ツーリング写真【極めてシンプルな7箇条】




さて今回は今年最後の投稿としてツーリング写真【極めてシンプルな7箇条】と題してツーリング写真に関わる基本的なことを書いてみたいと思います。多くはツーリング写真に限らず写真全般に言えることですが、ビギナーもベテランの方もいちど初心に戻って見て頂ければと思います。

EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3C

1.らしく撮る

被写体をその被写体らしく撮る…は写真の基本的なこととして古くから言われています。ツーリング写真に関して言えばそのバイクらしく、そのライダーらしく、北海道ツーリングであれば北海道らしく撮ることです。らしく撮るを意識するだけで今まで主題がボヤっとしていた写真が一気に魅力的になるはずです。

2.一つを明確にする

何かの被写体と一緒に撮るときに両者の存在感を意識してみましょう。どちらか一方が主役でもう一方は引き立て役。このことが誰の目にも明らかに分かるようにハッキリと差をつけるのです。やり方は大きさ、ピント位置、露出、フレームで切り落とすなど様々あります。「これがメイン」とはっきりさせることで作品の主題が明確となり、平凡な写真を卒業することができます。

3.感情にうったえる

美しい、楽しい、嬉しい、寂しい、郷愁感ある、崇高な・・・ こういった人の心の動きにうったえるような作品を作ることで、見る人の共感や感動を誘う作品を目指してみましょう。効果的なのは「人」の登場です。ライダーの姿とバイクを一緒に写すことで感情表現の幅は一気に広がります。この場合、記念写真の自撮りとは全く質の異なるものになります。あくまで見る側の心にうったえる作品作りです。

EOS1Dx + SIGMA150-600F5-6.3DG




4.余計なものを写さない

写真ビギナーはとにかく背景に無頓着なものです。都会のスナップのようにアッと思った瞬間にその刹那を作品にする写真ジャンルであれば背景にあまり気を遣う必要はありません。しかし通常であればカラフルな看板等でゴチャゴチャした背景、電柱や柵などの垂直線が多い場所、電線やガードレール、ゴミが落ちているような場所で写真を撮るのは避けましょう。自身の作品なのですから邪魔者は徹底排除するのです。

5.常にユニークさを意識する

自身の作品に変化をつけたいのであればユニークさを追求することをお勧めします。凝り固まった考えは画一化された「お上手な写真」ばかりを生み出すだけで退屈なものです。どう撮るのが正しいのか?ではなくどう撮れば面白いのか?を追求してみましょう。人に良く見せようという気持ちは一度忘れて大丈夫です。




6.瞬間を切り取ることを意識する

写真とは目の前に存在する三次元の空間、一定に流れている時間、つまり時空の様子を二次元の静止画にするものです。このごく当たり前のことを改めて強く意識することで他の芸術とは違う写真らしい芸術を目指してみましょう。あくまで元となるのは時空に存在している現実の様子であること。するとシャッターチャンスという言葉の本当の意味が実感できるはずです。

EOS6D Mark2

7.細部までクオリティを上げる

神は細部に宿る…なんていう言葉をどこかで聞いたことがあります。大衆的写真文化に埋もれてしまう写真ではなく、作品として残すべき一枚を目指すのであれば撮った写真はその場でよくチェックしましょう。ぱっと見て「大丈夫だな」ではなく拡大表示して微細なブレ、ピントの甘さ、飛んでいる小さな虫まで見逃さないよう細かく検査するのです。

実はこの7つの他にも色々あるのですが、今回は今まで解説してきたことをブラッシュアップして短めにまとめてみました。

この年末年始のお休みに、写真を撮る機会があればぜひ意識してみてください。

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被写体にぐっと寄るだけでぐっと良い写真に




早いもので師走ですね。これを書いている日は二十四節季の大雪でもあるのですが月日が経つのと季節の移ろいは儚くも早いものですね。

ところで最近の私のブームの中に「毎日掃除すること」というのがあります。掃除は毎日することで逆に楽になる、ということを最近になって知りました。たまにしか掃除しないと汚れが酷くなって雑巾はひと拭きで濯がないといけませんし、掃除機だって詰まってしまいますからね。毎日やれば汚れが酷くなることはないので楽なのですね。

