るには免許も資格も実績も不要です。写真が好き、それだけで写真家を名乗っても誰に咎められる訳でもありません。

カメラ愛好家、カメラコレクター、いつも新しいカメラが欲しい人…こういった人たちの一部は残念なことに写真をあまり撮らないので上達が望めません。

そしてもう1つ、あまり取り沙汰されない事ですが承認欲求に支配されないことも大切です。承認欲求は誰かに認めてもらいたい、写真が上手な人と思われたい、という欲求から能力以上に見栄のようなものを張ってしまうことです。これは誰でも陥りやすい魔の落とし穴です。これに支配されると写真を良く見せようと盛る方向に走ってしまい、自分が本来撮りたかった写真を完全に見失って手遅れになると後からでは修正がききません。




2.いつもカメラを持ち歩いて「写真」を身近に生きる

いつでもカメラを持ち歩いて通勤中でもバイクに乗れない休日でも「あっ」と思った情景や被写体を発見したらパッとカメラを取り出してシャッターを切れるようにしておきましょう。これが最も上達するやり方でもあり、写真の楽しさを味わう最良の手段だと思います。

ツーリングに出かけるとき、特別な記念日、新しいカメラを買ったばかり、といった時だけ写真を撮る人は、まずレベルアップしないと思います。

その為に一眼レフとは別でポケットに入るくらいのコンデジ(マニュアル露出できるもの)を用意しておくと良いかもしれません。

RICOH GR APS-C  通勤中に撮ったスナップ

3.撮る楽しさと作品が生まれる喜びを見失わない

初めて写真を撮ったあの時(覚えていないかもしれませんが)の気持ちを大切にしてみましょう。パチッとシャッターを切ったときにソレが写真になる喜びです。目の前の光景が一瞬で二次元の静止画になって、それはまるで時間がストップしたような不思議な感じ。そう、写真ってそもそも撮ること自体が楽しいんですよね。

私が幼かった頃、何かの付録にあった紙の箱でできたあぶり出しカメラのような物で遊んだ記憶があります。太陽光に何分間か当てて待っているとボンヤリと風景が出てくる…確かそんな物でした。すごくワクワクしたのを覚えています。それとポラロイドカメラの初期の物も面白かったですね。今になって考えるとポラロイドカメラはその場でプリントされる事で写真が生まれる楽しさを正にインスタントで味わえる最高に楽しいカメラでした。

今ではシャッターを切れば綺麗な画像が出来上がるのはごく当たり前のことなので、むしろそのせいで写真になる楽しさを忘れかけているかもしれません。

4.被写体とテーマを見つけたら理解を深める

テーマなんて言うと大げさなと思うかもしれませんが、大切なことは自分の好きなモノ、コトを撮りたいという欲望に従順に撮り続けることだと思います。やがて好きなモノ、コトへの理解が深まり「よしコレを追求して写真を撮っていくぞ」と決意した時が貴方のテーマが決まった瞬間です。

私の場合は「ツーリングのワンシーンを切り取る」ですが15年以上にわたってツーリング写真を撮って、私なりにバイクツーリングに対する理解を深めてきました。それは作品にも当然反映されていると思います。例えば道のあるシーンであればバイクより前に大きくスペースを作れば出発のイメージ、逆に後ろにスペースを作れば到達したぞ!というイメージの写真が出来上がります。

EOS6D mark2 + EF14mmF2.8L

このようにテーマを追求していけば、それはその専門分野の研究成果としてノウハウが蓄積されていくのです。例えばフィギュアスケートであれば演技の専門的な知識や選手の特徴などを熟知していないと、真のシャッターチャンスをものにできません。セレブポートレイト専門の写真家はモデルの個性、魅力を最大限に引き出す術を知っています。歌舞伎を撮る写真家は役者が見得を切るとき最も姿勢の美しい瞬間を逃さないそうです。

私はツーリング写真の専門としてテーマを追求し日々研究しています。自分が専門としている被写体やテーマの見識を深めていくことは写真のステップアップと密に関係していると思います。

5.感覚は気の遠くなる反復練習で養う

いま目の前にある情景、被写体が写真になったらどんな感じだろう。またはこんな風に撮りたい、こんな風に写るであろう、とシャッターを切る前に脳内に描く想像の写真を描けるようになりましょう(これ凄く大事!)。

もちろん200mmの望遠レンズならこうなるだろう、24mmの広角ならあの辺りまで背景の範囲になるだろう、といった画角の感覚も然りです。

しかし、感覚の世界ばかりは勉強していても仕方ありません。ゴルフやピアノが上達するにはどうしたら良いですか?と聞かれたら「たくさん練習してください」としか言いようがないですね。それと同様に失敗でもいいからとにかく沢山の写真を撮って感覚を養うしかありません。




