写真ビギナーを脱却できる唯一の上達方法

今回は写真ビギナー向けの内容としても特に優しい内容を書いてみたいと思います。超ビギナー向けでございますのでベテランの方はスルーで。

いい写真を撮ってみたいけどどうも自分はカメラの使い方から駄目だ、いつも失敗写真ばかりで自分は本当にセンスがない・・・こんな風にお悩みの方はおられませんか?

そんな写真に苦手意識を持っている方々に質問です。どれくらいの頻度で写真を撮っていますか?週に一回くらい?それとも月に一回とか?そもそも旅行や行事など何かあるとき以外はカメラを持ち出さない、なんて方もおられると思います。

そのような感じですと圧倒的に練習不足なので上達は見込めません。ピアノやゴルフを始めようとなったとき優秀な先生に教わったり、知識をつけることは大事ですが何より重要なのは練習ですよね。たまにしかカメラに触れないようでは練習不足なのです。

そこで私が強くオススメしたいのはスナップ写真を楽しむことです。通勤時や休憩時間のちょっとした合間、バイクに乗れない休日でもコンデジ一つ持って見慣れた景色を切り取ってみましょう。




RICOH GR

なんでもない風景が写真になると何だかイイ・・・

この不思議な感覚はいちど知ってしまうと虜になります。写真って目の前の現実が二次元の静止画になるという当たり前が実はファンタスティックなことであると気が付くのです。

ここで一つ重要なポイント。日常的にスナップを撮るにあたり「立派な写真を撮ろう」とは思わない事です。別に人に見せなくても良いので自分がふと視線を送った先にある物や風景を感じたままに撮ってみましょう。立派な写真でなくても良い・・・とは整った構図、計算されたような比率、完璧な露出などややこしいことは無しでよいです、ということです。

あっと思ったらパチリ。

失敗でもいいや・・・そんな気軽な感覚です。重要視したいところは【瞬間をとらえる】というところ。あっと思った瞬間です。

RICOH GR

瞬間をとらえるスピード感が大切なので立派な一眼レフだと瞬時に撮影体制が作れません。スマホでも大丈夫ですがお勧めはマニュアル撮影ができるコンパクトデジタルカメラを用意して、いつでもポケットにしのばせて戦闘態勢を整えておくのです。

写真ビギナーとは目の前の様子が写真になるとどうなるか?のイメージが作れません。よって「試しに撮ってみるか」とパチリとやって、画像を再生させて「ふむふむ失敗ではないのだな」と納得して終わらせてしまうもの。イメージが作れないのは仕方ないのですがカメラ任せの試し撮りでフィニュッシュしている部分に大きな問題があります。




ベテランは事前に脳内に「こう撮りたい」というイメージの写真を空想してから撮るものです。一方で写真ビギナーは「どう撮れるのかな?」とカメラに尋ねるように試し撮りをはじめるもの。ここに両者の大きな違いがあるのです。

では写真になるとどうなるか?というイメージができるようになるには何から始めれば良いか。何もかもいっぺんにやろうとするから身につかないものです。まずは順序よく一つ一つマスターしてみましょう。まずは画角の感覚です。

画角、つまりワイドにしたり望遠にしたりといった写る範囲や被写体の大きさですね。これが調整できる機能をズーム機能と言います。写真ビギナーの多くの方に画角の感覚が無い理由は簡単です。人間の目はおよそ50mmで固定されていてズーム機能などないからです。

まずは広角(ワイド)側から感じを掴んでみましょう。今までご紹介した写真は全てRICOH GRというカメラで撮っています。このカメラは単焦点といって28mmの広角で固定されてるカメラ、つまりズーム機能がありません。こういった単焦点のカメラでスナップを撮っていると、画角の感覚はあっという間に身に付きます。

これがズーム機能のあるカメラで撮ってしまうと、後で撮った写真を検証するときに、その時にどのような画角で撮ったのか記憶にないため画角の感覚が身に付かないのです。だから単焦点で練習するのは上達にはすごく良いのです。

かく言う私も今から6~7年くらい前にGRで毎日100ショット以上はスナップを撮って練習したものです。




毎日毎日、何気ない日常生活の中で自分だけが見た特別な景色を切り取る。別に立派な写真でなくて良い。あっと思った瞬間にパッと撮る。そこに写っていた奇跡の瞬間にARTのカケラを見つけたら、それが嬉しくて毎日継続するでしょう。

そうなればしめたものです。その様子が写真になるとどうなるか?という感覚は無意識に身に付き、やがてどのような写真を撮る時も、まずは脳内でイメージの写真が描けるようになるはずです。

画角の感覚が身に付いていればスナップ以外の撮影であっても、最初に選ぶレンズに迷いがありません。「よし、ここは135mmのレンズでいこう」とすぐさまイメージにあった選択ができるようになるのです。

どうせなら楽しみながら上達したいですよね。毎日撮る日常スナップ写真、お勧めです!

