誰も教えてくれない絞りの使い方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ツーリングに行かれていますか?私は今年に入ってからまだ1度も県外へツーリングに行けておりません。来月は志賀高原か裏磐梯あたりの涼しい所へキャンプツーリングに行きたいと思っております。

さて今回はカメラの絞りを調整することについてビギナー向けの解説を書いてみたいと思います。絞りと言えばレンズ内部にある穴ポコの大きさを変え、カメラ内に取り込む光量を調整できることですよね。表現手段としての効果はボケ具合、逆に言うとピントの合う範囲が調整できることです。これらはカメラの説明書にも書いてあるのでビギナーの皆さまもご存じですよね。

絞り込むとF値という数値は大きくなり穴ポコは小さくなる。するとピントの合う範囲は奥行方向に深くなりトレードオフとして取り入れる光量が減るのでシャッター速度が遅くなります。絞りを開くとその逆で背景や前景がボケやすくなるのですね。

しかし実際の撮影シーンで絞りをどのように使って良いか分からない人、何となく分かっているけど完全に理解しないまま写真を撮り続けている人は多いと思います。今回はツーリング写真において絞りを実践で応用できるよう作例を元に解説してみます。

 

EOS6D mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG C

毎度同じような事を書いてしまいますが「作品の主題はこれです」という事を最初に決めましょう。その上で「こんな風にみせたい」という空想の写真を脳内に描きます。これがないと絞りに限らずピント位置も構図もフレーミングも…何も決められないのです。

この作例は北海道のとある国道で撮ったものです。連続する矢羽(積雪時に路肩部分を指し示す雪国特有のもの)がどこまでも続く道ですが超望遠レンズで圧縮して間隔を詰めています。絞りはこのレンズの解放であるF6.3で撮っているのですがピント位置はR1200GSではなく道の先に合わせました。

ピント位置、ボケ具合、被写界深度(ピントの合う範囲)は主題へのアプローチとして機能させましょう。それと同時に主題を浮き立たせるよう演出に使うのが被写界深度のコントロールなのだ、とひとまず覚えてしまいましょう。

この作例の場合は道の先へ意味を持たせました。この撮影シーンでは車の途切れたオールクリアーの写真も撮りましたが、それではありきたりなので敢えて一般車が複数台入るカットを採用しています。その事で道の先には町や集落など人の営みがある地が待っているのだな…という事を見る側へ想像を誘います。「この道の先にはきっと…」が重要なのでピント位置は道の先、それを浮き立たせるため絞り開放で手前の方はボカしたのです。




EOS6D mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG C

うったえたい一つのモノ、コトを明快かつ魅力的に伝えるにはどうしたら良いか?見る側へそれを誘導してあげる何らかの手段が要求されるのですが、それが構図であったり今回ご紹介する絞りのコントロール(被写界深度のコントロール)といった手法なのですね。

この作例の場合は岩に砕ける波の様子が主題ですが、画角と撮影スペース(これ以上後ろに下がれない)の関係でR1200GSがけっこう大きく構図されてしまいました。この構図で絞ってしまうとバイクの存在感が強まって波の印象が際立ちません。

この撮影シーンも何枚もシャッターを切ったのですが、このカットだけは飛沫の様子が翼を広げたドラゴンのようでユニークだなと感じたので採用カットにしました。この作品の主題は岩に砕ける波の様子です。それが最も分かりやすく魅力的に見えるように絞りを選択しています。

遠景に船、岩に砕ける波、R1200GSで大まかに3レイヤーで構成された構図ですが意味を持たせたいのは「岩に砕ける波」なので合焦点は1ポイントでOKです。1ポイントの場合は簡単ですがもし別の意図を作ったとして波の様子とR1200GSの2ポイントにピントを合わせたい場合、両者の距離と選択しているレンズの焦点距離から絞りを決定させます。例えば波とR1200GSの間が15mくらいとしてレンズは200mmを選んでいたとします。その場合最低ほしい被写界深度を計算すると絞りはF11になります。そして重要なのはマニュアルフォーカスに設定してピーク位置を波とR1200GSの中間に置くことです。もっとも更に絞ればピーク位置は気にしなくても2ポイントにピントが合いますが、それでは砕ける飛沫を瞬間として止めるシャッター速度が得られませんし、遠景の船にまで合焦してしまいイメージ通りの写真になりません。




これは主題を浮き立たせるように見せているだけでなく、ボケそのものを演出に使っている例です。前景になっている枯草に夕陽の逆光が当たりキラキラとハイライトが入りました。絞りを開いてこのキラキラをボカすと一般に言われる玉ボケ、レモンボケという効果が得られます。

一眼レフをはじめて買った時、みんなやるヤツなので「これは知っている」という方も多いのではないでしょうか?ここでも先ほどと同様に玉ボケ自体がどうこうではなく、作品の主題(この場合は夕陽に輝くキャンプ地)を魅力的にするための演出手段であることを忘れずに使いましょう。「黄金のキラキラに包まれたキャンプ地」といった具合に表現を言語化しても良いと思います。

玉ボケは人物の背景に使うと効果的ですがツーリング写真の場合はバイクの各パーツに入ったハイライトをボカすと面白い演出になります。




はじめて一眼レフを買って最初に写真を撮るときに、ビギナーの方が途方に暮れてしまう絞り。奥行方向に並べた鉛筆などを作例に絞りを変えると深度が変化する様子はネットやハウツー本によく載っているので知識としては理解できた。しかし実際の撮影で応用できない。結局、Pモードのままいつも撮っている、あるいは適当に絞りを設定している…なんて方も多かったのではないでしょうか?

知識は自分の撮る写真に応用するときに思考しないといけません。思考ばかりは他者を頼ることなく自分でしか出来ない事です。今回ご紹介した3つの例はほんの一部にすぎず、その他にも絞り、深度をコントロールすることで様々な見せ方があると思います。大切なのは最初に「撮りたい写真のイメージ」を想像することです。そのイメージは言ってみれば完成予想図であり、それを実現させる手段として相応しいのは絞りなのか露出なのか構図なのか?を探ってみましょう。

想像と思考をなくして良い写真は実現しません。

今回はこの辺で!!

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バカ売れしている噂のカメラ SIGMA fpを見てきた感想

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、当ブログはバイク写真&ツーリング写真をARTとして表現するためのあらゆることを綴ったバイク写真ブログですが、今回はカメラの話題を書いてみたいと思います。

日本は世界的に見て優秀なカメラメーカーがいくつも存在するカメラ先進国であることは皆さまもご存じですよね。もうだいぶ昔からそのような地位を確立している日本。しかし近年ではカメラの売れ行きはひと昔前ほど活況ではなく、いくつかのメーカーは統合を強いられて業態を変えてきました。

日本最古の光学機メーカーであるコニカと2番目に古いミノルタは統合されてコニカミノルタへ。そして2006年にはカメラ事業から撤退してαマウントなどのノウハウをSONYへ譲渡。そして2011年にはRICOHがPENTAXを買収。デジタルカメラが生まれて活況した90年代はSANYOやCASIOなど光学機器メーカーではないメーカーもカメラを作っていましたがSANYOは2009年にパナソニックの子会社となりブランドは事実上消滅、CASIOは2018年にデジタルカメラ事業から撤退。そして先日の衝撃的なニュースはOlympusがカメラ、映像事業を投資会社に譲渡してしまうとの事でした。

そんな過渡期を揺らぐことなく乗り越えたのが業界の二強であるNikonとCanonですが、昨年の某大手量販店の売り上げランキング10の中にNikonとCanonの製品が1つもランクインしないという珍事が発生しました。そして1位に君臨していたのはサードパティーレンズメーカーの印象が強いSIGMAのfpというカメラだったのです。

SIGMA fp  このオプションのグリップは斬新。

新しいカメラに関心のない私ですが大好きなSIGMAが1位になったとあれば何となく気になります。なぜそんなにSIGMA fp はバカ売れしているのでしょうか?




