ツーリング写真と天の川の撮影方法 その2

前回より天の川とバイクを撮る撮影方法を解説しております。前回では天の川の写真を撮るための必要な機材、季節や時間帯、月齢、そして夏の天の川を撮るには千葉が意外なスポットですよ!というお話を書きました。今回はその続きで露出や構図について解説いたします。

前回の投稿 天の川の写真を撮るなら千葉だ☆バイク写真と天の川

では続きでございます・・・

・天の川の写真を撮る気象状況

EOS6D mark + SIGMA12-24mmF4.5-5.6DG  F5 30SEC ISO3200

満天の大空に流れる天の川という写真にするなら14mmあたりのワイドレンズを装着して完全な快晴を狙いたいところです。しかし35mmや50mmのレンズで天の川銀河を大きく切り取るのであれば晴天であれば快晴にこだわる必要はありません。雲は風で流れてゆくのでタイミングをみて撮ればOKです。流れる薄雲がスローシャッターによって演出として機能する場合もあります。

むしろ悩ましいのは温度と湿度、海岸から撮る場合は海水温などによる霞みです。天気補予報で「沿岸部は濃霧に注意」といった予報の時は期待できません。




あとは実際に行ってみないと分からない部分も多くチャレンジ精神が要求されるものです。私の経験上、今日はイケるか!?と期待しても行ってみたら霞んでいてダメだった…なんて残念なことは何度もありました。標高の高い山の上から狙うなら霞の心配はそれほどありませんが、今回私がご紹介しているのは「千葉の海から撮れますよ!」という事なのでこの問題は海から狙う場合ならではかもしれません。

そもそも天の川の景色なんて特別なものですからいつも完璧に見れるわけではないのですけどね。

・天の川を撮影するときの露出設定

星景写真の経験がある方でしたら天の川だからと言って特別なスキルは要求されません。薄雲などで天の川の位置がよく確認できない場合はスマホを空にかざしてアプリで位置を確認してみましょう。そしてカメラを三脚にセットし大まかにアングルを決めたらフォーカスはマニュアル、撮影モードもマニュアルに、手ブレ補正のあるレンズは忘れずにOFFにしておきます。

星空の写真を撮るときの露出設定は夜空の明るさに合わせるのが基本です。例えば新月で14mmで撮る場合、F2.8であれば30秒のISO2000あたりで天の川は鮮明に確認できると思います。ここでポイントとなるのは選択した画角によって許容されるシャッター速度が変わってくることです。地球は自転しているのですから暗いからといって長時間シャッターを開ければ星は点ではなく軌跡を描いてしまいます。14mmのようなワイドレンズであれば30秒開けていても軌跡はさほど気になりません。しかし35mmや50mmで大きく天の川を切り取る場合は10秒程度に抑える必要があります。

これは50mmレンズで30秒シャッターを開けてしまった写真の拡大です。軌跡を描いてしまったことで全体がボヤけたような星空となり失敗写真となりました。星々が丸く円を描いている星景写真を皆さま一度は見たことがあると思います。あれは意図的に軌跡を描かせるため30分や1時間といったバルブ撮影をしたものです。

天の川や星景写真の場合、小さな星の1つ1つの集合なので、軌跡の影響だけでなく風などによるブレ、ピントの甘さ、遠くに飛んでいる航空機などがないか拡大表示して現場でしっかりチェックしましょう。

・天の川とバイクを撮るときのライティング

EOS6D Mark2 + EF14mmF2.8L

天の川の撮影といえば夜空に露出を合わせる訳ですからバイクのある地上サイドは何も光源が無ければ真っ黒に潰れます。上の作品は海へ続くS字カーブが美しかったので画面の割合として地上を多めに入れた天の川の作品です。ツーリング写真における天の川の作品なので空だけの写真ではありません。道やバイクなどの地上物をどう写すかが良作へのカギとなります。この写真ではカメラ背後のナトリウム灯が光源になっていて、バイクにはLEDライトを車体の向こう側から照らしてみました。

バイクを照らす用のLEDは強烈なものではなく100lm程度のダイソーのLEDでも問題ありません。カメラ側から照らすのが基本ですが上の写真のように逆側から照らしてしまうのも技アリだと思います。このようにただ撮るのではなく何かユニークなひと捻りを考えてみましょう。天の川の写真だからといってただ天の川とバイクを撮るのではなく、いつものツーリング写真と同様にユニークな表現やエキサイティングな設定ができないか?思考を凝らして個性を発揮しましょうね。




