<永久保存版>バイク写真とレンズ選び☆レンズの選び方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ご自身の好きなことに向き合いライフスタイルを充実させていますか?何かと忙しい現代人、コロナ渦で余裕もない…というのが現状かもしれませんが、好きなことを楽しむのに必ずしもお金や時間が必要とは限りません。私は独身時代に比べれば自由に使えるお金や時間がぐっと減ってしまいましたが、今の方がライフスタイルは充実していると感じます。

仕事に家庭にと忙しいから自分の好きなことは諦める…これってもう時代遅れのような気がします。いまの限られた時間やお金を有効に使うにはどうしたら良いか?を考えてみましょう。

さて今回は久しぶりにカメラ、レンズのお話を書いてみたいと思います。カメラ、レンズと聞くと高い、お金がかかる、と感じますよね。いい写真は撮りたいけど最新のカメラや高級なレンズは買えない…そんな人も多いはずです。こんなご時世なのでなるべく出費は避けたいものですね。

実はツーリング写真を充実させるのに最適なカメラやレンズは何か?と聞かれると、その人の好き好きなので一概にコレがお勧めなんて言えないものです。メーカーからもバイクツーリング用のカメラやレンズが製品化されている訳ではありません。各メーカーから発売されている数々のモデルから自分の使い方や好みに合ったカメラを選ぶしかないのです。ただそれではあまりに薄情なので今回はビギナーの方でも自分に合ったレンズ選びができるようヒントのようなものを書いてみたいと思います。

・広角か?望遠か?

広角レンズ(ワイドレンズ)

EOS6D mark2 + EF14mmF2.8L

広角レンズは目の前の風景をワイドに、そして遠近感を出すレンズですよね。主に風景写真で使われるレンズですが、ツーリング写真の基本構造は風景写真なので風景が主体となるツーリング写真に活躍するレンズです。私の場合は多くの作品で広角レンズを使っています。

大まかに言ってしまえば景色の雄大さ、広がり感を表現したいときに使う事が多く、画面内でバイクやライダーは小さく構成することが多いです。特に空一面に広がるウロコ雲や夏の入道雲、星空の写真など空が主役になる場合に広角レンズは重宝します。

上の作品のように特定の主題、この場合は「道」ですが主題にぐっと寄って撮る場合と、逆に引いてスペースを作る場合の2者があります。被写体にしっかり寄っても背景となる範囲がワイドになるので、場所に対して存在している意味を表現するのに適しています。ただこれはあくまで目安であって使い方は他にもたくさんあります。広角レンズをどう使うかは使う人次第です。

注意したいデメリットはバイクや建物といった人工物を大きく撮ってしまうと、レンズの歪みによって不自然な変形が発生すること、順光で撮る場合は自分の影が写ってしまうこと、電線や看板など写したくない余計なものが画面内に入りやすくなること、などです。上の作品に使ったような14mmなどの超広角レンズは扱いに難しい側面もあり、あまりビギナーにお勧めできるものではありません。最初は28mmくらいが良いでしょう。

望遠レンズ

望遠レンズは遠くのものを大きく写すレンズということは誰でもご存じだと思います。もう少し付け加えると写せる範囲を狭めること、カメラから遠景方向に向かって空間を圧縮すること、被写界深度が浅くなって近景や背景はボケやすい傾向になること、といった特徴があります。

こちらも何を撮るかは「あなた次第」でこれという正解はありません。例えば私の場合は上の作品のように遠くまで続く直線路に「隆起している」という特徴を見出して、それを表現する手段として望遠レンズの圧縮効果を使いました。一般的な使い方としてはバイク、ライダーを主題とし背景をボカすようなポートレート的な撮り方があると思います。その場合、85から135mmあたりがお勧めです。

気を付けたいデメリットはバイク写真、ツーリング写真で使う場合、バイクと背景の組み合わせでは後ろに下がれる撮影スペースが必要になってくること、望遠の画角ほど手ブレしやすいので三脚があった方が良いこと、重く大きいので気軽にはバイクツーリングでは使えないこと、などが挙げられます。

…レンズは重いし三脚も必要だしで持って行くこと自体がハードルが高いですね。そう考えると最初は135mm程度までの中望遠レンズが良さそうですね。




この広角レンズと望遠レンズで撮った2つの作品は、どちらも北海道の人気ツーリングスポット オロロンラインで撮ったものです。撮影ポイントこそ少し違いますが、どちらも直線路を主題に撮ったものです。同じ道の写真なのに魅せたい意図に合わせてレンズの画角をチョイスすることで、まったく違った表現になるのがお分かり頂けると思います。

自分はツーリングに行った時に「どんな写真を撮りたいのか?」を最初に決めておくと、広角よりか望遠よりのどちらかを決めやすいです。それもよく分からないという写真ビギナーの方には標準から中望遠くらいがお勧めです。

・ズームレンズか単焦点レンズか?

ズームレンズとは画角を広角よりにしたり望遠よりにしたり調整できる機能を持ったレンズのことですが、現代の多くのカメラは当たり前のようにこのズームレンズが搭載されています。ここで気を付けたいのは「調整できる」のはサブ的なメリットに過ぎず本当のメリットとは複数の画角を1本のレンズで済ますことが出来る身軽さにあります。

特に我々バイク乗りはツーリングの時に何本ものレンズを持って出かけるのは困難です。積める積めないの問題の他に、万一の衝撃による破損や盗難などに遭った場合の損害を考えるとレンズは持って行っても2本くらいが妥当でしょうか。

しかし単焦点レンズにこだわってしまうと旅先で出会った想定外の奇跡の風景に「今日、あのレンズを持って来ればよかった」と後悔の念にかられるものです。それを嫌って念のため幾つかのバリエーションのレンズを持って行けば荷物が増えます。それ以前に何本も購入するのですから経済的ではありませんね。

そんなときズームレンズであれば予想外の出会いというシャッターチャンスを逃すことがありません。少々高いレンズでも1本で済ませると考えれば経済的でもあります。例えば上の写真にあるキャノンEF24-105であれば、24、35、50、70、85、105mmと6本の単焦点レンズを1本で済ませることになります。

単焦点レンズ EF135mmF2L

では単焦点レンズはおススメではないの?と聞かれると違います。単焦点レンズはレンズの群構成(ガラスの枚数)が少ないので透過する光が美しく、ボケ味にも独特の個性があったりするので、そういった特性を作品の表現として使いたい人は単焦点レンズが良いです。何本も持っていかなくてはいけない…という犠牲を払っても、です。

単焦点レンズは画角が固定されているので写真ビギナーの方にとって「足」で構図を作る訓練にも良いですし軽量で機密性も良好なので私は良いと思います。ただ望遠側の画角に限っては「それ以上は後ろに下がれない」というシチュエーションが多々あるので、その時の苦肉の微調整でズーム機能が重宝されるので、望遠はズームがお勧めとなります。しかし望遠ズームレンズは高くて重いことをお忘れなく。




・レンズの大きさと重さ

標準単焦点レンズ 左:SIGMA50mmF1.4DG ART 右:キャノンEF50mmF1.8STM

これも先ほどの単焦点かズームレンズかの話とやや重複しますが、バイク乗りにとってカメラ、レンズの機材ボリュームは極力軽量コンパクトにしたいものですよね。ましてやキャンプ道具も積載する旅となると尚のことです。

そこでレンズ1本の重量とコンパクトさはバイク乗りにとって軽視できないポイントになります。上の写真の左はSIGMAの評判の良いARTラインの50mmF1.4。右は撒き餌さレンズと呼ばれるキャノンのEF50mmF1.8どちらも同じ50mm単焦点ですが重量と軽量さでは大差でキャノンに軍配があります。

もちろん収差やボケの立ち方など細かいことを言ってしまえばSIGMAのARTなのですが、そういった写真クオリティやレンズ固有の特徴が自分が撮りたい写真に果たして必要なことなのか?をよく考えてみましょう。

・高級なレンズは必要なのか?

高級なレンズを使えば自分が憧れる良い写真が撮れる、というのは完全に幻想です。かつてキャノンのLレンズ、SIGMAのARTレンズなど何本も高級なレンズを使ってきましたが断言できます。高級レンズ≠良い写真であると。

もちろん高級なレンズは素材、設計、製造にお金がかかっていますので写真クオリティに関わる部分は素晴らしいです。レンズ特性による写真クオリティとは主に収差、ゴースト、フレア、ハレーションなどの光学的な反応をどれほど抑えられるか?となります。

上の作品は画面内に太陽光が入ったことで盛大にハレーション、ゴーストが発生しましたが、これがキャノンのLレンズだったりするともっと抑えられてクオリティの高い写真が生まれます。しかしどうでしょう?この写真を見てゴーストが残念だな…と感じた方はどれくらいおられるでしょうかね。完全に好みの問題ですが私は気にしません…というよりゴーストが出てくれた方が好きです。人の目だって太陽を見たとき「まぶしい」と目を細めると、視界にはまつ毛に反射した光がゴーストのように虹色になります。つまり人が目で見た記憶風景にもゴーストがあるではないか、だから写真にあっても良いでしょ?と言いたいのです。

・解放F値はどう選ぶ?

