空冷R1200GSの中古車のチェックポイント☆中期型と後期型

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究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、お買い物にメルカリやヤフオクなどを活用されていますか?中古品市場というのは故障やトラブルなどの不安がつきものですが上手に活用すると低予算で欲しかったものを入手できるので良いですよね。

特にカメラの中古というのは殆ど使用されずに出回る個体が多いので大変お買い得です。欲しくて買ったカメラだけど結局、旅行で数回使っただけで飽きてしまった。そんな中古カメラがヤフオクなどで出品されているのを良く見かけます。さらに旧モデルや今が旬ではないタイプ(今ならEOS Kissのような一眼レフ入門機など)であれば、相場が安くさらにお買い得です。

さて今回は空冷R1200GSの中古車の買い方について書いてみたいと思います。最近になって空冷R1200GSの中古車の事で色々と検索されて当ブログを見つけられた方もおられると思います。しかし発売から10年以上が経過した空冷R1200GSについて、各年式(前、中、後期型)やラインの相違点、オプションなどの観点で中古車を選ぶ方法…という情報は意外と不足しているように感じます。

空冷R1200GSの中古車選びのチェックポイントとして、今回は第一弾でモデル年式による違いとその判別方法をいってみたいと思います。

2008年式 中期型SOHCヘッドのR1200GS ハイライン

私は2003年にはじめてのBMWとなるF650GSダカールを購入し、その後2008年に空冷R1200GS、2014年に2013年モデルの空冷R1200GS-ADVENTUREを購入しました。これを書いている現在では2008’R1200GSと2013’R1200GS-ADVENTUREの2台を愛車にしております。上の写真は2008’R1200GSの方ですがこのブルーはオールペイントです。このような色の中古車を探してもありませんのでご注意を…。

空冷R1200GSのモデル年式別の相違点や判別方法の前に簡単にR1200GSというオートバイのルーツをご紹介してみたいと思います。

現在のGSのアイコンとも言える異径ヘッドライトを採用したR1150 GS

原点に遡るとOHVエンジンを搭載したR80G/Sという40年近く前のモデルになりますが、ここではレバーサスペンションを搭載し現代のR1200GS(最新はR1250GS)の基本的なカタチとなった世代からご紹介してみます。

GSが純粋なビッグオフローダーの道を捨てアドベンチャーバイクへの道を切り開き始めた記念すべきこの世代。R259エンジン世代とも呼ばれ、それまでのOHVエンジンとは違い大幅なパフォーマンスアップと当時としては先進的だったABS付きブレーキやキャタライザー付きエキゾーストなどを装備していました。写真は2003年あたりの後期型R1150GSです。この年式あたりで初の「ADVENTURE」の名を冠したR1150GS-ADVENTUREがデビュー。ちなみに前期型は1100㏄の角型ライトで1994年に登場。BMWは今から26年も前にアドベンチャーバイクの祖先を作ったのですね。

この当時はアドベンチャーバイクというカテゴリーは認知されておらず、フロントが19インチ化されたこのニュージェネレーションGSを見て、オフロードファンからは賛否あったものです。しかしその優れたツーリング性能と万能性で世界中のライダーを魅了しGSは新たなバイクカテゴリー「アドベンチャーバイク」を確立しました。

R259世代はその万能さ、高いツーリング性能、堅牢な車体が魅力でしたが一方で重すぎる車重がオフロードでの取り扱いを難しくさせていました。ドイツ人よりも小柄な日本人には手に余る巨体で足つきや取り回しの不安から購入を諦める人も多かったと思います。




そして2004年にGSはフルモデルチェンジを果たしR1200GSへと進化しました。先代と比較して大きく変わった要素は車重です。とにかく重いと言われたR259世代。その課題をクリアすべく30㎏の軽量化を開発コンセプトに作られたそうです。この2004年R1200GSのデビューはその乗りやすさと軽快な走りで日本でも大ヒットとなりました。その後、MC(マイナーチェンジ)を繰り返し8年近く生産されるBMWの稼ぎ頭モデルとなる訳ですが、この前期型はR259世代にも採用されていたサーボアシストブレーキがまだ採用されていました。

サーボブレーキ(インテグラルABS1)は少ない握力で安全な制動力を発揮する素晴らしいシステムでしたが、オーナーがBMW以外のバイクに乗ったときが危険だから…という理由で前期型モデル末期(2007年あたり)に廃止され、通常のブレーキシステムに変更されました。通常と言ってもサーボアシストが廃止された前後連動式のABSでインテグラルABS2と呼ばれます。この末期モデルのタイミングくらいでR1200GS-ADVENTUREがデビューとなります。

