写真観賞者の想像の取り分

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EOS6D Mark2

2021年7月現在、私たちは長引くマスク生活を強いられていますが生活様式の変化の中で面白い発見があるのは確かです。例えば人前で話をするのがどうも苦手だ、という人がマスクをしていると緊張せずに人前で話せるとか、マスクをするようになって異性にモテるようになった気がするとか…そんな人、近くにいませんか?

マスク美人なんて言葉があるくらいですよね。マスクの下の様子が隠されていることで不足している情報を無意識に補完しようとする人間の心理だそうです。興味深いのは多くの場合で人は美しいもの、都合の良いものを想像するのだそうです。ある日、その人がマスクを外した顔を見たらガッカリしてしまった・・・という話を耳にしますが勝手に美しいものを想像したのがそもそもの原因なのですね。

見えない部分の情報を無意識に補完しようとする心理。アモーダル心理というそうですが写真にも同じような魅せ方が存在します。上の作品はそんな人間の心理を意識した想像誘導型のツーリング写真です。写真観賞者は写真をパッと見た瞬間に視線を走らせ認識しようとします。その結果を受けてその写真に自分の関心の対象があるのか、退屈なものかを判断します。




この作品の場合、少々やり過ぎ感があるのですがトリックアート的な要素も持ち合わせています。といっても本当にトリックアートな訳ではないのですが、扉がメイン被写体である時点で何やら不思議な世界に誘われているような雰囲気の写真、という意味です。まずライダーですが顔がフレームで見切れることで、この人物はどのような顔なのだろう?とアモーダル補完を誘います。歩む先に何があるのか?扉の中には何があるのか?写真を見ながら想像を楽しめる、言ってみれば観賞者に楽しみを与えた作品になっています。

さらに付け加えるとライダーの右手の後方に小さな人影があります。これは幽霊ではなく偶然に写った通行人です。本来であれば予定外に写ってしまったものは選別時にボツにしますが、この場合はユニークだな!と思い採用カットとしました。観賞者の想像の中に奇妙な緊張感を加える要素になると思ったのです。

一方でこういった観賞者の想像を誘う表現は難しい側面も持っています。とにかく異質なのでこのような写真ばかりを何枚もそろえて人にみせると嫌気がさしてしまう場合も。そのようにならないよう控え目に作れれば良いのですが加減は難しいものです。たまにやるから良いのかもしれませんね。




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