ライダーの選ぶべきカメラ☆タイプ別 厳選7種

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は久しぶりにバイク写真、ツーリング写真に適したカメラの選び方について書いてみたいと思います。

よく写真界の権威のような方が「カメラなんて何でもよい」といったことを書かれているのを見かけます。確かにいい写真を撮るのは「人」であり、最新のカメラや高級なレンズなどは必ずしも必要とは言えません。にも拘わらず多くの人の関心の対象は最新のカメラやレンズなのは今も昔もあまり変わりませんね。

「カメラなんて何でもよい」はカメラにこだわり過ぎている「カメラユーザー」に関心の対象を写真という芸術に導くのに分かりやす言葉だと思います。しかし私は「何でもよい」はちょっと言い過ぎではないかな…と感じます。

例えば15~20年前に売れに売れたデジカメ黎明期の普及モデルを今でも愛用している、という方はそろそろ買い替えた方が良いと思います。

今回はこの投稿を何年後に見ても良いようになるべく具体的な機種は書かずに大まかにカメラの特徴、機能でご紹介してみたいと思います。

1.ツーリングの記録、愛車写真がメインの人

ツーリングに行ったらここだ!と思った場所でスナップ的にパチリと撮る。あるいはお気に入りの愛車と記念写真。こんな感じでライトに使う人には気軽に使えるコンデジも良いですが、最近では何といってもスマホのカメラ機能が良くなっているのでスマホがお勧めです。

最近の機種は深度のコントロール(光学的ではないようですが)や夜景の撮影なんかも耐えられる性能で進化しています。新しいモデルであるほどカメラ機能は充実しているようですので冒頭の話と少々矛盾しますがスマホ一本でいく人はなるべく新しい機種が良いと思います。

スマホで写真をやる最大の強みは何といってもいつでも必ず持ち歩いていること。これに尽きます!何十年も前から写真界で有名なコダック社 【よい写真を撮るための10のヒント】というのがあるのですが、その1番目に「いつでもカメラを持ち歩く」とうのがあります。いつも持ち歩いているという意味でスマホは最強です。

逆にスマホでは出来ない事、苦手なことは太陽が画面内に入るような逆光、夜景や星空などの暗いシーン、望遠の画角、ピント位置や被写界深度を精度よくコントロールすること…などが挙げられます。

ツーリング先で気軽に愛車とパチリと撮りたい人は荷物にもならない、その場でSNSにアップできるスマホがいいですね。




2.ツーリング風景をSNSでカッコよくアップしたい人

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

ツーリング先で出会った風景、感動した被写体と愛車を合わせて撮りたい人。ツーリング写真を撮りたい人はマニュアル露出機能のあるコンデジ中級機がお勧めです。価格5万円前後のニコンならCOOL PIXシリーズ、キャノンPowerShot、SONY RX100シリーズなどです。

ミニ三脚と一緒にボディーバッグに入れてツーリングに行ってみましょう。バイクはローアングルで撮るとカッコいいので、ファインダーが覗けないほど低くするときに重宝するバリアングルモニター(またはチルトモニター)搭載モデルがお勧めです。

絞り優先モードで積極的に露出補正を使いこなしてカッコいい写真を撮りましょう。

3.バイク写真だけでなく他の様々な用途にも使いたい人

ツーリング先でブログ用の記念写真や美しいツーリング写真を撮るだけに限らず、お子さんやペットの写真、お花や鉄道など様々な写真を1台のカメラで撮りたい人はデジタル一眼レフカメラがお勧めです。

一眼レフはレンズを交換することで様々なシーンに対応します。コンデジに比べてAF追従性能や連写性能も優れているので運動会やスポーツシーンでもシャッターチャンスをものにできます。

揃えるべきレンズは広角側はズームレンズ、標準の50mmは解放の明るい単焦点レンズ、望遠レンズは予算に応じてズームレンズをチョイスすると良いと思います。

SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

4.画質優先、納得の「いい写真」をツーリングで撮りたい人

車種がSSの人や林道走行をする人は持っていける荷物に限りがあると思います。そんな方はコンデジの上位機種(APS-Cセンサー搭載など)がお勧めです。定価10万円前後くらいで大型センサーを搭載したコンデジが各社から売られていると思います。

ある程度の荷物が持っていける人はレンズが交換できる一眼レフまたはミラーレス一眼がお勧めです。標準ズームレンズに加えてもう1本、お気に入りの画角用に開放の明るいレンズを加えてみましょう。

三脚はアルミ製かカーボン製のトラベラー三脚がお勧めです。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG




5.荷物が増えてでも「作品」と呼べる1枚を撮りたい人

この辺から本格的に写真をやる人の領域です。例えば蛍が飛び交う夜の森でバイク写真を撮りたい、燃えるような夕陽を背景にツーリングのワンシーンを切り取る、夜空に輝く天の川銀河とバイク、といった具合に普通の人では技術面でも労力面でも届かないような写真を撮る人、またはそれを目指したい人は35mmフルサイズセンサーを搭載した一眼レフがお勧めです。

EOS6D mark + SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG  F5 30SEC ISO3200

一眼レフは現在では従来の光学ファインダー搭載からミラーレスEVFファインダーへと切り替わりつつあります。これから揃える人はミラーレスを選ばれる人が多いかもしれませんが、バイク写真をやる上では両者に大きな違いはでません。むしろキャンプツーリングで旅をされる方にとって、バッテリーの持続が悪いミラーレスは不便と言えます(キャンプでの長旅では充電の問題は悩ましいですからね)。

三脚はカメラボディ+レンズの重量に対応したものを用意する必要があります。その大きな三脚をバイクにどう積載するかは悩ましい問題です。私の場合は こちら でご紹介しております。

6.ツーリング写真で写真をレベルアップしたい人

レベルアップしたい人に強くお勧めしたいのは画角が単焦点であることです。ズーム機能を使わないで写真をやっていると画角の感覚が養えますし、構図を作るための足もよく動くようになります。

一眼レフであれば24mm、35mm、50mm、85mm、135mm、200mmあたりからお好み(または得意な)画角から2、3本選んでみましょう。ちなみに私の場合は35mmが大好きです。

EOS6D mark2 + EF35mmF2 IS

単焦点レンズは描写が優れているだけでなく、構造が単純なので内部にチリが混入しにくく、レンズ構成もシンプルなので軽量なものが多いです

得意な画角はどんどん磨いて個性的な写真が撮れるよう進化しましょう。

7.荷物は最小限、でもスマホでは不満な人

一眼レフカメラに交換用レンズを何本も…または重い望遠ズームレンズとか…いい写真が撮れるのは分かるけど、そんな荷物はとても持って行けない。そんな人はミラーレス一眼レフにレンズ一本でいってみましょう。FUJIのXシリーズや予算のある人はSONY α7シリーズ、キャノンEOS5DやEOS6Dなどに好きな(得意な)画角をカバーしたレンズ一本です。選ぶ一本は当然ですが軽量コンパクトなものを選びます。お勧めは通称パンケーキレンズと呼ばれる薄型の単焦点レンズです。

またはAPS-Cやフルサイズセンサーを搭載した高級コンデジもお勧めです。やはり高価なモデルは光学系も優秀なので逆光時に不自然なフレアやゴーストも抑えられていますし、収差と呼ばれる現象も少ないです。

この場合もミニ三脚や軽量なトラベラー三脚で対応できるのが大きなメリットですね。

いかがでしたか?あまり具体的な機種名を書かずに解説してみましたが、カメラ選びはバイク選びと同じで、自分が欲しい!と直観的に感じたものを買うのが正解というのもあります。気に入って買ったカメラであれば少々荷物でも臆せず持っていける意欲が沸いてくると思います。




あまりネットの情報などに振り回されず、シンプルに自分が気に入ったカメラや持ってみて手にしっくりくるカメラが正解だったりします。

大型の量販店に行くと実機を手に取って見ることができます。重量やサイズ感を確認できるのでぜひ一度、実物に触れて検討してみてください。シャープなラインがカッコイイと思たけど触れてみたら肌触りが痛いとか、写真ではイマイチだったけど実物はカッコよかった!なんてこともあります。

それと走行シーンを撮りたい人は一眼レフに200mmくらいの望遠レンズが良いと思います。シャッター速度優先モードで流し撮りを決めましょう!

ちなみに私は20年ちかくキャノンの一眼レフユーザーでして、現在ではEOS6D Mark2とRICOH GRを愛用しています。EOS6D Mark2を選んでいる理由は光学ファインダーを搭載した一眼レフが好きなこと、ハイ&ローアングルが多いのでバリアングルモニターが欲しいこと、の2つが理由です。フルサイズセンサーの光学ファインダー一眼レフでバリアングルモニターっていうのはEOS6D Mark2くらいなんです。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

では、今回はこの辺で!!

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レンズフィルターは必要なのか?