RICOH GR APS-C

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ストリートスナップから写真の楽しさを知る




今日はスナップ写真について書いてみたいと思います。

スナップとは誰でも一度は聞いたことのある写真用語だと思います。その意味はアッと思った瞬間にパッと撮る写真、つまり瞬間をとらえることに主軸を置いた写真だと私は考えます。

構図や露出といった撮影技法に関わること、被写体と予定調和で挑む撮り方、演出などなど、技術や手間をかけ作り込むように撮るのではなく、あくまで現実の刹那をまさに「切り取る」ことで魅せる写真です。

RICOH GR APS-C

写真を長いことやっているとつくづく感じるのは写真とは「空間」と「時間」の二つの要素が常に付いて回るということ。目の前にある現実の様子は三次元の空間であり一定の時間が常に流れている。この時空を写真は二次元のテキスタイルとし時間を静止させた一枚の「画」とします。スナップはこの「時間」を瞬間に留めることを最重要視しているのです。

さて難しい話は置いておいてスナップ写真とは実に楽しい写真の遊び方です。とにかく深く考える必要はないので撮影者のアンテナが反応した瞬間に従順にシャッターを切るだけ。それがユニークな写真になれば「おっ、やったぞ」と膝を打つ痛快さがあるものです。

写真ビギナーの方は目の前の様子が写真になるとどのような感じになるのか、という感覚がまだ身に付いていないのでスナップ写真を日常的に撮ることで感覚を養うことができます。それと同時に写真を撮る楽しさというのを改めて学ぶことができると思います。




日常的に撮る・・・通勤でバス停まで歩いているとき、出張先での空き時間、バイクに乗れない休日など、何気ない日常風景の中でも楽しいスナップ写真を撮ることができます。撮る対象は何でも大丈夫です。信号機や横断歩道のある道、ちょっと古めかしいお店、道行く人々、もちろん家族やパートナーでも。

立派な写真を撮ろうと身構える必要はありません。極端にいってしまえば手ブレやピントが甘くてもOKな場合も有り得ます。よく言う写真イメージというのも無くても成立する場合もあるのです。

とにかく大切なのは瞬間を意識することです。「あっ」と自分の心のアンテナが反応を示したときに迷いなくシャッターを切ること。いつもポケットにカメラ(スマホでも悪くありませんが)を入れて撮影体制を整えておくのです。

失敗しても大丈夫です。最初のうちは沢山の写真を撮る事でスナップの楽しさを感覚的に理解していくのです。すると風景の特定の一部分を切り取ることで抽象化された美しさを発見したり、そこに注目した奇妙な自分の存在に気が付くはずです。




リコーGR APS-C

写真を撮ることは特別なことではなく日常的なこと。いつでもポケットに入るくらいのカメラを持ち歩いてスナップ写真を撮る。スナップをいつも撮ることで上達だけではなく生きがいを感じることもできます。

スナップ写真、明日からはじめてみませんか?

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確実に上達を約束する唯一の方法。写真上達の秘密。

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、そろそろお正月ボケも抜けて日常モードでしょうか。新型コロナウイルスは今も感染者数を増やして私たちの日常を脅かしていますが下を向いてばかりはいられませんね。できることを確実にしていつか必ず訪れる平穏を一日でも早く取り戻しましょう。

さて今回はこのようなコロナ渦において、写真のレベルアップをするには何ができるだろう?写真のレベルアップのヒントについて書いてみたいと思います。どこか遠くに出かけたり写真のワークショップに参加したり、そういった事が難しい昨今ですよね。しかし、だからこそ上達のチャンスがあるのです。

それは特別なところに行かなくても良い写真は撮れる!ということです。いや…大胆に言ってしまえば特別なところなんて何処にも存在していなく、いい写真を撮るための桃源郷は身近にもあるのだ、と気が付くチャンスなのです。

EOS KissX7

難しいことは何ひとつありません。とにかく気軽にカメラを持って出かけることです。家の近所や通勤の途中など、貴方の日常風景の中で何か反応するものは無いか?心の声に耳を澄ませて少しでも触れるものがあったら「パッと」撮ってみましょう。

上の写真は会社の健康診断の帰りに都内で撮ったスナップです。いつも鞄の中にはカメラが入っているので、あっと思った瞬間にパッと撮れるように準備をしています。こういった写真をストリートスナップと呼びますが、あれこれ構図などを考えず「瞬間」をイメージして撮る写真です。なにもせず瞬間を切り取る…これがスナップの楽しさであり醍醐味でもあります。強いて何かをしたか?と言えば露出補正を常にマイナス2/3程度にして、都会に存在するビル間の光に露出を合わせていることです。たったこれだけで雰囲気のある写真になるのですから不思議なものです。




EOS KissX7

写真ビギナーの方にとってピントをしっかり合わせる、水平を出す、手ブレしない…といった基礎をこれで学ぶことは出来ませんが、息抜きという意味でも良いですし何より写真の楽しさの原点を知ることができます。

写真を撮る楽しさとは撮影者の見た「それ」が写真になることです。現代人にとってカメラは実に当たり前のように存在する文明の利器ですが、実はカメラが写真にしてくれることは、それだけでエキサイティングなことなのです。

EOS KissX7

いつもでお気に入りのカメラを持って、いつでも写真を撮って楽しむこと。別にうまく撮れなくてもいい。上手に撮る必要はありません。何でもない光景の中に貴方しか見えない何かを掴み取るのです。

ポイントは「もの」を探すのではなく時代、文化、感情、動き、色、それらに光と影が当たった時に心のセンサーが反応する僅かな瞬間があります。それを見逃さないよう慎重に読み取って「あっ撮りたい」という欲望に従順にシャッターを切るのです。その瞬間が美しいと分かったとき、スナップ写真の虜になるはずです。

留意すべき点は見知らぬ人の「顔」というIDを無断で私物化しないよう最大限の配慮をすることです。肖像権などという言葉を多くの人が意識するようになったのは近年の話です。勝手に顔をデジタル化して悪用されることに人々は強い防衛意識をもっています。一方で都会の刹那を切り取ったストリートアートに対する理解は絶望的なほど低いのが現実です。他人の顔を撮ってしまった場合、明らかに風景の一部であればセーフ、顔を対象に撮った写真であればその人の承諾が必要となることをお忘れなく。




