フォトツーリング☆夏休みギャラリー

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、この夏休みはどのようにお過ごしされますか?

この投稿を書いている令和2年8月初旬では東京都のコロナ感染者数が連日で過去最高を記録する報道がされています。政府は緊急事態宣言の予定は現時点ではない、帰省でお年寄りと会う時は注意を…しかし旅行はして良いとのこと。私の住む千葉県については外出自粛要請はない。日本全体として観光業が瀕死の状態である…これらの事を受け、私は思い切って北海道に旅立ちたいと思います。

また出発直前の状況によって変わってくる可能性もありますが、感染拡大を防ぐあらゆる手段も確立されてきましたし、旅行者側もそれを受け入れる側もきちんとした対策があれば過剰に自粛、萎縮する必要はないかと思います。毎日の検温、マスク、消毒、ディスタンスなど、ここ数か月で学んだ感染予防策を最大限に施し、用心をして旅をしたいと思います。

最近ではキャンプ場で感染…なんていう報道もありますが、私の場合はソロですしキャンプ以外でも人混みを避ける行動パターンなので普段とはあまり変わらないで済むとは思いますが。コンビニ、スーパー、道の駅、スタンドなどでは用心したいと思います。




さて、究極のツーリング写真は私が北海道へ旅立つこともあり更新を夏休みにしたいと思います。10日後くらいに再開する予定ですので留守の間のために今回は過去の作品ギャラリーをアップ致します。

 

すべて北海道ツーリングの作品です。

上富良野 赤い屋根の家
美瑛の丘 ケンとメリーの木
オロロンライン どこまでも続く直線路




オロロンライン 起伏ある道を望遠レンズで
宗谷丘陵 白い貝殻の道
利尻富士と漁港
蜃気楼かすむエサヌカ線




夕日に染まる美瑛岳

では皆さま、良い夏休みをお過ごしください。

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静けさをまとう写真

何気ない日常の中ではっとする瞬間がある。

もちろん旅の中にもそれはある。

ただ一つのもの(こと)が自分を呼んだ気がする。

それは誰も気にもとめない雑草の花だったり錆びた杭だったりする。

そこにそれが在るだけでその場所の雰囲気が何か違う気がする。

自分の大好きなもの(こと)を自分の好きなように撮るから写真は楽しい。

良い写真かは分からないけど自分が納得のできる一枚が撮れたら心躍る。




EOS6D Mark2 + SIGMA50mmF1.4ART

「静けさをまとう写真」こんな言葉をどこかで聞いたことがある。

例えばこんな写真がそうだろうか?

北海道を旅していると海岸線や牧草地などで見かける廃屋だ。

一枚の写真になったことでかつてここに人が住んでいた証が出来たと同時に

ここで私が写真を撮ったという「私がここに居た」証も出来た。

そういう意味ではこれは記念写真だ。

いつもいい写真を目指すなら記念写真のように事実を写すだけではダメ・・・

なんて言ってきたけど、結局すべての写真は記念写真なのかもしれない。

今夏は仕事が多忙になることが事前に分かっていたので

令和二年のこの年は私の大好きな北海道ツーリングはナシの予定だった。

ここ三年は連続で北海道ツーリングに行けていたので不満はなかった。




しかし、どういう訳か忙しくなる予定は嘘のように消滅し

これまた嘘のように8連休という自由な時間を手に入れた。

「導かれている」

こんな事を言うと笑われるのは承知の上だけど

そうとしか思えない。

今年も北海道に旅立とう。

ただ一枚の写真を撮るために。

北海道が私を呼んでいる。




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これ重要☆写真はリアルサイドとハートサイドで感じ取れ

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、最近改めて感じることなのですがツーリングと写真とは極めて親和性の高い両者ではないかと思います。その理由としてまずオートバイという乗り物自体が他の交通手段と比較して機動性が高く、あらゆる撮影地に機敏に移動できることがあります。そしてオートバイに乗って心が旅人モードになることで、感受性が豊かになり情景や被写体に感動しやすい精神状態を作れることも見逃せないポイントです。

たまに旅先で写真を撮っていると他のベテランらしきカメラマンさんに話かけられることがあります。そういった時によく言われるのですが「オートバイはいいね、どこにでも行けるし」といった具合に写真を愛する人からもバイクで移動して写真を撮ることは好評なのです。

ツーリングと写真、極めて親和性の高い両者。しかしその事に気が付いているのは私や究極のツーリング写真の読者の皆さまだけではないでしょうか?これからツーリング写真、流行るのかもしれませんよ。




さて今回は<中級>ツーリング写真解説として究極のツーリング写真流のアプローチでツーリング写真の撮り方を解説してみたいと思います

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS F11 1/125

この作品は去年の5月に行った北海道美瑛で撮った写真です。場所は有名な観光地でもある美瑛の丘エリアの「ケンとメリーの木」です。もう1年も経ってしまいました…時間が経つのは早いものです。

以前に当ブログでは写真はまずは感動することが大切ですよ、という解説をしました。出会った情景や被写体から心動かされたこと、ツーリングで感じた心が写真になっていないと、ただ上手なだけのお手本写真になってしまいます。

感動したことが何なのか?これを明確に表現することで、写真を見た人も同じような感動をしてくれる「共感」が生まれるのです。しかし感動したことを写真にするのは言うほど簡単ではありません。以前にも解説しましたが、分かりやすい手法としては自分が感動したことを言語化することです。

こういった感動したこと、撮影者の心をしっかり写真にするハートサイドが大事なのはお分かりいただけたと思いますが、一方で現実の様子がどうであるかもしっかり見る必要があります。ここではそれをリアルサイドと呼ぶことにしましょう。

上のケンとメリーの木の作品で考えてみましょう。ハートサイドでは朝焼けの丘で見たケンとメリーの木の崇高さに感動したこと。リアルサイドでは木の様子を観察し葉をつけていないポプラは枝が細かく分岐してブラシのようであること。このように感動したこと【ハートサイド】と実際の様子【リアルサイド】の両者をしっかり意識して撮影を開始します。




