コスモスとバイク写真☆露出と望遠で魅せるカメラ女子的コスモス写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、せっかくの3連休なのに東日本はまた台風直撃ですね…。9月8日に千葉県を中心に上陸した台風15号は館山市、富津市、鋸南町などを南房総を中心に大きな被害をもたらしましたが、復旧の最中にまたこの巨大な台風…とても心配です。

今回の台風19号も海水温の高い海上を通過してくるそうなので、猛烈な勢力とのことです。当該の地域の方は事前に防災準備を整えて万全を期してくださいね…。食料や水の確保、停電時のためのバッテリーや発電機の準備。そして大切なバイクも忘れに事前準備を。小排気量のバイクは強風で倒れないよう固縛を、海水を含んだ雨をあびないようカバーをしてロープで固定するなどしましょう。

特に千葉県はもともと災害の少ない地域だったのでどうしても対応が遅れがちですから。




さて今回は季節のツーリング写真について解説してみたいと思います。秋のツーリング風景では定番である紅葉も楽しめますがコスモスも綺麗ですよね。

そんなコスモスのちょっとお洒落で女子っぽい、ふんわりユル系の写真の撮り方について解説してみたいと思います。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

この写真は千葉県木更津市の武田川コスモスロードで撮りました。台風15号の影響か、例年よりもコスモスのお花が少なかったように感じます。定例のコスモス祭りも中止になったようで残念ですね。

さてコスモスの風景とバイク写真の撮り方です。女子的なんて小っ恥ずかしいタイトルではありますが、コスモスのような可憐なお花を題材に男らしいとか孤独な旅なんて雰囲気は無理がありますからね…。被写体に似合った表現を躊躇わず選択しましょう。

実際に私はこの場所に辿り着いて最初に受けた印象は「コスモスってやっぱり女の子っぽい印象だよな」ということでした。女性的なイメージって写真デザインとして落とし込むと何でしょうね?明るい、軟らかい、優しい、華やかな…といった感じでしょうか。

これは撮影現場の様子をスマホで撮った説明的写真です。これを見れば状況がよく分かると思います。まず天気です。どんより曇天で太陽の姿はありません。次にコスモスの咲いている状況ですが、ご覧のように道に沿って咲いていて限定的です。あたり一面に咲いている訳ではないのですね。それと先ほども書きましたが例年ほど沢山は咲いていません。

遠景には民家があります。茅葺や寺社などであれば引き立て役としてキャスティングしても悪くないですが、近代的な立派なお家です。なるべく画面内に入れない方がいいでしょう。川は低い位置にあり特段魅力的な要素は感じません。川沿いであることは表現する必要はないでしょう。

道が砂利ダートであることは出来れば魅せたかったですが…試行錯誤の末、うまく構成できなかったので断念し、コスモスの様子を最優先としました。




私の場合、まずユニークに魅せるポイントを練ります。普通すぎる写真にならないよう最初にいつも考えることです。この場合はバイクにあえてピントを合わせず、コスモスの魅力を被写界深度で魅せるようにしてみました。絞り込みボタンを使って上の写真の赤枠のように合焦範囲がくるようマニュアルフォーカスにしてF3.2を選択しました。

光源はどんより曇天です。曇天の光源はコントラストに乏しくフラットな写真が出来あがるのは皆さまもご存じですよね?本当なら光は欲しいですが無い物を願っても仕方がありません。フラットでふんわり写真をイメージして露出を決定します。この場合、評価測光に対して露出補正+1 1/3EVとなりました。評価測光のままだと上のスマホで撮った写真のような明るさです。

次にコスモスを魅せるための画角の選択です。コスモスは数が少なくまばらです。もっと沢山咲いているように見せたいですよね?密度を上げたい場合はどうしますか?究極のツーリング写真の熱心な読者様でしたらお分かりですよね?うです、望遠レンズで空間を圧縮しましょう。

望遠レンズを選択することでコスモスの密度を上げることに成功しただけでなく、背景の民家や関係のない物を画面外に除外することにも成功しました。ここで広角レンズを選んでしまうとコスモスの密度はさらにまばらになり、表情のない曇天の空も入ってコスモスの魅力はたちまち薄れてしまいます。

それに被写界深度で魅せるやり方は広角レンズよりも望遠レンズですよね。

 




最後にLightroomレタッチの段階で、明瞭度を下げてフォギーなイメージに、かすみを加えてハイキーさに雰囲気を与えて完成です。

かなり「撮り方」を駆使した演出派の作品になりましたが、被写体がワイルドフラワーではなく人工的なお花畑ですので、そもそもナチュラル写真として撮るシーンではないですよね。

コスモスとバイク写真の撮り方の解説でした!

今回はこの辺で!!!

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↓↓↓撮影場所↓↓↓

ローアングルから露出で魅せる☆キャンプシーンの撮り方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、増税前のお買い物は何を買いましたか?単価の安い日常品よりもカメラやレンズなど高額な物の方が8%と10%では差が出ますよね。私は何も買いませんでしたが…

ところでキヤノンからAPS-C一眼レフカメラの中級機である二けたEOSシリーズから、新製品のEOS90Dが発売されましたね。ずっとキャノンのEOSを愛用してきた私にとって、ちょっと興味があったので公式サイトをチェックしてみました。

カメラやレンズの特徴を知りたいときは、そのメーカーサイトの概要欄に大きく書かれている最初の3項目を見るといいです。EOS90Dの場合は1つ目はAF性能。光学ファインダー内による従来通りのAFとライブビュー使用時に使えるミラーレスカメラと同様のAFの両方が可能なこと。2つ目は高画質と高い描写力で3250万画素のCMOSセンサーが云々…という…これは進化している事は間違いありませんが進化させている部分が昔から変わらない…と感じました。

AFが光学ファインダー上とライブビュー時の撮像面位相差AFと、両方を選択できるのは何故でしょうね。光学ファインダー搭載の一眼レフカメラに慣れたユーザーへ、ミラーレス機主流時代への過渡期を先導してあげる橋渡し的なモデルという事でしょうか?