さて…ここまでで大雑把に覚えておくべき知識は先代のGSはR1100GSとR1150GSであり、その世代のは堅牢な車体だけどとにかく重い。R1200GSの前期型(2004~)はサーボブレーキが付いている。とだけ覚えておきましょう。

・R1200GS 中期型

2008年 中期型R1200GS ハイライン クロススポークホイール仕様

そして2008年に最初のMCを果たして「中期型」と呼ばれるモデルへ進化します。前期型と中期型の判別方法はタンク周辺のデザインがだいぶ異なるので一目瞭然です。タンク両サイドの樹脂カバーは意匠が洗練されSUS製の輝くパネルが装着されました。クチバシの愛称で知られるフロントハイフェンダーは少しだけ短くなってシャープなラインに。

デザイン以外の相違点は・電子制御サスペンションESAがオプションで選択できる・トラクションコントロールASCがオプションで選択できる・エンジンが100PSから105PSへ・サーボブレーキの廃止・ミッションの刷新によりギア比が少々オンロード向けに・テールランプがLED化・燃費表示などのオンボードCPUがオプション選択できる・キャストホイールのデザイン変更(メーカーオプションでスポークホイールを選んだ場合は関係なし)などです。細かなことを言えばメーターのデザインや表示の配置変更、シリンダーブロックがシルバーから黒へ、ヘッドカバーがシルバーからグレー、サイレンサーの材質変更、フロントフォークがゴールドになった…などなど沢山あります。あっ!忘れずに大事なポイントを書いておきますが中期型以降はセンタースタンドが劇的に軽くなりました。

中期型での最も大きなトピックスは電子制御サスペンションESAがオプションで選べる(プレミアムラインは標準装備)ことです。このESAは単なるダンピング調整だけでなくサスペンションプリロード(沈み量)も調整可能で大変重宝するシステムです。タンデムやキャンプ装備積載時にリアが沈まず本来の車高へ戻せますし、激しいオフロードステージでは車高を上げてギャップ通過性を高めることができます。

このモデルでのカラーバリエーションは・チタンシルバーメタリック(普通の銀)・ナミビアオレンジ(黄色に近い)・タンザニアブルー(ソリッドの青)の3色展開でした。その後、2009年に限定車としてアルピンホワイトのボディーにアドベンチャー用のブラックリムのスポークを装着したスペシャルエディションが登場。これはレアなモデルで見かけません。そして後期型でも採用されたオストラグレーメタリックマット(艶消し)も追加されました。




・R1200GS 後期型

DOHCヘッドの後期型。この写真はウインカーが中期型と同じなので恐らくプロトです…

2008年にMCした中期型がわずか2年で再びMCとなり、2010年に後期型がデビューしました。後期型の主なトピックスはシリンダーヘッドが従来のロッカーアームを介したSOHC(厳密にはオーバヘッドカムシャフトと呼び難いユニークなレイアウト)だったのに対してDOHC化されたことです。

R1200GS DOHCヘッド内部

ヘッドカバーを開けた内部はこのように所狭しとカムシャフトやバルブスプリングがレイアウトされています。複雑でやや心配になりますがDOHCの方が故障が多い…なんて話は聞いたことがありません。

中期型の105PSに対して110PSとパワーアップし実際に乗り比べた感じでも特に発進時のトルク感が豊かになったのが分かります。ふけ上りも軽やかでスポーティーに。そして排気音がボリュームアップし迫力のエキゾーストサウンド(悪く言えばうるさい)になりました。この辺はマンション住まいなどで近所迷惑が気になる方はご参考にして下さい。本当にこれでノーマルなのか?というほどの音量です。

その他、中期型からの変更点はサイレンサー根元にバタフライバルブを装備・ウインカーがLED化・スクリーンの角度調整のネジが操作しやすい形状に変更・スロットルボディがシルバーから黒へ(若干の大径化)・オプション設定の補助ライトキットがハロゲン+プロジェクターからLEDへ・スパークプラグの品番変更・レッドゾーンが8000から8500へ・オンボード液晶表示のレイアウト変更などです。