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、夏休みのツーリングの計画は立てられましたか?今の状況ですとツーリングに出かけるときもお店や宿に入ったとき用にマスクを持って行った方がいいですね。コロナ時代の新しいバイク旅のスタイル…?といってもバイクに乗ること自体は密ではないので、立ち寄りスポットや宿泊をどうするかが変わってくる所でしょうか。

私の場合は以前よりソロツーリング派。宿泊はキャンプ、人の多い観光スポットは避けていたので、ほとんど変わりないと思いますが…。

さて今回はカメラ、レンズの話題に触れてみたいと思います。つい先日、知人から「フィルターは色々と揃えるものですか?」という質問をいただきました。レンズに装着するフィルターは様々な種類が存在しますが私の場合は2種類しか使っておりません。




かつて数多くの種類があったフィルター。デジタル写真が主流である現在、その多くは無用の長物となってしまい、今生き残っているフィルターはC-PL、ND、プロテクトの3種類くらいでしょうか。夕景をマゼンタにするトワイライトフィルターや色を調整するエンハンサーなどはカメラの設定やカメラを買った時に付属しいてるソフトで調整できてしまうので今はもう使っている人は少ないと思います。

夜景の光を線状にして交差させるクロスフィルターなんて物もありましたが最近はめっきり見かけなくなりました。かつての流行だったのでしょうね。

NDフィルターとはサングラスのように減光させるフィルターですが明るい場所でスローシャッターが欲しい時、絞り込みだけでは不十分な時に役立つものです。ツーリング写真ではあまり出番がないと思います。

私の使っているフィルターの1つはC-PLフィルター。偏光フィルターとも呼びますがガラス面を写す時に反射を押さえたり晴天時のギラつきを軽減したりします。釣りをする人が使う偏光サングラスと同じです。C-PLのCとは回転することを意味していて回転させると偏光の度合いが調整できるのです。空や海をより鮮やかな青にできるので風景写真家がよく使うフィルターでもあります。

C-PLフィルターは私の場合はほとんど出番がないのですが虹が鮮やかに写るという意味でいつも持ち歩いてはいます。しかし実際に虹のシーンで試した経験はないです。露出も2段程度は暗くなってしまうため風景の場合であっても通常は使用しておりません。

もう1つはプロテクトフィルターといってレンズの前玉を万一の衝撃から保護するものです。出来上がる写真とは直接関係なくバイクに例えるとスライダーやクラッシュバーのような役割を持ったものです。

プロテクトフィルター、付けていて本当に良かったです

実はかつてプロテクトフィルターが見事に役に立ったことがありました。氷点下の撮影現場で長時間にわたり撮っていたときです。レンズを交換しようとバッグからEF-24-70mmF2.8L(高い!)を取り出したとき、かじかんだ手が言う事をきかず手からレンズが滑り落ちてガチャン!となりました。非常に嫌な音がしましたが音の正体はプロテクトフィルターのガラス面が割れた音であり、肝心なレンズはほぼノーダメージだったのです。




衝撃は壊れることで吸収されるのものですがフィルターが割れることでエネルギーは吸収されて大切な物は守られるのですね。

よく似た話ですがレンズフードでも同じようなことがありました。これは割と最近の出来事なのですが望遠ズームレンズEF70-200mmF2.8L(これも高い!)を装着して三脚に固定していた時です。風の強い状況だったのであまりカメラポジションを高くしたくなかったのですが、地面に咲く花を逆光でとらえたいシーンだったので強風を加味しつつ可能な範囲でハイポジションにセットしました。

しかし予想しない突風が吹いてしまいあえなく「ガチャン」と、やはり嫌な音を立てて倒れてしまいました。しかしダメージはレンズフードが割れただけで、先ほどの話と同様にレンズ本体はほぼノーダメージで済みました。

フードならいくらもしませんし純正ではない物であれば通販で激安で売っています。レンズが割れたときの修理代を考えたら安いものです。

レンズフードは着脱が面倒ですが原則として必ず装着しています。フレアやゴーストの軽減だけでなく、このような不測の事態に大切なレンズを守ってくれる役割があるからです。




 まとめ

・デジタル写真が主流の現在ではフィルターの役割は減った

・プロテクトフィルターは万一に備えて装着しましょう

・C-PLフィルターは露出で2段程度暗くなるが空や海を鮮やかに撮りたい場合に有効

・NDフィルターは明るい場所でスローシャッターが欲しい時に使う

・色を変えるためのフィルターはデジタル写真には不必要と言える

今回はこの辺で!!

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バカ売れしている噂のカメラ SIGMA fpを見てきた感想

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、当ブログはバイク写真&ツーリング写真をARTとして表現するためのあらゆることを綴ったバイク写真ブログですが、今回はカメラの話題を書いてみたいと思います。

日本は世界的に見て優秀なカメラメーカーがいくつも存在するカメラ先進国であることは皆さまもご存じですよね。もうだいぶ昔からそのような地位を確立している日本。しかし近年ではカメラの売れ行きはひと昔前ほど活況ではなく、いくつかのメーカーは統合を強いられて業態を変えてきました。

日本最古の光学機メーカーであるコニカと2番目に古いミノルタは統合されてコニカミノルタへ。そして2006年にはカメラ事業から撤退してαマウントなどのノウハウをSONYへ譲渡。そして2011年にはRICOHがPENTAXを買収。デジタルカメラが生まれて活況した90年代はSANYOやCASIOなど光学機器メーカーではないメーカーもカメラを作っていましたがSANYOは2009年にパナソニックの子会社となりブランドは事実上消滅、CASIOは2018年にデジタルカメラ事業から撤退。そして先日の衝撃的なニュースはOlympusがカメラ、映像事業を投資会社に譲渡してしまうとの事でした。

そんな過渡期を揺らぐことなく乗り越えたのが業界の二強であるNikonとCanonですが、昨年の某大手量販店の売り上げランキング10の中にNikonとCanonの製品が1つもランクインしないという珍事が発生しました。そして1位に君臨していたのはサードパティーレンズメーカーの印象が強いSIGMAのfpというカメラだったのです。

SIGMA fp  このオプションのグリップは斬新。

新しいカメラに関心のない私ですが大好きなSIGMAが1位になったとあれば何となく気になります。なぜそんなにSIGMA fp はバカ売れしているのでしょうか?




このカメラはフルサイズセンサーを搭載したレンズ交換式のミラーレスカメラです。潔くファインダーやストロボを排してシンプルな四角い筐体はとにかく小さい。こんなに小さいと150-600㎜といった望遠レンズを装着したらカメラがオマケみたいに見えます。

SIGMAのカメラと聞くと真っ先にイメージに浮かぶのはFoveonセンサーという超高性能なイメージセンサーですがSIGMA fpは通常のベイヤー配列のセンサーが採用されています。これについてはSIGMAの方では2020年中に発売の予定ではあったが諸々の事情で製品化が遅れてしまうとのことです。いつか登場するのは間違いないようですね。

そしてレンズマウントはLマウントといってライカ社と互換するマウントを搭載しています。Lマウントは現在のところライカ、パナソニック、SIGMAで共有しミラーレスカメラ市場を戦っていく方針のようです。SIGMA fp にライカのオールドレンズとか付けたら面白そうですね。

WEBカメラ、ジンバル、ドローンなど多彩な用途を想定

このSIGMA fpというカメラを一言で言うと拡張性の高いカメラとなるようです。例えば今が旬なリモートワーク、WEB会議、オンライン飲み会といったWEBカメラとして使用できること。WEBカメラにシネマクラスの動画クオリティーが果たしているのか?という疑問が出てくるのは想像力が足りません。そういう使い方がこれからの時代は出てくるのだ…という事ですね。

それからジンバルに装着して動画撮影、ドローンを使って空撮、他にもたくさんありますが高い拡張性を生かして撮影の幅を広げていくことができるカメラなのだそうです。

ボディだけで見るとコンデジ級に小さく、それでいて高画質なフルサイズセンサー。カメラの心臓部分だけをレンズにくっつけて、後は必要なものは使う人が色々工夫してくださいね。そんな感じでしょうか。そして何も要らない人には恐ろしく小さいフルサイズカメラとなるのですね。

お店で実機を見る機会があったのじっくり見てきました。やっぱりかなり小さいですね。この標準レンズを付けた状態では似たようなカメラも他にあるよな…などと感じますが、これでフルサイズ機、ライカLマウントと聞けば「むむ!」と思ってしまいます。




シャッターボタン等の操作系はかなり使いやすいです。以前にSONY RX100というコンデジを愛用していましたが、私の場合は手が大きいのでRX100の小さすぎる操作ダイアルがストレスでした。しかしSIGMA fp にはそのようなストレスは感じません。

モニターの裏に溝のようなものが見えますが放熱のためのヒートシンクだそうです。一瞬、バリアングルモニターなのかな?と思いましたがモニターは固定式です。

手に持っているだけで新しい表現の世界を予感する…そんなカメラです。

カメラとはカタログの最初に書いてある概要欄でその主たるコンセプトが分かります。SIGMA fp の場合は拡張性だけでなく「ポケッタブル・フルフレーム」とありますので、やはりフルサイズ機がこの小ささに収まっていることはSIGMA fp の幹となるコンセプトの1つなのでしょう。

多彩なアクセサリーをつければあらゆる用途に対応し、それらを外せば驚異的にコンパクトになる。コンパクトであることはいつでも気軽に持ち歩ける訳で、これが撮る側にとってどれだけ奥深く大切なことか…ベテランほどよく理解していると思います。




数年に一度くらいですが自分が持っている撮影機材のボリュームに嫌気がさすときがあります。重い望遠ズームレンズ、一眼レフボディ、その重さに対応した三脚。決して写真が嫌になった訳ではなく以前と変わらず「いい写真が撮りたい」と願っているにも関わらず…です。

この理由は何となく分かります。私の場合は写真と旅はセットになっていて【旅は身軽】が基本ですから重い撮影機材は良い旅の足かせになるのですね。まあ、以前から分かってはいるのですが例えば道を超望遠で圧縮したり、コクピット風景を両腕が画面内に入るよう超広角で撮ったりと、撮りたい写真の範囲が広いので仕方がないのですが。

これはRICOH GRで撮りました。

芸術作品を生み出す作家になるときも、ちょっとした記録や記念を撮る時も、仕事やプライベートでWEBカメラとして使っても、動画と静止画という垣根も下げて多彩にビジュアルアートを作っていく楽しみ。それが1つのカメラで出来るなんていいですね。

我々バイク乗りにとってツーリングで持っていける撮影機材の質量は限られている…という事は究極のツーリング写真で何度も触れてきましたが、SIGMA fp はこの軽量コンパクトさでフルサイズと高い描写性能が実現される訳です。当然、カメラが軽量コンパクトであれば、それを乗せる三脚だって軽量なトラベラータイプでも問題なく使える訳です。

SIGMA fp …これからバイク写真、ツーリング写真において本格的に写真をはじめてみたいなとお考えの方にお勧めできるカメラと言えそうです。私ですか?確かにこのSIGMA fp は魅力ですがもうしばらくしてFoveonセンサー搭載のモデルが登場し、その後に中古市場が落ちついたら検討したいと思います。まだまだ先の話ですけどね。

それに今でも光学ファインダーを搭載したカメラが好きですので。

今回はこの辺で!!