写真ビギナーの方が知識や経験以外にベテランと決定的に違う点は感覚です。その画角で写真にするとどの範囲まで写るか?とか、これくらい動いているものを1/40のシャッターで撮ったらどう写るのか?とか、どの範囲までをフレーミングしたらどのような印象の写真になるか?といった完成写真を想像できる感覚です。

感覚ばかりはいくら書物を読んで知識をつけても、いくら名作写真を眺めて何かを学ぼうと思っても、それだけでは全く前進しません。感覚は気の遠くなるような反復練習によって身に付いていくものです。ゴルフやピアノが上達するには知識だけではダメですよね。たくさん練習すれば練習しただけ上達するものです。

EOS KissX7

仕事の日もバイクに乗れない休日でも、いつもカメラを持ち歩いて何かの写真を撮っていれば、写真を撮ることはいつの日か日常になって気が付けば感覚も養われます。あっと思った刹那を写真にすればどんな風になるだろう、これが簡単に頭の中で想像できるようになるのです。




休みの日に景色の良い場所やお花畑や有名な撮影スポットに行くことも、もちろん良い練習になりますが毎日やっている人にはかないませんよね。私は写真についてもっと知りたい、もっとレベルアップしたいと考えていた時期、RICOH GRというカメラをいつもポケットに入れて毎日100ショット以上の写真を撮っていました。その期間で確実に写真について様々なことを学んだと感じます。

今回の投稿でご紹介した5枚のストリートスナップ写真。全て同じ日に撮ったものです。久しぶりにストリートスナップを撮ったのですが、美しいものはいつも身近にあって、それらの「もの」はきっかけに過ぎず核心は自分の内面にあると改めて認識しました。

いくらやっても写真が上達しない…そんな方は撮っている機会が少なすぎる、写真を撮る楽しさを見失っている、撮る対象(もの)を探している…これが原因ではないでしょうか?いつでもお気に入りのカメラを持ち歩いて、日常的に写真を楽しむこと。そして写真を愛する人になること。これこそが確実にレベルアップする唯一の手段だと思います。

騙されたと思って実践してみてくださいね。

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紫陽花の写真は簡単です。アジサイの撮り方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は季節の被写体として紫陽花の写真の撮り方を解説してみたいと思います。いつもバイクの写真しか撮らないよ…という方もスマホでも良いので紫陽花の写真を撮ってみてください。被写体が最も魅力的に見えるよう写真にする技術はきっとバイク写真にも役立つと思いますよ。

お花の写真は難しい…お花の写真なんて趣味じゃない…なんて方はおられませんか?お花はそれ自体が美しいので何も考えずに普通に撮れば綺麗な写真になります。一方でちゃんと撮ろうと構図や露出を練って撮れば上手なだけの図鑑写真に陥ってしまう難しさもあります。




しかし紫陽花というお花は他のお花と比べて写真にするのが簡単です。例えば菜の花は黄色が強烈すぎて色飽和しますしソメイヨシノはその淡いピンクを写真にするのに相応のスキルが要求されます。しかし紫陽花の紫や青はそのような悩みが少なく目線に近い高さに咲いているので寄るのも簡単です。

その1 アジサイ全体の様子を撮る場合

RICOH GR

以前に構図とは「目の前の被写体が写真という二次元の画になったとき、その様子が線形となり主題へ導くための案内図として機能するもの」と書いたことがあります。「その様子が線形となり…」実際の様子と写真になった様子の違いはここにあります。アジサイも写真にしてみたら何だか別のものにも見えてきた…なんて経験はありませんか?

この写真の場合、夜空に打ち上げられた花火のようであり、星のようにも見えます。そう感じたらよりそう見えるよう撮ってみましょう。これがおもしろいです!

この写真は光の存在もかなり意識してみました。晴天時だったのでハイライトが入り強いコントラストの発生するシーンですが1.光が強く当たっているハイライト 2.中間陰影 3.ブラックとシャドウ の大まかに3パートに分けて考え、それぞれが長方形という画面内に美しく配置されるようにフレーミングしました。この場合、最も重要なのは中間陰影でハイライトとシャドウはその良き引き立て役に過ぎません。

露出補正を積極的に使って露出と構図は密接に関係している事を意識してチャレンジしてくださいね。




その2 アジサイ一輪に注目して撮る場合

RICOH GR

一輪に注目して撮る方法は気を付けないと簡単に図鑑写真になります。個性を出すのが最も難しい撮り方ですが逆に言うと個性を打ち出すのに成功したときの嬉しさはひとしおです。

私の場合、一輪を撮る場合「その一輪がそこに咲いていた空間」を意識して撮ります。少々分かりにくいですがアジサイがその周囲に及ぼしているエネルギーに注目してそれを構図に取り入れる感じです。

この写真ではちょうど雨上がりで水滴が花や葉に付いていました。曇天の柔らかい光源は適度にコントラストを控え目にしてみずみずしい質感も再現できたと思います。

こういった黒バックに近い露出で魅せたいとき、評価測光はほとんど機能しません。しかしビギナーの方にマニュアル露出は難しいので、自信のない人は絞り優先モードでF5.6あたりに設定し、露出補正をマイナス1~1_2/3くらいの範囲内で試してみてください。

その3 アジサイをクローズアップで撮る場合

RICOH GR

一輪に寄って特定の部分をマクロ撮影する撮り方です。これも多くの人がお花の写真でやっている撮り方なので個性を出すのが難しいです。よく見かけるお花写真とはマクロレンズを装着してカメラを三脚に固定、水玉にピントを合わせて絞りを解放、背景は花の色で全体的にフォギーをかける…といった写真です。確かに美しい写真になりますが、少々見飽きてしまった撮り方ですね。

上の写真は花や葉が濡れている上に強い光が当たってコントラストがあること、つまり「雨上がり」を意識してみました。蕊の複雑な様子と花びらについた水玉、それらの質感をクローズアップによって表現してみました。カメラがスナップを得意とするRICOH GRなので全体にカリッとシャープな仕上がりになったのも、ふんわり系の多いお花写真とは真逆に男性的でユニークではないかと思います。




CASIO エクシリム EX-10

アジサイは特別な所へ出向かなくても公園や街路にも咲いているので、通勤の合間やバイクに乗れない休日でも撮ることができます。被写体をより魅力的に撮る、個性を主張する、ユニークな何かを想像するといったトレーニングにも最適です。

上達したい人はいつも写真を撮って写真を身近なライフワークとしてみましょう。

究極のツーリング写真流 アジサイの撮り方でした。今回はこの辺で!

