はじめての一眼レフ☆レンズの選び方(後編)

前回よりツーリング写真に使う「はじめての一眼レフ レンズ選び」と題して一眼レフ用のレンズの選び方を解説しております。

前回の投稿はこちら

低倍率ズームか高倍率ズームか

ズームレンズを選ぶ場合、その守備範囲としている焦点距離をどこまでとするかが悩みどころですね。例えば16-35㎜といったら広角ズームレンズ、24-70㎜といった標準ズームレンズ、70-200㎜といったら望遠ズームレンズです。そして範囲が24-35㎜といった具合に狭い場合は低倍率ズームレンズ、18-400㎜といった具合に範囲が広ければ高倍率ズームレンズといいます。

風景主体のツーリング写真は広角レンズ

我々バイク乗りは持っていける機材ボリュームに限りがあります。何本も交換レンズを持っていったり重い望遠ズームレンズを持って行くのはかなり厳しいですよね。

そこで真っ先に気になるのが高倍率ズームレンズです。ワイドから望遠まで広い範囲をカバーでき高倍率ズームがあれば何本もレンズを持って行く必要がありません。レンズを交換する手間もありませんし比較的コンパクトで価格も安いときました。まさに良いことずくめですがそんな都合の良い話があるのでしょうか?




高倍率ズームレンズは望遠側の描写に弱点があり解放F値も暗いためビギナーの方が使えば容易にシャッター速度が落ちて手ブレ写真を生んだり、安易に超望遠側を使ってクオリティ面で問題が発生することが予想されます。また一眼レフらしいボケ具合も期待したほど得られないというのもあります。

高倍率ズームを得意としているのがTAMRONです。上の18-400㎜F3.5-6.3Diは私が知っている限りで理想的と言えそうな高倍率ズームレンズです。前述したような高倍率ズームレンズの弱点は大幅に改善されているようです。一度は使ってみたいなと思っていますがビギナーの方にはお勧めできません。

最初のお勧めは低倍率でも良いので24-70㎜くらいの標準ズーム、または24-105㎜くらいの範囲が良いと思います。その上で得意な(好きな)焦点距離だけ単焦点レンズを1本追加するのがお勧めです。

しかし乗っているオートバイがSSなど積載性に乏しい車種であったり、キャンプ道具などで他の荷物が多くなってしまう場合、やっぱりレンズは1本しか持って行けない、という人にとって高倍率ズームはメリットが大きいと思います。前述したようなデメリットを踏まえた上で使いこなすぞ、という覚悟のある方は良い選択肢になると思います。

明るいか暗いか

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

レンズ選びで忘れてはいけない重要なポイントは解放F値です。F値とは絞りのことですがレンズ選びで言うFとはそのレンズの解放、つまり穴ポコを最も大きくした状態がいかほどですか?という事です。例えばF1.8など数値が小さいほど口径が大きく明るいレンズです。開放F値は明るいほど優秀で歓迎すべきことですが、明るいレンズは価格が高く大きく、重くなるものです。特に望遠レンズで解放が明るいとなるとバイクで持って行くのも苦しいですし経済的にも庶民がおいそれと購入できる価格帯ではなくなってきます。

主にレンズ選びの時に解放F値を気にする場合とは夜景や星空の写真を撮りたい場合に明るさをレンズ口径でかせぎたい場合、背景や前景のボケ具合で主題を浮き立たせるように表現したい場合などです。上の作品はオオハンゴンソウの咲くツーリングのワンシーンですがこのレンズの解放F2.8を使ってバイクとその手前1mくらいにピント範囲を合わせています。他の部分を美しくボカすことで主題が魅力的に見えるように演出しています。

逆に言ってしまうと夜景や星空など撮る予定はない、ボケ具合で主題を演出なんて難しそうでまだいい…というビギナーの方にとっては解放F値など気にする必要がないとも言えます。




重いか軽いか

左:SIGMA35mmF1.4ART 右CANON EF35mmF2IS

レンズの重さ、またはレンズの大きさについては我々バイク乗りにとっては重要ですよね。カメラ本体についてはあまり小さすぎると私のように手が大きい人にとっては使いにくくなるものです。しかしレンズについては軽くて小さいほど歓迎すべきことです。