リアルサイドではとにかく被写体をよく観察して特徴をとらえるのがポイントです。この写真の場合、ただ有名な木だからといって【木】だけ意識して撮れば、全体を枠の中に収めて記録しただけの写真に陥ります。木の枝の様子に特徴を感じたらそれが伝わるように撮るのです。見えなければ撮れないので観察することは大切なのです。

ちなみにケンとメリーの木の現実的な様子を分かりやすく知ることの出来る写真がこれです。季節が違うのでポプラは葉をつけてだいぶ雰囲気が違います。それと日中は観光客に人気のスポットでもあるのでご覧のような状況です。我々バイク乗りは自由なのですから、こういった中で写真を撮らないで済むよう早朝から行動しましょうね。

言うまでもありませんが風景写真の基本として陽の高い日中よりは朝夕の傾いた太陽光の方がいい写真が撮れるという事もお忘れなく。




被写体の特徴をよく見て分析すること、特徴にはあなたがそこで写真を撮ろうと思った理由が隠されています。これがリアルサイド分析。そこから分かったことを受け、どのように感動したか、どのように表現できるか考えてみましょう。これがハートサイド分析です。両者がきちんと決定されたら脳内に在庫している撮り方リストからどれを使って撮るかchoiceしてみましょうね。

リアルサイド分析、ハートサイド分析の両者を意識してぜひ次回の撮影から実践してみてくださいね。

今回はこの辺で!!

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↓↓↓撮影地↓↓↓

キャンプツーリング用の防水バッグを買い替えてみました

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回はお役立ち情報としてキャンプツーリングに使用するツーリングギアのことを書いてみたいと思います。

以前にも書きましたが私の前職はツーリング用品を手掛けるメーカーでした。そこで製品の企画開発やテストをしておりました。ライダーのあらゆるニーズに応えるために新製品のアイデアを練ったり、信頼性の高いツーリングバッグや小物などの開発をしていたのですが、今になって振り返ると本当に良い経験でした。

そんな経験を元に自分がツーリングやキャンプで使うギアは素材や構造、耐久性なども含め、専門的な知識でみて選ぶようにしております。

さて、つい先日ですが愛用していたキャンプツーリング用の防水バッグを買い替えてみました。リアシート上に積載するPVC製などの防水シートバッグです。今回はその買い替えたバッグについてと、キャンプツーリングで最適なバッグの事について書いてみたいと思います。




これが従来愛用していたシート上に積載する防水バッグ、オルトリーブ製ですがTOURTECHとのコラボモデルでDAKARラックパックという製品です。オルトリーブはどちらかと言うと自転車用品のイメージが強いですが、オートバイツーリングでも最適な防水バッグをラインナップしています。

オルトリーブの製品名ではRACK-PACKという名前でS、M、L、XLの4サイズで展開しており、PD620という恐らくPVCを繊維で強化した防水素材で出来ています。生地の接合は縫製にテープシームではなくウェルダー溶着という超音波による高強度な接合で非常に強度が高く信頼できます。

このオルトリーブのラックパック、今までXLサイズで不自由なく愛用してきましたが、最近になってキャンプギアを軽装化したため大きすぎるな…と感じるようになりました。そこでTOURTECHのコラボではありませんが、通常ラインのオルトリーブ ラックパックのLサイズに買い替えてみました。

手前が今回新たに購入したオルトリーブ ラックパックのLサイズ。カラーはオリーブにしてみました。この写真、遠近法の関係で大きさに大差はないように見えますが別の角度で撮ってみますと…

左:ツアラテック×オルトリーブXL 右:オルトリーブラックパックL

はい、こんなに大きさが違います。XLが89LでLが49L。…ずいぶん差がありますね。ダカールラックパックの方は追加でベルトが通せるパッチと、ハンドルが通常のダッフルバッグと同様のタイプ。オルトリーブラックパックは余計な物は一切なくホースのような黒い大き目のハンドルが装着されています。

オルトリーブに唯一、注文を付けたいポイントはサイズ展開なのですが、60Lくらいが丁度良いというユーザーは多いと思うのですけど…その肝心なサイズが有りません…。

しかしR1200GSアドベンチャーでキャンプツーリングをする私にとって、キャンプ道具の主要たるギアは全て左右のアルミサイドケースに収容し、シート上の防水バッグはシェラフ、着替えなどの重さのない荷物を収容しています。ボリュームも大したことはないので49Lでも十分です。

リアシート上に積載するキャンプツーリング用の防水バッグはバイク用品メーカー勤務時代に手掛けてきましたが、過酷なバイクツーリング用として選ぶときの幾つかのポイントがあります。

まず当たり前のことですが最重要視したいポイントは絶対的な防水性能です。次に生地や接合部の耐久性、機能と価格のバランス…といった具合です。

防水バッグの難しいところは内部の荷物を出し入れする開口部の構造です。ややこしい構造だと防水性能が高くても荷物の出し入れがしにくかったりします。ここでズバリ、お勧めの方式はオルトリーブラックパックのようにロールクロージャーと呼ばれている口を3回ほどクルクル巻いてバックルで固定する構造のものです。

オルトリーブ ラックパックのロールクロージャー開口部

これは防水性能として間違いない構造と言えます。ロールクロージャー方式の他には一般的なバッグと同様にファスナー構造の物もありますが、ファスナーは使いやすい反面、必ずしも信頼できる防水性能ではないので気を付けましょう。

YKK社のコンシールといった一見すると防水ファスナーという製品は、スキーウェアーのファスナー等なら使用に耐えられますが、過酷な雨天走行を想定したバイク用防水バッグとしては十分な防水性ではないと思います。




