これは使える☆視線ショットという撮り方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、だいぶ寒さがゆるんできましたがいかがお過ごしでしょうか?最近、地震が多くて巨大地震の前兆ではないか?と憶測が飛び交っていますね。コロナ渦でのオリンピックを控え忙しい日本に巨大地震が襲ったら最悪ですね…。せめて今年だけはご勘弁願いたいものです。といっても天災ばかりはどうにもならないので備えを今からしておく必要がありますね。

さて今回はバイク写真、ツーリング写真において決して難しくはない、でも技アリ的な写真の撮り方を解説してみたいと思います。構図とか露出とか知識では分かっていてもどうもうまく撮れないんだよねぇ…という方も安心。ちょっと意識するだけで「おっ」と思える写真が撮れる簡単な方法です。




視線ショットという撮り方

EOS6D Mark2

それは視線ショットという撮り方です。撮影者、ライダーが目で見ている光景そのものを再現した写真、それが「視線ショット」です。普段、私がよく撮っているようなバイクの傍らにライダーの姿があるような撮り方は言ってみれば傍観者ショットです。

多くの作品は景色の様子を切り取ったARTとして傍観者ショットと言える目線での写真ですが、例えばストリートスナップの多くは撮影者の視線ショットだったりします。視線ショットは「目撃したリアル」「写真を見る人もそれを見ているような臨場感」「ふと視線を送った瞬間」という雰囲気を持った作品になり、絵画などの他の芸術には真似のできない写真らしい表現となります。

画面内にライダーの姿が写っていなくても、その気配を十分に感じ取ることの出来る撮り方でもあります。だから自撮りすることが難しい状況でもライダーの存在感がある作品が撮れるのですね。

やり方は簡単でカメラポジションを自然な位置とすることを意識するのみです。上の作品であれば、その立ち位置はバイクのすぐ横なのですから、これだけで撮っているのはこのバイクのライダーであると容易に伝わりますよね。




これは走行中にライダーが見ている風景を表現した視線ショットです。全体を大きくブラすことで動感と緊張感を表現しいています。かなり抽象的な表現ですが撮った私としては風が写ったような気がして気に入っている1枚です。

きっとバイクに乗ったことが無い人でも、この写真をみればバイクに乗ればどんなに気持ちいいのか?と想像を馳せることが出来るかと思います。

RICOH GR

旅先で見つけた何気ない被写体に視線を送った刹那。それを瞬間として切り取ってみましょう。これは自身の影を意図的に入れることで、視線ショットの自撮りとも言えるユニークな撮り方ですね。

ちょっと子供のイタズラのような雰囲気を持った写真となり、くすっとした小さな笑いを誘える写真だと思います。




EOS6D Mark2 + EF14mmF2.8L

ユニークと言えば視線ショットはアイデア次第でこんな変わった写真も撮れます。ブーツの紐を結びなおしている様子を視線ショットで表現しました。超ワイドレンズがないと厳しいものがありますが、ここまで広角でなくても手や足を画面内に入れることで視線ショットを成立させることができます。

他にも手にタバコを持っているとか、グローブを装着するところとか、考えれば面白いアイデアは無限大だと思いますよ。

EOS1Dx + EF14mmF2.8L F20 1/20 ISO100

え~っと・・・これは野良猫の視線ショット… 変わりダネはたまにやる程度に留めましょうね。

出来あがった写真が「自分が見たもの」の表現であると意識すれば簡単にできる撮り方です。面白いので次のツーリングでぜひやってみてくださいね。

今回はこの辺で!!

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R1200GS ユーザー車検後記 千葉陸運支局バイクユーザー車検情報

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、当ブログは皆さまのお陰で順調に成長をしております。このブログはWordPressで作成した独自ドメインなのですが、Googleの解析ツールで人気の投稿やクエリ、SEO順位なども分かるようになっています。究極のツーリング写真で人気の投稿はR1200GSのメンテナンス情報や中古車の選び方から、空冷モデルの魅力、それからバイクへカメラや三脚を積載する方法などが人気投稿です。あっ最近ですと浩庵キャンプ場の混雑攻略方法なんかも人気ですね。

ツーリング写真に関わる投稿は…寂しいことにあまり人気がないのですが、ブログやインターネット上の情報は主にお役立ち情報が重宝されるものです。私が書いている写真に関わることは比較的、私の書きたい内容に偏っていて誰かの役に立つような情報ではないのかもしれませんね。最初から分かってはいたのでコレで良いのですが。

さて今回はそんなブログらしい「お役立ち情報」を少し更新してみたいと思います。つい先日、R1200GS-ADVENTUREの方が3回目の車検を迎えたので再びユーザー車検で通してきました。以前にバイクのユーザー車検の通し方は投稿したことがあるのですが、新たな情報をいくつか書き加えてみたいと思います。

千葉陸運支局

バイクのユーザー車検の通し方は書類申請から当日のラインの通し方まで、以前に記事にしたので詳細は コチラ をご参照ください。

今回は…整備記録簿を作ってみたよ、という事とスリップオンサイレンサーが車検対応ではなかったので不合格になりました!というお話でございます。




「アトケン作戦」だとこのように点検整備記録簿記載なしと書かれてしまう

以前のユーザー車検の通し方の解説では本来は用意するはずの「点検整備記録簿」は別に無くても大丈夫ですよ…別名「アトケン作戦」でOKですと書きました。点検整備記録簿は整備の内容を記録簿に記載し「車検の前にきちんと整備を行いましたよ」という証明となる書類ですね。

これはバイク屋さんに法令点検や車検をお願いした場合に作成してくれる記録簿なので個人でユーザー車検を通す場合は用意することができません・・・と思っていたのですが、ネット上でバイク用の点検整備記録簿のフォーマットはダウンロードできることを知りました。

これです。【点検整備記録簿 二輪自動車 定期点検基準の別表第七】 という書類です。ここには貼りませんが「二輪自動車 定期点検基準別表第七 ダウンロード」で検索すれば、PDFをダウンロード、プリントできるサイトが存在します。

この点検整備記録簿さえ入手してしまえば個人でも点検整備記録簿をユーザー車検の際に提出できるのですね。記録簿の各項目にそってチェックマークや交換マークなどを書いていけばOKです。ただ1つ、注意点はブレーキの分解清掃などは国家資格である整備士でしか触れることのできない項目なので、ここは斜線をひいておきましょう。

それと各項目はご自身のバイクに当てはまらないものはチェックせずに斜線にしておきます。R1200GSのようなシャフトドライブなのにチェーン及びスプロケットの項にチェックしたり、空冷エンジンなのに冷却水の項にチェックしたり、スクーターなのにクラッチの項にチェックしたりしないように・・・

個人でも良いので点検整備記録簿をちゃんと提出すれば、ご覧のように車検証の備考欄に「点検整備記録簿記載あり」と入ります。こちらの方がずっと気持ちいいですよね。




さて、今回のもう1つのトピックは午前の1ラウンドで意気揚々と検査ラインに入ったところ、ライン直前の検査官のチェックでマフラーが不適合とされてしまった件です。

ラインに入る前に列に並んでいる時点で検査官が書類の確認、車体番号確認、灯火類の確認、ホーンやミラーなどの保安部品の確認、不正改造やオイル漏れなどの不良がないか?といった確認を行います。私のR1200GS-ADVENTUREは前回も前々回もLASERのHOTCAM2スリップオンサイレンサーを装着して、問題なく合格したのですが、なぜか今回の検査官のかたはしっかりマフラーにご執着されておられ「正しくは不適合となりますので今回は駄目ですね」ということでした。

一回目、不適合だったのですが総合判定所の人が間違えて適合に押印したみたい・・・

マフラーは純正マフラーでも社外マフラーであっても車検対応であることを証明する加速騒音規制適用車に必要なeマークの打刻等があるはずなのですが、それが確認できなければ不適合となる訳です。後日、LASERのHOTCAM2スリップオンが車検対応品であるのか否かを確認してみましたが、なんと公式ではeマークを取得した車検対応品ということでした。しかし肝心のモノにどこにもeマークがないのが事実でこれでは不適合でも仕方ないですね。

一応、不適合を受けた時点でも検査ラインに通すことは可能らしいので、受けるだけ受けてみましたが光軸も含めて全て合格でした。

で、仕方ないので陸運局からいちど家に帰って物置の奥からノーマルサイレンサーを引っ張り出して元に戻しました。作業自体は簡単で10分で終了です。




このノーマルのサイレンサー、新車時の慣らしで1000キロほど使用しただけなので綺麗です。R1200GSは後期型の純正マフラーは中期型よりも音量が大きく、それが気に入らなくて「どうせうるさいなら…」と思い社外マフラーに交換したのですが、消音ウールが劣化してしまったLASERよりは、当然ですがこちらのほうがはるかに静かでした。

作業を終える頃には11時をまわってしまい、陸運局へ直行するとお昼休み時間になってしまうので、昼食を済ませてから3ラウンドの隙間にお邪魔してきました。朝のラウンドでマフラーだけ不適合で他はOKでしたと伝えると、ラインにも入らずマフラーの確認だけして終了。

ということで無事に車検も合格し、当分はこのノーマルサイレンサーでいきたいと思います。少し重くなってしまいましたが次回の車検もこれで安心ですしね。不合格と聞いた瞬間に軽くショックでしたが、簡単な作業でしたし良い勉強になりました。それにしてもユーザー車検ってほんとうに検査官によって違うのですね。このマフラーを不適合にした検査官、ハンドルも疑っていて「本当に純正のハンドルがこんなに幅広なのか?」と何度も幅を測っていました。もちろん、こちらは純正のままなので問題はありませんでしたが。

今回はこの辺で!!