玄関、洗面所、トイレ、ベランダなど全部を15分くらいで終わらせる感じでさっと拭き掃除をします。家が綺麗になるだけでなく心もスッキリして一日を気分よく過ごせるような気がするのです。

EOS6D Mark2




さて、今日もツーリング写真の撮り方についてシンプルな内容をひとつ書いてみたいと思います。上の作品は私の大好きな陸にあげられている廃船でございます。私のホームコースである南房総では漁港に立ち寄るとよく見かける光景です。

陸にあげられた船・・・なんか好きなんですよね。ちなみに同じ廃船でも海に浮かんだ状態だとやたら不気味で幽霊船のように見えるから不思議です。

さて撮り方の解説ですが上の作品のように旅先で出会った何か、船なり巨木なり岩なり何でも良いのですが特定のモノである「被写体」を撮る時。28か35mmあたりの画角を使って撮るのが一般的だと思いますが、ファインダーを覗いて構図やアングルを練るときに意識して頂きたいのが体の使い方です。

下半身をどっしり低重心として安定を作り上半身は被写体に前のめりになるよう姿勢で【ぐっと寄る】を意識してみましょう。

そのとき被写体の魅力を象徴するような部分、あるいは特徴を見つけてそれに目がけて寄るのです。イメージとしては最初に撮ろうと思って立ったポジションに対して上半身を使って40~50センチほど寄るような感じです。ズーム機能で寄せてはいけませんよ…

上の作品だと船首のカーブと質感が表現されているのがお分かり頂けると思います。普通に枠内に収めるのではなく特定の部分を狙ってぐっと寄る。これで貴方のツーリング写真がぐっと良くなるはずです。

ぜひ次回のツーリングで試してみてください。




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ツーリング写真 木の写真を撮る場合のコツ




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

少し前にアップしたこちらの作品ですがSNSで意外と好評でしたので少し解説を書いてみたいと思います。

その前に初歩的なことを少しおさらいです。そこで写真を撮ろうと思った場所では景色や被写体をよく見て、その特徴をとらえ「らしく」見えるにはどうすべきかを考える、ということを以前に書きました。できれば言語化してみると撮影作業で何をすべきか具体的になってきます。




この作品の場合は主題は大銀杏ですが言語化するのであれば「黄色く色付いた立派な大銀杏のご神木が神々しい」といった具合でしょうか。ここで言語化の中から拾えるワードは「立派な」なので、その大きさや迫力を出すにはフレーミングを考えます。木を撮ろうと思ったからと単純に枠の中に木全体を入れては立派さが伝わりません。上部などを切り取って枠に収まり切れない被写体とすることで大きさ、立派さを表現します。簡単なことですよね?

次に木の写真を撮る場合のコツというかポイントなのですが、構図を作る上で幹をしっかり意識することです。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

三分割構図にしろ日の丸構図にしろ幹をしっかりみて配置を決めるのですね。木全体に意識を奪われないように。それと地面の割合を少しだけ多めに入れることで木に安定感を与えます。目では見えませんが地面の中にまでしっかりと根をはっている様子を想像して地面の割合を決めてみましょう。

これからの季節の紅葉や春になったら桜にも使えるのでぜひ試してみてください。




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目からウロコの露出のハナシ

EOS6D Mark2




写真ビギナーの方にとって理解しにくい写真の露出…。一般的な写真文化の範疇では多くのカメラユーザーは露出はカメラにお任せしていると思います。そもそも露出とは真っ暗なカメラの中にあるセンサー(またはフィルム)に外の光をレンズを通してどれくらい取り込むか?という話です。その名の通り光に【露出】させたという意味です。

優しく言ってあげれば最終的に出来上がる写真の明るさを決めるものです。まずは求める明るさというのがあって、その上でいまソコにある光の量を測り、最終的にシャッターを開けていた時間、レンズ内の絞りという穴ポコの大きさの二者の仕事によって露出が決まります。

ここではシャッター速度と絞りの話は別の機会にするとして、最終的な写真としたい【求める明るさ】と【いまソコにある光の量】の関係について書いてみます。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG




こんな風に考えていないでしょうか?