いずれにしても30D、40D…80Dときて今回の新製品が90Dなので、品番にもう後がありませんね。2けた中級機の一眼レフという立ち位置ではこればラストモデルなのかもしれません。光学ファインダー搭載のカメラが終わりを迎える…いよいよそんな時代が来たのですかね。




さて今回の<中級>ツーリング写真解説では私も皆さまも大好きなキャンプツーリングでのキャンプシーンの撮り方でございます。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

こちらの作品は先月に行った東北ツーリングでのひとこまです。場所は蔵王エコーラインの山形蔵王側にある蔵王坊平国設野営場です。この時、キャンプ場内でどこにテントを張るか歩いて探し回りました。そしてこの木の5本の太い幹が放射状に延びる様子がとても立派だったので、ここにテントを張ることにしました。




こういった林間のサイトは写真を撮るときに評価測光のままでは狙い通りに露出が決まりません。特に天気が良くて木々が生い茂っていると空の部分とキャンプサイトの日陰部分で明暗差が大きくなってしまい、露出を決めるのが難しくなります。

ここでワンポイント。まず最初にどのような露出で仕上げるのかをイメージしてみましょう。木々が生い茂っていて日陰が多い、しかし晴天で空は明るい、このような時は広いダイナミックレンジが要求されるのですが、カメラのその範囲は限られているのを思い出してください。

明るく爽やかな印象の写真にするか、暗くムーディーな写真にするかの2択となるのです。どちらも…といった欲張った要求や、どっちとも決められない中途半端ではダイナミックレンジに収めることが出来ず失敗写真に終わってしまいます。

この場合は前者の明るく爽やかに…を狙ってみました。その場合、捨てなければいけないレンジは明るい側で、この場合で言う青空です。青空は写らないと決まった訳ですから構図としてはその写らない部分が不自然にならないよう、木々の配置を画面内にデザインしてやります。

具体的に説明しますとカメラポジションをローアングルにして木々の葉が画面の多くを覆い、空の飛んでしまった部分は最小限になるよう構成しました。日中にローアングルとは多くの場合で逆光となりますので、美しく表現させたいポイントは光を透過する葉の様子です。これが美しく見えるように慎重に露出を決めましょうね。

もしこのシーンでアンダー側に合わせてムーディーな写真に仕立て上げるのであれば、例えばカメラをハイアングルにして地面側に差し込む光などを構図してやると良いかもしれませんね。




晴天時の林間サイトでは明暗差が大きく、露出設定が難しいシーンですがこの例のように最初に露出イメージを決めてしまう事がポイントです。その上でカメラアングルなどを調整してイメージに近づける作業へ落とし込んでみましょう。

今回はこの辺で!!

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写真は光が命と言われるのは何故か?ひとしずくの光を手に入れよう

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、このブログを読んで写真が好きになった、ご自身のツーリング写真が変わった!という方はおられますか?見ているだけの方と本当に実践していただいてる方と、割合がどの程度なのか知る術はありませんが、きっと究極のツーリング写真の解説を読んで「写真が変わった!」という方が少数でもおられることを願っております。

当ブログは間もなくサイト開設から2年になります。我ながらバイク写真に関わるネタだけで、よくここまで書いたものだな…と感心しております。当初はネタ切れがもっとも大きい不安材料でしたが、実際にやってみると日常の中で「あっこれブログに書こう」とひらめく事も多く、それをメモしてを繰り返すうちに自分の知識として蓄積されネタ切れに困ることは殆どありませんでした。

またこのような解説を日々綴ることでツーリング写真に対する想いも深まっていると感じます。不思議なものですね。




さて今回は<中級>ツーリング写真解説として光のお話をいってみたいと思います。よく写真とは光が命である…とか聞きますよね。意味は分かりますが光が大事であるという知識を具体的に自分が撮る写真としてどのように落とし込めばいいのか?この辺が最も難しいですよね。

EOS6D Mark2

まずそこにイイ光が存在している事に気が付くこと…コレが最初の段階です。人間の目はなかなか優秀なAE(自動露出)が備わっていて、その場所に目が慣れていれば明るくても眩しくなく、真っ暗闇でも何となく見えてしまうほど調整機能が優れています。

しかし、ここに落とし穴があります。




イイ光とは人間の目で合わせた明るさでは確認できない場合も多いのです。そんな時はカメラの露出補正機能を使って試し撮りの段階で少し暗めの露出で撮ってプレビューしてみましょう。多くの場合、人間の目やカメラの評価測光では確認できない光がそこに存在していると確認できるはずです。

上の作品はその典型で肉眼では特に美しい光がそこに注がれているとは思えませんでした。しかし、そこは長年の経験で「ここは良い光がありそうだな」と感じたので被写体や景色だけにとらわれず光に露出を合わせて1枚撮ってみました。特に画面の左半分くらいに空気が光っているような様子が確認できると思います。

そう、光に露出を合わせるんです。

これがなかなかのピンポイントでして、上の作品の場合はここよりもう1/3段でも露出を変えると光はこのようには写りませんでした。

少しでも露出を変えるとこの通り。全く違った雰囲気の写真に…

「う~ん、光に露出を合わせる??露出は被写体や情景が最も魅力的にみえるよう選択するものじゃないの??そう教わったはずだけど?」というアナタ。

確かにややこしい話です。露出は被写体や情景が最も魅力的に見えるよう選択するものですが、作品の主役が光であれば、その光の様子が明らかに見えるよう、露出を合わせてやるのがいいと思いませんか?

上の2枚目の作例は光の存在を意識せずに風景とバイクの両者に丁度良い(であろう)明るさの写真になるよう露出を選んで撮りました。

この2枚の写真の違いを見れば「光に露出を合わせた写真」と「被写体、景色に露出を合わせた写真」どちらが魅力的な写真であるか一目瞭然だと思います。




  ~美しい光をとらえる写真の撮り方、まとめ~

・いい光とは肉眼やカメラの評価測光では見えにくい

・露出補正を使って当初は見えなかった光を確認してみよう

・光が最も魅力的に見えるよう露出を設定し、それに合わせた構図を練ってみよう

ツーリングをしていると、こういった美しい光のある場所とよく遭遇するものです。大切なのはそれに気が付ける心の余裕と写真家の目です。「いい光は普段はよく見えない」を意識して練習することで少しづつ分かるようになると思います。

今回はこの辺で!!