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はじめての一眼レフ☆レンズの選び方(後編)

前回よりツーリング写真に使う「はじめての一眼レフ レンズ選び」と題して一眼レフ用のレンズの選び方を解説しております。

前回の投稿はこちら

低倍率ズームか高倍率ズームか

ズームレンズを選ぶ場合、その守備範囲としている焦点距離をどこまでとするかが悩みどころですね。例えば16-35㎜といったら広角ズームレンズ、24-70㎜といった標準ズームレンズ、70-200㎜といったら望遠ズームレンズです。そして範囲が24-35㎜といった具合に狭い場合は低倍率ズームレンズ、18-400㎜といった具合に範囲が広ければ高倍率ズームレンズといいます。

風景主体のツーリング写真は広角レンズ

我々バイク乗りは持っていける機材ボリュームに限りがあります。何本も交換レンズを持っていったり重い望遠ズームレンズを持って行くのはかなり厳しいですよね。

そこで真っ先に気になるのが高倍率ズームレンズです。ワイドから望遠まで広い範囲をカバーでき高倍率ズームがあれば何本もレンズを持って行く必要がありません。レンズを交換する手間もありませんし比較的コンパクトで価格も安いときました。まさに良いことずくめですがそんな都合の良い話があるのでしょうか?




高倍率ズームレンズは望遠側の描写に弱点があり解放F値も暗いためビギナーの方が使えば容易にシャッター速度が落ちて手ブレ写真を生んだり、安易に超望遠側を使ってクオリティ面で問題が発生することが予想されます。また一眼レフらしいボケ具合も期待したほど得られないというのもあります。

高倍率ズームを得意としているのがTAMRONです。上の18-400㎜F3.5-6.3Diは私が知っている限りで理想的と言えそうな高倍率ズームレンズです。前述したような高倍率ズームレンズの弱点は大幅に改善されているようです。一度は使ってみたいなと思っていますがビギナーの方にはお勧めできません。

最初のお勧めは低倍率でも良いので24-70㎜くらいの標準ズーム、または24-105㎜くらいの範囲が良いと思います。その上で得意な(好きな)焦点距離だけ単焦点レンズを1本追加するのがお勧めです。

しかし乗っているオートバイがSSなど積載性に乏しい車種であったり、キャンプ道具などで他の荷物が多くなってしまう場合、やっぱりレンズは1本しか持って行けない、という人にとって高倍率ズームはメリットが大きいと思います。前述したようなデメリットを踏まえた上で使いこなすぞ、という覚悟のある方は良い選択肢になると思います。

明るいか暗いか

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

レンズ選びで忘れてはいけない重要なポイントは解放F値です。F値とは絞りのことですがレンズ選びで言うFとはそのレンズの解放、つまり穴ポコを最も大きくした状態がいかほどですか?という事です。例えばF1.8など数値が小さいほど口径が大きく明るいレンズです。開放F値は明るいほど優秀で歓迎すべきことですが、明るいレンズは価格が高く大きく、重くなるものです。特に望遠レンズで解放が明るいとなるとバイクで持って行くのも苦しいですし経済的にも庶民がおいそれと購入できる価格帯ではなくなってきます。

主にレンズ選びの時に解放F値を気にする場合とは夜景や星空の写真を撮りたい場合に明るさをレンズ口径でかせぎたい場合、背景や前景のボケ具合で主題を浮き立たせるように表現したい場合などです。上の作品はオオハンゴンソウの咲くツーリングのワンシーンですがこのレンズの解放F2.8を使ってバイクとその手前1mくらいにピント範囲を合わせています。他の部分を美しくボカすことで主題が魅力的に見えるように演出しています。

逆に言ってしまうと夜景や星空など撮る予定はない、ボケ具合で主題を演出なんて難しそうでまだいい…というビギナーの方にとっては解放F値など気にする必要がないとも言えます。




重いか軽いか

左:SIGMA35mmF1.4ART 右CANON EF35mmF2IS

レンズの重さ、またはレンズの大きさについては我々バイク乗りにとっては重要ですよね。カメラ本体についてはあまり小さすぎると私のように手が大きい人にとっては使いにくくなるものです。しかしレンズについては軽くて小さいほど歓迎すべきことです。

上の写真はどちらのレンズも35㎜の単焦点レンズですが大きさも重さもだいぶ異なります。左はSIGMAの35㎜F1.4DG ART 右はキャノン純正のEF35㎜F2ISです。キャノンの方が圧倒的に軽量コンパクトです。もちろん描写性能についてはSIGMAのARTラインを代表する名玉ですのでSIGMAが上ですがバイクツーリングで持って行くならキャノンの方が良いと言えますね。

EOS6D Mark2 + EF70-200F2.8L IS
望遠レンズは大きく重いのでバイクで持って行くのは無理が生じる

高いか安いか

レンズは高いです。私が15年くらい前に最初にEOS Kissを買った時、レンズを何にしようか?と調べたときにその値段の高さに驚きました。冗談ではなく0が一個違う!と感じたものです。高い安いは人によって感覚が違うとは思いますが例えばカメラ本体を10万円、ズームレンズが1本10万円、単焦点レンズ1本5万円というセットで合計25万円、それをバイクに積んでツーリング…やはり最初は抵抗がありますよね。

それに最初に投資しても「飽きて使わなくならないだろうか…」という心配もあります。実際に自分の好きなレンズというのが決まってくると、そうではないレンズは出番が減ります。最初はレンズに使う予算は10万円以内くらいが丁度良いと思います。

ある程度の経験を積むと自分の好みや撮りたい写真に具体性が出てきますので、それに応えられるものを追加する感じがお勧めです。

それと予算をおさえて良いレンズバリエーションを揃えるのに賢いやり方はSIGMAやTAMRONなどのサードパティー製レンズを買うことです。NikonやCanon純正よりも安いですし、最近はメーカー純正を陵駕する名玉も続々と登場しています。私はCanonユーザーですが所有レンズ6本のうちCanon純正が3本、SIGMAが2本、タムロンが1本です。

高級なレンズはその利点をビギナーではなかなか出せないのですが「良い物を所有しているからモチベーションが上がる!」という人はそれだけでも価値があると思います。それにカメラ本体と違ってレンズは滅多にモデルチェンジしないので、買い替えずに10年以上使うと考えれば最初の1回だけの投資という意味で経済的です。




メーカーのズームキット

入門機などではレンズがセットになっているお得な「ズームキット」が売っていますよね。例えばEOS KissだとEF-S18-55㎜とEF-S55-250㎜の2本が付いてくるダブルズームキットなんて物がありますね。メーカーがビギナーのために親切に設定した商品のように見えますが、売るだけ売ってズームの使い方を教えてあげない所が凄く不親切だなと感じます。これなら35㎜と85㎜のダブル単焦点キットでも作ればその方が絶対に上達するのですが、メーカーにとってユーザーの上達よりも「これは便利だ」と思わせて買ってもらう方が優先のようです。

欲しい画角を欲張って、そのすべてをズームでカバーすることで完璧なレンズバリエーションを揃えた気分になってしまうのが落とし穴です。最初は構図を作れるよく動く足を養うこと。28㎜ならこんな感じ、135㎜ならこんな感じで写るであろう、とイメージできる画角の感覚を養うこと。この2つが重要です。ズームレンズを装着しファインダーを覗きながらグルグルグルグル…をやってしまうと、この重要な2つが習得できずビギナーから脱することができないものです。これは是非、気を付けていただきたいと思うズームレンズの落とし穴です。

全てのレンズをズームレンズで揃えた人は気を付けてくださいね。

EOS6D Mark2 望遠レンズでS字を描く道路と矢羽を圧縮して表現

ツーリング写真におけるレンズ選び ~まとめ~

・広角は風景主体のツーリング写真用

・標準や中望遠は愛車の写真用

・望遠側はズームレンズを用意しよう

・広角から標準は得意な(好きな)画角が分かったら単焦点を1本追加。

・目的もなく高いレンズを買わない

以上、ツーリング写真&バイク写真におけるはじめての一眼レフ、レンズの選び方でした!!

はじめての一眼レフ☆レンズの選び方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回までの投稿で私の住む千葉県の房総半島についてお役立ちツーリング情報を書いてみました。いま改めて読み返してみると、どうしてこう長文になるのか自分でもよく分かりません。おそらく性格なのだと思いますが、何もお土産のことまで書かなくても良いだろうに…と自分でもおかしく思います。

さて今回は何を書くにも長文になってしまう…そんな私のお勧めする「はじめての一眼レフ☆レンズの選び方」をいってみたいと思います。

コンデジやスマホを卒業して本格的に写真をやりたい!と決意した方がはじめて一眼レフ(またはレンズ交換できるミラーレスカメラ)を購入したとき、悩ましいのがレンズ選びですよね。

たくさんの種類があって価格帯も2万円くらいから30万円オーバーなんて物も。いったい自分がどれを選べば良いのか?バイクツーリングで持っていくレンズとしてどれが良いのか?ビギナーの方にはよく分かりませんよね。私も最初はそうでした。そんな写真ビギナーの方のために最初のレンズの選び方として幾つかの項目を作って説明したいと思います。




焦点距離や画角って何?