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桜の写真の撮り方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、このウイルス騒動で日本もいよいよ大変なことになってきましたね…。私が勤務している施設も本日から臨時休館となりました。と言っても仕事は休みにはなりませんが。

さて今回は暗いニュースばかりの日本…いや世界ですが、せっかく桜が咲いている時期ですので、ちょっと近所の公園などに出かけて桜の写真を撮ってみませんか?という趣旨で桜の写真の撮り方をいってみたいと思います。

いちおうタイトルに便宜上「桜の写真の撮り方」と書いてしまいましたが、正解のない芸術写真では「撮り方はこうです」なんてモノはそもそもありません。ここではヒントのようなものや私が桜を撮るときにやっていることを書いてみたいと思います。

1.構図は幹でつくる

CASIO エクシリムEX-10

桜といえば花に関心がいってしまいますが安定やバランスといった基礎工事的な部分、つまり構図については幹を基準に作りましょう。

上の写真は今はもう使っていないのですがカシオのエクシリムEX-10で撮った東京の桜です。遠景に東芝などのビル群を写した夕景ですが写真の縦横比に注目してください。APS-Cやフルサイズの一眼レフと違いアスペクト比が正方形に近いです。何度も同じような事を書いてきましたが写真とはいつも画面という長方形の四角を意識しましょう。この場合、EX-10の画面アスペクト比に合わせて扇状に広がる幹を配置させました。

このように桜の写真を撮る場合、構図は幹を意識して作ってみましょうね。




2.露出でアート作品に昇華させる

EOS6 mark2

こちらは露出で魅せる桜の写真です。よく「ソメイヨシノの淡いピンクが写せない」という声を聞きます。確かにソメイヨシノのように淡いピンクはカメラ任せに撮ってしまえば桜はほとんど白になってしまいます。これはカメラが画面全体を平均的に露出を測った結果であり、花だけを見れば露出オーバーなのです。

カメラにはダイナミックレンジといって写せる明るさの範囲が限られています。最近ではHDR加工とか画像ソフトでシャドウを持ち上げたりして、その範囲をコントロールする場合もありますが、原則としてダイナミックレンジとは限りがあり人間の目で見る様子よりも狭いものです。しかし狭いからこそ「写真」なのだと私は思います。

その限られた明るさの範囲をうまく生かして桜の最も魅力的な部分に露出をつめて、最も魅力的になるよう露出で魅せるやり方がこれです。当然ですがカメラの評価測光は全く役に立たないのでマニュアル露出を使用します。

ポイントは構図にあって全体が暗いだけの写真にならないよう構図を作る事です。露出と構図は密接に関係しているのですね。

3.特徴を捉えて表現する

RICOH GR APS-C

これは出勤前に佃島や月島を散策していた時に撮った桜です。確かIHIでおなじみの石川島公園だったと思います。シトシトと雨が降る中で傘もささずにGRで撮影に没頭しました。桜の写真をアート作品として撮りたいのであれば自分が発見した「好き」を写真にすることです。そのきっかけは被写体をよく観察し捉えた特徴からヒントを得るのがコツです。

この場合は雨によって雫がついた花の様子、曇天の逆光下で光が透過していることです。この日は雨だけでなくとても寒い日でした。日本には「花冷えの候」なんて言葉がありますが風流ですよね。私、最近になってこうゆうの好きなのですが…そんな【個人的な好き】を写真にこめるのです。




それとこの写真は1グループの花をクローズアップしたのですがフレーミングにも腐心しました。画面内に最も美しく配置するには?どのアングルからどの範囲までをフレームで切るか?こういった事はドキュメンタリー写真などを除く多くの写真に共通して言えることですが被写体が最も魅力的に見えるピンポイントを模索すること、それを見つけるまで撮り切ることが大切です。

4.深度で魅せる

EOS6 mark2

奥行方向にピントが合う範囲、被写界深度で魅せる方法です。カメラの操作としては絞りを調整することですが被写界深度の調整は逆に言うとボケ具合の調整とも言えます(一般的には後者の方を意識する人が多い?)。

これも構図と密接に関係していて平面的な構成しか出来なければ絞りをいくつに設定しようが写真に大きな変化は出ません。ピントを合わせる被写体に対して前景、背景と複数のレイヤーが存在する状態を組み立てて、はじめて絞りを調整する意味が出てきます。

この場合はカメラの近くに存在している桜をフレーム内に入れ、それを絞り開放でボカすことで中央の桜が魅力的に見えるよう演出させています。深度で魅せる方法はこれはほんの一例に過ぎず他にもいろんな魅せ方が存在するので、ここが個性の見せどころと言えます。

5.個性的に表現する

EOS6 mark2

これは千葉県富津市の佐久間ダム親水公園に咲いていた神代曙という種類の桜です。花の形はソメイヨシノに似ていますがピンクが鮮やかなのが印象的でした。

別にこの写真の表現方法がどうという訳ではないのですが、多くの方がイメージする桜の写真とは全く違った雰囲気であるとお分かり頂けると思います。そんな個性的な撮り方の一例として紹介してみました。何だか雪のような美しさを秘めた桜だな…そんな風に思って私の個人的な好みでこのように撮った写真です。