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写真は引き算??いいえ、時に足し算、時に掛け算

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、9月は2回も3連休がありましたが、どちらもお天気はあまり良くなかったですね…。ツーリングには行かれましたか?

私は地元千葉が台風15号の被災地であるにも関わらず、些か不謹慎ですが東北にツーリングに行ってみました。宮城から蔵王エコーラインに入って坊平高原でキャンプ、蔵王温泉と遠刈田温泉をいただいて、白布峠から檜原湖へ移動。そこで2日目のキャンプをして最終日には磐梯吾妻スカイライン、そして土湯温泉に入って帰宅しました。

磐梯吾妻スカイラインや裏磐梯のエリアは年に1度はツーリングするのですが、蔵王は10年ぶりくらいで凄く新鮮な感じがしました。お釜はガスで視界不良でしたがエコーラインのロケーションは最高でしたね。まだ紅葉は早かったですが、逆に時期がずれていたので人が少なかったです。





さて今回の<中級>ツーリング写真解説では写真の基本と言われる「被写体に寄る」と「写真は引き算」という有名な事について、ちょっとだけ再考してみたいと思います。

EOS6D Mark2

「被写体に寄る」「写真は引き算」確かによく聞く写真の基本ですよね。前者は作品の主題を明確にするために構図の上で被写体の存在感を確かにするもの、後者も同様の意味で主題以外のものは潔くそぎ落としてメイン被写体を際立たせる考え方です。

しかし、これら両者はあくまで基本であって縛られることではありません。時に敢えてで「被写体から引く」や「写真は足し算」しても良いと思います。

上の写真はメイン被写体は白い灯台ですが、ちっとも寄っていません。逆にこれでもかと引いて小さく構成しました。たっぷりとスペースをとったことにより、逆に被写体の存在感を強調させる手法です。





このやり方は雑然とした場所では難しく、空や海などのシンプルな背景が必要となってきますが、日の丸構図を有効に使えるやり方なのでお勧めです。

この写真の場合は遠景に存在している雲の様子や右奥にある赤い灯台(赤なのがポイント)が控え目なアクセント被写体として機能してくれました。

いちど寄ってから敢えて引いてみる。引き算を終えてから少し足し算してみる。こういった被写体やスペースなどについて、各々の存在感を決まったパターンに捕らわれず撮影者の裁量でコントロールするのは大切なことだと思います。

もちろん作品の意図を明確にするため主題を明らかにするのは大切なんですけどね。その為の手法は撮影者の自由でいいんだと思います。

今回はこの辺で!!




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裏ワザ☆あまり知られていない3等分構図と奇数の法則

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、3連休ですが秋のツーリングを楽しまれていますでしょうか?

私のテリトリーである房総半島方面は先日の台風15号の影響で幹線道路は問題ありませんが、ツーリングで楽しむような山道は通行止めの区間などもあります。またお店なども営業が再開できていない店舗が多くありますのでご注意ください。




さて今回の<中級>ツーリング解説では、ちょっと珍しい構図の法則をご紹介してみたいと思います。従来、当ブログでは構図と言えば三分割構図や黄金比を応用したファイグリッド、8分割線や日の丸構図などをご紹介してきました。

それと同時に特別な理由のない限り2つの被写体や2つのエリアを2等分してしまう構図は避けましょう…という解説をしました。被写体Aと被写体Bがある場合、どちらが主題なのか存在感を明確にしましょう、2等分は作品の意図がボヤけてしまうので気を付けましょう…という解説です。

もちろん意図して2等分に撮った写真は問題ありません。例えば双子の赤ちゃんとか、水面のリフレクションでシンメトリーデザインを狙ったとか、こういった意図した2等分は大いにアリです。

今回ご紹介する構図はとても不思議な話なのですが、2個を2等分は駄目だけど3個を3等分ならイケますよ!という3つの被写体を3等分する構図【奇数の法則】のご紹介です。

EOS6D Mark2

こちらの作品をご覧ください。海岸で朝日のツーリングシーンを撮った写真です。バイクを置いてある場所は砂浜に見えますが、実際には駐車場です。強風で駐車場にも砂が堆積して境界がよく分からなくなっていました。




ここで水平線から登った赤い太陽を光源にコントラストのある印象的な写真を撮ってみようと思いました。構成している被写体はバイク、ライダー、太陽の3つです。通常、このように被写体が複数ある場合は各々の存在感を大きさ、ボケ具合、フレーミングや配置などで調整し、作品の主題へ導く構成を作るべきですが奇数の法則の場合は等分でもOKです。

この作例では3つですが5つや7つでも等分でいけます。

さらにこの作品のように3つの被写体の位置関係で三角を作れれば、デザイン上での安定を得ることも可能です。

3者で正三角形または二等辺三角形を構成すると安定が出る

2等分はダメで3等分ならなぜOKなのか?私もよくは分からないのですが、例えば三分割構図でも3等分断線で作られていますよね?基本的に人間の美的感覚として2等分より3等分、4等分より5等分といった具合に、偶数よりも奇数であれば等分が美しく感じるという事でしょうか。

バイクと船。2つを等分に構図すると、このようにたちまち陳腐な写真に。

写真の構図についてネット等で検索すると三分割構図の話は必ずヒットしますが、この3等分構図や奇数の法則についてはまず見かけないです。作るのが簡単な割にはレアな手法と言えるかもしれません。3等分構図、奇数の法則、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

今回はこの辺で!!!




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イタすぎる失敗例☆ミスから学ぶ写真術 星景ツーリング写真の場合

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回の投稿でミラーレス一眼SONY α7Ⅲの広告でバイク写真がイメージカットに使われていました!という話題を書きました。いま改めてSONYのサイトを見てみましたがSONY α7Ⅲをはじめ最新のミラーレス フルサイズ一眼レフの性能は本当に素晴らしいですね。

写真を志す人であれば多くの人が高画質、高性能は喜ばしいことと思っていると思います。しかしこの部分を少し冷静に考えてみましょう。写真は画質の観点でハイクオリティになることで何が良くなるのでしょうか?写真家や写真愛好家が欲しいのはいつの世も「いい写真」という定義なき理想です。高画質といい写真は必ずしも関係しているのでしょうか?