画角とは簡単に言ってしまえば範囲と距離感です。人間の目は1つの画角で固定されているのでまずここが最初に「よく分からない」と感じるポイントだと思います。遠くのものを大きく写すことを望遠、逆にワイドに写すことを広角と言います。画角は「焦点距離」というmmの単位で表記され、肉眼に近い画角を標準と呼び数値では50mm(APS-Cサイズのカメラの場合はおよそ35mm)となります。14mmや28mmといった具合に数値が小さい方がワイド、200mmとか400mmとか数値が大きいと望遠です。

望遠レンズの特性を生かした作例

ここで重要なポイントを1つ。お使いになっているカメラ本体がフルサイズセンサーかAPS-Cサイズセンサーかを確認して焦点距離を選びましょう。APS-C機の場合はレンズに表記される数値におよそ1.5倍(キャノンなら1.6倍)で換算します。例えば50mmというレンズをニコンD7500で使用する場合は77mm、EOS Kissに使用すると81mmくらいになります。

※今回の解説は以降はフルサイズ換算で表記していきます。

~ズームか単焦点か~

「ズーム」とは誰でも聞いたことがある単語ですよね。画角を望遠や広角に調整できる機能をズーム機能と呼びます。望遠にすることだけがズームではありませんので勘違いされていた方はここで正してください。ちなみに映像の世界では望遠方向へズームすることを「ズームイン」、逆に引いていくことを「ズームバック」と言います。写真では使わない言葉ですが。

一眼レフ用の交換レンズは主に単焦点とズームレンズに二分されます。単焦点には焦点距離を変更する機能がなく固定されています。ネットの情報やカメラ雑誌なんかでは「単焦点レンズは描写に優れる」といった内容を見かけますが、ビギナーの方にとって「優れた描写」を作品に反映するのが難しいので最初に無理して単焦点を買う必要はありません。ただし後で買い替えるのは無駄なので最初にしっかり投資したい!という方には最初から良いレンズを手に入れておくのはアリだと思います。

ズームレンズと単焦点レンズ、それぞれにメリット&デメリットがあります。ズームレンズは1本のレンズで複数の画角を選択できること、スペースを奪われたとき(壁があってそれ以上下がれない、尖った岩の頂点に登って撮るなど)に画角の微調整ができるといったメリットがあります。これらのメリットの一方で重量が重い、摺動部分の密閉が悪く内部にチリが混入しやすい、といったマイナス面もあります。

最近のズームレンズは技術の進歩で描写も美しいです。ここ10年以内に発売されたモデルであれば、まずビギナーの方にとって不足は感じないと思います。バイクでツーリングに出かける場合、何本も交換用レンズを持っていく訳にはいきませんのでバイク用という意味ではズームレンズはお勧めです。

しかし単焦点はビギナーの方にとって1つ、とても良いことがあります。それは写真をやる上で必要なよく動く足を手に入れる練習になることです。焦点距離を縛ると自分が動くしかないので自然と被写体に寄れるようになるのです。逆に言うとズームレンズに頼っていると足は動かず、ファインダーを覗いたままズームリングをグルグル回して大きさの調整をしてしまいます。これを癖にしてしまうと上達が遅れてしまうものです。




ここでお勧めのレンズを!最初は24-70mmまたは上の写真のような24-105mmくらいを守備範囲にしたズームレンズを1本でいってみましょう。これにもう1本を加えるのであれば、それは思い切って単焦点レンズの35mm、50mm、85mmあたりから1本を選んでみましょうね。選び方は次項で説明します。

~焦点距離はどう選ぶか~

写真を撮るときに焦点距離の選択を最初にします。今日持ってきているレンズの中で今、写真を撮りたいと思ったその場所でどのレンズを選択するのか?です。これはビギナーの方にとっては酷な要求なのですが、写真とはまず最初に「こう撮りたい」というイメージを描くもので、最初にそれを想像してから焦点距離を選ぶのが多くの場合でセオリーとされています。ビギナーの方は最初にイメージの写真を想像できないので「試しに一枚撮って確認してみよう」と思って先に撮ってしまうものです。しかしその試し撮りの焦点距離はどうしますか???

どの焦点距離のレンズを買えばいいのか?も自分がどんな写真を撮りたいのか?を最初に決めないと選びようがありません。しかし最初はカメラのことがよく分からないのと同じように写真のことがよく分からないものです。レンズ選びが難しく感じるのはレンズに対する知識が不足しているのではなく写真に対する見識がまだ浅いのが原因です。

広角レンズの特性を生かした作例

ここでビギナーの方へ「絶対ではないけど一般的にこうです」という焦点距離の主な選択法を目安として記しておきます。

広角レンズ:景色主体で撮るツーリングシーンに使う。大空に広がるウロコ雲や夕空。北海道のような場所で雄大さを表現したい。星空なども。ワイドになるほど歪みがあるのでバイクを大きく撮る場合は注意が必要。自分の影、電線など余計なものが画面に入りやすい。ワイドになるほどビギナーには難しいレンズと言われる。

標準レンズ:バイク、ライダーを主体に撮る場合に使う。写真を学ぶための基本と言われるレンズ。自然な画角は見る人に臨場感を与える。リアルを伝える、ドキュメンタリータッチ、視線を再現するような写真などに使う。自然な画角ゆえにビギナーが使うといとも簡単に陳腐な写真になる。

望遠レンズ:特定のものに絶対的な存在感を与える。遠くの山を引き寄せたり長く続く直線道路を大きく撮りたい時などにお勧め。三脚を使わない場合は望遠ほど手ブレしやすい。背景がボケやすい。少しカメラを動かすだけで画面内の様子が大きく変わるといった特徴がある。余計なものを画面の外に除外しやすいので構図という意味では優しいです。それと焦点距離の長い望遠レンズは重く大きいのでバイクで持っていくのは少々の無理が生じます。

経験を積んでいくと好みの焦点距離というのが分かってきます。私の場合は35mmですが皆さんも色んなツーリング写真を撮っていくうちに好きな画角が見つかると思います。そういった好きな画角は単焦点で少し高級なレンズを奢ってやるのも良いかもしれませんね。




EOS6D mark2 + SIGMA35mmF1.4ART F11 1/125 ISO100

これは私の好きな35㎜レンズで撮った作品です。この時はSIGMAの35㎜F1.4ARTという少し高級なレンズを使っていましたが、現在ではもう少し軽量さを求めてCANON EF35㎜F2ISという手ブレ補正機能を有したレンズに買い替えました。と言うのも35㎜で撮りたいシーンでは絞り込んで深度を保ちたい時、すなわちシャッターが遅くなるのでキャノンIS(露出4段分の手ブレ補正機能)が重宝するからです。このように自分の好みや使い方に合わせてレンズを買い替えることは珍しくありません。

長くなったの次回に続きます…

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一眼レフカメラをバイクに積んで振動で壊れないのか?

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、花粉がだいぶ飛散していますが花粉症の方は対策の方は万全でしょうか?私も花粉症ですがバイクに乗ると特に乗り始めの30分くらいが症状が酷いです。せっかくのツーリングシーズン、症状が酷いと気分的にも楽しめませんね…。私は今年は舌下免疫療法というのを試してみようかと思っています。

さてここ数日、究極のツーリング写真では「バイクに一眼レフ 故障」「バイクの振動でカメラ壊れない?」といったクエリが増えております。カメラをバイクに積んでエンジンの振動や車体から伝わる衝撃でカメラが壊れてしまわないか、多くの方が心配しておられるようです。

私は前職でバイク用品メーカーで製品の開発に関わっていましたが、その時のノウハウを元に今回はバイクの振動とカメラの積載について書いてみたいと思います。

私は一眼レフをトップケースに収納しています

バイクのエンジンの振動は車種によって色々な特徴があります。単気筒エンジンや不等間隔爆発のツインエンジンの場合、低回転ほど振幅(揺れ幅)が大きく低周波、逆に4気筒エンジンで高回転域ほど振幅が少なく高周波になります。そして震源から遠くなるほど振幅は大きくなる、つまり激しい振動になる傾向です。震源は主にクランクシャフトのバランサーやそれを相殺する目的で着いているバランサーシャフトの周辺です。




かつてミラーの開発をしていたとき、走行中に鏡面が振動して視認性が落ちないように腐心したものです。バイクの中でミラーが装着されている位置とは震源から最も遠く、条件が悪い場所なのです。単気筒のバイクやハーレーであれば振幅が大きく低周波、常用回転域も低めなので、その辺の車種のユーザー狙いであれば揺られないようデザインする。4気筒の高回転エンジンのスーパースポーツモデルをターゲットにした製品であれば高周波振動に強いようにデザインするといった具合です。

バイクから伝わる振動や衝撃は何らかの対策をしないと大切なカメラや機材にダメージを与えます。バイクからの振動とは1つは前述したエンジンからの振動、2つ目は路面のギャップなどからくるショック系の振動です。

カメラ、レンズに多く使われている小さなネジは高周波振動で緩みやすい

エンジンの振動は回転数によって変化しますが基本は振動周波数が正弦波であり、こいつはネジ類を緩めたり固い物同士が触れるとヤスリのように削るという特徴があります。路面の凸凹やギャップからくる衝撃系の振動はランダム波といいリアシートに固縛していた荷物がズレる、壊れやすい荷物が破損するなどの特徴があります。