絞りを解放したときのF値は明るいほど(数値が小さいほど)良いレンズとされています。解放F値が明るいレンズは暗い場所に強く、美しいボケ味で表現することもできます。一方で大口径となるので大きく重くなります。価格も高いです。

よって解放F値が明るいレンズは星空を撮りたい、ボケ味で表現したい、という要求が発生したときに、はじめて購入するか検討しましょう。

EOS6D MARK2 + EF35mmF2 IS 解放F2




・お気に入りの画角をみつける

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

一眼レフカメラを購入して何年かのキャリアを積んでいくとご自身で得意、あるいは好きだと思える画角を見つけるものです。私の場合は35mmがそうで被写体に寄っても適度に背景がワイドになるのが気に入っています。バイクを大きく構成しても歪みが殆ど気にならない広角という意味でも良いですね。

皆さまもぜひ、ご自身でこの画角が好き、得意だと思える画角を見つけてみてください。そしてその画角は自分にとっては特別な意味のあるもの、として単焦点レンズを用意してみましょう。きっといつかこの意味が理解できる日がきます。

・高倍率ズーム

24-200mmとか凄いものは18-400mmといった具合にカバーできる画角を広範囲にしたレンズを高倍率ズームレンズと言います。先ほど我々バイク乗りは持っていける質量が限られているのでズームレンズは良い、と書きましたが高倍率ズームレンズで行ってしまえば本当に1本でOKとなる訳です。しかしそんな都合の良い話は無い訳で当然ですがデメリットも多いです。具体的には望遠側で顕著に出てしまう画質の低下、解放F値が暗いので手ブレしやすくボケ味も期待できない、などです。画質の低下はSNSにアップする程度なら問題無さそうですが大きくプリントしたい人には許容できかねない場合も考えられます。

価格も安く便利なのは間違いありませんがビギナーにはお勧めできません。慎重に検討しましょう。

 ~レンズの選び方 まとめ~

・ズームレンズを賢く使えば荷物は身軽に&経済的

・高いレンズ≠いい写真

・お気に入りの画角を見つけたらそれだけは単焦点で!

・風景主体のツーリング写真は広角を使おう

・バイク、ライダー主体で撮るには中望遠から望遠を

・星空や夜景で撮りたい場合はF値の明るいレンズを

・ビギナーは高倍率ズームはやめた方が無難…

レンズ選びはカメラ選びと同じで人の好き好きです。こんな写真が撮りたい、という要求に合わせて選ぶものなので他者の情報はあまり参考にならないものです。また「こんな写真が撮りたい」という要求は時間とともに変化していくので何度か買い替えを繰り返すことがあると思います。いろんな写真を撮って写真に対する理解を深め、それと同時にカメラやレンズの知識も覚えて自分に合ったものを自分で探せる能力もつけていきましょうね。

では!!

にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング

写真は考え抜いて工夫を凝らし納得いくまで撮り切る

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、コロナ渦の自粛生活、いかがお過ごしでしょうか?去年の5月、新型コロナウイルスのことがまだよく分かっていなかった時、最初の緊急事態宣言が発令されましたね。あの時は街中も人がまばらで通勤電車も空いていました。私はJR京葉線を使うのですが日曜日なのに東京ディズニーランドのある舞浜駅に人がいなかったのが衝撃的でしたね。社会人になってずっとこの路線を使ってきましたが、あんな光景ははじめてでした。

あまりテレビや新聞では取り沙汰されることはありませんが、去年のあの自粛期間は自然環境には良かったようですね。航空機が減便され工場の稼働も下がり、排出されるCo2や汚染物質が極端に下がったのでしょうか。大気が澄んでいてすごく星空がきれいでした。やっぱり人間の活動と自然破壊は完全には切り離せないのかもしれませんね。

さて、今回のツーリング写真解説では実際の撮影現場ではどんなプロセスで作品をつくるのか?撮影現場で何をしていいか分からない、納得のいく写真が撮れないというビギナーの方向けに書いてみたいと思います。

なお解説に使う作例は前回の構図の解説に使った場所と同じです。

前回の投稿は こちら

左 F9.0  右 F2.0

私の住む千葉県は房総半島。その中でもトップクラスに海が美しい守谷海岸。千葉県とは思えないほどキレイですよね?この場所で撮ったツーリング写真を使って作品のプロセスをご説明します。

まず「ここで写真を撮ろう」と決めたら、そこは何かしら自分が良いと思った特徴のある場所なので、それを明らかにしておきましょう。海が綺麗、空の雲が良い、道に魅力を感じる…といった具合に自分で一つのことを決めます。この写真の場合は海の青さ、海岸の雰囲気ですので高い場所から撮って俯瞰的な風景写真としました。

上の2枚は試し撮りです。まずは試し撮りから色々なことを読み取りましょう。最初に気になったのが堤防のコンクリ壁で、この影がこの写真内でかなり存在の強い分断線を作ることになります。これは配置に注意が必要で1/3または1/5単位といった奇数の比率で配置させます。それでもアクが強すぎると感じたので、後でLightroomで堤防の部分を少しシャドウアップさせることにしました。

次に前景として入れた草地です。冬であることを伝える茶色の草地は左のF9.0だと粗目でうるさく感じてしまい、デザイン上で本題との相性が悪いです。そこでせっかくのキャノンEF35㎜F2ISです。道具の利点はフルに発揮させるべしと解放F2.0で撮ったのが右の写真。粗目だった草地は見事にボケてくれました。これによりデザイン上の問題をクリアしただけでなく、主題となる風景の演出に役立たせることができました。しかし解放を風景で使う時に気を付けないといけないのは周辺光量落ちです。比較すると分かりますがF2.0の方は画面の四隅が暗くなってしまいました。

周辺光量落ちは必ずダメという訳ではありませんが、この写真の場合は無垢の青空があるので気になります。これは後でLightroomで周辺光量補正を入れることにしましょう。




高い場所からのハイアングルを選んだことにより、美しい海の面積を確保することに成功しましたが、砂浜も同時に広く入ってしまいました。青い海が主題なのに砂浜の割合が広すぎます。砂浜には美しい砂紋でもあれば演出として最高のキャストですが、この場合は無数の足跡があるだけで特段魅力的とは言えません。無駄なスペースになってしまいそうです。さあ、どうしましょうか…

ここで私が考えた解決策はライダーの歩く導線で海とバイクを結ぶことです。ライダーが海に向かって歩くことで作品にStory性を加えることができますし、これによって無駄だった砂浜の存在も意味を持つことができます。

左側は堤防の上に立った写真、右側は砂浜を海に向かって歩く様子、砂浜の存在を有効活用したのは後者であるとお分かり頂けるでしょうか?




EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

最終的に採用カットとなったのはこの写真です。インターバルタイマー機能を枚数無制限に設定して撮影しているので、同じ撮影シーンで何枚ものカットがあるのですが波の表情や自然に歩くポーズなどを意識して慎重にセレクトしました。先ほどの写真と違いライダーの向きがこちら側へ向かう方向となりましたが、原則として人物が写る場合は「顔」があった方がベターであると覚えましょう。もちろん背中で魅せる場合やフレームでカットして想像を誘う手法など、意図がある場合はその限りではありません。

Lightroomのレタッチも撮影現場で作ったイメージの通り、周辺光量落ちの補正、堤防のシャドウリフト、それに加えて守谷海岸の青い海のイメージの再現でHSLでアクアの彩度を上げています。

今回の解説でビギナーの皆さまに知ってほしかったことは試し撮りの中から足りないもの、もっと良くできる部分、なんとなく釈然としない違和感を見つけ、自分で考えて解決策へ導く力を持ちましょう…ということです。

そして、少なくとも撮影現場では納得のいくカットが撮れるまでしっかり撮り切ることです。その為には途方もない労力が必要かもしれません。その原動力となるのはいつでも「いい写真が撮りたい」といpassionに他ならないです。




ほんと毎度偉そうな話になってしまい読者の皆さまには失礼なのですが、最終的には自分で考えるしかないということです。いろんなことをネットで調べる便利な時代・・しかし自身で考えて決めるしかないこともたくさんあり、写真もまた然りです。そして正解のないARTなのですから自分の好き、自分の場合はこう、自分独自の好みや考えを自身で把握しないと撮影現場で途方に暮れてしまうものです。

最初は分からなくてOK。その時、納得のいくまで出来なかったとしても考えて苦しんだことが貴方を成長させてくれます。

今回はこの辺で!!

にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング

写真ビギナーはよく見て美的バランスを考えよう

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、もうすぐ1月も終わってしまいますが早いものですね。今年…オリンピックやるのでしょうかね。私の職場の周りには競技場や選手村などオリンピックに関わる新たな施設がたくさんありますが、今は人の気配もなく寂しい限りです。

さて今回はSNSでよく見かける構図があまりにアンバランスな写真。そうならないために写真内において被写体A、Bと2つのものがあったとき、それを画面内でどう配置するのか?という構図のお話をさらっと書いてみたいと思います。

はい、こんな写真です。海岸で撮ったツーリング写真ですが1つ目はR1200GS-ADVENTURE、2つ目は遠景の断崖の風景。これを見て何か変だなと思った方はなかなか良いセンスだと思います。




2つある要素が画面内で右側に寄っているため画面の左側に手薄感が出来てしまいました。写真の画面とは長方形の四角なのですから、特別な意図がなく片側に寄ってしまえばバランスの悪い構図になるのです。もちろん左側も何か理由があって「作った空間」であればOKですが、この場合はどうみても「無駄な空間ができちゃった」としか見えません。

これを解決する方法は簡単です。

2つある要素は右上と左下となるよう配置します。えっ?「バイクを後ろに下げたのか?面倒くさい」って・・・いいえ、違います。バイクは動かしていません。撮影する立ち位置を変えたことで画面内の両者の配置関係を調整しました。

さらに…

海の部分、コンクリの堤防、砂地の地面が三分割構図になるようフレーミングを調整しました。これで画面内の両者の配置関係もきれいに右上と左下で対角になりました。




写真構図はデザインに対するわずかな配慮で平凡な写真が激変するものです。このように被写体の大きさや位置関係を「画面」という長方形の四角の中にどのようなデザイン上の秩序で組み立てていくか?という事を意識してみましょう。

ところでこの撮影地において、この写真でフィニッシュで良いでしょうかね。海岸の雰囲気は十分に伝わってきますが、私はこれでいい写真とはとても思えません。他に何か良い撮り方がないか考えてみました。

先ほどまで写真を撮っていた場所の背後を見ると3~4mほど登れそうな高台がありました。ここは駐車場になっている場所なので入れるかもしれません。次回、この上から撮影した写真で別のツーリング写真解説をいたします。

お楽しみに!!




にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング

壁にあたった時は?写真の楽しさを追求するべし

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、関東圏は少しだけ寒さが和らぎましたが如何お過ごしでしょうか?この冬は降雨量が少なかったのですが今週は雨マークのある予報ですね。水不足が深刻な南房総市には恵みの雨となるといいですね。

ところでコロナが収束してバイクシーズンがきたらロングツーリングに行きたいと思っているのですが、今年は北海道にするか別の場所にするか悩んでおります。特に長崎に行ってみたくて色々と模索中です。北海道はライダーにとって特別な場所ですが行ったことのない地域を旅するのも格別です。長崎、佐賀…できれば鹿児島、熊本まで走って九州地方を楽しみたいですね。その為にはコロナ渦が収束していないといけないのですが…

自分にできることは全てして祈るしかありませんね。




さて今回はツーリング写真の具体的な撮影技法やノウハウではなく、壁にあたったときはどうしようか?というお話をさらっと書いてみたいと思います。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS

私は写真歴15年以上を数えますが途中で何度もマンネリを感じたり面白くないからやめようと思ったことがありました。今になって振り返れば小さなことで躓いていたな…と思えます。しかし遠回りは決して無駄ではないのが人生である、と同じように写真道も近道なんてないものです。誰だってうまくいかなくてやめたくなる時があるものです。

いい写真が撮れないからおもしろくない…いや、おもしろくないと感じているからいい写真が撮れないのかもしれません。

上手になりたい、立派な写真が撮りたい、人によく思われる綺麗な写真を、お手本はどこだ?・・・こんな感じで写真をやるのはビギナーの頃は良いですが、何年も経験を積んだベテランがこの調子では面白くなくて当然だと思います。これらは全て【画一化されたいい写真】を追いかける行為にすぎず、個性を表現できないので表現のよろこびを味わうことができないのです。

本当はシャッターを切って目の前の様子が一枚の写真になること自体がすごくエキサイティングで楽しいことなのですが、カメラで写真を撮るという文化は現代ではあまりに当たり前すぎて、ここに新鮮さを感じる人はかなり少数だと思います。




もしこの世界から何もかもが消滅したら何が残るでしょうか?地球上にあるもの全て、宇宙にある星々や粒子や原子なども、みんな消滅したらそこに残るのは【時空】・・・つまり時間と空間ですよね。時空にものが存在しているのがこの世界だとすると、それに向かってシャッターを切れば時空からは時間の流れが取り除かれ、空間は範囲の限られた二次元に切り取られます。その中にものが写っている。これが写真です。

とすると写真に欲しいものはこの世界に自分が存在していた証ではないでしょうか?この時と空間に自分が存在し、自分が見た光景があり、それに意味を持たせて一枚の写真にすればきっと素敵な作品になると思います。

上の写真は小湊鉄道の駅舎で撮った一枚ですが立派な写真を撮ろうなんて気持ちは一切なくて、子供のイタズラのような感覚でカメラで遊んだ写真です。遊んでいる私自身の様子がばっちり写っていて奇妙であり愉快な一枚です。別にこの写真を発表して人にどう思われようと関係ないです。

たまには良いではないですか。写真で遊んだって。何が起こるか分からないし何が写るか分からない…そんな非予定調和の作品も時としてあるものです。




もし写真がつまらない、いい写真が撮れないからやめよう…そんな風に思っている方がおられましたら、騙されたと思ってイタズラ感覚で写真で遊んでみてください。実はそれが貴方らしい個性作になるかもしれませんし、また次もカメラを持って出かけようと思えるはずです。

今回はこの辺で!!

AGFA トイカメラにて

にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング

写真ビギナーの失敗例☆7つの定番ミス

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、突然ですが断捨離はお好きですか?私は今年になってから運気の流れが変わるらしく、環境を変えることで良い方向にいくと聞き、部屋の模様替えやライフスタイルの断捨離をやっております。

ライフスタイルの断捨離とはコレクションやら熱帯魚やら、色々あったのですが中でも古くからやっていたスノーボードを完全引退したことが最も大きなトピックです。90年代からやっていたのでそこそこのキャリアですが、バックカントリーに本格的に挑む訳でもなく、ゲレンデをただ滑るだけの繰り返しに疑問を抱くようになり、そうこうしている間に所帯持ちとなったので経済的に厳しくなって気が付くと7~8シーズンは雪山から足が遠ざかっていました。

何でも本格的にやってしまう自分は道具も立派な物が多かったので、この冬でヤフオクで全て現金化してしまいました。これで部屋の中も少しはさっぱりして、何か素敵なことが起こりそうな予感がしてきました。

さて今回は普段のツーリング写真解説とは少し趣向を変えて、写真ビギナーの方がよくやってしまう失敗写真の事例とその予防策を7つ書いてみようと思います。

1.手ブレしている

撮った画像を拡大表示し微細なブレもないかしっかりチェック!

