究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、河津桜の写真はもう撮られましたか?私は房総人なので南房総の河津桜「頼朝桜」の写真を今年も撮ってみました。
頼朝桜とはかつて石橋山の戦いに敗れた源頼朝が小舟に乗って房州の竜島(鋸南町)に流れ着き、そこで再起をはかったことに由来するものです。桜自体は河津桜と同じだと思いますが呼び名が房総では「頼朝桜」となり佐久間ダム親水公園や保田川で頼朝桜のお祭りも開催されるのです。
実は去年も保田川で写真を撮ったので今年は同じような写真を撮らないように、進化を確認するぞ!といった感じでハードルを自分で上げて撮影に挑んでみました。

桜に限らず「今日はお花のシーンで撮るかも」という時に迷わずに持っていくレンズはEF70-200mmF2.8L ISです。このレンズは開放F2.8が通しで得られるキャノンの大三元レンズですが、浅い被写界深度をコントロールしボケ具合で花のある風景をイメージ通りに表現できるのです。
で、今回の写真は究極の黄金比と言われるフィボナッチ螺旋構図、またはフィボナッチスパイラルと呼ばれる黄金螺旋構図を採用してみました。
フィボナッチ螺旋構図とはこのような構図です。黄金比(1:1.618)に基づいた比率の曲線です。少々アカデミックな話ですがフィボナッチ数列といい1から始まり前の数字を足していく数列(1.1.2.3.5.8.13.21・・・)があります。この数列を正方形として積み合わせていくと上の青点線のようになり、その交点を曲線でつなぐと何とも神秘的な渦巻き型の曲線ができあがります。
神秘的な…と形容したのは根拠があって、このフィボナッチスパイラルはオウム貝の断面、竜巻、花びら、DNAなど自然界や生物に存在している正に神秘の曲線なのです。

何だか難しく聞こえますが1:1.618だの数列だのを完全に理解する必要はありません。ポイントはフィボナッチスパイラルを何度も見て覚え、実際の撮影シーンで覚えたフィボナッチスパイラルを意識して構図を作るのです。
以前、私はこの構図を知ったばかりの頃「カメラにもグリッド線のようにフィボナッチスパイラルを表示できれば良いのに」と思っていました。しかしそのようなカメラは有るのかもしれませんが稀です。ここ、大事なポイントなのですがフィボナッチスパイラルはグリッド線のように合わせるものではなく、あくまで感覚でつかんでみましょう。人間のDNAにもある神秘の曲線な訳ですから、そういった意味で感覚が最も精度が高いと私は信じております。
実際には難しいです。まずは曲線の要素を探すよりも最初に渦巻の中心にバイクなどのメイン被写体を置いてみます。その上で曲線上に配置できるデザイン要素を見つけてアングルを探り当てていきましょう。
もしフィボナッチ螺旋構図が成功すれば、それはレオナルドダヴィンチなどの芸術作品に通ずる優れた構造を持った写真が実現できる訳です。
ステップアップの1つの目標として次の撮影で挑戦してみてくださいね。今回はこの辺で!!