これは私がオルトリーブラックパックを使う以前に愛用していたBMW純正アクセサリーのBMWラゲッジロール2という製品で開口部はTIZIPという強固な防水ファスナーです。これは実際に使ってみて浸水するような事はありませんでしたが、ファスナー開閉が非常に重く定期的にシリコンを塗らなければいけない手間のかかるヤツでした。

ちなみに私がメーカー開発時代に、このTIZIPは素晴らしく良いな、と思ったので自社の製品に取り入れてみようと思ったのですが、部品単価が通常のファスナーの30倍くらいの値段で断念した記憶があります。

これはF650GSダカールに乗っていた頃でずいぶん古い写真です。この頃、私はまだバイク用品メーカーに就職する以前でキャンプツーリングも経験が浅かった時代です。リアシート上に積載しているバッグはTHE NORTH FACEのベースキャンプダッフル(以下BCダッフル)です。このバッグは現在でも売られている同ブランドの稼ぎ頭商品ですが、これからキャンプツーリング用に防水バッグを買おうかな?と思われている方は注意!です。

こういったカジュアルなイメージのブランドは必ずしもバイクツーリングのような過酷な条件下での使用に耐えられるとは限りません。THE NORTH FACEのBCダッフルは一見してリアシート上に積載するキャンプツーリング用バッグとして適しているように見えますし、メーカーの公式でも【防水バッグ】と堂々と言い切っています。

しかしBCダッフルは大きなメイン開口部のファスナーはチェーンピッチの広いごく普通のダブルファスナーで、その上にフラップが屋根のように覆っているだけの構造です。外に置いておくだけの環境で小雨程度であれば内部に浸水しないかもしれませんが、このバッグをバイクに載せて雨天走行すると悲惨な結末が待っています。

ファスナー部だけでなくバッグ自体の構造もミシン縫製であり、シームテープ等の防水処理もありません。ミシン穴は新品時は生地がしまっているので水は入りにくいですが、しばらく使用すると少しずつ穴が広がり浸水しやすくなります。

THE NORTH FACEに限らずグレゴリー、チャムス、パタゴニア、アウトドアなどなど…アウトドアファッションのイメージがあるブランドは、果たして本当にヘビーデューティー使用に耐えられる製品であるのか?慎重に選ぶ必要があります。中にはブランドの本国にはそのような製品は存在せず、輸入販売の権利のある国内の企業がプロダクトしChinaで製造した完全なアーバンアイテムも存在します。

もちろんこれらのブランドが悪いという意味ではありません。例えばTHE NORTH FACEでもロールクロージャーの防水バッグは製品化されています。一見アウトドアなストリートアイテムを安易に選ばないよう気を付けましょう、という意味です。




それともう1つはキャンプツーリングの定番アイテムと言えるTANAXのmotoFizz キャンピングシートバッグ2です。「2」とつくからには、かつて1が存在していましたが初代キャンピングシートバッグは車体への固定ベルトが現行よりもワンサイズ細く、メインフラップ下にある食材を収納する巾着などが無かっただけで、基本的な構造は現在と変わりません。実に20年近いロングセラー商品ですね。

バイク専用設計でシートフレームや荷掛けフックへ固定できるベルト構造など、とても良く出来ていて北海道なんか行くと3台に1台はこのバッグを使用しているイメージです。

しかしキャンピングシートバッグ2の最大の弱点は防水バッグではないことです。雨天時は付属のレインカバーを使用するのですが、このカバーは雨傘などに使われているシャンブレー生地のナイロンで、耐久性が低く高速道路走行での走行風でバタつくと容易に生地が解れてボロボロになってしまいます。もしこの付属レインカバーでいく場合は生地の裁断面をライター等で熱して溶かし、ほつれ防止処理をすることと、バッグ本体との擦れを低減する目的で裏返しで装着するのがお勧めです。しかし絶対に濡らしたくないシェラフ、着替えなどは別途ビニール袋に入れておいた方が安心です。

車体に固定するベルトもバックルが破損することを想定して予備を1本携行しましょう。品番はMP-123です。

・キャンプツーリングに理想的な防水バッグとは?

私が個人的にたどりついたキャンプツーリング用の理想的な防水バッグとは…?それは最初にご紹介したオルトリーブ ラックパックのようなシンプルなダッフルタイプです。素材はPVC、ターポリン、TPUのような強固なビニール生地をミシン縫製ではなくウェルダー溶着加工で製造されたものです。メイン開口部はファスナーではなくロールクロージャーでどんな強い雨を長時間走行しても内部に浸水しないバッグです。

そしてエア抜きバルブだのDリングだのといった余計な部品はなるべく少なく、シンプルなものが良いです。部品を付けるとその部分の溶着でいつかピンホールが発生して浸水したり、何かに部品をひっかけてバッグ自体を破いてしまう場合があるからです。エア抜きバルブは便利なように感じますがロールクロージャーを1回ほど巻いた位置で内部の空気を押し出してやれば空気は簡単に抜けるものです。

エアバルブなど一見して機能的に思えるが何かにひっかけて生地にダメージを与えてしまう。

ロールクロージャーのダッフルに荷物を入れてしまうと、ツーリング途中で内部の物を取り出したい時に、やや出しづらくて不便かもしれません。ここはツーリング中に使うであろう小物などは事前にタンクバッグかボディバッグに入れて、シート上に積載する防水バッグはキャンプ場に到着するまでは開梱しないという前提でパッキングしてみましょう。

何より避けたいのは次の事。雨の中を走りぬいてキャンプ場に辿りついた…荷物を開けたらバッグ内が水タンクのようになっていて、寝袋も着替えもグショ濡れだった…という事態です。何を隠そう15年以上前に私が北海道ツーリングでやってしまった実体験なのですけどね。それ以降はTHE NORTH FACEのBCダッフルにレインカバーをかけてキャンプツーリングに出かけるようにしましたが、そもそもカバーは面倒なので別の防水バッグに買い替えました。

最後に誤解のないよう付け加えておきますが私はTHE NORTH FACEやグレゴリーも大好きでファッションアイテムとして愛用しております。

今回はこの辺で!!

