一枚で魅せるツーリング写真☆世に媚びない表現

究極のツーリング写真 tourimg-photography.com 読者の皆さま、「ツーリングの秋」いかがお過ごしでしょうか。コロナによる行動自粛もだいぶ緩和され、感染対策さえしっかりしていれば通常通りに出かけれられる世に戻りつつありますね。猛暑もひと段落しツーリングにも良い季節になってきました。あと写真にもいい季節ですね。

前回まででツーリング写真の魅せ方シリーズと題して、写真の魅せ方を色々と紹介してきました。魅せ方とは表現であり演出であること。そしてそれらを知識として身に付け実際に撮れるように習得したら次に<魅せ方>について自身の考え方を持つようにしましょう。こればかりは人の好き好きなので自分でどうするかを決めるしかありません。

そこで気になるのが写真を見せた時の反応です。お友達や家族に写真を見せた時、SNSやブログで発表したとき、コンテストに参加するときなど写真を見せたときの他人の反応です。これ…心理としてどうしても気になりますよね。自分は気に入った写真だけど果たして人から見てどうだろう?と。




いい写真とは常にみる側が主観的に決めるものであり撮る側としては永遠のテーマ。それ以前に撮った本人が「いい写真だ」と思える作品であること。撮った本人がこんなの好きではないけど他人に受けるかも…という気持ちで撮ったのであれば、私はそんな写真はいい写真ではないと思います。

確かに発表した時に反応が薄いと寂しいものがあります。せっかく自分なりの「いい写真」を撮ったのにコメントも入らず「いいね」も少ない…。こんな経験はありませんか?

それ、気にしなくて大丈夫です。そもそもSNSなんかで写真を発表したところで、その反応がどうであれ大した意味はないと思います。それよりSNSなどで万人ウケを狙って写真を撮るようになっては<自分の好き>を見失って個性が失われてしまいます。




上の作品はツーリングで出会ったふとした光景を1枚にしました。台風で倒れてしまった廃船。この写真の構造はこれといって手の込んだことはしていません。なるべく事実をストレートに表現する目的でこのように撮っています。念のため解説しておきますが地面や背景などスペースを意図的に多めにとることで「被写体がそこにあった」という場所に対する存在を表現できます。

このやり方で<ツーリング先で出会った〇〇>を表現しているだけです。引いてとると電線やガードレールなど本来は画面内に入れたくない要素が入ってしまうものですが、不思議なことにあれも撮るぞと思って撮ればそれほど悪さはしません。この場合は電線と電柱が入りましたが分かって撮っています。電線が入っちゃったと電線も入れたは大違いです。

この超地味な写真、撮った私自身はこれぞ今後の自分が目指す世界のヒントだ、と思っておりますがSNSなんかで発表すれば間違いなく薄い反応が返ってきます。しかしそんな事は全く気にしません。ウケよりも自分らしい写真を撮ることの方が大切だと理解しています。

映え写真を撮って「いいね」をたくさんもらう。すごい写真、上手な写真、綺麗な画像…世に溢れています。高性能なカメラやスマホ、広告写真のように仕上げるアプリ。これらは他の誰かが作ってくれた便利な物や情報の恩恵を受けただけ、画一化された「上手い写真」を目指して練習しただけの写真です。ふと考えてみましょう。個性はどこにいったのでしょうか?その写真の中に「撮った人の存在」は感じますか???

上の写真は稚拙ながらも一枚の写真の中に私の何かが写っています。一見、レンズのゴミか?と思う漁船の上にある黒い点。アゲハ蝶です。この誰も気が付かないミクロのキャストを採用するのは実に自分らしい演出だ!とニヤけてしまうナルシストです。




賛同していただける人は少数かもしれませんが、本当にこんな感じで良いんだと思います。少なくともアマチュアとして写真をライフワークにするのであれば。もし本当に写真がお好きであれば…もうやめませんか?他人から受ける写真を狙うのは。

自分の「好き」と向き合うのが一番素敵なことなんです。

今回はこの辺で!!

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教習所では教えてくれない☆バイク安全運転ノウハウ集17~19

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ニュースで知った方も多いと思いますが最近になってバイクの事故が急増しているそうですね。9月14日のニュースですが北海道の場合はバイク事故の死者数が例年平均の3倍だそうです。

一方、東京の場合は警視庁発表のデータによるとオートバイ死亡事故は例年平均の2倍以上と北海道ほどではありませんが同様に急増しているそうです。

記憶に新しいニュースでは免許を取得してバイクを買ったばかりの女子高生がグループのツーリングに参加して山道で事故を起こして亡くなったということもありました。

今年に入って死亡事故が急増している原因については様々な憶測があるようです。コロナで道が空いてるからスピードを出し過ぎてしまう、自粛ストレスのうっぷん晴らしでスピードを出す…どれも憶測だと思いますが。そして感染リスクの少ない趣味としてバイクを乗り始める人が増えた、給付金を使って免許を取得しバイクデビューした、といった具合にコロナをきっかけにバイクに乗るようになった人が増えたという分析もあるそうです。

バイクに限らずあらゆる事に共通して言えますがブームになると問題も増えるものです…。例えばキャンプブームが起こるとテント内で火災、酸欠とか、ゴミや焚火跡の不始末とか色々な問題が顕著になります。

そう考えると事故が増えたことはバイクブームの兆しなのかもしれません。もしそうだとすると80年代末以来のバイクブーム、第三次(?)バイクブームの到来となるのですが、ここでまたバイクの事故が社会問題になってはいけませんよね。

最近は乗用車のドライバーも高齢化がすすんで、以前とは違った要因で事故が増えているので心配です。




人間は失敗からしか学べないと偉い学者さんが言っていましたが、バイクの運転だけは失敗から学ぶ前提で走ってはいけません。失敗から学んでも良いのは立ちごけ程度です。昔から「いちばんうまいヤツとはちゃんと家に帰るヤツ」とバイク乗りの間で言われてきました。事故を起こしてからでは遅いのです。いざ当事者になると「今朝、朝食を食べた時に時間を戻したい」と願うものですが現実は無情です。

今回は長いこと更新していませんでしたが「教習所では教えてくれない☆バイク安全運転ノウハウ」のカテゴリーを更新してみたいと思います。

・教習所では教えてくれないバイク安全運転ノウハウ集 1~8 

・教習所では教えてくれないバイク安全運転ノウハウ集9~16

17.まずは一人で走ってみよう

バイクデビューしたばかりのビギナーの方は一人で走るのは心細いと思います。何かあったときにフォローしてくれる仲間がいないのですからね。しかし自分のペースを把握するために一人で走っておくことは重要です。自分のペースとはスピードだけではなく休憩のスパン、1日に走る距離などもそうです。大事なことは怖くない、不安がない自分のペースを知っておくことです。

ここで言うペースとは人それぞれ個人差があるものです。だからグループで走ると必ず誰かが「速すぎる、遅すぎる、また休憩か!」といった具合にストレスが発生します。それは事故やトラブルを起こす小さな火種になるものです。

EOS6 mark2

もし仲間と一緒に走るのであればビギナーをフォローするのに相応しい先輩達であるかよく考えてみましょう。ちゃんと遅い人にペースを合わせて走れるか?グループ内だけでなく周囲の状況もよく把握しているか?コーナーの進入でかっこいいところを見せつけるだけの先輩であれば、今後は一緒に走る仲間とするのかよく考え直したほうがいいです。




18.最悪の状況を想像してみよう

人間は失敗からしか学べない・・・。一度でも大きな事故を経験したり、身近な仲間が不幸な目にあった、という人であればその恐ろしさを体験したので事故の怖さを知っています。しかし前述したようにバイク乗りは失敗から学ぶことを前提に走るわけにはいきません。