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いい写真、納得のツーリング写真のためのヒント

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、花粉の季節になりましたが大丈夫でしょうか?私は3月が症状がひどいので最近はかなりムズムズしております。新型コロナウイルスの感染予防の観点で容易には目や鼻を触れてはいけないので、目がかゆくなったらすぐに点眼薬をするようにしています。

つい先日、知人が写真を撮りにいくからチョット教えてくれ、と言ってきたので撮影の様子を見ながらアドバイスすることがありました。その方はまだ写真ビギナーなのですが、結構な立派なカメラと高級なレンズをお持ちです。風景の写真を撮りに行ったのですが、まず気になったのはイキナリ撮り始める忙しそうな様子です。

「えっ?もう撮るの?」と焦りましたが、何か決定的なシャッターチャンスだったのか?とも思いましたがそんな感じでもなさそうです。どうやらいつも写真を撮りたい場所についたらすぐに撮り始めているみたいです。そのことについて本人に聞いてみると「とりあえず撮ってみるんだよ」とのことでした。これ、写真ビギナーの方に多いのですけど試しに撮ってみてどんな風に写るのか確認する、はやめましょう。今日、生まれてはじめてカメラを使う訳ではないのですからね。

よく分からないからとりあえず撮ってみて、その画像を再生して失敗でなければOKとする。この方法はカメラの方から「こんな風に撮れるよ」という提案を受け、それをあなたが「まあよかろう」と妥協している画像です。そうではなく「こんな風に撮りたいんだけど」と撮影者からカメラの方に要求するように撮ってみましょう。そのためには「こんな風に撮りたい」というイメージを最初に作ることが大切です。「どんな風に撮れるか試しに…」ではなく「こんな風に撮りたい」という要望をもって撮影開始です。順番が逆なんですね。




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

さて今回はツーリング写真のヒントとして風景写真の基礎的なことをサラリと書いてみようと思います。上の写真は千葉県佐原市の小江戸とも呼ばれている佐原の町並みです。とても風情ありますね。

風景写真はものすごく大雑把にいってしまうと被写体を撮る場合と情景を撮る場合の二者があります。被写体を撮る場合は背景の中のバイクやライダーなど、比較的カメラに近い位置に置かれた特定のモノを対象に撮ります。上の作品の場合は佐原の町並みの風景写真ではありますが、被写体は手前にある柳の木です。

このように作品の主要キャストとも呼べる被写体はカメラの前に存在し、その後ろに背景があるのが基本構成です。もちろん全てがそうだと言う訳ではありませんが大雑把に言ってしまうと多くはこの構造です。

EOS6D mark2 + SHIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

もうひとつの情景として撮る場合とはこのような感じです。景色全体の中に溶け込むようにバイクやライダーなどの被写体が存在している様子です。カメラから近い位置に主役として登場しているのではなく景色サイドにその居場所を置いているのです。

少々ややこしいですが主題であれ副題であれ、カメラの前に立った役者であるのか風景の中に溶け込んだ役者であるのか?の違いですね。

被写体を撮るのか?情景として撮るのか?これを撮る前のイメージからしっかり意識することで、画角の選択や絞り値などが決めやすくなります。




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

↑特定の被写体を撮るツーリング写真…

↑情景の中のバイクを撮るツーリング写真…




何となくお分かりいただけたでしょうか?この両者の違いは必ずしもハッキリさせる必要はありませんが、すくなくとも撮る前のイメージの時点では意識しておいた方が良いと思います。

今回はこの辺で!!

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R1200GSとR1200GSアドベンチャー、買うならどっちだ?

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、2月もあと一週間で終わりですが春のツーリングの準備は万端でしょうか?コロナ渦のツーリングとして通常とは違う楽しみ方になるかと思いますが、感染対策を万全にして春のツーリングを楽しみましょう。

私、今年は愛車であるルノーカングー、2台のバイク2008’R1200GSと2013’R1200GS-ADVENTUREの3台がみな車検を迎えます。ぜんぶ店にお任せしたら大変な出費になるので整備と継続検査は自分で行うユーザー車検で通します。幸い陸運支局が自宅から15分程度のところなので助かります。もうカングーの方は済ませたのですが自賠責保険や重量税など必要経費だけで4.5万円くらいで済みました。

よくバイクの中古車を検討するときに「車検が高いので250㏄にするよ」と言う方がおられますが、ユーザー車検に慣れてしまえば車検自体はそれほど高いものではありません。R1200GSで2万円あればおつりがきます。しかもその内訳は半分以上が自賠責保険です。250㏄でも自賠責保険は入らないといけませんしね。車検の継続更新という部分だけに注目すれば大型バイクであれば5500円程度ということになります。

さて今回は久しぶりにBMW R1200GS/R1200GS-ADVENTUREに関わることを書いてみたいと思います。私の愛車である空冷モデル(空油冷)のR1200GSは前期型の登場が2004年、水冷ヘッドの現行モデルが出たのが2013年だったので結構古いモデルとなりました。そのせいか最近はツーリングしていても見かけるのは現行R1200GS(R1250GS)か他社のアドベンチャーバイクが多いように感じます。

アドベンチャーカテゴリの中でもR1200GSは現在でも人気のモデルではありますが、空冷R1200GSは登場した当初は他社のライバルも少なくてたくさん売れたBMWのベストセラーモデルです。

よって市場にタマ数が豊富であり中古車の市場価格も非常に魅力的な相場となりました。加えて国産車にくらべて非常にタフな車体ですので少々の過走行車でも問題はないのですから、更にお買い得な車両が多いように見受けます。今回はそんな空冷モデルのR1200GSをこれから中古で買おうかな?と検討されている方向けに、スタンダードなR1200GSと派生モデルであるR1200GS-ADVENTUREの違いについて書いてみたいと思います。

なかなか私のようにR1200GSとR1200GS-ADVENTUREの両方を所有しているユーザーは少ないので、そういった意味で希少なインプレッションだと思いますよ(たぶん)。

2008’ 中期型SOHCヘッドのR1200GS ハイライン

そもそもR1200GSとは従来まであったビッグオフローダーと違い、純粋にオフロード走行のパフォーマンスを追求したバイクではなくスポーツツアラーの仲間です。海外に行くとサバンナとか荒野とか日本にはない広大なオフロードステージがありますが、そういった場所であればオフローダーとしてのパフォーマンスも発揮できると思います。しかし日本のオフロードは主に林道で狭いものです。

日本で使う場合において「道を選ばぬスポーツツアラー」としての魅力がぎっしり詰まったのがR1200GSのスタンダードモデルです。重心が低く水平対向運動による安定とシャフト回転のジャイロ効果で地面に張り付くような安定、テレレバー&パラレバーサスペンションによる、よく動く足周りと安定。これらはBMWのRシリーズに共通した項目ですが、R1200GSの場合はオフロード向けのポジションにオンロード走行にも優れた車体が組み合わさることで、走る楽しさ、操る楽しさが体感できます。

見た目からは想像できないほど軽く、ライダーを疲労させない快適性、そして熟練の技術を必要とせずよく曲がるコーナリング。少しペースを上げて走るだけで人車一体の軽快な走りをツーリング先で楽しめるのです。

長距離ツーリングをスポーツ感覚で楽しめる道を選ばぬスポーツツアラー、それがR1200GSですね。

ただしデメリットも無い訳ではなく、大柄な車体は日本人男性の平均的な体格であれば何とか問題はありませんが、それより小柄な方ですと制限が出てきます。熟練の技術を必要とせずよく曲がるコーナリング…と先ほど書きましたが、ライテクに精通したサーキット派には退屈なバイクに感じるかもしれません。乗りやすいのは間違いありませんが大型バイク初心者の方がイキナリ選ぶバイクではないと思います。




2013’(2014年登録)DOHCヘッドの後期型 R1200GS-ADVENTURE プレミアムライン

一方、R1200GS-ADVENTUREの方はどうでしょうか?R1200GS-ADVENTUREは先代のR1150GS-ADVENTUREが「ADVENTURE」と名の付くファーストモデルだったのですが、基本は派生モデルであることは1150も現行の1250も同様です。

エンジンやフレームをはじめ多くの部分で同じバイクではあるのですが、3世代にわたって存在し続けている【巨漢バイクADVENTURE】とは日本でツーリングで使う場合にどのような利点があるのでしょうか。