少々脱線しますがバイクを含む自動車業界ではJISで定められた振動試験基準があり、現在ではSOR(sign on random)試験が導入されています。これはエンジンの振動を想定した正弦波(sign)に路面からのショック系振動であるrandom波を乗せてダブルで振動試験をかけるというものです。SOR試験対応の振動試験機という機械があるのです。

軟らかいスポンジの仕切りは衝撃は吸収するが高周波の正弦波振動には効果が無い

カメラをバイクに積載する際に注意すべきことは正弦波振動は三脚のロックやカメラの小さなネジ類を緩めてしまうこと、衝撃などのrandom波は積んでいた三脚やカメラバッグがズレることです。上の写真はトップケース内にカメラバッグ用のスポンジの仕切りを使って収納している様子ですが、スポンジは軟らかいものを選んでも高周波の振動はほとんど吸収してくれません。

背負っていて疲れるが振動や衝撃に対して理想的なのはボディバッグ

振動や衝撃に対して最も理想的なのはライダーの体がワンクッション入るボディバッグ系です。しかしボディーバッグは肩こりなどの疲労、防水効果が低く雨に弱い…といったデメリットの方が多く、立ちごけや転倒の多い人はそもそも向いていません。

大型のタンクバッグ

大きいサイズのタンクバッグに一眼レフを入れるのも悪くはありません。タンクバッグの底にスポンジシートを1枚ひいておけば、タンクから伝わる振動はだいぶ吸収されると思います。運転中に見える部分にあるので安心感もあります。しかし大きなタンクバッグとは言え一眼レフに交換レンズを複数本となると少々厳しいですね。




総合的に考えてカメラも三脚もリアシート上積載が一番良いと思います。振動対策は三脚の脚やロックレバー、ネジ類は積載の前にしっかり締め込んでおく、レンズキャップ、ボディキャップもしっかりと締めこんでおく(キャップの締めが緩いとヤスリをかけたように粉を吹いてキャップが削られ二度と締まらないキャップになる)、固い物同士(例えばレンズとミニ三脚など)が触れ合わないように収納するなどの対策を施しましょう。

脚のロック、雲台のハンドルなどをしっかり締めこんでバイクに積みましょう

上の写真は以前にご紹介した驚異のコスパ三脚 NEEWER66インチカーボン三脚ですが、この三脚は脚のナットロックを強めに締めておくと、こんどは使いたい時に緩まなくなってしまう…というトラブルがありました。GITZOやVelbonではそのような事はありません。やはりバイクにカメラや三脚を積載するとなると、通常のカメラマンでは知りえない別のノウハウが発生すると改めて感じた出来事でした。

特に注意したいのが雲台のネジです。写真のタイプはカメラを固定していないとき、ネジがフリーになっているのでバイクの振動でネジが落ちてしまうのです。できればこのタイプの雲台ではなくクイックリリースシューを使いましょう。私は以前、北海道をツーリング中にこのネジを落としてしまい、以降は三脚無しの撮影を強いられた経験があります。

それと振動で壊れにくいカメラは何か?とバイクに積むからといって振動に強いカメラを探す方がおられますが、一般的に振動に強いカメラとはかつてCASIOであったGショックのような雰囲気のカメラ、現在ではRICOH WG-60、ペンタックスWG-2などですが、これはツーリング写真用としておススメしません。振動や防水性能が特化したカメラは記録的に写す描写で「いい写真」を目指したい我々にとって最良の選択肢とは言えないと思います。

私の個人的な経験談になってしまい恐縮なのですが、光学ファインダーを有した普通のデジタル一眼レフがおススメです。15年以上はキャノンEOSを使用してきましたが故障はただの1度もありませんでした。対してコンデジは何度故障したか分かりません。単に相性の問題かもしれませんが振動や衝撃の問題に関わらず、使いやすさや総合的な信頼性も含めて普通の一眼レフカメラが私のおススメです。




 ~バイクに一眼レフカメラを積載して振動で壊れないか?まとめ~

・リアシート上に積載でスポンジ仕切りを活用し上手に収納しよう

・三脚のロックや雲台のネジなど緩まないようしっかり締めて積載する

・固い物同士が触れ合わないよう積載する

・光学ファインダーの一眼レフならバイクの振動くらいでは簡単に壊れない

以上、バイクに一眼レフを積んでカメラが壊れないのか?について書いてみました。

今回はこの辺で!!

~関連記事~

・バイクツーリングに最適な三脚の選び方

・バイクに三脚を積載するには?バイクへの三脚積載方法

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この雲台は素晴らしい☆Velbon PHD-66Qリボルビング雲台

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、物事を斜めから見ると事実が違ったように見える…こんな経験はおありでないでしょうか?写真も同じで撮影地で被写体とセッションするとき、よく動いてあらゆる角度で観察することで当初とは違ったものが見えてきます。

よく動く足「写真家足」はツーリング写真でも重要ですが、構図を作る時だけ使うのでは写真家足が少し勿体ないです。写真家足はイメージを作る以前の被写体の魅力を解明する時にも役立ちます。また動きまわることで脳が活性化し、リラックス系のホルモンの分泌で思考パフォーマンスがアップするという効果もあるので、とにかく撮影地では積極的によく動いてみましょうね。

さて今回はお役立ち情報としてカメラ、レンズのカテゴリー、三脚の雲台の話題をいってみたいと思います。

少し前にバイクツーリングで使う三脚の話題についてVelbonシェルパ645Ⅱというアルミ製三脚のことを書いてみました。その時の投稿は こちら。

今回はそのVelbonシェルパ645Ⅱに新たに面白い雲台を装着してみましたので、その雲台についてレポートしてみたいと思います。

今回、購入したのはVelbon PHD-66Qリボルビング雲台というヤツです。前回の投稿では望遠レンズで構図を微調整したいときにボール機構の自由雲台では厳しく、2軸でレバーが付いている昔ながらの3Way雲台がいいですよ…というお話をしました。

しかし3Way雲台は角度の微調整がやりやすいのは嬉しいのですが、バイクに積載する際にどうしてもハンドルが邪魔になってしまいます。シェルパ645Ⅱの場合はパン側のハンドルを外して一方のハンドルの後ろに差し込んでいくことで、コンパクトに収納できるのですが、これが結構とクルクル…クルクル回していかねばならず、ハッキリ言って面倒でした。中途半端な位置にしておくとエンジンの振動で外れてしまうので、しっかり締め込んでおかねばいけませんし。

ここに差し込んで収納するのがめんどくさい

そこで雲台の買い替えを検討していたところ、Velbon PHD-66Qなる凄い雲台を発見しちゃいました。




このPHD-66Q雲台、ナニがすごいかって…

こ~んなアクロバティックなモーションで縦構図に切り替わるのです!!

この動きにより横構図でセットしたカメラ位置に比較して、レンズの中心がほぼズレることなく縦構図にできるのです。考えた人すごい!

普通の3Way雲台で縦構図にするとこうなる

普通の雲台ならこんな風にレンズ中心が大きくズレてしまいます。それに三脚の中心軸から大きくオフセットされるので安定感も悪くなりますよね。三脚座のある望遠レンズならこの問題は関係ないですけど、従来はこの問題についてはL字ブラケットを装着する必要がありました。

この機構でガタつきは大丈夫だろうか…という心配もありましたが、その辺はさすがにVelbonです。全く心配はありませんでした。

マグネシウム合金製で質感も良いです。クイックリリースシューはシェルパ645Ⅱに元々装着されていた雲台と同様にQRAシステムというシューが使われています。水準器も2Wayで搭載。

水平方向の微調整はこのロックを緩めて…

右側へ限界まで傾けたところ

左に限界まで傾けたところ。こんな感じで水平の微調整ができます。




操作性は慣れてしまえば極めて良好です。一見、複雑そうに見える可動部分もしっとりとそれでいてスムースに動くので安心感があります。設計者の苦労が垣間見れる部分ですね。

そしてハンドルが一本になったので収納時のクルクル…問題も解決です。が…しかし

残念ながらVelbon純正の三脚ケースには入りませんでした…。これは仕方ないので使わなくなったキャンプ用チェアーの収納袋で代用としました。まあ収納ケースに「Velbon」なんて書いてあると、駐車中の盗難対策としては逆効果ですからね。

Velbonのリボルビング機構雲台 PHD-66Q 特に縦構図を頻繁に使う方にお勧めできる雲台です。発売時期は5年近く前なので中古も流通しています。定価は26200円ですが私は中古を1万円くらいで入手できました。




ところで余談ですが最近のカメラやレンズは多くの製品に手ブレ補正機能が付いていますよね。キャノンの一眼レフの場合はレンズに内蔵されていますが、手ブレ補正機能のあるレンズは品番にIS(Image Stabilization)と書かれています。しかし三脚にカメラを固定して撮る場合は忘れずに手ブレ補正機能はOFFにしましょうね。忘れてONのままで撮るとかえってブレてしまい明瞭さに欠ける写真になってしまいます。

今回はこの辺で!!

