ツーリング写真の基本テクニック☆バイクの存在感を落とすコツ

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回までの投稿でツーリング写真はバイクが主役ではないツーリングの魅力をARTで伝える写真である…ということを作例を元に解説してきました。

そこである方から次のようなご質問をいただきました。

「どうしてもバイクの存在感が強くなってしまいツーリング写真なのか愛車写真なのか曖昧になってしまう」

…よく分かります。実際、SNSなどでは風景の割合に対してバイクの存在感が強すぎる写真はよく見かけます。「ああ、きっと風景を意識して撮ったんだろうけどな…」と少し残念な想いでいつも見ています。ツーリング写真は必ずしもバイクが主役ではいけない…という訳ではありませんがバイクの存在感をきちんと裁量できないと作品の主題がボケやすいことを覚えておきましょう。

今回はそんなツーリング写真で難しいバイクの存在感の調整方法を具体的にご紹介してみたいと思います。

点景バイク手法

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

まずは一番単純なやり方をご紹介します。バイク(+ライダー)を画面の中で米粒のように小さく構図するのです。究極のツーリング写真では今までこの構図を「バイク米粒構図」などと呼んできましたが、重要なことなので今回からこの手法を「点景バイク構図」と呼ぶことにしました。

森鴎外の青年の作中で「風景画の中の点景人物…」とあったのを参考にしました。広角レンズを使って風景の雄大さを表現したり、スペースを作って印象を狙ったりするときに有効です。北海道のような開けた風景や空を主題にするときに適しています。

ポイントは広角レンズ(またはお持ちのズームレンズのワイ端)で極端にバイクを小さくすること。中途半端はかえって失敗を招くので思い切って小さくします。

注意点はバイクを小さくしてしまうので見た人がそれが何か分からなくならないよう工夫することです。バイクの写真は多くの場合で7:3の割合の斜めからバイクを撮るのが基本ですが、この場合はそれがバイクであることが伝わりやすいよう真横から撮ります。その他、バイクをハイライトと重ねてディティールを強調したり三分割交点にぴったり合わせたりと手法は色々あります。




絞りを開いてボカす

EOS6D Mark2

これもオーソドックスな手法の1つです。一眼レフの人は絞り優先モードで解放(または画質と相談して解放付近)を使ってバイクをボカしてしまうのです。これによって主題がはっきりしてバイクは引き立て役(バイクでそこに来たことを伝えるにとどめる)に徹することができます。

コンデジの人はボケにくいので望遠側の画角を使うとボケ味が得られます。またボケ具合がイメージに届かない…という方は高価なレンズに買い替える必要はありません。マニュアルフォーカスに切り替えてピントピーク少しだけ遠景側にリングを回してみましょう。きっとイメージに近いボケが出ると思います。

上の作品ではR1200GSの各パーツに入ったハイライトが美しい玉ボケ(レモンボケなどとも呼びます)となって作品に演出を加えることができました。

フレーミングで切り落とす

フレーミングとは一般的には景色のどの範囲までを写真とするか?をフレーミングと呼びます。しかしフレーミングの役割はそれだけではありません。構図をからめて考えると枠で被写体を切り落としたり枠ギリギリに確信犯で被写体を配置したりして表現の手段として機能するものです。

上の作品は北海道のオトンルイ風力発電所ですが望遠で風力発電の連立するプロペラを圧縮しました。R1200GS-ADVENTUREはフロント部の1/3を枠内とし、加えてボカすことで存在感を落としています。ポイントは左フレームすれすれに存在するバイクです。小さな主役としてアクセント被写体となり、これで作品に「オトンルイ風力発電所を訪れるライダー達」というStory性が加わりました。この走りゆく見知らぬライダーも点景バイクですがピントが合焦していること、ヘッドライトが点灯していることで小さいながらも存在感を感じます。

フレーミングでバイクを切り落とす際の注意点は1つだけ。真っ二つに等分しないことです。必ず1/3単位で切り落としましょう。これはヘルメットやタイヤなど図形要素で円となるものでも重要です。




端っこに配置する

EOSD mark + EF35mmF2 IS

これもフレーミングによる存在感の裁量ですが、この場合は切り落としたのではなく「どいてもらった」表現方法です。切通トンネルへ抜ける道、それを邪魔しないようR1200GSには画面の端っこにどいてもらいました。

この手法のポイントはフロントタイヤの向きとサイドスタンドによる車体の傾きにあります。ハンドルを右ロックまで切ることで【避けてる感】を持たせています。バイク写真専門の写真家を自負するのであれば車体の姿勢でも写真の表現ができることを覚えておきましょう。




EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

いかがでしたか?ツーリング写真におけるバイクの存在感の落とし方を作例を元にご紹介させていただきました。そもそもバイクは誰が見てもカッコいいものです。カッコいいものはつい目が行ってしまうのが見る人の心理です。写真の中でやたらバイクの存在感が出過ぎてしまうのはこの辺に原因があるのだと思います。

先ほども書きましたが中途半端が陳腐な写真になってしまう原因です。作品の主題【感動した1つのこと】をしっかり明確に持っていれば、バイクは潔く存在感を落とせるはず。だから逆に言ってしまうと作品の主題に対してさほど感動していないのがバイクの存在感を落とせない原因とも言えると思います。

注意点は1つだけ、誰が見てもそれがオートバイと分かるようにとどめることです。例えば点景バイク構図で何らかの理由でバイクを真横に出来ず、真正面になってしまった場合。ヘッドライトやハザードランプなどを点灯させれば、それだけでバイクだと分かりやすく伝わると思います。ちょっとの工夫でだいぶ変わってくるのが写真というものです。

ツーリング写真におけるバイクの存在感の落とし方でした。

今回はこの辺で!!

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