まず簡単にR1200GSとR1200GS-ADVENTUREの違いを挙げていくと、1.R1200GSが20Lの燃料タンクに対してADVENTUREは33L 2.サスペンショントラベル(ストロークとプリロード)が長くオフロード走行向き 3.2の理由により車高が高い 4.大型スクリーンと左右に張り出したタンクの影響で防風効果が高い 5.パイプ製のバンパー類やシリンダーヘッドカバー等にガードが装着されている 6.標準ホイールがスポークホイールでブラック塗装などです。パニアケース、トップケースといったシステムケースはR1200GSが容量可変式の樹脂製でADVENTUREの方はアルミ製の大型のものですが、実はこの両者はアタッチメントさえ用意すればどちらにも装着可能です。実際、中古車を見ているとGSにGS-Aのケースを装着している車両やその逆も見かけます。

R1200GS-ADVENTUREはなんといっても33Lのビッグタンクが最大の特徴です。このタンクがもたらす約600㎞無給油で走るロングディスタンスはツーリングの強い味方です。ガス欠の心配や給油タイミングの予定などが旅の工程から少なくなることがやたら有難く感じるものです。

オフロード向けの足回りは林道走行時にESA(オプションの電子サスペンション)と合わせて使用することで素晴らしい走りを見せてくれます。ただしある程度のスピードが出ないと良さが出ないので、狭い日本の林道で慎重に難セクションを通過するときなど、逆に巨体が足かせになってしまうことも。ADVENTUREをオフロードで振りますには相応しいオフロードステージとオフ走行の高いスキルが要求されます。

注目したいのはオフロード向けのサスペンションシステムの副産物ともいえる乗り心地です。長いプリロードの影響か舗装路のギャップ通過も良好で非常に快適なクルージングができます。R1200GSよりもR1200GS-ADVENTUREのほうがゆったりとして乗り心地が良いです。

GSとGS-Aを近くに並べるとこんな感じです。圧倒的にGS-Aの方が大きく感じますね。

問題はこの車格の違いですね。とても同じバイクとは思えない程にADVENTUREの方が圧倒的に大きいバイクに感じます。足つきはR1200GSは身長170cmあれば十分に扱えますが、ADVENTUREの方は180cmはないと厳しいものがあります。

R1200GSにはシートのマウントに2段階の高さ調整があるのですが、どうやら設計思想上では高い方がデフォルトのようです。ハンドルとステップ位置、そして車体ジオメトリーとのバランスを考えるとハイが良好でローの方はバランスが崩れてコーナリングもイマイチになります。純正シート(日本仕様はミディアムが標準でオプションでハイシートがある)、シートをハイの位置でマウント、ESAを標準とした場合で身長180cm、体重85㎏で乗車すると両足のつま先、指の第一関節くらいがかろうじて地面に設置する感じです。この巨体をバレリーナのような足つきで支えるのですから…なかなか手ごわいです。

社外品のローシートやローダウンサスペンションなどで足つきの問題を解決させている人が多いようですが、これをやってしまうと前述の車体側とのジオメトリーのバランスがさらに崩れてしまい、本来の走りが相当にスポイルされます。特にハンドルが遠いからと体の方へ近づけるハンドルライザーは、人車一体とは逆の方向へカスタマイズすることになります。そのような無理をしてまでADVENTUREを選ぶならR1200GSの方がずっと賢明な選択だと思います。




ただ、慣れとは恐ろしいもので自分のバイクとなって半年も乗り回せば、当初に威圧感を感じていた巨体は普通になって、むしろ包み込まれているような安心感すら覚えます。この巨体だからこそ醸し出す雰囲気に「過酷な旅でも乗り越えるぞ」という勇気さえもらえるのです。実にADVENTUREは頼もしいバイクなのです。

R1200GSとR1200GS-ADVENTURE、買うならどっちだ?と聞かれれば次のようになります。

・R1200GS : ワインディングやトリッキーな舗装林道、こういった道でコーナーや走りを楽しみたい人は軽快な運動性能をみせるR1200GS。キャストホイールの車両を選べば軽快な動きにさらにダイレクト感が楽しめる。オフロードもフラットダートであれば十分に楽しい。取り回しは軽く慣れてしまえば問題ない。デザインもどの角度から見てもスッキリしている。

・R1200GS-ADVENTURE : コーナーなど舗装路の走りは通常のツアラーに比べれば軽快だがR1200GSには一歩譲る。33Lタンクの長いディスタンスで北海道などのロングツーリングを楽しめる。乗り味は懐が深い。ダートでの走りを楽しみ自然深いところへツーリングしたいなら絶対にADVENTURE。取り回しについては一定の体格を要求されるもので、ガソリン満タン時は特に重くなる。




ここ最近になって空冷モデルのR1200GSはさらにこなれた価格帯になってきたようですね。タマ数が多いのは選ぶときに良いですし、購入後も中古パーツが豊富なのが有難いです。

BMWやハーレーは新車購入できるくらいの経済力の人は仕事も忙しい人が多いので、あまりバイクに乗る時間がなく、低走行距離で状態の良いものも多いと思います。車もバイクも同じですが中古車というのは価格相応なものです。高いものは程度が良いですし、安いものは何か理由があります。お店の人だけでなく出来れば専門の知識がある第三者に見てもらえると安心ですね。

R1200GSの場合、アンダーガードのキズや装着されているタイヤの銘柄などで舗装路オンリーであったか、オフロードもガンガンであったか?が判別できます。クラッチやブレーキディスクの摩耗など、購入後に交換となった場合に高額となってしまう部分もチェックしましょう。

空冷モデル R1200GSとR1200GS-ADVENTURE、中古車でいま買うならどちらにするべきか?でした!!

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絞りをマスターして被写界深度を極めよう

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、承認欲求という言葉をご存じでしょうか?承認欲求とは他者から認めてもらいたい、立派な人、価値ある人であると思われたい…という欲求だそうです。承認欲求は誰にでも潜在している割と根深い人間の欲望なのだそうです。

お金持ちは社会に貢献している立派な人の象徴的なイメージなので、お金持ちに見せかけることで立派な人を装うことができます。だからお金持ちではないのに無理をして高級なものを身に付けたり見栄を張ったりする人は多いものです。最近は見かけなくなりましたがSNSを見ていると高級なレストランや海外旅行の様子をアップしてセレブレーションを気取っている人…いましたよね。あれも承認欲求に支配されてしまった人だと思います。

写真にも承認欲求はあります。上手な写真、すごい写真を撮ることで他者に立派な人だと思われたい。SNSで目立って「いいね」をたくさんもらい、有名グループでシェアされることで注目されたい。こういった欲望を写真で達成しようとする人がいます。承認欲求に支配された人の撮る写真は特徴があります。それはどう撮ったらウケるか?すごい写真で皆を驚かせよう、見栄えの良い「映え被写体」を追求するなど、写真は万人ウケが全てである!となるものです。こうなると誰が撮ったか分からない、みんな似通ったSNS時代の盛り盛りの流行写真、といったら聞こえはいいですが、お世辞にもART的な写真とは言えないものになります。

もちろん承認欲求が悪であると言いたい訳ではありません。私にも承認欲求はしっかりあります。人間は誰かに認めてもらいたいと誰しも思っています。ただ承認欲求をコントロールできず承認欲求に飲まれてしまった人は、永久に万人ウケ写真を追求する羽目になり、やがて疲弊して写真をやめてしまうでしょう

立派な写真を撮って認めてもらいたい、この気持ちは写真ビギナーの最初のモチベーション維持において良く機能しますが、どこかのタイミングで承認欲求と決別すべき日がやってきます。それは早い方が良いですよ…と私は言いたいです。




房総フラワーライン

さて前置きが長かったですが今回は写真ビギナー、または何年もやっているけど上達できない方を対象に絞りのお話をさらっと書いてみたいと思います。

究極のツーリング写真では今まで絞りに関するあらゆる事を解説してきましたが、おさらいの意味で基礎的なことと、絞りの知識を応用するにはどうしたら良いのか?という具体的なことを今までとはアプローチを変えて解説してみます。

絞りとはレンズの中にある穴ポコのことです。穴ポコは大きくしたり小さくしたり調整できるもので大きいとレンズの外の光がたくさんカメラ内に取り込まれ、小さくすると僅かになります。カメラ内に取り込む光の量、つまり露出を調整するのが主たる役割です。一方で露出を調整する仕事はシャッター速度でも可能です。目の前の景色の光をどれだけカメラ内に取り込むのか?は絞りとシャッター速度の両者で話し合って折り合いをつけるものなのですね。

ここまでは大丈夫でしょうか?