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バイク写真に適したレンズの選び方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回の投稿でツーリング写真、バイク写真におけるはじめてのカメラ選びについて書いてみました。

今回は「よし、では一眼レフでいくぞ!」と決めた方向けに使用するレンズはどのようなものを選べば良いのか?を書いてみたいと思います。

前回もこの投稿も写真のビギナーの方を対象に書いていますので、カメラとレンズの話によく出てくる焦点距離(画角)、あるいはズーム機能のことについて最初に触れておきたいと思います。

望遠レンズで撮った作例

カメラの構造は人間の目によく例えられます。人間の目にもカメラと同様の光学的なレンズがあり、明るさを調整するための絞りもあります。しかしカメラとの決定的な相違点の1つとして目は望遠にしたり視野をワイドにする機能がありません。

そのため写真のビギナーは望遠やワイドで撮った場合、目の前の景色がどのように写真になるのかを感覚的にイメージできないものです。多くの人は望遠は遠くの物を大きくする、ワイドとは撮れる範囲が広がるもの、と知ってはいますがそれをツーリング写真で応用する術を知りません。

望遠や広角をツーリング写真でどう使うのか?これを理解しないとレンズ選びも自分がどの範囲までの画角を必要としているのか決めることができないのです。

1枚目と同じ場所で広角レンズで撮った作例

そこで大まかにツーリング写真でのそれぞれの画角の使い方を解説してみたいと思います。広角、標準、望遠レンズ、それぞれの特徴を生かしたツーリング写真の作例をご紹介しますので、それを見て好みの焦点距離を探ってみてください。

※ここから先の解説では焦点距離を数値で表記していきますがフルサイズ機での表記となります。一般的なAPS-Cセンサーの一眼レフは35mm換算(約1.5倍)として計算してください。

例:EOS KISS、EOS80Dなどに50mmレンズを装着すると81mmになる。

EOS5D、EOS6Dなどに50mmレンズを付ける場合はそのまま50mm。




・広角レンズ

EOS1Dx + SIGMA35mmF1.4ART

24から35mmくらいまでが一般的に広角と呼ばれる画角でそれより小さいと超広角または魚眼レンズとなります。ツーリング写真では風景が主体となるツーリングシーンの作画に活躍するレンズです。

空一面にひろがるウロコ雲、巨大な被写体を画面内に収めたいシーン、砂紋、広がり感、雄大さなどの表現に使います。画面内でバイクを小さく写して景色の雄大さ、偉大さを表現しましょう。

画面の四隅周辺に歪みが出るのでバイクや建物などの人工物を大きく撮ると不自然な写真になります。人物も大きく撮ると太って見えたり美人が台無しになったりします。バイクを美しく、大きく撮りたい人は35mmくらいを広角の限度としてみましょう。

出来あがった作品の印象としては観賞者が写真の世界に吸い込まれるような雰囲気になります。

・標準レンズ

EOS6D Mark2 + EF50mmF1.8STM

標準レンズは50mm前後の焦点距離で人間の肉眼の様子に近い画角です。広角や望遠レンズのように空間に変化を与えないので自然に見えるのが利点です。よって写真を見る人がその場所にいるような臨場感ある写真が撮れます。

上の写真では観賞者がライダーの数メートル後ろで本当にその場所に居るように感じる写真が出来上がります。標準レンズの「自然な感じ」とはこの事です。

またバイクを大きめに撮るツーリング写真でも、歪みはほとんど気にしなくていいので、愛車カットもたくさん撮りたい人にお勧めできます。

一般的に写真の世界では50mmにはじまり50mmに終わると言われるほど、標準レンズは基本のレンズと言われています。何を撮るにも万能でもし何かの理由で1つのレンズしか持って行けない…となった場合は迷わず50mmとなります。

・望遠レンズ

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

85から135mmくらいが中望遠、200mm前後が一般的な望遠レンズ。それ以上は超望遠レンズです。望遠レンズと言えば遠くの小さなものを大きく写せるという事はビギナーの方でも知っていると思います。さらに詳しく付け加えると写せる範囲を狭くする、空間を圧縮する(密度を上げる)、背景や前景をボケやすくする、といった特徴もあります。

取り扱いの上では手ブレしやすく手持ち撮影に限度がある、僅かに向きを動かしただけでも画面が大きく変わるのでアングルの調整がシビア、大きくて重いなどが挙げられます。しかしコンデジやスマホでは無しえない作画が可能なので一眼レフならではの写真を撮ることができます。

ツーリング写真では特定の被写体に存在感をもたせたり、ライダー+バイクを主題とする作品に活躍します。上の作例ではオオハンゴンソウの密度を上げて背景をボカしています。こういった表現は望遠レンズならではと言えます。

その他、空間をぎゅっと圧縮して被写体にドーンという存在感を持たせるインパクトある写真が撮れます。

望遠レンズを使って被写体を寄せたい!という要求が発生したとき、まず最初に発生する課題は撮影スペースです。後ろに大きく下がれる広い場所でないと無理なのです。これ大事なポイントなので覚えておきましょう。

そして望遠レンズで解放値も明るいレンズとなると大きく重く、そして高価なものが多いです。バイクで持ち歩くには積載方法を工夫しないと少々厳しいです。




・ズームレンズについて

ズームとは画角を自由に調整できる機能のことです。逆に調整できず画角が固定されているレンズを単焦点レンズといいます。現代の多くのカメラ、レンズはズームレンズが主流であり、単焦点レンズの方が何らかの理由に拘る玄人向けであると一般には解釈されています。

ズームレンズと一言でいっても例えば14-35mmなら広角ズームレンズ、24-70mmなら標準ズーム、70-200mmなら望遠ズーム、14-300mmといったら高倍率ズームといった具合に種類があります。

昔は単焦点よりもズームレンズは描写力に劣る、なんて言われていましたが現代ではその差はかなり少なくなりました。出来上がった写真だけを見て単焦点レンズで撮ったかズームレンズで撮ったかを言い当てるのは実際に難しいです。

ツーリング写真では極力、持っていく撮影機材のボリュームを抑えたいのでズームレンズの選択が賢明であることは疑う余地がありません。ビギナーの方の最初の投資という意味でも、何本もレンズを買うよりはズームレンズで済ませた方が経済的です。

私の個人的なお勧めはある程度のキャリアを積むと自分の得意な(好きな)画角というのが決まってきます。私の場合は35mmです。そういった得意な画角ができたら、その画角だけは単焦点を使用するといいでしょう。単焦点は解放が明るく軽量コンパクトで独特の描写があるのは確かです。

最初は24-70mm標準ズーム、または少し広角よりのズームレンズで大丈夫です。例えばキャノンのAPS-C一眼レフでしたらEF-S18-55㎜F4-5.6IS STM なんか軽量ですし最初のツーリング写真用レンズとして良いのではないでしょうか。

・軽量なレンズを選ぼう

50mm標準単焦点レンズ 左:SIGMA50mmF1.4DG ART 右:キャノンEF50mmF1.8STM

解放F値が明るく高級なレンズほど大きくて重量のあるものです。写真は左がSIGMAの50mmレンズで解放1.4のARTシリーズ、右はキャノンの通称撒き餌さレンズで同じく50mmで解放はF1.8です。しかしご覧のように大きさも重量もSIGMAの素晴らしき芸術レンズと比べて撒き餌君は半分以下です。

撮影機材のボリュームは実際にバイクで持って行けるか否かではなく、写真に対するモチベーションの問題です。どんなに重く大きい撮影機材でもその気になればバイクに積めない事はないです。バズーカ砲のような巨大なレンズだって、どうしてもそれでないと撮れない写真がイメージにあって、それを実現させようという火のような情熱があれば持って行くことが出来るでしょう。

しかし人間の心とは不安定なもので「写真をやるぞ!」と決意したときと、ある程度の期間が経ったときでは情熱の温度に変化があって当然です。たまには身軽にバイクに乗りたいと思う時があるものです。そんな時に重いカメラ、レンズを見てうんざりしてしまうなら最初から軽量な装備で整えておくのがおススメなのです。

ちなみに私がいま愛用している50mmはキャノンの撒き餌君でございます。

・で、結局おすすめは?

はい、お勧めはズバリこうです。

・パターン1<ズームレンズ1本で軽量装備> 24-105mmF4あたりの高倍率ズームを1本で勝負。実はF4だとそこそこ高価で軽量とも呼び難いのですが、1本で済ませるという意味で軽量であり経済的でもあります。この場合24mmで風景主体のツーリング写真、50mmや85mmあたりで愛車カット、105mmでライダーポートレート、道を主題にしたツーリング写真が撮れます。

・パターン2<ズームレンズ2本でバリエーション> 24-70mmと70-200mmの2本のズームレンズで勝負。もし予算があればF2.8通しのレンズを選んでみましょう。高価ですが一眼レフらしい写真が撮れます。200mmの望遠域は迫力の愛車カットや美しいボケ具合で表現するツーリングシーンにぴったり。純正にこだわらずTAMRON、SIGMAでもよければ現実的な予算になってきます。バイクへの積載方法はカメラバッグをリアに積載、トップケースなどを検討しましょう。

タムロンで型遅れなら価格も現実的




・パターン3<望遠ズーム1本、広角or標準単焦点1本> 70-200mmの望遠レンズを1本、28、35、50mmあたりの広角~標準の単焦点レンズを1本チョイスします。望遠は「それ以上は下がれない…」というスペースの問題が多々発生するので、最終的な微調整でズームがあると便利です。一方で広角や標準はバイクなどの被写体に足で寄ればOKなので単焦点を選択してみましょう。単焦点は明るい解放値、美しい描写、軽量コンパクトさを生かしたツーリング写真に活躍します。

・パターン4 <単焦点1本で楽しむツーリングスナップ> 35mmまたは50mmの単焦点1本だけで出かけてみましょう。これは身軽さ気軽さが最大のメリットです。出かける時に気負わず「何かを発見したら楽しいだろうな」という旅での出会い、発見をテーマにスナップ的に撮るツーリング写真です。私もこのパターンでよく出かけますが純粋に「写真は楽しいな」と思える1日になります。ほんとに不思議なんですけど持って行く機材が身軽なだけで何か楽しいんです。そんな日に撮れる写真に限って素晴らしい1枚があったりします。

いかがでしたか?今回ご紹介したことはあくまで目安として参考にして頂ければと思います。広角レンズでバイクを大きく撮っても何か理由があってやるのであればOKですし、望遠レンズで雄大を表現することも不可能ではありません。写真をやっていくとキャリアと共にご自身のスタイルというものが決まってきますので、その時にレンズバリエーションをいちど見直してみると良いと思います。私なんかはかなり極端ですけどね。

それとレンズは高価ですので万一の故障や紛失などを考えると、あまり高いものはおススメできません。高級なレンズは多くの場合で重量もありバイクツーリング向きのレンズとは言えません。低予算で揃える秘訣はSIGMAやタムロンの型落ち、中古を狙うことです。そこである程度やってみて、もし必要になったらその時に高級なレンズを検討してみましょう。

今回はこの辺で!!

