最高のツーリング写真とは<上級>ツーリング写真

まだ11月なのに真冬のように寒いですね。

私は寒いのが大好きで早起きも得意なので、我ながらバイク、写真という趣味に適した体質だなぁと感じております。

さて<上級>ツーリング写真の今回の記事は画面内における良き写真としての、あらゆる要素をご紹介していきたいと思います。

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5.6-6.3DG   F5.6 1/500  ISO400

こちらの作品をご覧ください。

夕景に見えるかも知れませんが早朝の九十九里で撮影しました。間もなく日の出を迎える朝のマジックアワーです。ここに到達するまで深夜の街道を、寒さと虚無感を相手に格闘して走り続けてきました。

空がこのように明るんでくるだけで、夜明けの嬉しさ、太陽の尊さを実感します。潮風や波音を感じてとか、そんなありふれたフレーズではなく、何かこう「スピリチュアル」を感じて純粋にこの空間に感動できました。

さて写真の解説ですがまずは被写体です。海岸の監視台はよく見かけるものよりは大きく、トラス構造が印象的でした。海岸からの朝日の撮影というと、つい人工物は排除したくなりますが、このときは敢えて主題に配置しました。

というのも、この時の空には魅力的な雲が存在せず、散りばめられたような雲がピンクに焼けて、といった空は期待できませんでした。そこで思いついたのは繊細なグラデーションを出す一瞬を使って、空はあくまで背景に徹してもらう作戦でした。

空を背景にするなら被写体はバイクとライダーで良かったのですが、そういった写真は過去に何度が撮っていて少しマンネリ気味だったので、近くにあったこの監視台を選んだという訳です。

画面を印象付ける1つのポイントして「対比」があります。被写体はかなり大きいので、バイクとの対比によって、その堂々とした大きさを表現し存在感を印象付けています。また角度を慎重に選んで図形要素の観点から画面内に安定感を与えました。

そして露出。いわゆるローキーな仕上げで現場ではかなり悩みました。こういった繊細な階調が存在するシーンでは撮影時に完璧に露出を合わせておく必要があります。後でフォトレタッチで調整をしよう・・・なんて考えると深い後悔が待っているのを知っているのです。わずか1/3ステップでも弄ろうものなら、たちまちトーンジャンプが発生して繊細なグラデーションは失われてしまうのです。(もっともこの写真のようにSNSやブログ用にサイズダウンさせると、それが原因でトーンジャンプは発生してしまいますが…ブログ村などでサムネイルで表示されたりすると目も当てられない程ひどくなります)

そして地味なポイントですが電線の配置です。現場では凄く電線が邪魔で何とかならないだろうか・・・と思いましたが、主題と決めた被写体に繋がっているのですから、どうにもしようがありません。そこで画面内に電線が入っても不快に感じない配置を探りました。

今回の解説では ・対比によって大きさや存在感を伝える ・慎重に露出を選択し階調豊かな部分に気を使った ・電線のような本来は邪魔者になる要素を味方にする構図 といったお話でした。

<上級>ツーリング写真ではネタが少なく、書いている私自身も苦しいので、どうしても記事が少なめになってしまいます。いっそ<上級>ではなく<変態>にしようか悩んでるくらいです。<変態>ツーリング写真なら、かなりネタが豊富なのですが!

 



にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村

あのコンテストでグランプリを狙え<上級>ツーリング写真

旅写真<上級>の記念すべき1回目の記事です。インパクトのあるタイトルを付けさせていただきました。

そもそも上級者向けのHOWTOなんてものが世の中にあまり無いので、すごくプレッシャーを感じております。あくまで「ツーリング写真」というジャンルで括った話でございますので、偉大なるプロや写真家の方々がもし見られていましたら寛大な気持ちで見てくださいませ。

さて旅写真<上級>カテゴリーの対象となる方々は、もはや具体的にこうとは言えない極めて曖昧で混沌とした領域だと思います。単純にキャリアが何年以上という訳にもいきませんし、何かのコンテストの受賞歴といってもそれもピンとこないですからね。

ただ1つ言えるのは、ここでの解説をみて「そんなの知っています!当たり前だ」と感じる方は上級者!という事にしておきますか。

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG contemporary F8 1/640 ISO100 Lightroom

