撮影現場で私がいつもしていること☆その2

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前回の続きです

情景や被写体の特徴の分析、大きさや位置関係など空間の測量を済ませたら次に写真イメージの想像です。写真イメージは脳内に描く空想の写真で「こんな風に撮りたいな」という完成予想図です。

ビギナーの方が撮ってしまう平凡な写真は写真イメージを想像せずに惰性的にシャッターを切ったので例えるならば設計図なしに作られた建物です。設計図なしに作られたものは機能もデザインもなく砂浜で作ったお城のように容易に崩れ消えます。

写真イメージの想像の仕方は十人十色で良いと思いますが私の場合は次の通りです。最初に被写体や情景の特徴から感動を受けて、それを元に1つの主題を決めます。主題は写真にこめるただ1つのメッセージです。主題以外は引き立て役として機能するようキャスティングします。地面の石ころや草など小さなものは舞台セットを構築するように考えます。これらに合致しない物はすべて写さないよう排除する方向で調整です。

1つの主題とは物でもコトでも光でも感情でもOKです。上の北海道のフレシマ湿原で撮った作品はライダーの感情が主題になっています。これら主題を画面という長方形の四角にどのような大きさ、位置、あるいはフレーミングでとらえるか想像します。




ここでツーリング写真として重要なこと【自分はその空間において何者であるか】を決めます。1枚の写真として完成したとき、それは映画のワンシーンのように物語を客観的に見るものなのか?あるいは写真の世界に鑑賞者も参加する視線型の写真にするのかを決めるのです。前者の場合は上の写真のように自らが登場人物(ツーリング写真におけるライダー)として演出します。

後者の場合は想像力を働かせればかなり色んな写真がイメージできます。写真自体がライダーの視線ということですから、はっきり言って何でもアリですね。上の写真は走行中にチラっと横に見えた一瞬の風景ですがこれを見た人はきっとバイクに乗って旅をしている気分を味わうと思います。このように見る人にもバイクツーリングの世界に参加してもらう「臨場感」を大切にイメージします。

写真イメージの想像に深く関わるのが【美】に対する考え方です。人間、誰でも美しいものを求め受け入れるものです。人類にとって美意識は特別なものです。だからこそ美しさに対する個人の考え方を表現できないか?壮大なことですがチャレンジしてみましょう。目には見えにくい美しさを表現するか、美しいものを醜く撮るのが真の美とするか、鮮やかでバランスの良いものを美とするか、あるいはそれらを何らかの意図で崩したものを美とするか…などなど。

被写体の特徴や情景の様子を分析し、感動をして写真イメージが完成したら次にやることはレンズ(焦点距離)の選択です。

レンズの使い方に「こう」という決まりはありませんが、原則として標準レンズは自然な画角なので臨場感、広角は雄大さなどを表現する広がり感、望遠は1つの被写体に絶対的な存在感を与える圧縮感であると考えます。




ベテランであれば焦点距離を感覚として持っているので脳内に描いた空想の写真イメージに対して、すぐに「よし200mmでいこう」といった具合に焦点距離を決定させます。ズームレンズの微調整は撮影スペースを奪われたときに止む得ず行いますが、原則としてベテランの脳内は14、28、35、50、70、85、100、135、150、200mmといった複数の単焦点から選択しているものです。

カメラに選択したレンズを装着したら次に足腰を使って動きアングルを模索します。被写体Aと被写体Bの間隔は左右に動けば変化しますし、ハイアングル(ハイポジション)にすれば地面の割合が多く、逆にローアングル(ローポジション)にすれば空の割合が多くなります。一面に咲く菜の花に逆光が当たって輝いていればハイアングルで撮れば良いし、千切れ雲を夕日が紫に染めていたらローアングルでそれを撮ればOKです。

EOS6D Mark2 + SIGMA12-24mmF4.5-5.6EX DG

焦点距離を選択し大まかにアングルを決めたらデザインや構図を練ってみましょう。ここでも被写体や情景からの特徴にヒントをもらいます。例えば上の写真であればオレンジのセンターラインです。画面の右下の角にぴったり合わせて視線誘導ラインとして機能させました。バイクは広角レンズで小さくしてしまったので存在感を補う意味で日の丸構図に、しかしラインとの兼ね合いで大和比を意識して少し左に寄せています。

こういった知識を撮影シーンで応用するにはどうしたら良いのか?はすべて経験値に関わってきます。知識を応用できなくて失敗写真を生んでしまった…という悔しい写真を何万枚と撮ってきたキャリアの賜物です。




構図については良く聞く三分割構図、日の丸構図、8分割やファイグリッドなど色々ありますが、私の場合はシンプルにいくのか巧妙に組み立てるかのかの二択です。上の作例では三分割構図を複数個所の交点やグリッド線で合わせてみました。こうった撮り方を暗号化したような複雑な構図も精度よく動けるカメラワークにかかってきます。正に微調整の嵐ですね。

またまた長くなったので続きは次回に…

次は三脚のセット、自撮り、露出や被写界深度などを解説します。

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