従来の技術では無しえなかった表現が広がるから…これは間違いないですね。こんな風に撮れたらいいのにな、という憧れが技術の進歩によって実現されるのであれば、何より喜ばしいことです。そういった方は迷わず最新のカメラを購入するべきだと思います。

高画質であることは被写体の質感を高めたり、撮影時に作者が見えていなかったものまで写っていたり、まるで本物がそこに有るかのようなリアルな写真が手に入ります。ここで言うリアルとはリアリズム写真とは意味が違っていて、本物のような写真という意味です。リアリズム写真は1950年代に有名な写真家が提唱し、それに賛同した多くのアマチュアで盛んになった文化のようなものです。

まるで本物のように撮れる…という表現手段が必要か否かを考えてみましょう。写真は正解がなく自由なもので、表現の手法は無限大だと私は思います。いい写真を実現するには追い続けるテーマや被写体への知識なども関係しています。無限大にある表現手法の1つとして「本物のような」があるわけですね。多くの人にとって喜ばしいことですが、全ての人が必ず必要な事とは思えません。

もちろんカメラは高性能なほど良いですし、画質は良いに越したことはありません。しかし写真という芸術分野で考えると、技術の進歩はもう数年前に成熟期をむかえ、過度なまでの高性能を追求している時代に突入したのかな?と考えられなくもありません。

マスコミやメディアがソレで盛り上がっていると、ついソレじゃないと駄目だみたいに感じてしまいますが、写真に対する考えをしっかり持っていれば情報に振り回されることはないと思います。カメラメーカーはカスタマーのあらゆるニーズに応えシェアを伸ばす目的で新製品を開発します。しかしあなたが憧れる写真を実現できる機能が必ずしもその新製品に備わっているとは限りません。




さて今回は<中級>ツーリング写真解説として失敗談を元に人間がミスを犯すしくみ、失敗から何をどう学ぶべきかを考えてみたいと思います。

人間はミスをおかすもの。我々バイク乗りなら誰でも理解していることですよね。「俺は事故らない」とか「私はミスをしない」では想定外を想定できない、ただの浅はかな人です。

かく言う私も当ブログで偉くもないのに偉そうに写真のことを綴っている訳ですが、つい先日に何とも情けないミスをしました。

それは館山市で撮った海岸線での天の川の撮影です。

以前に当ブログでご紹介したカットは私の大好きなレンズ、超広角単焦点のEF14mmF2.8Lで撮ったのですが、この時は天の川だけを少し引き寄せて撮ってみよう!と思いEF50mmF1.8STMを試してみることにしました。

後ろにも十分に下がれるスペースがありましたし、星景をいつもいつも14mmで撮っていてはマンネリとも言えますので。しかし、かつて私は50mmという焦点距離で星空の写真など撮った経験はありませんでした。

何も考えずにいつもの露出設定である絞りは解放、シャッターは30秒、ISO感度は1000~2000くらいで試し撮りしてみました。今になって思うとミスはこの直後からです。

試し撮りした画像をモニターでプレビューしたのは覚えているのですが、チェックが甘く「これで良いな」と思ってしまったのです。本来、星景写真であれば特定の部分を拡大させてブレなどをチェックするべきでしたが、それを怠ったのです。

結果、帰宅して撮った画像をチェックしてみると天の川を大きく撮ることに成功はしているものの、全体が不明瞭でとても採用できるカットではありませんでした。

失敗の原因は極めて単純です。拡大してみるとこのように星が軌跡を描いてしまっているのです。普段、14mmという画角で撮っている分には30秒というシャッターは何とか軌跡を描かないギリギリでしたが、それよりずっと長い50mmで30秒も開けてしまうとこの通り。




これが前回に投稿しましたEF14mmF2.8Lで撮った天の川の写真です。

シャッター速度は30秒ですが拡大して見てもこの通り、星はほとんど軌跡を描かず止まっています。

長いレンズになればシャッターもあまり開けられなくなる事は理解はしていました。しかしミスをおかした上にチェックまで甘いという二重の要因で見事な失敗写真を生んだ訳です。50mmで天の川を撮るならせいぜい5~10秒が限界なのだと思います。

天の川の露出に限らず、写真をやっているとこういったミスはちょいちょい有るものです。うっかりISO感度を戻し忘れていたとか、三脚に固定しているのに手ブレ補正機能を切り忘れたとか、被写体に自分の顔が写り込んでいたとか…。

間違いを犯す原因は幾つも考えられます。思い込み、慣れ、疲労、認識不足、準備不足、どれも事前に回避できたはずの事ばかり。いつも「いい写真」に憧れをいだき傑作を手に入れたいという情熱を絶やさずにいれば抜かりなくやるべきなのに、それが出来なかったのですね。




しかし悔しい失敗は記憶にも深く刻まれます。私はこの失敗経験をもとに二度と50㎜レンズで天の川を30秒で撮ったりはしないでしょう…。

どこかの偉い人が人間は失敗からしか学べないと言っていましたが、想像力を豊かにし意識を高めていれば事前に防げることも多いと思います。これは写真に限らずバイクの運転も、長旅もキャンプも、もちろんその他の事にも言えると思います。

そのためには自分を客観的に分析し、いかにも自分がやっちゃいそうなミスがこれから始まるシチュエーションで起こりえないか予測を立てることです。私は方向音痴がひどいので林道で何度も分岐したときは「そろそろまずいな」と思って一度止まります。現在地をロストして目的地からどんどん離れてしまうという最悪の状況を回避するためです。

自分を分析して予測を立てる。これって地味に重要かもしれませんね。

今回はこの辺で!!

