バイク写真☆撮影現場での10のプロセス

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今日は七夕なので天の川の景色を見に行きたいところですが、残念ながらお月様は月齢15.8でほぼ満月ですね。月の入りが6:07なのでもしかしたら深夜3~4時くらいに少し見れるかもしれませんが…お天気が微妙です。

ちなみに今月の新月は21日なので18~24日あたりであれば天の川の景色を見に行くには良いかもしれませんね。この時期の天の川は本当に美しく輝くものです。

さて今回の究極のツーリング写真では今までとは少しアプローチを変えてツーリング写真において撮影地で私がしている10のプロセスを書いてみたいと思います。いつも私が無意識にやっていることですが、撮影地で何をしていいか分からないというビギナーの方の参考になれば幸いです。

1. 気付き

まずはバイクで走っていて「おや、ここは何かあるぞ」と気付いてバイクを停めたところが始まりです。衝撃的な絶景から小さな発見まで、撮影者のセンサーが反応を示してバイクを停めることから撮影は始まります。

気付きはある種の才能だと思います。気が付かない人は素通りなのでチャンスを逃してしまうものです。変な言葉ですが「気づき力」を磨くことで傑作ツーリング写真を実現できるチャンスが与えられると思います。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

2. 感動

その情景、被写体を受けて自分の心がどう動いたか?ここが地味に重要なポイントです。感動のプロセスが抜けてしまうと良い写真は遠のいてしまいます。感動できない…という景色なのであれば、そこで写真を撮る意味はありません。

しかし人の感情とは曖昧なもので自分でも果たしてどう感動しているのか良く分からない場合もあります。そんな時は感動の言語化が有効です。語彙力に自信のない人でも自分の知りえる限りの言葉の中から最良のワードで気持ちを言葉にしてみましょう。




3. 視覚

目に飛び込んでくる現実の様子を視覚するプロセスは人間の肉体的な機能に依存します。その場所に着いて最初は多くの情報を目立つものから順に視覚していくものです。絶対的な存在感のある例えば巨大な風車とか、ユニークなオブジェなど「おおっ」と思う被写体がある場合、足元に咲く可憐な花を視覚するのはだいぶ後回しになるでしょう。

見落とすことなく全ての情報を洗い出すため、時間をかけて視覚していきましょう。それが完璧にできれば家に帰って写真を見返したとき「よく見たらこんなところに花が咲いていた」なんてことは無いはずです。

「よく見たらこんなところに…」が許されるのは心霊写真だけ、と覚えておきましょう。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS F11 1/125

4. 認識

視覚した情報を元にそれが何であるかを判断するのが認識です。まずは大切なポイントとして空間の認識があります。いま自分がここを写真にしたいと感じている現実の様子について、被写体や周囲の空間や位置関係、風景なら空の表情までも含めた全体の様子を測量するように認識します。ここを正確に把握しておくとレンズの焦点距離を簡単に決めることができるのです。

そしてこれは美しい、これは写真に入れない方が良い、またはこのシーンに似つかわしくない、といった具合に各々の被写体や要素を分析します。自分が映画監督と例えるとキャストを集めてオーディションをしているような工程になります。

5. 想像

視覚や認識の結果、当初に感動したことをどう表現するかを想像するクリエイティブタイムです。いい写真を実現させるために極めて重要なプロセスで「こんな風に撮りたい」「こんな風に撮れるはずだ」という空想の写真を脳内に描きます。

言ってみれば完成予想図であり、この先のプロセスで使用する図面のようなものです。イメージを作らず何が写るか分からないけど、とりあえずシャッターを切ってみた…というのは都会のスナップなどドキュメンタリータッチな写真ならOKですがツーリング写真ではそうもいきません。

情景の特徴を受けて感動したことを表現すること。どう感じたかをどう表現するか?例えば「いい感じ」とか「海がきれい」ではなく「夕景のさんざめく凪の海に郷愁感を覚えた」といった感じに具体的にして、そう見える写真を脳内に描くのです。

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

6. 選択

脳内にイメージの写真が固まったらこの先は作業です。最初の選択はレンズ(焦点距離)です。雄大な景色を受けて広がり感を表現したいなら広角レンズ、特定の被写体に絶対的な存在感を持たせて背景のボケ具合でみせたいとなったら望遠。焦点距離は例えば35mmならこう写るだろう、という感覚を身に着けておかないとイメージに対して何ミリと決めることができません。

そして撮り方の引き出しから今使いたい最良の手法を選択します。例えば三分割構図を複雑に構成して写真の構造を暗号化してみようとか、露出をハイライト部分だけに切り詰めて黒バックでみせようとか、深度とピントピーク位置をコントロールして絞りでみせようとか・・・ イケてるDJが選曲する時のように今はこれだ!というチョイスをする訳ですが定石通りでは退屈です。キラリと光るセンスで選択しましょう。




7. セッション

いよいよカメラに電源を入れて撮影開始です。被写体や情景と向き合ってシャッターを切りながらイメージに近づけていくセッションです。僅かなアングルの調整や微妙な露出コントロールなど撮りながら詰めていきます。そして最終的に自分が納得できるベストを得るまで集中力を高めて撮り切ります。

セッションは集中が切れるおよそ30分くらいがリミットで、それより長引くようだと一度中断してイメージから再考した方がいいでしょう。

この工程は最も楽しく自分らしくいられる時間です。バイクに乗って旅をしている時間に似ています。後にこの時のことが深く記憶に刻まれて、やがて自身の記憶風景に変わっていくものです。記憶風景と作品が重なった時、その1枚の写真がとてつもなく尊いものに感じます。

EOS6D mark2 + EF14mmF2.8L

8. 余韻

納得のいく1枚が撮れたからといってすぐにカメラを仕舞ってバイクのエンジンをかけるのはやめましょう。撮り切った直後の余韻を感じることで自分がこの情景を前にどう感動したのか?本当のことが見えてきます。

この時、脳内にはエンドルフィンやドーパミンといった報酬系の物質がでることで究極のリラックス状態が生まれます。リラックスはインスピレーションを授かる絶好のチャンスでもあるのです。

9. 再考

私たちはプロのカメラマンではありません。アマチュア…言い換えれば個人的な写真家です。撮影に費やした労力を報酬と天秤にかける必要もありませんし妥協しようが失敗しようが何の損害もありません。

