ツーリング写真☆ビギナーの失敗事例集

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究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、いよいよ3月ですが今月は東京モーターサイクルショーの開催ですね。個人的にはヤマハのテネレ700とホンダのCT125ハンターカブが興味あります。この両者は市販はほぼ間違いないと思いますのでショーでは市販に限りなく近い仕様で展示となるのでは?と予想しております。が、しかし・・・やっぱり中止になっちゃいましたね~とても残念です。

モーターサイクルショー公式はこちら

さて今回は今まで書いたようで書いていなかった<初級>ツーリング写真解説としてビギナーの失敗事例を箇条書きにし、それぞれ解説してみたいと思います。写真全般というよりツーリング写真、バイク写真の撮影における失敗事例集として私がビギナーだった頃を思い出して書いてみたいと思います。

1.ISO感度の戻し忘れ

多くのカメラは前回の撮影設定を保持したまま電源が切れるようになっています。さあ撮るぞ、と電源を入れても前回の撮影でISO感度を戻し忘れていればそのままなのです。明るいシーンで絞り込む訳でもないのに無意味に高感度のまま…帰宅して画像を確認するとノイズで画質が悪い…。こればかりはソフトでは救済のしようがありません。

撮影が終えた時は自分のデフォルト値というのを決めて、忘れずにカメラをデフォルトにして電源を切りましょう。私の場合は絞り優先モード、F5.6、ISO100、AF、アベレージ測光(ISのレンズはONにしておく)がデフォルトです。撮影が終えたら必ずこの設定にして撤収しています。

2.水平を正しく意識していない

一般的に風景写真を撮る上では水平をしっかりと出すことは基本と言われています。ビギナーの方は水平を出そうと思ったが微妙に傾いてしまった、水平を出さねばと縛られている、そもそも水平なんて意識していない…の3通りがあると思います。

カメラのホットシューに装着する水準器は全く意味がない

そもそも写真において水平を出す目的とは写真に安定感を出すことです。海のある風景だからといって海の水平線を完璧に水平にする必要はありません。カメラを置いている地面に対して完璧な水平を出す必要もありません。例えば場合によっては海の水平線を水平にしたらバイクを停めている地面が斜めになる場合も多々あるのです。

大切なことは被写体の安定感です。少し斜めにすると安定する場合もあるので水準器に頼っていると永久に真の安定を出すことができないのです。

この写真はR1200GSにドシっとした安定感を出すための水平を出しました。しかしもう少しカメラアングルを上にすると海の水平線が画面内に入ってきます。そうするとこの角度では水平線は思いっきり斜めです。それを嫌って海の水平線は画面内に入れませんでした。すなわちこの写真は海の水平線に対しても、カメラを置いている地面に対しても全く水平ではないのです。

たった2本のタイヤにか細いサイドスタンドで自立するバイクという乗り物。バイクとは存在自体が今にも倒れそうで不安定なものなのです。それを写真にするときに風景の安定よりもバイクの安定を優先するべきだと私は考えます。一般的な写真の基本は必ずしもバイク写真、ツーリング写真に適応できるとは限らないので注意しましょうね。




雲台に付いている水準器よりも脚についている水準器の方が三脚自体の水平が確認しやすいです

三脚は必ずしも平らな地面で使うとは限りません。手持ちで探り当てたピンポイントなベストアングル。それを三脚で再現させるためにセットする訳ですが、地面が砂地やぬかるんだ泥、斜面や段差だったり、尖った岩の頂点だったりしたときに、三脚自体が安定して立っているのか良く分からない時があります。そんな時に重宝するのが三脚の水準器です。

三脚の水準器は画面の水平を見るものではなく、三脚が倒れないよう安定させる時に使うもの…と私は解釈しています。

この写真の場合は本当に海の水平線をぴったりと水平にして撮った作例です。注目していただきたいのは地面です。海は水平なのに地面と海の境界線は斜めに入りました。ここで皆さまに質問です。このシチュエーションでカメラのホットシューに水準器を取り付けた場合、その水準器は水平を表示するでしょうか??

答えはNOです。水準器が正しく機能する時は水平を出したいラインに対して真正面に構えた時だけなのです。この場合は斜めなので水準器では水平は出せません。

先ほどの作例と違いこの写真くらいバイクが小さいとバイク自体の安定感よりも風景全体の安定感を優先した方が写真として安定します。この作品の主題は空です。空の土台となる部分が海です。土台とは安定感が大事です。ファインダーを覗きながら感覚で水平を出してください。

そう、水平をしっかり出したい場合は感覚で出すしかありません。

たとえビギナーでもここで感覚を鍛えないとずっとこの先も水準器に頼るようなダサいカメラマンになってしまいます。本当に上達したいと願う人であれば水平は感覚だけでビシッと出せるように訓練しましょう。デススターを破壊する作戦の時にルークスカイウォーカーは照準器を使わずフォースで命中させましたよね?「ルーク、フォースを使え!」とオビワンの声が聞こえたあのシーン。あれと同じですよ。

3.ピントが甘い、ピント位置が悪い

ビギナーにありがちなピントに関わるエラーですが原因の多くはAF(オートフォーカス)を過信していることです。まずは組み立てた構図内でどこにピントを合わせるのか最初に明確に決めましょう。バイクならバイク、遠景の山なら山です。

AFを使うのは悪い事ではありませんがAFを使うのであれば過信するのではなくAFを正しく動作させることを意識しましょう。お勧めのやり方は親指AFを活用することです。画面中央など確実なAFエリアで狙った被写体に向けて親指AFボタンを押し込みます。そのまま本来の構図にカメラを移動してシャッターを切ってみましょう。

