大好きな1つにグッと寄って質感を表現しよう☆<初級>ツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、お正月休みも終わって今日から仕事始まりの方も多いのではないでしょうか?なかなかお正月気分が抜けないものですが気を入れ替えて頑張っていきましょう。

私は年末のお休みに南房総市の「ミカン畑のキャンプサイト」で有名なオレンジ村に行ってきました。2泊したのですが真ん中の1日は雨だったので、タープの下でのんびりと読書をして過ごすことにしました。




読んだ本はこれです。1年くらい前に発売された原田マハさんの「たゆたえども沈まず」です。この本はゴッホとその弟のテオドロス、そして浮世絵をパリに広めた日本人画商のお話なのですが、とても面白かったです。私は絵画に詳しい訳ではありませんがゴッホの生い立ちや印象派の絵画、浮世絵の素晴らしさを知ることができました。究極のツーリング写真の読者の皆さまへオススメできる一冊です。

しかし、この本を読んでふと気が付いたのですが私の撮る写真はどこか浮世絵的なものがあるのかな…または無意識に浮世絵に影響を受けているかな?と感じました。もちろん歴史的な美術に私の写真を関連付けるなど怒られてしまいそうですが、例えば葛飾北斎の富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」では独特のタッチで表現された大波の様子を大胆に螺旋構図で配置し、その遠景に小さく富士山を描いています。富士山は本来であれば大きく堂々と描くものですが、あえて遠景に小さく配置して波との圧倒的な遠近感を作っている手法など、私がよくやる構図でもあります。

2024年度から採用予定の新紙幣 神奈川沖浪裏の1000円札

ちなみに富嶽三十六景は36作品ではなく46作品なのだそうですよ。そして神奈川沖浪裏は2024年度から採用される新紙幣にも採用なのだそうです。素晴らしいですね。

あっそれと関東圏の方は2020年1月19日まで両国の江戸東京博物館で大浮世絵展をやっています。またすぐ近くにすみだ北斎美術館もあるので足を運んでみては如何でしょうか。

さて、前置きが長かったですが今回は久しぶりに<初級>ツーリング写真解説として被写体にグッと寄ってその質感を表現してみましょう、という解説をしてみます。まずはこちらの作例をご覧ください。立ち寄った漁港で撮ったツーリングシーンの1枚ですが、漁港とは漁船や漁具だけでなく、錆びたドラム缶、使い古されたロープ、地面に落ちたペンキ、カラフルな浮きなどユニークな被写体の宝庫であるのは以前にも当ブログで書きましたね。

このシーンでは小型船の船首に積まれていたロープと浮きに私のセンサーが反応を示したのでソレを撮ってみることにしました。こういった色々な物が存在する撮影地では海岸などのシンプルな背景となる場所と違って、きちんと構図を整理する作業が要求されます。それを念頭に置いていつも通りリアルサイドとハートサイドの双方のアプローチで撮影に挑みましょう。




まずリアルサイド(現実の様子)でのアプローチで重要なのは目の前の空間の様子を把握することが1つ、それに基づいて重要なことを決定付けますが何かお分かりでしょうか?そうです焦点距離です。ズーム機能やレンズ交換によって広角でいくか望遠でいくか、はたまた自然な距離感の標準域でいくのかを最初に決めましょう。

次に興味をひいた被写体の大きさやバイクとの位置関係、それからデザイン要素の洗い出しです。小舟の船首部は小さな空間として捉え、R1200GSが停めてある場所まで7~8mといった所です。船体の内側にペイントされたミントグリーン、浮きの黄色がひと際カラフルなデザイン要素として印象的ですね。

次にハートサイド(撮影者の心、感動)を感じ取ってみましょう。ここで写真を撮りたいと思った理由の解明です。漁港に佇む漁船や道具たちは逞しさや強さを感じる存在感、または役目を終えて静かに朽ち果てる時を待つその崇高さに私の旅心が反応しました。

これらリアルサイド、ハートサイドの両者の分析から「小舟の船首に乗せられた漁具達が静かに次の出番を待っていた」と言語化しソレをツーリング先で出会った風景として作品化すれば良い訳ですね。

主題が船首に積まれた漁具と決まったので脳内にイメージ写真を描いてみましょう。こんな風に撮りたい、こんな風に写るであろう…という空想の写真です。焦点距離はこの場合は28mmを選択・・・というか単焦点のRICOH GRなのでこの時はその他に選択肢はありませんが。

そしてセオリーに従ってグッと主題に寄って1枚撮ってみましょう。偶然ですがデザイン上で存在感の強い舫をつなぐ杭のような物ですが、これが上手いこと三分割構図で決まりました。




しかし、これで本当に伝えたいことが伝わるでしょうか?当初に脳内に描いた写真イメージの通りになりましたか?この寄って撮った1枚を検証して何度も自問してみましょう。「本当にこれでいいか?これで心の底から納得できたか?」と。

「何かが足りない、何か小さな違和感がある、釈然としない、まあまあなんだけど…」そう感じたら絶対に撮影をやめてはいけません。この場合の答えは次のようになります。以前も究極のツーリング写真で解説しましたが、このように前景を作った写真で重要なのは、その前景となる被写体の質感の表現です。このままだと主題であるロープや浮きの質感が十分に伝わりません。

 

船首に置かれたロープの様子を意識してさらに寄った1枚がこれです。舫をつなぐ杭が日の丸の位置に突き刺さる構図で絶対的な安定が出ました。先ほどの写真と比較してみて下さい。

質感とはあたかも手で触れた時の感触が伝わってくるような表現のことです。もし寄っただけでは十分に質感が出ない場合は、後でレタッチで調整してみましょう。

この作品の場合はLightroomでロープと浮きの部分を選択し・明瞭度・コントラスト・テクスチャ(Lightroom Classicの場合)を調整してイメージに近づけます。やり過ぎに注意ですが何らかの理由で大幅にスライダーを動かした場合は、選択範囲以外は手を加えないのがポイントです。この作品もそうです。

ちょっとレタッチの内容が入ってしまい、やや初級向けではない内容になってしまいましたが、まとめると最も魅力的だと感じた部分、自分が大好きなコトにしっかり寄って、その様子を表現しましょう!という極めてシンプルなことを解説してみました。

私が今年の写真活動で取り組みたい1つとして「好き」の追求があります。自分が目指す「いい写真」に深く関わるのが「自分はこうゆうの好き!」という個人的な好みなのでは?と思うのです。

おっと…つい長くなってしまったので、今回はこの辺で!!!

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