だからこそ1ミリも妥協せず強い意志で納得のいく1枚が撮れるまでしっかり撮り切りましょう。「またいつかここへ来て撮ればいいいや」では良作の道は遠のくばかりです。

まだ何かできることはないか?これで本当にイメージ通りに表現できただろうか?これでは普通すぎないか?もうひとひねり何かないだろうか?という粘りは重要です。時間をかけることで予期せぬゲストが登場し奇跡を授かることもあるでしょう。

一通り撮り終わったら必ず自問してみましょうね。




10. 解釈

バイクに跨ってエンジンをかけ、ギアを一速に入れる時「こうゆうコトだったのだ」と出会った情景や被写体に対して解釈が生まれます。それはこの場所に辿り着いた当初は混沌とした感情の渦に隠されていた被写体の本当の魅力です。

撮ったことによって解明された自分の感情。出会った被写体や景色に感謝の気持ちが芽生えてくる瞬間です。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

いかがでしたか?ツーリング写真における撮影地の10のプロセス。「おおっここは写真を撮るのにいいかも!」と思ってバイクを停めた直後は、バイクに乗ってそこへやって来たことに興奮状態です。目に見える情景から視覚し認識し感動を受けて選択をすること。そうすると混沌としていた感情から具体性が出てきて何をするべきかが見えてくるのですね。

いい場所は見つけたけど何をしていいか分からず途方にくれていた…というビギナーの方の参考になれば幸いです。

今回はこの辺で!!

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かけがえのない記憶風景をツーリング写真として作品に残す

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は私のツーリング写真独り言コーナーでいってみたいと思います。

当ブログ【究極のツーリング写真】では今までバイク写真、ツーリング写真に関わるあらゆることを綴ってきました。それはカッコいいバイクの撮り方であったり、ツーリング先で出会った風景の撮り方であったり…。そして撮り方に限らず写真という芸術をライフワークとして生きていくことや我々バイク乗りが見ている旅の世界と「写真」は親和性の高い関係であることなど、本当に色々と書いてきました。




そして誰もが憧れる「いい写真」についても何度か触れましたが、現在のところ私の解釈として「いい写真」とは、とりあえずですが次のように定義付けております。いい写真とは常に見る側が主観的に決めるもので撮る側としては永遠のテーマ。美しいかそうでないか、かっこいいか?そうでないか、心動かされる芸術作品であると感じるかどうかは見る側へ委ねられるものです。

撮る側としては本当は見てくれる全ての人へ感動を与えたいところですが実際はなかなか厳しいものがあります。個人の押し売りみたいになるかもしれませんが現状として私は「わかる人の心に響いてくれれば幸せだ」と思っております。実際に私の撮る写真はどこか地味ですしインパクトも欠いているかもしれません。何より流行を全く意識していないのでSNSなどで発表したところで「いいね」などの反応は少数です。

EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

しかしそんな事は気にしません。私にとってツーリング写真とは私自身がバイクで走り紡いだ記憶風景の断片です。誰かに見せて喜んでもらえたり、何かのお役に立てたなら尚更幸せですが、そうでなくても不満はありません。




あの日、あの時、写真を撮ったからこそ記憶に焼き付く旅のワンシーン。「あの時ああだった」と一枚の写真を手に取って、記憶のツーリング風景を回想できれば何にも代えがたい幸せだと思います。その為にはただバイクに乗るのではなく常に旅心を意識して走ること、一枚の写真がやがて尊い記憶に変化していくことを意識して一枚一枚に思いを込めてシャッターを切っています。

しかしそういった一枚一枚の作品はどこかアートではないだろうか?そう気が付いた時、究極のツーリング写真の目指す世界が見えてきます。「究極のツーリング写真って何が究極なの?」と聞かれればバイクで旅をする世界は人々が忘れかけた旅精神とライダーだけが見ている景色に芸術的な美が存在する…それを写真にすることが「究極」です、と答えます。

テーマこそブレていませんが、どのように表現していくかは未だ手探りでやっています。この「ツーリング写真」とやらが一体何なのか?いつか究極の表現を具現化できる日を夢にみて精進しております。

2020年6月 立澤重良




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令和時代のツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、当ブログでは今までバイク写真、ツーリング写真に関わる様々なことを綴ってきました。ツーリング写真の魅力、人に見せて喜んでもらえる旅写真、そしてビギナーや壁に当たっている方へのヒントなど。

今回は久しぶりにギャラリーの更新も兼ねてツーリング写真とはいったい何だろう?令和時代におけるこれからのツーリング写真とは何か、バイク旅という文化と写真について、私なりに稚拙な語彙力で【ツーリング写真】を定義してみたいと思います。

EOS6D mark2

大好きな愛車をドーンと大きく撮った写真を愛車写真とするとツーリング写真は風景の中のバイクです。風景の中のバイク+ライダーを写せばそれはツーリングのワンシーンであり「旅」というStory性のある作品が成立します。

ロケーションは美しい自然はもちろんのこと、寂れた山村、無機質な高速のジャンクション、寺社仏閣など歴史ある建造物、最果て感のある海岸、荒涼とした火山地帯などライダーであれば「ツーリングが好きな理由」として数え切れないほど列挙できると思います。

カメラを使って写真を撮るとは現代となっては当たり前すぎることで、それゆえに不思議なあることを見失いがちです。それは写真になった瞬間から時間が止まっていることです。その写真を5年後に見れば5年前にタイムスリップできる不思議です。当たり前すぎますがチョット冷静に考えるとスゴいと思いませんか?




EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

写真はひとつひとつのロケーションを走り紡いだ記録。それが後に断片的な旅の記憶風景と重なります。いつか記憶になるであろう風景を今撮ること。それがツーリング写真だと私は考えます。

EOS6D mark2 + EF70-200mmF2.8L

私のツーリング写真のギャラリーは全て私自身がツーリングで走り紡いできた記録であり、それと同時に儚い記憶風景の断片集であります。

そう、儚い記憶風景の断片。その時間はもう二度と帰ってこない儚い風景なのです。いつか年老いて自分の記憶を回想するとき、記憶の風景はかつて生み出した写真作品によって確かなものと存在し続け、そして尊いものになると信じています。




もちろん風景の美しさや道の魅力、オートバイのカッコよさも忘れずに撮っているつもりです。しかしそれらがツーリング写真の全てではありません。もっとライダーの内面にある本能的な旅精神であったり、独特のバランス感覚で空間を駆け抜ける喜びであったり、地域の人々や文化に触れた時の感動であったり・・・そういった写真にするのは難しいことも表現したいと思っています。