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迷っている人必見<ツーリング写真>最初のカメラの選び方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、少しづつ暖かい陽気になってきましたが、春のツーリングシーズンの到来が待ち遠しいですね。

このブログを最近になって見つけて「ツーリングで写真…自分も本格的にやってみようかな?」「自分のバイクをツーリング先でカッコよく撮れるようになったらいいな」と感じておられる方、そんな方を対象にツーリング写真のための最初のカメラ選びについて書いてみたいと思います。

以前も同じような内容を何度か書きましたが、今回はカメラ選びとは人それぞれであり、他者の情報は少しの参考程度にしかならないこと、どんな写真が撮りたいのか?という憧れの写真に具体性がないとカメラ選びに悩んでしまうこと、といった事に触れてみたいと思います。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

よくベテランの写真家は「カメラなんて何だっていいんだ、写真は人が撮るのだ」的な内容をおっしゃいますが、それは芸術的観点での写真作品とカメラの性能は必ずしも関係していない、という事を伝えるのに分かりやすい言葉だと思います。しかし「何でもいい」はちょっと言いすぎだなと私は感じます。

例えば15年くらい前に売れに売れた普及型のデジカメは記念写真を撮る分には操作もシンプルで良いですが、憧れの作品を実現するには理想的なカメラとは言えません。例えるなら走りなれたワインディングロードを性能の悪いオートマチック車で走るようなストレスがあります。「ここはこういきたいのに!」という要求に対して直感的に操作できないのです。

操作の簡単な普及型デジカメは読者の皆さまにはオススメいたしません

写真をやろう!と決意するきっかけは「いいカメラが欲しくなったから」でも悪くはないと思います。実は私も最初はそんな感じでした。本当ならどこかで素晴らしい写真作品に衝撃を受けて、芸術写真に興味がわいたから…という入り方がいいですけどね。




だから私はカメラに関心がいってしまうことを完全否定はしません。新しいカメラ、性能のいいカメラが欲しいと思うのは、ごく自然なことだと思います。

Hasselblad Stellar

例えばこんなカメラ。ハッセルブラッドのステラというカメラですが実に素敵な雰囲気ですよね。パッと見た瞬間に「わぁ~コレいいね!欲しい!」となりません?しかし、このカメラを手に入れたからといって必ず良い写真が撮れる訳ではありません。自分の撮りたい憧れの写真とカメラの性能は多くの場合で無関係です。

しかし、このような素敵なカメラ、お気に入りのカメラを使用することで、写真に対するモチベーションが保てる!という効果があれば十分に有意義だと感じます。

ただし新しいカメラでないといい写真が撮れない、高いカメラ、高いレンズを手に入れれば自分も傑作写真が撮れる…というのは完全に幻想であるという事は認識しておきましょう。カメラ購入にあてる予算に余裕のある人はいいですが、そうでなければ散財するだけですからね。「うわ~、これ欲しい!」と思わせるカメラとは多くの場合で高いカメラです…。

(ちなみにハッセルブラッドのステラはSONY RX100無印のOEMです)

EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

大切なことは関心の対象をカメラやレンズではなく写真にすることです。写真を愛する人間になるのが最初の一歩です。写真に無関心だとカメラが欲しいだけの人になってしまい、量販店にたくさん並んでいるカメラの中から自分にぴったりの1台を選択するのは困難を極めます。

当ブログでご紹介しているようなバイク写真、ツーリング写真の場合は主に風景写真がベースとなり、その中で・風景の中のバイク・バイクで旅をするライダー・ライダーが見ている世界…といったものを作品化する訳です。スタジオ照明やスピードライトなど人工的な光は原則として使わず、光源は主に太陽光などの自然界の光です。そして季節や時間帯、気象現象なども関わってくるのが風景写真です。そうなれば風景写真に最適なカメラ…という漠然とした目安は立てられます。

風景写真に向いたカメラで且つ【バイク乗りがツーリングで使うカメラ】まずはこの条件でいくつかの課題に具体性が出てきます。1つめはカメラ機材の質量的な問題です。重く大きな一眼レフに交換用のレンズを複数も持ってバイクに乗るのは通常は難しいです。そして2つめは振動や衝撃、突然の雨など過酷な環境で使用や運搬されることです。

私の愛用しているデジタル一眼レフ EOS6D Mark2

バイクツーリングのお供として、振動、衝撃、湿度などに強いと私が個人的に感じているのは光学ファインダーを有した普通のデジタル一眼レフカメラです。私は初代EOSキスデジにはじまり15年以上はキャノンのデジタル一眼レフを使用してきましたが、カメラが壊れたことはただの1度もありませんでした。

運搬による振動や衝撃で壊れてしまわないか心配だ…という人には普通のデジタル一眼レフはお勧めです。

光学ファインダーを有したオーソドックスなデジタル一眼レフは写真を最初に学ぶ上で実に最適だと感じます。露出補正やマニュアルフォーカスなど頻繁に使う操作が直感的に理解できます。ここ10年くらいで各メーカーから様々な機種がたくさん売れましたので中古相場も流通量が豊富です。しかもミラーレスに流行がシフトした昨今では割安な価格で入手できるのも嬉しいです。

しかしデジタル一眼レフに交換用レンズも持って行く…となると機材質量は多くなり、それをどのように持ち歩くかは悩ましい問題です。写真のようなリュックやスリングといったボディバッグ系は、体がワンクッション入ることで振動の問題が解決されますが、ずっしりと重みがライダーの体にかかり疲労になります。ロングツーリングで雨の中を走り続ける、となったときもレインカバーくらいでは役に立たないので別の防水対策が必須になります。

どうしても持っていける質量に限りがある場合、一眼レフを選択する人はズームレンズで欲しい画角をカバーして交換レンズ無しでいく作戦もバイク乗りとしてアリだと思います。




RICOH GR マニュアル露出できるコンパクトデジタルカメラ

では持ち運びという意味で圧倒的に有利となるコンパクトなデジカメはどうでしょう?最初にご紹介した普及型のコンデジと違って、マニュアル露出できる機種であれば十分にツーリング写真に使えます。この大きさであればタンクバッグやウエストバッグなどに忍ばせても負担にはなりません。スリムな機種であればジャケットのポケットに入ってしまいます。

マニュアル露出可能なコンデジも各社から色々なカメラが売られています。画素数はマニュアル露出機能がついているようなカメラであれば何万画素であろうと特に気にするポイントではありません。目安として1200万画素以上あれば十分です。センサーサイズについては1型センサーより大きいものを選択肢に入れてみましょう。

マニュアル露出できるコンデジ  チルトモニターはバイク写真で重宝します!

コンデジの弱いところは望遠域の描写や背景などのボケ具合の表現です。一眼レフに比べてグリップも小さいのでカメラホールド力も落ちます(手ブレしやすい)。もちろん高倍率ズームを搭載し解放の明るいレンズのモデルも売っているので望遠やボケ味の出る作品作りは出来なくはありません。しかし一眼レフと比較してしまうと妥協点を作らざるえません。無理な高倍率を搭載したコンデジはおススメしません。

苦手なことを無理に要求するのではなく取り回しの良さ(地面スレスレのローアングルやスクリーンやメーターの隙間に忍ばせて撮るなど)や気軽に撮れる楽しさといった長所を生かした写真を撮りましょう。よってズーム域は広角から中望遠くらいまでに留め、バリアングルモニターやチルトモニターを有したコンデジがおススメとなります。

コンデジはアッと思った瞬間を逃さずパッと撮れるのでシャッターチャンスを逃さないという意味でも楽しいカメラです。あまり気乗りしない日でも億劫がらず、いつも気軽に持ち歩けるのが強みですので手のひらに収まるくらいの軽量コンパクトなモデルを選びましょう。

EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

コンデジに無理強いしてはいけないような写真とは…先日ご紹介したようなこんな写真です。圧倒的な望遠域とボケ味を利用した表現です。加えて先日も解説しましたが発生した被写界深度のピーク位置をマニュアルフォーカスでコントロールして撮った写真ですが、そういったこともコンデジでは厳しいです。

「私もこんな感じで撮りたい!」ということでしたらコンデジではなく一眼レフを検討しましょう。

しかしトレードオフとして重い望遠レンズをバイクに積載して出かけるという犠牲が発生します。

リコー GR APS-C

一方で広角でツーリングのワンシーンを…という事であればコンデジも大活躍です。この写真はRICOH GRという少々マニアックなコンデジです。このGRというカメラは一般的にスナップシューターと呼ばれていますが、逆光にやたら強いという隠れた特技を持ったカメラです。逆光を利用してドラマチックに演出するのが大好きな私はGRをよくツーリングに持ち出します。

しかしGRは素晴らしいカメラですが絞りを解放F2.8まで開いてもボケ具合はさほど期待はできないのです。それに単焦点、つまりズーム機能のない28mm固定レンズは撮影者のよく動く足を要求するものです。足が動かないビギナーにGRを持たせると陳腐な写真を量産してしまうので、このカメラはベテラン向け(または足を鍛える覚悟のあるビギナー向け)カメラですね。