そこで重要なのは想像力です。当ブログの写真解説にも度々出てくる想像力のお話。こんな事をしていたら最悪はどうなるだろう?と、起こりえるとは信じがたいが起こるかもしれない悪夢をイメージするのです。

事故に関わるあらゆることはネットにも色々と書いてありますが、事故を起こすと何が待っているのか?をリアルに書いているのを見かけません。私の見てきた経験談だけ書いてみます。

・1991年 高校の後輩 緩やかなコーナーで浮き砂利にのってスリップダウン、路面を滑走してガードレールに激突。全身に4か所骨折。最も酷いのは左脚の大腿骨の骨折。病室の天井に滑車がついていてロープで強く足を引きながら身動きがとれない入院生活。度重なる手術と長いリハビリ。激痛と苦しみにひたすら耐える地獄のような半年間だったと後に本人が言っていました。

・1992年 走り屋の集まっていた峠のS字コーナー。センターラインを大きく超えてきた対向車に驚きブレーキの握りゴケ。そのまま路面を滑走して道路脇の植栽に突っ込む。自力で戻ってきたが植栽の添え木が首に突き刺さっておびただしい出血。その後、亡くなった。

・1995年 会社の同僚 交差点で右折待ちの対向車が強引に右折してきて衝突。よくある右直事故の典型。かなりスピードを出していたので左脚の膝を粉砕骨折。はっと目が覚めると道路の上で寝そべっている自分。顔の上にブーツが載っていて手でどかしたらブーツだけではなく自分の足だった…。バイクはフレームが歪んで全損。

・2004年 夏の北海道 Tシャツ1枚でワイルドに走るライダー。彼は私のバイクを抜いてかなりのスピードで消えていった。しばらくすると直線ともコーナーとも呼べない緩いカーブの先で転倒していた。全身にひどい擦過傷。Tシャツ1枚で100キロ相当で転倒すれば皮膚も肉も激しく削れて骨が丸見え。その目も当てられない傷(というか進撃の巨人みたい)にはアスファルトの小石や砂が大量に入っていた。救急車が来るまで20分、そこから病院まで1時間以上かかった。バイクはフォークがくの字に折れて全損だった。

・2010年 地元の房総半島の山道にて私の後ろを走っていた友人。 踏切をしっかり一時停止し、そこから普通に加速。対向車の軽自動車が強引に右折して接触。上半身から地面に叩きつけられ首の骨を折る重傷。この事故の怖いのはバイクの方は時速20km程度だったことが警察の検証で分かったこと。たった20kmでも首を骨折する大怪我です。

そんなグロいこと書くなよ!!!と怒られそうですが、これが現実です。怖いでしょう?でも明日はあなたがそうなっているかもしれません。もちろん私もです。行ってきますと出かけても「ただいま」を元気に言えるか分からないのです。これが最悪の事態を想像することです。

19.パトロールするように走る

隠さずにカミングアウトしますが私もその昔はバイクに乗るときは飛ばしていました。本当に反省すべきことで今命があるのは奇跡だと思います。その当時、警察の取り締まりに捕まらないために白バイやネズミ捕りを探すように走っていたものです。その時のパトロールのような走り方でリスクファクターをいち早く察知するよう走るのが私のお勧めの安全運転。

リスクファクターとは例えばコーナーの出口に砂利が浮いていないか、前のトラックの積み荷が落ちてこないか、後ろのドライバーは居眠り運転ではないか、脇道から急に車が出てこないか、とったものです。

目の前の状況から想像を働かせて危険を察知する。工場や建設現場で働いている人ならよく知った言葉ですがKYTというのがあります。危険を予知するトレーニングです。それとよく似ているので「危険を予知するパトロール走り」で私は「KYP走り」と呼んでいます。




今回は少々ネガな内容が入りましたが、コロナ後の世界にバイクブームがもし来るのであれば、事故が増えて悲しむ人が出ないよう今の段階で何かできることはないか…そんな想いで書いてみました。バイクビギナーの方、久しぶりにリターンした方、ご参考にしていただけると幸いです。

スピードは控え目に、ヘルメット、プロテクター入りウェアーを正しく着用、小まめに休憩。周囲の車を信用しない。安全運転と交通マナーの意識が高いライダーがいちばんスマートです!

今回はこの辺で!!

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佐渡ツーリングでまたリコーGRをぶっ壊しました

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回まででツーリング写真の魅せ方シリーズと題して14回もの解説を作ってみましたが如何でしたでしょうか?写真ビギナーの方、写真で何かお悩みのある方に一つでもお役に立てたことがあれば幸いです。

撮り方=魅せ方 被写体や風景の特徴を受けて撮影者が心動いたことを表現する手段。それが写真の魅せ方です。複雑な手法を駆使しようとシンプルに魅せようと、あるいは美しさにこだわってアーティーに魅せようと、敢えて撮り方は駆使せずリアリティを優先しようと、それは撮影者の自由です。

私の場合はこうです!という個人の発表なので他の人がどうしていようと関係ありません。自分ワールドこそ正義と信じましょう。

写真はキャリアを積んでいくうちに被写体への理解も深まり自身のスタイルも確立されていきます。一朝一夕に成就する世界ではありませんが「あっそういうことか」という小さな気付きを繰り返してステップアップしてくださいね。

さて、今回は珍しくブログらしい記事を書いてみたいと思います。

佐渡汽船 新潟港にて

先月に旅した長野~佐渡ツーリングのお話を書いてみたいと思います。

今回、はじめて旅した佐渡なのですが素晴らしかったです。しかし8月のお盆の時期だったので皆さまもご存じの通り記録的な猛暑日が続く日々。雪国で涼しいような印象のある新潟県は想像以上に暑かったです。

私はよほど悪天候にならない限りは宿は使わずキャンプする人間なのですが、今回は熱帯夜にやられました。海岸でキャンプをしたのですが暑くて寝付けず。夜の気温はおそらく28℃くらいでテント内はそれより数度は高いので30℃くらい。汗が流れてくる暑さです。

私の愛用するテント、ダンロップRシリーズは両ドアをフルメッシュに解放できるので大変通気性の良いテントなのですが、そんなことをしても無風だったので意味がなく。奥の手でフライシートを外してテント本体だけにしてみましたが、やはり暑さは変わりませんでした。

暑い暑いとテント内でもがいていると、こんどは「プシュ」と何やら嫌な音が。マットの隔壁が剥がれてしまったようで写真のような状態に。実はこのモンベルのULコンフォートマットはかれこれ10年くらい前に購入したもの。ストーブなどの機械物と違って一定の期間で必ず寿命のくるこの手のギアを使い続けていた自分のミスです。マットはやがてエア漏れを起こしてペシャンコに。ただでさえ寝苦しいのに地面に直接寝る羽目に・・・。

久しぶりに睡眠不足の朝を迎えました。




この後、佐渡の天気予報は不安定でありながらも予想最高気温は連日猛暑の予報。もうキャンプできないな…と諦め、ダメ元でツーリングマップルに紹介されていた宿に電話をしてみました。

お盆休み中に飛び込みで宿は難しいだろう…と期待薄でしたが、コロナの関係で東京の人が自粛しているせいか二つ返事でOKでした。宿は住吉温泉の源泉かけ流し、みなみ旅館さん。お部屋も温泉も食事も素晴らしかったです。

しかし何より暑さに弱り切った体に冷房の効いたお部屋で寝れることが有難かったです。すっかり旅人精神を失ってダラダラと快適に過ごしました。

その後、佐渡にいる間は大きく天気が崩れることはありませんでしたが、写真のように局地的にザーっと降る事は何度かありました。写真はたまたま街中にいたのでスーパーの軒下を借りて雨宿りをしている所です。こんな場所にデカいバイクを停めて邪魔なんですけど、この大雨で雨宿りしている旅人に厳しく当たる人は佐渡にはいませんでした。