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北海道ツーリング☆ツーリング写真ギャラリー<道東編>

~夏の北海道ツーリング~

ツーリング写真ギャラリー

前回の道北編に続いて今回は道東編でございます。

フレシマ湿原

根室市の別当賀にあるフレシマ湿原。落石岬から西へ10kmほどの位置に海岸沿いに人知れず存在する牧草地帯と湿原。僅かな情報を頼りにダート道をひたすら突き進んだところ、いきなりこの絶景でした。この年の北海道ツーリングはとても雨の多い旅程でしたが、この時だけは神様が青空を与えてくださいました。

風の音と遠くから波の音。いつかまたここを訪れたい大好きな場所です。




黄金道路

国道336号 通称「黄金道路」。海岸ぎりぎりに建設されたこの道は、打ち寄せる波に何度も破壊され年中工事している印象でしたが、近年では道路を少し内陸側にして、だいぶ改善されたようです。その昔、旅先で「襟裳岬を避ける奴は腰抜けだ」と言っているライダーがいました。その意味がよく分かるほど強風と濃霧、打ち寄せる波との戦いでタフなルートだったのです。

荒々しい風景と苦労して走りきったこと。それが私の記憶に深く刻まれています。

北太平洋シーサイドライン 東恵茶人

北太平洋シーサイドライン、それは釧路から根室をむすぶ絶景のツーリングルート。とくに浜中町から霧多布までは風光明媚で道東らしい風景が広がる区間です。今から15年前。はじめて北海道をツーリングした私は、その最果て感に圧倒されて不覚にも心細さを感じたのを今でも覚えています。

この一帯の景色は単純に「景色がいい」では説明がつかず、美しさと寂しさが複雑に織り交ざる所だと感じます。先日「時間を写真で紡ぐ」という難しい言葉を耳にしましたが、それの意味がこういった景色の中に隠されているのかもしれません。




天に続く道

知床半島の近く、斜里町の天に続く道です。現在では有名な観光スポットになってしまいましたが、かつては交通量も少なく北海道ツーリングの穴場スポットでした。知床峠はいつ行っても羅臼側と斜里側で天気が真逆であるのは有名です。この時も羅臼側から知床エリアへアプローチしたのですが、それまでは冷たいシトシト雨に心もすっかり冷たく曇っていました。しかし斜里側に降りると強い夏の日差しがジリジリと照り付けて、天気が好転しただけで気分が嬉しくなるのは不思議なもんだな…と思って撮影したのを覚えています。

釧路市阿寒町で出会った風景です。雪の重みで屋根が傷まないよう、鋭角な斜度をつけた雪国特有の建物です。現在は空き家のようですがカラフルさと雰囲気が気にって足をとめてみました。旅では人気の立ち寄りスポットや絶景を求めて走るのも良いですが、こういった自分がハッと気が付いて目に入った「好きなもの」を大切にしたいと、いつもそんな風に思っています。これは2019年のGW北海道ツーリングでの写真ですが、不思議とつい昨日のことのようです。




北太平洋シーサイドライン

この写真も北太平洋シーサイドラインです。浜中町から霧多布を目指して走っているところを走行中のコクピット風景として撮った1枚です(片手運転ではありませんよ)。この写真を撮ったときも往路は東北自動車道を自走で走りぬき、道東に着くころには3000キロくらい走っていました。いい加減(良い加減)距離を走ると脳内のガスが抜けて雑念なくクリアになる感じが大好きです。雑念とは走らせながら仕事や日常の不満を考えることなどです。本当にたくさん走り切るとガスが抜けて脳内の妄想回路が浪漫思考にシフトしていくのです。

夏の北海道ツーリング ツーリング写真ギャラリー<道東編>でした。

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2019夏の北海道ツーリング 穴場写真スポット<道南編>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、いよいよお盆休みも近くなってきましたね。ロングツーリングに行かれる方はお忘れ物にご注意ください。ETCカード、保険証、予備のメモリーカードなどなど… 以前、友人がテントは持ってきたものの、テントポールを忘れて酷い目にあっている人がいました。

さて今回もツーリング写真解説はお休みして北海道ツーリングのお役立ち情報でございます。前回の北海道ツーリング穴場撮影スポット<道東編>に続いて、今回は北海道ツーリング穴場撮影スポット<道南編>でございます。

しつこいようですが究極のツーリング写真流の「おすすめ」ですのでマニアック過ぎでしたらお許しを~

・洞爺湖を一望する月浦の高台

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

ニセコエリアのアイコンである洞爺湖と羊蹄山。かつてサミットが行われたこの道南の景勝地は観光客だけでなくライダーにも人気ですよね。しかしカルデラ湖の洞爺湖の様子を美しく一望できるポイントは意外とすくないものです。有名な展望所では駐車場にバイクを停めて見るしかありません…それでは愛車とのショットは難しいですよね。

そこでお勧めの穴場はズバリここです。洞爺湖の西岸に位置する月浦という場所で道道578号からカフェ ゴーシュを目印に高台を登っていきます。電線など遮るものがなく美しい洞爺湖の様子と遠景には日高山脈を望むことができます。人も少なくて静かな場所ですよ。




・羊蹄山をジャマもの無しで堪能する喜茂別の農道

EOS6D Mark2 + EF35mmF2L IS

富士山のような美しい裾をもつ蝦夷富士こと羊蹄山はニセコエリアのもう1つのアイコンですね。いや…先ほどの洞爺湖よりもニセコといえば羊蹄山かもしれませんね。そんな美しい山、羊蹄山のおススメの撮影スポットは喜茂別町の字比羅岡に位置する道道97号とR276の間に並行して走る農道です。有名な立ち寄りスポットである京極町ふきだし公園の南へ5kmくらいの場所です。