写真の明るさ、つまり露出を決めるのはカメラの測光機能(AE)が自動でもやってくれます。だから絞りがいくつでシャッター速度がいくつと撮影者が必ずしも決める必要はありません。テクノロジーの進化は実に有難いです。ただ全てお任せで貴方の個人的なART作品が生まれるでしょうか?答えはNOです。

多くのカメラでAまたはAVとある撮影モードにすることで絞りだけは撮影者が決める「絞り優先モード」を使いこなしてみましょう。F値で表される絞りを撮影者の意図でコントロールすることで表現の幅が一気に広がります。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

よし、じゃあ絞り優先モードに挑戦してみよう!となったらまず1つだけ重要な知識をつけておきましょう。それは被写界深度といって少々専門的な単語ですが簡単に言ってしまえばピントの合う範囲という意味です。

絞りを調整することで被写界深度を変えることができます。F値は数値が小さいほどに穴ポコは大きくなり被写界深度は浅くなります。逆にF値の数値が大きくなるほど穴ポコは小さくなって被写界深度は深くなります。

被写界深度が浅ければ手前の物や背景はボヤけ、シャッター速度は早くなります。逆に絞り込んで被写界深度が深くなれば全体にピントが合うような写真となり、光の量が減った分、シャッター速度が遅くなることで補ってくれます。

…と、この辺までは多くの方が既にご存知の知識だと思います。では応用について解説してみましょう。




EOS6D Mark2

じゃ、ツーリング写真でどんな時にどんな絞りにするのだね??ここからが本題です。まず被写界深度を繊細にコントロールしたい場合。前景、バイク、その他の被写体、背景、遠景など奥行方向に複数のレイヤーが存在したとき、どんな風に魅せたいか?と意図を決めた後に絞りを調整します。上の写真では前景がいきなりバイクで背景がコンテナ船、遠景が富士山、その他の被写体が鳶という構成です。こういった構図ができたときに絞りを調整!です。

この作品の場合、魅せたい主役は東京湾にうかぶ冬の富士山(が当初の意図でしたが思わぬ珍客で主役は鳶がもっていきました)、でありバイクは脇役。そこへバイクでやってきたライダーが見ている風景なのだな、という事実が誰の目にも十分に伝わる程度にそれら脇役をボカして、主題をより魅力的に演出しているのです。

一方がボケることで重要な方が浮き立つ。これが絞りを開いたり、ボケ具合や深度の微調整で魅せる基本的な考え方です。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

この作品はテント越しにみた富士山の見えるキャンプサイトです。テント、バイク、ライダー、本栖湖、富士山と大まかに5レイヤーある構図ですが、この場合は近景であるテントや寝袋の様子を十分に伝えたいという意図があるので、絞り込んで近景からピントを合わせました。

絞りを開こうか?それとも絞り込んで調整しようか?

まずは構図として複数レイヤー存在していること、それからそれら近景や遠景をどう魅せたいか?を最初に決めるのですね。どう魅せたいか?そうイメージです。撮る前につくる空想の写真「イメージ写真」がここでも重要なわけですね。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

もう1つ、重要な知識として被写界深度は望遠の画角ほど狭くなる傾向があります。正しくは望遠で近くの被写体を撮る場合ですね。逆に広角ほど被写界深度は深くなる傾向なので上の作品のような超ワイドレンズを使う場合はボケ具合で表現するのではなく、全体にピントが合った写真(パンフォーカスとも呼びます)で魅せます。

少々高度な話になってしまいますが深い被写界深度が発生するとき、そのピント位置のピークはどの部分にもってくるのか?という問題もあります。ここでは深く触れませんがそういった時にマニュアルフォーカスが活躍するものです。

広角レンズを使用するときや景色に複数レイヤー存在していないシーン、それは絞り値をいくつに設定しても出来あがる写真に大きな違いは出ません。ではそういった時は絞りはいくつに設定するの?という疑問があると思います。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

こんな時ですね。カメラの近くには被写体が何もなくて景色全体を撮る時です。こういったシーンで絞り値をF2.8にしようとF18にしようとシャッター速度が変わっていくだけで出来上がる写真に大きな変化はありません。

こんな時は古くから写真界で言われているセオリー通りで「風景写真はF11」の法則です。詳しくはF8からF11の間が良いと言われます。これはもうレンズという光学製品の特性によるものですが、レンズの前玉などは球面レンズになっていて外周付近はどうしても精度が落ちてしまい、中心付近が良好な特性なのです。F8からF11の間はその一番精度の良い中心をつらぬく絞り値となるので、解像度や収差などが最小限で美しく撮れる絞りである、と言えるのですね。

えっ?もっと絞るのはいけないのか?さらに絞り込むのは例えばレンズの数センチ前にある被写体から遠景までシャープにしたいとか、あるいはシャッター速度の観点でブレを表現したいときなどに、さらに絞るのですが極端な小絞りは回折現象(別名:小絞りボケ)という画質低下を招くので、特に逆光のときは注意が必要となります。




EOS6 mark2 + EF35mmF2 IS

もちろん風景写真はF8からF11が良いと言ってもそれは十分に明るい場所の話です。この作品のように星景写真や夜景写真など、絶対的に暗い場所では少しでも光を多く取り入れたいので迷わず絞りは解放を選びましょう。ただ最近のカメラはISO感度を高感度に設定してもノイズが低いので、これからはF8あたりで撮って露出は高感度で補うのが一般的になるかもしれませんね。星景写真は点光源の集合なので、きっと解放よりもF8あたりで撮った方が光学的な意味では綺麗に撮れるのだと思います。

 ~絞りをマスターして被写界深度を極めよう まとめ~

・絞りを変えることは前景や背景のなどのボケ具合の調整

・ボカすことは作品の意図や主題を浮き立たせて魅せる表現である

・ボケ具合、被写界深度の調整とは構図に複数レイヤーを作ったとき

・望遠レンズほどよくボケて広角レンズはあまりボケない

・風景写真をひいて撮るときはパンフォーカス

・近景や複数レイヤーないシーンではF8からF11の間が美しく撮れる絞り

と…今までと違った感じで解説してみましたが如何でしたか?知識とは持っているだけではほぼ無意味で、実際にそれを実践し失敗と成功を幾度か繰り返さないと「習得」とはならないものです。習得に結び付けることのできなかった知識は恐ろしいことにあっというまに忘れてしまうもの。ぜひ次の撮影で意識して実践してみてくださいね。

今回はこの辺で!!!

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写真ビギナーとベテランの違い☆平凡写真やマンネリの脱し方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、関東圏以南ではそろそろ春の景色が期待できるようになりましたね。ツーリング先ではもちろん、近所の公園や日常風景でも小さな春を見つけることが出来ると思います。

小さな春…そう、うっかりすると見過ごしてしまうような小さな発見に心が反応できるようにしたいものですね。趣味で写真をやるとなると話題の絶景スポットや満開の桜を撮るものと思われがちですが、日常風景にある小さな存在に心が反応をしめしたとき、それを表現できれば個性ある素敵な写真ができると思います。

よく気が付く目と豊かな感受性を大切に写真活動をしてみましょう。




さて、今回は少し初心に戻って写真ビギナーとベテランの違いと題して、写真を撮るにあたり撮影地でまず何をするのか?ということをハートサイドからアプローチして解説してみます。

よく見かける平凡なツーリング写真

ツーリングに行って写真を撮って帰るけど、いつもこんなフツーの写真ばかりを撮ってしまう。景色がきれいな場所を背景にして愛車をパチリ。その時は「うまくいった」と思えるけど帰って見返すと何か平凡でものたりない。気が付くと自分が撮る写真はいつもこんな感じ…そんなお悩みはありませんか?

写真ビギナー、または何年もやっているのに上達しない人と写真のベテランが撮る写真は一体何が違うのでしょうか?一言で言ってしまえば何もかも違うのですが、それでは薄情なのでヒントのようなものを書いてみたいと思います。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS F11 1/125

この写真は1枚目にご紹介した陳腐な作例のすぐ近くで同じ日に撮影しました。北海道の美瑛の丘です。違いは山ほどあるのですが時間帯を選んで逆光を利用している、1つの被写体(この場合はポプラ)を明確に主題にした、比率や配置などを考慮して構図を組み立てた、ライダーを登場させてツーリングシーンを演出した、ホワイトバランスや露出をイメージに合わせて慎重に選択した・・・まだまだありますが、とにかく撮影者の意図のもと、画面内のすべてに配慮が行きわたっています。

写真ビギナーの方や一般カメラユーザーは景色を前にして、まず目に見える様子をそのまま撮ろうとするものです。




「綺麗な景色なんだからいい写真になるに決まっているではないか」…それ、本当でしょうか???まずこれを考え直してみましょう。

綺麗な景色にカメラを向ければいい写真になるはず、だからカメラに要求するのは「見た通りに撮りたい」とビギナーの方は思うものです。目の前の現実をカメラで記録することで良い写真が生まれる…これ間違いではありませんが、これでは表現ではなく記録です。多くの場合で現実の様子というのはさして美しくはないものなのです。

目に見えるものだけを信じるのをやめて想像の世界で本当に撮りたい写真をイメージしてみましょう。よく写真イメージと言いますがベテランや写真家というのはシャッターを切る前に脳内で作品の完成予想図といえる想像の写真「イメージ写真」をつくるものです。人間が想像する世界は本当に美しいものです。