それよりこのスーパーの総菜コーナーに売っていたお寿司が、軽く衝撃を受けるほど美味しかったです。佐渡といえばブリやズワイガニが有名で海産物は何でも美味しいのですが、お寿司が美味しい本当の理由はシャリが佐渡米だからだと思います。

佐渡米は他に流通することの少ない知られざる高級米です。結局、翌日も大野亀で夕陽の写真を撮ったりで食事処へ入るタイミングを逃したために、同じスーパーに行ってまたお寿司を買って宿で食べました。

こんな小さな事も旅の良い思い出になるものです。




妙照寺に境内にある仏舎利塔

それから佐渡といえば日蓮の縁もあり、各所に寺があるので代表的な妙照寺と五重塔のある妙宣寺を参拝しました。写真は妙照寺にある仏舎利塔。本来はお釈迦様の遺骨を納める塔だそうです。

 

上:GR Digital3  下:GR(APS-C)

それと今回、愛用しているGRをまた壊してしまいました。症状としては電源を投入しても幕が閉じたままで真っ暗。前回に壊した時と同じ感じです。GRを壊すのは今回で3回目でツーリングにコンデジを持って行くと本当によく壊すな…と実感しています。一眼レフはただの一度も壊れたことなんて無いのですが。

で…GRが無いと日々も退屈なので中古でGR Digital3を購入してみました。写真でお分かりのようにGR APS-Cよりも一回り小さいんです。RICOH GRはフィルム時代からあるスナップの名機ですが、デジタルの初代モデルがGR Digital1、それが1~4まで続いてAPS-Cのセンサーを搭載した世代から「Digital」の名前が消えました。最新モデルはGR3でDigital時代とほぼ変わらないほどコンパクトになりましたけど…いま買うと高いですからね。

ちなみにGR Digital3はヤフオクで7000円程度でした。カメラを旧モデルに買い替えるというポルシェ911ファンのような人間です。

RICOH GR

しかしRICOH GRというのは本当に不思議なカメラです。画面の隅々までシャープで独特の描写があります。SPECでは説明のつかない魅力をもったカメラです。写真は瞬間であること…その景色が撮影者にとってどんな瞬間なのか?といつも問いかけてくるように感じます。




通勤途中によく寄るお気に入りのカフェ(コーヒー100円)で撮ったGRデジタル3。やっぱりコンパクトになったの有難いです。クロップ機能が無かったり連写や書き込み速度が遅かったりと比較したら可哀そうですが。それでも肝心のAPS-Cではなくなったことは気にならないレベルだったのは安心でした。改めて高画質=いい写真ではないと認識。ちなみに写真にあるオレンジのポーチはDAISOでもちろん100円です。

GRを壊しちゃったことは残念ですが残暑の中、東京のカフェでGRデジタル3を眺めながら佐渡の旅を振り返る。旅は出発前の高揚感と帰ってからの余韻と言える回想期間がいいのですよね。

今回はこの辺で!!

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ツーリング写真の魅せ方シリーズ第14回<フォトレタッチで魅せる>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、いい写真を撮って写真をライフワークとして楽しまれていますか?当ブログでは写真のことを度々「芸術、アート」として発信してきました。カメラやスマホで写真を撮るという行為は誰でもやることなので「芸術」なんて大げさに聞こえるかもしれません。

しかし写真を撮る楽しさを知り、人に見せて喜んでもらう幸福を味わったからには「もっといい写真を撮りたい」という願望がわいてくるのは自然なことだと思います。そこで憧れる「いい写真」とは作者の個人的な発表なのですから、それは立派な芸術作品だと思いませんか?

プロではないんだし趣味として写真が上手になりたいだけだよ・・・分かります。始まりは皆さんそんな感じだと思います。私もそうでした。しかし本当に良い写真を撮るには「趣味として上手に…」程度ではその他大勢の中に紛れるだけです。デジタル写真主流の現在は昔で言う「上手い写真」なんてゴマンと溢れているのが現状です。それらと同じ写真を撮っても生きがいを見出すことは難しいでしょう。

そこでお勧めなのは「写真家宣言」です。写真家とは国家資格でもなければ免許制度でもありません。権威ある第三者のお墨付きもいらないです。自分が写真が好きで写真を撮っている人であれば誰でも写真家を名乗って問題ないです。もし恥ずかしければ口にはせず心の中で「自分は写真家」という誇りをもって明日から写真を撮ってみましょう。それだけで貴方の写真が変わっていくとお約束します。





さて前置きが長かったですが今回はツーリング写真の魅せ方シリーズの最終回<フォトレタッチで魅せる>を解説してみたいと思います。

Adobe Lightroom classic

フォトレタッチ。それは撮影後に画像をパソコンに取り込んで、レタッチアプリケーションで写真をデジタル処理で手直しする行為です。明るさであったり彩度であったり、コントラストであったり或いは余計なモノを消去したり、懐かしい写真のようなトーンにしたりと様々あります。

デジタル写真が主流となって久しい昨今。フォトレタッチという文化も一般に浸透して月日が経ったと感じます。つい10年くらい前は完成度の高いレタッチ作品に驚かされたり、盛ることしか考えない人が画像の破壊行為をしていたり…そんな事が多かったように感じます。

今はフォトレタッチにも作者それぞれの考えの元で行われている成熟期に入ったのかもしれません。写真ビギナーの方にとってフォトレタッチはインチキのように感じるかもしれません。実はフォトレタッチ自体は古くからあるもので、フィルム時代は職人さんが手作業で行っていたのですが現在ではデジタル技術の進化で一般に浸透したという事です。

使い方を間違えなければいけないことではないのです。

RICOH GR

フォトレタッチは広告や雑誌など商用写真の世界では当たり前のように使われていますが、個人が使う場合はどのような考えのもとで行うのか?この辺を解説してみたいと思います。

フォトレタッチは撮影時に描いた写真イメージ(こう撮りたいという想像の写真)に対してカメラの操作などではかなわなかった部分を後で補うもの、そんな感じでしょうか。有名なアプリケーションはPDFでお馴染みのAcrobat ReaderをつくっているAdobe社のPhotoshopまたはLightroom、その他はSilkyPIX、Capture One、キャノンのカメラを購入したときに付属するDPP(Digital Photo Professional)などがあります。これらのアプリケーションはフォトレタッチの他、記録形式をRAWで行う場合のRAW→JPEGへの現像にも使用されます。





今回、ツーリング写真の魅せ方シリーズの最終回としてご紹介するのもフォトレタッチも写真の演出の1つであると感じたからです。写真の演出…構図、比率、デザイン、露出、画角、被写界深度やシャッター速度…どれも写真を魅せるための表現=演出でありフォトレタッチもまた然りなのです。

こう撮りたいと脳内で描いた写真のイメージ…それが撮影時にカメラ操作等だけではかなわなかった部分。それを補うのがフォトレタッチ。例えばこんなシーンです。もう10年以上前に北海道をツーリングしたときの1枚です。燃えるように染まる夕刻のキムアネップ岬(サロマ湖)でR1200GSと撮った写真です。このようなシーンの場合、夕空と湖面が明るく、地上側は暗い。そしてその差は大きくカメラのダイナミックレンジ(写せる明るさの範囲)を超えてしまいます。

空と湖をイメージ通りの露出にするとバイクは真っ黒でバイクであることすら判別できない。逆にバイクが写るように露出を設定すると空と湖は明るすぎて雰囲気が出ない。

この時はバイク側に露出を合わせて撮ってみましたが、持ち帰って見直してもガッカリするだけで、以降はストレージ内で眠らせていました。その写真を去年に掘り起こしてLightroomの段階補正機能で直してみました。空と湖の部分だけを選択して露出を下げたのです。このようなレタッチを良しとするか否かは置いておいて、ストレージ内でゴミ同然だった画像が想い出に昇華したことは価値のあることだと思います。