6.過去に撮った作品は何度も見返して

ここだけの話ですが写真の上達で侮れない手法の1つに既に出来上がっている写真の分析というのがあります。過去に自分が撮った写真でも他の誰かが撮った写真でもいいので解説者を気取って写真のあらゆることを分析してみましょう。

秀作であればどの部分がどう良いのか、駄作であればどこをどう撮れば良かったのか、明らかな失敗写真はもちろんのこと、説明のできないような不思議な作品まで自分なりの観点で誰かに解説するように分析してみましょう。

EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

例えばこの作品の場合「船体にあるような赤があると、やはり印象的な写真になるな。望遠で圧縮されているけど遠景は青系統なので空気遠近法で補えている、やっぱり写真デザインにおける色は重要なのだな」あるいは「空の雲が流れていてちょうどバイクの位置だけが日向になった瞬間を撮った写真だ。シャッターチャンスって風景写真にもあるんだな」といった具合です。

美術館や書展とかに行って誰かの作品をああだこうだと論じるのは難しいことではないですよね。自分では描けないくせに偉そうに言う人いますよね…私ですけど。つまり出来上がったものを見てコメントするのは簡単なので、それを自身のスキルアップに使ってしまおう!という事なのです。

ただSNSなどで人の作品にコメントを入れるときは撮った人の気持ちを考えて優しさあるコメントにしましょうね。当たり前ですけど。

7.マンネリに屈しない無限ループを構築しよう

どうしても同じような写真ばかりを撮っていると変化がなくて飽きがくるのが人間というものです。同じような撮り方を追求して少しづつ洗練させていく考え方もありますが進化している手ごたえがないと面白くないものです。

そこでお勧めの方法はテーマから大きく脱線しないよう、被写体やシーンを少し変えてみることです。私の場合は「ツーリングのワンシーンを切り取る」がテーマですが、いつもいつも港や道でバイクとライダーの自撮りでは飽きてしまいます。

そこでツーリングシーンにおける愛車写真、ツーリング先で目撃した被写体、走行中にライダーが見ている風景、ヘルメット+グローブといった小物を主役に、お友達やパートナーにお願いしてライダーポートレートを、といった具合に撮ったことのない被写体やシーンにシフトすることです。

走行中のライダーの視線を表現した作品

それでもネタが尽きて一巡してしまったら再び当初に撮っていたものに回帰してみましょう。きっと以前は気が付かなかった発見があるはずです。これを繰り返していくと各々の被写体、シーンでの写真が洗練されて自分でもレベルアップが実感できるでしょう。レベルアップが実感できると楽しさ、遣り甲斐を感じるのでマンネリに陥いることはありません。この無限ループを作れれば最強なのです。




いかがでしたか?私の拙い写真キャリアから写真の上達とは一体どういうプロセスなのか?7つの心得として書いてみました。この7つの心得の中に敢えて「撮り方」については触れませんでした。多くの方が撮り方を身に付ければ上達できると思っているようですが、撮り方以外にも大切なことは沢山あるので、今回はこのように書いてみました。

本当はこんな事を書いても仕方ないよな…と分かってはいるのですが、あまりに多くの方がカメラやレンズ、撮り方や有名な撮影スポットにこだわり過ぎているように感じたので、どこにも書かれていないような写真の上達方法を私なりに書いてみました。少数でも誰かのお役に立てれば嬉しいです。

今回はこの辺で!!

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写真が確実に上達する唯一の手段 毎日撮って写真好きになろう

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、この3連休はツーリングに行かれましたか?

つい先日、当ブログを読んでいただいている方に撮り方のノウハウを公開しちゃっていいの?と聞かれました。確かにノウハウは本来は秘密にするべきかもしれません。しかしバイク写真において、ツーリングの魅力やバイクに乗ることの良さを広める【ツーリング写真】を世に認知させたい…という想いで個人的なノウハウ(大したものではありませんが)を公開しております。

また、その一方で解説を作成することで私自身も勉強になっている、というのもあります。その昔、最初に就職した会社で専門的な分野において顧客相手に講習会をやってほしいと言われました。やがて、その仕事が増えて使いやすいように教科書やマニュアルを自分で作ったものです。教科書やマニュアルを自分で作ると抜けていた知識や間違った知識を見つけられて自分自身が勉強になったものでした。その時の経験で「教えるは教わる」「人に分かりやすく説明できなければ理解していないのと同じ」ということを学びました。