このカメラはフルサイズセンサーを搭載したレンズ交換式のミラーレスカメラです。潔くファインダーやストロボを排してシンプルな四角い筐体はとにかく小さい。こんなに小さいと150-600㎜といった望遠レンズを装着したらカメラがオマケみたいに見えます。

SIGMAのカメラと聞くと真っ先にイメージに浮かぶのはFoveonセンサーという超高性能なイメージセンサーですがSIGMA fpは通常のベイヤー配列のセンサーが採用されています。これについてはSIGMAの方では2020年中に発売の予定ではあったが諸々の事情で製品化が遅れてしまうとのことです。いつか登場するのは間違いないようですね。

そしてレンズマウントはLマウントといってライカ社と互換するマウントを搭載しています。Lマウントは現在のところライカ、パナソニック、SIGMAで共有しミラーレスカメラ市場を戦っていく方針のようです。SIGMA fp にライカのオールドレンズとか付けたら面白そうですね。

WEBカメラ、ジンバル、ドローンなど多彩な用途を想定

このSIGMA fpというカメラを一言で言うと拡張性の高いカメラとなるようです。例えば今が旬なリモートワーク、WEB会議、オンライン飲み会といったWEBカメラとして使用できること。WEBカメラにシネマクラスの動画クオリティーが果たしているのか?という疑問が出てくるのは想像力が足りません。そういう使い方がこれからの時代は出てくるのだ…という事ですね。

それからジンバルに装着して動画撮影、ドローンを使って空撮、他にもたくさんありますが高い拡張性を生かして撮影の幅を広げていくことができるカメラなのだそうです。

ボディだけで見るとコンデジ級に小さく、それでいて高画質なフルサイズセンサー。カメラの心臓部分だけをレンズにくっつけて、後は必要なものは使う人が色々工夫してくださいね。そんな感じでしょうか。そして何も要らない人には恐ろしく小さいフルサイズカメラとなるのですね。

お店で実機を見る機会があったのじっくり見てきました。やっぱりかなり小さいですね。この標準レンズを付けた状態では似たようなカメラも他にあるよな…などと感じますが、これでフルサイズ機、ライカLマウントと聞けば「むむ!」と思ってしまいます。




シャッターボタン等の操作系はかなり使いやすいです。以前にSONY RX100というコンデジを愛用していましたが、私の場合は手が大きいのでRX100の小さすぎる操作ダイアルがストレスでした。しかしSIGMA fp にはそのようなストレスは感じません。

モニターの裏に溝のようなものが見えますが放熱のためのヒートシンクだそうです。一瞬、バリアングルモニターなのかな?と思いましたがモニターは固定式です。

手に持っているだけで新しい表現の世界を予感する…そんなカメラです。

カメラとはカタログの最初に書いてある概要欄でその主たるコンセプトが分かります。SIGMA fp の場合は拡張性だけでなく「ポケッタブル・フルフレーム」とありますので、やはりフルサイズ機がこの小ささに収まっていることはSIGMA fp の幹となるコンセプトの1つなのでしょう。

多彩なアクセサリーをつければあらゆる用途に対応し、それらを外せば驚異的にコンパクトになる。コンパクトであることはいつでも気軽に持ち歩ける訳で、これが撮る側にとってどれだけ奥深く大切なことか…ベテランほどよく理解していると思います。




数年に一度くらいですが自分が持っている撮影機材のボリュームに嫌気がさすときがあります。重い望遠ズームレンズ、一眼レフボディ、その重さに対応した三脚。決して写真が嫌になった訳ではなく以前と変わらず「いい写真が撮りたい」と願っているにも関わらず…です。

この理由は何となく分かります。私の場合は写真と旅はセットになっていて【旅は身軽】が基本ですから重い撮影機材は良い旅の足かせになるのですね。まあ、以前から分かってはいるのですが例えば道を超望遠で圧縮したり、コクピット風景を両腕が画面内に入るよう超広角で撮ったりと、撮りたい写真の範囲が広いので仕方がないのですが。

これはRICOH GRで撮りました。

芸術作品を生み出す作家になるときも、ちょっとした記録や記念を撮る時も、仕事やプライベートでWEBカメラとして使っても、動画と静止画という垣根も下げて多彩にビジュアルアートを作っていく楽しみ。それが1つのカメラで出来るなんていいですね。

我々バイク乗りにとってツーリングで持っていける撮影機材の質量は限られている…という事は究極のツーリング写真で何度も触れてきましたが、SIGMA fp はこの軽量コンパクトさでフルサイズと高い描写性能が実現される訳です。当然、カメラが軽量コンパクトであれば、それを乗せる三脚だって軽量なトラベラータイプでも問題なく使える訳です。

SIGMA fp …これからバイク写真、ツーリング写真において本格的に写真をはじめてみたいなとお考えの方にお勧めできるカメラと言えそうです。私ですか?確かにこのSIGMA fp は魅力ですがもうしばらくしてFoveonセンサー搭載のモデルが登場し、その後に中古市場が落ちついたら検討したいと思います。まだまだ先の話ですけどね。

それに今でも光学ファインダーを搭載したカメラが好きですので。

今回はこの辺で!!

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バイク写真の構図☆基本中の基本☆徹底マスター

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、最近ニュースを見ているとオートバイの事故が多いようですね。多くは車との接触事故やバイク側のスピードの出し過ぎが原因のように見受けます。特に車との交差点での接触事故、いわゆる右直事故が目立ちますね。

ドライバーから見てバイクは小さく見えるので距離感や接近スピードを見誤ることが多くタイミングを間違えて右折してくるケースはよくあります。本来ならドライバー側にバイクに対する意識をもっと高くもってほしいのですが、他者に期待しても仕方がありません。我々ライダー側が「あの車は曲がってくるかも」と常に疑うようにしましょう。

それとバイクのウインカーの消し忘れも危険ですので気を付けましょうね。ウインカーが付けっぱなしだと本人は直進のつもりでも対向車から見れば「あのバイクは曲がるのか」と誤認させますので大変危険です。R1200GSの場合は約100mで自動で消えますが。




さて今回の<初級>ツーリング写真解説ではバイク写真の基本の基本、三分割構図をもう一度おさらいしてみたいと思います。

地平線をグリッド線に、ライダー+バイクを交点に置いた三分割構図

三分割構図と言えば写真の世界では超有名な基本ですので多くの方がご存じだと思います。このように三分割されたグリッド線に準じて被写体や景色を構図していく手法ですね。以前から何度も書いていますが構図とは被写体や情景が写真と言う二次元の画になったとき、現実の様子が線形となって印象や視線誘導として機能するものです。そして観賞者を作品の主題へ導くよう案内図のように機能すべきものですが、ビギナーの方には難しいところですよね。

構図に限らずデザインやフレーミングも同様ですが作品の核心ではなくあくまで基礎工事のようなものです。確かに重要だけど最重要ではない…しかし知識も応用力も持っておいた方が良い、それが構図です。

さて有名な三分割構図ですが皆さまは使えていますでしょうか?三分割構図の使い方は1.交点に被写体を置く 2.水平線や建物等の境界をグリッド線に合わせる 3.グリッドのマス目を面として使う 4.これらを複合的に組み合わせて使う 5.日の丸構図や三角構図など他の構図と組み合わせる といった使い方があります。もちろん「この写真では三分割構図は使わない」という選択肢を選ぶときも三分割構図の知識を持っていないと出来ないものです。

