今さら聞けない写真のイロハ コントラストって何?

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、写真を楽しまれていますか?写真は現代となっては誰もが撮る当たり前の文化ですが、ただの記録写真ではなくぜひARTを意識して楽しまれてください。自分が芸術家の一員になった気持ちでやるとそれだけで違った作品が撮れるかもしれませんよ。

そう作品・・・ただの写真ではなく作品です。どんなに稚拙だなと感じても自分がARTを意識して一生懸命に撮ったものなられっきとした作品です。なぜなら貴方の見た一瞬のツーリング風景…それを切り取った写真とは記憶風景と重なり人生の財産へと昇華するからです。…いつか人生を振り返る時がきたとき、一枚の写真からバイク旅で見た一期一会の風景に深い想いを馳せるでしょう。

【あの日あの時、写真を撮ったからこそ記憶に焼き付くツーリング風景】私はいつもこんな言葉を大切に写真活動をしています。忘れちゃったら寂しいですものね。

さて今回は写真ビギナー向けに写真の基礎的なこととしてコントラストについて書いてみたいと思います。コントラストと聞くと誰でも一度は聞いたことのある単語だと思います。写真にはいろいろな用語がありますが例えばラチチュードとか回折現象とか難しいのがいっぱいあります。

でもコントラストなら…ご存じですよね??

コントラストって何???

EOS6D Mark2

なに?知らない?・・・大丈夫です、そんな貴方は今回の究極のツーリング写真で覚えちゃいましょう。コントラストとは「コントラストのある写真」などよく言われますが、一般的に写真内で明るい部分と暗い部分の差が大きいことをいいます。

差が大きいことによってメリハリがあり見る人に印象を与える心理的な効果があります。これは明るさに限ったことではなく、鮮やかなものと無彩なもの、派手なものと地味なもの、大型バイクと原付バイク、雄大な大地にぽつねんと一つの人影…とか。これらもコントラストとして印象効果があります。

背の大きい人と小さい人が2人一緒になっていると印象的ですよね。むかし仕事で取引先と待ち合わせをしていた時にこんな出来事がありました。そのお相手はけっこうな大きい会社なのにやってきたのは社長さんと一般社員さんの2人だったのです。普通は直属の上司を連れてきますよね。あるいは重要な取引なら役員と部長クラスとか。このギャップがとても印象的だったので今でもよく覚えています。




コントラストとは別の言い方をするとギャップが激しいことです。闇と光があるからこそ感動を受ける心理です。その昔、北海道ツーリングで冷たい雨に長時間打たれながら走り続け心折れそうになったとき、夕方になって突然晴れて美しい夕陽が現れました。黄金に輝く空が路面の水たまりに反射して、その美しさが心にしみわたり涙が出そうな想いをしたものです。もし雨に打たれて走ってきた経緯がなければ、それほど大きく感動はしなかったかもしれませんね。

EOS6D Mark2

言葉の使い方にもコントラストのようにギャップを利用した方法があります。例えば異性に好意を告白するとき「あなたのことが好きです」と言うよりも「嫌いになれればよいのに好きという気持ちが打ち勝ってしまう」と伝えた方が相手の心に強く響きます。「嫌い」と「好き」の相反する両者が一文に入ったことでギャップ(コントラスト)が生まれたのですね。

このように人は心理的にギャップを受けた時に強い印象を受けるものなのですね。一枚目の写真は強い逆光を受けての夕日のシーンですが、この写真に何か感想をつけるのであれば…そう「ドラマチック」ですよね。ゴールデン洋画劇場のエンディングみたい、という感想の方も多くおられますが、多くの方がそう感じるのであればゴールデン洋画劇場といえばこのシーン、と皆に強く印象に残されているという事ですね。

写真を見る人に印象を与えたいときに有効な「コントラストのある写真」。ではそういった写真を撮るにはどうしたら良いのでしょうか?