手ブレは誰もが知っている失敗写真の代表選手ですよね。手ブレが発生する原因は主に2つあってシャッターボタンの押し方が悪い、構え方が悪くカメラホールドが甘い、とった技術的な問題が1つ目。2つ目はそもそもカメラを手持ちで撮影することに無理があるほど、シャッター速度が遅い(暗い場所、または絞り込んだ)場合です。

シャッターボタンは人差し指の第一関節の腹でゆっくり押し込むように押す、カメラホールドは脇をしめて下半身は安定させ、体の軸を意識してその軸を地面と垂直とすること。これを習得すれば技術的なエラーとしての手ブレはかなり少なくなります。

あとはシャッター速度の低下ですがシャッターボタンを半押しした時にカメラが測光してくれた露出値が表示されますよね。あれをしっかり読んでシャッター速度の下限値を意識しましょう。遅いほど手ブレするので自分なりに限界点を把握するのがポイントです。ちなみに私の場合は例えば35mmレンズであればIS(手ブレ補正機能)をONにしても1/30くらいを限度としています。

絞り込んだり暗い場所でカメラを手持ち撮影するときはISO感度を上げるのも解決策のひとつです。表示された露出値を読んでシャッター速度が遅すぎると感じたらISO250、ISO400と感度を少しづつ上げて試すか、欲しい被写界深度と相談して絞りを開きましょう。あと望遠レンズほど手ブレにはシビアであることもお忘れなく。




2.お子様構図

お子様構図とは被写体を画面内に平面的に並べただけの子供のお絵かきのような写真のことです。上の写真ではシンプルな背景はOKですがバイク、テント、チェアが横一線で並んだため奥行き感がなく、加えて等分で並べたので3つの被写体が全て脇役キャストで主役キャストが行方不明になったような構図となりました。

こういった写真はSNSやブログなどで使用する説明的な写真なら何ら問題はありませんが、いい写真を志す人が撮るやり方ではありません。

カメラアングルを工夫するか、それでも解決しない場合は手間を惜しまずバイクを少し動かしてみるとかで手前、真ん中、奥側と複数レイヤーを構築するように構図を作ってみましょう。

EOS6D mark2 + SIGMA35mmF1.4ART F1.4 1/4000 ISO100

この作品の場合、手前に桜の木、その先にR1200GSとライダー、さらにその奥に小湊鉄道の気動車と3レイヤー作っているのがお分かり頂けると思います。

3.余計なものが写っている

これも写真ビギナーさんにとても多い失敗例です。ツーリング写真のような風景写真の場合、海岸に沈む夕日や北海道で見れる虹など、特別なシチュエーションを除いて、現実の様子とはさして美しくもないものです。

その原因たるものは主に電線やガードレール、お店の看板や標識、落ちているゴミや飛んでいるカラスなど。広角レンズを選ぶほど、こういった余計な物は画面内に入りやすいので、どうしても余計なものが…という場合は50mmや85mmあたりの画角を使ってみましょう。

4.どちらが主役か曖昧…

これもSNSなどを見ているとよく見かける撮り方です。被写体Aと被写体Bがあったとき、Aが主役でBが脇役、あるいはその逆であると、写真を見た人すべてが明確に分かるようハッキリと撮りましょう。上の写真の場合は船を魅せたいのか?R1200GSが主役なのか?存在感が等分されて曖昧です。加えて向きも両者が同じ左方向を向いていて美しさに欠けます。

ツーリングに行くとフォトジェニックな何かを見つける場合ってありますよね。宗谷岬にあるような碑だとか、ローカル鉄道とか、お花畑とか… 自分のバイクとそれら被写体の両方を画面内に入れてパチリ。それで満足してしまわないことです。「両方撮れればOK」ではなく「両方を入れたら一方が主役でもう一方は引き立て役」となるよう工夫するのです。

EOS6D mark2 + EF35mmF2 IS

この写真は被写体となる廃船が主役でバイク、ライダーは小さく構図して副題となっているのが分かると思います。えぇ~俺は自分のバイクが大好きだから愛車をカッコよく撮りたいよ!という貴方。バイクが主役で風景や被写体は背景、という写真も別で撮っておきましょう。風景主体のツーリング写真が1つ、愛車が主役のバイク写真が1つで2作品撮ればOKです。ツーリングの風景と愛しい愛車…この二つの想いを1枚の写真にしないことです。




5.串刺し構図

これはたまに見かけますが標識などの支柱、樹木、それから風車発電など、とにかく細長い柱状のものが被写体を射抜いている構図です。写真を見た人に不快感を与える悪夢の構図で他はともかくコレだけは絶対に避けましょう。

特に上の写真のようにど真ん中を射抜いてしまうと最もタチが悪いです。仕方なく避けられない場合はアングルやバイクの位置を調整して1/3単位の位置となるようにしましょう。

重要な被写体には他のものが背景として重ならないよう配慮すること。もちろんダイヤモンド富士のように他の意図があって「重ねた」なら話は別ですが。少し立ち位置を変えるかバイクを動かしてあげれば簡単に解決する問題です。

6.比率が二等分

なぜなのか理由は説明できませんが多くの美術分野において等分とは美しくなく、少しずらした1/3が良しとされています。もちろん写真にもこれは当てはまります。

きっと写真ビギナーの方もご存じだと思いますが画面を3等分のグリッド線で区切った3分割構図は写真の基本であると言いますよね。

あれは本当によく出来ていて、それでいて知られている割に3分割構図を巧みに使った写真というのはあまり見かけないものです。上の写真はR1200GSを置いた位置と割合が2等分の1マスに合ってしまい、水平線の位置は2等分の中央線に合っている2分割構図です。これは最高にダサい構図ですのでこのようにならないよう気を付けましょう。

同じシチュエーションを3分割構図で撮るとこうなります。R1200GSの位置を三分割線の右下の交点に置きました。

3分割構図は縦または横の線に風景の境界を合わせる、線の交点に被写体の位置を置く、3分割のマス目を使って被写体を配置する、これらを複数組み合わせる、など様々なバリエーションがあります。意識してそういった写真を撮っていかないと「習得」にはならず、ただの知識になってしまうので意識して実践してくださいね。




7.無駄なスペースが多い

これは写真ビギナーの方にとっては少々高度なお話になってしまいますが、構図内においてデザイン上機能していない部分は無駄なスペースです。スペースで魅せるやり方というのもありますが「無地のスペースを作った」と「無駄なスペースが出来ちゃった」とは意味合いが天と地ほど違うものです。

上の写真の場合、S字に延びる道と遠景に富士山…そこまでは良いのですが左上のエリアに何も機能していない無地の青空があり、ここは雲で表情があればこれでOKでしたが、快晴のこの場合はアングルを調整して空の割合をもう少し削った方がベターです。

この写真の場合、大胆に斜めに構図した写真なのですが傾ける方向を逆にして空の割合を減らして道の割合を増やしました。これはやり方の一例に過ぎず他にも画角を望遠よりにしてみるとか、登れるような場所があれば高い位置から撮ってみるとか、解決策は状況をみて考えてみましょう。

・・・まとめ

EOS6D Mark2 + EF35mmF2IS 意図的にスペースを作った魅せ方

いかがでしたか?写真ビギナーの方がつい撮ってしまう失敗写真7つの作例集でした。手ブレ、ピンボケ、余計な物が写っている…これらはそもそもチェックが甘いのも原因の1つです。その昔、カメラがフィルムしかなかった時代は撮影現場で撮った写真にミスがないか確認する手段はありませんでした。しかしデジタルカメラが主流の現代では全てのデジタルカメラにはその場で撮った写真を表示する機能があるのです。ただパッと見るのではなく品質検査のように粗を探してチェックしましょう。特に写真ビギナーの方は入念に拡大表示してチェックする必要があります。

細かな部分への配慮が良作への道です。雑にならないよう丁寧に撮る気持ちが大切。

いやぁ~めんどくさくて、ついね…という人は、そもそも良い写真が撮りたい!というpassionが無いです。山登りに例えるなら「登るのは疲れそうで嫌だけど頂上からの景色は見たい」という我儘な願望です。険しい道を制して山頂から眺める景色はどんなに素晴らしい世界だろう…そう想像を馳せる人が強いpassionを持ち山登りに成功するのですよね。めんどくさいけど良い写真は撮りたい…では残念ながら憧れの良い写真は永遠に叶わないです。

まずは今一度、襟を正して丁寧に撮る!を心がけましょう。

今回はこの辺で!!

にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング

バイクキャリア回想☆私とキャンプツーリングの出会い

2005年 大分県佐伯市 波当津海岸キャンプ場

バイクは16から乗っているのでバイクキャリアは30年以上になりますが、最初の10年くらいは峠やサーキット、バイクカスタムや林道走行などに夢中でした。本格的にツーリングをするようになったのは2000年にジェベル250GPSを購入した辺りからです。なので北海道ミツバチ族ではなかったし日本一周を経験した若者でもなかったのですね。

そして2003年にはじめてのBMW、F650GS Dakarを購入したのをきっかけに「とにかく遠くへ行きたい」「行ったことのない場所へ行きたい」という欲望が湧きたってきたのです。

F650GS Dakarはそれまでに乗り次いできた国産メーカーバイクと違い、とにかく長距離が楽しいと感じるバイクでした。見た目はフロントに21インチホイール、カラーはパリダカールのBMWワークスのレプリカなのでラリーマシン見えますが、想像をはるかに超越したツーリング性能に感銘したのを覚えています。

F650GS Dakarを購入し裏磐梯や信州の林道など日帰りで行けるところは弾丸で走りまくり、1年で3万キロくらい走ったと記憶しています。そして翌年には「北海道ツーリング、行ってみたい!」と思うようになりました。

2005年 北海道 礼文島

しかし北海道へツーリングとなると最低でも5日間くらいの予定を立てる必要があります。泊まるところはどうしようか…?普段、仕事で安いビジネスホテルをよく使っていたので同じようなホテルが北海道の各所にあるだろうからそうするか?とも考えましたが、それでは面白くないし経済的にも負担が大きい・・・と思い「やっぱり北海道ツーリングするなら絶対キャンプだな」となったのです。この時はまだユースホステルとか旅人宿といったものは存在自体知りませんでした。

「キャンプツーリング…大丈夫だろうか?」

実のところ、それまでの私は子供の頃も含めてただの一度もテントで泊まったことなどないキャンプ未経験者だったのです。

それでテント、寝袋、マット…と必要と思える道具を一通り揃え、8月のお盆休みに有給休暇を足して大洗から苫小牧へと旅立ったのです。今になって振り返ると初めてのキャンプ、初めての北海道ツーリング、どうして友達を誘わず一人で行こうと思ったのか?よく覚えていませんが根っからの単独行動派なのか、特に不安を抱くこともなく一人旅を決意しました。




それとせっかく北海道にツーリングに行くのだから、カメラくらいちゃんとした物を持って行こうと思い当時はまだ草創期だったデジタルカメラ、その中でも立派なカメラであるFujiのFinePix S602というカメラを買いました。出かける前に勉強したのは取扱説明書だけで、露出補正くらいは使えるように操作を覚えておきました。

何事も「初体験」とは特別なものですよね。北海道をバイクで走ること、キャンプすること、景色の写真を撮ること。もう若者とは呼べない年齢でしたが青春の残り香をF650GS Dakarの排ガスにまぜて北の大地を走ったのです。今になって回想すると私の人生の中で「特別な旅」と呼べる経験になりました。

渡道して2日目でいきなり試練が待っていました。雨です。8月とは思えない寒さに冷たい雨。雨の中をバイクで走ったことは何度もあったけど、あまりツーリングをしなかった自分にとって長時間の雨天走行はこの時が初めてでした。朝から夕方までずっと雨を走り、やがて下着まで湿っぽくなった頃、もう帰りたい…惨めな気持ちで心が折れかけました。たまらず駆け込んだ道の駅のような場所でトイレに石油ストーブが焚かれていたのをよく覚えています。

「8月なのにストーブ…」

美深をぬけ天塩川沿いに北西に走ると日本海が見えてきてオロロンラインへ。そこで急に晴れてきて強烈な夕陽に冷えた体温が一気に上昇するようでした。

今日、テントでちゃんと寝れるだろうか?と心配はしましたが長時間走行による疲労で缶ビール一本を開けたら失神したように朝まで眠りについたのを覚えています。はじめてテントで寝るのにあんなに熟睡するなんて…とても奇妙でした。

ずっと憧れを抱いていた日本海オロロンライン。あいにくの曇天でしたが気のすむまで走ってから、オホーツク海を目指して東へ走りました。その後、道北スーパー林道や風烈布林道などオフロード走行を楽しんで次々とキャンプ地へ移動。そして道東エリアへ移動する頃には夏休みにバイクツーリングにきたサラリーマンからバイクで旅をする一人の旅人になったと思います。




北海道の雄大な大地、表情豊かな空、千葉とは全然違う見たこともない海岸風景、鹿やエゾリス、錆びたトラクター、ボンネットのある大型トラック・・・目にうつる何もかもが新鮮で感じたコトのない何かが心の中で騒いでいました。

カムイコタン、ポンポロト、ヌプントムラウシ、チッポマナイ・・・アイヌ由来の地名も特別な場所に来たのだという気分にさせてくれました。それは今になって考えれば異文化に触れた刹那に潜在的な旅心が反応を示したのだと思います。

人との出会いも格別でした。スタンドやお店などで会う地元の人との何気ない会話などに、日常では感じない人の温かみを感じ、同じ道の先を目指す旅人達との出会いは絆のようなものを感じました。全てが楽しかったし嬉しかった。

そして気に入った風景を見つけては無心でシャッターを切って「忘れまい」と写真にしました。そう、私の原点はこの素晴らしい旅を忘れまいという記録から始まったのです。

恐らく多くの人も同じだと思います。忘れてしまっては寂しいから、だから写真に撮っておく。ブログではただの記録写真じゃつまらない…なんて言ってきましたが、やっぱり写真の根っこは記録なんだと思います。

2006年 北海道富良野

キャンプは当初は経済的な意味で選んでいた宿泊手段でしたが、雨や予想外の寒さなど快適ではないところに本当の「旅」を教わったと思います。野外で夜を明かす行為とは人類にとって原始的であり、旅と共に文化を反映させた人類の本質はキャンプという行為に凝縮されている気さえします。

美味しい食べ物も名湯と呼ばれる温泉も、たまたまあれば頂きますが、この当時から私の最大の目的はそれではありませんでした。移動をすること、キャンプをすること、風景を切り取ること。これが私にとっての旅であり、私らしい私の旅を最大限に楽しむのが唯一の目的です。

今でこそキャンプ場でまったりキャンパーをしけこむ時がありますが、そもそもキャンプツーリングは旅らしい旅をするためのシンプルで身軽な宿泊手段だったのですね。

2006年 北海道 昆布森 来臥止キャンプ場




北海道の旅から帰った私はもう別の人間になっていました。見慣れた職場も通勤路も不思議と別の風景に感じました。何だか自分の居場所はもう此処ではないような気がしたのです。その時は気が付きませんでしたが、もう旅の魅力に憑りつかれていたのですね。

北海道で撮ってきた写真は思いのほか良く撮れていて、プカプカと白い雲浮かぶ青空、牧草の香りがしてきそうな緑の写真がたくさん撮れていました。中でも知床で撮ったキャンプ場の夕日の写真がお気に入りで、それを試しに雑誌アウトライダーのツーリング写真コンテストに応募したら、大きく掲載されて高評価だったのです。これが今の自分を形成している全ての始まりです。

その翌年も、そのまた次の年も、夏になれば北海道へ走りに行きました。北海道以外にも東北、信州、四国、九州も走り、ついには会社を辞めてしまい、沖縄の石垣島までF650GS Dakarを走らせました。経験を積むほど旅の内容は充実し、キャンプも写真も進化を遂げました。やがて自分なりのこだわりが芽生えただのサラリーマンだったくせに旅人風をふかせるようになったのです。

2006年 高知県四万十川キャンプ場

そこから20年近く経ちますが、今の私は大きくは変わっていません。いや…むしろバイク、キャンプ、写真というキャリアについては何らかの進化はあるかもしれませんが、肝心の旅心はすっかり青春の残り香を燃やし尽くし、純粋さのカケラすら無いようです。そう、失ったのは青春とか純粋さといった心の時めき。旅に対する憧れや人との出会いなども気が付くと意識していない自分がここにいます。

時めきを取り戻す唯一の手段は知っています。それはまだ撮ったことの無い傑作ツーリング写真を撮ることです。もし願いが叶うなら自分の人生の中で一枚でいいから、最高傑作とよべる一枚のツーリング写真を撮ってみたいです。ただの幻想に終わる可能性は高いです… しかし、それがあれば自分がこの世界にいた意味が生まれる気がします。そしていつまでも旅心に時めきを抱いて生き抜くことができるのです。

だからまた旅に出たいです。

一枚のツーリング写真を求めて。

2018年 北海道 宗谷丘陵 白い貝殻の道

にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング

今さら聞けない写真のイロハ コントラストって何?

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、写真を楽しまれていますか?写真は現代となっては誰もが撮る当たり前の文化ですが、ただの記録写真ではなくぜひARTを意識して楽しまれてください。自分が芸術家の一員になった気持ちでやるとそれだけで違った作品が撮れるかもしれませんよ。

そう作品・・・ただの写真ではなく作品です。どんなに稚拙だなと感じても自分がARTを意識して一生懸命に撮ったものなられっきとした作品です。なぜなら貴方の見た一瞬のツーリング風景…それを切り取った写真とは記憶風景と重なり人生の財産へと昇華するからです。…いつか人生を振り返る時がきたとき、一枚の写真からバイク旅で見た一期一会の風景に深い想いを馳せるでしょう。

【あの日あの時、写真を撮ったからこそ記憶に焼き付くツーリング風景】私はいつもこんな言葉を大切に写真活動をしています。忘れちゃったら寂しいですものね。

さて今回は写真ビギナー向けに写真の基礎的なこととしてコントラストについて書いてみたいと思います。コントラストと聞くと誰でも一度は聞いたことのある単語だと思います。写真にはいろいろな用語がありますが例えばラチチュードとか回折現象とか難しいのがいっぱいあります。

でもコントラストなら…ご存じですよね??