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夕陽のツーリング写真とホワイトバランス

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、写真を撮られる時にカメラの記録形式はJPEGですか?それともRAWでしょうか?当ブログでは今までRAW現像やLightroomによるレタッチの解説をしてきましたが「私はRAW現像とかレタッチはやらないよ…」という方でも、いま撮っている写真をRAWで保存しておくことを強くオススメいたします。

5年後、10年後といった将来にRAWをレタッチして仕上げることを普通にやっているかもしれませんし、状態を劣化させずに保存させるという意味でもRAWは最適です。遠い将来に過去に撮ったご自身の作品(含む失敗作)を、その時の優れたレタッチによって蘇生できる可能性は大いにあるのです。

現像やレタッチを今はやらないから、という理由でJPEGだけ保存は本当におすすめしません。

以前も書きましたが全てのデジタルカメラはシャッターを切った当初はRAWです。それをカメラ内のコンピューターが瞬時に処理し、決められたレシピ(ピクチャースタイルやエフェクトも含め)で仕上げたのがJPEGです。当初RAWにあったデータの内、仕上げに使わなかった領域(暗すぎて真っ黒に見える部分や明るすぎて真っ白に見える部分)はデータ容量を軽くするために捨てているのがJPEGです。この捨てられた領域内には多くのデータが残されているにも関わらず…です。つまりJPEGはカメラのコンピューターが勝手に仕上げて勝手に大切なものを捨てているのです。




稀に作品を発表するときに「撮って出し」という言葉を使う人をお見受けします。カメラで撮ったJPEG画像そのままです、という意味が撮って出しです。しかし撮って出しは肝心な写真の仕上げをせずカメラのコンピュータに全て任せました、と言っているのと同じなのですね。「私は邪道なる画像加工などしていません」という潔白を表明しているつもりでも、実は自慢するような事ではないのですね。

いまはRAW現像やレタッチはやらないけれど…いま撮っている写真は大切です。と思っている方々はカメラの記録モードをRAW+JPEGにしてRAWはそのままDVD-Rや外付けHDDなどにバックアップ&保存しておきましょうね。

EOS30D + SIGMA14mmF2.5EXDG 2006年5月 高知県

さて今回はそんな過去に撮ったRAW画像からLightroomでサルベージしたものを使ってみたいと思います。




この写真は2006年の春に四万十川キャンプ場で撮った夕景のキャンプサイトです。ちょうどテントを張り終わった頃、焼けるような夕陽に感動を覚えました。この作品がなぜ過去のRAW保存によって現在で蘇った作品か?と言いますと、このようなシーンでは夕空に露出を合わせると地上は真っ黒に潰れてしまい、むかしのやり方ではハーフNDフィルターを使うなど、撮影時に何らかの工夫をしない限りは成しえないシチュエーションなのです。

しかし過去のストレージからこの作品を発見した私はLightroomで地上部分のみを選択し、一見して黒潰れですが確かにデータが残されているその部分の露出を持ち上げて夕刻のキャンプサイトを再現することに成功しました。

…本題から外れた話が長かったですが、今回は夕景写真とホワイトバランスのことについて書いてみたいと思います。一応おさらいをしておきますとホワイトバランスとは日本語では色温度と呼ぶもので、単位はK(ケルビン)で表記されます。

人間の目は色温度を自動で調整する機能がありますが、カメラの<オートホワイトバランス>機能は人間の目ほど優秀に機能しません。白いものを正しく白に写せるか?白を基準にするためホワイトバランスと呼ばれています。

ホワイトバランスの詳しいことはスペースの関係で割愛しますが、写真における常用的な範囲としては4000K~6000Kくらいでしょうか。数値が低いほど温かみあり赤っぽく、数値が大きいほど冷調で青っぽいです。カメラの記録モードをRAWで撮る場合は撮影時のホワイトバランスの設定はAWBでも大きな問題はありません。RAWであれば後でノーダメージで調整できるからです。しかし上級者はホワイトバランスによる作品の雰囲気と構図などの全体構成が関わっている場合、RAW記録でも撮影時にホワイトバランスをイメージに合わせて精度よく調整する場合もあります。




写真におけるホワイトバランスの考え方は2つあると思います。1つは白色を正しく白に写せるか、事実を忠実に再現させるという考え方ですね。カタログや何かの記録写真では事実の通りに写真にすることが重要なので、こちらの考え方が優先です。

一方、実際の様子を必ずしも再現しなくてよい、表現の世界ではどうでしょうか?これはホワイトバランスに関わらず、写真のあらゆることで議論される演出の問題です。見た通りに写すのが正義である、本物のような写真を撮りたい!こういった類のアンチ演出派には否定されるかもしれませんが、作者が感じた心象風景の再現という意味で、実際の様子とは異なるホワイトバランスの設定もアリな訳です。

上の作品はどちらだと思いますか?実際の夕焼けを正しく再現するようにホワイトバランスを設定したのか、はたまた実際はさほど赤く焼けていなかったけど、ホワイトバランスを下げて赤くしたのか??

正解はどちらでもありません。実際の様子があまりに派手に爆焼けしたので、そのまま写真にすると不気味とも言える発色になってしまい、それを嫌って寒色方向に調整を施したのです。

よく夕陽、夕焼けの風景をホワイトバランスの調整でさらに赤くしてしまった写真をお見受けしますが、実際の様子が真っ赤に焼けている場合に限っては、それ以上は赤くすると破壊行為に近いドキツい写真が出来上がります。

夕陽ならより赤く!と先入観で調整すると大変なことになるので気を付けましょうね。今回はこの辺で!!!

