HJCのDS-X1とSHOEIホーネットADVを比較してみた

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究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回はツーリング写真解説ではなく久しぶりにお役立ち情報をいってみたいと思います。今回はシールドタイプのオフロードヘルメット(またはアドベンチャーヘルメットとも呼ばれます)について、新しいものを購入したのでインプレッションしてみたいと思います。

今回、私が新たに購入したヘルメットはこちらでございます。HJC製のアドベンチャーヘルメット DS-X1です。

製品のインプレッションの前に、私の拙い30年のバイクキャリアで愛用してきたヘルメットのお話に触れてみたいと思います。我ながら好きなコトへの記憶力は優秀でして初めて買ったヘルメット アストロRGから現在に至るまで愛用した30個以上のヘルメット、全て銘柄を覚えております。Arai、SHOEIはもちろんOGK、BELL、シューベルト、BMW純正、momoなどメーカーも色々。さらにバイク用品メーカーにいたころは、これらヘルメットメーカーさんともお付き合いがありました。

ここ10年くらいはアドベンチャーバイクをメインに乗っていたのでシールドタイプのオフロードヘルメットは初代ツアークロスが2個、ツアークロス3も2個、BMW純正Enduroが3個、ホーネットADVと使ってきました。これら様々な経験を踏まえた上でHJC DS-X1をインプレッションしてみたいと思います。




今回、私が購入したのはHJC DS-X1のソリッドホワイト XLサイズです。まずなぜDS-X1を購入したのか?という動悸ですが単純にカッコ良かったからです。はじめてDS-X1を見たときに「おおっカッコいいんじゃない?コレ!」といういわゆる一目ぼれでした。特にチンガード周辺のダクトのデザインやバイザーのスリットの入り方など、凝ったディティールが私のハートを掴んだのです。

次にコストパフォーマンスです。ネット上の最安値では今調べる限りですと15000円代です。ツアークロス3やホーネットADVの半分以下の予算で買えてしまいます。

DS-X1はRS TAICHIが輸入販売

HJCは韓国のヘルメットブランドであり、その価格の安さから品質は三流だと言われる風潮がありますが、それは間違いだと思います。どうしても韓国や中国の製品で価格が安いとくると質が悪いと決めつけてしまいがちですが、それは今後は改めたいと…そう感じるのがHJCのヘルメットです。

逸品を見定める目利きであれば、このHJC DS-X1の実物を手に取れば、すぐに一流品であることが分かります。三流品であれば細部のチリが甘かったり、粗悪な素材でコストダウンしていれば、全体の雰囲気から安物オーラが漂うものですが、そのような雰囲気はDS-X1には全くありません。それどころか帽体のディティールは美しくバランスを保っており言われなければAraiやSHOEIの製品だと思ってしまうほどです。

奥はSHOEI ホーネットADV 手前 HJC DS-X1

HJC DS-X1の詳細なインプレッションの前に忘れずに触れておきたいことが1つあります。それはHJC DS-X1はヤマハのアクセサリー部門であるワイズギアに同じものをOEM供給していることです。ワイズギアでの品名はZENITH GIBSON YX-6となり、HJCのロゴがZENITHになっているだけで、あとはカラーバリエーションや細かな部品が違うだけで同じです。個人的な好みの問題ですがカラーバリエーションはパールホワイトなどYX-6の方が魅力的な色が多いと感じました。YX-6は実売価格で18000円くらいだと思います。

私が以前に勤めていたメーカーでも同様に製品をワイズギアにOEM供給していました。当然ですが車両メーカーの系列は品質管理が非常に厳格であり、僅かな問題点でもクリアできない商品では採用には至らないものでした。ましてや人命にかかわるヘルメットであれば、万一事故でもあったときに販売元に責任が問われる訳です。HJC DS-X1がワイズギアの品として採用されている、ただこれだけの理由で信頼できる品物である…と私は思います。

まず私が従来まで愛用していたSHOEI ホーネットADVと並べて眺めてみました。驚いたことに真上から見たこの角度、前後に長いオーバルディティールが殆ど同じなのです。サイズは両者ともXLサイズなのですが、HJCはDS-X1のシェルをデザインする上でホーネットADVのディティールを参考にしたのかもしれませんね。ちなみにAraiツアークロス3は手元には無いので写真が撮れませんが、もっと正球体に近い形状をしています。

先ほども書きましたが帽体のディーティールは後方に向かって流れるような美しくシャープなライン。サイドはゴーグルスタイルとしたときのストラップに合わせた形状と思われます。実に細部まで手の込んだデザインが施されています。

このように3つのスタイルに対応するのはツアークロス3を参考にしたのでしょうか。ちなみにゴーグルは砂埃の激しいオフロード走行では必需ですが、公道で使うとその視界の狭さに恐怖を感じます。ストリートスタイルはカスタムバイクに似合いそうですね。

デザインに関して特にユニークだなと感心したのはシールド下部の形状です。シールドは視界に影響しないよう歪みのないデザインとするべきですが、本体との接合を考えるとつじつま合わせが難しいポイントだと思います。しかしこのようにパースさせてえぐってしまえば問題は解決です。これなら見た目もカッコいいしデザイナーさんは見事に課題の着地点を作ったと思います。