EOS6D Mark2

ツーリングと写真を撮ること。この両者は極めて親和性が高くその事に気が付いているのは私とごく一部の人だと思います。もちろんツーリングでは必ず写真を撮ってくるよ、という方は既に多くいらっしゃるのは承知しています。ここで言う【ツーリング】とは自由意志を持ってバイク旅に出る人たちのことです。

そう、自由意志を持っていること。好きなところへ好きなように旅してくることがツーリング。好きなことを好きなように表現できるのが写真。すべて自分が決める自由さが両者の最大の共通点かもしれません。

はじまりは誰かの影響であったり、ネットで偶然見かけた1枚の写真でも良いと思います。しかしどこかのポイントで自由意志をしっかりもって「私の場合はこうだ」という個の魅力を自信をもって発信してみましょう。




EOS6 mark2 + EF35mmF2 IS

写真への想い、ツーリングへの想いを皆さんがそれぞれ個人的な発表として作品にしてもらえれば、きっとツーリング写真という文化もいつか花開くと思います。

もしそんな日がきたらどんな素敵な世界が待っているかな?それに自分が少しでも貢献できたのなら幸せだな…と想像を馳せてみましょう。

ツーリング写真に関わるノウハウのようなものは当ブログ  究極のツーリング写真で発信していきます。私もやりたい!という方はご一緒しましょう。知識よりも知恵、腕よりも心、見栄より情熱です。

そんな風に令和時代のツーリング文化に写真芸術の表現者として私は寄り添っていきたいです。

令和二年 五月 立澤 重良

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ツーリング写真、バイク写真について思うコト

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回までで4回に分けて私がツーリング写真を撮る時、撮って帰った後にやっていることを書いてみました。いかがでしたでしょうか?

本来はこういったノウハウは人それぞれ持っているものですし、公開するような事ではないのは分かっています。秘密にする人もいるでしょう…。私があえてノウハウを公開している一番の理由はバイク写真という文化がいつか成熟し世に認知されれば良いな…という願望があるからです。そしてもう1つは知っている事をアウトプットすることで脳内の空領域の確保ができるからです。




それに私が知っている写真ノウハウなんてその道の権威の方々から見れば大したことではありませんからね。それでもビギナーの方や写真に対するお悩みを抱えた方々に何か一つでもお役に立てたというのであれば幸せですが。

EOS6 mark2 + EF35mmF2 IS

もう写真もかれこれ20年ちかく、バイクに乗るようになって30年も経過してしまいました。10代の頃、ただバイクに乗るだけでドキドキ、ワクワクとしたものでした。スピードを出したり峠を攻めたりした時期もありました…。女の子を後ろに乗せて時めいたり…といった輝きは、寂しいことに今はありませんが。しかし不思議なことにツーリングで素晴らしい景色を見ることは当時と変わらず心躍るものがあります。

いや、むしろ若い頃よりも40代も後半戦に突入した現在の方が、旅先での景色や出会いに純粋に時めいているような気さえします。内房の工業地帯を抜けて道の先に青い海が見えてくればワクワクするし、嶺岡の尾根を走る林道を新緑の季節に駆け抜ければ爽快感に心躍ります。




そもそも何故、私はこんなにツーリングを愛し写真を撮っているのでしょう。ツーリングと写真はなぜ親和性の高い両者だと気が付いたのでしょうか?

子供のころを回想すると自転車で独りぼっちで遠くまで走ってみたり、学校で禁止されている学区外や山の中を冒険気分で走ったりしたものでした。横浜市に住んでいた頃は港に停泊している台船や信号塔の絵を書いていた記憶があります。つまり今と変わらないんですね。

オートバイという乗り物は独特のバランス感覚を使い身体が露出した状態で空間を駆け抜けます。オートバイでツーリングすることでエンドルフィンやドーパミンといった物質が脳に快反応を与え感受性や想像力がパフォーマンスアップすると考えます。観光バスツアーで行った宗谷岬とバイクでソロツーリングした宗谷岬とでは印象が全く違うのはこのせいだと思います。単に日常と非日常という事ではないと思います。

ツーリングするライダーであれば豊かな感受性、優れた想像力を持ち合わせているのですから、あとはそれをどうすれば良いか?経験を積んでいけばライダーしか撮れない傑作写真というのが実現できると信じています。




私もまだまだ道半ばですが読者の皆さまと一緒に「ツーリング写真」という文化を盛り上げていきたいと思います。高速道路のSAや道の駅で見知らぬ紳士に「このバイクは何CCじゃね?」と排気量を聞かれるのではなく「ツーリング写真の人かね?」と聞かれるくらい、バイクと言えばツーリング写真!という時代が来るのを目指したいですね。

今回はこの辺で!!

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ツーリング写真☆私が帰ったらやっていること

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回まで3回に分けた投稿で【ツーリング写真 私が撮影現場でやっていること】と題して、私がいつも写真を撮るときにやっていることをご紹介してきました。

私が撮影現場でやっていること その1

私が撮影現場でやっていること その2

私が撮影現場でやっていること その3

写真は撮影現場でシャッターを切れば全てが完結する訳ではなく、その先もまだまだ道は続きます。今回は【ツーリング写真 私が帰ったらやっていること】と題して撮った後に何をしているかを書いてみたいと思います。カメラを防湿庫に仕舞うとか三脚を拭いておくとかじゃありませんよ。

EOS6D mark2 + SHIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

夕陽の撮影を終えて帰りの高速道路なんかを淡々と走らせている時です。写真を撮る前に写真イメージを空想するように、撮った後も「さっきの風景はこんなだった」「きっとこんな写真が撮れているはずだ」という完成作品のイメージを想像してみます。事前に描く写真イメージが空想ならこちらは回想です。

これが仕上がり写真をイメージする行為なのですが、大切にしたいのは風景の感動を受けて自分の感情は実際にどう動いたか?とどのように記憶風景として焼き付いたか?の2者です。沈みゆく美しい夕陽をみて哀愁を感じたとか自然の力を感じたとか、またはバイクツーリングのハイライトはやっぱり夕陽が似合うなとか、そんなざっくりした感じです。




そんな「きっとこんな風に撮れているはずだ」というイメージを脳内に回想&想像しておきます。写真イメージという単語がやたらクドいですが、本当にこれは大事で撮る直前に作る写真イメージ、帰り道に回想&想像する写真イメージの両者。これはこの後に続く写真選別と仕上げに必ず役立ちます。