AF-ON とあるボタンが通称親指AF

親指AFはキャノンであればAEロックの隣あたりにAF-ONと書かれたボタンがあります。通常操作であるシャッターボタンの半押しはAFとAEの両方を行いますが、親指AFはAFのみなので本来撮りたい方向への露出が狂わずに済むのです。

それからピンボケやピント位置が適切でないエラーとはそもそもチェックが甘いのも原因の1つです。少なくともビギナーの間は撮ったら再生ボタンを押し、被写体を拡大表示してピントが正しくきているか必ず確認しましょうね。




4.手ブレ、被写体ブレで明瞭でない

手ブレはカメラホールドが甘いこと、シャッター速度が手持ち撮影に耐えられないほど遅くなった場合に発生します。前者の場合は上手にシャッターが切れるよう練習するしか他にありません。後者の場合はシャッター速度の下限値を自分で決めて、シャッターが遅くなった場合は注意するよう意識しましょう。

多くのカメラはシャッターボタンを半押ししたときに、ファインダー内で露出を表示します。レンズの焦点距離にもよりますが1/100をきった辺りから特に手ブレに気を付けましょう。手ブレは望遠レンズほど顕著で広角レンズではかなりのスローシャッターでも手持ちでいける場合があります。

手持ちの限界を超えるほどシャッターが遅い場合は、三脚などを使ってカメラを固定します。三脚を使用する場合は忘れずにカメラ(レンズ)の手ブレ補正機能をOFFにすること。カメラのシャッターボタンを操作するのではなくワイヤレスレリーズもしくは2秒セルフタイマーを使ってカメラを揺らさないように配慮しましょうね。

そして被写体が生き物であったり、風で木々ぎ揺れていたりとカメラ側を固定してもブレが解決しない状況ではISO感度を上げるか絞りを開いて対処します。

ビギナーにありがちなのは微細なブレの見落としです。撮った画像をただ再生するだけでは良く確認できない微細なブレです。これはピントの時と同様にきちんと拡大表示させて精度よくチェックしましょうね。

5.バイクと風景の割合を2等分した

以前に究極のツーリング写真で何度も解説したことですが、ビギナーさんがついやってしまう平凡なツーリング写真とは愛車と風景(または何かの被写体)の二者の存在感を二等分した構図です。

バイクと船の存在感が等分されている

このように撮るとたちまち主題がボヤけてしまい陳腐な写真の出来あがりです。バイクが主役か風景が主体かどちらか一方が主役であると、誰が見ても明確に分かるよう構図を作りましょう。

もし、どうしても等分してしまうのであれば、もう1つ被写体を探してみてください。3つ揃えば3等分で撮ってOKです。不思議なことに2つを2等分は美的バランスが崩れますが3つを3等分なら成立するのです。5つもOKです。

風景が主体でバイクが副題となるツーリングシーン

ここではビギナーの方向けに2等分は悪ですと書きましたが、何か理由があって意図的に2等分であれば成立します。双子の赤ちゃんとか逆さ富士とかシンメトリーであることを主張するのに2等分はよく使われます。




6.絞り開放でバイクがミニチュア化

一眼レフカメラを買ったばかりの人は背景がボケるのが嬉しくて絞りを解放にしてばかり…。背景がキレイにボケるのが一眼レフの良いところだ~と間違って覚えてしまうと、被写界深度で表現する意味を学ばないままです。

斜めに停めたバイクのヘッドライトにピントを合わせ50mmレンズでカメラディスタンス3mとします。この場合、例えばF1.8だと被写界深度は30cm程度とかなり浅いです。つまりタンク位から後ろはもうボケてしまうのですね。このように撮るとバイクのプラモデルをジオラマに置いてマクロ撮影したような写真が出来上がります。

何でもかんでも解放で撮ってしまうと愛車がミニチュアのようになるので気を付けましょう。何でも解放…は一眼レフを買った最初の1か月で卒業するように。

7.標識や電柱がバイクに串刺し

これも少し前に究極のツーリング写真で解説しましたが、一般に最悪の構図と呼ばれる串刺し構図です。

電柱、標識、街灯、SNSでよく見かけるのは風力発電の風車。これら棒状のものが被写体の中心を矢のように射抜いている構図は本当に最悪だと思います。バイクならまだ良いですが人物だと不吉な写真の出来あがりです。少しバイクをずらすか、カメラ位置をずらすだけで簡単に解決する問題です。

もし何らかの理由で串刺しが避けられない場合は、せめてど真ん中ではなく1/3単位でずらしてみましょう。これだけで被害は激減します。

棒状の物に限らず建物の境界など写真になったときに線になるものも同様なので気を付けましょうね。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

今回はビギナーの方向けに失敗事例という意味で書いてみました。ここで書いたような失敗事例は何か特別な意図があって敢えてやったという事ならOKです。ベテランならわざと手ブレさせて抽象的に表現したり、わざと水平を甘くして不安定感を表現したり、といった具合にセオリーを壊すのは常套手段です。

このようにルールや正解が無いのが写真の楽しさでもあります。しかし「知っているけど無視したよ」と「知らなかったから出来なかった」は似て非なる両者です。まずは手ブレしない、水平を感覚で正確に出すといった基本を出来るように練習してみましょう。もちろん失敗もたくさん撮ってしまいます。そこで失敗を検証すること、次の撮影で前回の失敗を思い出すことも大事だと思います。

このシリーズは今後も機会をみて書いてみたいと思います。

ビギナーの失敗事例集のお話でした!

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