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そぎ落とす構図と<リズム>というデザイン

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、充実したバイクライフ、素晴らしいツーリング…そして素敵な写真を撮って楽しまれていますか??つい先日、写真という趣味も人によって向き不向きがあるでしょ?といった内容のご質問を受けました。

確かに向き不向きはあるかもしれません…。ずいぶん昔に同じような質問を受けたときに「景色などに感動できない人は向いていないかもしれません」と言った記憶が蘇りましたが、今になって考えるとそうは思いません。

写真や何かの芸術などに関わっている人や元々純粋な性格の人でない限り、生きている上で感受性というのは子供の時に比べて鈍っていくのが普通だと思います。いや…厳密には鈍ったり過敏になったりを繰り返しているのかもしれませんね。色々と大変な世を生き抜くには感受性などはあえて下げて「鈍感力」が要求されるような場所も存在しますよね。

しかし写真道を志そうと決意すれば、意識することで豊かな感受性を取り戻すことはできると思います。たとえ普通の夕陽をみても「あぁ、本当に美しい夕陽だな」と言葉にするだけで、感動できる心は少しづつ輝きを取り戻してくれると信じたいです。




景色などを見てなかなか感動できない人でも、写真の経験を積むことで豊かな感受性を取り戻し写真家のハートの持ち主になれると思いますよ。

さて前置きが長かったですが今回は<中級>ツーリング写真解説として作例を元に構図を作る上での<そぎ落とす構図>と<デザイン上のリズム>の2つを解説したいと思います。

まずこちらの作例をご覧ください。港で船を係留するための杭(ボラード)が幾つも連続している様子がユニークだったので、ここでR1200GSアドベンチャーを置いてツーリングシーンの写真を撮ろうと思いました。

このように自分のセンサーが何かに反応してカメラを手にした…という所まではビギナーもベテランもそう大きな違いはないと思います。ではその先で何が違うのか考えてみましょう。




まずは事実を掘り下げて被写体や情景の特徴を捉えてみましょう。そこから何故そこが気に入ったのか一度言葉にしてみます。ここでは・連続するボラード ・ボラードの赤色と車止めの黄色 といったように事実に基づいた被写体の特徴が分かります。

ここで一度、この写真に何か不要なものが写っていないか?画面の四隅などをチェックしてみましょう。背景にテトラポット、海面、そして釣りをしている親子があります。これらの要素が当初ここで写真を撮ろうと思ったこと「連続するボラードがユニーク」を魅力的にするよう機能しているでしょうか??もしそうは思えないのであれば、ここはセオリーに従って余分なものを排除すべきです。

そう、上の写真では背景に釣りをする親子を写したのではなく「写っちゃった」のではないでしょうか?こういったケースはビギナーの方のケアレスとしてよくあるパターンです。

背景や副題といった主題以外のものは全て、原則として主題を引き立てるために機能するべきと覚えましょう。それ以外の関係ないものは意図せず写っちゃった余分なものです。

では余分なものを削除して主題を明確に、かつ写真デザインの観点でボラードをさらに魅力的に、印象や視線の安定化などを意識して再構成してみましょう。

 

はい、こんな感じでございます。カメラアングルを変えただけで画面の四隅にテトラポット、海面、釣りをする親子を排除しました。これにより当初に気に入った連続するボラードの存在感がより明確になり、そして赤と黄色が交互に入る様子も色デザインとして意識してみました。

さらにカメラ位置をより右側に移動させて、連続するボラードの導線を画面に対して対角線に入れています。導線とは画面の角から入れることで、より視線誘導が効果的になるのです。

こういった同じようなものが幾つも連続する様子を写真デザインで「リズム」と呼んでいます(参考文献:ナショナルジオグラフィック プロの撮り方完全マスターより)。写真を見た人は無意識下に写真内で視線を走らせ、その様子を脳に信号を送っています。その時に視線が泳いだり安定しなかったりすると写真への興味は薄れてしまうものです。導線や図形などのデザイン要素で視線を誘導または安定させるか、今回のリズムのように視線を楽しませる要素があると、写真の骨格として期待以上の効果を発揮してくれるものです。




2枚目の写真ではR1200GSアドベンチャーが切れてしまい、これではダメじゃない??という声が聞こえてきそうですが、写真にもたせた役割として「ツーリングの魅力を伝える」という事であれば、あれはオートバイなんだな…という事が分かる程度で十分だと思います。一方でR1200GSのコミュニティーで発表するとか、R1200GSのカタログのような写真という役割であれば、これでは車種の特定も難しく不十分だと思います。確かに写真にとって「それが何なのか」を分かりやすく写すことは重要ですが、それは写真にもたせた役割によって作者が裁量しても悪くはないと思います。

余分なものをフレーム外へそぎ落とすと、写真デザインにおけるリズム、色のお話でした。

今回はこの辺で!!!

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ズームレンズ完全マスター☆焦点距離の感覚とイメージ力

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は久しぶりに<中級>ツーリング写真解説としてズームレンズの使い方と焦点距離、焦点距離のイメージ力について書いてみたいと思います。

といっても焦点距離とは何ぞや、といった固いことは抜きにしてズームレンズが上手に使えるようになるよう、焦点距離の感覚を養えるシンプルな解説を目指してみたいと思います。

まず<中級>ツーリング写真解説とはいえ、最初に簡単に焦点距離やズームレンズについておさらいをしてみたいと思います。焦点距離とはレンズの中心から結像点までの距離が何mmであるかを数値で表したものです。数値が変化することで風景がワイドになったり遠くの物を大きく写したりと倍率が変わります。1つのレンズで焦点距離を調整できるレンズをズームレンズといい、調整できず固定されているのが単焦点レンズです。

※この先の焦点距離の解説では35mm換算(フルサイズ)を前提に書いていきます。センサーサイズAPS-Cのカメラではおよそ1.5倍で考えて頂ければ結構です。例:35mm→52.5mm

人の目はおよそ50mmなので一般的に50mm付近を標準レンズとよび、それより数値の小さい24mmとか35mmというのはワイドに写せる広角レンズ、逆に数値の大きい135mmとか200mmが望遠ということです。

☆ここでワンポイント☆人の目はおよそ50mmで固定なので、例えば目の前の風景を85mmで撮ったらどんな風に写るだろう、28mmで撮ったらどんな風に写るだろう、とすぐにイメージがわかないものです。もし人間の目にもズーム機能があったら…たとえ写真のビギナーでも焦点距離の感覚は完璧に備わっているのだと想像できます。

リコー GR APS-C (焦点距離 28mm)

もちろん焦点距離の感覚などなくても、実際に1枚撮ってみれば分かる話なのですが、事前にイメージを作れることで作品の意図を表現するのに最適な焦点距離の選択ができるのです。

経験豊かな写真家は「こんなシーンは広角レンズで広がり感を出して魅せよう」とか「望遠の圧縮効果を利用して主題を少し押し出してみよう」といった具合に「こんな時はこうしよう」という撮影の引き出しを幾つも持っているのもです。