帰宅してカメラからSDカードを取り出し、PCに差してLightroomを立ち上げます。まずはライブラリーモジュールでSDカードから撮影したデータの読み込みですね。ライブラリーモジュールでは明らかな不要カットを見定めて、HDDに読み込む画像データだけを選別します。

さらに読み込むデータの選別ができたらレーティングを付ける作業です。あくまで今、自分の写真スキルや感性で良いなと思った判断基準でいいので星の数を1つから5つ星までで採点してあげましょう。「あくまで今」と書いたのは数年後、あるいは10年後などに保存したこのデータから星1個のものや星さえつけなかった画像から傑作を発掘する可能性もあるからです。

よく聞く話ですが「写真は2度シャッターを切る」というのがあります。1度目は実際の撮影現場で、2度目は帰宅してからの写真選別のことです。その撮影シーンで自分が納得できるベスト1枚のselectはとても重要な作業です。撮影現場と違って時間的制約もないのでじっくりやります。

上の写真の場合、インターバルタイマー1秒間隔で撮影した作例ですが、いすみ鉄道の気動車がどの位置で撮れた写真がベストであるのか?を写真イメージと照らし合わせて熟考します。この場合は右上でしょうか。去りゆく列車を見送るstory性は右下の方が好感ですが右上は列車の「顔」に光が当たっているのが決め手ですね。

ビギナーの方はその撮影シーンでのベスト1枚を選ぶのも苦手だという方が多いと思います。よくSNSのグループなどで微妙にアングルが違うだけの同じような写真を何枚も一緒に発表している人を見かけます。最初は分からなくても良いので人に見せる場合は必ず1枚を選びましょうね。




例えばこの場合は左上は地面の割合が少し多すぎ、右上はカメラポジションを下げ過ぎて海の割合が減ってしまいました。そしてよく見ると分かるのですが空に流れる雲の影響で地面が日陰になったり日向になったりを繰り返すシチュエーションです。空の表情なども含めてトータルでベストだと思える1枚を選ぶのです。

写真とは見る媒体によって印象が変わる物です。米粒のようにバイクを小さく写してしまった写真でも4つWサイズで額装して飾ればバイクの存在は誰でも明確に分かります。しかし同じ写真をインスタにアップしてスマホで見られたらバイクがある事すら気が付いてもらえないかもしれません。この投稿の1枚目にある海岸の作品は良く見るとR1200GSと富士山の間に鳶が飛んでいます。きっとスマホ画面では気が付いてもゴミだと思うでしょう。しかし大きく引き伸ばせば鳶がポイントとなる作品だと多くの方が分かるはずです。

このためプリント用、インスタ用、ブログ用といった具合に写真selectや仕上げを行うのもよくやります。言うまでもありませんがメインはプリント用です。

失敗カットの排除、それ以外の読み込み、レーティング、ベスト1枚のセレクトが済んだら現像作業です。ここではLightroomレタッチについて詳しくは触れませんが、当初に想像した写真イメージに近づけるための最後の作業です。




いまだにレタッチはインチキ…と誤解している人も多いようですが、全てのデジタルカメラはカメラ内で一度、コンピューターが勝手にレタッチをしています。それが撮影者のイメージと必ず合致していれば苦労ないですが、99.9%合致していません。そこを少しでもイメージに近づける作業がレタッチです。

レタッチはインチキでカメラが出した画像(別名、撮って出し)こそが正義だ。と主張する方は撮る前に写真イメージを描いていないのだと思います。

写真のセレクト、レタッチは撮影後に一定の冷却期間を置いて行う事で、理由の再発見、撮影当初とは違った被写体の解釈ができるので、とても奥深いものです。私の場合は撮影直後、一か月後、数年後といったスパンでストレージに保存したRAWから再仕上げを行うようにしています。

EOS6 mark2

理由の後付け、当初とは異なる被写体の解釈と書きましたが、これが実に面白いです。既にカメラでは撮り終わった1枚の写真を何度も眺め「あっそういう事だったのか」「被写体そのものより光や空間が主題なのだな」といった具合に、撮影時には気が付かなかったこと、意識できなかったことを発見するのです。

あたかも偶然撮れた良作に理由を後付けするような感覚に襲われるものです。しかし私が思うに理由の後付けと言うよりも撮影時に無意識下にやっていたことを後になって本人が認識しただけだと思うのです…。

いつも直感とか偶然を大切にしましょう…と書いていますが裏を返すと直感や偶然は後でヒマな時に分析しておけばOKという事でもあります。後になって自分が直感でどう撮ったのか?をレタッチやselectで反映できればいいと思います。まるで自分の中のもう1人の自分に問いながら作業する感じですね。よく分かりませんが…

せっかく撮って完成させた作品はぜひプリントして額装してみましょう。上の写真はダイソーの200円の額ですがA3サイズまで対応した大きなフレームです。この額に4つWサイズプリント入れてお部屋に飾れば、ご自宅がツーリング写真のミニギャラリーになります。素敵でしょう?

自分が過去に撮った作品はかけがえのない宝だと思います。何度も見返すことで旅の記憶風景がよみがえるのはもちろんのこと、芸術を創作する生き方に幸福をも感じます。大袈裟に聞こえるかもしれませんがいい写真を撮るって本当にそうだと思います。よく自己満足な写真ではだめ、みたいなことを書いてきましたが究極を言ってしまえば人に美しいものを伝えたい、誰かの役に立てれば嬉しい、という願望を満たすという意味では自己満足なのですね。

ツーリング写真、私が帰ってからやっていること…でした!

今回はこの辺で!!