道から羊蹄山を望むとちょうど真西になりますので日没時はシルエットとして逆光で狙うか、早朝の朝焼けであれば赤富士ならぬ赤蝦夷富士を写真にできるかもしれません。農道は2車線で十分に広い道路ですが通行の邪魔にならないよう配慮しましょうね。




・駒ヶ岳が最も美しくみえる大沼の穴場

EOS6D Mark2 + EF50mmF1.8STM

函館のちょい北である七飯町、これもまた北海道ツーリングでは人気のスポットである大沼でございます。大沼といえば北海道を旅するライダーでは聖地的なキャンプ場、東大沼キャンプ場がありますが、やはりここに来たら是非楽しみたいのは大沼から望む北海道駒ヶ岳の雄姿です。しかし駒ヶ岳がキレイに見えるポイントは大沼には少なく、あってもガードレールや柵などがあり写真には適さないものです。

しかし!理想的な場所を見つけました。しかも行き方も簡単でございます。大沼公園駅から北へ650mほど走ると砂利道の小道の入り口に「リバージュ」の看板があります。その小道を入ってすぐの公衆トイレの辺りです。

早朝に行けば運が良ければ湖面が水鏡になっているかもしれませんね。




いかがでしたか?道南エリアは函館港着のフェリーの人にとってスタート地点ですが観光地ということもあり混雑は避けたいですよね。早朝に行動して良い写真を撮ってくださいね。

函館着のフェリーといえば、私の北海道ツーリングは今年のGWも去年のお盆休みも片道は東北自動車道を自走で青函フェリーでした…。大洗~苫小牧の商船三井フェリーは去年は台風で欠航、今年はチケットがとれず…。しかし頑張って千葉から約800キロを走破して函館に入ると、独特の町の雰囲気がなんだかご褒美のように感じるものです。苫小牧も良いところですが、あそこは西港から降りると産業道路の印象が強いですからね。

それでは皆さま、安全で楽しい北海道ツーリングを!

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北海道ツーリング 穴場の撮影スポット<道東編>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、先日「北海道ツーリング 穴場撮影スポット<道北編>」という記事を書きましたが如何でしたでしょうか?このお盆休みに北海道ツーリングを計画されている方、その中でもツーリング写真が好きで旅の記憶に刻まれるツーリング風景を作品にしたい!と願っておられる方にお役に立てれば嬉しいです。

さて今回は北海道ツーリング 穴場の撮影スポット<道東編>と題して、北海道の魅力が凝縮されているような道東の穴場写真スポットをご紹介いたします。一応、またお断りしておきますが、あくまで究極のツーリング写真的な写真スポットでございますので…。




1.阿寒町の名もない広域農道

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

道東自動車道の阿寒ICから国道240号線を北へ7kmほど走ると道の駅【あかんランド丹頂の里】があります。そこから左に入り突き当たった道です。この広域農道は本当に純粋な農道という印象で一般の車はほとんと走っていません。この写真を撮ったときも1時間以上はこの道の周辺にいましたが1台も車とすれ違うことはありませんでした。

一見すると北海道のどこにでもありそうな景色かもしれません。しかし電線や看板なども少なく、道東らしい雰囲気が確かに存在する渋いツーリングルートです。




2.北太平洋シーサイドライン ポンポロト集落

EOS5D MARK2

道東を代表する人気ツーリングルート【北太平洋シーサイドライン】です。釧路市から根室をつなぐ道道142号線ですが特に風光明媚なのは浜中町から厚岸の辺りで最も道東の海岸線らしさを感じる道といっていいと思います。その北太平洋シーサイドラインで穴場、というか私が個人的にお勧めしたいスポットは奔幌戸(ポンポロト)という集落のエリアです。

絶景地でも有名なスポットでもありませんが、ふと足を止めたくなる素朴な風景です。内陸側の原野を入れて渋い1枚を撮ってみてください。




3.来止臥野営場の満天の星空

EOS6D Mark2 + EF14mmF2.8L

ここは以前に北海道の絶景キャンプ場としてご紹介した来止臥野営場です。最低限の設備で自然の地形を生かしたワイルドな無料キャンプ場。しかしキャンプ場としての魅力だけでなく晴れた日は満天の星空を堪能できます。

近所のサイトの焚火が消えたころ、カメラを三脚にセットして夜空の様子を撮ってみましょう。それは星空と呼ぶよりは銀河という感じです。

いかがでしたか?北海道ツーリング 穴場写真スポット<道東編>また機会をみて<道南編>も書いてみたいと思います。

お楽しみに!!

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夏の北海道ツーリング<道北>ツーリング写真ギャラリー

~夏の北海道ツーリング~

道北エリア 北海道ツーリング写真ギャラリー

逃げ水のエサヌカ線

600㎜の望遠レンズに×2エクステンダーを装着してエサヌカ線のはるか遠く、逃げ水の中から現れたライダー達をとらえた1枚です。大胆に斜めに構図して異空間を表現してみました。暑い中、2時間くらいこの場所に立って粘った写真で想い出深い1枚です。




オロロンライン

道道106号オロロンライン ただ直線なだけでなく荒涼とした原野に日本海の風景。はじめてここを訪れた2004年、大雨に打たれながら天塩川沿いを走りぬき、日本海が見えてオロロンラインに入った瞬間に急に晴れた…オロロンラインに来るとあの感動を今でも思い出します。

枝幸の国道

なんでもない国道です。有名な立ち寄りスポットでも景勝地でもありません。しかし矢羽が連なるこの国道に北海道の人々の生活風景が垣間見える気もします。こんな場所で写真を撮ろうなんて普通は思いませんが、こうして1枚の写真として見ると、これもまた私の記憶の旅風景であると感じます。