見た通りの明るさに撮らないと・・・。

いきなり結論から言ってしまうと見た通りの明るさを求めるのは表現の幅を自ら制限しているようなものです。写真の世界には適正露出という言葉がありますが、それは製品カタログや証明写真など現実の様子を正確に伝えるための説明写真の用語です。我々が目指したい「いい写真」とは異なるジャンルのお話なのです。

撮影者が感動した情景や被写体。これらをART的に表現するにあたり、実際の明るさを正確に写真にする必要は必ずしもありません。ここは少し暗い写真にした方が自分が感じたイメージに合致するな、とか明るくふんわり仕上げて女性的な表現にしたいな、といった具合に撮る時点でのイメージに忠実に露出を決めれば良いのです。

EOS6D Mark2

ここで一つ、ポイントとなるのはダイナミックレンジ。またややこしい専門用語が…と尻込みせず是非聞いていただきたいのですが、写真にできる明るさには特定の範囲が決まっています。暗い部分から明るい部分まで、様子が写せる範囲がダイナミックレンジです。ダイナミックレンジが広いカメラとか、ダイナミックレンジを広げたレタッチ写真と言った具合に使われます。

そしてダイナミックレンジは人間の目ほど広くはなく、ごく限られた範囲であるということです。この限られた範囲を「日陰と日向があって双方に露出が合わない」と苦しむか「ダイナミックレンジの外側に写したくないものを沈めて被写体を演出した」と出来るかが良きフォトグラファーであるかの分かれ道です。

よく「見た通りに撮れない」と露出について悩む方がおられますが見た通りに撮れないのが当たり前と覚えてしまいましょう。カメラは目ではないのです。で、あればその限られた光の範囲をうまく使ってあげるのです。




EOS6 mark2

この山桜の作品は露出を桜に合わせた結果、背景が黒バックとなりました。背景の部分は荒れた草地で所々に土が露出しているような場所です。メインである桜に露出を合わせた結果、見せたくない部分をシャドウに沈め作品を演出したのです。もちろんこの様子は実際に目でみた風景よりも、ずっと暗いので撮影場所に一緒に居合わせた人にこの写真を見せれば「信じられない」と言うでしょう。

撮りたいと思った写真のイメージを描き、求める露出を決めます。次にそこにある光の量を測り、最終的に露出値を決める。マニュアル露出モードで撮りましょうという意味ではありませんが、評価測光の場合であってもカメラが最初に算出した露出に惑わされないことが大切です。どんな高性能なカメラであっても撮影者のイメージをくみとることは出来ないのです(少なくとも2021年現在)。

明暗差のあるシーンでは限られた範囲【ダイナミックレンジ】を意識して写す部分、写さない部分の選別をしてから双方の割合が変にならないよう構図を作りましょう。露出と構図はセットで考えると習得しやすいです。

その被写体が最も魅力的にみえる露出はどうか?最初にその風景で感じたものを露出で魅せるにはどうであるか?これを今目の前にある光の量と相談して露出を決めるのです。カメラのAE(自動測光機能)はあくまでCPUが測光結果を受けて算出した機械的な値でしかないのです。