では三分割構図の知識とは何ぞや?といいますと単純に言ってしまえば奇数の魔力です。2等分はダメだけど3等分は美しい。5や7も美しい。この奇数がもたらす美的バランスの神秘です。

なぜそうなのか?は私も分かりません。人間のDNAやオウムガイの断面に1:1.618の黄金比であるフィボナッチ数列スパイラルが存在しているのと同様に比率は生命の神秘に通ずるものがあるのです。この写真のように2等分すべき正当な理由なく2等分してしまうと、誰の目にも美しいとは感じられない陳腐な写真に陥るのです。




「正当な理由なく」と書きましたが1:1が絶対にダメな訳ではなく例えば双子の赤ちゃんとか富士山のようなシンメトリーな被写体、とにかく等しいということを表現したいときは1:1が有効です。しかしバイク写真、ツーリング写真ではあまりこういった場面はありません。

面でも交点でも背景と被写体の割合でも、とにかく1:1は避けるべし!とひとまず覚えておきましょう。少しずらすのが美しい…何をするにも1/3単位で…これが多くの芸術での基本になっているのです。

これは右下の交点にR1200GSを配置した三分割構図です。「ちょっと左にずれてない?」とお気づきの人も多いと思います。ここではR1200GSのド真ん中に交点を持ってくるのではありません。ド真ん中に交点を置いたらR1200GSに対して交点の位置が1:1になってしまうのです。ここでも3分割を意識して交点の位置を決めます。(小さな被写体でしたらド真ん中でも大丈夫ですが)

三分割構図に準じるとは逆に言うとあらゆる部分で1:1という等分を避けるという考え方です。背景とバイクの割合を等分にしない、船とバイクの存在感を等分にしない。比率の世界では1に黄金比 1:1.618(5/8)、2に白銀比 1:1.4142(√2)、次いで青銅比や第二黄金比などがありますが、ここでは簡単に考えておよそ1:1.5、つまり三分割は正義なのだな!と覚えてしまいましょう。

この作例では前景の船体を下の分割線、マストを右の垂直分割線、R1200GS+ライダーの位置を左上の交点に合わせた三分割構図です。このように複数のポイントで使用することであからさま三分割構図を回避して写真の構造を暗号化することができます。

もちろんこの位置に合わせるのはピンポイントなアングルを探る必要があるので精度よく動くことや画角の感覚をしっかり身に付ける必要があります。ビギナーの方はいつか挑戦してみてくださいね。




最初にご紹介した悪い例の1:1の写真はSNSなどを見ていると結構よく見かけます。一方で「これは三分割構図を上手に使った写真だな」と思える写真は驚くほど少ないと思います。三分割構図がこれほどまでに有名なのに一体なぜ…その根底には情報化が進んだ現代社会にもあると思います。

「写真の上手な構図」と検索をかければ三分割構図や日の丸構図などの使い方が星の数ほどヒットします。現代の多くの人は必要な情報、困ったことをネットで検索し情報を得ようとします。しかし「なるほど三分割構図ね」と知識をつけたつもりでも自分で考えて応用しなければ実りません。知識だけで終わらせず考えて苦しんで感覚で覚えて、そして理解できればようやく習得になると思います。

自力で理解して習得すると選択肢が増えます。今回の三分割構図であれば線や交点の使い方だけでなく「三分割構図を今は使わない」という選択にも理由を持てるようになります。もちろん三分割構図に限らずデザインやフレーミング、露出やホワイトバランスも全てそうです。ネットで調べた知識をきっかけにするのは悪い事ではありませんが、それを元に自分で考え試行錯誤し理解につながったときに初めて習得です。

毎度偉そうに書いてしまいますが本当の意味での習得を目指してぜひ知識だけでなく「自分で考える」を意識してみてくださいね。

基本中の基本 三分割構図の解説でした!!

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ツーリング小説「おぼろ月の海」

 「おぼろ月の海」

2010年5月

H氏は御年65歳でまっ黄色のハーレーダビッドソン ロードキング、通称ローキンを愛車にしている。いつもはじけるような笑顔で大きな声で話す。口癖は「世界はデカいぞ!!!」だ。

現役時代は大手電機メーカーでアメリカに赴任していたそうだ。その輝かしい昔話を何度も聞かされていたが不思議と「この人の話はおもしろい」といつも感じていた。全く同じ内容の話でも飽きずに聞けるのは話す時の表情が子供のように無邪気で好感がもてるからだ。

最初にH氏が私の職場に来たのは1月頃で防犯アラームの警報音が小さすぎる、不良品だから交換しろ。というクレームだった。アラームが装着されたローキンを見させてもらったが原因は何てことのない、サイレンが分厚い金属製のバッテリーボックス内に収納されていたので外部に警報音が共鳴していなかったのだ。

クレームは顧客の訴えに耳をよく傾け親身になって対応すれば大抵は解決に至る。まれに「誠意をみせろや」「どないすんねん」といった強請に近いクレーマーが存在するが、その場合でもバイク業界ならではの効果的な解決策がある。それは客の愛車を徹底的に褒めちぎるのだ。以前に電話口で1時間以上にわたり怒鳴り散らしていたタチの悪いクレーマーがいたが、その愛車であるZ400FXについて「FXの名は航空自衛隊の戦闘機Fighter-eXperimentalから由来しているのですよね!」とこちらが明るくバイク談議に持ち込めば「よく知っとるね、Zが好きなんか?」と嘘のようにクレームが鎮火したものだった。

H氏も同様に最初はアラームが悪いの一点張りで「金を返せ」「どうしてくれんだ」とわめき散らしていたが黄色いローキンは珍しいとか、これでどこまで走りに行った?とかバイク談議に持ち込んで和ませたものだ。

問題が解決すると話好きのH氏は私の会社の駐車場で長話をはじめた。聞くとバイク歴はベテランという訳ではなく免許を取得したのは2年前だとか。65歳で引退して余暇を楽しむための趣味なのだとか。バイクはアメリカで見たローキンのかっこよさに惚れ他に選択肢はなく黄色のローキンを指名買いだったそうだ。私は内心「ハーレーはバイク乗りの行きつく先と言われる。中型や国産車などを乗り次いで最後にローキンなら分かるが…」と思ってしまった。

「僕はね地元のツーリングクラブに所属していたんだけどペースは遅いしワガママは言うし、おまけに集合時間にいつも遅刻するからついにクラブを出入り禁止になっちゃったんだよ」と。確かにかなりクセの強そうな性格なのでツーリングクラブなんて団体行動は無理だろう…と言いそうになってしまった。

後になって後悔したがここでH氏の長話を聞きすぎてしまったのが失敗だった。それから数週間後、H氏は私の会社へ不定期に用もなくやってきては世間話を1時間ほどして帰っていくようになった。話はルート66やグランドキャニオンの風景が大好きだとかイエローストーン国立公園は死ぬまでに一度は行った方がいいとか、もっぱらアメリカの話だったがどれも面白い話だった。

「仕事の邪魔して悪かったね」と言って黄色いローキンのエキゾースト音(といっても高年式ハーレーなので静か)を響かせてアメリカ風に走り去った。…完全にヒマなおじさんの話し相手にされている。しかし不思議なことに年齢は私の父と同じくらい離れているのに友情のような感覚が芽生えてきた。

