さて突然ですが新しいバイクを購入しました。
今までBMWの2008’R1200GSと2013’R1200GSアドベンチャーの二台体制でしたがアドベンチャーの方を手放して購入したのは・・・
モトグッチV7スペシャルです。
20代まで国産車を乗り継ぎ、F650GSダカール、R1200GS、R1200GSアドベンチャーとおよそ20年、BMWのGSを乗ってきましたが、ここにきて路線変更です。
私のバイクキャリアを考えると、モトグッチにいくならV85TTというアドベンチャーバイクが妥当なのですが、この内燃機関末期のバイク文化を確かな記録として写真に残すにあたり、最も理想的なのはバイクらしいバイクの佇まいを持つネオクラシックだと思ったのです。
もちろんそれだけの理由ではなく単純に「惚れた」から選んだ!というのが一番の理由ですが。
候補となったのはメグロK3、エンフィールドのインターセプター650、トライアンフのストリートツインなどですが、バイクの持つ雰囲気としてクラシックさとモダンさの割合が絶妙だったのがこのモトグッチV7だったのです。
分かりますかね・・・クラシックさとモダンさの割合。デザインの雰囲気で言えばホンダCBXのような80年代入りたてのスポーツバイクといった感じです。
GS乗りがネオクラシックへ…一気にジャンルが変わりましたがバイクの構造だけを見れば、意外なほどR1200GSとの共通点は多いです。空冷ツインエンジン、縦置きレイアウト、シャフトドライブ、乾式単板クラッチ… 一般的にクセのあると言われるモトグッチですが、この構造を持つバイクのクセを10年以上は乗ってきた私にとっては特段違和感はありません。
むしろドイツ車とイタリア車のモノ造りに対するポリシーの違いに、想像以上に温度差がある方が戸惑いました。
モトグッチV7はルマンに並ぶ同社のレジェンドですが、近年に復活デビューしたのは2008年のV7クラシック。その当時、まだバイク用品メーカーで働いていた私は、このV7クラシックに試乗する機会がありました。その時は「素敵なバイクだな」と思いましたが、今回のV7スペシャルのような雰囲気は纏っていなく、GSを買ったばかりということもあり購入までには至りませんでした。
その後、V7はV7カフェ、V7レーサーといった派生モデルが生まれV7Ⅱ、V7Ⅲと進化し、2021年のモトグッチ創立100周年の節目でエンジンもフレームも刷新してV7スペシャルとして登場しました。それまで750CCだったエンジンはV85TTベースの850CCへ、そのパワーを受け止めるためのフレーム、サスペンション、タイヤに大幅な変更が加わったのです。
私の琴線に触れた要因として850㏄モデルよりリアサスのストロークが長くなり、タイヤサイズもアップ、全体的に伝統を踏襲していた雰囲気から過酷なツーリングにも耐えられるような逞しさを持ったモダンさにチェンジした点でした。
容量21Lの燃料タンク、ソファのようにソフトなシートは見た目も洒落ている。輝くメッキパーツに関してはGS乗り時代には憧れだった、夕日を反射させて写真を撮りたい…という願望をかなえてくれます。
乗車姿勢で見える左右バンクのシリンダーヘッド。この風景はR1200GS乗りにとっては見慣れたものですが、普通のバイクから乗り換えた人には印象的な部分でしょう。
ただバンクの角度は180度水平だったものが90度V型へ。GSのような低重心さは感じられず、しかし「やじろべえ」効果はあるのでバランスは良いという妙。乾式単盤クラッチのつなぎ方、エンジンとは別室構造になっているミッションのシフト操作など扱いについては慣れたものです。
ただ車格は400㏄並みにコンパクトでR1200GSのサイズに慣れきってしまった私にとっては若干窮屈さがあるのは確かです。この辺は慣れていくしかありません。
まだ少ししか乗っていないのでV7スペシャルの詳細なインプレッションは改めて書いてみたいと思いますが、現時点で確かに言えるのは控えめに言って「これサイコー」です。
やはり自分に合ったバイク選びとは性能や信頼性だけでなく、直感で「イイ」と思える言葉で説明できない曖昧な部分に多くの割合をおくべきです。
まだまだ慣らしも終わっていないのでモトグッチV7スペシャルについては、これから色々と書いていきたいと思います。
もちろん風の時代的なツーリング写真もV7で撮っていきますのでお楽しみに。