【カメラを使って写真を撮る人】と【カメラに写真を撮ってもらう人】の話を以前にしましたが、露出もまた然りなのですね。

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子供でも分かる【絞り優先モード】の使い方




一眼レフカメラや上級機種のコンデジには撮影モードなるものが存在します。絞り優先、シャッター速度優先、マニュアル、Pオート・・・などがそうです。その他にも入門機にはシーン別撮影モードというのがあって風景モードとかスポーツモードなどがあるようです。

写真を撮る人はすごく大まかに言って二種あります。一つ目はカメラを使って写真を撮る人。二つ目はカメラに写真を撮ってもらう人。どちらが良いかは言わずもながですが前述のシーン別撮影モードというのは永久に【カメラに撮ってもらう人】を卒業できない悪夢の撮影モードです。

その昔、写真はキレイに撮ること自体が難しく、キレイに撮れればプロ級であると言われた時代がありました。昔はフィルムだったので撮った写真をその場で確認できませんし、フィルム代と現像代があるのですから無暗に何枚も撮っておく訳にもいきませんでした。そして何より昔のカメラは露出やピントをマニュアルで操作する以外なかったのです。

そして時代が変わり技術が進歩したことで露出が自動になり、フォーカスが自動になり、キレイに撮る事は誰でも出来るようになりました。現代ではむしろクオリティ面で問題のある写真を撮ってしまうこと自体が稀になったと言えます。

そしてフィルムからデジタルとなり…携帯電話とデジタルカメラが一緒になり、見る場面もプリントからモニターへと変わっていきました。

個人的な感想ですがフィルムからデジタルへ変貌したことは多くの人が理解しているようですが、見る側の文化がプリントからモニターに変わってしまったことに多くの人が意識が向いていないように思います。もちろん現代でもプリント作品という文化はありますが、大衆的写真文化としてはプリントの需要はかなり減少しました。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

さて今回は撮影モードの中でも多くの人が使っている【絞り優先モード】について、写真ビギナーの人でも分かりやすいように書いてみたいと思います。

絞り優先モードとはカメラを構えている撮影者の方から奥行方向にみて、ピントが合う範囲を絞り値を指定して調整できるモードです。言い換えるとピントが合っていない部分のボケ具合の調整でもあり、何れの考え方でも写真に付加したい表現、演出の手段の一つとなります。




写真に付加したい表現、演出の手段… 例えば、手前から奥までしっかりピントが合っている、背景が美しくボケて被写体を浮き立たせている、といった調整を撮影者の意図の元でコントロールするのです。

ですから目の前の風景に対して奥行方向に存在する被写体や背景などの位置関係をよく把握し、それを踏まえて幾つかのレイヤーを組み立てる意識で構図を作るのが先決となります。背景は空しかないローアングルで前景も作らず、一つの被写体だけを撮る写真であれば、絞り値をいくつに設定しようが写真に大した変化はないのです。

では具体的に絞り優先モードの使い方を書いていきたいと思います。前述した通り、絞り値をどうするか?はまずは奥行方向に被写体を置いた構図作りが先決となります。少々脱線しますが構図は被写体を物語のキャストと見立てて配置や大きさを調整すると考えてみましょう。被写体Aは手前、被写体Bはその奥、さらに背景と作れば奥行方向に3レイヤー作ったことになります。

被写体と背景だけの2レイヤーだけでも悪くはありませんが、絞り値をコントロールする楽しさを味わうのであれば、なるべくカメラ側に置いた前景を作ってみることです。わずかな絞り調整でも変化するのが良く分かるので絞りを理解するという意味でも前景作りはオススメです。

上の作品では草地に立つR1200GS+ライダー、岩場、海、LNGタンカー、富士山と大まかに5レイヤーを作った構図です。試し撮りの段階でこういった構図を作ったら次に作品の主題とピント位置を決めます。この時「作品の主題ってよく言うけど、それが難しいんだよね」という方は主題という言葉はいちど忘れて、そのシーンでの主役級のキャストは何かを考えてみましょう。そうすれば上の写真の場合であれば「富士山」と簡単に答えが出ますよね。