それぞれの焦点距離での特徴をよく理解し「こんな風に魅せたい」といったcaseに合わせて最適に、または裏技的に選択できれば上級者の領域と言えるかもしれません。【こんな風に魅せたい】とイメージして選択することは焦点距離に限らず露出、深度、デザインやフレーミングなどにも同様に言えると思います。




…さて本題ですが焦点距離を調整できるズーム機能は、もはや現代のカメラでは一般的な機能であり、むしろ焦点距離が固定されている単焦点は何か特別な理由があって拘って撮る人のマニアックなアイテムのようなイメージですよね。

よく聞くのは次のようなことです。・ズームレンズは便利だよ ・やはり単焦点は描写がよい この2つ、よく耳にしますね。もちろん間違いではないです。私もこれについてはある意味で同感です。

しかしツーリングでズームレンズを持っていくか、単焦点レンズを持っていくかはご自身のツーリングスタイル、ご自身が撮りたいと憧れる写真により選択することで、他人からの情報に左右されてはいけません。

EOS6D Mark2 + 望遠ズームレンズEF70-200mmF2.8LIS

ただ1つ、はっきりと言えるのは我々バイク乗りは持っていける荷物のボリュームが極めて限られており、何本ものレンズを持って行くよりはズームレンズなら1本(または2本といった少ない本数)で出かけられるので、やはりズームレンズは便利であるということです。

ズームレンズよりも単焦点レンズの方が描写がいいとか、ボケ具合が美しいとか言われるけど、そこは装備を軽量にすることを優先して妥協しちゃうのか???という疑問も聞こえてきそうです。これについては【どんな写真が撮りたいか】を事前にはっきりと決めておくことが大切です。その撮りたいイメージが単焦点レンズでないと実現できない、という事であればぜひ単焦点レンズを選択するべきです。

次にズームレンズが便利であることの意味を多くの方が勘違いしているので、それについて触れてみたいと思います。

ファインダーを見ながらズームリングを回して大きさを調整しただけの作例

ズームレンズが便利であること…それはファインダー(またはモニター)を見ながら被写体の方にレンズをむけズームリングをぐるぐると回し、大きさや範囲を調整してパチリ!これがズームレンズが便利と言われる理由…ではありません!!!大変な誤解です。

ファインダーをみながらズームリングぐるぐるは足が全く動かないまま、アングルの模索や被写体に寄るという基本までもが奪われてしまいます。上の失敗例はその典型的な写真です。

では正しい…というか当ブログが推奨しているズームレンズの使い方を解説してみたいと思います。上の写真はキャノンのズームレンズEF24-105㎜F3.5-5.6IS STMというEOS6D Mark2のズームキットに付属していたレンズです。このレンズは高級レンズであるEF24-105㎜F4Lの廉価版のようなズームレンズですが、EF24-105㎜F4Lよりも軽量であることを考えるとツーリング写真向きと言えるフルサイズ一眼レフ用ズームレンズですね。

さてこのレンズの場合、24㎜から105㎜を守備範囲としている訳ですが、この範囲内でいくつかのポイントを作り、そのポイントに縛って使ってみましょう。参考になる焦点距離のポイントは一般的に単焦点レンズとして売られている焦点距離の数値を参考にしてみます。つまり24、35、50、70、85、105とレンズにも書いてありますが、この6ポイントに縛って撮るのです。

この6ポイントを撮る直前のイメージの時点で選択するのです。6本の単焦点レンズを持っていると考えても良いと思います。

EOS6D Mark2 + 望遠ズームレンズEF70-200mmF2.8L 焦点距離200mm

海岸に続く砂の小径と波が打ち寄せる海の様子、これを愛車R1200GSと関連付ける構図を作りたい。海岸のツーリングシーンを1枚に。しかし実際のところR1200GSの位置から海までは距離がある…よし!ここは200mmで海を引っ張って砂の小径を短く圧縮しよう。 →このレンズのテレ端である焦点距離200mmを選択。

 

EOS1Dx + EF24-70mmF2.8L 焦点距離24mm

手前に咲くハマヒルガオなどの野生花に寄り、爽やかな空の解放感、キャンプサイトを日の丸に構図して写真を見る人を誘うような表現にしたい。→手前の花からの遠近感、空や野営地の解放感を表現したい →このレンズのワイド端である24㎜を選択。

この2つの例のように被写体や情景からの感動を受けて、その魅力を見出したうえで魅せたいイメージを構築し、そのイメージがどのような焦点距離なのかの決めるイメージ力です。よし!ここは〇〇だから被写体に寄って35mmでいこう、この被写体の存在感を絶対的にしたいから85mmで引っ張ろう、といった具合に表現したいことに対して焦点距離を選択するのです。




まずはイメージを作ってズームレンズのポイント縛りの中から選択をすること。つまりファインダーをのぞく前に、焦点距離は先に決めるのです。ズームレンズの縛ったポイントの中からです。

EOS6D Mark2 + SIGMA50mmF1.4ART 見る人がその場にいるような臨場感の50mm

撮る前に焦点距離を選択できるようになるには2つの要素があります。目の前に広がる空間がその焦点距離でどのような写真になるのかイメージできる感覚が1つ、2つ目はそろれぞれの焦点距離の特徴を理解することです。広角は写真の世界に誘い込むような雰囲気、標準は実際にその場にいるような臨場感、望遠は圧縮された勢いが写真から突き出てくるような迫力があります。

それと撮影者による好み、得意の焦点距離というのがあるのも知っておきましょう。私の場合は14㎜、28㎜、35㎜と言った広角が好きで、望遠は極端な望遠は好きですが中望遠や標準は勉強中であります。

EOS5D Mark2 + EF14mmF2.8L  私の大好きな超広角 14mm

撮る前のイメージで焦点距離を完璧に選択するのは、焦点距離の感覚を養った上級者の写真家脳です。そういった完成された脳を養う方法はゴルフやピアノと同じでとにかく練習して経験を積んでいくしかありません。しかし1つだけオススメの手法があります。それは自分が過去に撮ったお気に入りの写真が何ミリであったのかを覚えておくことです。