・天の川とバイクを合わせた構図の作り方

EOS6D Mark2 + EF50mmF1.8STM  F1.8 8SEC ISO3200

天の川は虹と同じように特別なシーンです。特別なシーンの怖いのはそれを写真に収めたこと自体に満足してしまうことです。バイクを置いてライトをセットし天の川が写っていればそれでOK!という写真では他の誰かが撮っているような写真と同じような写真かもしれません。

相手は真っ暗闇の世界なので難しいかもしれませんが、自分なりに表現したい部分を明確化して構図を作ってみましょう。上の写真の場合では大胆にも50mmレンズで天の川銀河を大きく引き寄せF1.8でピントピークを遠景に合わせバイクはボカしてみました。これはほんの一例にすぎませんが道を主題に写したり、モデルのポージングで天の川に対する感情を表現したりと工夫を凝らしてみましょう。

・天の川を撮影する際の注意事項

一つ目の注意点としてレンズの結露、夜露があります。結露がひどい場合は数分に一度の頻度でレンズをクリーナーで拭き取ることもあります。星景写真の専門の人はレンズヒーターを用意している人もいます。レンズの結露に気が付かず撮影に没頭していると明瞭さのないボヤけた写真が出来上がります。

もう一つの注意点は暗がりでモニターを確認することで正しく露出を判断できないことです。暗がりで目が慣れてしまうと真っ暗な画像もモニターのバックライトで明るく感じるものです。ヒストグラムを表示して確認するか念のため明るすぎると思うほどのカットも撮影しておきましょう。案外それが本来欲しかった露出という場合もあります。

飛行機を流れ星に見立てて撮った(撮れた…) 夏の猛暑日で下の方は霞んでいる

ビクセンポラリエなどの赤道儀は必要ないの?という疑問をお持ちの方も多いと思います。ネットで天の川の撮影方法を検索すると赤道儀が紹介されている場合が多いですよね。赤道儀は自転に合わせて空を追従してくれる物ですが、星座や星雲など空にあるものだけを撮るときに使う物です。地上物であるバイク等と一緒に天の川を撮るときにはメリットが出しにくいです。(1分くらいのシャッターであればバイクもさほどブレませんが、その程度であれば高価な赤道儀を用意するメリットがあまりない)

ポイントはバイク写真、ツーリング写真としての天の川風景ですので、地上物とどう撮るか?が重要になってきます。なので私は赤道儀は使っておりません(持ってもいませんが)。

・天の川のRAWデータをLightroomでレタッチする

天の川の写真をイメージ通りに美しく仕上げたい、という事であればAdobe PhotoshopやLightroomなどのソフトはマストであると言っていいと思います。撮影時はRAW+JPEGで記録しRAWデータを取り込んで作業を開始します。ここでは詳細には触れませんが天の川を美しく出すためにテクスチャ、明瞭度、かすみの除去などの機能を使ってレタッチします。暗くなってしまったバイクの露出を上げたり天の川銀河にハイライトを局所的に入れたりもします。

このようなレタッチについては実際の様子と異なる写真ではないか、として否定的な意見も散見されます。私の個人的な考えとしてはカメラは写しているのだから、それを美しく分かりやすく調整することには何の躊躇いも無用だと思います。なのでこれから天の川の撮影を本格的にやってみたい、という方にはLightroomを導入してイメージ通りに仕上げるレタッチに是非挑戦してみてください。

Lightroomを使って天の川の写真を仕上げる解説は別の機会に詳しく書いてみたいと思います。




 ~天の川とツーリング写真 まとめ~

・九十九里や南房総の海岸から天の川の写真が撮れる!

・ツーリング写真としての天の川作品は地上サイドをどう撮るかが重要

・春から夏に南東の空、新月や三日月のときを狙おう

・光害のない開けたロケーションで撮ろう

ちなみに天の川とは英語でmilky wayといいますが由来はギリシャ神話に登場する女神ヘレの母乳なのだそうです。

ツーリング写真における天の川の撮影方法でした!

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