この写真をご覧ください。当ブログのギャラリーに掲載している写真で解説していきます。

写真とはデザインの要素と切っても切り離せないと感じます。私とSNSで繋がっている友人は職業がデザイナーなのですが、写真は得意ではないと言っていながら抜群に写真がうまいです。絵画にも同じことが言えますがデザインでの基本が身についていると、人の感覚にひびく数学的な要素、図形、線、色などを巧みにコントロールして作品化できるようです。

この写真で順を追って解説していきます。まずは画面内の図形要素です。富士山の形状による三角がひとつ、船とライダーとバイクを結ぶ三点が2つ目の三角です。三角は画面内で抜群に安定感をもたらします。

次に同じく図形要素で円です。まずバイクのフロントタイヤ、ライダーの腕で作られた円、LNGタンカーのタンクの円が4連。円は特定のスペース内に配置すると鑑賞者の視線が落ち着きます。

そして線の要素として曲線。岩場と海の境界となっている線が、海を内包するお椀のようにも見える曲線。伸びをしたライダーの背中の反り具合も曲線。ほぼ見えませんが富士山の宝永噴火口あたりの曲線。曲線は楽しく視線誘導するのに効果的で、鑑賞者の目を退屈にさせません。

次に色です。冬の枯れた草地の茶色から岩場のグレー色が1つのトーンになっており、上半分は海、富士山の裾付近、空とブルー系でトーンが存在します。茶系と青系の組み合わせがもたらす印象も見逃せません。

どうでしょう?デザインだけでこれだ色々な要素が詰まっています。もちろん全てが撮影者の意思でそうなったのではなく、結果的にそうであったという偶然性もあります。ただ、大切なことはファインダーを覗いているときに、それに気が付いたか???ということなんです。

デザインの要素は実は気が付かないだけで、意外とそこら中に存在します。鍛え上げられた写真家のセンサーはそれを逃さず発見し、画面内に理想的に構成していく力があるのです。

 



デザインの話だけで大分スペースを使ってしまいました…

次に本題の「あのコンテストでテッペンとろうよ」のお話。ここでは「最後のひと粘り」「最後のひとヒネリ」と私が呼んでいる手法をご紹介します。

この写真を撮ったとき、最初は船はありませんでした。その代わり近景としてもっと近くにあった砂地とその境界にあるS字の線を意識して撮ってみたのですが…シャッターを切った直後は「よしよし」と感じたのですが、撤収準備の直前にモニターを見て「何か足りないな…」と感じたのです。これを感じたときは必ず「最後のひと粘り」を実践するよう意識をしています。

↑この写真が最初に撮ったカットです。これで撤収準備をすでに始めていましたが…

時間的な猶予もあって散々練ったあげく、手前はそぎ落として船を入れてみよう。と思いつきました。幸い、ここは日本貿易の玄関である東京湾。漁場でもあり色んな船が通ります。

↑まずは漁船。船首からしぶきが出て動きが加わったのは良いですが、なんかイマイチです。バイクと船の存在感が同じくらいになってしまい、どっちつかずなのですね。

この先は「最後のひとヒネリ」!なんかユニークな要素はないか?そこで思いついたのがLNGタンカーでした。枝豆のように球体が連続して付いているタンクは他のコンテナ船やフェリーに比べてユニークな形状です。待つこと15分程度、狙い通りにLNGタンカーちゃんが登場してくれました(東京湾はかなり頻繁にLNGタンカーが通ります)。

こうして画面内の細かな部分を調整し最終的な作品になりました。

近年のコンテストではただ綺麗なだけとか、絶景でも普通に撮っただけでは入賞は難しいです。アマチュアのレベルもどんどん高くなっていて、どのようなコンテストであっても年々ハイレベル化の一途です。ひと昔前の秀作では普通すぎて通用しないのです。

今回、ご紹介したようにデザインの要素を理解した画面構成や、ちょっとしたひらめきから生まれるユニークさ、驚きなど…。作品にあなたなりの何かを加えて個性的に仕上げてください。

あのコンテストって何?って?もちろんoutrider誌のツーリング写真コンテストで年間グランプリを狙うためですよ!

 



にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村