RICOH GR APS-C

いかがでしたか?桜の写真を撮るぞ!となったときに多くの方が脳内に描く写真イメージはポスターや広告などに使われている商用写真を想像してしまうと思います。商用写真としての桜の写真は彩度が高く、正に「絵に書いたような」桜の風景です。このような商用写真のイメージで撮り始めれば、言うまでもなくアートではない記録的、説明的な写真になり結果平凡に陥るのです。




事前に描きたい桜の写真のイメージはアートであることを強く意識しましょう。今回ご紹介した5枚のカットはいい写真であるかは別として、少なくとも入学式やカレンダーの4月を連想するような写真ではないとお分かり頂けると思います。

ポイントは深度や露出のところでご紹介したような「限りある範囲」をうまく使って表現手法することです。そして自分の「好き」に従順に「感覚」を信じて撮り切ることです。なかなか自分だけを信じてやるのは勇気のいることかもしれません。何しろ情報が飽和していて困ったことはお手本を探してしまうのが我々現代人です。

しかし「いい写真」を目指すのであれば私はこれが好き、私の場合はこうです、という個人的な感覚を爆発させるようにシャッターを切ってくださいね。

楽しいですよ。

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上達の秘訣☆いつも撮る・何でも撮る・気軽に撮る

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回の深度のピントピークの解説があまりに難解だったので、今回は一気にハードルを下げてシンプルな内容でいってみたいと思います。

写真をやるようになって色々とやっているつもりだけど、いま一つ上達が実感できない。いつも同じような写真を撮ってしまいモチベーションも下がってきた…。こんな事でお困りではありませんか?そのお気持ちよく分かります。

上達が実感できないと遣り甲斐を感じないのは当然ですね。満開の桜の下にバイクを停めて構図を整えてパチリ…しかし帰宅してその写真をSNSにアップしたら、そのタイムラインのすぐ下に「1年前の今日」という自分の記事に全く同じような写真が出てきた。こんな事ありますよね?




ビギナーの方に一番多いと思われる上達の壁の原因は”写真を撮っていないこと”だと私は思います。週末にバイクに乗った時だけ、どこかに旅行に行った時だけ、たまには写真でも撮りに出かけるかーと出かける時だけ。こんな風に写真を撮る機会が限定されているようでは全く上達など望めません。

RICOH GR

どこかにツーリングに行って綺麗な景色を、噂の映えスポットに行って自分もインスタ映え写真を、桜が満開になったら出かけよう、流星群が来る日を狙っていこう、どれも悪いことではありませんが、そういった時だけ写真を撮るという習慣が上達を妨げる元凶です。

少なくとも上達を望むビギナーさんはもっとたくさん撮るべきです。毎日のように撮るのが理想です。「毎日はちょっと忙しすぎで無理だよー」・・・確かにそうですね。しかし仕事の日もバイクに乗れない休日でも、ちょっとした合間に日常スナップなら撮れるはずです。

対象は美しい景色や映えるか否かに拘る必要は全くありません。自分のセンサーの感度を上げて何となく琴線に触れる被写体にカメラを向けて撮って見ましょう。

RICOH GR

何でもない日常風景でいいんです。それを撮るだけで写真とはまず瞬間になることが楽しいという基本を改めて実感できると思います。

目の前の空間が一瞬で二次元の絵になること。感じたコトが写真になる感覚を途方もない反復練習によって研ぎ澄ませていくのです。




RICOH GR

本当に何でもいいんです。無理に人に見せる必要もありません。理由も不要です。この写真で何がいいたかったの?と誰かに言われるような写真を日常の中でたくさん撮ってみましょう。

その為にはスマホでも大丈夫ですが、できればポケットに入る程度のコンデジを用意して、いつでも持ち歩いて迎撃態勢を整えておきます。

RICOH GR

コツは何を撮るという発想をいちど捨てて「光のある空間」「刹那と表現できる瞬間」を自分で創作することです。最初のうちはうまくいきませんが何十枚、何百枚と撮っていけば「おやっ」と思える1枚がヒットするはずです。

その1枚を検証して自分の「好き」を認識してみましょう。誰も見向きもしない被写体や日常風景に自分の好きを確認できれば、それが貴方の個性です。

RICOH GR

何も身構える必要はありません。アナログラジオのボリュームダイアルを回すように感受性という感度を少し敏感方向に回してみましょう。それは平凡な1日を楽しくするダイアルでもあります。




RICOH GR

みんなが美しい景色や映えにこだわるなら、自分は美しくない景色や地味なものを撮ってやろう、という天邪鬼や反骨精神でもいいと思います。やっぱり人と同じことって退屈じゃないですか。

ここでご紹介した日常スナップは全て私が仕事の日に少しの合間で撮った写真です。いつもポケットにRICOH GRをしのばせて移動時間や通勤の途中で撮ったものです。何気ない日常に存在する自分だけの美や感動は他人からは見えないものばかり。それを写真にすることでアーティーな刹那として仕立て上げるのです。これが最高に楽しい!日常は実は美や感動に溢れた世界だったのか!と驚きを体験してみましょう。それが日常スナップの世界です。

こんな風に楽しみながら何でも気軽に何時でも写真を撮っていれば、この目の前の光景が写真になるとこうだ!という写真イメージ力も養えますし、28mmならこんな感じだろう、という画角の感覚も養えます。カメラで写真を撮るという行為が二足歩行やお箸を使う事のように、ほぼ無意識にできようになれば一人前だと思います。

感覚や楽しむコツを日常生活の中で毎日鍛え上げてあげれば、次のツーリングで一眼レフを持って出かけても素晴らしい写真を撮るためのベースとして機能するはずです。

騙されたと思ってやってみてください。楽しいだけでなく意外な自分の発見もあるかもしれませんよ!

