ツーリング写真の美しいセルフポートレート…つまり自撮り

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究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、皆さまは過去に撮った写真の中で傑作だなと思える作品はお持ちですか?ツーリング写真も何年かのキャリアを積むと「この写真が過去最高のベストショット!」と思える作品が撮れるものです。自分で撮った写真を自分で褒めるなんて…と謙虚な方は言うかもしれませんが「自分で撮った写真はいい」と思えることはすごく素敵なことだと思います。

ところで当ブログでは写真のことを「写真」と呼んだり「作品」と呼んだり使い分けているのですがお気づきの方はおられましたでしょうか。記録や記念などの説明的なものは写真、ARTを意識して素晴らしいツーリング写真を目指したものを作品と呼んでいます。

私はむかし、バイク用品メーカーにいたときに製品開発をやっていました。新製品の開発は大きく2つあって市場が求めているものに合わせるニーズ優先型、もう一方は今、市場には無い新たなものをリリースする提案型です。前者は確実に売り上げが見込めるので低リスクであり、1ロット製造して廃番というリスクもないので工場と決める原価も計算しやすいです。後者は話題性があって販売店や雑誌社には喜ばれますが、予想外に売れなかったりすぐに飽きられてしまうなど1ロットも消化できず売れ残りを出して廃番というリスクを持っています。もちろんヒット商品になる可能性も秘めていますが。製品は1、2年の間に最低でも3ロットくらい回せるほど売れないと会社の利益に貢献したとは言えないものです。

だからといって無難な【ニーズ優先型】だけで開発をすると、退屈なメーカーだと思われ、やがてブランドのイメージ維持が難しくなって先鋭的な新興勢力に市場を奪われていきます。だからニーズ優先型と提案型の両者はバランスが難しいのですね。私は後者の提案型をやっていたのですが残念なことにヒット商品を生むことは出来ませんでした。自分が良いと思って作ったものが、必ずしも人々にとって良い物だとは限らない。そんなことを学びましたね。ずいぶん昔の話ですけど。

製品であるからには何かしらの妥協があり、市場が求めているものへ寄せて作る必要があります。それが製品です。一方で作り手が理想を追い求め、一切の妥協無しに生み出した究極の逸品というのも世の中に存在します。それはもはや製品ではなく【作品】なのだと思います。

個人で写真活動をやるにあたり「製品」のようなものは絶対に作りたくないですね。一切の妥協なく世に媚びることのない究極の作品を目指します。




さて、やたら前置きが長かったですが私の作品を見て多くの人が疑問を持たれるセルフポートレート、つまり自撮りの方法について書いてみたいと思います。

ツーリング写真とは風景の中のバイクを切り取ることで、ツーリングのワンシーンを表現することです。バイクだけをアップに写したバイク写真と違い、ライダーの姿もしくはライダーの気配を感じさせる何かが無い限り、風景の中でお留守番をしているバイクの写真になってしまいます。そう、車と違ってバイクの場合はライダーの姿あって初めてバイクが生きるものです。

であればツーリング写真でライダーの姿は是が非でも欲しいところ。いつもお友達やパートナーと一緒に走っている方は、ツーリング風景のポートレートとしてお互いを撮り合ったりしてると思います。しかし私のようにいつもソロツーリングという人の場合はどうしましょうか?どうしても自撮りでいくしかありません。

シャッターは誰が押す?

そこでまず思い浮かぶのがセルフタイマーです。カメラを三脚にセットし構図や露出を決めたらセルフタイマーでバイクの方へ走る…。残念ながらこのやり方は完全にダメです。まず急がされた気持ちが表情に出てしまい、ぎこちない様子になることこの上ないです。部外者が近くにいれば目が気になって恥ずかしいです。それに望遠レンズを使いたい時はダッシュしても間に合いません。

以前も何度か書きましたがインターバルプログラムを使用して撮ります。予め任意に設定した撮影間隔と枚数で自動で撮り続けてくれる機能です。今のカメラは多くの機種に装備されていますが、無い場合はインターバル機能を搭載したリモコンレリーズで対応できます。