2017年8月 北海道紋別市

宗谷国道と呼ばれるR238を北上していたときでした。オオハンゴンソウと思わしき雑草の花が一面に咲き乱れている空き地を見つけました。入っても問題なさそうなのでこの場所で写真を撮ってみようと思い足を止めた…その時の自分。何年も前の出来事ですがこの1枚を見るとまるで昨日の事のように感じます。

2017年8月 北海道抜海町

オロロンラインはなぜ多くのライダーを魅了するツーリングの聖地なのだろうか?そんなことを考えても仕方がないけど、もし誰かが私にオロロンラインを1枚の写真で表せ、と言ったらきっとこんな写真を撮って「はいどうぞ」と渡すでしょう。




写真とはあの日、あの場所でシャッターを切ったからこそ旅の心象風景が心に深く焼き付くと、私はそう信じています。だからこそオートバイでの1人旅には写真は欠かせないと…そんな風に思うようになりました。写真を撮ることがツーリングの目的になっちゃっているとか、そんな事ではないのです。

ただ単純にバイクでツーリングに行くことが大好きで、その時に見た風景をいつまでも心に残したい、心に残したいからこそ写真にしておきたいのです。

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2019北海道ツーリング 穴場撮影スポット<道北編>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、お盆休みのツーリングの準備は万端でしょうか?お盆に北海道ツーリングに行くよ!という方も多いと思われます。そろそろ週間天気予報が気になるところですよね。

私は2019年の北海道ツーリングはGWに行ってきましたので、お盆は北海道ではなく信州か東北を考えております。フェリーの予約がない旅なので直前の天気予報で決めてみたいと思います。

さて今回はツーリング写真解説ではなく北海道ツーリングの穴場撮影スポットと題して究極のツーリング写真流 おすすめの撮影スポットをご紹介してみたいと思います。まず今回は道北編でございます。




1.オトンルイ風力発電所 浜里駐車公園

はい、北海道ツーリングの道北エリアと言えばまずはオロロンラインですよね。そのオロロンラインの天塩側のエントリーポイントとして有名なオトンルイ風力発電所があります。みなさんこのオトンルイで写真を撮られていますが、ここって写真撮るの難しくないですか?

真下のダートまで入って広角レンズで撮ると風力発電のプロペラがたくさん並んでいる様子が伝わりませんし、かといってオトンルイ風力発電所の目の前にあるサロベツ原野パーキングは海側にあるのでイマイチですよね。

そんな時はサロベツ原野パーキングから6kmほど天塩側にある浜里駐車公園から撮ってみましょう。長い間隔でたくさん並んでいる細長い物…それを画面内で決定的に表現するにはどうしたら良いでしょうか?そう望遠レンズですよね。

望遠で風力発電所を引っ張ってギュッと圧縮してみましょう。この駐車場はとても広いので自分のバイクを大きめに構図しても、思いっきり後ろに下がって撮ることができます。

あれっ…いまGoogleマップを確認したらオロロンラインの名称が「萌える天北オロロンルート」に変わっていますね。なんじゃこりゃ…いつからこのような名前になったのでしょうか。




2.坂の下海水浴場 駐車場

同じくオロロンライン…いや萌える天北オロロンラインでございますが、こんどは大幅に北上してノシャップ岬に近いです。萌える天北オロロンラインを北上するとノシャップ岬方面と稚内市内へ分岐するY時の信号<坂の下交差点>があります。そのすぐ手前に地味なスポットですが日本最北の海水浴場があるのをご存じでしょうか?

その名も坂の下海水浴場。ちなみに8月に行っても誰ひとり海水浴していませんし、もちろん海の家とかもありません。しかしこの坂の下海水浴場のだだっ広い駐車場は私に言わせて頂ければ最高のツーリング写真スポットです!

空に表情があるときは広角レンズで、遠方に見える利尻富士が美しいときは望遠で!どう撮るかは貴方の感性次第でございます。

あれ…こんどは信号からノシャップ岬方面へ分岐した道道254の名称が「宗谷サンセットロード」になっているなぁ…。ここは以前から無事カエルロードと呼ばれる道でカエルさんの置物が並んでいる道なのですが…。萌える天北オロロンラインといい、なんか変だな~ 鹿の飛び出しがとても多い道なので気を付けてくださいね。




3.レンガの廃墟 秋田木材発電所

EOS6D Mark2 + SIGMA50mmF1.4ART

国道238号を稚内市内から宗谷岬に向かう途中、稚内空港の少し手前あたりで不気味に見えてくるレンガ造りの古い廃墟があります。大正2年建造の秋田木材発電所跡です。むかし木材を燃やして発電していたなんて信じられませんね。

国道238号を稚内市内から行くとレッドバロン稚内の1つ手前を右に入ります。駐車場のような広めの敷地があり、特に立ち入りを制限するような表示などはありません。夏に行くと草が高く生い茂って鬱蒼としていますので、気を付けて行かれて下さい。

ちなみに声問は稚内から少し突き出た岬になっていて、その名も声問岬なる地味な岬が存在しています。どなたか開拓してみてはいかがでしょうか?

いかがでしたか?夏の北海道ツーリングで写真を撮るスポットと言えば宗谷岬、オロロンラインのNのモニュメントか夕来展望所、宗谷丘陵のシェルロード、北防波堤ドームなどが有名ですよね?

今回は究極のツーリング写真流にどこにも紹介されていないような、穴場スポットを3つご紹介させていただきました。秘密の穴場スポットですのでこのブログを見た方以外には内緒でお願いしますね!

今回はこの辺で!!

