実は簡単 近景を作った素敵構図<中級>ツーリング写真

旅写真<中級>の前回では自分の意図にあったイメージをつくり、それに基づいて絞りをコントロールしましょう、という話をしました。今回もそれに少し似た内容ですが、奥行きのある構図のお話を解説したいと思います。

 

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG F6.3 1/640 ISO100

この作品をご覧ください。今年の8月に北海道の旭川空港の南にある東神楽地区で撮影した1枚です。連日お天気が悪く北海道らしい写真がなかなか撮れない旅でした。お天気の悪いときは無理に風景全体を狙うのではなく、曇り空特有の柔らかい光源をいかして地上物に注目してみましょう。

さて、構図のお話です。写真とはモニターであれプリントであれ平面の静止画です。この平面な写真に立体感や奥行きを加えるだけで一気に魅力的になります。現場で意識すべきことはとてもシンプルです。 ・近景 ・被写体 ・遠景 の3つの要素を意識して構図を組み立ててみましょう。

あなたがその場所で写真を撮りたい!と思ってそこに立っている以上は、大抵は遠景が既に存在していると思います。なので被写体と遠景だけではかなり平凡です。そこで素敵な構図をつくる重要なポイントが近景。灯台下暗しではありませんが、風景写真といえ意識的に自分の足元や近くに近景として効果的な何かがないか探してみましょう。

近景になる良さそうな被写体を見つけたら、画面内に効果的と思われる配置になるよう試行錯誤してください。ここでも「足」をよく動かしてくださいね。

この作品の場合、手前に置いた白いお花がイメージの主役になるよう、大胆に大きな割合で取り入れてみました。この他にも近景はほんの僅かに取り入れて他の被写体を際立たせたり、4辺を囲んで額縁のような効果を出したりと、作品の作りたいイメージに合わせて、取り入れる割合を適宜調整してください。

それと前景はボケていた方が美しい写真に見えますが、必ずしもそうではないので試しに絞り込んだり、微調整したりを試してみましょうね。この写真のような構図でも例えばF22とか目一杯絞り込んで撮ったほうが逆に印象的になる、という場合もあるんです。

また映画などでよく使われる映像構図では、何かの隙間から覗いているように見せ鑑賞者に心理的な誘導を誘う手法がありますが、あれは写真に使っても面白いやり方です。鑑賞者の心理に訴える手法はまた別の機会に解説しますのでお楽しみに。



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なぜ背景をボカすのか?<中級>ツーリング写真

前回の旅写真<中級>では「○○だから△△した」の考えに基づいて、ツーリングシーンにおける絞りの微調整のお話をしました。

今回は背景をボカす場合の絞りの調整について解説します。

EOS1Dx + EF70-200mmF2.8L F2.8 1/1000 ISO100

まずは上の作例をご覧ください。

私はこのとき白樺林の美しい空間を見つけたので、これを背景に撮影に挑みました。焦点距離は200mmの望遠です。割と細い幹の白樺が高い密度で林立しているこの空間は、背景として考えると少しゴチャゴチャした印象です。

このまま背景としてバイクを置くと被写体の存在が沈んでしまいそうです。そこで被写体を引き立たせるため、背景を目一杯ボカす作戦にでました。絞り値はこのレンズの開放であるF2.8を選択。これはやりたいと思ったことが明確だったので、前回の作例のように微調整で迷うことはありません。

白樺林のゴチャゴチャ感をボカして、被写体を引き立たせた。これも「○○だから△△した」の考えです。

一眼レフカメラのユーザーにありがちな、なんでもF値を開放にしてしまい、とにかくボケ写真が大好き!という方がおられますが開放は画質的な観点でも注意を払わなくていけない部分があり(ここでは解説しませんが)、そう易々と開放を選ぶべきではありません。

そもそも背景に例えば山間いや雲の浮かぶ空など遠景がある場合、被写体にピントを合わせて開放値で背景をボカすと、ミニチュア写真のような不自然さが出てしまいます。

ボカすことに執着してしまうと、この不自然ささえ気がつかないという事態に陥いります。絞りとは撮影シーンや明るさによって、開放、微調整、絞り込む、を適宜選択する必要があるのです。

今回は特定のシーンにおける開放値の使い方をご紹介しました。

あっ、この作例のように人物を入れたシーンの撮影、ライダーの姿(今風に言うと自撮り)については、また別の機会に詳細に解説をしていきますのでお楽しみに!



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どんなシーンで絞りを微調整するのか<中級>ツーリング写真

この投稿は旅写真<中級>の一回目です。

<中級>では絞りやシャッター速度といった露出に関わる基本や、三分割構図など撮り方に関する技術が身についている方を対象に解説していきます。

もちろん初心者の方に読んでいただいても、今後のステップをイメージする上で参考になると思います。

EOS1Dx + EF100-400mmF4.5-5.6L F5.0 1/200 ISO100

この作例をご覧ください。望遠レンズを使用し距離感を圧縮させた写真ですが、前景とメイン被写体と背景の3つの要素があることに注目してください。

前景は左端にある木、メイン被写体は中央の大木とそこにあるキャンプサイトです。この場合、遠景は単なる黒っぽい背景として被写体の木に当たる光を強調させています。

念のためおさらいしておきますが、絞りとは被写界深度のコントロールであり、ピントを合わせていない部分のボケ具合の調整です。(明るさの話はここでは触れません)

この構図で作った前景となる木をどれくらいボカすのか?

私はこのとき前景の木の葉に注目しました。メインの大木よりも少し褐色の葉は美しく逆光を透過していました。被写体を際立たせるため、これを効果的に使おうと思い被写体エリアを前景のこの木で囲い込むようなフレーミングをしました。

そして葉のディティールを狙った通りのイメージにするため、絞り値を慎重に選んで撮影したのです。

F4.5では葉がボケすぎでディティールが伝わらず、F5.6ではシャープすぎてメイン被写体の木と境界が曖昧になってしまいます。結果F5.0を選択しました。

方法は簡単です。一眼レフカメラでしたらファインダーを覗きながら絞り込みボタン(CANONなら被写界深度プレビューボタン)を押してボケ具合を確認してください。最もあなたが最良と感じたボケ具合になるよう電子ダイアルを回してF値を調整するのです。絞込みボタンの無いカメラでしたら試し撮りしてモニターで確認してみましょう。

このように絞りを微調整するとは、まずは被写体の魅力をあなたの目で理解し、それに基づいて行うのです。

いかがだったでしょうか?絞りを操作すると被写界深度が調整できることは知っていても、実際のツーリング写真の現場では具体的にそれをどう使うか、結びついていない方もおられたのではないでしょうか。

写真は「○○だから△△にした」を基本に考えると良作の礎になりますよ。

 

つづく



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