コントラストって何???

EOS6D Mark2

なに?知らない?・・・大丈夫です、そんな貴方は今回の究極のツーリング写真で覚えちゃいましょう。コントラストとは「コントラストのある写真」などよく言われますが、一般的に写真内で明るい部分と暗い部分の差が大きいことをいいます。

差が大きいことによってメリハリがあり見る人に印象を与える心理的な効果があります。これは明るさに限ったことではなく、鮮やかなものと無彩なもの、派手なものと地味なもの、大型バイクと原付バイク、雄大な大地にぽつねんと一つの人影…とか。これらもコントラストとして印象効果があります。

背の大きい人と小さい人が2人一緒になっていると印象的ですよね。むかし仕事で取引先と待ち合わせをしていた時にこんな出来事がありました。そのお相手はけっこうな大きい会社なのにやってきたのは社長さんと一般社員さんの2人だったのです。普通は直属の上司を連れてきますよね。あるいは重要な取引なら役員と部長クラスとか。このギャップがとても印象的だったので今でもよく覚えています。




コントラストとは別の言い方をするとギャップが激しいことです。闇と光があるからこそ感動を受ける心理です。その昔、北海道ツーリングで冷たい雨に長時間打たれながら走り続け心折れそうになったとき、夕方になって突然晴れて美しい夕陽が現れました。黄金に輝く空が路面の水たまりに反射して、その美しさが心にしみわたり涙が出そうな想いをしたものです。もし雨に打たれて走ってきた経緯がなければ、それほど大きく感動はしなかったかもしれませんね。

EOS6D Mark2

言葉の使い方にもコントラストのようにギャップを利用した方法があります。例えば異性に好意を告白するとき「あなたのことが好きです」と言うよりも「嫌いになれればよいのに好きという気持ちが打ち勝ってしまう」と伝えた方が相手の心に強く響きます。「嫌い」と「好き」の相反する両者が一文に入ったことでギャップ(コントラスト)が生まれたのですね。

このように人は心理的にギャップを受けた時に強い印象を受けるものなのですね。一枚目の写真は強い逆光を受けての夕日のシーンですが、この写真に何か感想をつけるのであれば…そう「ドラマチック」ですよね。ゴールデン洋画劇場のエンディングみたい、という感想の方も多くおられますが、多くの方がそう感じるのであればゴールデン洋画劇場といえばこのシーン、と皆に強く印象に残されているという事ですね。

写真を見る人に印象を与えたいときに有効な「コントラストのある写真」。ではそういった写真を撮るにはどうしたら良いのでしょうか?

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

この3枚の写真をみて勘の良い人は既にお気づきかと思いますが・・・そうです逆光で撮るのです。明るいところと暗いところ、写真用語ではハイライトとシャドウと言うのでこのワードは是非覚えてください。ハイライトとシャドウによる写真への演出、それを得るには太陽光の存在が欠かせません。

ツーリング写真は基本構造は風景写真です。コントラストのある風景写真を撮るには晴天時、しっかり太陽光が出ているとき、順光(太陽を背にした)を避けて逆光、斜光で撮ればコントラストは得られます。




EOS6D mark2 + EF35mmF2 IS

またはこの作品のように被写体などの影になっている部分を使う事でコントラストを得ることができます。太陽の向きと被写体の位置関係を意識すれば、このような写真はそれほど難しいものではありません。

逆光などの強い太陽光、あるいは日陰と日向の両方に向かって果敢にレンズを向けて撮るのですから、カメラの評価測光(AE)はイメージ通りに機能しない場合が多いです。その場合はイメージに合わせてしっかり露出補正を行いましょう。

コントラストのあるツーリング写真を撮る場合のポイント

ハイライトとシャドウ、この両者で演出するツーリング写真。以前に究極のツーリング写真ではカメラには写せる明るさの範囲があり、それをダイナミックレンジと呼びます、そしてその範囲には限りがあるものです・・・という解説をしました。

強烈な逆光ではハイライトかシャドウ側のどちらか一方(あるいは両方)はダイナミックレンジの範囲を超えて写せない(データでは0:真っ黒、255:真っ白)状況が発生しやすいです。黒ツブレ、白トビなどと呼びます。原則としてこういった現象が発生しないよう構図と露出をコントロールする必要があるのですが、これはビギナーの方には少々難しいので知識の片隅に置いておいてください。

簡単なポイントとしては画面内においてシャドウ部とハイライト部で構図にアンバランスがないか意識することです。上の倒れた漁船の作品を見て頂ければ分かりますが、シャドウ1:ハイライト2の比率で3分割されています。これが1:1だったり位置関係に秩序がなかったりすると、高コントラストの写真は例え露出補正しても、いとも簡単に失敗写真となります。

コントラストは必ず必要なの?

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

一般的に写真にコントラストはあった方が良いと言われますが、自由表現が許されたARTの世界なのですから絶対ではありません。そもそも天気が悪く曇天や雨天だったらコントラストのある写真が撮れません。

上の写真は低コントラストの作品で天気は曇天です。色付いたイチョウの様子を表現するのに作ったイメージはふんわりと柔らかさのある写真です。このように低コントラストで表現する写真の多くは力強さと相反する「やさしい」「やわらかい」という女性的な印象の写真です。

低コントラストの写真をイメージした場合、露出設定でハイキー(全体が明るめ)とし、レタッチでは明瞭度を下げてフォギーな仕上げにしてみましょう。




EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

コントラストが低ければ「フラットな写真」などとも言いますが、ただフラットなだけでは印象が薄い写真になってしまいます。見る人に伝えるための演出の1つとしてフラットな場合は露出や色、明瞭度などを調整して表現しましょう。上の作品の場合は緑の仕上げ具合とホワイトバランスを慎重に調整した表現です。高コントラストもフラットもその景色、その被写体にぴったりな表現はどれであるか?を作者なりに考えて選択するのですね。

いかがでしたか?知っているようで知らない…写真のコントラスト。辞書で調べると並置されているものごと、近縁のものごとが大きく異なっていること。色、トーン、形などの差異。とあります。

私はよく裏磐梯にツーリングに行くのですが、ゴールドライン、レイクライン、白布峠とワインディングを堪能し、その興奮が冷めぬ直後に諸橋近代美術館でART鑑賞をするのが大好きです。バイクを降りた直後のドーパミン、アドレナリン分泌状態で静まり返った美術館でエンドルフィン、セロトニンを分泌し快楽の報酬物質の悦にひたるのです。同じことを箱根でもやったことがあります。芦ノ湖スカイライン、伊豆スカイラン、ターンパイクなどを走ってポーラ美術館に行くのです。このギャップが最高の快楽ですのでぜひ皆さまも試してみてください。

写真におけるコントラストのお話でした!!

にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング

リコーGR APS-C

ツーリング写真 写真ビギナー向け構図のヒント

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、コロナ渦の日常を如何お過ごしでしょうか?仕方ないことですが今年のモーターサイクルショーも開催中止となってしまいましたね。せっかく盛況なバイク業界ですが「見て触れて」がコンセプトの同展示会なので安易に物に触れることのできないコロナ渦では止む得ませんね。

ところでカワサキがメグロブランドを復活させてメグロK3なるニューモデルを出しましたね。私のような年代のライダーにはかなり響くバイクです。

見たところ従来からあった人気モデルW800と同じバイクに見えます。簡単に調べてみましたがメグロK3とW800の相違点はタンクのペイントやメッキが特別仕様であること、往年の七宝焼きエンブレムをアルミ型押しで再現したところ、そしてアップハンドルなことでしょうか。あとはシートの表皮やメーター文字盤など主に意匠に関わる部分ですね。

このアップハンドルはかつて仕事で何度か乗ったことのあるW800のアップハンドル仕様(W800ストリート?)とよく似ています。バイクとは不思議なものでハンドルの高さひとつで乗っているときの景色が激変するものです。スポーティーなセパレートハンドルは道を中心に見る視点、アップハンドルは景色を見る視点、ローライダーにエイプハンガーなら空を見上げるような視点。ハーレーがプルバックやドラッグバーなど様々なハンドルを用意しているのはカッコ良さの他にライダーに見てほしい景色を意識しているのかもしれませんね。

ともあれメグロK3、バイク旅が似合う素敵なニューモデルですね。もしこれに乗ったら排気量を聞いてくる高齢紳士との会話もはずむことでしょう。「昔はメグロや陸王がのう~」「えっ、おじさん何をおっしゃいますか!メグロと言ったら最新バイクですよ!」と。