「こんどツーリングに行こうよ!僕はもう茨城の風景は飽きているから房州がいいな。立澤君、千葉の道なら詳しいだろ?先導して素晴らしいツーリングをエスコートしておくれよ」

うわぁ~めんどくさい事になった。H氏は決して嫌いではないが一緒にツーリングだけは勘弁してほしい。私はソロツーリング派でマスツーリングは大の苦手。2台でもよほど気の合う同士でなければ一緒に走る事はまずない。自他共に認める単独行動派である。長距離でも休憩は少な目だし峠ではペースが上がる。果たしてH氏のローキンと私のR1200GSが一緒に走れるのだろうか。

結局、H氏の強引さに負けて断ることもできず、渋々南房総へツーリングに出かけることになった。「月の砂漠ってところがあるんだろ?素敵な名前だね、そこ行ったみたい」確かに月の砂漠は御宿にある有名な観光スポットだ。しかし砂浜にラクダの像があるだけの場所だけど、まあいい…。




当日、H氏は期待を裏切らず30分も遅刻して約束のコンビニに現れた。「いやぁ~ごめんごめん、これでも僕にしては早く着いたほうだよ。BMWもいいね。僕には足が届かないから無理だけどね」遅刻の上にここで長話が始まるのか…と一瞬嫌な予感がしたが意外とすぐに出発となった。

コンビニの駐車場から普通に道路を左に出た、ミラーで黄色いローキンを見ると左に小回りができないようで派手に反対車線にはみ出してヨロヨロとふらついて走り始めるH氏。「おいおい、大丈夫かなぁ」

後ろの様子に注意しながらいつもの60%くらいのペースで走る。自分も仕事の関係でハーレーのクルーザーなら何度か運転したことがある。ビッグツインの強大なトルクで重い車体をぐんぐん前に押し進めるのは実に頼もしい。その反面、コーナーでは意図的に控えたスピードを作らないとステップボードを擦ってしまう。ローキンの走りをよくイメージしてR1200GSに通常とは全く違う走らせ方をさせた。

30分ほど走ったところで信号待ちで「そろそろ休憩にしようよ」とH氏が言った。内心「えっもう休憩すんのか!」と思ったが人生の先輩に従う以外にはない。今日はそういう日なのだ。そこからさらに30分ほど走るとこんどは「ガソリン入れたい」と言い始めた。「入れてから来いよな!」と内心思ったがガマンだ。そんなペースなので月の砂漠のある御宿までまだ数十キロはあろうかという場所で13時を過ぎてしまった。

「この辺で昼食にしようか?」こちらも空腹感を覚えたのでこれには賛同できた。しかし心当たりのある食事処は現在地点の近くにはない。どうしたものか…

「海沿いの国道に出たらホテルがあるからそこで食べようよ。今日はせっかくだから僕がご馳走するからさ。遠慮せずに好きなもん食べてよ」えっ??ホテル?まさかツーリングでホテルで昼食なんて考えたこともなかった。テレビでCMしている立派な観光ホテルの1Fでライディングジャケットを着た中年男と高年男が2人して優雅に食事だ。「一人だったら絶対にやらんな」と思ったがH氏の好意を素直に受け入れることにした。

ホテルの昼食はゴージャスで大満足であったが軽く1時間半はロスッた。いつもの定食屋なら30~40分程度で済んでしまうのだが。今日はそういう日なのだ。近いはずの御宿がやたら遠く感じる。

メキシコ記念塔に着いた。御宿町の外れにある高台からの海岸風景は絶景である。 「眺めだけでなく静かなのがいいね」H氏のその一言に私は一瞬ドキッとした。この場所は私が16歳の時にはじめて後ろに女の子を乗せてツーリングに来た場所だ。その時の彼女の「眺めだけじゃなくて静かなのがいいね」と言った言葉が20年経った現在でも記憶に残っていて、H氏の一言で記憶風景がフラッシュバックしたのだ。

「この近くに小浦という秘境感ある海岸があるからそこもご案内しますよ」

小浦は県外の観光客はまず知らない超穴場の海岸だが15分ほど足場の悪い海岸沿いをトレッキングする必要がある。黄色いローキンとR1200GSを路肩に停めて小浦海岸へアプローチする獣道を2人で歩く。途中、ワイルドな素掘り隧道を通過したが中が真っ暗で不気味であり「一人だったら絶対に来ないな…」とH氏がつぶやいた。さっきホテルで私が心の中でつぶやいた一言と全く同じセリフだった。

ぬかるんだ道、腰まで伸びた草、岩場を抜けて白く輝く海岸が見えてきた。「おぉ~」と歓喜の声を漏らした瞬間、H氏は湿った岩場で足を滑らせた。幸い怪我はなかったが1mほど落ち込んだすり鉢状の窪みにはまってしまい、私が上から手を差し伸べて救出した。ガシッと強く握ったH氏の手の感触に言葉にできない何かを感じた。

「カッコ悪いとこ見せちゃったなぁ」




誰もいない秘境の小浦海岸の景色を堪能するともう日が暮れてきてしまった。少し急いで戻らないと月の砂漠に着くころには陽が沈んでしまいそうだ。といっても急がせれば別のトラブルを招く可能性があるので焦る様子を見せずにバイクの場所へ戻る。

夕暮れのビーチを横目に不思議な感覚に襲われてR1200GSを走らせていた。一体、俺は何をしているんだろう?もう月の砂漠を見たらそこで解散で1人で帰ろうかな…

月の砂漠に到着すると残念なことに日は沈んだ後だった。ここで綺麗な夕空を見たかったけど、旅はそう期待通りにいくもんじゃない。しかし太陽が沈んだ後のマジックアワーが軽く衝撃を受けるほど美しかった。

加藤まさをが作詞した童謡「月の砂漠」はまさにこんな風景がイメージなのだろうか。地平のアンバーは空へ向かうにつれてマゼンタに染まる。この美しい空間に王子と姫が乗ったラクダの銅像がいるだけで御宿の海岸を御伽噺の世界に染め上げた。

二人ともそのあまりに美しい光景に言葉も無く砂浜に立ちすくんだ。やがて空の表情が変化し始めるとH氏は「この空をいつまでも見ていたい。ほら、あそこに満月が出ているだろう?俺がアメリカで見た月のようにデカい。いや…デカく感じるだけかもしれんが、月が輝きを放つまでここに居たいんだ。遅くなっちゃうけど付き合ってくれるかい?」

私の地元である千葉の良く知っているこの海岸が、このような美しい景色を見せてくれることに驚きと感動を覚え、つい先ほどまで「もう帰りたい」と感じていたのはどこかに吹き飛んでいた。「もちろんいいですよ、僕ケースの中にキャンプ用のイスがあるので持ってきます」

「俺もローキンのケースにキャンプのイス持ってきたよ」とH氏。

驚いたことに私とH氏のキャンプチェアーは生地の柄まで同じのお揃いのチェアーであった。「今回の旅、僕とHさんの唯一の共通点はこのイスでしたね」後になって考えると失礼だったかなと反省したが、その場では「確かにその通りだ!」とH氏はいつも通り大きな声で笑ってくれた。

やさしい人だ。素直にそう思った。




誰もいない黄昏時の海岸に30男と60男が2人。イスを並べて空を見上げる。この時、何を話したのか覚えていないがあっと言う間に空は暗闇に包まれて月が美しく、おぼろに輝き始めた。

「春宵一刻値千金…ですね」と私が言った刹那。どこからともなく蝶がやってきて2人の見上げる夜空に消えた。

「大原や蝶の出て舞ふ朧月」とH氏が言った。参りました…30近い年の差。年季の入った男と未熟な男の差を垣間見た。ついさっきまでバイクに関しては自分の方が先輩…といった風を吹かせていたのが急に恥ずかしくなった。