今は読者の皆さまがこのブログの写真解説を読んで、写真がレベルアップしてくれたら良いな…という想いと、私自身へのセルフピグマリオン効果を期待して書いております。




さて今回のツーリング写真解説では、上達するにはどうするのが良いのだろう?というざっくりとしたお話をいってみたいと思います。

上達とは大きく2つに分けて考えると1つは上手に撮れるようになること、2つ目はいい写真を目指す人になること…でしょか。前者の上手になる…はキレイに撮る事、整った構図や美しいバランスで撮る事ですが、これはビギナーから見ると憧れかもしれませんが実際には数年やれば誰でも達成できることです。ここを目標にするとキレイな写真が撮れるようになった途端「上手に撮れるようにはなったけど、何か違うな…」と感じてしまうものです。

2つ目の【いい写真を目指す人】を常に心のどこかに置いて写真を楽しみましょう。いい写真とは常に写真を見る側が主観的に決めるもので、撮る側にとっては永遠のテーマです。キレイに撮る事、上手に撮る事とは別次元であり極端に言ってしまえば下手だけどいい写真、酷い画質だけどいい写真も有りえる訳です。

EOS30D F16 1/100 ISO100

写真といえばカメラで撮るのですから、つい関心の対象がカメラやレンズにいってしまいますね。しかしカメラの知識はご自身のカメラを使いこなすことや基本的な構造や理論などを勉強したら、それ以外のことはさほど重要ではありません。

関心の対象はカメラやレンズではなく常に写真にしましょう。写真が好きな人になる。写真を撮ることの楽しさ、写真作品を生み出すアーティストのような自分の発見、写真とともに旅することで変わるツーリングスタイル、写真を見ることが好きな人…

写真に対する想いは人それぞれで自由です。記録としての写真、芸術としての写真、楽しさの追及、どれにも共通して言えるのは見る人がいてくれて自分が表現者になれることでしょうか。

しかし見る人の存在を強く意識しすぎると承認欲求が強く出てしまい良く見せよう…という見栄のような写真を生んでしまうので注意が必要です。

写真はレポートのような記録写真や旅行の記念写真を除き、人にみせて喜んでもらえるような写真を撮る場合、個人の発表となりますので少なからず恥を覚悟でやらなくてはいけません…。

自分がツーリング先で出会った風景、見つけた被写体、それらに対して個人的に感じたことを写真にしたい…これをやるために構図やら露出やらといった撮り方が存在します。しかしやり方によっては撮り方はこだわらず敢えてナチュラルに撮ったという表現方法もあります。




自分が出会ったものに感動して、それをこんな風に写真にしてみました・・ってこれって考えようによっては発表するのは恥ずかしいものです。誰かが撮った写真がインスタなどのSNSで話題になると、こぞって同じ撮影スポットに行って全く同じ構図で撮るのは恥ずかしい事ではありませんけどね。

個人の作品の発表とはそれくらい、ある程度の恥をかくことを覚悟の上でやらなくてはいけないと思います。シャイな性格の人でも写真は大胆に発表しましょうね。

CASIO エクシリム EX-10

上達の過程とは撮って失敗しての繰り返しの中で「あっそうゆうコトだったのか」という気づきを幾つも得ることです。それは被写体に対する理解であったり画角の感覚であったり、露出の概念であったりと実に様々あります。

人間は失敗からしか学ぶことが出来ないと、どこかの偉い人が言っていましたが写真については成功から学ぶことも多いです。後になって見てみたら我ながら良く撮れたな、と思える写真をたまに手に入れるものです。それは嬉しくウキウキしてしまい何度もその写真を眺めては友達や家族見せたりするはずです。

そのよく撮れたお気に入りの一枚は、上達の重要なカギとなります。その写真を撮ったときの実際の様子やその日のツーリングのことも深く記憶に刻まれるからです。




EOS6D mark2

いつも私が大切にしていることはイメージです。カメラの電源を入れる前に頭の中で描く空想の写真です。こんな風に撮りたいな、きっとこんな風に写るはずだ。というイメージです。目の前の光景は眼球という体のパーツが情景や被写体を脳に信号として送っている訳ですが、写真はこれとは異なって二次元の静止画です。

この様子をシャッターを切って写真にすると、どんな風になるか?このイメージがとても大切です。

イメージを脳内に描く想像力、構図を作る足、被写体の特徴や魅力を解明する目、いい写真を手に入れたいという情熱と行動力…そして写真が好きな人であること。これらを育むには兎にも角にも写真をたくさん撮るしかないと思います

いつも写真を撮って写真を身近に生きることで、理解を深め感覚を養うのでは…最近、そんな風に思います。

以前も書きましたがツーリングに行く時だけ、休日だけに写真を撮っているのではなく、いつでもコンデジをポケットに忍ばせて、通勤路や仕事の休憩時間なども利用し毎日、何かしらの写真を撮るようにすると、みるみる上達していきます。

皆さまもぜひ毎日スナップを撮り、写真を身近に日々を送ってみてくださいね。

今回はこの辺で!!

