デジタル時代の写真文化

インターネットが普及して久しい現代の情報とは20年前の約500倍もあるそうです。その昔はテレビ、新聞、雑誌などが主な情報源であり個人間の口コミなどは人脈があってこそで、リアルに人と接しなければ口コミ情報は得られないものでした。

昔は人々がもっていた情報源は限られていて、足りない物は自ら行動して試すか、情報が集約されている場所へ出向くしかありませんでした。

私が子供の頃、ラジコンのレースに参加していたのですが、レース用の速いセッティングを出すにはどうしたら良いか?小学生の自分には分かりませんでした。説明書通りに組み立てても無難な性能しか出ませんし、むやみにモーターなどをアフター品に交換するとサスペンションやタイヤがパワーに負けてバランスが悪くなったものです。

バランスが良くて速い仕様にするにはどうするのか?専門誌にも書いていなかったので秋葉原の有名店に出向いて店員さんに聞いたり、サーキットへ行って大会で入賞している選手に聞いたりしたものです。

今ではインターネットで検索したり、動画サイトで調べれば知りたかった情報は容易かつ詳細に手に入ります。それどころか幾つもの情報を得て、それぞれ比較して信憑性の高い情報を選べるほどです。

先日、愛用のiphoneのバッテリーが寿命を迎えているようだったので、交換するための情報をネットで調べてみました。アップルにお願いすると高いですし近所にアップルストアもありません。調べると1万円程度でその場で交換してくれるお店が近所にあることが分かりました。さらに情報を検索するとAmazonで交換用工具などとセットになったアフターバッテリーが2500円程度で売っていることまで分かりました。しかも不安な作業方法はYoutubeで詳細に解説されているので安心です。

本当に世の中は便利になりました。




しかし…ここまで情報が大量に溢れていると良い事ばかりではありません。役立つ情報は積極的に活用したいですが、本来は自分で考えて決めるべきこと、ミステリアスな部分も楽しむような旅の情報などをネットで調べたら面白くもありません。

ネット上には中途半端な専門家を気取った個人が無責任に発信する情報、間違った内容、偏ったもの(このブログ)、何者かに操作されている情報、フェイクやデマもあるくらいです。そこで現代人に問われるのが情報を選別する能力と情報を一定で遮断することです。

自分の趣味や仕事に留まらず、生活の何から何までもインターネットで検索し有益な情報はどこにあるか?お得な情報はないか?他の皆はどうしているのか?と情報を集めるのはネット情報に依存し思考することを忘れた人・・・。

ネット情報依存の人が重症化すると「自分の好き」「自分の意志」を見失ってしまい好きな食べ物や好きな異性のタイプまでネットで調べてしまうでしょう。

つい最近、とあるバイク関係のSNSグループで「バイクの免許を取得してライダーデビューするのですがお勧めのバイクは何ですか?」と尋ねている人がいました。その回答の多くは「あなたがカッコいいと思ったバイクじゃない?」「乗りたい、欲しいと思ったバイクを自分で決めろ」といった内容でした。当然そうなりますよね…。

そのような人間にならないために「自分で考える力」「自分の意志」が衰えないよう、情報はある一定で遮断し自身で考えることが大切なのだそうですよ。

カメラがフィルム主流からデジタル主流へと移行した90年代。それは偶然にもインターネットの普及と同じタイミングでした。デジタルカメラ黎明期と言える90年代の後半。フィルムの代わりに小さなカードを差し込んでおけば、容量の許す限りたくさんのシャッターが切れるデジタルカメラ。

コンデジからデジイチまで売れに売れたデジタルカメラは家電メーカーまでもが市場に参入し業界は潤ったものです。デジタルカメラはその場で撮った画像に失敗はないかのチェックができ、カメラ初心者でも安心して使えるものでした。

メリットは他にもたくさんありフィルム代、現像代がないので経済的である、感度を自由に変更できる、ホワイトバランスの変更が自在、職人の仕事だったフォトレタッチが個人ユーザーでも可能に・・・。そして写真文化を劇的に変えたのがメールで画像を送信したりネットに簡単にアップできるといった撮った後の【画像】の使われ方です。デジタルカメラによって撮られたデジタル画像(プリントではない)はインターネット上で個人が公開できるようになり、これにより個人的なカメラユーザーが不特定多数に撮った写真を発表できる土壌が生まれました。




やがてブログ、SNSが台頭し写真の腕前を競い合うようにデジタル画像の見せっこがはじまりました。日本ではないような絶景、鮮やかな色彩、フィルムでは困難だった夜景や星空の写真、廃墟や工場などを対象としたモノ珍しい被写体。撮影技法を駆使したものからレタッチに力を入れたものなど。世界の写真文化はデジタル写真とインターネットによって過渡期を迎え変貌を遂げ、特にアマチュア写真文化は大きく変わりました。

いまデジタル写真文化は成熟期を迎えているようにも思えます。カメラを手にする全ての人の共通の願望が「いい写真が撮りたい」というもの。それを求めて多くの人がいま写真を撮っています。ジャンルやスタイルは多岐にわたり、大衆的な写真、商業的な写真、アートな写真、それぞれに主観的に決めらた「いい写真」が存在しています。そしてこれらのあらゆる写真が「画像」としてネット上に大量に溢れています。

時代は膨大な情報化社会と同じくして膨大な画像が消費される時代です。

私たちが憧れをいだく「いい写真」とは何でしょう。それは他の誰かが撮っているような大量に消費されゆく写真でしょうか。大量に撮られ大量に消費される画一化されたいい写真。そんな写真を撮っても何だか寂しいと思いませんか?

流行の写真を参考にしたり、お手本にならって写真を撮るのはビギナーの時だけで良いと思います。何年もやっているベテランならお手本など見ずオリジナルを追求してみましょう。

ネット上にある大量の情報から正しい情報を選別したり、時に情報を遮断するのと同じように、写真も世に大量に溢れている大衆的写真文化に染められないよう意識する必要があります。

それにはアートを意識することです。アート写真は個人の表現なので自分らしさ、自分ならではの作品が生み出せるよう意識を改革してみましょう。個性的なものを生み出せば反応は賛否あって当然だと思います。それがARTなのですからね。万人ウケ=大衆的写真と覚えましょう。

少しの勇気があれば貴方だけの個性作品を生み出すのはそれほど難しいことではないと思います。




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