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

この3枚の写真をみて勘の良い人は既にお気づきかと思いますが・・・そうです逆光で撮るのです。明るいところと暗いところ、写真用語ではハイライトとシャドウと言うのでこのワードは是非覚えてください。ハイライトとシャドウによる写真への演出、それを得るには太陽光の存在が欠かせません。

ツーリング写真は基本構造は風景写真です。コントラストのある風景写真を撮るには晴天時、しっかり太陽光が出ているとき、順光(太陽を背にした)を避けて逆光、斜光で撮ればコントラストは得られます。




EOS6D mark2 + EF35mmF2 IS

またはこの作品のように被写体などの影になっている部分を使う事でコントラストを得ることができます。太陽の向きと被写体の位置関係を意識すれば、このような写真はそれほど難しいものではありません。

逆光などの強い太陽光、あるいは日陰と日向の両方に向かって果敢にレンズを向けて撮るのですから、カメラの評価測光(AE)はイメージ通りに機能しない場合が多いです。その場合はイメージに合わせてしっかり露出補正を行いましょう。

コントラストのあるツーリング写真を撮る場合のポイント

ハイライトとシャドウ、この両者で演出するツーリング写真。以前に究極のツーリング写真ではカメラには写せる明るさの範囲があり、それをダイナミックレンジと呼びます、そしてその範囲には限りがあるものです・・・という解説をしました。

強烈な逆光ではハイライトかシャドウ側のどちらか一方(あるいは両方)はダイナミックレンジの範囲を超えて写せない(データでは0:真っ黒、255:真っ白)状況が発生しやすいです。黒ツブレ、白トビなどと呼びます。原則としてこういった現象が発生しないよう構図と露出をコントロールする必要があるのですが、これはビギナーの方には少々難しいので知識の片隅に置いておいてください。

簡単なポイントとしては画面内においてシャドウ部とハイライト部で構図にアンバランスがないか意識することです。上の倒れた漁船の作品を見て頂ければ分かりますが、シャドウ1:ハイライト2の比率で3分割されています。これが1:1だったり位置関係に秩序がなかったりすると、高コントラストの写真は例え露出補正しても、いとも簡単に失敗写真となります。

コントラストは必ず必要なの?

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

一般的に写真にコントラストはあった方が良いと言われますが、自由表現が許されたARTの世界なのですから絶対ではありません。そもそも天気が悪く曇天や雨天だったらコントラストのある写真が撮れません。

上の写真は低コントラストの作品で天気は曇天です。色付いたイチョウの様子を表現するのに作ったイメージはふんわりと柔らかさのある写真です。このように低コントラストで表現する写真の多くは力強さと相反する「やさしい」「やわらかい」という女性的な印象の写真です。

低コントラストの写真をイメージした場合、露出設定でハイキー(全体が明るめ)とし、レタッチでは明瞭度を下げてフォギーな仕上げにしてみましょう。




EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

コントラストが低ければ「フラットな写真」などとも言いますが、ただフラットなだけでは印象が薄い写真になってしまいます。見る人に伝えるための演出の1つとしてフラットな場合は露出や色、明瞭度などを調整して表現しましょう。上の作品の場合は緑の仕上げ具合とホワイトバランスを慎重に調整した表現です。高コントラストもフラットもその景色、その被写体にぴったりな表現はどれであるか?を作者なりに考えて選択するのですね。

いかがでしたか?知っているようで知らない…写真のコントラスト。辞書で調べると並置されているものごと、近縁のものごとが大きく異なっていること。色、トーン、形などの差異。とあります。

私はよく裏磐梯にツーリングに行くのですが、ゴールドライン、レイクライン、白布峠とワインディングを堪能し、その興奮が冷めぬ直後に諸橋近代美術館でART鑑賞をするのが大好きです。バイクを降りた直後のドーパミン、アドレナリン分泌状態で静まり返った美術館でエンドルフィン、セロトニンを分泌し快楽の報酬物質の悦にひたるのです。同じことを箱根でもやったことがあります。芦ノ湖スカイライン、伊豆スカイラン、ターンパイクなどを走ってポーラ美術館に行くのです。このギャップが最高の快楽ですのでぜひ皆さまも試してみてください。

写真におけるコントラストのお話でした!!

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