今回はこの辺で!!

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確実に上達できる唯一の手段 ツーリング写真と写真上達

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、以前に「毎日100ショットスナップ」と題して毎日たくさんの写真を撮ることで、写真を楽しみ好きになり、そして確実に上達できます、というお話をしました。

その投稿からもう1年以上も経過したので、改めて現在の考えで毎日100ショットスナップについて書いてみたいと思います。

RICOH GR APS-C

長いことやっているけどなかなか上達しない…、Howto本やネットで写真について勉強してきたけど知識だけ身について上達できない…、写真教室やワークショップに通っているけど効果が実感できない…。こんな方はおられませんか?




マジメな日本人ほどあり勝ちな勉強しているとか学んでいるとか、固く考えてばかりの人々…。もしかして上達しない原因は写真を撮っていないからではありませんか?学んでばかりで写真を撮りに行く機会が少なければ当然ですが上達はしません。

せっかく写真に関心をもって良い写真が撮りたくてはじめたのに、知識だけ頭に詰め込んでも面白くありませんし上達はできません。実際に撮って撮って撮りまくる。レンズを向ける対象は日常生活の中にあるありふれた被写体で大丈夫です。とにかく撮ってみましょう。

RICOH GR APS-C

誰も見向きもしないような何でもない光景でも、写真にすれば瞬間として面白い画になるものです。そして1つでも良いから面白いなコレ、キレイかも、風情あるなといった要素があればそれを撮りましょう。この写真で私が面白いなと感じたのはビルから反射する青い光源が独特だったことです。

仕事の日も雨の日も、オートバイに乗れない休日でさえも、いつでもカメラを持って臨戦態勢を整えておくのです。

カメラはスマホでもいいですが、できればポケットに入れて苦にならない程度のコンパクトなデジカメがお勧めです。いつも持ち歩ける、あっと思ったらパッと撮る。これができるカメラです。

RICOH GR APS-C

いつも当ブログで解説しているような写真を作り込むような考え方は不要です。被写体をよく見て特長をとらえる、作品の意図を明確にし表現方法を考える、など難しい思考はスナップでは必要ないのです。スピード勝負ですので直感だけで撮ります。直感で瞬間を捉える。楽しいですよ。




とにかく毎日撮ります。いつでもカメラを持ち歩いて、すぐにパッと撮れる準備をしておくのです。通勤時間で駅まで歩いている時、仕事中の移動、市役所の帰り道、自転車置き場、会社の休憩時間にオフィスの様子でも大丈夫です。

RICOH GR APS-C

最初の頃は「いったい俺は何を撮りたかったんだ…」「あら私って変な人かしら」「ちっとも良い写真が撮れないし怪しい人みたいだ」となりますが、継続してみてください。ある日「おやっ?これは…」と感じる面白い写真が撮れるようになります。

目安は1日に100ショット。100枚の作品を生み出そうという意味ではありませんよ。あくまで精神論ですが100回のシャッターを切るつもりで1日を過ごしてみましょう。これが究極のツーリング写真が推奨する毎日100ショットスナップです。

え~~毎日100…マジで!しかし冷静に考えてみてください。フィルムカメラじゃないんですよ。デジタルカメラ主流の現代で撮り惜しみほどバカらしい事はありません。写真をはじめたばかりの初級者の方にとって、これほど効果的なトレーニング法は他にありませんし、何よりいつも写真を撮ることで写真を単なる趣味ではなくライフワークにできることで充実した日常をおくることができます。

「そんな事をいっても平日は忙しいし撮るものなんて無いよ…」いえいえ、そんな事は絶対にありません。上の写真は雨の日に仕事帰りのバスの車窓から撮った写真です。このように実際が何なのかよく分からない抽象的な作品だって、素材さえ見つける目があれば十分に平日でも写真を楽しむコトができるのです。

写真をはじめたばかりの初心者の方は目の前の光景が瞬間で二次元の画像になること、足で動くことで被写体や情景を構成できること、光や影や被写体の魅力、デザイン要素などを見つける目などが身体的に身についていないものです。

「身体的に身につける???」つまり感覚です。焦点距離80㎜で5m先にあるバイクと手前にある花、バイクの後ろにあるオブジェ、そして背景の範囲がどこまで写るか?ファインダーを覗く前に頭でイメージできますか?あるいは被写体Aと被写体Bの位置関係を広げたい場合は右に動きますか?左に動きますか?地面の割合を広くしたい場合はカメラを下げますか?高くしますか?こうった事が考えなくてもすぐ体が反応するか?が身体的に覚える部分です。




5m先にあるごみ箱に丸めた紙屑を投げ入れる場合、どれくらいの力加減で投げたら良いのか説明できませんね。それと同じような話です。

Howto本で得る知識はあくまで理論です。実は写真は身体の感覚として養う部分が意外と多く、これを無視して勉強ばかりでは足も動かないうんちくカメラマンになってしまうのです。

RICOH GR APS-C

足や感覚だけではありません。もう1つ重要なのは「目」です。写真家の目を手に入れることです。この写真はパチンコ屋さんを外の路地から撮りました。こういった面白いものを被写体の対象として見つける目です。これもたくさん経験を積んで養っていくものです。いい写真、面白いなと思えるもの、美しい光、瞬間を見逃さないアンテナ…これらは一朝一夕には成就しません。

