ツーリング写真の魅せ方シリーズ☆第2回<被写界深度で魅せる>

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究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回の投稿から写真ビギナーの方を対象にツーリング写真の魅せ方シリーズというの書いております。前回の第一回目は<露出で魅せる>を書いてみました。

露出とは出来上がる写真の明るさのこと。露出を決めるには撮影者のイメージ(こう撮りたいと想像すること)の写真が大事であること。必ずしも実際の明るさを再現する必要はない…といった事を解説してみました。

さて、第二回目の今回は露出繋がりで<被写界深度で魅せる>を解説してみたいと思います。露出繋がりで…と書いたのは被写界深度を調整する絞り機能とは露出を決めるための機能でもあるからです。




EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

絞りとは写真の世界ではよく耳にするワードですが写真ビギナーの方にとっては理解しにくい最初の難関ですよね。簡単に言ってしまうとレンズの中にある穴ポコのことで、穴を大きくしたり小さくしたり調整できる機械的な機能です。

露出の観点でみると穴を大きくする(絞りを開く)と光はたくさん取り入れられるので明るい写真に、逆に小さくする(絞りを絞る)と光は少しで暗い写真になります。

絞りには明るさの量を調整することとは別に、もう1つ重要な役割があります。それが被写界深度です。被写界深度とはカメラから見て奥行方向にピントが合う範囲を意味します。ピントが合っていない部分はボケるので、逆に言うとボケ具合の調整でもあります。

被写界深度の調整はどのようなシチュエーションで使うのか?というと特定の被写体(主に作品の主題となるもの)を浮き立たせるように見せる表現、または手前から遠景までシャープにすることで視覚的遠近感を狙うなどの表現手法として使います。

絞りを絞ると被写界深度は深く、逆に開くと被写界深度は浅くなって背景や前景はボケて写るようになります。女性モデルや子供さんの写真なんかでは絞りを開いて背景をボカすのが定番ですよね。

上の写真は北海道ツーリングで道北の稚咲内漁港から見た利尻富士の風景です。前景として赤い船を入れて望遠レンズで利尻富士を大きく引き寄せました。このようにバイクとカメラの間に別の被写体を入れて3レイヤー以上の構図を作った時、カメラに近い物ほどボケやすくなります。そして望遠レンズほどそれは顕著になります。

この場合は完全なパンフォーカス(全ての部分にピントが合っている表現)に近い深い深度を作って手前の船を表現したかったので絞り込んで撮ってみました。




EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

こちらはシチュエーションとしては先ほどの作例によく似ていますが絞りを開いた作例です。合焦点は遠景(富士山、コンテナ船、鳶)としてマニュアルフォーカスで無限遠に設定していますが、手前にあるR1200GS-ADVENTURE+ライダーについては存在感を落とす目的でボカしています。またボカしたことによる副産物として玉ボケと呼ばれるハイライトが美しく入りました。

絞りを開くのはこのように富士山とバイク、どちらが主役なのかを明確にするのに使える表現手法とも言えます。バイクをボカしたからこそ富士山などの遠景が美しく浮き立って見えるのですね。SNSなどでよく見かける平凡なツーリング写真とは富士山もバイクも存在感が等分されていて主題が明確化されていないものが多いと感じます。作品に意味を持たせ表現ができるか?できないか?正に明暗が分かれるポイントですね。

EOS6 mark2 + EF35mmF2 IS

もちろん絞りを開けばボケを得るだけでなくたくさんの光をカメラ内に取り込むことが出来ます。このような星景写真や夜景など、そもそも場の光が僅かしかないシーンにおいては絞り開放を選ぶのが一般的です。この場合、解放だけではまだまだ光量が不足するのでシャッターもスローシャッターにしISO感度も上げて撮っています。

絞り、シャッター速度、ISO感度の関係性についてはまた別の機会に詳細に解説いたします。




絞りを開いて背景をボカすのは一眼レフをはじめて買った人が誰でもやることですが、いつまでもボカしてばかりいないで深度を意識して表現してみましょう。

さて、ここまでの解説で気が付いた方も多いと思いますが解説の中で「〇〇だから△△した」という表現が度々出てきました。富士山の美しさを浮き立たせたいから絞りを開いて手前のバイクをボカした。紫陽花に当たる光の様子を表現したいからローキーな露出を選んだ。このように写真に意味を持たせるとは被写体や情景の特徴を受けて作者が感じたコトを何らかの表現手段に落とし込むことなのですね。

だから撮り方だけをいくら覚えても、その景色や被写体に作者の心が動かされていなければ具体的に何をしてよいのか途方に暮れてしまうものです。そこで惰性的にシャッターを切ればたちまち陳腐な写真を生んでしまいます。いくらカメラの性能がよくて高画質でもこれではダメです。音程やリズム感は抜群でも心がこもっていない歌は聞く人を感動させることはできませんよね。

まずは子供のように純粋に感動できる心の持ち主になりましょう。

まだまだ続きます。

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