空冷R1200GS中古車選びのチェックポイント☆その2

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回投稿までで空冷モデルのR1200GSの中古車の選び方について書いております。はじめてBMWを買う方、はじめて輸入車を買う方でも安心してR1200GSの中古車を選べるように詳細に書いておりますので、R1200GS気になるな…という方はぜひご参考にしてください。

では前回の続きを…

6.クラッチのカタカタ音とヘッドのタペット音の聞き分け方

以前に書きましたR1200GSインプレッションでも触れましたが空冷モデルのR1200GSは通常のオートバイと違いエンジンとミッションが別室構造になっています。そしてクラッチは乾式単盤クラッチを採用しており4輪のMT車と同じ構造を持っています。

その構造上、ある程度の走行距離を走ったR1200GSであればアイドリング時にクラッチカバーから「カタカタカタ…」という音を発します。目安として走行距離50000㎞くらいから、カタカタ音が出るようになり100000㎞くらいになると盛大な音になります。

この写真はミッションを外してエンジンを後ろから見た風景ですが、クラッチの中心にある穴を見てください。この穴のギザギザが摩耗してくるとカタカタ音が発生するものです。

こちらはR1200GSのミッション。先ほどの穴に結合されるインプットシャフトです。このようにスプラインが切られていてクラッチカバーと繋がります。クラッチはレバーを握るとカバーが前後に移動します。通常、オートバイは切っている時より繋いでいる時の方が多いので、シャフトのスプラインとクラッチカバーの穴は繋いでいる位置だけが摩耗していきます。

つまりこの部分の摩耗によるカタカタ音であるか?の判別方法はクラッチを切って静かになるのか?で判断できるのです。

再生できますでしょうか?お家で見ている人は少しボリュームを上げて確認してみてください。カタカタカタ…はクラッチを切った瞬間に静かになるのが分かると思います。

狙っている個体が走行距離50000㎞を超えた車両であればこの音は気にしなくて大丈夫です。それとこの確認方法はクラッチカバーの交換履歴があるか?の判断材料としてはあまり使えないです。確かにクラッチカバーを交換すると穴の方は新品になるので理屈では静かになりますが、インプットシャフトは通常は交換しないのでカバーだけの交換では根本的な解決になりません。




本当にみたいのはシリンダーヘッドからの異音です。クラッチを切った状態でヘッドからカタカタ…といった異音がないか確認しましょう。長期間在庫されいたような個体はオイルがパンに全て落ちてしまい、始動直後のみカタカタと発するかもしれません。その場合は始動の1秒くらいで静かになるはずです。

これらを確認の上で気になる異音があるようでしたら、お店に他のR1200GSがあったらエンジン音を比較してみましょう。その場合、中期なら中期同士で比較しましょう。明らかに異音だと感じたら、クリアランスが狂っていたりオイル管理が悪かったり、最悪は重度のオーバーヒートを経験したエンジンかもしれません。

7.装着タイヤで前オーナーの使い方を判断しよう

中古車で売られている個体は走行距離が少ないものを除いて前オーナーが自分の好みに合ったタイヤをチョイスしている訳です。R1200GSほど万能の究極をいっているバイクだとオーナーによってその使い方も様々です。とにかく長距離ツーリング、峠でコーナーを楽しむ人、林道に入ってオフロード走行…

上の写真はシンコーE804/805というオフロード走行向けのブロックタイヤです。このようなタイヤは見た目がカッコいいですが、ライフが極端に短く4000~6000㎞程度で交換時期になります。なので通常のオーナーであれば、よほどオフロード走行の割合が高くないと、ブロックパターンは選ばないものです。

最近になってオンオフ割合が7:3くらいの銘柄が出てきましたが、写真のようなゴツゴツ系のオフタイヤ装着車は本当にオフロード走行していた車両と判断しましょう。過酷な環境下で使われたと想定すると見るべきポイントはファイナルギア内部への浸水やクラッチの摩耗です。どうしても大きなR1200GSを日本の狭い林道に持ち込むと、ギャップセクションやマッドの通過時にエンスト回避で半クラッチを使わざるえないのです。R1200GSの乾式単盤クラッチは半クラッチに弱いものです。

