カメラ業界の闇とスマホ写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、世の中が未知のウイルスに侵され、私たちの平穏な暮らしが脅かされていますが心身ともに健康にすごされていますか?「心身ともに健康」とは本当に大切なことで食事や運動に気を遣っていても、過度のストレスや大きな悩みを抱えたままにすると心の病を患うものです。心の病は一度悪くすると簡単に治らないのだから厄介なものですね。

少しでも異変を感じたら無理をしないで休むこと…いや敢えて分かりやすく言うとサボるのが良いと思います。適度にサボる、少しだけ怠けてみる、そう…「少しだけ」という自分なりの裁量で立ち止まったり休憩することは本当に大切です。真面目な日本人は「少しサボろう」が苦手なのだと感じます。私は違いますけど。

それと毎日暗いニュースばかりを見ていると滅入ってしまうので、たまには情報を遮断してテレビやネットニュースを見ない日をつくるのも良いと思います。

さて今回は少々大げさなタイトルですが日本のカメラ業界と写真文化について、そしてスマホのカメラ機能によって変貌を遂げてきたスマホ写真について、独り言風に綴ってみたいと思います。

突然ですがヤフオクなどで中古カメラを買われている方は、こんな出品物を見たことはありませんか?大量のカメラやレンズのセット販売です。多くはフィルム機からデジカメ初期のもので、どれも普及モデルが多いと感じます。はじめて見た人は「なんだこりゃ!?」って感じですよね。

スマホのカメラ機能が進化しカメラが売れなくなってしまった現代。みんなが「もうカメラは要らない」と言って売りに出しているのでしょうか?いいえ…違います。

これ、遺品なんです。私は以前にリサイクル品のECサイトでカメラマンの仕事をしていた時があったのですが、こういったカメラ大量セットはかなり頻繁に買取店舗から入荷するものでした。

故人が生前に愛用していたカメラ達…四十九日を過ぎてご遺族がコレクションなどと一緒に買取店にまとめて持ち込むのです。5台10台はざらで30台くらい持っていた方もいました。こういった遺品を集めて置いておく在庫ヤードは、深夜まで残業していると何やら幽かな気配を感じたものでした。




ここで言いたいのは日本の嘆かわしき写真文化への苦言です。これだけ人にお金を使わせておいて、カメラメーカーさんはさぞ儲かったでしょうね。故人が生前にこれだけのカメラやレンズを購入して果たして納得のいく「良い写真」は撮れたのでしょうか?撮れたなら良いです。でも、買い替えても買い替えても…を繰り返していたということは、願いがなかなか成就せず、カメラを買い替え続けていたのではないでしょうか。カメラメーカーの「新型のカメラへ買い替えればいい写真は実現しますよ!」というプロパガンダに洗脳されて…です。

カメラメーカーは何十年も前から現在に至るまでやっていることは同じです。新型のカメラの宣伝方法は「圧倒的な描写力」とか「表現力の云々」とか「繊細な美しさ」といった写真クオリティに関わるワードで消費者を誘惑してきました。もちろんカメラが好きな人に向けたメッセージはこれで良いかもしれませんが、写真が好きな人には混乱を招く表現です。あたかもそのカメラを買えば「あなたも明日からいい写真が撮れます」と騙しているようです。

テクノロジーの進化と「いい写真」は必ずしも関係しているとは言えません。もしそうであればアンセルアダムス、ブレッソン、ソールライター、ロバートキャパなどの先人が生み出した名作写真は、現代で見れば駄作になるはずです。そんな訳はないですよね。

もちろんカメラメーカーも利益が必要な企業なわけですから、利益のためには一台でも多く製品を売る必要があります。私も長い間、メーカー系で働いていたのでそれは理解できるのですが、写真文化を育むことや写真の楽しさを広めることに失敗したのは明らかだと思います。もし写真文化の繁栄に成功していれば今頃は写真は「上手い下手」「美しい美しくない」ではなく芸術分野で絵画と肩を並べるARTとして認知され、カメラもちゃんと一定数は売れているのだと思います。

遺品カメラコレクションの在庫ヤードから深夜に感じる幽かな気配。それは「いい写真が撮りたかったのに撮れなかったではないか!」という亡き持ち主達の無念のように感じてなりません。

私の場合はメイン機をEOS6D Mark2 などと言う(流行らない光学ファインダーのデジイチかもしれませんが)立派なフルサイズカメラを使っていますので、最新のカメラや高級なレンズなどに精通している人間なのだろう…とよく誤解を受けますが、バイクを愛するようにカメラを愛するということは無いです。