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撮影現場で私がいつもしていること☆その3

前回の投稿までで私がツーリング先の撮影地でしていることを書いてきました。

その1の投稿では憧れの写真を胸にバイクで旅立ち、走りで浄化された精神状態で感動的な風景に出会う。そこで被写体や情景の特徴を元に感動し脳内に描く空想の写真が出来上がったら…

その2の投稿ではレンズの焦点距離を選択しアングルを模索、構図やデザインを駆使して(あるいは駆使しないで)脳内に空想した写真イメージを再現させる…

といった内容を書いてきました。今回は写真イメージを実際に再現できるアングル、構図を完成させた次のフェイズに入ります。

前回までのベストアングルの模索、構図の組み立てなどは何枚か試し撮りを繰り返しながらカメラを手持ちでシャッターを切り、確認しての繰り返しの作業でした。納得のいくベストアングルを見つけたら本番は三脚に固定するので、いちどバイクに戻って三脚の準備をするのですが、せっかく見つけたベストポイントを見失わないように気を付けましょう。




手持ちで「ここだ!」というポイントを見つけたらそれを1枚撮っておきます。次に1.立っていてる位置に目印を置く(私の場合はクイックリリースプレート) 2.カメラポジション(カメラの高さ)を覚えておく 3.ズームレンズの場合は選択している焦点距離を確認しておく、の3点です。

これを元に三脚をセットして試し撮りの1枚を確認しながら当初に見つけたベストアングルの再現を行います。三脚でセットした本番用の構図は画面の四隅に細心の注意をして余計なものが写っていないか?安定のある水平は精度よく出ているか?重要な被写体に重なっている物がないか?など雲台のハンドルを機械のように精密に操作してクオリティの高い構図を完成させます。

EOS6D mark2 + EF35mmF2 IS

カメラの電源を入れて本番カットの準備をします。まずこういったシーンでは狙いたいポイントは静止していますので、ピント合わせはマニュアルフォーカスを使用します。ライブビュー機能を活用して狙いたい部分を拡大し、しっかりピントピークの位置を調整します。上の写真のように絞り込んで深い深度を発生させる場合はピント範囲も絞り込みボタンを使用して確認します。

そして手ブレ補正機能のあるレンズの場合は三脚固定では機能を忘れずにOFFにします。




ここで一度、当初に脳内に空想した写真イメージをもう1度思い出してみます。露出を決めるためです。露出は主題が最も魅力的に見えるよう設定するもので考え方はアングルを探すことと同じです。その被写体が最も魅力的に見える理想的な露出を決めます。

インターバルタイマーが内蔵されたリモートコントローラー

ライダーの姿を登場させる写真の場合、カメラのセルフタイマーでは全く役に立たないのでインターバルプログラムを使用します。写真はインターバルプログラム機能のあるリモコン Canon TC-80N3ですが現在私が愛用しているEOS6 mark2やRICOH GR(APS-C)には元々内蔵されているので今は使っていません。

インターバルタイマー機能を使って複数カットを撮影したら画像を再生させてチェックします。露出は狙ったイメージ通りであるか、ピント位置や深度は表現の一手段として的確に機能しているか、写真イメージを納得できるまで再現できた写真と言えるか?まだ現場に居る時点で徹底的に検証します。

たとえ家から近い撮影場所でも「また撮りにくればいいや」という気持ちで妥協して帰るようではダメです。心の底から納得いくまで撮り切ること。これに全てをかける!まさに完全燃焼ですね。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

次に静かなる風景にも時間が流れている事を感じ取ってみましょう。シャッターチャンスの待機です。何が起こるか分からいものですが予測できることもあります。それは野生動物の登場や上の写真のように自然現象による変化かもしれません。上の写真は北海道ツーリングのワンシーンですが一通り撮り終えた後「何かもうひとひねりないものか?」と待機していたところ、流れる雲が地面に影を走らせてゆく様子を写真にすることに成功しました。もしこの手前の影が無かったら平凡な写真になっていたと思います。




シャッターチャンスの待機は帰る時間が遅くなる訳ですが、粘れば粘るだけいい写真が撮れる確率が高まります。粘ったもん勝ちです!美しい夕陽の撮影を済ませて帰る支度をしていたら太陽が沈んだ後にさらに美しく空が変貌したという経験はありませんか?

私はいつも「まだ何か起こりそうな予感がする」という直感に従い、簡単には撤収はしません。いちど撮影を終えてから周囲を散歩してコーヒーでも飲んで、再度リラックス状態を構築して再び撮影を再開することもあります。こんな調子なのでいつも私はソロツーリングなのですけどね。連れがいたら「いい加減にしてくれ」と怒られます。

RICOH GR

いかがでしたか?3回にわけて私、立澤重良がツーリング先で写真を撮るときにしていることを書いてみました。実はこれで写真は終わりではありません。ツーリング先でしていることはこれでほぼ全てですが、あとは帰宅してから写真の選別と仕上げがあります。

次回は「私がツーリングから帰ったらしていること」と題して写真の選別と仕上げについて書いてみたいと思います。

今回はこの辺で!!

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撮影現場で私がいつもしていること☆その2

前回の続きです

情景や被写体の特徴の分析、大きさや位置関係など空間の測量を済ませたら次に写真イメージの想像です。写真イメージは脳内に描く空想の写真で「こんな風に撮りたいな」という完成予想図です。

ビギナーの方が撮ってしまう平凡な写真は写真イメージを想像せずに惰性的にシャッターを切ったので例えるならば設計図なしに作られた建物です。設計図なしに作られたものは機能もデザインもなく砂浜で作ったお城のように容易に崩れ消えます。

写真イメージの想像の仕方は十人十色で良いと思いますが私の場合は次の通りです。最初に被写体や情景の特徴から感動を受けて、それを元に1つの主題を決めます。主題は写真にこめるただ1つのメッセージです。主題以外は引き立て役として機能するようキャスティングします。地面の石ころや草など小さなものは舞台セットを構築するように考えます。これらに合致しない物はすべて写さないよう排除する方向で調整です。

1つの主題とは物でもコトでも光でも感情でもOKです。上の北海道のフレシマ湿原で撮った作品はライダーの感情が主題になっています。これら主題を画面という長方形の四角にどのような大きさ、位置、あるいはフレーミングでとらえるか想像します。




ここでツーリング写真として重要なこと【自分はその空間において何者であるか】を決めます。1枚の写真として完成したとき、それは映画のワンシーンのように物語を客観的に見るものなのか?あるいは写真の世界に鑑賞者も参加する視線型の写真にするのかを決めるのです。前者の場合は上の写真のように自らが登場人物(ツーリング写真におけるライダー)として演出します。

後者の場合は想像力を働かせればかなり色んな写真がイメージできます。写真自体がライダーの視線ということですから、はっきり言って何でもアリですね。上の写真は走行中にチラっと横に見えた一瞬の風景ですがこれを見た人はきっとバイクに乗って旅をしている気分を味わうと思います。このように見る人にもバイクツーリングの世界に参加してもらう「臨場感」を大切にイメージします。