主題を決めてピントを合わせる対象が定まったら、マニュアルフォーカスにしてピント位置を主題に固定します。次にその他のキャストの存在感をピントのボケ具合で調整します。この先は少々高度な話になりますがピントの合う範囲(正式には被写界深度と呼びます)とは望遠の画角ほど浅くなり、広角ほど深くなる傾向があります。この辺は知識として覚えるよりも、被写界深度を意識した写真をあらゆる画角で何枚も撮って感覚で覚えてしまうのがお勧めです。

EOS1Dx + SIGMA35mmF1.4ART F13 1/25 ISO250

主役級をいかに演出して魅せてあげるか?を脇役キャストの存在感で調整するのはご理解いただけたでしょうか?

絞り値をFいくつに設定すればどうなるのか?という感覚はビギナーの方にはないので、まずはF11や明るい場所ならF18あたりで試し撮りしてみましょう。その時に選んでいる画角によって、またはカメラと被写体の位置関係によってボケ具合は変化をするので一概にFいくつならこれくらいボケると言えないのですが、数値が小さい程にボケやすく、大きくすることで奥行方向の広い範囲に焦点を合わせることができます。

そしてボケ具合、あるいは合焦している範囲をどう裁量して主題を魅せるのか?は少々薄情な言い方ですが「お好みでどうぞ」という正解のない話になります。

どう魅せるか?に正解はなく、いつでも撮影者が自分で決めること!というのをお忘れなく。

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インターバルタイマー撮影と写真セレクト




EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

今日は海の写真を撮るにあたり簡単なことを一つ書いてみたいと思います。

以前にツーリング写真においてライダーの姿を自撮りする場合、セルフタイマーではなくインターバルタイマーを活用しましょうという事を書きました。




インターバルタイマーとは任意に設定した間隔と撮影枚数で自動で撮影してくれるタイマー機能のことです。例えば5秒毎にシャッターを切って計30カット撮影したら終了となる、といった具合です。インターバルタイマーは最近のカメラでは標準で搭載されている場合が多いですが、カメラにその機能がない場合はリモコンレリーズにインターバル機能が搭載されている製品があるのでそういったリモコンを用意すれば大丈夫です。

このインターバルタイマー機能、自然なポージングで自撮りできるだけでなく単純に撮れ高がかせげるので、海岸のシーンでは波の瞬間などを捉えるのに有効です。

上の作品ではインターバルタイマー撮影により何枚ものカットを撮影した訳ですが、その中で波が最も魅力的な表情を魅せている一枚をセレクトしたのです。その他にも例えば桜吹雪が舞っているシーン、空に鳥の群れが飛んでいるシーン、降るように流れ星が見える夜空なども同様に何枚も撮る事で理想的な【瞬間の一枚】をセレクトできるものです。

せっかく動きのあるシーンなのに一枚しか撮っていなかった…という方は次の撮影からぜひ試してみてください。




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ツーリング写真 最初の一歩




四国カルスト

写真に関わる質問で多くいただくのが次のようなことです。

「見たままに写真にできないけどどうすれば良いのですか?」

シチュエーションによっては見たままに撮ることが簡単な場合もありますが、ここではいちど「見たままには撮れない、それが写真だ!」と、とりあえず覚えてしまいましょう。

そもそも写真は二次元の静止画であり現実の様子を何もかも伝えるのは難しいものです。二次元にされてしまうのですから奥行や立体感を出すには何かしらの工夫が必要ですし、静止画なのですからスピード感や瞬間も何かしらの工夫が必要とされます。

それから画面という限られた枠の範囲であったり、ダイナミックレンジという光の範囲であったり、あらゆる範囲に限りがあるものです。加えて音や香りや温度といったものはそもそも写真になりません。

このように表現できることに限りがあるからこそ写真は面白いものだ…ということを知るのが最初の一歩と言えるかもしれません。逆に言ってしまうと写らない部分をうまく利用してあげる!ということです。