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北海道ツーリング 旅小説「ブローニーフィルムの彼女」

 夏の北海道ツーリング ~ツーリング旅小説~

 「ブローニーフィルムの彼女」

…2009年8月

大学生らしい。

都内の有名大学に通う立派な女子大生だ。

「この先どうしましょうか?」

 

この日、早朝からキャンプ場を出発した私は金山湖を経由し、日勝峠を超えた後に十勝エリアを目指す予定だった。

しかし金山湖のはるか手前の花人街道で、行く先に見える黒い雲に嫌な予感がしていた。この当時はスマホやら雨雲レーダーやらと便利なものは無かったので、天候の情報元は朝一にチェックした「曇りのち雨」という大雑把なものだった。

やがて前方から冷蔵庫の扉を開けた時のような冷気を感じた。スペースを見つけてすぐにUターンした。冷たい風を感じたらその先は豪雨だと知っているのだ。

道の駅「樹海ロードひだか」に着くころにちょうど雨雲に追いつかれて間一髪だった。屋根のある場所でホットの缶コーヒーを飲みながら「さて、どうしたものか」とこまねいていると、一台のバイクが入ってきた。

「キャー、最悪。死ぬかと思った!」

ヘルメットをしながら独り言がやたらでかい声。私は直感的に「あっ、これはめんどくさいタイプだ」と感じて距離をおいた。

離れた場所の椅子に腰かけてくつろいでいると、先ほどの声のデカいのがわざわざ探したかのように私のところへやってきた。

「すごい雨ですねー、今日ってこんな予報でしたか?」

「北海道の予報はあてにならないよ、ましてはここは日高山脈の近くだしね」

上下ピンクのレインウェアーにバイクはFTR223。少し前に流行ったストリートバイクだ。年のころは10代だろうか。身長は大きいが細身の女の子だった。学級委員長タイプが間違ってバイクの免許をとっちゃったみたいな感じだ。

一目みてユースホステルやライダーハウスにいるような旅慣れた感じの女の子ではないのが分かる。ビギナーオーラをめらめらと醸し「私を助けて」とばかりに周囲のメンズを集める感じだと悟った。

しかし唯一気になったのはリアに積載されている大荷物の中にリモワ製のハードケースがくくり付けられていること。果たしてあのリモワには何が入っているのだろうか?

「この先どうしましょうか?」

「日勝峠を越えて十勝を目指す予定だったけど、今日はもうこの辺で泊まるよ。たぶん雨は夜中まで降り続くしね」

「私は頑張って美深アイランドに行きます」

「なんだって?この大雨の中を美深?旭川の市街地を抜けてさらに北だよ。もう2時半だし。それに美深アイランドって言ったけどキャンプするの?」

「ええ…だめですか?出かける前に調べてきたキャンプ場なので…」

どうやら典型的な北海道ツーリングのビギナーらしい。北海道を島のように考えて距離感が分かっていない。それにこの雨でキャンプなどベテランでも躊躇するのに。

「まさかはじめて?」

「はい、北海道に来るのも、キャンプツーリングも初めてです」

意外と言葉遣いはきちんとしていて、こちらを大きな瞳で見開いてハキハキと話す。とても感じがいいので思わず私も普段と違って気が付くと談話を楽しんでいた。

「宗谷丘陵の白い貝殻の道をみて、知床半島を走ったら最後に鹿追町に行きます」

鹿追町??なぜ鹿追町に?宗谷と知床は定番のツーリングスポットなので分かるが、鹿追町は特段そのようなスポットではない。疑問に思ったがその時は聞かなかった。




FTR223のリアシートは異常なほどの大荷物で後ろ半分のボリューム感が大きく、見た目にアンバランスだった。(センスない積み方だなぁ…)どうしてこんなに大荷物なのか尋ねると大量のお土産と枕を入れたせいだとか…。

「枕って普段、家で使っている枕??」

確か今日の昼の便で苫小牧港に着いたばかりなのに…。旅の初日にお土産を買いこむなんて大丈夫だろうか。枕は自分の枕でないと寝れないタイプなのだと言う。

「あのね、お土産は苫小牧のフェリーターミナルで売っているんだから帰る日でいいの。それくらい分からない?」

「あはは…ごもっとも」

結局、彼女は美深行きを断念し私と同じ、この近くで一泊することにした。

「この近くに鉄道の客車を使ったライダーハウスがあるよ、アテがないなら一緒に行くかい?」

アテなどあるはずもないので二つ返事でお供することになった。雨脚が弱まったタイミングをみて私のR1200GSと彼女のFTR223の2台は道の駅を出発した。

国道沿いのセイコーマートで買い出しをして平取町役場振内支所でライダーハウスの手続きと600円の料金を支払った。

平取町の振内鉄道記念館。その敷地内にある古びたSLと2両の客車。この客車内が座席を撤去してカーペットを敷いたドミトリー形式のライダーハウスになっている。かなり古びた客車だが雨風しのげて低価格、出入りも自由でシャワーまであるのが有難い。

役場の人が「男性用の車両は雨漏りが酷いので本日はみなさん女性用客車の方をご使用ください」とのこと。いまのところ他に宿泊希望者はいないらしい。

雨漏りがひどいのは以前からだけど、役場の人がそう言うくらいなら以前よりもさらに酷くなったのだろうか。

一通りの荷物を客車内に運び終わった頃、外は「ゴォー」という音をたてて再び激しい雨が降り始めた。

「よかったろー、あのまま美深を目指さなくて」

「ほんとです、美深までもっと近いのかと思って甘く見てました」

「さっきの道の駅から200キロくらいあるから4時間以上はかかるよ。それに暗い大雨の中をテント設営なんて無茶だよ」

確かに美深アイランドは森林の雰囲気も良いし隣接している温泉もキレイで良いところではある。しかし目的地を設定してそれに縛られるように行動するのは関心できない。天候不良などで不測の事態が発生したら柔軟に目的地を変更するのがベテランである。

しばらくすると1台また1台とバイクが鉄道記念館にやってきて5人のソロライダーが集まった。




あまりに暇なので装備品のチェックをしてあげることにした。この先、あと1週間も北海道にいるという。老婆心ながら本当に大丈夫だろうかという心配から、ちゃんとした装備を持っているのか気がかりだったからだ。