上の写真はどちらのレンズも35㎜の単焦点レンズですが大きさも重さもだいぶ異なります。左はSIGMAの35㎜F1.4DG ART 右はキャノン純正のEF35㎜F2ISです。キャノンの方が圧倒的に軽量コンパクトです。もちろん描写性能についてはSIGMAのARTラインを代表する名玉ですのでSIGMAが上ですがバイクツーリングで持って行くならキャノンの方が良いと言えますね。

EOS6D Mark2 + EF70-200F2.8L IS
望遠レンズは大きく重いのでバイクで持って行くのは無理が生じる

高いか安いか

レンズは高いです。私が15年くらい前に最初にEOS Kissを買った時、レンズを何にしようか?と調べたときにその値段の高さに驚きました。冗談ではなく0が一個違う!と感じたものです。高い安いは人によって感覚が違うとは思いますが例えばカメラ本体を10万円、ズームレンズが1本10万円、単焦点レンズ1本5万円というセットで合計25万円、それをバイクに積んでツーリング…やはり最初は抵抗がありますよね。

それに最初に投資しても「飽きて使わなくならないだろうか…」という心配もあります。実際に自分の好きなレンズというのが決まってくると、そうではないレンズは出番が減ります。最初はレンズに使う予算は10万円以内くらいが丁度良いと思います。

ある程度の経験を積むと自分の好みや撮りたい写真に具体性が出てきますので、それに応えられるものを追加する感じがお勧めです。

それと予算をおさえて良いレンズバリエーションを揃えるのに賢いやり方はSIGMAやTAMRONなどのサードパティー製レンズを買うことです。NikonやCanon純正よりも安いですし、最近はメーカー純正を陵駕する名玉も続々と登場しています。私はCanonユーザーですが所有レンズ6本のうちCanon純正が3本、SIGMAが2本、タムロンが1本です。

高級なレンズはその利点をビギナーではなかなか出せないのですが「良い物を所有しているからモチベーションが上がる!」という人はそれだけでも価値があると思います。それにカメラ本体と違ってレンズは滅多にモデルチェンジしないので、買い替えずに10年以上使うと考えれば最初の1回だけの投資という意味で経済的です。




メーカーのズームキット

入門機などではレンズがセットになっているお得な「ズームキット」が売っていますよね。例えばEOS KissだとEF-S18-55㎜とEF-S55-250㎜の2本が付いてくるダブルズームキットなんて物がありますね。メーカーがビギナーのために親切に設定した商品のように見えますが、売るだけ売ってズームの使い方を教えてあげない所が凄く不親切だなと感じます。これなら35㎜と85㎜のダブル単焦点キットでも作ればその方が絶対に上達するのですが、メーカーにとってユーザーの上達よりも「これは便利だ」と思わせて買ってもらう方が優先のようです。

欲しい画角を欲張って、そのすべてをズームでカバーすることで完璧なレンズバリエーションを揃えた気分になってしまうのが落とし穴です。最初は構図を作れるよく動く足を養うこと。28㎜ならこんな感じ、135㎜ならこんな感じで写るであろう、とイメージできる画角の感覚を養うこと。この2つが重要です。ズームレンズを装着しファインダーを覗きながらグルグルグルグル…をやってしまうと、この重要な2つが習得できずビギナーから脱することができないものです。これは是非、気を付けていただきたいと思うズームレンズの落とし穴です。

全てのレンズをズームレンズで揃えた人は気を付けてくださいね。

EOS6D Mark2 望遠レンズでS字を描く道路と矢羽を圧縮して表現

ツーリング写真におけるレンズ選び ~まとめ~

・広角は風景主体のツーリング写真用

・標準や中望遠は愛車の写真用

・望遠側はズームレンズを用意しよう

・広角から標準は得意な(好きな)画角が分かったら単焦点を1本追加。

・目的もなく高いレンズを買わない

以上、ツーリング写真&バイク写真におけるはじめての一眼レフ、レンズの選び方でした!!