やがて満月の光は次第に強さを増し、春の凪の海に一本の光の筋を落とした。

 

~END~

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  あとがき

10年前、私がバイク用品メーカーに勤務していた頃に本当にH氏のようなお客さんがいました。H氏に関わるエピソードはほぼノンフィクションですが実際には一緒にツーリングに行く機会はありませんでした。後になって元同僚に聞いた話なのですが私が退職した後も何度もやってきて私の連絡先を聞いていたそうです。どうしても一緒に千葉をツーリングしたかったのだと。それを聞いて一度くらいは一緒にツーリングに行けば良かったな…と本当に後悔していまます。そんな想いから、もしあの時にH氏と一緒に房総をツーリングしたら、きっとこんな素敵なツーリングになっただろうな、というStoryを書いてみました。

~関連投稿~

・旅人たちの子守歌

 

・小さな海岸

 

走りながら偶然をキャッチする奇跡のツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、だいぶ蒸し暑くなってきましたね。バイクウェアー、キャンプ道具などクローゼットや押し入れに仕舞ったままにするとカビが生えやすい季節です。定期的に出して天気の良い日に太陽に当ててカビを防ぎましょうね。





さて今回の究極のツーリング写真ではバイク走行写真(コクピット風景)の写真を作例に偶然をキャッチするセンスについて書いてみたいと思います。偶然をキャッチするセンスといっても偶然は偶然なのですからセンスも何もないですよね…。ここでは複数カットの内の本来は捨ててしまうような予定外のものが写った写真から「いや、まてよ…コレはコレで有りかも!」と採用カットにしてしまうセンスについて触れてみたいと思います。

バイク走行写真というと走っているバイクを他の誰かが撮る写真と、自分が運転している時に見ているコクピット風景の2つがあります。コクピット風景は私も大好きでよくやります。

以前も書いたことがありますがコクピット風景は安全運転であることを強くアピールしたいですね。片手運転やスピードの出し過ぎがないことが写真からよく分かるように心がけております。

今回はコクピット風景の撮り方については詳しくは触れませんが、簡単に書き留めておきますとカメラはストラップを最短に調整し首から下げる、シャッターはインターバルタイマーを使用する、シャッター速度は1/40程度と遅くして風景を流す、といった感じです。

今回ご紹介する作例のようにタンク周辺からライダーの両手までしっかり画面内に入れるとなると、フルサイズ一眼レフで14mm程度のワイドレンズが必要になります。今回はSIGMAの12-24㎜F4.5-5.6DGという超ワイドズームレンズを使用しました。




さて、今回のツーリング写真解説の本題である「偶然をキャッチするセンス・・」のお話です。コクピット風景の場合は特に予定外の被写体が登場して撮影者を楽しませてくれるものです。

つい写真をやっていると「余計なモノを入れない」「邪魔なものは排除する」とイメージ通りのオールクリアーに固執してしまうものです。しかし本当に余計なモノかどうかは再考する余地があると思います。今回の作例は南房総の人気ツーリングルートである房総フラワーラインですが、キャンピングカーやコンテナが並んでいる所を通過した瞬間にこのような写真になりました。コンテナに書かれている「Lucky’S」の文字が綺麗に左上のスペースに収まりました。

写真に写った文字とは不思議な効果があるものです。日本語であれば自然と読んでしまいますし外国語が書かれていればオシャレな雰囲気になります。これを見た時にサーフトリップ系の雑誌カットを連想したのでプリセットもその雰囲気に近いものを選んでみました。

しかし今回の撮影シーンで私が最も気に入った1枚はこれです。対向車線から来る白い軽バンとすれ違う瞬間を捉えた写真です。これもまた先ほどと同様に今度は右上のスペースに綺麗に収まってくれました。まさに奇跡ですね。

本来、こういったシーンでは他車が1つも存在していないオールクリアーを狙いたい所です。その方が風景の最果て感や道の存在感が際立ちますからね。しかし実際には道路は自分だけの舞台セットではありませんから対向車も来ます。帰宅して写真セレクト作業をしている時に、イメージには存在していなかった他車が写っているからといって有無を言わさずボツにするのは少し勿体ないです。

この対向車線からやってきた白い軽バンは地元の素朴な雰囲気を象徴しているみたいで個人的にとても気に入りました。これがもし赤いフェラーリや厳ついミニバンだったらこのような素朴な雰囲気にはならなかったと思います。この軽バンだからこそ出せる雰囲気なのですよね。




今回は走行写真(コクピット風景)としての偶然をモノにするセンスについて書きましたが、これは普通の風景写真でも同様です。当初のイメージにはなかった予期せぬキャストは必ずしも邪魔扱いすべきとは限りません。あっこれもアリかも!と思えばラッキーな1枚を実現できるかもしれませんよ。

今回はこの辺で!!

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写真が上達する【ぶっちゃけ〇〇】講座

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、上達や進化を実感して写真をやられていますでしょうか?何年もやっているけど以前と変わり映えない…上達したいけど出来ない…こんなお悩みをお持ちではありませんか?

上達や進化を実感できないと、当然ですがおもしろくないものです。通勤途中に咲いているアジサイを「きれいだな!」と思って撮ってみても、ストレージ内には去年も一昨年も全く同じような写真が…これでは面白くないですよね。継続は力なりなんて言いますが継続の秘訣は日々進化を追求しそれを実感できた瞬間に感じる遣り甲斐だと思います。

今回はビギナーの方を対象に写真が上達するための具体的な要素を箇条書きで【ぶっちゃけ】で書いてみたいと思います。




・肉体的な上達

これは写真の場合はあまり多くはないと思うのですが技能的な面での上達のことです。カメラをしっかりホールドし軸足を意識してブレない姿勢を作る。シャッターボタンは指の腹でゆっくり押し込むように押す。ファインダー内で水平や垂直をグリッド線に頼らず精度よく出す。といったことが技能面での上達になります。

たとえばこういったシーン。日中でも光量が乏しく且つ絞り込んで深度を確保したいとき。無情にもシャッター速度は低下してビギナーでは容易くブレ写真を生んでしまいます。

拡大するとよく分かるブレ写真

ブレ写真に関わらず主に覚えていただきたい重要なことは3つです。1つ目はこういった時にシャッター速度が遅くなってブレ写真になりやすい、という知識を持つこと。2つめは三脚にカメラを固定する、無ければISO感度を上げるなど策を講じる手段を身に付けること。3つめは少々シャッターが遅くても手ブレなどしない技術を身に付けること。知識、手段、技術の3つです。どれかが欠けていたり1つだけが突出していたりしないようバランスよく学びましょう。

肉体的な技術の習得という意味ではこれもそうです。水平線を完璧に水平にする、あるいは建物の境界など垂直線を完璧に垂直にして撮る技術です。まず写真において水平線や垂直線が存在した場合の扱いを知識として習得すること。水平が何らかの理由で精度よく出せない場合の策を講じること。水準器などに頼らず感覚だけで完璧な水平を出せるよう技術を習得すること。

誤解のないように付け加えておきますが写真において必ず水平や垂直を完全に出しましょうという意味ではありません。画面と言う長方形の四角内において真の安定(または意図的に作った不安定)を再現するための「感覚的なデザインの水平」ですね。もちろん海岸や塔などがある風景でそれ自体の水平や垂直に意味を持たせる場合は、本当に水平垂直をビシっと出す必要もありますが。