写真イメージの想像に深く関わるのが【美】に対する考え方です。人間、誰でも美しいものを求め受け入れるものです。人類にとって美意識は特別なものです。だからこそ美しさに対する個人の考え方を表現できないか?壮大なことですがチャレンジしてみましょう。目には見えにくい美しさを表現するか、美しいものを醜く撮るのが真の美とするか、鮮やかでバランスの良いものを美とするか、あるいはそれらを何らかの意図で崩したものを美とするか…などなど。

被写体の特徴や情景の様子を分析し、感動をして写真イメージが完成したら次にやることはレンズ(焦点距離)の選択です。

レンズの使い方に「こう」という決まりはありませんが、原則として標準レンズは自然な画角なので臨場感、広角は雄大さなどを表現する広がり感、望遠は1つの被写体に絶対的な存在感を与える圧縮感であると考えます。




ベテランであれば焦点距離を感覚として持っているので脳内に描いた空想の写真イメージに対して、すぐに「よし200mmでいこう」といった具合に焦点距離を決定させます。ズームレンズの微調整は撮影スペースを奪われたときに止む得ず行いますが、原則としてベテランの脳内は14、28、35、50、70、85、100、135、150、200mmといった複数の単焦点から選択しているものです。

カメラに選択したレンズを装着したら次に足腰を使って動きアングルを模索します。被写体Aと被写体Bの間隔は左右に動けば変化しますし、ハイアングル(ハイポジション)にすれば地面の割合が多く、逆にローアングル(ローポジション)にすれば空の割合が多くなります。一面に咲く菜の花に逆光が当たって輝いていればハイアングルで撮れば良いし、千切れ雲を夕日が紫に染めていたらローアングルでそれを撮ればOKです。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6EX DG

焦点距離を選択し大まかにアングルを決めたらデザインや構図を練ってみましょう。ここでも被写体や情景からの特徴にヒントをもらいます。例えば上の写真であればオレンジのセンターラインです。画面の右下の角にぴったり合わせて視線誘導ラインとして機能させました。バイクは広角レンズで小さくしてしまったので存在感を補う意味で日の丸構図に、しかしラインとの兼ね合いで大和比を意識して少し左に寄せています。

こういった知識を撮影シーンで応用するにはどうしたら良いのか?はすべて経験値に関わってきます。知識を応用できなくて失敗写真を生んでしまった…という悔しい写真を何万枚と撮ってきたキャリアの賜物です。




構図については良く聞く三分割構図、日の丸構図、8分割やファイグリッドなど色々ありますが、私の場合はシンプルにいくのか巧妙に組み立てるかのかの二択です。上の作例では三分割構図を複数個所の交点やグリッド線で合わせてみました。こうった撮り方を暗号化したような複雑な構図も精度よく動けるカメラワークにかかってきます。正に微調整の嵐ですね。

またまた長くなったので続きは次回に…

次は三脚のセット、自撮り、露出や被写界深度などを解説します。

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撮影現場で私がしていること☆その1

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、この記事を書いている2020年4月中旬現在、世界は新型コロナウイルスの騒動で大変なことになっています。医療従事者、官公庁などの関係機関で働く方々、本当に大変だとお察しします。また個人事業主や会社関係も経済的な影響が大きく、こちらも大変だと思います。

事態の収束に向けて我々一個人ができる事は確実にしていきましょう。確か3月の初旬くらいの投稿で「ソロツーリングならウイルスの影響がない…」といった事を書いてしまいましたが、今となってはそれもダメだと思います。不要不急の外出はしない、という政府からのお願いなのですからね。

私自身は仕事に大きな影響はありませんが、テレワークができない仕事なので怖いですが電車通勤を強いられております。なるべく時間をずらして人と間隔をあけ、何にも触れず細心の注意をしております。職場の周りはオリンピック関連施設ばかりなのですが工事関係者や運営関係の人は見当たらず、寂しい風景に様変わりしてしまいました…。

しかしこのような有事を受け、なんとなく人としての生き方を問われているような気もします。




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

さて今回は在宅で少しでもツーリング写真のスキルアップにお役に立てれば…と今までと少し違ったアプローチでツーリング写真の解説をしてみたいと思います。題して「ツーリング写真で私がいつもしていること」という事で、私立澤重良がツーリング先でどのように写真を撮っているのかを書いてみたいと思います。

あくまで私の場合ですのでご参考になるか分かりませんが…。まず一番最初に大切なのは写真に対する思いです。写真が好きであること、いい写真に対する憧れ、自分がこの世でバイク旅をした記録、誰かに喜んでもらえたらいいな…という気持ち。これらが写真を撮る原動力です。この原動力はバイクで言うガソリンのように、しっかりと内面に蓄えておかないとカメラや三脚を持って出かけることすら面倒になってしまいます。

原動力には前述のような良質なガソリンを使いましょう。良質ではない原動力の代表選手は凄い写真を撮ってやろう、珍しい風景や被写体で驚かせてやろう、カメラが高性能であるのを自慢しよう。といった具合に「やろう」がつくハンティング精神的なものです。私が過去に通過した過ちなので皆さまはこの沼に足をとられないように。承認欲求は人間の根深い欲望ですがこれに囚われると「憧れのいい写真」は永久に実現不可能です。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

いい写真を撮るための良質なガソリンをたっぷり内面に蓄えたら、それをエネルギーに自分の個性を爆発させる空間を求めて旅立ちましょう。ヘルメットをかぶりエンジンをかけて自宅が遠のくほどに精神状態は日常から解放されていきます。

まずは写真に適した場所探しですがここでの精神状態が大事なのでとにかく焦らないことです。先ほどと同様に「やろう精神」に注意しましょう。素敵な撮影場所を見つけてやろう、誰も知らない凄いところで撮ってやろう…では出来上がった写真はインパクトや美しさだけで空っぽの画像となります。

撮ってやろうではなく受け皿を持ってキャッチする感覚です。バイクに乗って空間を駆け抜けて旅をすれば精神状態はリラックスです。リラックスして楽しい、穏やかという状態は感受性という重要なセンサーの感度が理想的な状態になります。その精神状態を作るのを私はいつも大切にしています。




センサーを理想的な感度に設定したら撮影地は自然と発見できます。見つけ方は何となく、そんな予感がした、意外とこんな所かも、といった具合に極めて曖昧な感覚で見つけるものです。そんな直感で決めた場所にはなぜそう感じたか?なぜそこで足をとめたか?の答えが必ず隠されています。それを解明する作業は次のフェイズとなります。