EOS6D Mark2 + EF35mmF2 IS

さて今回はツーリング写真の構図のヒントとして、ビギナー向けに簡単な内容を書いてみたいと思います。

上の写真は毎度、私のホームである南房総の漁港です。漁港には海、漁船だけでなく杭、ロープ、浮き、錆びたドラム缶など様々な物が存在します。構図を整理するのが難しい反面、トレーニングには最適ともいえます。

ここでは最初に空の表情が爽やかだったので少々引いたフレーミングで場所の雰囲気を優先してみました。よく「被写体にぐっと寄るのが基本」などと言われますが逆に少し引くことで「そこに存在していた」「その場所の雰囲気」が表現されるので覚えておきましょう。

しかし、この撮り方だと何か釈然としません。どうやら最初のイメージで空に注目したのが良くなかったようです。

EOS6D Mark2 + EF35mmF2 IS

そこで2mほど前進して赤い舫綱に寄ってみました。いつも同じようなことを書いてしまいますが、イメージを作る際に風景や被写体をよくみて特長をとらえ、それが心の反応とどう関係するのかを考えてみましょう。

この撮影場所の場合、舫綱が赤色であることがユニークな特徴の1つです。赤とは特別な色で人に強い注意意識を持たせる力のある色です。これに寄って前景とすることで作品の舞台に屋台骨として支える構造を作りました。




よし、これだな!と納得できた瞬間、不思議なことに雲に隠れたいた太陽も出てきて、風景に適度なコントラストが入ってくれました。

15年以上もツーリング写真をやっていますが、いまでも撮影場所に着いた直後はどう撮っていいのか分からないものです。よく見てよく感じ取り、好きなものユニークだと感じたもの、あるいは「もの」ではなく「こと」に意識してみたり、光や影、空気などを見極めたりすると少しずつヒントが見えてきます。まずは写真家眼とハートサイドで景色から感動を受け取ります。そして表現の引き出しからsearchしてchoice。ベストなアングルは足で試行錯誤です。

今回は構図を作るためのプロセスとしてのほんの一例にすぎませんが、ビギナーの皆さんも良く見て試行錯誤をしてみてくださいね。きっといつかその写真に理由が持てるようになります。




にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング

カメラ業界の闇とスマホ写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、世の中が未知のウイルスに侵され、私たちの平穏な暮らしが脅かされていますが心身ともに健康にすごされていますか?「心身ともに健康」とは本当に大切なことで食事や運動に気を遣っていても、過度のストレスや大きな悩みを抱えたままにすると心の病を患うものです。心の病は一度悪くすると簡単に治らないのだから厄介なものですね。

少しでも異変を感じたら無理をしないで休むこと…いや敢えて分かりやすく言うとサボるのが良いと思います。適度にサボる、少しだけ怠けてみる、そう…「少しだけ」という自分なりの裁量で立ち止まったり休憩することは本当に大切です。真面目な日本人は「少しサボろう」が苦手なのだと感じます。私は違いますけど。

それと毎日暗いニュースばかりを見ていると滅入ってしまうので、たまには情報を遮断してテレビやネットニュースを見ない日をつくるのも良いと思います。

さて今回は少々大げさなタイトルですが日本のカメラ業界と写真文化について、そしてスマホのカメラ機能によって変貌を遂げてきたスマホ写真について、独り言風に綴ってみたいと思います。

突然ですがヤフオクなどで中古カメラを買われている方は、こんな出品物を見たことはありませんか?大量のカメラやレンズのセット販売です。多くはフィルム機からデジカメ初期のもので、どれも普及モデルが多いと感じます。はじめて見た人は「なんだこりゃ!?」って感じですよね。

スマホのカメラ機能が進化しカメラが売れなくなってしまった現代。みんなが「もうカメラは要らない」と言って売りに出しているのでしょうか?いいえ…違います。

これ、遺品なんです。私は以前にリサイクル品のECサイトでカメラマンの仕事をしていた時があったのですが、こういったカメラ大量セットはかなり頻繁に買取店舗から入荷するものでした。

故人が生前に愛用していたカメラ達…四十九日を過ぎてご遺族がコレクションなどと一緒に買取店にまとめて持ち込むのです。5台10台はざらで30台くらい持っていた方もいました。こういった遺品を集めて置いておく在庫ヤードは、深夜まで残業していると何やら幽かな気配を感じたものでした。




ここで言いたいのは日本の嘆かわしき写真文化への苦言です。これだけ人にお金を使わせておいて、カメラメーカーさんはさぞ儲かったでしょうね。故人が生前にこれだけのカメラやレンズを購入して果たして納得のいく「良い写真」は撮れたのでしょうか?撮れたなら良いです。でも、買い替えても買い替えても…を繰り返していたということは、願いがなかなか成就せず、カメラを買い替え続けていたのではないでしょうか。カメラメーカーの「新型のカメラへ買い替えればいい写真は実現しますよ!」というプロパガンダに洗脳されて…です。

カメラメーカーは何十年も前から現在に至るまでやっていることは同じです。新型のカメラの宣伝方法は「圧倒的な描写力」とか「表現力の云々」とか「繊細な美しさ」といった写真クオリティに関わるワードで消費者を誘惑してきました。もちろんカメラが好きな人に向けたメッセージはこれで良いかもしれませんが、写真が好きな人には混乱を招く表現です。あたかもそのカメラを買えば「あなたも明日からいい写真が撮れます」と騙しているようです。

テクノロジーの進化と「いい写真」は必ずしも関係しているとは言えません。もしそうであればアンセルアダムス、ブレッソン、ソールライター、ロバートキャパなどの先人が生み出した名作写真は、現代で見れば駄作になるはずです。そんな訳はないですよね。

もちろんカメラメーカーも利益が必要な企業なわけですから、利益のためには一台でも多く製品を売る必要があります。私も長い間、メーカー系で働いていたのでそれは理解できるのですが、写真文化を育むことや写真の楽しさを広めることに失敗したのは明らかだと思います。もし写真文化の繁栄に成功していれば今頃は写真は「上手い下手」「美しい美しくない」ではなく芸術分野で絵画と肩を並べるARTとして認知され、カメラもちゃんと一定数は売れているのだと思います。

遺品カメラコレクションの在庫ヤードから深夜に感じる幽かな気配。それは「いい写真が撮りたかったのに撮れなかったではないか!」という亡き持ち主達の無念のように感じてなりません。

私の場合はメイン機をEOS6D Mark2 などと言う(流行らない光学ファインダーのデジイチかもしれませんが)立派なフルサイズカメラを使っていますので、最新のカメラや高級なレンズなどに精通している人間なのだろう…とよく誤解を受けますが、バイクを愛するようにカメラを愛するということは無いです。

カメラ、レンズはあくまで【頼もしい道具】です。絵描きさんなら筆や絵の具、音楽アーティストなら楽器や機材ですね。何でもいい訳ではないけど、作品を生み出すための大切な道具。自分にとって必要な機能と、信頼性があるもの。そして使いやすく手に馴染み「お気に入り」といえる旅の道具が私にとってのカメラです。

これはキャンプツーリングの時に撮ったスマホ写真です。到底「作品」などと呼べる写真ではなく記録として撮った普通の写真…いや画像ですね。太陽に近い場所が飛んでしまいましたがクオリティ上は大きな問題はありません。

このように記録、記念の写真を綺麗に撮るだけなら今や誰でも持っているスマホで十分な時代です。【綺麗に撮れる】が良い写真であると言い続けてきたカメラメーカーは、この【綺麗に撮りたい人々】のパイを丸ごとスマホに持って行かれてしまったのですね。カメラが売れない時代になってしまった背景はここにあります。

カメラメーカーも早い段階でこれが分かっていれば、日本の写真文化の発展に別のアプローチができたかもしれません。その場合、決して「綺麗に撮る」とは言わないでしょう…。

先ほどの写真、構図が平面的だったので立ち位置を変えて手前がテント、奥がR1200GSという構図に変えてみました。このように2つある被写体は横一線に並べないよう配慮するだけで奥行のある構図が作れます。アングルが変わったので空の飛んだ部分も画面外になりました。一方、R1200GSのスクリーンに入ったハイライトが線になってしまいました。ここ、スマホで逆光を撮る時の注意点なのですがレンズに汚れ(手の脂やハンドクリームなど)があったりすると出やすいので撮る前に拭いておきましょう。またレンズの周囲を片方の手で覆い簡易的なレンズフードを作ってあげることで軽減もできます。




iphone7

これもスマホで撮った写真です。まあまあ綺麗ですよね。こういったシーンでの記録写真だけで良ければ本当にカメラなんてもう要らないと言えそうです。スマホにはまだまだ弱点もありますが、苦手なことを強いないよう工夫すればART写真だって撮れてしまいます。