EOS5D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

このような問題はハーフNDフィルターなる半分がサングラスのようになっている減光フィルターでも解決できます。レタッチ否定派の人はこういった光学的な手法にこだわっておられるようですが、出来上がった写真だけを比較してどちらがハーフNDフィルターか?どちらがフォトレタッチによるものか?を判別するのは困難だと思います。

特に我々ライダーは持っていける機材量に限りがあるのですから、フィルターだのレフ板だの、やたら荷物を増やすことは歓迎できませんよね。そういった意味でフォトレタッチはツーリングライダーにとっても価値のあることと言えます。

Lightroomの補正前、補正後表示

フォトレタッチの恩恵を最も大きく受ける写真は上のような天の川や星景写真だと思います。少なくともこのブログを書いている2020年秋現在ではカメラには星を綺麗に写す気の利いた現像プリセットはありません(Pixel4、Xperia、iphoneなどスマホの方が進んでいます)。空のかすみによって明瞭に見えない星空もそのまま画像にしてしまいます(上の画面で左側が撮影時)。

全てのデジタルカメラは撮った瞬間はRAWです。RAWとは撮像素子(イメージセンサー)から得たデーターの集合体です。素子の1つはR(赤)G(緑)B(青)の三原色からそれぞれが何%であるかをカメラのCPUに伝えます。例えば2000万画素のカメラであれば2000万個のRGB情報を持つ素子の集合体です。しかしそれではデータ容量が重すぎて使い勝手が悪いのでデータを端折って圧縮し、風景モードやポートレートモードなどの決まったレシピでレタッチして画像データ化したのがJPEGです。

つまり全てのデジタルカメラはカメラ内のコンピューターが自動でフォトレタッチしているのですね。

上の天の川の作品では撮影時は画像に写っていない部分、しかしカメラはちゃんと撮っている領域をLightroomを使って呼び起こしているのです。言ってみれば「おいおい、カメラ君よ天の川はもっとちゃんと見えるだろうによ!」とお直しをしてあげる行為です。




天の川の写真を発表すると「実際はここまで見えないでしょ?」と聞かれます。確かに実際はここまで鮮明に見えていませんでした。しかしカメラはその様子を捉えていたのですから、それが明瞭になるよう調整することは悪いこととは思えません。どこかの天体画像から切り取って貼り付けた訳ではないのです。紛れもなくそこで私が見ていた天の川の様子をレタッチで表現しています。

もしLightroom等のフォトレタッチなんて邪道だ!という事であれば、それはコンピューターがカメラ内で仕上げてくれた写真が正統である、という意味になります。カメラのコンピューターが自動で仕上げたものが正当であるなんて、おかしな話だと思いませんか?

SNSを見ていると撮影情報を記載する場に「撮って出し」と誇らしげに書く人を見かけます。ご本人は「邪道なるフォトレタッチなどせず撮ったときのままです」と潔白を表明して好印象を狙っているのだと思いますが、実際のところは「フォトレタッチはカメラ任せでした」または「たまたまカメラ任せの仕上げがイメージ通りの最高のものでした」という意味になります。

究極のツーリング写真の読者の皆さまは間違っても「撮って出し」を自慢しないでくださいね。

EOS6D Mark2

フォトレタッチに限らず写真の演出に関わるあらゆる手法を否定する「ナチュラル派」という考えは今も昔も存在します。「ありのままの現実を撮るのが写真の正しい撮り方である」と他人へ押し付けるナチュラル派も少数ですが存在します。

写真の演出に関わる考え方は人それぞれなのでナチュラル派(またはナチュラル派もどき)から否定的なコメントを受けても、しっかりした考え方を持っていれば全く動揺することはありません。

一方、フォトレタッチを否定する風潮を生んだ理由も理解はできます。それは思わず顔を背けたくなるような過度のレタッチ写真というのも残念ながら見かけるからです。それらは写真を良く見せよう、SNSなどで目立たせようと彩度やコントラストを極端に上げた写真…いや画像のことです。デジタル写真はもともと緑の彩度が高いので、さらに彩度を上げると緑が蛍光グリーンのように不気味になります。そういった過度なレタッチをする人は春になると空や人の顔までピンクかかった桜の風景写真を作るから恐ろしいです。

その他にも過度にレタッチするとトーンジャンプ、色飽和などご本人の知識にはない画像破壊が起きて、せっかくの高性能カメラで撮った写真も台無しになります。

そのような写真は撮影者が「いい写真」に憧れてイメージを再現したレタッチではなく、単純に目立たせたい目的で盛ったもので今回シリーズで解説している写真の魅せ方とはまったく趣旨の異なるものです。

目立たせる目的のみで写真芸術への見識の浅い人が過度のレタッチをしてしまう行為。それは人間の承認欲求という根深い欲望に支配されてしまった哀れなる風景写真です。元画像の方がずっと素敵な写真のはずですが残念なことに哀れなる風景写真もSNSでは「いいね」がたくさん付いてしまうので、ご本人は間違いに気が付く機会すらないものです。

EOS6D Mark2 EF35mmF2 IS

今回は写真ビギナーの方向けに解説しておりますので、フォトレタッチについてあまり深くは書きませんが・フォトレタッチはいけない事ではない ・フォトレタッチは撮影時にかなわなかったことを後で調整すること とだけ覚えて頂ければ十分だと思います。

もしフォトレタッチに興味を持たれたのであれば、いきなり有料のアプリケーションを使うのではなく、まずはカメラに付属していたソフトか無料で使えるアプリケーションで始めてみましょう。まずはレンズに付いていたゴミが写り込んでしまったものを消去するとか、露出を少しだけ補正するとか簡単な作業でいいと思います(レンズの汚れは本来であれば日頃から清掃しておきたいところです)。

ツーリング写真の魅せ方シリーズ 最終回の<フォトレタッチで魅せる>でした!!

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ツーリング写真の魅せ方シリーズ第13回<なにもしないで魅せる>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、いま気になるバイクはありますか?私はまだ当分は現在の愛車であるR1200GSとR1200GS-ADVENTUREの2台でいくつもりですが、ちょっとだけ気になるバイクはYAMAHAのTenere700ですね。この夏に発売されたばかりでホットな1台です。

フロントに21インチを装着した本格的なオフロードモデル。スクリーンの内部に収められたロボットのような4灯ヘッドライト。かっこいいですね!特にこの写真にあるブルーイッシュホワイトパールが私好みです。ちなみにTenereとは「何もないところ」という意味だそうです。




さて、ツーリング写真の魅せ方シリーズの第13回。今回はちょっと変わった内容かもしれませんが<なにもしないで魅せる>を書いてみたいと思います。

EOS30D + EF28-70mmF2.8L

いままでツーリング写真の魅せ方シリーズとして露出、構図、被写界深度、シャッター速度、フレーミング、デザイン、光と影、比率・・・いろいろな魅せ方をご紹介してきました。魅せ方は言い換えれば写真に加える演出です。演出と聞くとなんだか事実を歪曲したインチキのようにも聞こえてしまいますが、そうではなく作者の心の景色を表現するための手法なのですね。

魅せ方、撮り方、演出…どうするかは作者の自由です。しかし自由を与えられると何をしていいか分からないのが現代における日本人の悲しい性。すると心理的に皆はどうしているのか?が気になり「正しい撮り方」「うまい人の作例」を調べてしまうものです。もちろん写真ビギナーはそれでも良いと思います。私もそうでした。しかしある程度のキャリアを積んだらどこかのポイントでそれは卒業しなくてはいけません。

写真における演出・・・。魅せ方をどうするか?複雑かつ巧妙に使うか?定番の手法をシンプルに使うか?自分独自の魅せ方を考えるか?