いま話題のミラーレスのフルサイズ機はどうなの?カメラ業界ではこれからはミラーレスだ!という風潮ですよね。バイク写真、ツーリング写真という事であれば今のタイミングで無理にミラーレスのフルサイズ機を買う必要はありません。EOS Rのようなミラーレス フルサイズ機は素早く動く被写体にピントを正確に追従させるスポーツシーンなどでアドバンテージがありますが、風景写真では重要な機能ではありません。

キャンプツーリングで長期間持ち出す人にとってはバッテリーの持続がイマイチなのもマイナスポイントとして挙げられます。キャンプツーリングで連泊だと充電ができませんのでバッテリーの持ちが悪いミラーレス機では何個も予備バッテリーが必要となります。ご参考までにキャノンだと通常の一眼レフカメラであるEOS6D Mark2でフル充電で約1200枚(ライブビュー撮影で約380枚)対してEOS Rは約370枚となります。両者とも使用バッテリーは同じ1865mAhのLP-E6Nです。ミラーレス機とは常にライブビュー撮影なので燃費が悪いのですね。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

「こんな写真が撮りたいな」という憧れの1枚が漠然とイメージができたら商品が豊富に展示してある大型量販店を見に行ってみましょう。さまざまな展示してあるカメラから大きさ、重さ、持ちやすさ、ズーム域、センサーサイズ、バリアングルモニターなどの機能、バッテリーの持続時間などを考慮しいくつかの候補を作ります。れとカメラをパッと見た瞬間に受ける印象も大切にしてみましょう。言葉では説明できないけど、何となくこのカメラがいい!というのはビギナーにも分かるはずです。

最初の大きな選択は一眼レフにするかコンデジにするかだと思います。そして一眼レフにするならレンズは何を選ぶべきかも悩ましいですよね。

SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

…で、お勧めのカメラは結局なに?

はい、結局ツーリング写真にお勧めのカメラはこれです、という具体的な機種は書きません…というか書けないです。カメラ選びは本当に人それぞれ違うものです。「撮りたい憧れの写真」が人それぞれ違い、そのカメラを大きいと感じるか小さいと感じるか、使いやすいと感じるか使いにくいと感じるか、みなさん違います。誰かにこのカメラがおススメ!と言われても、あまり参考にならないと思います。

 ~バイクツーリングに最適なカメラの選び方 まとめ

・どんな写真を撮りたいのか?まずは関心の対象をカメラではなく写真に

・撮りたい写真の要求に対して必要な機能とはなんだろう?

・大きさ重さ、持ち運び(積載)方法をよく考えてからカメラを選ぼう

・最新のカメラや高級なレンズを買えばいい写真が撮れるとは限らない

・持ちやすく操作しやすく、しっくりくるカメラ、お気に入りになるカメラを探そう

一眼レフのレンズ選びのお話はまた次回にしてみたいと思います。

今回はこの辺で!!

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ストリートスナップと肖像権問題 X100VのPR動画問題を受けて

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、写真を楽しんでいますか?楽しい、嬉しい、気分がいいという感情は脳幹からドーパミンやエンドルフィンといった報酬系のホルモンが分泌されると医学的に分かっているそうです。

この報酬系ホルモンが分泌されると脳が快反応をおこし肯定的な状態になります。すると思考パフォーマンスが向上しクリエイティブな仕事をするのに理想的な状況になるのだとか。そう考えると写真もまずはリラックスして楽しむことが大事と言えますね。




さて今回はFUJIFILMのX100Vという新製品のカメラで写真家 鈴木達郎さんを起用したPR動画があるのですが、それが肖像権の侵害やマナー問題として話題(というか炎上)している件で私も少しコメントしてみたいと思います。

※現在ではFUJIFILMの公式からはPR動画は削除されて謝罪文が表明されています。

私も写真を愛する人間、スナップ写真が好きな人間なのでこの件はとても興味があります。まず鈴木達郎氏を失礼ながら存じ上げなかったのでInstagramのアカウントを探してみました。そこでPostされている作品の一部が上のものですが…これが衝撃的でした。

どの作品も人間の生々しさ、時代の刹那を切り取った正真正銘の「これぞスナップ写真」の世界です。その中で人間の混沌とした感情に存在する”美”があり、都会に息づく人間の生命感に崇高さをも覚えるインパクトでした。撮る側の視線、撮られる側の視線の境界にヒビ割れのような物があり、そこから筋のような光が差し込んでいる作品です。もう完全に一人の写真観賞者として心を掴まれてしまい、身動きもとれなくなった屍のようになりました。

このような傑作を見ることが出来て感動と幸福と…そして感謝が生まれると共に、なぜこれが今、社会的に問題にされているのかを考えてみました。

リコーGR APS-C これは私が撮った写真です

街中で通りすがりの見知らぬ人に突然カメラを向けてシャッターを切れば、撮られた人が驚いて不快感を覚えるのは当然だと思います。私もいきなり誰かに撮られれば驚きます。「肖像権」なんて言葉は最近になって一般に定着した単語ですが、時代の変化とともに人々が肖像権を意識するようになった経緯とは何でしょうか。

そもそも問題の核心は勝手に人の顔写真を悪用する輩が出てきたことではないでしょうか。盗んだプロフ画像で詐欺に使うアカウントを作ったり、アダルトコンテンツを作る犯罪の類です。そういった犯罪事例から人々は「顔を盗まれる」ことに意識が高まり、見知らぬ人に写真を撮られることに警戒心を持つようになったと感じます。

林家ペー&パー子さんが分かりやすい例えです。今はやっていませんが昔、林家ペー&パー子さんは首にカメラをぶら下げて、手当たり次第に周囲の人を撮るという芸風を持っていました。むかしはあんな風に気楽に人にカメラを向けて写真を撮っていたのです。撮られた方も不快とも思わないから許されていた…というか何でもないことだったのですね。




写真機が一般に普及していなかったほど昔の話をすると、街頭写真屋といって勝手にスナップを撮ってくれて「この写真を買ってくれませんか?」という商売もあったそうです。私の祖父が若かりし頃にガス灯のある路地で咥えタバコで歩いている時に撮ってもらった街頭写真が今でも実家にあります。その写真は単純に祖父の若いころの写真というだけでなく、その時代のその瞬間を切り取った1枚にとてつもなく尊い何かを感じました。

昭和の時代に活躍したスナップ写真家の作品も同様です。撮ったその時に見ても普通の人が見る限りではなんでもない写真。しかし時代を切り取った1枚とは数十年という歳月を経て尊いものへ変わります。

RICOH GR APS-C

今回、鈴木達郎さんを起用したFUJIFILMのPV動画の件は一般の人が「これはダメでしょ」「犯罪だ…」「これを起用した企業が信じられない」といった反応が目立ちますが、どれも現代の日本の写真文化を象徴しているような反応だと感じました。と言うのも否定的なコメント主の大半は鈴木達郎さんの作品を見ていない(または見たが何も感じなかった)のです。

私の勝手な推測なのですがFUJIFILM社が写真文化や社会に何か警笛を鳴らす目的でこういった趣旨の動画を作成したのかもしれません。企画や広報のセクションに写真を愛している人、写真文化に貢献したい人がいて、様々な葛藤と覚悟を重ね鈴木達郎さんを信頼してメッセージを発信したのだと思います。見かけはX100Vという製品のPV動画ですが、そういったメッセージがPV動画内に隠されていると感じるのは私だけでしょうか。

ちなみに肖像権は民事になるので警察に行ってもだめだそうです。肖像権侵害とされる写真とは個人を特定できるアップであり、風景の中に写っている個人は侵害には該当しないそうです。そしてその境界に明確な基準はなく裁判などになるのも極めて稀なのだそうです(詳しくは専門サイトをご参照ください)。

そもそも人の顔は個人IDのようなものですよね。そしてそれを完全に秘密にして生きていくことは出来ません。

リコーGR APS-C

スナップについて見識のあまりない人の多くに「事前に交渉して承諾をえれば良いのに」という疑問があると思います。事前に承諾して撮るスナップも素晴らしい作品になりえますが、スナップ写真の世界では事前承諾のない撮り方の方が生々しさ、刹那という表現で優れていてると言われます。

だから撮る側としては事前承諾なしで撮りたいのですね。私が思うに現代として考えると事後承諾は必須なのではないでしょうか。「いま撮らせていただいたのですが芸術的観点での写真作品としてご理解をいただけますでしょうか」という撮った後に交渉をするのです。これを徹底するとだいぶ社会の反応も変わると思うのですが。




今回の騒動、今の時点で確かなことは2つあります。1つめは今回の件は日本の写真芸術の歴史に残る事件であったこと。2つめは数十年あるいは百年以上の未来に、鈴木達郎さんが撮った作品を見て多くの人が感謝するであろう、という事です。…いまこんな風に都会でスナップを撮っている人は少数なので、この作品はすべて貴重だと思うのです。

FUJIFILMも鈴木達郎さんも写真文化を通して社会に貢献したいという一心で、歪み始めた日本の写真文化に一石を投じるようにメッセージを発信したのだ…と私はそう信じたいです。その事が撮られたモデルさんに伝われば、きっと「そういう事でしたら撮っていただいて感謝申し上げます」となるはずです。一転してPV動画を削除して謝罪文を表明することになったFUJIFILM社は、きっと偉い人に「コラ、なんてことすんだお前ら」と怒られたのでしょうけど。立派な大企業ですから社会の反応を無視することはできませんからね。

もしFUJIFILMのような写真文化と向き合う素晴らしい企業と、スナップ写真で活動する写真家の方々に今後の課題のようなものがあるとすれば、スナップ写真という写真文化について、現代の肖像権社会にどう理解を勝ち取っていくかを考えるべき時なのだと思います。

今回はこの辺で!

人さえ写っていなければ何も心配ないですけどね

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