撮影者がそこで写真を撮ろうと思った理由をひもとき、数ある表現の引き出しから「いまはこれ」とchoiceをし、きっとこんな風に撮れるだろう、こんな風に撮るぞ、という空想の写真です。写真ビギナーの方の多くはこのイメージを作らずに惰性的にシャッターを切っているのが最大の敗因です。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

この作品は空き地に咲いていた花を主題にしたツーリング写真です。場所は北海道ですが話題の撮影スポットでもなければ有名な景勝地でもありません。誰も気にも留めないような雑草の花が咲いている空き地です。

実際にはこのように沢山の花が一面に咲いていた訳ではなく局所的でした。そこで「花がたくさん咲いている場所」というイメージを作ります。実際に咲いているのは局所的なのですから咲いていない場所は画面内に入れたくありません。なおかつ「たくさんの」を表現したいので花同士の密度を上げたいです。となれば画角は望遠を使おう!となりEOS6D Mark2のボディにセットしたレンズはEF70-200mmF2.8という望遠レンズとなりました。

そしてライダー+R1200GSを浮き立たせるように魅せる演出をイメージし、絞りをコントロールして深度をR1200GSの位置とその少し手前にMFでかけてみました。

花の密度を上げたいから望遠レンズを選んだ、主題を浮き立たせるように演出したいから被写界深度をコントロールした、といった具合に「〇〇だから△△した」というイメージからの根拠によって選択する表現手法。そこで景色や被写体の特徴から受けた感情の動きが全ての始まりです。感動せず、イメージを作らず、現実の様子に向けてシャッターを惰性的に切ってしまわないことです。

順をおっていくと1.おっここは良い、ここで撮ろう 2.景色や被写体、その周囲をよく見よう 3.その特徴から貴方はどう感動した?自分の心に聞いてみよう 4.感動したら何がどう感動したのか考えよう 5.それがよく伝わる写真をイメージしよう 6.そのイメージを再現するにはどうしたら良いか考えよう 7.何をしたら良いか分かったら撮影を開始しよう といった具合ですね。写真ビギナーの方が平凡な写真を撮ってしまう時とは1の次にイキナリ7…しかも何をして良いのか分からないのにとりあえず撮ってみる、といった具合だと思います。




EOS6D Mark2

最近は見かけなくなりましたが「見た通りに撮るのが正義である!」と主張されるカメラマンさんもおられます。そういった方にイメージをもとに表現した写真を否定される場合があるかもしれません。これは完全に無視で大丈夫です。写真は見た通りに…を妄信されている方に付ける薬はありませんので、お気の毒ですが寛容に見守ってあげる以外にありません。上の写真は実際の様子よりも、うんと露出をアンダー(暗く)に撮る事で光のある部分を表現しています。撮るときにこういったイメージを脳内に描いて撮るのですね。

不思議なもので人間の想像の世界って美しいのだと思います。むかし好きだった人は記憶の中でも尊く美しい存在ですが、ある時どこかでばったり再会すると、その記憶の中のあの人とあまりにかけ離れた現実にがっかりした経験はありませんか?それは経過した年月で年老いたから…という事実よりももっと大きな原因があって記憶というイメージの中で勝手に自分がその人を美化していたからなのですね。マスクをしていると美人だと思ってしまうのもマスクの下の様子はどうであるか?勝手に美しいものを想像するからだと思います。想像の世界は美しい、だからこそ写真を撮る前のイメージは大切なのですね。

少々ややこしいお話でしたが次回の撮影から少し意識してみてくださいね。

今回はこの辺で!!

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トップケースにカメラを積んで壊れないのか?

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ここ最近になって少し日も伸びて、近所では梅の花なども見かけるようになりましたね。まだ寒い日はありますが少しずつ春の足音が聞こえてきました。

同時に春になると花粉症の人にはつらい季節ですね。私は重度ではありませんが毎年3月になると症状が出ます。今年は新型コロナウイルスの問題もあるので、花粉症の人はむやみに目や鼻に触れてはいけないと聞きましたが、痒いのに触れないという二重苦ですね。

さて今回は当サイトへクエリ(検索からの問い合わせ)の多いバイクへのカメラの積み方について書いてみたいと思います。カメラを持ってバイクで出かける…。精密機器である【カメラ】にとって過酷な移動手段であるバイク。何も気を遣わず持ち歩いたら壊してしまいそうですよね。

きっと多くの方が「どうやってカメラを持って行こうか」と悩まれていると思います。私の場合は主にトップケースに積載なのですが、よく「トップケースにカメラを入れて壊れない?」と聞かれます。結論を言ってしまえば壊れたことはありません。しかしいくつかの注意点があるので、今回はそれを書いてみたいと思います。




使用しているトップケースはヘプコ&ベッカーのALU EXCLUSIVE 30 で本体があのRIMOWAで出来たアルミ製ケースです。

内部にはカメラ用品として売られているスポンジ製のインナーボックスを組み合わせて置いています。これで仕切りを構成しカメラボディ、標準レンズ、望遠ズームレンズ、ミニ三脚や予備バッテリーなどの小物を収納しています。

トップケースを使用するメリットは中身の取り出しが容易、大雨でも安心の防水性、衝撃に強く強固であること、施錠できることです。

バックパックやスリングバッグなど、身に付けるカメラバッグはコンデジ一つ程度ならOKですが、一眼レフに交換レンズを複数となると重さで疲れてしまい、ライディングの妨げにもなります。雨天時の防水や万一の転倒時のダメージも心配です。

このヘプコ&ベッカー ALU EXCLUSIVE 30は何が良いか?というととにかくRIMOWAのアルミケースは軽量で頑丈、見た目もカッコイイ…と、とにかくRIMOWA製であることに尽きます。逆に言うとヘプコの仕事してマウントへのアタッチメントや金具類などについては、特に褒めるべきポイントは無いように思います。

ALU EXCLUSIVE の場合はケースの内装が黒い発泡スチロール製なので、これが衝撃吸収だけでなく結露も防いでくれます。

トップケースのデメリットとして装着しているとカッコ悪いので嫌だ…という方も多いと思います。R1200GSのようなアドベンチャー系バイクでしたら、装着していてもさほど違和感ありませんが、スポーツ系やクラシック系のバイクだと気になりますよね。ヘプコのケースの場合はキー1つで簡単に着脱できるので、私は写真を撮るときは外してしまう場合も多いです。

そして気になる振動や衝撃ですがトップケースは車体の振動源となるエンジン(主にクランクシャフト周辺)、路面からの凸凹(サスペンション部)といった場所から離れています。振動は振動源から離れると振幅が増幅されるので好条件とは言えません。

その昔、バイク用ミラーの設計をしていたころに振動試験をよくやったものです。ミラーは振動源から離れているので振幅が大きく、それが鏡面のブレとなって後方視界を悪くさせます。振動の周波数や振幅は車種によって大きく異なるため、汎用ミラーを作るというのは難しいものでした。




先日、千葉のとある道の駅でとっても美味しそうな苺、紅ほっぺが売っていました。ちょっと高かったのですが、あまりに美味しそうなので誘惑に負けて買ってしまいました。しかし…これトップケースに入れて帰っても大丈夫なのだろうか?と買ってから思ったのですが…もう後の祭りです。とりあえず少しくらい大丈夫だろう…と思いトップケースに収納して1時間半ほどの走行で帰路につきました。

どころが家に買ってトップケースを開けてみると高級イチゴは無残な姿に…。振動によって容器の中で暴れていたようで、イチゴジャムになりかけていました。悲しかったですが味には影響ありませんでした。美味しかったです。

このようにバイクのトップケースには高周波の振動とランダムな衝撃波が二重に伝わる事で過酷な振動環境だと分かります。加えてマフラーからの排気音が爆音の場合はトップケース内に音が反響しスピーカーで言うエンクロージャーと同じ状態で音による振動も発生するものです。

以前の仕事でよく関わったのですが自動車、オートバイにおけるJIS規格の振動試験にはSOR(sign on random)試験といってエンジンなどの正弦波の振動に路面ギャップ通過などのランダム波を加えたダブル振動をかけるというのがありました。

エンジンからの振動である正弦波は回転数や負荷状況によって周波数が変化するもので、特定の条件が揃う事で締結されていたネジやボルトを緩めたり、樹脂部品や薄いアルミプレス部品などに亀裂を発生させたりします。一方、路面ギャップを通過したときのような瞬間的なインパクトであるランダム波は積載している荷物がズレる、物を破損させるといった特性があります。

カメラ、レンズに多く使われている小さなネジは高周波振動で緩みやすい

トップケースにカメラ、レンズを収納する場合、まずは正弦波振動による対策をします。特に4気筒のオートバイや高速道路の長時間走行が多い場合など、高周波な振動が持続して発生する場合、レンズキャップ、ボディキャップ、レンズフードなどをしっかり締めておくこと。締めが甘いと振動で徐々に緩み、カタカタと共振しはじめ、ヤスリをかけたように粉をふきはじめます。