これら肉体的な技能面の上達はとにかく数を練習する以外にありません。ピアノやゴルフが上達するにはどうしたら良いか?と聞かれれば「練習しましょう」となるのと同様です。

・気付きの繰り返し

失敗やうまくいった例を元に「あっそうゆうコトか」と自分で気が付くことを繰り返して上達していきます。いくらネットで情報を仕入れても所詮は体験したことには適わないものです。実際に自分でやって体験してはじめて経験値となり、やがて上達するのだと思います。

たとえば三分割構図だったら、三分割構図にしたかったけど出来なかった写真、三分割構図の交点で撮れた写真、三分割構図のグリッド面で撮れた写真…そして三分割構図など使わなければよかったと後悔する写真。これらを何度も実際に撮ってはじめて習得したと言えると思います。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

ツーリングを終えて帰宅して写真を仕上げているとき、あるいは写真を撮ってから何年も経ったときなど。写真を見返して後で気が付くことはよくあります。「あっそうゆうことか」と。自分が撮った写真を見返す時間は特別な時間です。もし自分が過去に撮った写真など見たくもない…という方がおられましたら、それは問題です。自分が好きなことを好きなように撮っていなかった、あるいは自分と言う人間が嫌い…という事ではないでしょうか。

私はかつてメーカーに勤務していたとき、カタログに掲載する製品の写真をよく撮っていましたが、そういった「仕方なく撮っていた…」という写真を今になって見返したいとは思いません。しかし15年前のツーリングで撮った下手な写真でも今になって見返すと特別な1枚に感じるものです。

写真って人に見せて感動を…なんて言う芸術なのかもしれませんが、ぶっちゃけ極論を言ってしまうと自分のために撮っているのですよね。だから自分の好きなように撮って下手でもいいので大好きな自分の写真をコレクションしていきましょう。それを見返す素敵な時間の中で「あっそうゆうことか」という気づきになり次の写真へ繋がるものです。




・失敗の検証

明らかな失敗写真を撮ってしまったとき、誰だってその写真をもう見たいとは思わないですよね。すぐ削除です…。

しかしビギナーの方はご自身が撮ってしまった失敗写真も大切な教科書です。何年かして見ると考えも変化する場合もありますし、念のため失敗写真もストレージに保存しておきましょう。そしてうまく撮れなかった苦い経験は次の撮影で必ず生きてきます。もうあの時のような失敗はしないぞ、と。

たとえばこんな平凡なツーリング記念写真を撮ってしまったとします。帰ってからでいいので何がどうイマイチなのか自分が先生になったつもりで分析してみましょう。何度も自問して苦しんでください。「海でバイクを停めてソコで撮った」それがどうした?何が足りない?と。露出がアンダーだとかポジションが目線の高さで平凡だとか、風景の特徴が表現しきれていないとか…できるだけたくさんのダメなポイントを挙げてみましょう。

その時、何も分からず惰性的にシャッターを切ったダメな自分を明らかにさせておくのです。きっと撮った時は「こんな風に撮りたい」「この風景を写真にしたらこうなるだろう」というイメージ写真を脳内で想像できなかったのではないでしょうか?この1枚の失敗写真はあの時の景色を何もしないで写真にするとこうです、というリザルトです。

何も感じなかった、何も想像しなかった、何も工夫しなかった。被写体を見る目も感受性も足も、何もかも未熟だったことに反省をしましょう。これをやっておかないと次回の撮影もまた同じことを繰り返してしまいます。

・写真に対する見識を豊かに

「なかなか上達できない」とお悩みのビギナーにお勧めする効果的なやり方をご紹介します。それはズバリ!写真が上手くなりたい、カメラに詳しくなりたい、という考えを一度捨てることです。関心の対象を写真という芸術により向けてみましょう。

ビギナーもベテランも目指すのは「いい写真」です。しかしいい写真を定義するものは何もなく、いい写真とはいつも見る側が主観的に決めるものです。経験の浅いビギナーの方はカメラのことに詳しくないのと同様に写真についても詳しくないものです。そこでビギナーの方はキレイに撮ること、整った構図で撮ること、上手な写真というのを「いい写真」であると誤解してしまうものです。

意図的に露出オーバーにした写真

下手だけどいい写真、露出オーバーだけどいい写真、ブレたけどいい写真。…それは撮影者が感動したことがきちんと写っている写真です。整った構図やお手本のような露出だけでは「いい写真」は成立しないという意味が多くの写真を見ることで理解できると思います。

もちろんバランスの良い構図や適正露出など上手に撮る事は大切なことですが、それが全てではないという事です。いつも感心の対象を写真にすることで1つのアートを学ぶ意識を持ちましょう。写真をやるぞ!と決意した人はアートの門を叩いたという事なのですね。




自分が撮った写真に限らず他の人が撮った写真や有名な写真家の作品を見ることも悪くありません。ノージャンルで様々な写真作品を観賞することで写真というアートの見識を深めるだけでなく、自分の好みを知ることもできます。

ぶっちゃけ…上達しない人というのはカメラや撮り方にばかり関心を持ってしまい、写真がアートであることにいつまでも気が付かない人だったりします。

長くなったので今回はこの辺で!!!

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かけがえのない記憶風景をツーリング写真として作品に残す

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は私のツーリング写真独り言コーナーでいってみたいと思います。

当ブログ【究極のツーリング写真】では今までバイク写真、ツーリング写真に関わるあらゆることを綴ってきました。それはカッコいいバイクの撮り方であったり、ツーリング先で出会った風景の撮り方であったり…。そして撮り方に限らず写真という芸術をライフワークとして生きていくことや我々バイク乗りが見ている旅の世界と「写真」は親和性の高い関係であることなど、本当に色々と書いてきました。




そして誰もが憧れる「いい写真」についても何度か触れましたが、現在のところ私の解釈として「いい写真」とは、とりあえずですが次のように定義付けております。いい写真とは常に見る側が主観的に決めるもので撮る側としては永遠のテーマ。美しいかそうでないか、かっこいいか?そうでないか、心動かされる芸術作品であると感じるかどうかは見る側へ委ねられるものです。

撮る側としては本当は見てくれる全ての人へ感動を与えたいところですが実際はなかなか厳しいものがあります。個人の押し売りみたいになるかもしれませんが現状として私は「わかる人の心に響いてくれれば幸せだ」と思っております。実際に私の撮る写真はどこか地味ですしインパクトも欠いているかもしれません。何より流行を全く意識していないのでSNSなどで発表したところで「いいね」などの反応は少数です。

EOS6D Mark2 + EF135mmF2L

しかしそんな事は気にしません。私にとってツーリング写真とは私自身がバイクで走り紡いだ記憶風景の断片です。誰かに見せて喜んでもらえたり、何かのお役に立てたなら尚更幸せですが、そうでなくても不満はありません。




あの日、あの時、写真を撮ったからこそ記憶に焼き付く旅のワンシーン。「あの時ああだった」と一枚の写真を手に取って、記憶のツーリング風景を回想できれば何にも代えがたい幸せだと思います。その為にはただバイクに乗るのではなく常に旅心を意識して走ること、一枚の写真がやがて尊い記憶に変化していくことを意識して一枚一枚に思いを込めてシャッターを切っています。

しかしそういった一枚一枚の作品はどこかアートではないだろうか?そう気が付いた時、究極のツーリング写真の目指す世界が見えてきます。「究極のツーリング写真って何が究極なの?」と聞かれればバイクで旅をする世界は人々が忘れかけた旅精神とライダーだけが見ている景色に芸術的な美が存在する…それを写真にすることが「究極」です、と答えます。