当初、私が一目ぼれしたのはこのチンガード周辺のデザイン。実物もカッコイイですね。ベンチレーションとしての空気の取り入れ口も開閉がしやすく機能的です。

帽体の後方にある気流を整えるスタビライザーはかつてOGKの特許と記憶していましたが現在はどうなんでしょう。DS-X1にも気流を整えるスタビライザーがあり、その内部にヘルメット内の熱気を抜く穴があります。こちらは開閉機能はなく常時開いていますが、進入側を閉めておけば冬でも寒い事はないと思います。

ホーネットADVの後部はこのようになっていて、こちらも排熱部分は開閉しません。しかしホーネットADVのこのマットなグレー。カッコいいのですが虫汚れの掃除が大変です。もう艶消しのヘルメットは二度と買いたくありません。

ホーネットADVとDS-X1を並べて正面から見るとこんな感じです。バイザーがDS-X1がやたら上を向いているように見えますね。これはDS-X1の方がチンガード部分のボリュームがあり、平らな床の上に置いてしまうとヘルメット自体が少し上を向いてしまう為です。

この両者を手に取って比較すると重量の差はほぼ同じで1700g前後です。ツアークロス3はこれより若干重かった記憶があります。

通常、AraiやSHOEI製のヘルメットは帽体はFRPなどのガラス繊維で強化された素材が使われています。対してHJC DS-X1はポリカーボネイトのコンポジットです。ここが日本メーカーとHJCの決定的な相違点と感じました。安全面や機能面でどちらが優れているかは一概に言えませんが、ポリカーボネイトはプラスチックの仲間の中で最も強度に優れた素材です。

小学生の頃、田宮のラジコンカーのボディがABS樹脂からポリカーボネイトに変わった時を思い出しました。トラックの無線を拾ってしまい暴走して壁に激突した私のトムス85Cはタイロッドが折れただけでボディは割れなかったのに驚いたものです。

ポリカーボネイトはしなやかで丈夫な樹脂素材です。

DS-X1の安全規格のマークはPSCとSGマーク。内装を外すとJISマークもあります。

ホーネットADVも同様です。内装を外すとJISマークがあります。ちなみに穂別ティアラは北海道のメロンで美味しいです。




DS-X1の内装。生地は吸汗速乾性に優れていそうな夏向けのザラっとした肌触りです。この質感を「安っぽい」と感じる人もいるかもしれませんが、これはAraiのツアークロス3も同じような感じです。当然、着脱可能で洗濯できます。インカム用に耳の部分にスピーカーホールなる窪みがあるのも抜かり有りません。写真では分かりにくいですがメガネのアームを通しやすいようスリットが入っています。

一方、SHOEI ホーネットADVの内装生地は起毛で肌触りがよく高級感があります。とてもかぶっていて心地よいですが夏は快適とは言えません。こちらもスピーカー用に耳の部分に窪みあります。

DS-X1のアゴひもはラチェット式のバックルタイプで微調整ができます。ラチェット式は苦手な人もいると思いますが、着脱は慣れの問題ではないでしょうか。装着すると少し首に食い込む感じが強く、タンクバッグの地図を見る時など苦しい感じがします。ここは改善の余地ありですね。

ホーネットADVは昔ながらのリング式です。アゴの下から冷気が入らないようチンカーテンが装備されているのは両者とも同じです。

DS-X1を被った感じのサイズ感ですが頬の部分がタイトです。ホーネットADVもDS-X1も表記サイズはXLですが、サイズチャートはワンサイズずれる感じです。Arai、SHOEIでLの人はHJCならXLをチョイスするべきだと思います。

しかし私のようにArai、SHOEIでXLの人はDS-X1でもXLを選ぶしかありません。XXLサイズは無い訳ではないのですが国内の流通では少ないようで前述のような価格で入手するのが難しいです。このまま内装が馴染んで痛みが出ないようであれば良いのですが、解決しないようであればオプションのワイドチークパッドを入手して対策してみたいと思います。

シールドの開閉も精度よく動作しチープさなどは感じません。カコっと開いて4段階で調整でき、閉める時もパチっと気持ちよく閉じてくれます。この辺はツアークロスよりもホーネットADVの方がしっかりしているな!と思っていたのですがDS-X1もホーネットADVに負けないほど良く作り込んであります。

シールド越しの視界も歪みなく良好で視野範囲も広いです。

シールドの曇りを予防するのに絶大な効果のあるピンロックですが、DS-X1もピンロックシートが装着できるよう突起が付いております。私もピンロック信者なので後日、ピンロックシートを入手して装着したいと思います。

走行風による風切り音はアドベンチャーヘルメットとして考えると平均的と言えます。かつてツアークロスを使用していたとき、高速道路で真横に並んだ車を見た時にバイザー周辺から笛吹音が出て驚いたのを記憶しています。DS-X1やホーネットADVではそのような事はありません。

 HJC DS-X1 まとめ

・HJCのヘルメットは3流品などではなく安っぽくもない

・ポリカーボネイト製帽体は美しく重量もライバルと同等

・日本メーカーのライバル製品の半分以下の価格

・サイズは日本メーカーを基準にワンサイズ上を選ぼう

・ワイズギアにOEM供給できるほど信頼性がある。

以上、HJC DS-X1のインプレッションでした!

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