では見た通りに撮るのを忘れてどうすれば良いのか?それは「写真になるときっとこうなるだろう」というイメージを作ることです。カメラを構える前に「こう撮りたい」という想像の写真を描くにあたり、これは写真にならない部分、これは写真になる部分、という選別ができるようになることです。

例えば上の作品の場合は望遠レンズを使用して道の風景を圧縮しましたが、カルスト地形特有の石灰岩の風景は潔く枠外へ排除しました。それと同時に空気中にある水分や塵といったものに光が散乱する様子が「かすみ」として強調されることをイメージの中で予め作っています。

カルストの石灰岩の風景は写真にしない、目では見えないけど空気中の塵に反射するかすみは写真にする、という選別を事前にした結果なのですね。四国カルスト特有の石灰岩の露出した風景は説明不足の写真になりましたが、四国カルストがどのような場所であるのかを説明する写真ではないのです。あくまで目指すのは心象風景としての作品です。

「きっとこう写るはずだ」という根拠となる知識や観察力を養っていくことがレベルアップの道なのです。

見た通りに撮りたい…はひとまず忘れて感じた通りに撮りたいと考えてみましょう。




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ツーリング写真の魅せ方と【ひと工夫】




魅せ方とは言ってみれば【ひと工夫】であり、そのひと工夫がどれだけ重いかを出来上がった作品で実感することが経験値と考えます。

例えば次のような撮影シーン。

夕日に照らされる港でのツーリング写真です。バイクを中央に配置してきらめく海岸と夕空を背景に撮ってみました。強烈な逆光なのでバイクはシルエットに近い状態ではありますが、背景に沈むこともないので大きな問題はありません。

しかしこれでフィニッシュとして良いでしょうか?もうひと工夫できないか再考してみます。

はい、このようにしてみました。中央に配置したバイクは三分割線に従い右へ移動。バイクを動かしたのではなくカメラポジションの移動です。これで海面のハイライトとR1200GSが重なり存在感が強調されました。

ほんとうに【ひと工夫】ですがその効果はぜんぜん違うとお分かりいただけると思います。逆に言うと手間や時間をかけることを嫌って急がされるように写真を撮っていてはいつまでも進歩がないと言えます。




EOS6D Mark2

最終的にはこのような構図を作ってみました。港によくあるようなコンクリ製の地面は白っぽいのですが、少し引いたことでアスファルトの部分が入り、これで画面を少し締めて変化を付けてみました。

ホワイトバランスは実際の様子よりもアンバーにふって夕刻の感じを強調しました。どれも少しの手間と工夫ですが、こういったことの積み重ねで最終的に納得のいくものを目指せれば良いのではと考えます。




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ほんのひと工夫で構図が激変 構図に奥行を作る方法




今回はツーリング写真の構図について簡単な内容をひとつ書いてみたいと思います。

突然ですが上の写真のような構図をどう思いますか?朝霧高原のふもとっぱらキャンプ場で撮った一枚です。キャンプ場に着いたよ!ということをSNSで上げるために撮りました。普通にスマホで撮った説明写真なので大きな問題はありませんが、この構図はあまりに平凡だと思いませんか?

富士山を日の丸構図で配置したのは基本に忠実なので安定感があって良しですが、いくつかある被写体の位置関係に注目してみましょう。この場合、R1200GS-ADVENTUREとテントという2つの被写体がありますが、この2つの位置関係は横一列に並んでいます。

この写真が平凡に見えてしまう原因はこの奥行き感の出ない被写体同士の位置関係にあるのです。

シーンが変わって本栖湖の浩庵キャンプ場ですが、このように手前にテント、その奥にR1200GS-ADVENTURE、そして遠景に富士山とくれば、被写体同士の位置関係で3レイヤーの構図を構成できて、これだけで奥行きのある構図が作れるのです。