テーマこそブレていませんが、どのように表現していくかは未だ手探りでやっています。この「ツーリング写真」とやらが一体何なのか?いつか究極の表現を具現化できる日を夢にみて精進しております。

2020年6月 立澤重良




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実践で使える☆ツーリング写真の被写体とデザイン

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、梅雨のためバイクの季節とは言い難いですが写真は楽しまれていますか?バイクに乗れない休日でもカメラを持って近所に出かけてみましょう。あまり写真を撮らないでいると運動不足と同じように感覚や感性もなまってしまいますので。

さて今回はツーリング写真における構図やデザインのお話を漁港での撮影シーンで解説してみたいと思います。その前に構図とデザインとは何ぞや?という事を軽くおさらいしておきましょう。構図とは被写体の大きさや位置関係であると一般に解釈されているようです。もう少し掘り下げて私の個人的な解釈をここに書きますと「構図とは情景や被写体が二次元の画になったとき、一定の視覚的効果を生み出す線形を利用して作品の主題へ導く案内図である」となります。

またデザインとは構図に似ていますがあくまで写真をパッと見た瞬間の印象に関わるものです。それは色の組み合わせによる感情の動きであったり、図形やパターンなどによる安定感であったり、線による視線の動きであったりします。

今回は詳細に触れませんが他にもフレーミングというのがあって、これは情景に対してどの範囲までを写真とするか?という解釈が一般的です。しかしフレーミングも極めれば奥が深く、被写体を切り落とし存在感を調整する手法や枠外の様子について想像を誘う心理的手法などがあります。




構図もデザインもフレーミングも作品の基礎工事や図面のようなものであり、核心ではありません。極端な話、核心をシンプルかつ明快に打ち出せるのであれば構図もデザインも不要な場合さえあり得ると思います。

さて前置きが長かったですが本題に入ってみたいと思います。今回は房総や伊豆など半島のツーリングでよく見かける漁港のロケーションで解説してみます。漁港に限らず「港」というだけでバイクとは相性のいいロケーションと言えますよね。私が中学生の時に愛読していた「あいつとララバイ」も横浜港のコンテナふ頭のようなロケーションが度々出てきたのを覚えています。

海、港、船、カモメ…これらツーリング写真に適したロケーションですが漁港のような港はシンプルな背景を探すのも難しいものです。舫綱、杭、ドラム缶、漁網、浮きなど色々なものが乱雑に存在し、それを写真にするとゴチャゴチャとして主題を明確化できなくなります。

上の写真では漁船、舫綱、杭、浮きなどそれぞれ存在感の強い被写体が1枚の写真の中に収まっています。お世辞にも美しいとは言えませんし、何をうったえたい写真なのかよく分かりません。

こういった色んなものが散在している場所は難しいので思い切って1つの被写体に注目してみましょう。私はこの場所で最も気に入ったのはこの赤い舫です。とても太く頑丈そうな様子と深い赤がとにかく印象的だと思いました。

写真デザインの要素として挙げられる代表的なものは【色】【直線&曲線】【図形】【規則的なパターン】【質感】【立体感】【光と影】などです。とりわけ色は印象に大きく影響するもので赤は強烈に見る側へインパクトを与えます。




1つのものに注目したら寄って撮る事で、その被写体の質感も表現されます。質感とは実際に肌で触れた時の感触があたかも伝わってくるような様子です。ここでは舫綱の質感ですね。

雑然とした現場で撮り方に困ったら1つの被写体を決めて、その特徴をよく見て撮るだけで印象的な1枚になります。

EOS6D mark2

こちらは写真デザイン要素の1つ【規則的なパターン】に注目して撮った作例です。潮風で浸食されたブロック塀の様子を1つのパターンとして捉えました。

言語化してみるのも効果的なやり方です。目の前の情景から見えている物を順番に挙げていき、それぞれがどのような特徴を持っているのか言葉にしてみましょう。浮きの形が果物のようだ、鎖の周囲に錆水が流れた跡がある、ブロック塀に草が立派に生えている、といった具合です。




その場所で写真を撮ろうと思ってバイクを停めた時、脳は目やその他の感覚器官から様々な情報を一度に処理しきれずビジー状態です。そのような状態でシャッターを切れば秩序なき惰性写真になるのは明白です。少し落ち着いて順に見て言葉にしてみましょう。そして自分が気に入った1つ、もっとも特徴的だと分かった1つを35mmか50mmレンズあたりで寄ってみましょう。きっと写真だからこそ見えてくる世界があるはずです。

今回はデザインの観点で1つの物に注目し、それに寄って撮る方法をご紹介しました。また別の方法は機会をみて解説したいと思います。少々理屈っぽいですがこういった知識を礎に実践、応用して力をつけてくださいね。

今回はこの辺で!!

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紫陽花の写真は簡単です。アジサイの撮り方

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は季節の被写体として紫陽花の写真の撮り方を解説してみたいと思います。いつもバイクの写真しか撮らないよ…という方もスマホでも良いので紫陽花の写真を撮ってみてください。被写体が最も魅力的に見えるよう写真にする技術はきっとバイク写真にも役立つと思いますよ。

お花の写真は難しい…お花の写真なんて趣味じゃない…なんて方はおられませんか?お花はそれ自体が美しいので何も考えずに普通に撮れば綺麗な写真になります。一方でちゃんと撮ろうと構図や露出を練って撮れば上手なだけの図鑑写真に陥ってしまう難しさもあります。




しかし紫陽花というお花は他のお花と比べて写真にするのが簡単です。例えば菜の花は黄色が強烈すぎて色飽和しますしソメイヨシノはその淡いピンクを写真にするのに相応のスキルが要求されます。しかし紫陽花の紫や青はそのような悩みが少なく目線に近い高さに咲いているので寄るのも簡単です。

その1 アジサイ全体の様子を撮る場合

RICOH GR

以前に構図とは「目の前の被写体が写真という二次元の画になったとき、その様子が線形となり主題へ導くための案内図として機能するもの」と書いたことがあります。「その様子が線形となり…」実際の様子と写真になった様子の違いはここにあります。アジサイも写真にしてみたら何だか別のものにも見えてきた…なんて経験はありませんか?

この写真の場合、夜空に打ち上げられた花火のようであり、星のようにも見えます。そう感じたらよりそう見えるよう撮ってみましょう。これがおもしろいです!

この写真は光の存在もかなり意識してみました。晴天時だったのでハイライトが入り強いコントラストの発生するシーンですが1.光が強く当たっているハイライト 2.中間陰影 3.ブラックとシャドウ の大まかに3パートに分けて考え、それぞれが長方形という画面内に美しく配置されるようにフレーミングしました。この場合、最も重要なのは中間陰影でハイライトとシャドウはその良き引き立て役に過ぎません。

露出補正を積極的に使って露出と構図は密接に関係している事を意識してチャレンジしてくださいね。




その2 アジサイ一輪に注目して撮る場合

RICOH GR

一輪に注目して撮る方法は気を付けないと簡単に図鑑写真になります。個性を出すのが最も難しい撮り方ですが逆に言うと個性を打ち出すのに成功したときの嬉しさはひとしおです。

私の場合、一輪を撮る場合「その一輪がそこに咲いていた空間」を意識して撮ります。少々分かりにくいですがアジサイがその周囲に及ぼしているエネルギーに注目してそれを構図に取り入れる感じです。

この写真ではちょうど雨上がりで水滴が花や葉に付いていました。曇天の柔らかい光源は適度にコントラストを控え目にしてみずみずしい質感も再現できたと思います。

こういった黒バックに近い露出で魅せたいとき、評価測光はほとんど機能しません。しかしビギナーの方にマニュアル露出は難しいので、自信のない人は絞り優先モードでF5.6あたりに設定し、露出補正をマイナス1~1_2/3くらいの範囲内で試してみてください。