その使い方も匙加減も全て自由ですが究極の魅せ方が<なにもしないで魅せる>です。凝った構図や比率も作らない、望遠レンズや広角レンズも使わない。露出も評価測光と大きく違わない。そんな「普通」の表現で作品の中に意味を持たせて表現する手法です。

上の作品は北海道の襟裳岬へ向かう通称「黄金道路」ですが、画角もほぼ50mmですしこれといって何をした訳でもありません。言ってみれば自然な写真です。しかし普通がゆえに見た通りの景色とも言えるので臨場感や記憶の世界を再現しているとも言えます。そしてそんな「自然な魅せ方」の中には多くの場合で写真からうったえる何かを感じるものです。




EOS6D Mark2 + SIGMA50mmF1.4ART

写真の撮り方・・・。

撮り方を上手に駆使できないと良い写真は撮れない…そんな風に思われるかもしれません。実際にはそんなことはなく作者が被写体と向き合って理解し、うったえたい一つが表現できるのであれば「撮り方」自体はそれほど重要ではないとも言えます。

重要だけど最重要ではない。核心ではなくあくまで構造なのです。

写真ビギナーの方が撮り方など学ぶ必要はありません・・・と言いたいのではありませんが。撮り方のイロハは知識として理解している、やったこともある、習得している…しかし今は使わない。自分の表現の考えがあるから…言ってみればこんな境地でしょうか。

写真家としてのスタイルや追っているテーマなどによっても「なにもしない」撮り方はあると思います。例えば都会のスナップとかはそうですね。

RICOH GR APS-C

スナップは「あっ」と思った瞬間にぱっと撮る「瞬間」が大切です。あれこれ構図とか考えている時間的猶予がそもそもありませんしね。被写体自体に意味がある場合などは特に敢えて何もしない方が分かりやすい写真とも言えます。そんな写真は多くの場合で観賞者に想像や感動を誘うものではなく、それ自体が詩のような存在を放っているものです。




スナップと言えば最近、私がハマっているのがこんな写真です。ライダーの視線を再現した言ってみればツーリングスナップですね。これも構図や露出など撮り方を特に意識することなく瞬間でパッと撮っているという意味では「なにもしないで魅せる」の仲間に入ると思います。

なにもしない方がいい場合・・・。何もしなくて良いなら簡単!と感じるかもしれませんが「何もできない」と「何もしなかった」は似て非なる世界です。写真ビギナーの方には少々難解だったかもしれませんが、いつかこんな考えを持つ時がくるのかも…といった程度に知っておいて頂ければ十分だと思います。

次回はツーリング写真の魅せ方シリーズ 写真レタッチについて書いてみたいと思います。

お楽しみに!

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ツーリング写真の魅せ方シリーズ第12回<魅せ方は無限大>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ネットは活用されていますか?活用されている…なんて言われても現代人にとって無くては不便なくらいネットは重要なものになりましたね。このブログもネットで見るものですしね。

先日、検索サイトで調べたいことがあって幾つかのワードを入力しました。1つは時計のことを調べるのに「プレサージュ」、正しくはプレザージュだったのですが…。その後、しばらくしてネットを見るとページ上に表示される車買取りの広告がありました。その広告に日産プレサージュの高価買取!と書いてあり何でプレサージュ…?とその時は不思議に思いました。また別の日にネットでハッセルブラッドの「ステラ」を検索すると、今度は数日後に同じ車買取の広告でスバルステラの高価買取!と出ました。

あぁ…なるほど、検索歴に基づいたリスティング広告だったか。しかし全くお門違いなリスティングで思わず笑ってしまいましたが。この辺の正確さが今後はAIで更に改善されていくのでしょうけど、何だか気持ち悪いというか怖いですよね。




さてツーリング写真の魅せ方シリーズもいよいよ終盤です。いままで露出、被写界深度(絞り)、シャッター速度、望遠や広角レンズ、構図やデザイン・・・様々な手法でツーリング写真の魅せ方があることをご紹介してきました。今回はそんな定番の魅せ方に限らず、魅せ方はアナタ次第で無限大ですよ!!!という事を書いてみたいと思います。

スペースで魅せる

EOS6D mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG

例えばこんな魅せ方です。私は千葉県民なので海の写真が多いのですが…、東京湾に沈む夕日に遠方には富士山。SIGMAの超広角ズームレンズで撮った夕陽のツーリング写真です。

通常ならこのようなシーンでは空にウロコ雲でも広がって、その様子が沈む夕日に照らされてマゼンタに染まっているとか、そんなイメージを膨らませてしまいます。この場所に着いた時、雲がひとつも無いことに正直ガッカリしました。しかしどんなに願っても現実は変えることができません。それが写真というものです。

そこで今ある現実の様子に特徴を見出して、それがうったえたい一つのコトを表現する手段に使えないだろうか?今あるこの景色のどこに自分なりの「美」があるだろうか考えてみます。

特徴→雲ひとつない それを読み解くと空に存在する繊細な階調(グラデーション)が美しいこと…と答えが見つかりました。この場合の「答え」とは自分なりの答えです。ビギナーの方がやってしまう「正解探し」とは似て非なるものです。

そうと分かれば雲ひとつない空のスペースを12mmという超ワイドな画角で切り取り、少々大げさなくらいにR1200GS+ライダーを小さく構図しました。バイクはあまり小さくし過ぎると気が付いてもらえないほど存在感が落ちてしまうので、ご覧のようにハイライトと重ねるなどの工夫を施しています。

有名な手法ではありませんがスペースで魅せる表現方法です。




埋め尽くしてのぞき穴で魅せる

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

これはたまに見かける「のぞき穴構図」の応用版ですが、絞り開放で手前の桜をボカすことで深度で魅せる表現とハイブリッドさせています。

ボケている手前の桜とR1200GS-ADVENTUREが置いてある場所の桜は50mくらい離れているので、合焦している桜とのコントラストを作ることができました。また少々高度な話ですがR1200GS-ADVENTUREを配置したところはフィボナッチスパイラルの黄金比構図に合わせています。

カメラ位置のすぐ近くにあった桜に穴のようなポイントを見つけたので思いついた撮り方です。逆に言うと遠景の建物や周囲にあった電柱や電線など、写真にしたくない要素を隠した撮り方でもあります。

被写体をよく見て認識し、状況を把握して出来ることを考える。その結果、この場合はこれしかない!と納得できる魅せ方を自分なりに考えて完成させるのですね。難しいように聞こえますけど、こうやって自分で考えるのは楽しいものです。




シャッターチャンスで魅せる

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L IS

忘れてはいけない大事な魅せ方の一つはシャッターチャンスで魅せるやり方です。「シャッターチャンス」という写真用語はあまりに有名なので今さら感が否めませんが「ここだ!という瞬間、二度と来ないチャンス」という意味で間違いはありません。しかし重要なことはそれがやってくることを信じて待機することなんです。

もちろんやってこないで空振りに終わる事も多々あります。奇跡が起こると信じていることは奇跡をイメージ出来ていることに他ならず、いい写真を撮るために貪欲な想像力の持ち主であることを象徴します。

上の写真は北海道の名もない広域農道で撮った道のツーリング写真です。空には雲が流れていて、太陽が光を落とす地面には影が道をツーリングしていました。「影が道を走っている」そんなイメージをつくってかなりの時間をかけて撮った1枚がこれです。実際には影はすごく早くて時速40km/hくらいでしょうか。まさにスポーツシーンを撮るような感覚でしたね。

黒バックで魅せる

EOS6 mark2

これは<露出で魅せる>の応用型で黒バックで魅せるやり方です。山桜の花に露出を合わせれば、おのずと日陰になっている背景は黒く潰れます。すると黒色のバック紙を置いたようにアーティーな1枚が仕上がるのです。これと真逆に白バックを作る事もできます。アート系フォトグラファーの常套手段ですね。

今回のツーリング写真の魅せ方シリーズは今までの解説の統括的に書いてみました。写真ビギナー向けの内容ではないかもしれませんが撮り方は今までご紹介した有名なやり方以外にもいろいろあるよ!自分で考えても楽しいよ!という事だけ知っていただければ良いと思います。

次回はちょっと深いお話でツーリング写真の魅せ方シリーズ<なにもしないで魅せる>をいってみたいと思います。

お楽しみに!!