カメラ、レンズはあくまで【頼もしい道具】です。絵描きさんなら筆や絵の具、音楽アーティストなら楽器や機材ですね。何でもいい訳ではないけど、作品を生み出すための大切な道具。自分にとって必要な機能と、信頼性があるもの。そして使いやすく手に馴染み「お気に入り」といえる旅の道具が私にとってのカメラです。

これはキャンプツーリングの時に撮ったスマホ写真です。到底「作品」などと呼べる写真ではなく記録として撮った普通の写真…いや画像ですね。太陽に近い場所が飛んでしまいましたがクオリティ上は大きな問題はありません。

このように記録、記念の写真を綺麗に撮るだけなら今や誰でも持っているスマホで十分な時代です。【綺麗に撮れる】が良い写真であると言い続けてきたカメラメーカーは、この【綺麗に撮りたい人々】のパイを丸ごとスマホに持って行かれてしまったのですね。カメラが売れない時代になってしまった背景はここにあります。

カメラメーカーも早い段階でこれが分かっていれば、日本の写真文化の発展に別のアプローチができたかもしれません。その場合、決して「綺麗に撮る」とは言わないでしょう…。

先ほどの写真、構図が平面的だったので立ち位置を変えて手前がテント、奥がR1200GSという構図に変えてみました。このように2つある被写体は横一線に並べないよう配慮するだけで奥行のある構図が作れます。アングルが変わったので空の飛んだ部分も画面外になりました。一方、R1200GSのスクリーンに入ったハイライトが線になってしまいました。ここ、スマホで逆光を撮る時の注意点なのですがレンズに汚れ(手の脂やハンドクリームなど)があったりすると出やすいので撮る前に拭いておきましょう。またレンズの周囲を片方の手で覆い簡易的なレンズフードを作ってあげることで軽減もできます。




iphone7

これもスマホで撮った写真です。まあまあ綺麗ですよね。こういったシーンでの記録写真だけで良ければ本当にカメラなんてもう要らないと言えそうです。スマホにはまだまだ弱点もありますが、苦手なことを強いないよう工夫すればART写真だって撮れてしまいます。

苦手なこととは例えば超望遠、強烈な逆光、暗いシーン、深度やピント位置を任意でコントロールしたい…といったものです。もちろん機械的なシャッターが無いのでシャッター速度で演出することも出来ません。しかしスマホ業界はカメラと違って膨大な開発費を投資できるので日進月歩で進化を遂げています。夜景や星空が一眼レフで撮影した写真と見分けがつかないほど良く撮れるスマホは既に存在しています。

シャッター速度や絞りで表現するようなこともソフトウェアで解決する方向で進化しています。既に現行機種のiphoneなどは一眼レフのような背景ボケの画像が作れます。

EOS6D mark2 + SHIGMA12-24mmF4.5-5.6DG




じゃあリアルなカメラは本来はどう在るべきだったのかな?とふと考えてみました。写真に興味を抱いたユーザーに写真とはこうですよ、と優しくフォローするAIを搭載したカメラなんて良いかもしれませんね。

スマホと違いあくまで光学的なアプローチで作品を演出するカメラ。しかし写真の入り口に立ったばかりの人にそれを理解するのは難しいものです。そこでAIがユーザーの性格や好み、行動パターンなど予め入力した情報をもとに、的確にエスコートをしてくれるのです。そして一緒に旅をした軌跡をユーザーと共有し、旅と写真をセットに楽しむカメラなんてどうでしょう?

スマホに【アクティベイト(Activate)】ってありますよね。新しく買った時に最初にやるやつです。そのオーナーの物として有効に、活動的な状態にするという意味です。しかしカメラにはアクティベイトはありませんよね。強いていえばカメラユーザー名を入力すること。あとは頻繁に使うような機能をショートカットとしてFn1やFn2に割り当てるくらい。昔も今もカメラはあくまで無機質なメカに過ぎず、撮影者の気持ちなど知る由もないのです。

もしカメラにユーザーがアクティベイトしたAIが搭載されたら…。上達へのサポート、困ったことの解決案、手ブレやピントズレなどの指摘、GPS機能を使ったロケーション管理、被写体の位置関係や水平垂直、黄金比を目指した比率など…画像処理しAIが構図の具体案を出してくれるのです。右に動いて、チョットしゃがんでとか先ほどのキャンプシーンの例のように、AIがしゃべってくれる…そんなカメラはどうでしょう。

そしてAIプログラムの元は何人かの有名写真家が手掛けたもので、ユーザーは好みで〇〇先生のAIが選べる。またはネット上でユニークなAI先生をダウンロードできるとか。もしそんなカメラがあったら写真ビギナーの人も「写真って楽しい」ってすぐに感じるのでは?と思います。現代的な写真文化の発展ってこういうことではないでしょうか。

おっと、長くなったので今回はこの辺で!!

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