ランダム波の衝撃については前述のカメラ用品のスポンジ製のボックスである程度は吸収してくれます。なるべく厚みがあって柔らかい物を選びましょう。

それと収納時に固い物同士が触れ合うことがないように、しっかり区別して収納することも大切です。例えばミニ三脚の雲台がレンズに触れた状態で走行すると、高周波な振動により両者を削り合います。そうならないために100円ショップで売っているようなミニポーチに小物を入れるのも良い対策となります。




このようにアドベンチャーの方にキャンプ道具フル積載のときも、トップケースの中身は撮影機材専用となっています。

話は本題から少々脱線しますが大きなトップケースを装着し、そこに多くの荷物を詰め込むと重さでウォブル現象が発生する場合があります。ウォブル現象とは直進しているのにハンドルが左右にブルブル振れてしまう現象です。設計の古いバイクで過度なスピードを出したり、同じく古いバイクでタイヤが偏摩耗していたりすると発生します。R1200GSは大きな車格で積載キャパシティが大きいので大きなトップケースに荷物を詰め込んでもウォブルは発生しませんが、たとえば流行の250ccクラスのアドベンチャー系バイクに、大きなトップケースを装着して重い荷物を詰め込めばウォブル現象は出ると思います。

上の写真を見てこんな大きなバイクならもう少し大きいトップケースの方が良いのでは?と感じた方もおられるかもしれませんが、前述の理由で私の場合はトップケースは小さめのサイズをあえて選んでおります。積載は走りをスポイルしないよう最大限に配慮したいのです。

先ほどトップケースにカメラを積んでツーリングして壊れたことなどない…と書きましたが、私の場合は愛用してきたカメラが歴代キャノンEOSシリーズであります。光学ファインダー搭載の一眼レフカメラに限って振動に強いというのもあるかもしれません。これがもしコンデジやミラーレス機だったら話は別かもしれません。とにかく私の中では光学ファインダー搭載の普通のデジイチはバイクに積んでも壊れない、という印象です。なかなかミラーレス機に買い替える気になれないのはこの辺も理由のひとつであります。

蛇足ですが先ほどマフラーが爆音の場合はトップケース内がエンクロージャーになる…と書きましたがメーカー時代にこんな出来事がありました。タンデムライダーと会話できるヘルメットインカムを製品化していたのですが、タンデムライダーからの声が雑音が酷いというクレームがありました。エンジンを停止して試すと問題がないとのことだったので当初はバイクのジェネレーターかハイテンションコードの劣化による電気的ノイズか?と疑いましたが、原因を突き詰めていくとマフラーからの爆音がタンデムライダーのヘルメット内で反響しマイクに伝わっていると判明しました。そう説明してもお金を払ったお客さんの気持ちは収まらず「じゃあどうしたらいいんじゃい!」と怒るいっぽう。私は内心「ノーマルマフラーに戻せば?…彼女もうるさくて気の毒だし」とつぶやいていました。

バイクのトップケースにカメラを積んで壊れないのか?…でした。

今回はこの辺で!!

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アホな青春バイクコラム【空中遊泳ライディング】

1991年2月

高校生だった私は90年式VFR400R(NC30)を愛車に峠を走るバリバリの走り屋だった。そう…バリバリで、ある。NC30はエトスのレース管、HRCのCPU(点火系統変更とリミッター解除)、BEETのエアロシャークフェンダー、コワースのバックステップ、タイヤは横浜のゲッター003、下品な耐久カウルなどは装着せずパッと見はノーマル然とした玄人スタイルだ。

地元の仲間でチームを作りお揃いのトレーナーを革ツナギの上に着て峠を走る。私は学校では真面目を装っていたので、夜の埠頭走りはせず昼間の峠専門。走り屋の中でも不良系ではなく見た目は普通の高校生だったと思う。

その日、同じ高校に通う同級生のSと行きつけの峠の近くのコンビニでたむろしていた。週末の峠は100台近いバイクが集結し、事故や近所迷惑が問題となって定期的にパトカーが巡回にくるのだ。パトカーがやってきたときは決まってこのコンビニに避難し仲間たちとダベりながら時間を潰した。その日もおばちゃん婦人警官2人が乗ったミニパトがやってきてマイクで怒られた。

「ここへ来ているライダーのみなさん、騒音が迷惑です。ただちに家に帰りなさい。高校生は学校へ通報します。」

S「あの婦警のオバちゃん、母ちゃんに似ていて気持ち悪い」

ここ最近になってよく見かけるミニパトの婦警2人。確かに運転していた婦警さんは糸のように細い目と毛虫のような眉毛がSにそっくりだった。しかし笑っては友人であるSに悪いと思ってこらえた。




Sは数か月前に高校を中退してしまい、来年度の春から北海道の余市にある少々変わった高校に入るのだとか。性格が悪すぎて学校の不良グループから酷いいじめを受けて不登校になってしまったのだ。余市の高校は中退した学年から始めることができる全国で唯一の高校なのだとか。北海道へ行く4月まではバイク便のアルバイトをしながら悠々自適にプータローを満喫するのだと。

Sは古いボロボロのRG250ガンマから89年式のNSR250R-SPに乗り換えていたが、こちらも走り屋にいじり倒された酷いポンコツだった。せっかくのマグネシウムホイールが缶スプレーで蛍光ピンクに塗装され、ところどころ剥がれて目も当てられない。エイのような耐久カウルはヒビだらけで番線で縫われている。タンクについてはよそのチームのステッカーがびっしりと貼ってありロスマンズカラーの面影もない。

Sはとにかく転倒や事故、トラブルの絶えない破天荒なヤツで地元の警察からも目を付けられていた。Sの無茶苦茶ぶりは主に自分でイジった改造に由来するものが多かった。

走行中にスプロケットが緩んで外れたチェーンがアームに挟まり、タイヤがロックしたまま湾岸道路の交差点に突っ込んだり、走行中にブレーキキャリパーが外れてコーナーを曲がり切れず川に落ちたりとブレーキ系の整備不良が多かった。一方でキャブレターのセッティングとか、自分で腰上をオーバーホールしたエンジンとか、気味が悪いほど高回転までよく回る極上エンジンに仕上がったものだ。エンジンは絶好調だがブレーキは壊れるという地獄への片道切符のようなバイクがSのバイクなのだ。

「そういえば茂原のチームのY君、S山で転倒して腕を骨折だってな」

S「おうよ。」

「1年のTも免許とって早々に事故って左脚を骨折、後方排気(TZR250)も廃車だって」

S「おうよ」

「みんな骨折が多いな」

S「みんな鍛え方がたんねーんだ。それに事故り方が下手だ」

「事故り方に上手いも下手もあんのか?」

S「おうよ。俺なんかな、バイク便の経験が長いだろ?都内なんて行くとタクシーとしょっちゅう接触事故だからよ、事故り方もダメージが少ないように上手いことやんだな」

「へ~すげーな」

Sの糸のように細い目が光った。

S「あ~これは当たるってなったとき、タクシーのどの部分を狙って突っ込むか最後の瞬間までコントロールすんだ。そんで体が空中に投げ出されたら、姿勢を整えて着地点を探す、例えば植え込みとか土の地面とかな。あと道路を滑走している時は反対車線に出ないようスキーみたいに進路を調整するんだ」

「まじかよ」

S「空中を飛んでいる時や道路を滑走しているときに、瞬時にこの先どうしたらダメージを最小限にできるか考えるんだ、後は本能で勝手に体が正しい方向にいく」

「そうえばオマエ、何度も事故っているけど骨折とかしないよね」

S「おうよ、俺は骨折なんてしたことねえ。これからもそんなマヌケなミスはしねぇ」

Sはいつでも上から目線で自信満々の男だった。だから嫌われていじめを受ける羽目になったのだが…。しかしその自信は説得力のあるものが多く、暴走族に追い回されて逃げる時にうまいこと誘導したり、骨折した仲間に当て木などして的確な応急処置をしたり、強く頼もしい一面も持っていた。

S「俺、夕方からバイトだからもう帰るわ」

手に持っていた鉄骨飲料を飲み干して細い目が言った。

「おう、そしたらここ、中央分離帯で右折できないから先の交差点でUターンしたら豪快にウイリー決めていってくれや」

S「おうよ、みせたら俺のウイリー」

「4速までつなげよ」




Sは峠ではパッとしない速さで私のNC30に追従することも出来なかったがウイリーの技術は素晴らしいものがあった。ほぼ垂直の角度を安定してキープし確実に加速していくのだ。どうやったらあんな角度であの加速ができるのか?といつも感心していた。

Sは汚いプリカーナのツナギのファスナーを首元まで上げ、同じく汚いAraiラパイドを被って颯爽とエンジンをかけ、NSR250R-SPボロのまきちらすイチゴの香りの白煙(※)の中にその雄姿を霧散した。

ほどなくして先の交差点でUターンしてきたSが吹け上りの良いレーシングマシーンのようなエンジン音をSSフクシマのチャンバーから響かせて近づいてきた。それはまさに【主役の登場】を意味するSの咆哮に他ならなかった。私たちの視界に入るころにはとっくに垂直ウイリー状態になっていて既に3速ギアに入ったところだった。

「すげ~、かっこいいな」コンビニにいた走り屋達、他の客、店員までもがSのウイリーに視線を釘付けにした。

私の目の前を通過する刹那、ラパイドのシールド越しにSの糸のように細い目、毛虫のような眉毛が「どうだおまえら!」と誇らしげに光った。

その直後…「ウォン!!!」というエンジン音と共に均衡を保っていた何かの支えが破綻したようにNSRは左右にふら付きはじめ、垂直ウイリーの車体は無重力空間で月面着陸を試みるような謎の乗り物と化した。

「うわ、あぶな」

バランスを崩したNSRは中央分離帯の緑地に積んであった工事用資材の山に突っ込み、Sの体は空中に投げ出され美しい放物線を描き始めた。

あ…空中でコントロール…??私がそう思った矢先、Sが目指したランディングポイントは誰も予想しないエリア51だった。




ミ…ミニパト?!