繰り返し繰り返し撮って、たくさんの失敗写真から学び少しづつ養っていきます。

「毎日100ショットかぁ~なんだか特訓みたいでシンドイ感じ。長続きしないだろうなぁ~、俺なにをやっても三日坊主だし」いえいえ、楽しいですから長続きしないことはありません。楽しくて楽しくて仕方ないものを飽きる訳がありませんよね。

RICOH GR APS-C

ピアノでもゴルフでも、とにかく練習量が大事ですよね。そして楽しみを見いだせれば三日坊主ではなく継続できるはずです。知識も重要かもしれませんが、それと同じくらい身体的な感覚を身に着けること、いつも写真を楽しむことも大切です。

これを継続して具現化するのが究極のツーリング写真が提唱する「毎日100ショットスナップ」です。スナップ写真の一般的な定義はパッと撮って瞬間を逃さない写真。難しく考えずとにかく撮ることですよ。毎日100ショットスナップを実践していただければ半年もしないで劇的に写真が上達することをお約束いたします。

あなたも如何ですか??

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桜の写真☆個性的な桜の撮り方 東京の桜編

究極のツーリング写真 touring-photoraphy.com 読者の皆さま、今回はツーリング写真、バイク写真の解説はお休みして季節のネタとして桜の写真の撮り方を解説してみたいと思います。

この季節、日本人なら誰もが心躍る桜の開花。その美しさと日本文化の風情に心癒されますよね。桜が嫌いだなんて人はいないのではないでしょうか。そんな素晴らしい桜は日頃は写真なんてやらない人でも、ついカメラやスマホのレンズを向けたくなるものです。

有名な写真家やアマチュアの愛好家もこの季節はみなさん桜の写真撮影を楽しまれると思います。そんな日本人なら誰もが撮ると言っても過言ではない桜。しかし実際に撮ってみると桜の写真って難しいですよね。




思ったようにピンク色が表現できない、人や電線などが邪魔だ、手間をかけて撮ったけど平凡な写真になってしまった…などなど。今回は私がここ2~3日で撮った東京の桜を例に個性的な桜の撮り方の例をご紹介いたします。

RICOH GR APS-C

この写真は中央区佃の石川島公園です。石川島と言えばあのIHIのお膝元で隅田川の対岸に見える丸い屋根付きのビルがIHIビルです。都会のビルと隅田川のある景色ですね。

曇天下で撮った写真なのでまず諦めるのは青空。そして見上げるようにカメラを向けると多くの場合は露出アンダーとなります。このシーンでのポイントは露出にあって真っ白に飛んでしまう空は気にしないで桜の花が最も魅力的に見える露出設定で撮ってみましょう。曇天の光源が手伝って遠景が青っぽくなるのも偶然とはいえ悪くありませんでした。

とても露出設定のシビアなシーンで難しそうに感じるかもしれませんが、露出補正機能を1/3ステップで様々なバリエーションで撮っておきましょう。理想的だと思うカットを帰宅後に選べばOKです。




RICOH GR APS-C

こちらは特定の花を選択してアップで撮った作例です。

白っぽい花をつける少し早咲きの大島桜という種類だと思います。この桜の面白いのは緑の葉と一緒に咲くことです。ソメイヨシノなどは花が散った後に葉が出てきますが大島桜はこのように一緒になります。こういった被写体の特徴をよくとらえて、葉の存在と一緒に魅力的になるよう構図してみましょう。

光は日中のトップ光を使って真上を見上げるように撮っています。ド逆光になる訳ですが積極的に露出をコントロールすれば花びらを透過する光が美しく表現できます。この桜のようにもともと白いっぽい桜を無理に画像ソフトでピンクに調整するのはやめましょう。

RICOH GR APS-C

豊洲のタワマンの一角で撮りました。これも恐らく大島桜ですが私が選んだこの一輪組だけはかなりピンク色が出ていました。すぐ隣にソメイヨシノがあるのでそちらの花粉を受粉したのでしょうか…?専門ではないので分かりませんが。

この桜の面白いのはまるでバナナが実った状態のように桜の花が1つのグループとなってユニークな形状の塊になっていたことです。これを縦構図の画面の中央に堂々と配置して背景はF9まで絞って他の桜のボケ具合を調整しています。これも曇天下で光量に乏しいので、この露出設定で手ブレしないようISO感度を400にしています。これでシャッター1/30です。

RICOH GR APS-C

これは仕事帰りにバス停で撮った1枚です。江東区豊洲で先ほどの写真の近くです。マンションや街頭の仄かな明かりに照らされる桜を表現してみました。Lightroomで花の部分を覆い焼きしてかすみを調整しています。ポイントは手前を走りゆくタクシーの存在で静かそうな風景にスピードをトッピングしました。

このように複合的な要素をプラスしてやる事で、平凡ではない桜の風景を撮ることが可能です。それは何かないかな?と熟考し探し回ってもOKですし、偶然起こった出来事をモノにしても素晴らしいと思います。




RICOH GR APS-C

これも先ほどの桜と同じ場所ですが朝の出勤時に撮った1枚です。歩道橋の上から見下ろすハイアングルで撮ってみました。今日はあいにくの曇天でしたがフラットな写真として仕上げるぞ、と考えれば曇天でも撮り方はちゃんとあります。

Lightroomで明瞭度を下げてフォギーな雰囲気にしています。ポイントは歩く女性ですが欲を言えば赤いお洋服をお召しになられていれば最高でしたね。

桜が満開となっている素晴らしい撮影ポイントは当然ですが人がたくさんいます。じゃまだなぁと思ってしまえばそれまでですが、人がいるのも風景の一部と考えてみましょう。「桜の風景と街の人々」という写真にすれば作品として成立します。

