写真ビギナーも納得☆誰も教えてくれなかった露出の話

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究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、最近アクセス解析を見ているとアメリカから当ブログを見て頂くPV数がとても増えました。日本語で作っているサイトなので恐らく在アメリカの日本人の方が見て頂いていると思うのですが…毎日のように100PVくらいアメリカなので何かのサイトで紹介されたのでしょうか?不思議です…

さて今回は初級ツーリング写真のカテゴリーとして、写真ビギナーの多くの方を悩ます露出のお話を究極のツーリング写真流に解説してみたいと思います。ベテランの方はスルーするか「おさらい」で読んでくださいね。

EOS6D mark2  F14 1/1600 ISO100

・露出とは何ぞや?

露出とは写真用語でよく耳にする単語ですね。やれ露出が決まんないだの露出アンダーだのと。露出とはその単語の通り真っ暗な箱になっているカメラの中に、外の光をどれくらい入れてセンサー(またはフィルム)に光を露出させましょうか?というコトです。

簡単に言ってしまえば写真の明るさを決めるもの。あるいはそこにある光をどれだけカメラの中身に集めるか?という話です。

写真をどのような明るさにするか、カメラ内にどのくらい光を露出させるかは本来は撮影者が決めることです。しかしいつの時代からか、その部分はカメラのコンピューターにお任せ出来るようになりました。そして多くの一般カメラユーザーは当たり前のように露出をカメラにお任せするようになったのです。

ここでワンポイント!

露出を得るには大まかに2つの考え方があります。1つは現実の明るさの通りの露出で撮ること。もう1つは「こんな風に撮りたい」と撮影者がイメージする空想写真の再現です。前者は目で見た現実に近い明るさの写真で証明写真や見本写真など説明的な役割を持った写真に使われる露出です。

後者は多くの人が憧れる「いい写真」、つまりARTな写真としての露出です。これは必ずしも実際の明るさを再現した露出である必要はありません。

この2つははっきりさせておきたい重要なポイントで、特に後者の「イメージの再現」の露出はその後の工程である構図とも関係してきます。ここ、多くの写真解説で抜けている大事なポイントだと思います。




EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

現実の様子を再現した説明的な露出は面白くもないですし、カメラの自動露出機能(AE)で得ることも可能です。正しくはグレースケールなるもので「適正露出」を得るのですが…この辺の話は割愛いたします。本解説ではARTな写真、いい写真を撮るための露出のお話としてすすめていきます。

露出を決める方法は主に絞りとシャッター速度の二者です。絞りとは大きさを自在に調整できるレンズ内の穴ポコです。大きい穴なら多くの光を、穴を絞りこんで小さくすれば光は僅か。シャッター速度とはガレージのシャッターと同じ「幕」が開いていた時間のこと。長く開いていれば多くの光を、短ければその逆です。

絞りとシャッター速度には光の取り入れ量の他に、それぞれ写真表現に役立つ別の役割があります。絞りは被写界深度といってピントが合う範囲の調整、逆に言うとボケ具合の調整です。これは作品の主題を浮き立たせるように演出したり、手前から遠景までシャープにして印象を狙ったりできます。

・被写界深度で魅せる写真

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

例えばこの写真。絞りを開いて被写界深度を浅く、つまりピントの合う範囲を小さくして前景の桜を大きくボカした表現です。大きくボカすことで手前の桜はカラーフィルターのように風景が透過し、合焦ポイントに置かれた主題を演出しています。

これとは逆にどこもボケていない全体がシャープにピントがきている表現方法もあります。もちろんその他にも沢山あります。この場合はこうだ!という決まりは無く、その被写体、情景の特徴を受けて撮影者の心が動いた一つを表現するにあたり、どの手法が今ぴったりなやり方か?撮影者自身が自由意志で選択するのです。

次にシャッター速度で魅せる写真の作例を見てみましょう。

・シャッター速度で魅せる写真

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

こちらの作品はシャッター速度を遅くすることで動くもの、この場合は小湊鉄道の列車をブラし作品に動きを与えました。静かなる風景写真の中に動きを加えることで印象を狙う演出方法です。シャッター速度のコントロールは遅くすればスピード感、早くすれば瞬間の表現になります。

また別の見方をすると列車をブラしたことにより列車自体の存在感を落として、主題であるイチョウの木を際立たせて魅せる手法とも言えます。この作品のように列車、バイク、ライダー、そしてイチョウの木、といった具合に複数の被写体が作品に登場した場合、それぞれに正しい役割を与えて1つの主題へ導く秩序を組み立てないと「俺が主役!いや私が主役よ!」という秩序なき作品に陥ります。

各々の存在感の調整という意味でも被写界深度やシャッター速度の調整は役に立ちます。ちなみにこの作品はAEの露出値よりもうんとオーバー(明るい)な写真に仕立てております。こういった写真を「ハイキーな写真」とも言いますね。

はい、カメラのAEに露出をお任せすればこのようになります。

これは目で見た通りの風景なので考えようによっては嘘偽りない正直な写真と言えます。しかしこれは現実を切り取ったドキュメンタリー写真などではなく、作者の感動や美、心の針が触れた瞬間といった抽象的な心象風景が表現されていない記録写真に過ぎません。

こういった写真を撮って自分は演出などしない潔白なナチュラル派であると主張する人を見かけますが本当に可哀そうな方だなと感じます。

いい写真を、ARTな写真を目指すのであれば中途半端にナチュラルを意識するのはやめましょう。多くの場合で現実の様子はさして美しい訳ではなく、本当に美しいのはそれを受けて感動した貴方の心の中に存在しています。それを写真にするには露出をコントロールするのです。




・露出で魅せるART写真

EOS6 mark2

この作品は上のイチョウの作品とは逆にローキー(意図的に暗め)な露出の1枚です。山桜の淡い色と雰囲気を出すのに選択した露出で、同時に見せたくない要素はシャドウ部分に沈めました。あたかも黒バック紙に浮かび上がる被写体という感じですね。こういった魅せ方はベテランの写真家にとって常套手段と言えます。

こんな感じの写真は写真ビギナーの方がすぐに目指すべきものではありませんが…ご参考までに。

・ISO感度は?

絞りとシャッター速度はそこにある限られた光をシェアし合う仲です。しかし互いの要求で折り合いがつかない場面もあるものです。それは絞り込んで被写界深度を深くしたい、しかし風で揺れている草花はブラしたくはない、だが曇り空で光が乏しい…といった具合です。その場合は夜景シーンと同様にISO感度を上げて対応します。

ISO感度とはカメラの心臓部であるイメージセンサーをGAINアップさせて敏感にさせる調整機能です。ISO感度を500…1000…2000…と上げれば光の量が乏しくても写真に明るさを与えることが出来ます。多くの場合は暗い室内でカメラを手持ちで撮影する場合や夜景の撮影で使いますが、絞り込んで且つ風景を止めたいという要求にも補足的に使用できるのです。

しかし感度を上げ過ぎるとノイズが発生し写真のクオリティに関わる問題が発生するものです。ISO感度は原則としてISO100が理想であり、仕方ない事情があるときに上げるものと覚えましょう。

・明るすぎる場合

上のISO感度の話とは真逆に明るすぎて困ってしまうシチュエーションもあります。強烈な太陽光下でF1.8といった具合に絞りを開いて深度を小さくしたい時です。高性能なカメラでも1/8000くらいが高速シャッターの限界ですがそれでは不足してしまう時…。解決策は適切な明るさとなるまで絞り込むかNDフィルターというサングラスのようなフィルターをレンズの先端に装着するかです。

・数値を感覚として養う

絞りはF値、シャッター速度は例えば1/125といった具合に絶対値で表現されます。10m先に置いたバイクに15m先にある桜の木、その両方にピントを合わせたい場合、レンズの焦点距離が85mmだとして、絞り値Fはいくつになるでしょうか??または60km/hで走りゆくバイクを焦点距離200mmのレンズで追う場合、イメージの流れ具合を得るにはシャッター速度はいくつに設定すれば良いでしょう??

ここですぐに数値が出てくれば苦労無いですね。しかし残念なことにコレばかりは気の遠くなるような反復練習によって感覚として養っていくしかなく、ネットで調べても写真教室に通ってもダメなものはダメです。ピアノやゴルフが上達するにはたくさん練習するしかないのと同じです。

ただ1つ、有効な練習方法があります。シャッターボタンを半押しした時、自動測光機能(AE)が算出した露出値がファインダー内に表示されますよね。あれを読み上げる習慣をつけるのです。F6.3で1/250とかF18で1/125とか、声に出してみましょう。すると少しづつですが望遠だと1/100以下じゃ手ブレしやすいな…とか、これくらい天気よければ絞ってもシャッター速度が落ちないな…といった具合に体験することで理解していきます。騙されたと思って実践してみてください。

数値の感覚が少しづつ掴めてきたら被写界深度で魅せたいときは絞り優先モード、写真に時間を与えたいときはシャッター速度優先モードを使ってみましょう。この撮影モードは多くのカメラに当たり前のように搭載されていると思います。

そしてこの両者による「写真の明るさ」を決める露出は自動測光(AE)です。カメラのAEは例え最新のカメラであっても多くの場合で撮影者が望む露出を得ることができません。常にAEを疑って積極的に露出補正をしてください。

目の前の風景に確かに存在している美しい光と影。しかしその様子は目ではよく確認できませんし、AEも目でみた明るさを求めるので同様にダメです。上の写真は光を捉えるために露出をコントロールした写真です。実際の様子より少しアンダー(暗い)な写真ですが、このように露出を選択することではじめて光と影の様子が見えてきます。




・写せる明るさの範囲には限りがある…それが写真

人間の目のAEは良くできていて現実の様子を脳に送るために適宜調整されています。しかし写真は人間の目よりも光をとらえる範囲がうんと限られていて、その範囲をうまく使うのがARTな写真です。ビギナーの方にとって少々難しい話ですが写真は写せる明るさの範囲(ダイナミックレンジ)に限りがあるからこそ、露出で魅せることに意味があるのだ…と覚えてくださいね。いつかこの意味が理解できる時が必ずきます。

 ~写真ビギナーの為の露出 まとめ~

・露出は見たままの明るさを必ず再現する必要はない

・絞りは被写体を演出する表現手法

・シャッター速度は写真に時間を与える表現手法

・絞りとシャッター速度は限られた光量をシェアし合う仲

・自動露出(AE)は絶対に信用しない

・数値は練習して感覚として覚えるほかにない

カメラ、写真に関わるあらゆるHowtoは世に溢れていて、露出についての解説も星の数ほど存在していますが、写真ビギナーの方にとって苦しい壁はここだろうな…と想像を馳せてユニークな視点で書いてみました。今回の解説で何か1つでもお役に立てたことがあれば嬉しいです。

究極のツーリング写真ではこのような解説をこれからも書いていきたいと思います。

今回はこの辺で!!

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