EOS1Dx + EF100-400mmF4.5-5.6L F5.0 1/200 ISO100

まずはいきなりカメラを構えるのではなくリラックスして景色をよく見てよく感じ取りましょう。ここから先はビギナーとベテランで身体的なスキルやイメージ力に差が出てくるものです。まずは目、写真家眼の出番ですが1.被写体や情景の特徴を細かな部分までとらえる 2.どのような光がどのような光量でどのように被写体に当たっているか?を把握する 3.どのような影を作っているか?影の様子を把握する 4.被写体の大きさ、位置関係、背景を含めた全体をジオラマボックスのように3Dにとらえて空間を脳内で測量する。

観察や測量を済ませたら次に大切なこと…そう感動することですね。もともと涙もろい人は有利ですがそうではない人は自分の心をトントンと叩いて眠っていた感受性を起こしてやりましょう。意識してやればきっと誰でも感動できます。




感動しないと写真に気持ちが入らないですからね。焦点距離にしろ露出にしろホワイトバランスにしろ、すべて感動を受けて決定させることです。目の前の事実はあまり関係なくてあくまで作者のハート内に各々のフェイズのマイルストーンがあるのです。

EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

次のフェイズは脳内に描く空想の写真、写真イメージの想像ですがこれが超絶重要です。しかし写真イメージの描き方をどう説明したら良いでしょうね・・・長くなりそうなので次回に続きます…

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いい写真を撮るために忘れてはいけない大切な心得…

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ツーリングにもお出かけにも行けずストレスを抱えていませんか?今は我慢の時ですがこんな時は人の少ない近所などを散歩してベンチで読書がおススメです。

さて今回は私、立澤重良のツーリング写真独り言コーナーをさらっといってみたいと思います。題して「いい写真を撮るために忘れてはいけない大切な心得」…でございます。毎度おこがましいですが寛容に見てくださいませ。

「いい写真」とは誰もが憧れを抱くものですよね。写真をやっている人であれば常にいい写真を目指している訳ですし、写真をやっていない人でも自身で撮った写真を誰かに「これいい写真ですね」と言われれば嬉しいはずです。




以前も何度か書きましたがいい写真とは見る側が主観的に決めるもので撮る側としては永遠のテーマと私個人は考えます。その上で私は「ツーリングのワンシーンを切り取る」というテーマを掲げて活動をしています。もうバイク歴も30年を数えますが今も昔も変わらずツーリングが好きですし、その魅力を作品で表現したいという願望があります。

現代人が忘れかけている旅精神がバイクツーリングの中にあるような気さえします。だからこそ今、バイクに乗って旅に出ようよ!という社会にうったえるメッセージを一枚の写真に込めたいですね。

EOS6 mark2 + EF35mmF2 IS

そう、本当の旅の魅力を一枚の写真にこめる…それがひとつの芸術作品として成立すれば素晴らしいと思いませんか。バイクでのツーリングは快適でも贅沢でもないけど、自由で孤独で自分と向き合いながら走り紡ぐ一期一会の風景があるのです。

私のコレクションは全て私自身が走り紡いできたツーリング風景という記憶の断片です。




旅で出会った風景だからこそ心に入ってくるものがあります。ツーリング中は感動しやすい心の状態…とでも言いましょうか。いい写真を撮るために大切なこととは撮影者が感動して撮っていることだと思います。

上手に撮ろう、綺麗に撮ろう、見た通りに撮ろう…これも大切なことかもしれませんが、それよりも情景や被写体の特徴に作者のセンサーが反応し、どのように心が動いたか?を大切にしてみましょう。

カメラやレンズは高性能な最新でなくても大丈夫です。カメラは昔も今も、光を集めるだけの無機質な箱です。いい写真に大切なFactorである「感動」することはカメラには搭載されていないのですから…。作者が表現に使いたい具体的な要求に応えてくれる能力があれば十分だと思います。

上の写真は春のローカル鉄道のワンシーンですが、桜や鉄道自体がどうこうではなく軟らかい光がきらめく空間だったことを意識して撮ってみました。実に曖昧で抽象的な表現ですよね。「俺にはそうは見えんけどな」というご感想もあると思います。ここでは作者の個人的な表現という意味で見る側によって違った印象になる場合も珍しくはないと思います。しかしそれで良いのだと思います。正解がない、見ようによって幾通りにも解釈があるのが芸術だ、とどこかで学んだ記憶があります。




このようなことは見た通りを写真にすることや「どう撮るのが正しいのだろう?」という正解探しに縛られていると出来ない事です。正解探しをして撮った写真はどこかで見たお手本写真のコピーに過ぎません。「お手本の通りに撮れたら成功!」という写真でいい写真と言えるでしょうか?

しかしそういった【お手本写真】でも見る人によっては「これは見事な写真ですね」「写真、上手なんですね」と褒めたたえてくれます。よく見かける感想では「ポスターみたいですね」「カレンダーのようで上手です」といったものです。しかし写真も芸術であると考えればその芸術に対する見識の有無で感想は全く異なるものになると覚えておきましょう。

画一化された上手な写真、綺麗な写真ではなく自分がどう感じたか?自分がどう表現したいのか?といった具合に個人的な表現として追求してみましょう。それにはお手本探し、正解探しをやめて自分で感じて考えて決める。これが大切だと思います。

 ~いい写真を撮るために忘れてはいけない大切な心得 まとめ~

・いい写真とは常に見る側が主観的に決めるもので撮る側としては永遠のテーマ

・まずは作者が被写体や情景に感動しよう

・お手本探し、正解探しから解放されて自分で感じ、考え、決めよう

個人的な表現としての写真が撮れれば見る側から賛否分かれることもあります。地味すぎたり美しさに欠けていたり… 結果、SNSなどで「いいね」が少なかったり、コンテストで入選できない事もあります。しかしそれは気にしてはいけません。もしこれらを意識すればそれは万人ウケを狙うことになります。もちろん万人ウケを狙うことは決して悪いことではありませんが、自分はどちらの道を選ぶのか?は慎重に考えた方がいいでしょう。

私は過去に「万人ウケ写真」ばかりを撮っていた時期がありましたが、今になって振り返ると承認欲求に支配されていたのだと反省しています。こういった事はキャリアの中で誰もが通る通過点なのかもしれませんね。

偉そうにすいませんでした!!!