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ツーリング写真の魅せ方シリーズ第11回<広角レンズで魅せる>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、少しづつですが涼しくなって季節は芸術の秋ですね。私たち写真道をこころざす人は少々大げさな聞こえですが芸術家です。人それぞれが想いを抱く「いい写真」。写真家の数だけある美への考え。それらは芸術を意味するものです。

なにを写真くらいで大げさな…とお思いになるかもしれません。しかし写真は個人の表現であるからには紛れもなく芸術だと思います。もちろんカメラの用途には記録、記念、カメラコレクションなど芸術と関係ない用途もありますが、いい写真が撮りたいと願う人の先は芸術なのだと思います。

さてツーリング写真の魅せ方シリーズもいよいよ第11回目です。前回の<望遠レンズで魅せる>に続いて今回も画角のシリーズ。<広角レンズで魅せる>でございます。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF5.6-6.3DG

標準レンズや望遠レンズはよいけど広角レンズは苦手だ・・・という方も多いかもしれませんね。寄せる望遠、寄る広角なんて言いますが「寄る」からには足がよく動かないといけません。

広角レンズの特徴は望遠の反対なのですが、見える景色をより広範囲に、同時に空間としては遠くへ広がるようにワイドな世界になります。被写体は実際の様子よりも小さく、出来上がった写真は広がり感、または吸い込まれるような印象になります。




広角レンズはワイドになるほど画面の四隅に樽型(またはレンズによっては糸巻き型)の歪みが発生するので建物やバイクなどの人工物を歪みの強い部分に配置すると不自然な写真になります。歪みの強い部分に人物を置いた場合は縦構図であれば足が長く痩せて見え横構図だと足が短く太って見えます。

と、なかなかクセの強い広角レンズですが風景主体のツーリング写真であれば景色の雄大さや雰囲気を伝えるのには最適な画角とも言えます。上の作品はつい先月にツーリングしたビーナスライン、美ヶ原高原での白樺林の道ですが多くの白樺の木々を広角レンズでとらえ、その空間の緑の光が中心から放射状に輝くような表現としました。

空の表情や雄大さを表現しよう

空に表情があるとき(つまり雲が空の表情となるとき)やその場所の雄大さを表現したいシーンで広角レンズを使ってみましょう。あまりバイクや人物を大きく撮らないこと。広い景色の中にバイクとライダーは小さく構成して存在感を調整するのです。

これからの季節は秋らしいウロコ雲、イワシ雲などをツーリング先で見かけたらお持ちのレンズの最もワイドな画角で撮ってみましょう。

広角レンズはバイク米粒構図で

EOS6D Mark2 + EF14mmF2.8L

景色の雄大さを強調する手段としてバイク+ライダーを意図的に小さく構図する手法があります。ぱっと見、どこにバイクがあるか分からないほど小さく構図しても大丈夫です。何らかの手法で小さな主役に存在感を持たせるよう工夫してみましょう。

上の作品の場合は海に出た堤防の図形要素を視線誘導線として利用しバイク+ライダーへ導いています。この他にも日の当たっている部分を使う、太陽や海面の反射などのハイライトとバイクを重ねるなど手法はいろいろあります。




28~35mmあたりはスナップ感覚で

RICOH GR

いままでの作例は全て超ワイドレンズでしたが、こちらの写真はRICOH GRで撮ったので画角は28mmです。GRはスナップシューターと呼ばれているカメラなのでツーリングの何気ない瞬間を切り取るのに向いています。

広角レンズは少しでもカメラを下に向けてしまうと、自分の影が画面内に入ってしまうものですが、逆に意図的に影を撮っても面白い写真になるものです。

星景写真も広角レンズです

星景写真はビギナーの方が撮る写真ではありませんが、これもまた沢山の星を収めるという意味で広角レンズを使用するものです。この写真は画角12mmです。超ワイドレンズはメーカー純正だと非常に高価ですがChinaブランドであれば2万円程度で入手できます。このようなレンズは光学系の完成度が落ちますが逆光で撮る訳ではないので影響は少ないですし、MFしかできないというデメリットもありますがこれもまた星空の写真なら関係ありません。星専用ということでChina製の超ワイドレンズを使っている人はだいぶ多いと思います。




ツーリングで出会った感動の景色。その大きさに自分という存在の小ささを実感したことはないでしょうか?いつもいつも愛する我が愛機の記念写真ばかり撮っていて物足りなさを感じませんか?景色主体のツーリング写真は表現手法をしっかり身に着けて作者の心を表現すれば感動の一枚になります。

そんな素敵な写真を撮れれば誰かに見せた時に喜んでもらえるし、撮った自分もツーリングで写真を撮ってきて良かったな、また次行ったら撮ろう!と思えるようになると思います。

広角レンズはそんなツーリングの魅力、ライダーが見ている景色を伝えるのにぴったりの表現手段だと思います。

まだ続きます、ツーリング写真の魅せ方シリーズ!

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ツーリング写真の魅せ方シリーズ第10回<望遠レンズで魅せる>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、つい先日のことですがパープルに全塗装した我が愛車、R1200GS-ADVENTUREで深夜の海岸線をツーリングしていた時です。休憩でコンビニに入ったとき駐車場にいた若者5~6名、よく見ると上半身裸で全員に登り竜などの入れ墨…いやタトゥー??が入っていたのですが、私のアドベンチャーを見るなり「わ~すげー、かっこいい~」と騒いで取り囲まれてしまいました。

しかし変な連中にからまれた訳ではなく、意外や意外なことにみんな言葉遣いは丁寧で礼儀も正しく「いくらするんですか?」「でかいですね~」といった感じに質問を投げかけてきました。まあ、千葉の田舎の方なんでBMWのバイクというだけで珍しいのかもしれませんが。しかし彼らの興味を抱いたポイントがアドベンチャーが迫力あったのが良かったのか、紫色が彼らの趣味にハマったのかが気になります。

やっぱり元の色の戻そうかな…




さてツーリング写真の魅せ方シリーズの続きですが、今回は第10回目となる<望遠レンズで魅せる>でございます。

道の魅力を望遠で表現しよう

オロロンライン

といってもここまでのツーリング写真魅せ方シリーズの作例で、さんざん望遠レンズを使った写真を使用したので今さら感がありますが…私の写真は極端な焦点距離の画角が多いので仕方がありません。

望遠レンズといえば写真ビギナーの方でも遠くのものを大きく写すレンズ、ということはご存じですよね。もう少し詳しく言うと写せる範囲を狭くする、空間を圧縮する、遠近感が失われる、背景や近景がボケやすくなる、といった特徴があります。

それと望遠レンズは大きく重く、大口径(F値の解放が明るいレンズ)のものは大変高価です。バイクツーリングで持っていくには悩ましい問題ですね。コンデジでも望遠側の画角をカバーしたズームレンズのモデルがありますが、コンデジで極端な望遠というと色々とクオリティ面で問題があって実際には使えなかったりします。

ここではそんな望遠レンズをツーリングに持っていくか?あるいは高いお金を出して買うのか?という話は置いておいて、ツーリング写真&バイク写真としての望遠レンズでの魅せ方を解説いたします。

上の作品は北海道の道北にある日本海オロロンラインですが地形が最も隆起しているポイントで超望遠で切り取った1枚です。

道は長く細く続く被写体。それを標準や広角の画角で撮れば画面内の割合として多くが道以外の風景になります。それでも魅力的な道の写真に仕上げることは可能ですが、道自体に絶対的な存在感を持たせたいのであれば、細く長い道を望遠レンズで圧縮すれば画面内の多くの割合を道にできます。

