ツーリング写真の魅せ方シリーズ第5回<フレーミングで魅せる>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ツーリング写真の魅せ方シリーズも今回で第5回目となりました。露出、絞り、シャッター速度、構図…ときましたので今回はフレーミングをいってみたいと思います。

前回の「構図で魅せる」で構図は一般的に写真の基本的なことのように言われていますが、実は奥が深くてビギナーの方がいきなり構図を意識するのは少々無理があることはお分かりいただけたでしょうか?

確かに完成度の高い構図を作れれば良作の基礎として素晴らしく機能します。しかしそういった写真の骨組みのようなものは構図に限りません。今回解説するフレーミングもまた写真の構造として良く機能するものです。写真ビギナーの方は構図をマスターする前にまずフレーミングを意識してみましょう。

EOS6D Mark2

さあ、ここでまた写真における「フレーミング」とは何か?その言葉の響きから考えてみましょう。すぐネットで検索しない…。ネットで検索すれば正しい答えがすぐに手に入りますが、それは一般的に言われている正しい答えであり、貴方にとって本当の意味で必要な情報とは限りません。

個人的に写真をやる上で常に自分で考え、他人の考えは自分とは関係ない、既にある手法や考えは先人たちに敬意を払うが同時に疑う…という天邪鬼的であること。私はこんな感じです。ちなみにフレーミングについてキャノンのサイトでは構図と同じ意味…なのだそうです。

此処から先はそんな私の恐らく偏った考えによる解説になります(いつもそうですけど)。構図が被写体の位置関係、大きさなどによる魅せ方だとするとフレーミングは枠を意識した構図の亜種です。




目の前にある風景のどの範囲までを写真とするか?あるいは枠を意識して被写体を切り落とす、枠すれすれに置いたことによる時間や緊張などの表現に使う…、見せたくないものは枠の外に追いやる、といったことがフレーミングだと思います。

上の写真ではR1200GSのスクリーン上部を少々切り落としたのですが、これによりR1200GSはそれほどドアップでなくても近くにあることを強調させ、遠近感を表現しています。この写真は遠くで歩くライダーとR1200GSを結ぶ道がポイントなのですが、同時に海も美しい背景として機能してほしいのです。しかし実際には海面はけっこう遠かったので引き寄せる目的で望遠レンズを使用しました。望遠レンズを使うと遠近感が失われてしまうので、R1200GSを少々切り落とすことで補っているのです。

実際の様子を観賞者に想像してもらう

房総の素掘り隧道

この写真は隧道の上部を切り落として撮っています。実際には隧道の杭口は美しいアーチを描いているのですが、その事は写真を見る人に想像してもらう「想像の取り分」を観賞者へ与えています。それよりも緑に輝く部分をファイグリッド三分割で置くことを優先した結果でもあります。

フレーム外の様子を想像させる

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG F8 1/100 ISO100

これはライダーが画面の外に向かって見切れていくフレーミングです。映像用語ではフレームアウトでしょうか。これは写真を見る人に写真には写っていないフレーム外の様子について想像を促す手法です。

ちなみに撮影場所は北海道のコムケ湖で古びた番屋を見つけて撮ってみました。こういったシーンを一人で撮る、つまり今風に言うと自撮りの場合、その画角でどの辺に立てばギリギリで狙えるのか?なかなか難しいですよね。EOS6D mark2のようにWi-FiやBluetoothでスマホと連携させれば離れた場所からカメラの画面をスマホで確認することができます。無線機能のないカメラをお使いの方は最初にヘルメットなど目印になる物を置いて確認するとうまくいきます。




切り落として存在感を弱める

これも簡単な手法です。バイクやライダーがいくらツーリング写真として重要な被写体であっても、作品の主題が別の部分に存在するのであれば、その存在感は少し遠慮してもらいましょう。そうすれば主題はより際立ちます。この作品の場合は海面すれすれで魚を狙っている鳥の群れですが、R1200GSは後ろ側2/3をフレーム外へ切り落としたことで存在感を弱めました。ちなみにピントも合わせていません。

切り落とす際のポイントはど真ん中で切って等分にしないこと。三分割構図の考え方にならって1/3単位で切り落とします。写真に限らずあらゆる芸術に共通した基本的なことですが理由なき二等分は避けるものと覚えましょう。

枠ギリギリに配置する

RICOH GR APS-C

構図のセオリーでは三分割の交点や日の丸に被写体を配置する…とされていますが、このように枠の近くに意図的に配置してしまうのも枠を使ったという意味でフレーミングです。この写真の場合はR1200GSの後方にたっぷりスペースを作ったことで「ここにやってきた」という到達感が表現されました。

逆に前方にたくさんのスペースを作って配置すれば出発感、これから始まる時間を予感させます。他にも例えば背の高い人をより大きく表現するなら頭部を少しだけ切り落とす、おチビちゃんであれば上にたくさんのスペースを作って撮れば小ささが強調できる、といった具合に色々あります。




フレーミング、それは画面という長方形の四角を意識して、その枠を使った何らかの表現手法。外へ除外したり切り落としたり、ギリギリに配置したりと使い方は様々あります。または景色の中のどの範囲までを写真にするか、という画角の観点でのフレーミング。これは焦点距離(レンズ)を選択することにも関係しています。

構図は目の前の景色や被写体が二次元になったときに、どのような線形つくるのか事前にイメージが作れないビギナーには難しい面がありますがフレーミングは優しいと思います。

いつもバイクを枠の中に収めて撮っていた…という方はぜひ次のツーリングからフレーミングを意識して撮ってみてくださいね。

まだまだ続きますよ!

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