そこで写真を撮りたいと思ったからには景色の良い場所なのですから遠景は問題なく存在していると思います。そしてそこでバイクや人物など被写体を置いて撮る時、被写体と背景で2レイヤー、ここまでは多くの人が普通にやることです。

大事なポイントはこの先で被写体とカメラの間に前景として一方の被写体を配置してあげるのです。3レイヤー以上の構図が作れれば2次元である写真に奥行きが生まれて平凡さが一気に消えるのですね。




EOS6D Mark2 + EF135mmF2

何か特別な意図があって被写体同士を横に並べたのであれば良いですが、奥行を意識できずに被写体の位置関係に意識が向かなかった…という事であれば、ぜひ次回の撮影から被写体の位置関係で奥行を作ることに挑戦してみてください。

それはバイクやテントの置き場所、撮影するポジションなどに一手間かけてあげれば簡単に出来ることです。上の作品のように幾つものレイヤーを構成できれば、たとえ望遠レンズで圧縮されてしまった写真でも奥行き感を出すことができます。

知識は撮影現場で意識して実践し、成功でも失敗でも良いので経験として積み重ね、それを繰り返して検証し【習得】へとつなげていきましょう。知っているだけでは意味がありませんからね。




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流行写真に流されないスルー力




その時代時代にあった流行の写真というのがあります。例えばフィルム時代であればポジフィルムで極彩色で魅せる写真やセピアカラーの写真、スナップであればわざと下手っぽく魅せるヘタウマ写真、ひと昔前のデジタルカメラ黎明期であればダイナミックレンジを調整したHDR写真などがそうです。

今ではInstagramなどの写真系SNSで話題になるような「映える」といった目立つ写真が流行なのでしょうか。これら流行の写真とは流行である時点で全て一般カメラユーザー間の庶民的な写真文化です。

もちろん庶民的な写真文化に染まることは決して悪いことではありません。それを否定するつもりは全くありませんが、当ブログでは以前より庶民的な写真文化の範疇では「飽き」がきてしまいます…ということを何度も書いてきました。

アート写真などと言う立派なものをイキナリ目指さなくても良いのですが、忘れたくないのは「写真はせっかくやるのなら個人の表現を楽しもう!」ということです。




個人の表現、私の場合はこうですという個性的な作品を生み出してこそ写真甲斐があるものです。しかし、どうしても情報が溢れかえっている現代社会では個人の表現を妨げてしまう雑音が多いものです。特にSNSをやっている人は写真関連のコミュニティに参加するほど、タイムラインに日々たくさんの写真を目にするようになります。

それらSNSなどで流行となる写真の多くは【目立つ写真】【立派な写真】が多く大変インパクトがあります。見方によっては多くのカメラユーザーはいま、目立つ写真や立派な写真で競い合っているかのようです。

こういった風潮を見てぜひ気を付けたいポイントは「自分もそういった写真を撮らねば」と思わないことです。もちろん撮っても良いのですが、それは前述した通り流行写真の仲間入りとなってしまうので飽きやマンネリが待っているのです。SNSなどで目立つ写真、立派な写真を見かけたら「これはこれは立派な写真でございますね」と軽くスルーする力を身に付けましょう。

私たち勤勉な日本人は皆がそうしていると合わせないといけない…と感じてしまう同調精神が根付いています。これはコロナ渦において人々のマスク装着率が諸外国よりも高いことからも分かります。近年では日本人のこの同調精神が必ずしも良いとは言えない、という考えも徐々に見受けるようになりましたが、それでもまだまだ日本人は「みなと同じ精神」なのです。私の個人的な意見としては少なくとも写真を楽しむうえでは皆に合わせる必要はないのでしょうか?と思います。

皆さまは写真を楽しむにあたって流行の写真を追うのと個性的な写真を生み出すのと、どちらを選びますか?もちろんどちらを選ぶのも自由なのですけど。




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