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レベルアップ確実☆ギャラリストになって写真の目利きになろう

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、夏休みのツーリングはいかがでしたか?無事に事故やトラブルなく帰宅されたでしょうか?事故やトラブル…そう、気を付けていても避けられないことや、ついうっかりミスを…人間だからありますよね。

バイクで安全運転、ツーリングでトラブルを起こさない、その為には失敗から学ぶのではなく事前に失敗を予測する能力が求められますよね。

だいぶ以前に何かの書籍で読んだのですが人間はミスをするもの、ミスには認識のエラーと肉体のエラーがあるという事が書かれていました。認識のエラーは「あの対向車のバイクはゆっくりだろう」と思って交差点で右折したら実際はバイクは速く右直事故になった、ただの水たまりだと思ったらオイルでスリップダウンして転倒した、などがそうです。

肉体のエラーとはゴルフやバッティングで空振りになってしまったり、サーキット走行などで些細な操作ミスから転倒やオーバーランになってしまった…といったことで、こちらはバイクツーリングではあまり考えにくいケースです。




「〇〇〇だと思ったら実は違った」と「手元が狂った、空振りしてしまった」はミスの種類が違うのですね。私は先日、ブログ投稿前のチェックで「究極のツーリング社員」というカッコ悪いタイプミスを見つけてしまいました。これは肉体のエラーですが…まあこの程度のミスでしたら笑い話で済みますけどね。

さて前置きが長かったですが、今回は写真道を志す皆さまにとってご自身の撮る写真のレベルアップももちろん重要なのですが、それとは別に写真を観る側として写真芸術への見識を深めていきましょう、というお話でございます。

RICOH GR APS-C

といっても固い話ではなく簡単に言ってしまえばご自身の写真の好みを明確にして知っておきましょう、というシンプルなものです。

写真の好み…それは「こうゆうの好き」「これカッコいい、こんな感じの撮ってみたい」とSNSで誰かが撮った写真、雑誌や広告のカットで使われた1枚、もちろん有名な写真家の作品も、他者による写真をみて自分の好きな作風や被写体、あるいはテーマがどのような感じなのか知っておきましょう。

上の写真はGWで撮った北海道ツーリングでの1枚ですが、私は最近になって特にこういった地味な写真が好きになりました。これをSNSで発表したところで全く反応は薄いですし「映え」もしません。しかしこんな「もの寂しい」雰囲気がどうやら私は好みのようです。




先日、通勤中に都バスの中の広告で見かけた広告写真に「おおっ」と思った1枚がありました。それはこの写真です。

ゲオルギィ ピンカソフ

都営交通のポスターでPROJECT TOEI すべての「今日」のために。…のポスターです。コピーもかっこいいですね。実際は日中に撮ったのかもしれませんが早朝を連想させる露出、仄かな光を大切に撮った1枚でとても雰囲気がいいです。

この作品はモスクワ生まれの写真家 ゲオルギィ ピンカソフによる作品で、都営交通のサイトでこの他の作品も見ることができます。

都営交通 PROJECT TOEI  すべての「今日」のために。

それとだいぶ以前にもご紹介しましたが…

市橋織江さんの作品

これも電車の中吊りで見かけたのですが大塚製薬のカロリーメイトの広告です。写真家は市橋織江さん。赤いウェアーを着た男性が登山する様子をシンプルに構成した作品ですが、これも全体の雰囲気が大好きな1枚です。




うまく言葉で言えませんが写真が見る側を誘っているような雰囲気と言いましょうか…美しさやインパクトは極めて控え目ですが、うったえているコトが素直に心に入ってくるような写真です。

ご自身が上達するプロセスで撮り方などのノウハウや知識を身に付けることは勿論大切なことです。しかしその一方で写真という芸術表現を純粋に考えてみましょう。それは単純な記録や記念ではなく、事実を元にした瞬間的な表現であること。さらに被写体が紛れもない事実がゆえに他の芸術よりもリアリズムを表現できますし、メッセージのようなものを発信できると、私はそんな風に思います。

例えば私が活動テーマにしている「ツーリングのワンシーンを切り取る」のツーリング写真がツーリング絵画だったら…?その絵画を見て私もバイクの免許をとってバイクツーリングしてみようかな?なんて思わないはずです。

皆さまも街中の広告などで見かける写真やSNSで誰かが撮った写真をみて、ひとりの写真好き、写真ギャラリストとして向き合ってみてください。「こうゆうの好き」とあなたの心が反応することで、ご自身の写真に対する考えや意識を育むことができるはずです。

写真をみる力が成長することで、たとえばレタッチの仕上げ方や写真セレクト作業などで迷うことが少なくなると思いますよ。

今回はこの辺で!!!

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