彼女の持っていたテントは量販店で大量に売られている安物だった。生地の縫製部分を軽く引っ張るとミシン穴から向こう側の光が見えた。

「これは晴れている日はいいけど雨だったら使わない方がいい。寝ている間にテントの中がプールになっちゃうよ」

ガスバーナーもノーブランドの安物で使い方も分かっていなかった。「出かける前に使えるのか確認しろよなー」結局、そのガスバーナーはイグナイターが不良品で後でコンビニで100円ライターを買ってそれで点火させることにした。

「私、カレーも作れないんですけど大丈夫でしょうかね…」

「無理して料理なんてしないでスーパーで売っているウインナー、おでん、ハンバーグとかボイルするだけのヤツでいいんだよ。あとは袋のラーメンかうどん、朝食は朝早くに出発するならキャンプ場じゃなくて途中のコンビニに立ち寄ってそこで済ませればいいよ」

雨がいったん止んだのでFTR223のパッキングもチェックしてみた。重い物は低い位置に、ショックコードは硬い部分に通すといった説明をして最初からパッキングし直した。最初の状態では高速道路の加速時にハンドルが左右にブレて怖かったのだとか。

一応はツーリング用品のメーカーで企画開発をしている自分はある意味で「この道のプロ」である。バッグの固定ベルトやショックコードの使い方が間違っていると、黙って見てはいられないのだ。

FTR223を出来る限り低重心に、マスの中央に重量物がくるようパッキングし直し、これでハンドルのブレも走行中に荷物を落下させるような危険なことも無いだろうと一安心。そして気になっていたリモワのケースに何が入っているのか聞こうとしたとき、凄まじい稲光と雷鳴が響き渡った。

「きゃああああああーーーーー」

急いで客車内に避難し外の様子を見たが、どうやらすぐ近くで雷が落ちたようだ。数分で消防団が急行していく様子が見えた。

他のライダー達が「もう危ないからここでビールでも飲んでようよ」と全員で小さな宴会を始めることにした。

深夜、雨は止んで外の様子が不気味に静かだったので目が覚めてしまった。彼女の方に目をやると大の字になって凄い寝相であった。問題の枕はあさっての場所に投げやられていた。「まったく意味ないな…」とつぶやいて再び眠った。




翌朝、嵐は過ぎ去って振内の空は気持ちよく晴れていた。しかし天気予報をチェックすると道北も道東も雨予報となっていた。私は予定を変更して安定した天気の襟裳岬を目指すことにした。

彼女も美深はあきらめて、とりあえず南下するらしい。朝の6時にはパッキングを終えて互いに目的地は異なるが途中までは一緒に走ることにした。

サラブレット銀座。地図にそう書いてあるエリアにさしかかると、昨晩の雨で湿った大地が朝日で温められて一面が靄になり幻想的なサラブレット牧場の景色が現れた。

私のR1200GSと彼女のFTR223は牧場の敷地の手前で停車し、この素晴らしい絶景を写真におさめることにした。私はキャノンの一眼レフカメラ、彼女はニコンのCoolpixの上位機種だった。

思わず「カメラは高級なのもってんだな」と言いそうになってしまった。

私は彼女に写真の撮り方までレクチャーするほどのお人よしではないので、自分の撮りたい場所へそそくさと動いて無心にシャッターを切った。

彼女はなぜかFTR223の方へ戻り、何やら荷物を出している。どうしたんだろうか?

「いい写真は撮れたかい?」

「今から本番ですよ」

???聞くとCoolpixは露出の確認と試し撮り専用なのだと言う。いったい何を言っているのだろう?そう疑問を抱いたとき彼女は例のリモワ製ハードケースの蓋を開いた。

「ゼンザブロニカのS2!!」

なんとリモワの中には1965年製の6×6版カメラであるゼンザブロニカS2が収まっていたのだ。

「びっくりしましたか?」

彼女は得意そうにニコニコしながらブローニーフィルムの先端をスプールの溝に差し込みキリキリ、キリキリと巻き取った。実に手慣れている様子だ。

フィルムマガジンを本体に装填し巻き上げノブをカカカカ、カカカカ…と回してスタートマークを確認すると「これでよし」と呟いた。

「えっ…ちょっと待って、こんなヴィンテージの中版フィルムで…ええ?…マジで…?」動揺を隠せない私。

「さっきのCoolpixで撮った写真でいいからチョット見せて」と言うとその小さなデジカメの液晶には驚きの作品が写っていた。つい数分前まで先輩写真家気どりだった自分が急に恥ずかしく思えてきた。

「まるで神田日勝の絵画に通ずる生命感だな…」

神田日勝とは北海道を代表する油絵の画家であり、この場所の山の反対である鹿追町には神田日勝記念館がある。何を隠そう前日に私が超えたかった峠道もその名にちなんで「日勝峠」であるのだ。

私の「神田日勝」という言葉を聞いてフォーカシングフードをのぞき込んでいた彼女の表情が一瞬だけ反応した。

「ほんとですか?うれしい」

・・・・・あれから10年以上が過ぎて、FTR223の彼女とは一度も会っていない。なぜなら連絡先も名前すらも聞かなかったのだ。せめてあの時のゼンザブロニカS2で撮った作品を見て見たかったものだ…と後悔の念が残る。

そんな旅の思い出。

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~過去のツーリング小説~ 

・旅人たちの子守歌

・想い出のお昼寝

~あとがき~

今回は今までのツーリング小説と違って6割がノンフィク、4割がフィクションで作ってみました。実際は大学生は女の子ではなく2人の男の子。そしてゼンザブロニカのカメラとサラブレット銀座のシーンもフィクションです。振内の鉄道記念館、日勝峠、サラブレット銀座、神田日勝の縁である鹿追町など、個人的に思い入れの深い北海道の地を舞台に書いた稚拙なツーリング小説でした。