写せる範囲を限定する望遠

左:35mm   右:200mm

望遠レンズを使うことも写真でうったえたい一つのことを表現する有効な手段です。上の写真は左は35㎜の広角レンズ、右は200㎜の望遠レンズ。撮影場所は全く同じで主題となる巨木が両者とも同じ大きさになるよう、カメラディスタンスだけを変えて撮った比較写真です。

何が違うか一つ一つみていきましょう。まず背景の範囲、35mmの方は背景が広範囲で青空まで入りましたが200mmの方は崖の岩肌だけとなりシンプルな背景となりました。これだけで写真を見た人は情報量が減って主題の巨木が見やすくなるものです。次にR1200GSの大きさ。遠く離れた分だけ200mmの方が小さくなったのですが、単純に小さくなっただけでなく巨木との対比が表現されたことで主題の迫力を強調することに成功しました。

念のため書いておきますがこの場合は200mmの方が主題が明確となり良い写真となりました。青空は確かに爽やかですが主題を魅せるのに余計な要素でした。




背景を大きく引き寄せる望遠

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8LIS

これは望遠レンズの最もオーソドックスな使い方ですが遠くのものを大きく引き寄せて印象的になるよう魅せるやり方です。望遠レンズを使う際の重要な注意点は撮影スペースです。あの山を大きく引き寄せて迫力を出したい!となったときにまず確認しなくてはいけないのが後ろに下がれるスペースがあるか?です。

もし後ろに下がるスペースがなければバイクと遠景を合わせて撮る事は断念せざるえません。

間隔を詰める、密度を上げる望遠

オトンルイ

望遠は空間の圧縮効果が得られる、なんてよく言われます。上の作品は北海道の人気ツーリングスポットであるオトンルイ風力発電所ですが連立する風車を1枚の写真にするには範囲がとても広すぎます。これを離れた場所から望遠で撮る事で間隔を詰めて収めることに成功しています。

この写真は望遠レンズの利点をいくつも盛り込んだ1枚で、前景として置いた私のR1200GS-ADVENTUREとSHOEIホーネットADV、これは綺麗にボカして存在感をおさえることにしました。この作品の小さな主役は左フレームギリギリに走る他のツーリングライダーです。望遠レンズの圧縮効果、ボケやすさ、一つの主題を浮き立たせて魅せる、といった複数の利点を使って表現しています。

ちなみにこの時、三脚にクロスズメ蜂がとまっていたのを知らずに思いっきり蜂を握ってしまいました。薬指を刺されて悶絶する激痛を味わったのですが幸い大事には至りませんでした。




やっぱり望遠レンズはいい

望遠レンズを使うべき時とは・・・、遠くのものを大きく引き寄せて迫力を出したい、道の魅力を表現したい、余計なものを画面外に除外したい、間隔を詰めたい、密度を上げたい、遠景や前景をボカしたい…そんな要求があったときに望遠レンズは役に立ちます。

反面、注意点としては手ブレしやすい、わずかにアングルを動かすだけで画面内が大きく変わってしまう、引き寄せたい場合は後ろに下がれるスペースが必要となる…といった事が挙げられます。

ただこれらの注意点だけを見れば写真ビギナーが最初に挑戦するには難しいのかな…と思えてしまいますが、特定の被写体に絶対的な存在感を持たせるには簡単ですし、余計なものを画面外に排除できるという意味でも簡単に構図が作れます。誤解を恐れずに大胆に言ってしまえばツーリング写真のビギナーの方に望遠レンズはお勧めである!と言えます。

次回はツーリング写真の魅せ方シリーズ<広角レンズで魅せる>でございます。

お楽しみに!!

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ツーリング写真の魅せ方シリーズ第9回<ホワイトバランスで魅せる>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、もう季節は秋…ですね。この新型コロナウイルス騒動でもキャンプ場は相変わらず盛況のようですね。もうゆる△キャンがブレイクしてから2年くらい経つのでしょうか。それでも衰えることなく第三次キャンプブーム健在といった感じです。ちなみにゆる△キャンのseason2は2021年の1月から放送開始だそうですよ。

そのキャンプブームの下支えとなっているのがソロキャンプ、つまりお一人様文化の定着もあるかもしれませんね。むかしはキャンプといえばファミリーかグループで楽しむものでした。ソロキャンパーと言うのは私のような一人旅をしている者の宿泊手段という感じで、うっかりファミリーやグループで賑やかなキャンプ場に入ってしまうと浮いた存在になったものでした。

今でこそ賑わっているキャンプ場の中でファミリーもソロも良い感じで均衡していますけどね。そういえば15年くらい前に私があるキャンプ場でソロキャンプしていたとき、近くのグループから「あのバイクの人、一人でキャンプしているのかしら?一緒に来てくれる友達いないのかしらね」という声が聞こえてきて笑われた記憶があります。隣のテントの声なんて筒抜けですからね。あの時、私を笑った人たちも今頃はソロキャンプしているかもしれませんね。




さてツーリング写真の魅せ方シリーズ、今回は第9回目で<ホワイトバランスで魅せる>をいってみたいと思います。

ホワイトバランス 4000K

ホワイトバランス(色温度)とは写真ビギナーの方にとっては少々聞きなれない言葉かもしれませんが、カメラの取扱説明書にも書いてある基本的なことになります。身近なものではお部屋の照明に使われる蛍光灯や電球、最近はLEDになっていますが電球色とか昼白色とか書いてあるのを見たことないでしょうか?あれがホワイトバランス(色温度)です。

バイクや車のヘッドライトバルブもクリア、ホワイト、ブルー系などありますよね。ホワイトバランスは単位がK(ケルビン)で表記される絶対数で5000Kあたりが中立付近、4000K、3000Kと数値が少なくなれば黄色みをおびた暖色方向に、6000K、7000Kと数値が大きくなれば青っぽい冷調な色味になります。

PIAAのバルブに表記されている色温度の説明 これが本来の考え方でカメラとは真逆なんです

カメラにとってのホワイトバランスとは白い物を正しく白として写しましょうという補正の観点での機能です。よって上のPIAAの製品パッケージの説明とは逆の考え方になります。白を白として写すための補正…例えば青かぶりしていればK数値の少ない方に補正しましょうね!という意味です。ややこしいですが数値の小さい方が「青い時に使おう」ということです。

撮影環境では曇天だと青っぽくなったり電球の光でやたら黄色っぽくなったりと白を白として写せないシーンが多々あるものです。人間の目は露出と同様に優秀な自動調整機能が備わっていますけどね。そういった影響を受けないように調整しましょうね、というのがカメラの説明書に書いてあると思います。

ここで重要なポイント!!白を白として正しく調整することに縛られない事!!!カタログ写真や証明写真ではないのですから事実を忠実に再現することに固執しないように。露出の時も同様のお話を書きましたがホワイトバランスも撮影者の表現手段の一つとして自由に設定してみましょう。

上の作品は湖畔のキャンプ場で撮った1枚ですがシダ類の植物を前景に置いたこの雰囲気には冷調なホワイトバランスの方がよく似合うと思ってこのようにしました。




EOS6D Mark2+ EF35mmF2IS  ホワイトバランス 6000K

この作品は夕刻の海岸で強烈な逆光を受けるシーンです。しかし時間帯としては15~16時くらいで陽が傾いているとはいえ夕方っぽい風景ではありませんでした。そこをイメージに近づけるためホワイトバランスを6000K程度に調整しています。

写真ビギナーの方にとってホワイトバランスをケルビン単位で調整するのは少々難しいかもしれません。その場合、お勧めの簡単なやり方はプリセットを使うことです。プリセットとはカメラに予め入っている幾つかのシーンに分けたホワイトバランスのパターンです。主に曇りモード、日陰モード、太陽光モード、蛍光灯モード、電球モードなどが入っているものです。