ある程度の経験を積んだ方であれば、誰しも過去に撮ったお気に入りの作品があると思います。そういったお気に入りの1枚は、その写真を撮ったとき実際の情景がどんなだったかも鮮明に記憶しているものです。であれば、そのお気に入りの1枚が例えば28mmであれば「このシーンはあの時の写真に似ている…あの時の感じで撮るなら28mmなんだな」と決められるのです。

少し脱線しましたがズームレンズの使い方に軌道修正します。お使いのズームレンズの数字が書いてあるポイントに縛る撮り方、ポイント縛り。ファインダーをのぞく前に焦点距離を決めよう、という話はご理解いただけたと思います。




次にズームレンズのもう1つの便利な使い方<画角の微調整>です。ズームレンズはせっかくの調整機能です。焦点距離の感覚が身に付いてイメージに対する選択ができるようになったら、いつまでもポイント縛りを守る必要はありません。困った時はズームリングを回して微調整をしてみましょう。

困ったとき…それはスペースを奪われて動けなくなった時です。後ろは壁でこれ以上は下がれない、写真のようにこれ以上近づいたら海に落ちる、尖った岩のてっぺんによじ登って撮っているので全く動けない。そんなときに画角が完璧ではないと感じたら、画面の四隅を慎重にチェックしながらズームリングを回して微調整しましょう。このシチュエーションに出くわすと、ズームレンズって本当に便利だなと実感するものです。

  ~ズームレンズ完璧マスター まとめ~

・ファインダーをのぞきながらズームリングぐるぐるは止めよう

・ズームレンズの調整範囲内でポイントをいくつか作って縛ってみよう

・焦点距離の選択は撮る前のイメージで決めよう

・スペースを奪われたら微調整してみよう

いかがでしたか?やれ単焦点は描写がいいとか、やれズームレンズは便利だとか情報はネット上などで溢れていますが、焦点距離や画角というのは感覚と好みの世界なので、他者の情報は役に立たたないものです。とにかく失敗から成功まで色んな写真をたくさん撮って、経験を積み、好みを知り、そういった楽しみの中から感覚を身に着けてくださいね。

今回はこの辺で!!

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難しくない☆超広角レンズで撮るツーリング写真 EF14mmF2.8L作例集

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回の投稿で愛車のカッコいい写真の撮り方を解説いたしましたが想定外にPV数が伸びまして驚いております。やはり多くのライダーはご自身の愛車をかっこよく撮るバイク写真に関心が高いのだな…と実感した次第です。

ところで前回のバイク写真のカッコいい撮り方の解説で、さりげなくライダーを登場させてオーナーと愛車の関係性を表現した写真にしてみましょう…と解説しました。ここのぜひ注目していただきたいのですが、写真とは例えば構図とか露出とか撮り方が全てだと思われがちですが、撮り方はあくまで手法であり大切なのは中身です。「あ~このバイク、オーナーに愛されているのだな」「バイクとすごす時間、素敵な人生ですね」といった具合に目では見えないことを表現できれば何よりだと思います。

これ、当たり前のようで多くの人が忘れがち(私もですが)なので意識していきたいところですね。




さて今回は当ブログ 究極のツーリング写真でたびたび登場するキャノンEF14㎜F2.8Lという超広角レンズの話題についていってみたいと思います。

EOS6D Mark2 + EF14mmF2.8L

キャノンEF14㎜F2.8L。キャノンの単焦点レンズの中でも最もワイドな超広角レンズでラグジュアリーラインのLです。とても高価なレンズですが私はこのレンズを10年以上使っているので元はもうとったかな…というくらい私のツーリング写真で活躍しているレンズです。

このレンズを購入する以前はSIGMAの14mmを使っていましたが、この超ワイドレンズで撮るツーリング写真の世界が昔から大好きで、途中で思い切ってキャノンのEF14mmF2.8Lに買い替えました。なので14㎜レンズはもう15年くらい愛用しています。

しかし一般的には広角レンズは難しいと言われ、特に14mmくらいのワイドレンズとなると画面内の何もかもを小さくトバしてしまうので尚更難しく感じるのも事実です。バイク写真の場合は強い歪みもどう処理すべきか悩ましいです。

しかし特徴を理解して正しく使えば決して難しいということはありません。注意点は歪みが強いので原則としてバイクを大きく撮らない、自分の影や足などが写らないよう注意する…といった具合に簡単なことです。




EOS6D Mark2 EF14mmF2.8L

よく聞く話ですが写真の基本は被写体に十分に寄って主題を明確にすることと言いますね。しかしこれは私が思うに28㎜から85㎜くらいの焦点距離の話だと思います。超広角や望遠レンズでは特定の被写体が対象とは限らず、その場所の雰囲気や背景を主題にすることもあるので特定の被写体を…に縛られると超広角レンズや望遠レンズの使い方が分からなくなるものです。

ツーリングシーンにおいてEF14㎜F2.8Lの出番となるシーンは主に空の表情など広がる要素があるときです。空に雲が広がって表情があるとき、あるいは砂浜に風でできた砂紋などです。

EOS6D Mark2 + EF14mmF2.8L F20 1/250 ISO100

もう1つはスペースをとにかく広くとる、逆に言うと被写体を小さくしたいときです。この作例の場合はバイク+ライダー、それから太陽を小さく写して意図的にスペースを広くとったやり方です。

この写真の場合、本来ならウロコ雲でも出てほしかったシーンですが、こればかりは願って叶いません。そこで雲ひとつ無い空に存在する繊細な階調を表現しようとスペースを大胆にも大きくとった構図にしてみました。

バイク+ライダーは超広角で撮る多くの場合で米粒構図にしてしまいますが、存在感が沈まないよう何らかの工夫をしてみましょう。この写真の場合は海面のハイライトに重ねてみました。




EF14mmF2.8L2

いかがでしたか?魚眼レンズのように強烈な歪みが出てしまう超広角レンズの世界。一般に扱いが難しいと言われますが、ツーリング写真で使う場合の例としてご参考になったでしょうか?普通14㎜なんてレンズは星景写真をやる方くらいしか持っていないと思いますが、今回の解説は24mmくらいでも同じことが言えると思いますので、ぜひご参考にして下さい。

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