好きなことを好きなように表現するツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、いかがなお正月をお過ごしでしょうか?もう初詣は行かれましたか?今年は新型コロナウイルスの影響もあって分散して参拝するよう呼びかけられていますね。

私はまだ初詣に出ていませんが、近くに蘇我比咩(そがひめ)神社という小さな社があり、まずはそこに初詣しようと思います。この神社には日本武尊(ヤマトタケルノミコト)に関わる言い伝えがあります。昔、日本武尊が東国統一の勅命を受け、弟橘姫(オトタチバナヒメ)を連れて軍船に乗って千葉沖にきました。その時に激しい嵐に遭遇し「龍神の怒りに触れた」と察した弟橘姫5人は海に身を投じて荒れ狂う嵐を鎮めたとか。そして5人のうちの一人である蘇我大臣の娘が現在の蘇我の海岸に流れ着いたそうです。

海に身を投じた5人の姫。そのおかげで日本武尊は東国に無事に上陸できたのですね。失った弟橘姫を悲しみその地を離れる(去る)ことのできない尊(君)、から「君、去らず」で「木更津」という地名になりました。ちなみに袖ケ浦は姫たちの衣(袖)が流れ着いた海岸であることからその地名がついたそうです。ヤンキーのイメージが少しは中和されたでしょうか…。




さて今回のツーリング写真解説では具体的な撮影ノウハウではなく、前回の投稿で「好きなものを好きなように撮る」と書いたので、そのことについて作例をもとに説明したいと思います。

EOS6D mark2 + EF35mmF2 IS

「好きなものを好きなように撮る」誰が??自分が好きなものです。

よくいい写真を撮るにはどうすべきか?という議論で構図とか露出とか、フレーミングとか比率とか言われますが、そういったものの多くは写真の構造に関わることだと思います。

写真の構造とは見る人がパッと見た瞬間の印象や安定、あるいは表現したい一つのための手法であったり、案内図のように機能させることです。写真という表現において構造はあくまで構造にすぎず核心ではないのですね。

では核心は何か?というとそれを言葉で説明するのは極めて曖昧で、この場で私がこうであろうと言っても多くの方はピンとこないと思います。しかしそれをできる限り言葉にするのであれば、撮影者の好きなモノ、コト、風景であり、その特徴を受けて心が何らかの反応を示した瞬間を一枚にすることです。…よく分からないですよね。

上の作品は私が房総半島をツーリングするときに好んで立ち寄る漁港の風景です。海、漁村、岩場、廃船、港、ハマダイコンの花、漁港の野良猫…これらが好きなんです。この作品の被写体となっている廃船は、昨年の台風15号で倒れてしまいこのような状態になっていました。船主もこの世を去り役目を終えた船体が静かにこの地に眠っている…といった具合に一つの物語に想像を馳せます。

日本じゃないみたい!といった絶景、映えするフォトジェスポット、珍しいものや美しいものを強欲に追いかけるのではありません。それとは対極に誰も見向きもしないようなもの寂しげなものや特段美しくもないが心の琴線に触れるような自然風景。素朴な郷愁感とでも言いますか、とにかく私が個人的にバイク旅に抱いている感情を象徴するような風景や被写体たち。それらに出会うと「撮りたい」という写欲が湧きたちpassionとなり撮影が開始されます。




35mmというレンズは本当にツーリングで出会った被写体を撮るのにぴったりな画角だと思います。メイン被写体となる船体にぐっと寄っても背景の範囲は適度に広角なので、そこが田舎の漁港である雰囲気がよく伝わると思います。この時は太陽の向きに注視し斜光を生かした構図を作ってみました。日向と日陰部分で1/3に区切られているのがお分かり頂けるでしょうか。ここで大切なのは船体の質感で、これが決して爽やかな白にならないよう、露出を慎重に決めています。おそらく評価測光よりも1/3か2/3程度はマイナスになると思います。

このローポジションからのアングルは「横たわっている感」がポイントです。その様子を見守るライダーと、小さく構成したR1200GSはディスクローターにハイライトを入れて存在感を確保。電線&電柱が悪さをしない位置にカメラ位置を微調整しています。ラッキーなアクセントは電柱から飛び立つ瞬間の鳶の存在です。

どうしてそんなゴミのようなものを真剣になって写真を撮るの?…道行く人は不思議そうに私を見ていきますが、これが私の好きなことなのです。本当に美しいのは現実の風景よりも心の風景であると知っているので・・・

 

iphone7

~自分の好きなものを好きなように撮る~

これはいい、そう思った被写体や風景に出会い「〇〇のようだからこう撮ろう」と頭の中で想像する一枚。混沌とした感情の中で「心動かされた一つ」を探し、それをアウトプットしたい願望。

もの言わぬ被写体が旅人に何かを語りかけてくるような刹那を切り取る。そういった心象風景を自分なりに表現することの素晴らしさ。まずは一般に美しいとされているものを追うのをやめて、自身が美しいと感じるものの追求をはじめてみましょう。

その写真を発表したとき称賛もあれば冷ややかな反応もあると思います。これは個人的な表現なので賛否あって当然なのです。反応が薄かった時の寂しさを考えると、どうしても写真を良く見せようと盛ってしまう方向になりますが、勇気を出して「自分の場合はこうです!」という個性を貫いてみませんか?

きっと唯一無二の秀作が撮れると思いますよ。

今回はこの辺で!!




iphone7  上の漁船の場所にて「本当にオマエの写真は個性的なのかニャ?」と問いかけてきた。

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