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バイク写真、ツーリング写真での自撮りについて

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ツーリング先で写真を撮るときに自撮りはされますか?自撮りはSNSが普及したここ数年で浸透した単語ですが、それ以前からある写真業界での正しい言い方はセルフポートレートとなるのでしょうか?

セルフポートレートと自撮りは少し意味が違うのかもしれませんが、自身の顔や全身の様子を撮ることを一般的には「自撮り」と呼びますよね。自撮りについては様々な意見があるようで恥ずかしい、意識高い系みたい、ナルシスト?といった否定的なものも見受けられます。一方で自分という人間が好きである、自信に満ちているという意味での自撮りはポジティブなとらえ方ですね。

個人的には「自分の今」を記録に残すという意味で良いと思います。人に見せる写真でなくても何年、何十年と後で見返した時に、それは自分にとって特別な写真になるでしょう。




私が最初に就職した会社でこんな事がありました。午後になって睡魔に襲われ研究室の隅っこでこっそりウトウトしていました。その様子を同期が写真を撮ったのです。その時は少々ムッとしましたが今でもその写真は大切に持っています。なかなか職場での自分の姿って写真に残さないですよね。ましてや知らずに撮られたスナップなんて。この頃、尊敬する先輩が「俺の経験上、眠い時は寝るしかないんだ」と言っていたので素直にそれを信じていたのを今でも記憶しています。それから四半世紀が過ぎた今。その写真を見るとあの研究室にいた20代の自分を見て、まるでタイムスリップしたような気分になれます。

EOS6 mark2 + EF35mmF2IS

さて今回はツーリング写真、バイク写真における自撮りについて書いてみたいと思います。ツーリング写真、バイク写真でライダー(自分)が登場する写真を自撮りと呼んでいますが、他に適切な表現がないので当ブログではとりあえず「自撮り」と呼んでおります。

本当はお友達やパートナーが一緒であれば苦労ないのですが、私も含めて多くの方がソロツーリングでツーリング写真を楽しまれていると思います。一人でやるには自撮りしかないですからね。

上の写真は春の房総半島をイメージしたローカル鉄道とのツーリングシーンです。露出をつめて菜の花の存在を強く意識してみました。結果、昼なのに夜のような雰囲気ですが何となく宮沢賢治の世界のような写真になったかな?と思っております。

R1200GSの後方に立ったライダー(私)は列車を見上げているポージング。これによってローカル鉄道とバイクを関連付けています。そうです、ライダーの存在とはオートバイと風景(被写体)を関連付ける重要な役割があるのです。

私がこのようにライダーを登場させる写真を撮るようになったのは10年くらい前だったでしょうか…。当時、ツーリング先で風景主体でバイクの写真を撮った時にライダーが写っていないと不自然だな、感じたのが最初でした。

バイクをアップにした愛車写真であればライダーの姿が写っていなくとも、それほど変ではありませんが風景主体のツーリング写真でバイクだけがあると、何だかバイクがそこに置き去りにされてオブジェになっているように見えたのです。




そもそもオートバイのデザインは車と違ってライダーが存在してはじめて美しいのかもしれません。W650やR100RSなどに乗っている人はMaxFritzのジャケットを、ハーレーのローライダーに乗っている人はスタッズの入ったレザーライダースを…といった具合に車体に合わせてファッションも気にしますよね。

綺麗な場所に素敵なイスがあったとします。場所の様子も含めて写真にすると何かモノ足りません。座るはずの人間が不在なのです。しかしイスに人が座った様子を写真にするとイスが本来の役割を果たしている様子が写真になります。一方で家具メーカーやお店がカタログ的に撮るようにイスをアップにして写すと人がいなくても不自然ではありません。これと似ていると思います。

RICOH GR

先ほどバイク主体の愛車写真であればライダーは写っていなくても良い…と書きましたが、愛車写真でもこのようにライダーが登場すれば、バイクとオーナーの関係性が表現され、それは一つのStoryとして表現できるものです。この方がカッコいいと思いませんか?

荒唐無稽な発想ですが次のように考えることも出来ます。バイクは常にライダーを求めているのでは?という事です。止まっているバイクは2本のタイヤと細いスタンドで自立して見るからに不安定です。この不安定な様子は常にライダーの存在を待っている生き物のようにも思えてきます。

そうなるとバイクの写真をツーリング写真として撮るのであればライダーの存在は必須ではないでしょうか?カタログ的にバイクのデザインや特徴を説明する写真ではないのですからね。




しかしいつも必ず自撮りができる訳ではありません。自撮りができない代表的な要因は見つけたベストアングルが三脚のアイレベルよりハイポジションである、他者の邪魔になるなどで三脚が置けない、たくさんの人が見ていて恥ずかしい(気にしなければOKですが)などです。

EOS30D + EF28-70mmF2.8L

ご参考までにこんなやり方もあります。この写真はライダーが写っていませんが何となくライダーの存在を感じる写真だと思いませんか?理由は2つあります。一つ目は画角です。この写真は28㎜で撮りましたがEOS30DはAPS-C機ですので35㎜で換算しておよそ43㎜という画角になります。少々広角ですが標準と言って良い画角です。

50㎜前後の標準の画角で撮ると風景の様子が自然なので「視線の写真」になるのです。視線の写真であることでF650GSダカールが停めてある場所からカメラ位置までライダーが歩いてパチリと撮ったのだな、と容易に連想できるのですね。二つ目の理由はデザインです。F650GSダカールの位置からカメラ位置までの間にブロック壁が導線として機能しました。これにより見た人は「あのバイクのライダーが撮ったのだな」と分かりやすくなります。自撮りが第三者の視線であるのに対してこちらはライダー本人の視線という事です。

私はやらないのでご紹介できる作例がありませんが、SNSで言う本当の自撮りをツーリングでやっても素敵だと思います。人間の顔が主題となるツーリング写真です。楽しい、気持ちいい、シリアス顔でもドヤ顔でもOKですが表情で伝えるツーリング写真ですね。

 ~ツーリング写真における自撮り まとめ~

・風景主体のツーリング写真ならライダーの存在は必須

・バイク主体でもライダーが少し写っていればカッコいい

・ライダーが写せない場合は標準の画角で視線ショットに

ところで冒頭の話で「経験上、眠い時は寝るしかない…」とありましたが経験談とは人を騙す時があるので気を付けましょう。眠い時は裸足になって足裏の汗を乾かすとスッキリしますよ。

バイク写真、ツーリング写真における自撮りのお話でした。

今回はこの辺で!!

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