その3 アジサイをクローズアップで撮る場合

RICOH GR

一輪に寄って特定の部分をマクロ撮影する撮り方です。これも多くの人がお花の写真でやっている撮り方なので個性を出すのが難しいです。よく見かけるお花写真とはマクロレンズを装着してカメラを三脚に固定、水玉にピントを合わせて絞りを解放、背景は花の色で全体的にフォギーをかける…といった写真です。確かに美しい写真になりますが、少々見飽きてしまった撮り方ですね。

上の写真は花や葉が濡れている上に強い光が当たってコントラストがあること、つまり「雨上がり」を意識してみました。蕊の複雑な様子と花びらについた水玉、それらの質感をクローズアップによって表現してみました。カメラがスナップを得意とするRICOH GRなので全体にカリッとシャープな仕上がりになったのも、ふんわり系の多いお花写真とは真逆に男性的でユニークではないかと思います。




CASIO エクシリム EX-10

アジサイは特別な所へ出向かなくても公園や街路にも咲いているので、通勤の合間やバイクに乗れない休日でも撮ることができます。被写体をより魅力的に撮る、個性を主張する、ユニークな何かを想像するといったトレーニングにも最適です。

上達したい人はいつも写真を撮って写真を身近なライフワークとしてみましょう。

究極のツーリング写真流 アジサイの撮り方でした。今回はこの辺で!

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やさしい☆はじめてのバイク写真☆基本講座

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回はツーリング写真の解説ではなく愛車をカッコよく撮るバイク写真の撮り方について解説してみたいと思います。

当ブログ「究極のツーリング写真」ではバイク写真という大分類に属する・愛車写真・バイク生活の記念写真・ツーリング写真の中から「ツーリング写真」に特化しツーリング写真をよりARTに、そして世にバイクツーリングの魅力を発信できるよう活動しています。

しかし風景主体のツーリング写真とはいえバイクも登場するわけでバイクをカッコよく撮るノウハウも決して軽視はできません。バイクをカッコよく撮るにはどうしたら良いか?多くの方がツーリング先で撮っている愛車の写真ですが、ここで改めて「バイクのかっこいい撮り方」を深く掘り下げて優しく解説してみたいと思います。

以前にもバイクのかっこいい撮り方は何度か解説してきました。軽くおさらいをすると1.最初に雰囲気の良い背景探しをすること 2.横7前3といった7:3の角度を基準にベストアングルを探ること 3.バイクの造形に存在する特徴が美しく映えるよう工夫する(上の写真ならR1200GSのクチバシと呼ばれるハイフェンダー) 4.メッキパーツやタンクのエッジなどに光を当ててハイライトを作る 5.ライダーの存在を予感させるヘルメットなどの小物を上手に使う…といった事でした。

今回は背景とバイクの割合や配置について書いてみたいと思います。




・バイクを日の丸構図で大きく配置

まず最初にバイクを大きく配置して完全に日の丸構図で配置する撮り方です。最初の写真と比較してバイクの位置が完全に中央になっているのがお分かり頂けると思います。

バイク写真に限らず日の丸構図の特徴というのは写真の主題を明確化すること、そして抜群の安定感&バランスが得られるのが日の丸構図です。「この写真の主役はこれです!ジャーン!!」という感じです。このシーンの場合はどうでしょうか?この大きさでR1200GSを撮るのであれば、配置など関係なく誰でも主題はR1200GSだと分かりますね。そこで追い打ちするように日の丸で配置するとややクドい感じもあります。

日の丸構図はこういったシーンではなくバイクを中古で売りたい時の1枚目の写真に使うような構図だと思います。

・バイクを小さめに背景をたっぷり作る

なかなか愛車写真で背景を多めにとるという発想自体が出てこないと思いますが、その場所の雰囲気が良ければ良いほど、背景の割合を増やすのはアリだと思います。

バイクが主役の愛車写真なのですからバイクの存在感は少々強めに出したいですよね。しかしバイクの存在感とは何も大きさとは限りません。この写真のように暗い(黒っぽい)背景の中で車体の各パーツに輝きが入るようにバイクを輝かせれば、ご覧のようになります。このような構図では「R1200GSがそこに存在している空間」という写真になります。この背景にもぴったり似合う撮り方と言えそうですね。

しかしスペースを多めにとる方法は実は結構難しいです。ポイントはスペースを作るというプラスの意識です。バイクを小さめに撮ってみようと考えてしまうと「できちゃった無駄なスペース」になり、スペースを作った写真とは似て非なるものになります。いつでも写真とは撮影者の意図のもと必然的に成立するものと考えましょう。




バイク雑誌で活躍するカメラマンは意図的にスペースを作るのに慣れています。雑誌はカメラマンだけの仕事ではなく誌面デザイナー、ライター、編集者などの連携でページが完成するものです。後で誌面デザイナーが仕事しやすいようにスペースを作って撮るのですね。

後でこんな風に文字が入っちゃいそうなスペースを作らない

こんな風に後で文章や別カットが挿入されることを想定してスペースを作ったりするのですね。私たちは雑誌で活躍するプロカメラマンではないのですから1枚の写真で作品として成立するよう、後で文字が入れられちゃいそうな無駄なスペースを作らないよう気を付けましょう。

・後方にスペースを作って到達感を演出

これはおススメのやり方です。バイクの後方にスペースを作ることで「走ってきた」「到達した」という表現ができツーリングにおけるバイク写真として成立します。ただ上のシーンの場合だとツーリングを連想させる重要な被写体…そう「道」が写っていないのでこの背景に似合った構図とは言い難いですね。主に旅を連想させる道を写すときや宗谷岬の碑のようにライダー達が目指すシンボルなどが写るときに有効な構図です。

ちなみにバイクの前方にスペースを作ることで「出発」「スタート」といった雰囲気の演出になります。




・背景の雰囲気に似合った撮り方を選ぶ

ここで最後にまとめてみましょう。愛車写真に限ったことではありませんが「そこがどんな場所で被写体が何者として存在しているか」を再考して撮り方を決めてみましょう。

前述しましたが道であればスペースを後方に作って到達感を演出するといった具合です。今回の作例の場合、錆びたトタン壁の倉庫で撮影したのですが、これ自体にStory性というのは薄く、単純にクールな背景であるに過ぎません。そうと分かれば走り始めそうな姿勢という意味で少しだけ前にスペースを作って配置してみました。

アングルとしてはタンクのサイドからフロントホイールにボリュームを持たせるために、レンズ歪みも利用して少しだけ寄ってみました。たったこれだけのことで不思議なことに無機質なバイクに表情が加わるものです。このアングルをよく見ると何となくですが「よし行くぜ!」とR1200GSがライダーを誘うような表情をしていると思いませんか?

バイク写真に相応しい撮影地、すなわち背景を見つけたらまずどんな空間なのか感じ取ってみましょうね。これは風景主体のツーリング写真と同じです。その場所がどんな場所なのか?そこに何者として存在しているのか?それを理解した上でバイクの大きさ、配置、背景の範囲を決定させましょう。

どれも細かなことの積み重ねですがこういった小さな工夫が大きく作品の出来栄えに影響するものです。もし今回解説した内容が「う~ん、よく分からんな」と感じた方は単純に手間と時間をかけて撮影に挑んでみてください。その意識だけでもきっと以前とは違う写真が撮れると思います。

愛車メインのバイク写真の基本的な撮り方でした。

今回はこの辺で!

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