後期型はサイレンサーの手前にバタフライバルブを装備

ESAやASCといった中期型から採用されたシステムはそのまま踏襲されます。

この時のボディーカラー展開は・マグマレッド・サファイヤブラックメタリック・オストラグレーメタリックマット(艶消し)・アルピンホワイトの4色展開。1、2年遅れてルパンブルー(鮮やかなブルーメタリック)、チタンシルバーメタリック(中期のカラーが復活。これレアです!)。その他、限定車も存在していて赤いフレームのR1200GSラリー、トリコロールステッカーに赤いシートのGS30周年記念、フォークやフレームまで全身真っ黒のトリプルブラックなどがありました。

中期型と後期型の見分け方は難しいです。シリンダーヘッドカバーの形状かスロットルボディの色、サイレンサーのバルブの有無で確認できます。

中期型はクリアーレンズにオレンジ球
後期型はLEDウインカー(中期型でも2009年の夏くらい以降の入荷はLEDだったりします)

ここで大雑把に覚えたいポイントは中期は2008~2009の僅か2年間。しかし売れに売れた時代なので中古車のタマ数はある。ふけ上りがマイルドなセッティングでツーリング向け。対して2010~2012(2012の後半に水冷ヘッドの新型デビュー)の後期型はDOHCヘッドでトルクフル、排気音が大きい、ふけ上りが軽やかでスポーティー。そして空冷R1200GSを狙っている人に人気である。…といった感じです。

ハイラインとプレミアムライン

空冷R1200GSの中期、後期型中古車を見ていると「ハイライン」「プレミアムライン」という表記を目にすると思います。ハイラインは日本に正規輸入されるモデルとしてベーシックな装備を持ったものです。インテグラルABS2、グリップヒーター、ハンドガード、リアキャリア、シート下のヘラーソケット電源などを標準装備しています。未確認ですが恐らく本国ではベーシックラインといって更に質素な仕様があるようです。これは日本の中古車市場ではまず見かけることは無いと思います。




プレミアムラインはハイラインの装備に加えて電子制御サスペンションシステムESA、トラクションコントロールASC、OBC(オンボードコンピューター)、クロームメッキエキゾーストなどを装備しています。ASCは砂地やマッドなどでリアタイヤが掘ってしまわないよう制御してくれるもので機能をカットすることも可能です。オンボードコンピューターは気温表示、平均燃費、燃料残に対する走行可能距離、平均速度の表示などがあり便利です。クロームメッキエキゾーストは見た目がカッコイイですが磨く手間をサボると逆に汚く見えます。

電子制御サスペンションESAを標準装備するプレミアムライン
ハイラインに装備される通常のリアサスペンション

R1200GSはキャストホイールが標準でクロススポークホイールはメーカーオプション設定です。R1200GS-ADVENTUREはクロススポークホイールが標準です。一時期、アドベンチャーでもオプションでキャストホイールを選べた時期がありましたが、アドベンチャーでキャストホイールの中古車を探すのは大変です。

見つけた中古車がハイラインかプレミアムラインか、どちらなのか店員さんでも分からない…という場合があると思います。上記のようなオプションは個別でもハイラインに装着できるので例えばハイラインにESAだけ付けた、という個体も無くはないと思います。そこでハイラインとプレミアムラインの確実な判別方法ですが1.左スイッチボックスにESAボタンとASC/ABSボタンがあること 2.オンボードに気温や平均燃費が表示するか 3.エキゾーストがクロームメッキであるか?の3ポイントがそろっていればプレミアムラインと判別していいと思います。

プレミアムラインの左スイッチボックス。上の大きなボタンはオプションの補助ライト。

おススメはどれか?

ここで私の個人的なオススメを書いてみたいと思います。ずばりお勧めは中期型のプレミアムラインでクロススポークホイール仕様です。中期型はセッティングがマイルドでツーリングで扱いやすく音も静か。後期型だと少し急かされるようなフィールで気のせいかヘッド周辺からの微振動も大きいです。燃費やオイル消費も後期型の方が少し悪いと感じます。中期型と後期型の両方を所有している私の意見なので説得力があるかと思います…。

プレミアムラインをお勧めする理由ですがESAはキャンプ装備で走るときに車高を適切に戻せるので重宝します。ASCも何度か助けられたことがありました。OBCも気温の把握や燃費が見れるので便利です。スポークは舗装路での走りでダイレクト感が若干劣りますが、乗り心地がよくオフロードをルーツとするGSのデザインに良く似合うと思います。

中古車ではBMW純正のサイドケース、トップケース、補助ライトキットが既に装着されているものがお買い得です。これらのディーラーオプションは金額にするとかなり高額なものばかりなのです。

次回は中古車を選ぶ際の具体的なチェックポイントを書いてみたいと思います。

お楽しみに~

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