苦手なこととは例えば超望遠、強烈な逆光、暗いシーン、深度やピント位置を任意でコントロールしたい…といったものです。もちろん機械的なシャッターが無いのでシャッター速度で演出することも出来ません。しかしスマホ業界はカメラと違って膨大な開発費を投資できるので日進月歩で進化を遂げています。夜景や星空が一眼レフで撮影した写真と見分けがつかないほど良く撮れるスマホは既に存在しています。

シャッター速度や絞りで表現するようなこともソフトウェアで解決する方向で進化しています。既に現行機種のiphoneなどは一眼レフのような背景ボケの画像が作れます。

EOS6D mark2 + SHIGMA12-24mmF4.5-5.6DG




じゃあリアルなカメラは本来はどう在るべきだったのかな?とふと考えてみました。写真に興味を抱いたユーザーに写真とはこうですよ、と優しくフォローするAIを搭載したカメラなんて良いかもしれませんね。

スマホと違いあくまで光学的なアプローチで作品を演出するカメラ。しかし写真の入り口に立ったばかりの人にそれを理解するのは難しいものです。そこでAIがユーザーの性格や好み、行動パターンなど予め入力した情報をもとに、的確にエスコートをしてくれるのです。そして一緒に旅をした軌跡をユーザーと共有し、旅と写真をセットに楽しむカメラなんてどうでしょう?

スマホに【アクティベイト(Activate)】ってありますよね。新しく買った時に最初にやるやつです。そのオーナーの物として有効に、活動的な状態にするという意味です。しかしカメラにはアクティベイトはありませんよね。強いていえばカメラユーザー名を入力すること。あとは頻繁に使うような機能をショートカットとしてFn1やFn2に割り当てるくらい。昔も今もカメラはあくまで無機質なメカに過ぎず、撮影者の気持ちなど知る由もないのです。

もしカメラにユーザーがアクティベイトしたAIが搭載されたら…。上達へのサポート、困ったことの解決案、手ブレやピントズレなどの指摘、GPS機能を使ったロケーション管理、被写体の位置関係や水平垂直、黄金比を目指した比率など…画像処理しAIが構図の具体案を出してくれるのです。右に動いて、チョットしゃがんでとか先ほどのキャンプシーンの例のように、AIがしゃべってくれる…そんなカメラはどうでしょう。

そしてAIプログラムの元は何人かの有名写真家が手掛けたもので、ユーザーは好みで〇〇先生のAIが選べる。またはネット上でユニークなAI先生をダウンロードできるとか。もしそんなカメラがあったら写真ビギナーの人も「写真って楽しい」ってすぐに感じるのでは?と思います。現代的な写真文化の発展ってこういうことではないでしょうか。

おっと、長くなったので今回はこの辺で!!

にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング

究極のツーリング写真運営者 写真家 立澤重良の令和三年の抱負

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、もう初走りはされましたか?緊急事態宣言が出されているさなか、ツーリングどころではない!というご意見もあるかもしれませんね。緊急事態宣言の直後は「夜8時以降の不要不急の外出は自粛」とのことでしたが2、3日前から日中も外出は控えてとかランチも感染リスクが高い…とお上から通達があり、当初と違うことを言い始めたので多くの人が困惑していると思います。

私個人の考えとしてはバイクソロツーリングであれば感染リスクは少ないですし、田舎道を走るだけの日帰りツーリングであれば問題ないと考えます。昨年春の緊急事態宣言時と違って色々なことが分かり、感染対策は個々でも十分にできるはずです。

「もし事故にあって病院のお世話になったら迷惑だ!」という意見もあるようですが、そこまで言ってしまうと本当に何も出来ないと思います。もちろん普段以上に安全運転を心がけることは大切ですが、コロナ渦だからといって全くバイクに乗らないのは少し違うと思います。

それでも心配だ…という方ははじめて走る場所に行くのではなく、走りなれた近場のツーリングルートを選び、昼食はお弁当持参、スタンドはセルフ、夕方には帰宅するという計画にするだけで十分な対策をしたと言えると思いますよ。




ということで、寒い日々が続いていますが、この冬、千葉の方はぜひ南房総までツーリングにいらしてください。ご注意いただくポイントは朝は日陰が凍結しているので山間部は避け海沿いルートを走ってください。最南に近づいたら海からの強風と道の堆積砂にご注意を。

EOS6D Mark2

さて、ここで改めまして当ブログ究極のツーリング写真 touring-photography.com とは何なのか?はじめてご来訪された方の為にご紹介させていただきます。

このブログ【究極のツーリング写真】はライダーがバイク旅の世界で見ている旅風景をART写真として表現するためのバイク写真総合サイトです。アップされる作品を見るだけでもOK、私もこんな風に撮ってみたい、という方はツーリング写真に関するノウハウを解説していますので是非読んでみてください。

例えば宗谷岬まで飛行機と観光バスで乗り継いで行くツアーと、雨に打たれ寒い思いをして孤独に走り続けて辿り着いたツーリングライダー。まったく同じ宗谷岬であっても感じ方が異なるため、心に残される【記憶風景】もまったく別のモノになります。

オートバイという乗り物で、露出した肉体が空間を駆け抜けて、快適でも楽でもない移動をひたすら続け、時に惨めな思いや痛い思いをし、ようやく辿り着いた彼の地。それは旅行でもレジャーでもない正真正銘の旅であり非日常です。




だからライダーは本物の旅風景を見ているのです。それを写真にしてライダーがオートバイで旅をしていた時代のワンシーンをARTにして切り取ってみませんか?ライダーがオートバイで旅をしていた時代…と書いたのは…あと10年すればガソリンで動くバイクは売られていないそうです。街からはガソリンスタンドが減ってしまい、ガソリンのオートバイを所有していても気軽に旅には出られないのです。電動オートバイでもツーリングは可能でしょうが、少なくともガソリンのオートバイで旅をする文化は10年ちょっとで消滅です。

下手をすると電動オートバイはコミューターとして実用的なものは成功しますが、趣味としての製品化に失敗し、今みんなが知っているオートバイ文化は消滅する危機さえあるのです。

だからこそ!いまオートバイで旅をするライダーの姿、ライダーが見ている本物の旅風景を写真に残しましょう。ART写真でなくても自分の写真であれば自分で保存しておくことはできます。しかしART写真で表現することによって、自分がこの世を去った後でも永劫にその作品が大切に扱われると考えます。自分がツーリングでみた感動の景色が一枚の作品となり、何百年も先まで大切に扱われるかもしれない・・・そんな風に考えると何だか素敵だと思いませんか?

~オートバイで旅をしている文化をART写真で残したい~

そんな想いをこめて写真の撮り方やツーリング写真のノウハウを私なりに解説しているのが【究極のツーリング写真】です。単にツーリングに行った時にスマホなどで気軽に撮る記念写真とは違います。愛車の写真をかっこよく撮る愛車写真も違います。なぜ俺たちはバイクに乗り続けるのか?なぜアタシはバイクに乗って旅立つのか?バイク旅に対するそれぞれの想いを一枚の写真に投影してみませんか?

そんな少し変わったモトブログ…いや、モトブログではないか。写真ブログが究極のツーリング写真なのです。




私、個人の今年の目標は少し大きなことに挑戦してみようと思っています。

今年はツーリング写真の表現を次なるフェーズへシフトして、より心象風景の再現を追求し、見る人の心に響く印象的な作品を目指したいと思います。今回、記事の冒頭にアップした港の写真は、数日前に南房総の漁港で撮ったツーリング写真です。ここ1年くらいで露出で魅せる方法について少し学んでみました。こんなことをもっと進化させたいですね。

写真のレベルアップはもちろんのこと、それとは別に何かの形で写真関係の講師にも挑戦してみたいと思います。私は最初に就職したメーカー系の会社で専門的なことについて講師をしていた経験があり、以前から写真講師には興味があったのですが礎となるものが固まっていなかったので躊躇していました。しかし究極のツーリング写真で3年以上にわたりツーリング写真のことについてノウハウを書いてきましたので、その経験を生かしてそろそろ講師の方も挑戦してみようと思います。

コロナ渦だからといってこれ以上何もしないでいる訳にはいきません。今年は大きく飛躍したい!という意欲に沸いております。

皆さまもコロナ渦に負けず、この一年は大きな目標を立てて挑戦されては如何でしょうか?

今回はこの辺で!!

にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング