究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、この記事を書いている2020年9月末現在、新型コロナウイルスの影響による行動規制はずいぶんと緩和されて少しづつ平常を取り戻しつつありますね。
私は千葉から東京まで毎日電車通勤なのですが、いつも日本人はすごいよな…と感じるのは電車内を見る限りマスクをしていない人なんて誰もいないことです。この状況下でマスクをすることは大切ですが世界的にみてもこんな風に皆が同じに出来るなんて日本だけではないでしょうか。
この「みんなと同じ」精神が良いのか悪いのか私には分かりませんが、少なくとも新型コロナウイルスの対応には良いのだと感じます。
ともあれ一日でも早く世界が平常を取り戻す時がくるよう県内ツーリングでは清澄寺に必ず立ち寄って願掛けをしております。
さて今回はツーリング写真を撮るにあたってライダーの登場は必ず必要か?というお話をしてみたいと思います。
今さらですがツーリング写真とはバイク旅の魅力を伝える写真のことです。
風景の中のバイク、ツーリングのワンシーンを切り取ったもの、愛車が主役ではない、ただの記録や記念写真ではない写真のことですが、そのツーリング写真を撮るにあたって必ずライダーの存在は必要なのでしょうか。
ツーリング写真の中にライダーが登場することで動きが加わる、感情表現ができる、作品の意図へ誘導できるなどの利点があります。作品の意図へ誘導できるとは例えば上の作品の場合、ライダーが夜空を見上げるポージングをとることで主題は満天の星空であることを観賞者へ誘導できます。そして何より「旅人」が登場することで一気に作品に旅感が加わります。
小物を利用してライダーの気配を写す
一方でライダーの姿が写っていない写真でもヘルメットなどを分かりやすい場所に置くことで近くにライダーがいる気配を表現することができます。
地面に置かれたヘルメット、荷物を積載したバイク、この視覚情報だけで写真を見た人は「シャッターを切っているのはライダーなのだな」と無意識に認識するはずです。
ライダーの視線を再現してみる
ライダーの視線を再現するような構図を作れば撮影者がこのバイクの持ち主であると分かりやすく表現できます。
このように何らかの手段でライダーの存在を予感させることに成功すれば、必ずしも画面内にライダーを登場させる必要はないと言えます。
バイクのオブジェ化に注意
一方、よくSNSなどで見かけるツーリング写真はこんな感じのものが多いと思います。風景の中のバイクという意味ではツーリング写真として成功していますがライダーの存在を感じません。風景の中でバイクがお留守番しているような雰囲気です。これではツーリングの魅力が伝わりません。風景の中に飾られたバイクがオブジェのようになってしまいます。
何かをしている瞬間を演出

この写真のように何かをしている様子を撮ってもツーリングのワンシーンとしてユニークな写真になると思います。この場合はキャンプの朝、シェラフを干そうとしているところです。もちろん私一人しかいないので撮影裏の話をしてしまえば手の込んだ演出という訳ですが。
美しいポージングを身に着けよう
この写真は長時間シャッターならではの手法でライダーの姿を半透明人間にしています。例えば30秒シャッターを開いたとすると15秒くらいの間だけ立っているのです。簡単ですね。
ライダーを登場させる場合、気を付けたいポイントは棒立ちしてダサいポーズにならないことです。普通に立っている姿勢というのは多くの場合で猫背だったりとモデルさんでもない限りお世辞にも美しい姿勢ではないものです。上の写真の場合はコントラポストというポージングで片方の足に体重をのせて体のラインがS字を描くように立っています。
胸をはってシャキッと立つ。少々大げさなくらいで丁度よいので姿見などで練習してみてくださいね。
セルフタイマーでダッシュはやめよう

それとセルフタイマーでダッシュ!はやめましょう。どうしても急がされている雰囲気は例え背中でも伝わるものです。おすすめの方法はインターバルタイマーです。例えば5秒に一回の撮影で計30枚撮影とか任意で間隔や回数を設定できる便利な機能です。
現在売られているカメラには多くの機種で内蔵されている機能ですが、もし無い場合は写真のようなリモコンでもインターバル撮影機能を有している製品があります。これさえ用意しておけば望遠レンズで自撮りしたい時でも安心です。
ライダーの登場、自撮りは写真に加える演出という意味ではこれ以上ないくらいの演出ですよね。それでも作品にライダーを登場させることはツーリング写真にとって意味のあるものだと思います。もちろんお友達やパートナーと一緒にツーリングされる方は無理に自撮りする必要などなく互いに自然な表情のショットを撮って楽しまれてください。
ツーリング写真における自撮り、ライダーの登場について書いてみました。
今回はこの辺で!!