逆に高速ツアラー用のタイヤが入っていれば車体全体としては安心です。強いていえば未だに高速道路を法外なスピードで走れるのが大型バイクの特権だ…と誤解している人もいるので、そのようなオーナーだった場合はエンジンを高回転高負荷で常用したと推測されます。

可もなく不可もなく無難なタイヤを選んだ人は全てとは言いませんがバイクに対して無頓着でR1200GSを毎日のように通勤や買い物で使っちゃうような人かもしれません。タイヤの使い方を見れば走り方もある程度は分かるものですが、中央部のみが摩耗していてサイドが全く使われていないと街乗りオンリーだった可能性もあります。その場合、渋滞で重度のオーバーヒート歴がないかエンジンをチェックしましょう。

8.ブレーキディスクローターの摩耗をチェックしよう

限度超える摩耗がある場合、この部分に段差がある

R1200GSはブレーキパッドが国産車に比べてライフが長いです。しかしそのトレードオフとしてディスクローターが摩耗するというのを覚えておいて下さい。BMW純正のディスクローターは高額でリア用が約3万円×1枚、フロントは3.5万円×2枚、工賃をあわせるとディーラーだったら12万円くらいの費用がかかります。 摩耗限度ですがリアは新品が5㎜で摩耗限度が4.5㎜、フロントは新品が4.5㎜で摩耗限度が4.0㎜です。主に走行距離が50000㎞以上走った車両でのチェックポイントです。

マイクロメーターを持っている人はポケットに忍ばせて中古車屋さんで測らせてもらいましょう。無い人はバイク屋さんにお願いして測ってもらうか、限度を超えるような摩耗であれば指で触れるだけで段差で確認できます。




9.テレレバーのボールジョイントの点検

フロントサスペンションのテレレバーシステム、そのAアームの頂点でステアリングステムと連結されているボールジョイントを点検してみましょう。ゴムブーツの破れ、内部のグリス飛散など目視で分かる範囲で大丈夫です。

ブーツのみの交換なら安価な修理費用ですが、グリスが抜けた状態で前オーナーが気が付かず走行を続けると、ボールジョイント事態にガタが発生し最悪はAssy交換となります。

10.オイルクーラーコアの折れ曲がり

空冷R1200GSは別の呼び方で空油冷R1200GSとも言い、オイルクーラーによってエンジンオイルを効率的に冷却するエンジンでもあります。オイルクーラーの設置位置はフロントハイフェンダー(通称クチバシ)にあります。前オーナーが複数台でオフロード走行していたとなると、前走車が跳ね上げた飛び石を食らっている可能性があります。大きなコアの曲がり、それからオイル滲みがあればオイルクーラーからオイル漏れしているかもしれません。




11.フロントフォークのメッキを点検

空冷R1200GSに限った話ではなく全てのオートバイでも同じですが、フォークのメッキの状態をよく点検しましょう。特にアウターチューブに近い下の方は可動部分ですので重要です。わずかな錆やメッキの食い破りなど障害があるとダストシールにダメージを与えてフォークオイルが漏れてきます。

12.グリップの摩耗をチェック

ハンドルグリップの摩耗もチェックしてみましょう。ベテランであれば運転中にハンドルを握りしめることはありませんが、車体の大きなR1200GSは取り回しのときに強く握られてしまうものです。R1200GSはグリップヒーターがありますので摩耗して交換が必要となると費用もそれなりにお高いです。写真は熱収縮チューブをかぶせてグリップ自体の摩耗を予防しています。それと稀にグリップヒーターが故障している場合もあるので忘れずに左右ともに暖かくなるか確認しておきましょう。スイッチは右側のスイッチボックスにあります。

EOS6D Mark2 + SIGMA150-600mmF5-6.3DG

次回は空冷R1200GSの中古車購入シリーズの最終回、ディーラー以外で安い中古車を買う場合のメリットや注意点について書いてみたいと思います。

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