先ほど峠に来たSのお母ちゃん似の婦警のミニパトがちょうど反対車線からやってくるところだった。そのフロントウインドウにSは背中から突っ込みガラスは粉々に砕け散った。衝撃か回避か進路を逸れたミニパトはそのまま縁石を乗り越え、コンビニの隣にあった小児科の駐車場に突っ込んで止った。

あわてて私と仲間達はSの居ると思われるクラッシュしたミニパトへ駆け寄る。騒ぎを聞いたコンビニの店員や他の客もやってきた。車体の下からクーラントが流れ出ている。車内をのぞくとSはミニパトの運転席と助手席を橋渡しにするような恰好で車内で横たわっていた。その様子は運転席にいたお母ちゃんに寝かしつけてもらっている子供のようにも見えた。

「まあ、たいへん…大丈夫あなた」ガラスの破片まみれの婦警が慌てて言った。

糸のように細い目、毛虫のような眉毛の・・・の太ももを汚いラパイドが膝枕に。その内部に同様に糸のような細い目、毛虫のような・・・ Sである。反社会的なローリング族と社会秩序を取り締まる警察の相反する両者が、母子の愛で和解したような不思議な空間だった。

「ぷっ…ダメだ」

私は親友の不幸が蜜の味を通り越し、袋に火が付いたように笑いがこみ上げてきた。笑っては駄目だ!と思うほどにおかしく感じた。しかしSに見られたらブチ切れされると思い必死にこらえた。

車外に出されて手当されるSは右足の膝下がどうも様子がおかしい。通常、人間の足は膝の関節は後方にしか曲がらない構造だ。しかし今のSの右足は小学生の時に説明書を読まずに組み立てたガンダムのプラモのように前に向かって曲がるのだ。

婦警「まあ、大変だわ、これは骨折よ。救急車はいま無線で呼んだからね」

「ぷっ、お母さん、これは明らかに変な足ですけど骨折ではありませんよ」

婦警「私、この人のお母さんじゃありませんよ!」

「あっすいません。でもコイツ、つい数分前まで絶対に骨折しないって言ってましたよ」

数分前までの自信に満ちたSの顔は蒼白で、Sのことを良く知る走り屋連中は「ざまあみろ」といわんばかりにニヤけていた。中でも酷いのはその中の一人はコンビニに戻ってわざわざ【写ルンです】を買ってきて前方に曲がったSの足と一緒に記念撮影まではじめた。

婦警「あなたたち、やめなさい、友達が大怪我しているのに」

「お母さん、大丈夫ですよこれくらい、いままでガソリンあびて火だるまになったり、脳にドライバーが刺さったりしましたが死にませんでしたから」

S「母ちゃんじゃねえっつの!!」こんどはSが叫んだ。

その直後、駐車場の主である小児科の医院長らしき高齢紳士がやってきた。

「大丈夫ですか!あぁ、これはひどい事故だ、救急車が来るまで当院の中へどうぞ、さあお母さんもご一緒にどうぞ」

S「母ちゃんじゃねえっつの!!!!」

やがて遠くから救急車のサイレン音が聞こえてきた。

…END

※2ストロークエンジン用オイルは当時、イチゴやらココナッツやらの香りのするものが発売されていました。

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シャッターチャンスをつかめ☆ツーリング写真のシャッターチャンス

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、コロナ渦の状況がまだ続いておりますが如何なバイクライフをお過ごしでしょうか?いま、バイクを楽しむというとマスツーリング、バイクイベント、県をまたぐようなロングツーリング…これらが制限されますね。緊急事態発令下なので仕方がありません。みんなでワイワイ楽しむのはコロナ渦が収束してからのお楽しみです。

一方でソロツーリング、ソロキャンプ、近場で弁当持参ツーリングであれば不要不急の外出となるかもしれませんが感染のリスクは極めて少ないです。個々で感染対策をし安全運転を心がければ良いのではないでしょうか?もちろん知らない林道に入ってみるとか、凍結しているかもしれない山道を走るとか、そういったことは避けて普段以上にリスク管理をするのは大切ですが。

万一、事故を起こして怪我をしたら医療関係に迷惑が…という意見も見かけますが、不測の事故というのはバイクに限らず車でも自転車でも起こるものです。私はこの意見には賛同できません。もちろん初心者マークのライダーさんやツーリングに行くと3回に1回は転倒する(私の知人にいました)という方は別ですが。




さて今回はツーリング写真における【シャッターチャンス】のお話をさらりと書いてみたいと思います。写真用語におけるシャッターチャンスは誰でも知っている用語ですよね。写真用語には有名なものからマニアックなものまで色々ありますが、近年になって有名になったのは【フォトジェニック】ですね。以前は普通の人はフォトジェニックなんて通じなかったのですが。写真文化の変化を感じる瞬間です。

さてシャッターチャンスと聞くと普通はスポーツシーンとか子供やペットの写真などに使われるイメージかもしれません。しかし静かなる風景写真にも【シャッターチャンス】は存在します。上の作品をご覧ください。人気ツーリングルート「ビーナスライン」の白樺平ですが、構図としては道を主題にしたツーリング写真です。白樺の木々の間隔を詰めることと、道の存在感を絶対的にする目的で中望遠の135mmレンズで撮っています。

これでフィニッシュでも悪くはありませんが何か面白いことが起きないか?と期待を胸に待機してみましょう。EOS6D Mark2には撮影回数無制限でインターバルタイマーを設定しています。SDカードは128GBなのでたっぷり撮っても気になりません。




EOS6D Mark2

暫くすると一台のバイクが通り過ぎていきました。この他にもハーレー軍団、赤い色のスポーツカーなど幾つかのキャストが登場しましたが、私のオーディションに通過したのはこのライダー。何が良かったのか?と聞かれるとハッキリ言えませんが強いて言えば背中が気に入りました。普通なようで良く見ると何かを感じる妙。

撮影スポットでバイクを停めて構図やアングルを模索し納得の1枚を撮ると、すぐに撤収する人が多いようです。心にゆとりをもって撮影の余韻も楽しんでみましょう。すると先ほど終えたはずの撮影の第二ラウンドがはじまり、当初の写真よりも良い写真が撮れた!なんて事は珍しくありません。風景写真のシャッターチャンスは「狙う」のではなく「授かる」感じで、いつもその奇跡をキャッチするための「受け皿」を用意しておくことが大切です。




話は冒頭の続きになりますがコロナ渦の状況で日帰りソロツーリングに出る場合、やはりこれまで以上に安全運転には気を遣いたいものですね。ここ最近になってバイク事故急増のニュースが多いです。コロナ渦を受けて感染リスクの少ない趣味であるバイクが注目され、新たに(または返り咲き)バイクデビューする人が多い、つまり道路にはビギナーライダーが多い状況なのです。そこで事故が増える要因として最も多いのが車との右直事故です。

交差点内で直進車をやり過ごす右折待ちの車。ドライバーにとって対向からやってくるバイクはスピード感と距離感がつかみにくく、原付バイクとの速度の違いも理解していない。加えて普段の運転から優先側の車に減速してもらうことを前提に割り込むような運転をしている人。割り込み常習犯が目測を誤るのですから、対向側のバイクとしては絶望的なタイミングで目の前を塞がれる訳ですね。

バイクと車が交差点内で接触する右直事故の原因は、ドライバーの技術と安全意識の低下、ライダー側は「あの車はまさか曲がってこないだろう」という想像の欠如。この2つが重なり、神様の悪戯で両者のタイミングが合えば・・・気が付くと冷たいアスファルトの上で横たわっているのです。

北海道をツーリングしていると野生の鹿をよく見かけます。鹿は予想しない唐突な動きで飛び出してくるので度々事故になります。道路脇や道路上で鹿の姿を見かけたら減速して慎重にやり過ごすのがホッカイダーの常識です。

交差点で右折待ちをする車、脇道から出てこようとする車、これら他人の車は例えるなら「鹿」です。決して信用せず、どんな動きをするか予想できない相手と考えましょう。他人がみな安全運転をしている、他人はミスをしない、という確証バイアスで走るのがどれだけ危険なことか・・・これを知るのに取り返しのつかない事故を経験してからでは遅いのですね。

確証バイアスや正常性バイアスといった認知バイアスは言ってみれば人間の欠陥です。大地震や巨大台風がいつか来ると分かっていても何も備えをしない人は「まさか自分の身にふりかかってくるとは」とよく言います。しかしバイクの事故は本当に起きてから思い知っても手遅れなので、想像力をよく働かせて事故防止につとめましょう。

それと視力の良い人は車の運転手の顔をチェックしてみましょう。本当に鹿が運転しているかもしれませんよ!