インターバルタイマーが内蔵されたリモートコントローラー

リモコンと言えばワイヤレスリモコンでシャッターを操作する方法もありますが、これもダメです。リモコンを押す瞬間に不自然なポーズになります。それならばWifiやBluetooth機能のあるカメラであればスマホで操作する方法がお勧めです。画面内で自分のポージングや立ち位置をチェックしながら撮れるのでこれはおススメです。しかしWifiの場合も望遠レンズを使いたい場合は電波が届きません。

やはりシャッター操作はインターバルプログラムを使用し、容量の大きいカードをセットしてたくさんのカットを撮ってみましょう。心に余裕があるので変な恰好になる心配もありません。

ツーリング写真におけるセルフポートレートで最も難しいのは撮影者である自分が作品の登場人物として役者に徹することです。写真と言うのは人物が写っていると観賞者はそこへ強く意識が惹かれるものです。カッコいいバイクや綺麗なお花が咲き乱れていても人の姿があればまずは人に注目するのです。それが可愛らしい女性であろうがオジサンであろうと変わりません。写真の中の人物は絶対的な存在感を持っているものです。




だからこそ、ツーリング写真におけるセルフポートレートでは人物の様子に一切の妥協がないよう徹底しましょう。どんなに完璧な構図を作ってもどんなに高性能なカメラを使っても、写っているライダーが大根役者では作品は台無しになってしまうのです。ただ難しいのは役者を演じるのは写真を撮る事とは全く別のスキルが要求されることです。

美しいポージング

EOS6 mark2

まずポージングからご説明しましょう。上の作品は片方の足に体重を乗せ、骨盤を傾けて背骨、肩、頭部と全体がS字曲線を描くコントラポストというポージングです。意識して胸を張って背筋を伸ばしシャキッと立つこと。あらゆるシーンでかっこよく決まる万能なポージングです。

ポージングはモデルさんの経験でもない限り、普通の人は縁のないことなので難しいですよね。家にある姿見などで練習するのも効果的です。コツは少し大げさなくらいにやってみること。私もそうですが多くの人の場合、普通にしている姿勢とは少しダラっとした猫背になっていたりして写真にすると美しさに欠けるものです。

演出としてのポージング

EOS6D Mark2

次に自然なツーリングシーンの演出として【何かをしているところ】を意識したやり方です。この作品の場合はヘルメットを脱いで一息ついた瞬間といった感じです。この他にもグローブを装着しているところ、タバコを吸っているところ(吸う人は)、何かに腰かけて休んでいる様子なども良いと思います。それと作品の主題となる例えば夕陽とか満月などがあったら、その方へ視線を向けるのも構図として効果的なポージングになります。

体型のコンプレックスをカバーするには?

セルフポートレート、自撮りで皆さん気にされるのが体型のコンプレックスです。まず太めが気になる人は体の真後ろ、真正面からは撮らない。斜めから撮るようにしてみましょう。広角レンズを使う場合、歪みが発生する四隅周辺は太って見える位置です。しかし縦構図にすると逆に細く長身長に見えるので是非試してみてください。やせ型が気になる方はこの逆となります。

それと今のような冬の季節、防寒対策でジャケットの下に色々と着込むのが通常ですが、着ぶくれで太って見える場合があるので手間でなければ撮影の時は中を脱いでスリムな体のラインが出るよう配慮しましょう。ネックウォーマーも首から顎のラインが出ないので無い方が良いと思います。えっ?芸が細かいって?そうですとも。




いかがでしたか?SNSで自身の姿を写したツーリング写真を発表すると必ずと言っていいほど「セルフタイマーでダッシュですか?」といった趣旨のコメントをする人がいます。それをどうやって撮ったのか?という撮影裏は原則として発表するものではありません。もし、どうしても知りたい場合は特別に教えてくださいとお願いする必要があります。そこをわきまえずに挨拶も無しに聞いてくる人は実に失礼ですよね。そういった方はたいがい一般カメラユーザーであって、写真を愛する人ではないと思います。気分が悪いと感じたら無理にレスしないで無視するかコメント削除でOKだと思いますよ。

今回はこの辺で!!

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