RICOH GR APS-C

こちらは何年か前に撮った桜ですがやはり都内のタワマンの近くで撮りました。水銀灯が光源になっている珍しい撮り方です。東京の夜空は肉眼では気が付きませんが、カメラで測光するととても明るいのが分かります。この写真も東京の明るい夜空を背景に水銀灯に照らされる都会の桜として撮ってみました。

なかなか見かけない桜の写真だと自負しております。

いかがでしたか?桜の写真は多くの人が撮っているので「撮りつくされた」という意味で難しい被写体です。満開の桜を見たよ、という事実を記録しただけの写真にならないよう、少しユニークな観点で撮ってみたり、特徴を捉えて構図してみたり、桜以外のものに注目して「桜のある風景」の写真にしたりとアイデアを凝らしてみて下さいね。

わずかな期間しか咲いてくれない儚い被写体、桜の写真の撮り方でした!!!

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CASIO エクシリムEX-10

見る人に作者の人物像を想像させる写真

究極のツーリング写真 touring-photorgarpy.com 読者の皆さま、まいにち写真を撮られていますか?以前に仕事の日もバイクに乗れない休日も毎日たくさんの写真を撮りましょう、というお話をしました。

フォトジェニックではない被写体、話題の撮影スポットでなくても日常の光景を撮りまくるだけで多くの発見と出会いがあり、写真を身近にすることで見えてくる世界があります。できれば高級なものでなくて良いので、それ用にコンデジを買って常に持ち歩きジャンル問わず日常のあらゆるものを撮って撮って撮りまくる。毎日100ショットスナップなるものを、究極のツーリング写真で以前にご紹介しました。

私はもう毎日100ショットスナップを実践して3年以上は経ちますが、やはりこの練習方法はおすすめです。当初は構図やフレーミングなど撮るための技法を身に着けるトレーニングが目的でしたが、1年くらい前からそれとは違った発見がありました。それは日常の何でもない光景こそ写真を楽しむ対象が存在していて、それを自分なりに遊び感覚で撮っていると、その写真の中に自分という1人の人物像が見えかくれしているのです。

よく分からない説明ですが簡単に言うと毎日100ショットスナップで撮った写真を見返していると「俺って変な奴だなぁ~」と良くも悪くも関心するときがあるのです。そしてその写真をSNSなどで発表するときに「こんな写真見せられたら普通の人はきっと迷惑だろうなぁ」などど考えつつ、結局発表してしまう子供じみたイタズラがすごく楽しいんです。

 




 

ツーリング写真はバイク旅の魅力を表現したい、誰かに見せてバイク旅の世界を感じてもらいたい、そんなメッセージ性を込めているのでアレコレと作り込んで撮っています。しかしそういった写真では自分の内面に存在するブラックな部分は出てこないものです。毎日100ショットスナップでは何も考えず適当に撮ります。撮る対象も錆びたフェンスやドブ川や雑草だったりします。そんな物を辺りかまわず撮っていると撮影者の内面に潜んでいた悪魔的なキャラが一瞬だけ写真になるときがあるのですね。

つい数年前まで写真についてそんなコトを感じたことはありませんでした。写真は構図、フレーミング、デザイン、光、焦点距離の選択や露出、はたまたLightroomレタッチなど、あらゆる表現の手法を駆使して良い写真が撮れるのだと信じていました。

毎日100ショットスナップは写真を身近に生きることによって「自分にとって写真とはなにか」という考えも洗練されてくる感じがします。

 




 

上の写真は家族サービスで旅行中に道の駅で撮った1枚です。休憩を済ませて駐車場に戻ろうとすると空に濃い虹が現れました。私は車の運転席に座って「さあ、どうしよう」と呟きました。手元にあるのはリコーGRとiphone7です。周囲は大勢の観光客やコンビニや電線などがたくさんあって、せっかくの美しい虹を写真に収めるには苦しい条件でした。

GRはご存知のように28㎜広角単焦点です。画面に入れたくない要素がたくさんある現場では広範囲に入れてしまうので不利です。残すはiphoneです。もうアレコレ考えている暇はありません。虹はすぐに消えてしまいますから。

そこで思いついたのは虹を脇役にして抽象的な小説カットを撮ってみようとひらめきました。車からは下りずに運転席に座ったままフロントガラスの雨粒が規則的に見える部分でピントを合わし、道の駅の屋根にある風見鶏と虹を組み合わせてiphone7で撮ってみました。

撮ったときは自分でも笑ってしまいました。「いったい俺って何がしたいんだろう?」と。しかし帰宅してこの写真を見てみると不思議な感じがしました。写真作品として考えれば何がいいたいのか良く分からない、一般的な解釈としては決して良い写真なんてお世辞にも言えないのですが、とにかく何かが写っている写真だと感じました。

もしかしたら、この写真は観賞者に作者の人物像を想像させる写真なのかもしれません。私の大好きな岡本太郎さん的に表現すると、その空間で破廉恥にも爆発させた自分とでも言いましょうか。

こんな楽しい発見の連続なので皆さんも毎日100ショットスナップ、ぜひ実践してみてくださいね。

楽しいですよ。

 





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ツーリング写真の解説は…本日定休日です

本日の究極のツーリング写真 touring-photography.comはお休みです。

でも何も投稿しないのは寂しいので鳥の写真だけ…。ツーリングで望遠レンズも持っていけば、こんな写真も撮れちゃいますよぉ~!というお話だけでも。

帰宅してから気が付きましたが、この食べられちゃってるハエさん、良く見るとつがいですね。

「ああっ銀子さん!銀子さんが~」

銀子「さよなら、蠅次朗さん~私、幸せだった!」

 

みなさん、よい3連休を~!





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