それなら知っている!という方も多いと思いますが一点だけ注意が。先ほども書きましたがカメラにとってのホワイトバランスは白を正しく白に写すための補正という考え方です。例えば曇りモードといったら青っぽくカブるのをアンバー方向に補正するという意味です。だから上の作例のように夕方っぽくしたい場合に曇りモード、もっとアンバーにしたければ日陰モードを選びます。

夕焼けの風景写真をよりイメージに近づけて撮りたいのであれば曇りモード、日陰モードを試してみてくださいね。ただし実際の夕景の様子がすでに燃えるように焼けているときは、それ以上はホワイトバランスを弄らないように。破壊行為になってしまいますので。




こちらは工場夜景のシーンです。私はあまり撮らないジャンルですがコロナ騒動でツーリングできない時期に近所で撮った写真です。露出も実際の様子よりは明るく仕上げていますがホワイトバランスは少し奇をてらってアンバー方向に設定してみました。無機質な工場夜景は冷調な設定をする写真が多いと思いますが、逆に暖色で仕上げることで異空間を演出しています。

カメラの記録方式をRAWとすることでホワイトバランスは撮影後の画像を後から変更することもできます。JPEGで記録する場合は撮影時にしっかり設定するか、いくつかのバリエーションで撮っておくと良いと思います。

実際の様子を再現するのではなく自由に演出の手段として使う・・・、とはこのような事なのですね。もちろん賛否あるとは思いますが「私の場合はこうです」という個人的な発表こそが写真芸術なのですから、そこを楽しみましょう。

さあ、ツーリング写真の魅せ方シリーズも終盤になってきました。次回はカメラの画角のお話として<望遠レンズで魅せる>をいってみます。

お楽しみに。

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ツーリング写真の魅せ方シリーズ第8回<光と影で魅せる>

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、また検索などでたまたま当ブログにたどり着いた皆さま、見ていただき感謝です。当ブログはバイク写真に関わるあらゆることを綴るバイク写真の専門サイトです。

間もなくサイト開設から3年になりますが徐々に「ツーリング写真」という写真ジャンルが確立されつつあると感じております。従来、ツーリングをするライダーはツーリング先で愛車の写真、立ち寄ったスポットでの記念写真、食べた物の記録などを撮っていたと思います。SNSなどでよく見かけるツーレポ的な写真ですね。

それも素晴らしいですが…せっかくライダーがバイク旅で目撃した感動の風景です。それを1枚の写真にしたART的ツーリング写真にしてみましょう!という趣旨を発信しているのが究極のツーリング写真 touring-photography.com です。

以前はアウトライダーというツーリング雑誌の写真コンテストで盛り上がっていましたが、同誌が休刊になって以降は寂しい限りでした。本サイトでみんなでツーリング写真を盛り上げていきましょう、という目的で写真ビギナーの方にも分かりやすいようにツーリング写真の作例で写真の解説を書いております。

ここ最近はツーリング写真の魅せ方シリーズと題して表現方法の具体的なものをシリーズで書いております。今回はその第8回目となる<光と影で魅せる>をいってみたいと思います。

EOS6D Mark2

写真を撮ることを「撮影」っていいますよね。この漢字、そのまま解釈すると影を撮るになります。写真とは光があって影があり、その限られた光の範囲で表現するから面白いものだな…と恥ずかしながら最近になって思うようになりました。

レンブラントやフェルメールなど光を表現した絵画は写実的と呼ばれますが、実に写真に近い表現なのだと思います。これとは逆に光と影の範囲を何らかの手法で広げた写真をHDR(Hight dynamic range)写真などと呼び、まるで絵画のような写真となります。

ダイナミックレンジとは写真にできる明るさの範囲です。暗い所から明るいところまでちゃんと写せる範囲。その範囲を超えると明るすぎれば真っ白、暗すぎれば真っ黒、白トビとか黒つぶれなどと呼ばれます。デジタル写真であればデータの無い部分になってしまうので一般的には画面内の全てはダイナミックレンジの範囲内に収めるとされています。

芸術は数学などと違って正解はありませんから写真とはこうだ、絵画はこうだ、という明確な定義はできません。しかしそれでも写真は光と影の限られた範囲「ダイナミックレンジ」で表現するからこそ素晴らしいと思います。そして重要なポイントは写真にできるダイナミックレンジには限りがある、ということです。




目に見えるすべてのものは光によって明らかにされています(少なくとも我々人類にとっては)。写真も光の存在を意識できなければ良作は望めません。上の作品はこの夏、佐渡の大野亀で撮った夕刻のツーリング写真です。太陽が画面内にバッチリ入るド逆光ですが、狭いダイナミックレンジ、フレアやゴーストなどの光学的な反応、伸びる影の部分の構成などを意識して撮ってみました。明るい太陽の光、その影となる部分は暗く、この写真のように明るい所と暗い所の差があり印象的な表現となる写真を一般的にコントラストのある写真と呼びます。

逆光はダメ、太陽を撮ってはダメ、は完全に間違いですのでビギナーの方はこの機会にぜひ覚えてください。特にツーリング写真において逆光はドラマチックな写真が撮れる最高のシチュエーションであることを。

EOS6D Mark2

そこにどんな光があり被写体が光にどのように反応しているか?反射、吸収、透過…全ての被写体は光に反応を示していて、多くの場合でその様子は人間の目ではよく確認できないものです。

人間の目はなかなか優秀なAE(自動露出調整)機能が備わっていて少しでも暗くなれば眼球内でカメラの絞りのような機能が自動で開いて、明るく補正してその様子を脳に伝達します。暗がりでも少しすると目が慣れてきますよね。実際の様子を詳細に見るにはこれで不都合はないのですが、写真を撮るのに良い光を見つけるにはこの機能では明るすぎなのです。

EOS6D Mark2 EF35mmF2IS

見つけるのが難しい場合はカメラで-1/3~1段程度に露出を落として試し撮りしてみると確認しやすいです。そこにある仄かな光の一滴を見つけてみましょう。

光の使い方と影の処理はビギナー向けにはあまりに難解な解説になってしまうので、ここでは深くは触れません。露出で魅せるやり方は構図、フレーミングとも深く関係していてその理由を理解するのも難しいです。




そこにどんな光がどんな風に当たっているのか?それを写真にするならどのような表現手段として使うのか?といったことは写真を志す全ての人は長い長い時間をかけて学んでゆくものだと思います。

EOS6 mark2

つまり光と影を使った表現手法は究極の魅せ方と言って良いと思います。

写真に適した「いい光」を見つけるようになるには少しの時間を要します。私もビギナーの頃はこれを見つけることができず(そもそも知識もなかった)、いつも日中の太陽光で順光を使って鮮やかな風景写真を撮っていたものでした。鮮やかな風景写真とは青空は青、草木は緑、花はその花の実際の色を忠実に、彩度が高くて説明的な写真です。

しかし経験を重ねるごとに逆光や斜光などで多くの失敗写真を撮り、光と影の関係を少しずつに学んでいきました。今では光を生かしてこそ写真だと信念のようなものさえ芽生えてきたところです。




写真をはじめたばかりのビギナーの方は1.逆光で撮っても良い 2.影を意識して構図を作る 3.写せる光の範囲は限られている、この3つを知識としてもっていれば今は十分だと思います。キャリアを積んでいけばあるポイントで「あっそういうことか」と気付きを得る瞬間がきっとあると思います。

そういった小さな気付きを繰り返して「いい写真を撮るための光と影」を学んでいくのが私のお勧めのやり方です。

今回はちょっと難しい話でしたが写真に光と影は重要なので書いてみました。次回はもう少し応用しやすい魅せ方をご紹介いたします。

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