今回はこの辺で!!

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賢い中古カメラの買い方☆バイク写真とカメラ

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、コロナ渦で収入が減ってしまい趣味を楽しむ余裕がなくなった…なんていう方はおられませんか?世の中がこの状況ですから経済が衰退してしまうのは仕方ありませんが、とにかく先行きが不安ですよね。

加えてガソリン車が10年後には販売禁止…となると内燃機の技術が高い日本の自動車産業に影を落としますが、同時に我らバイク乗りにとっても暗いニュースですね。一方でガソリン車を完全に廃止など実現できるのか?という意見も最近になって見かけるようになりました。本当に10年後にガソリン車の新車販売が禁止されているのか分からなくなってきましたね。個人的にはせめて20年後くらいにしてほしいのですが…。

さて今回の究極のツーリング写真では趣味になかなかお金が使えない…という方は必見の賢い中古カメラの買い方について書いてみたいと思います。今はヤフオク、フリマアプリ、eBayなどがあり、星の数ほどある商品を世界中の人と個人売買できるのですから便利な時代です。昔は中古を買いたい、または売りたいとなったとき、中古カメラ専門店やリサイクル店しかなかったものです。買取価格はお店の利益が軽く50%は入るのでそれはそれは安いものです。ネット上の個人売買であれば売る側と買う側が直接取引できるので、手数料を取れらるとはいえ双方がお得な取引ができるのですね。

むかしリサイクル品のECサイトでカメラマンの仕事をしていた時があったのですが、買取店舗の金額を見るたびに「ひでぇ~叩き値だな」と思うほど買取金額は安いものでした。カメラや時計といった品ですと市場相場の1/3~1/2くらいです。コレクションの切手や骨とう品など遺品でまとめて持ち込まれた場合は相場の1/20とかザラです。いくら面倒に感じても今の時代に買取店に持って行くのは本当に勿体ないことだと思います。




さて、つい先日に新しいカメラを購入してみました。ボディはキヤノンEOS Kiss X7でレンズはEF-S24㎜F2.8STM(通称パンケーキレンズ)です。EOS KissX7はヤフオクで1.5万円くらい、24㎜のパンケーキレンズが1万円くらいでした。合わせて2.5万円!安いですよね。

キャノンEOS Kissといえば一眼レフカメラ入門機として知られているカメラですが、定価は決して安いカメラではありません。ズームレンズとセット販売される場合が多いですがボディ単体だと実売で7万円前後、安売りされて5~6万円だと思います。EF-S24㎜F2.8STMレンズは税別定価2.3です。

もちろん最新機種ではありませんので安くて当然といえば当然ですが。現行機種のEOS KissX9に比べて気になるマイナスポイントは少なく、最新機種にこだわる理由が特に見当たりません。念のためEOS KissX7とEOS KissX9の大きな相違点を書いておくと画素数がX7が1800万画素、X9が2420万画素、ISO感度上限がISO12800がISO25600へ、連写性能が毎秒4コマが5コマへ、そしてX9ではWifiやBluetoothの無線機能が搭載されています。

興味深いのは大きさと重量でX7が発売された当初、世界最小最軽量の一眼レフカメラと謳っていただけに最新のX9よりも約50g軽く、大きさも15%程度はX7の方がコンパクトです。

写真のクオリティに関わる部分は旧型のX7でも全く問題ないことが分かり、なおかつ小型軽量さでは最新モデルよりも優秀なのです。この小型軽量ボディに薄型のパンケーキレンズを装着するのですから、少々大きめの高級コンデジと大差ないボリューム感となる訳です。

今回、なぜメインで使っているEOS6D Mark2と普段使いのRICOH GRの他にカメラを追加したのか?というと普段使いのスナップ写真も一眼レフでいけないだろうか?と思い始めたからです。普段使いのカメラというと常にバッグの中に入っているので重いカメラはだめです。GRのようなコンデジが理想なのですがコンデジはどうも頻繁に故障してしまい、自分の使い方に向いていない気がしてきました。

特にツーリングスナップで使うカメラとして、もう少し堅牢な方が良いと思うようになったのです。かつてツーリングスナップで酷使したことでコンデジを3台は壊しましたからね・・・。ちなみに15年以上のキャリアの中で一眼レフを壊したという経験は一度もありません。光学ファインダーを搭載した一眼レフは壊れにくく信頼性が高いです。




そこで軽量コンパクトで十分な性能を有した一眼レフを考えたところ、発売当初に世界最小最軽量を謳ったEOS KissX7に薄型のパンケーキレンズであるEF24mmF2.8STMの組み合わせを思いついたのです。

EOS KissX7はEOS6Dシリーズと違いイメージセンサーのサイズがAPS-Cとなるので、焦点距離は35mm換算しておよそ1.6倍(キャノンAPS-Cは約1.6倍)となります。つまり24mmのレンズは39mm相当ということになり、若干広角の標準レンズということになります。

スナップといえば28mmまたは35mmですが、新しい表現の模索という意味でもこの画角が非常に興味深いです。まだあまり撮っていませんが、都会のスナップもツーリングスナップもツボを掴んでしまえば良い写真が撮れそうです。

EOS KissX7 + EF-S24mmF2.8STM

東京のスナップを撮ってみましたが強烈な逆光でも想像以上に・・・いや驚くほど画質が良好です。操作性は言わずもがな使い慣れたキャノン製光学ファインダーの一眼レフカメラなので直感だけで操作できてしまいます。

さすがにコンデジのようにポケットに入れて…とまではいきませんが十分に軽量コンパクトでこの性能。これで2.5万円で入手できたのですから良い買い物でした。しかもEOS Kissのようなカメラによくあるパターンなのですが、中古とは思えない程に程度がよく、グリップの擦れや底面のキズなども有りません。おそらくこのカメラの以前のオーナーは買っただけで殆ど使用していなかったと思われます。




安く買えたのでアクセサリーもAmazonでポチってみました。Amazonはアプリで使うと欲しいものリストのセールが通知で来るので便利…いや恐ろしいですよね。スナップでの使用を想定してパラコードのストラップを買ってみました。

こんな素晴らしいカメラが型遅れの中古とはいえ2.5万円で入手できたのはうれしいです。EOS Kissなんて今どき時代遅れですがスペックだけで見れば1800万画素APS-CサイズセンサーにF2.8のレンズです。なぜこんなに安かったのか?と言うと単純なことでEOS Kissと言えば一般需要にたくさん売れる普及機であり、発売当初はたくさん売れたので市場に数が多いこと、加えて今は別のカメラが人気なのでEOS Kissが欲しいという人が少ない、つまり需要と供給数のバランスによるものですね。

ヤフオク

最新のカメラが欲しい!流行っているカメラは何か?とカメラのことばかり気になる人にとっては「え~今どきEOS Kissはナシでしょ!」という感じですが、流行のカメラで撮った写真とEOS Kissで撮った写真で貴方はどんな違いを写真に出せますか?と聞かれ少しでも悩むようなら違いは出せないのだと思います。

せっかく大金をはたいて買った最新のカメラでもいい写真が撮れなければ物欲を満たすだけのコレクションです。もちろん最新のカメラを否定する訳ではありませんが、カメラの買い替えとは撮りたい写真に新たな要求が出たときに、それを叶える具体的な機能を新型が有していた場合にはじめて検討してみましょう。

デジタルカメラは一般に普及するようになって20年以上は経過しますが、もう5年以上前に熟成しきっているので少しくらい旧型でも写真クオリティに大きな違いはありません。画素数も1000万画素もあれば十二分です。

  ~中古カメラの賢い買い方 まとめ~

・一世代前の普及機など市場にたくさんあるカメラを狙う

・光学ファインダーの一眼レフなど、いま流行らないタイプは特に安い

・普及機種の中古は使われていない極上品がたくさん!

・5年くらい前のモデルでも出来あがる写真のクオリティには全く問題なし

・フリマアプリは急いで売りたい人が安く出すのでマメにチェックしよう

限られた予算で中古カメラを買う賢い方法でした!!

今回はこの辺で!!

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