R1200GSヘッドライトバルブの選び方とバルブ交換方法

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、だいぶ寒くなってきましたがバイクのタイヤ空気圧など愛車の点検は万全でしょうか?

今回はR1200GSのメンテナンス・・・とまではいかないまでも、オーナーであれば誰でも出来るようにしておきたいヘッドライトバルブの交換方法、そしてヘッドライトバルブの選び方について解説してみたいと思います。

空冷R1200GSのヘッドライトはHI/LOともにH7バルブを使用した2灯式です。右の大きい方がLOビーム、左の小さい方がHIビームです。HIビームに切り替えたりパッシングしてもLOは消えないタイプなのはユーザー車検の解説でも触れましたね。

HI/LOビーム共にH7バルブという事はツーリング先でLOビームが切れた場合、HIのものを移植するという業が使えます。しかし簡単とはいえ細かな作業です。既に夜になっている時や自信のない方はツーリング先で替えるのはお勧めしません。

もしバルブ切れを起こすとR1200GSのCAN-BUSシステムによりオンボードディスプレイにこのように「LAMPF!」と表示されます。これはヘッドライトかどこかのランプ切れを意味します。ポジション球などでもこのように表示します。

メインCPUからライト類、オルタネーター、バッテリー、ABSコントロールユニット、燃料ポンプ、スイッチ類などがバス停のように配置されているCAN-BUSとSWSシステム。

R1200GSを含め現代のBMWバイクの電装系は個々の負荷に+-を配線するものではなく、1本のケーブルをループ状に配線し相互通信で一括管理する仕組みになっています。これによりバルブ切れやユニットの故障などを中枢CPUで把握できるという優れモノです。最初に採用されたのは20年以上前の850iだそうですがワイヤーハーネスだけで50㎏も軽量化できたのだとか。それを最初に聞いた時に自動車用ワイヤーハーネスを製造している会社に勤務していた私としては、部品メーカーの儲けが減ったな…などと感じてしまいましたが。

このCAN-BUS、一見するとメリットしかないようですが社外の電装品を勝手に割り込ませたり、LEDのバルブに変えたりすると本来の抵抗値と違うためエラー表示が出てしまいます。エラーが出ないようにするにはディーラーにあるMOSS-PCに接続してコーデックする必要がありますが、ZUMOなどのBMW純正アクセサリー以外はディーラーではコーデックしてくれません。LEDバルブでもポジション用などではエラーの出ないCAN-BUSキャンセラー付きというのが売っていますが、電力量のつじつまを合わせるダミー抵抗が装着されているだけです。省電力であるLEDのメリットが無くなり本末転倒です。




さてバルブ交換の前に用意すべき物の準備です。交換用のバルブはカー用品店で売っている一般的なものでH7バルブです。交換作業に工具は要りません。ハロゲン球は通電すると大変高温になるため、ガラス管に皮脂油などの汚れが付着しないよう注意するのがポイントです。新品のバルブは工場出荷時に洗浄済みだとは思いますが、念のためカメラのセンサー清掃に使用するアルコール(無水エタノール)、シルボン紙を使ってガラス管を脱脂清掃しましょう。

H7バルブは一般的なので様々なものがマーケットに存在します。ここで1つ…悪いことはいいません。強く推奨したいバルブは小糸やPIAAなどの一般的なメーカーによる普通のクリアーバルブがお勧めです!

むかし流行ったHIDのように青白い色温度の物はガラス管にコーティングが施された製品ですが、明るく感じるだけで実際は暗いです。数値的な明るさはクリアーが一番明るく、そしてクリアーが一番信頼性が高く価格も安いです。また一部のコーティングバルブは発熱量も多く、BMWのリフレクターの樹脂を溶かしてしまうものも存在します。

バイク用として売られている物も買う必要ありません。ハロゲン球は構造上フィラメントが振動に弱いです。そこでバイク用ハロゲン球は振動に強く作られている、と製品に書いてありますし多くの消費者はそれを信用しています…が…ソレはたぶん嘘だと思います。以前に有名なメーカー製のバイク用のH7バルブを使いましたが早い物で1か月、持っても半年程度で4本くらいそんな物が続いて「もうバイク用は買わない!」と心に誓いました。そして4輪用の普通のH7バルブを使用したら5年も持ったのです。

振動云々よりむしろバルブに供給される電圧の方が心配ゴトでして、R1200GSの場合はエンジン回転数に関係なく安定した明るさを出すために、13~14Vくらいの電圧がかかっていると思います。バイク用コーティングバルブが早期に切れてしまった原因は高電圧によりコーティング部が発熱して起きた可能性もあります。とにかく信頼性の高い普通のメーカー製の普通のクリアーH7を使いましょう。

青白く光ってカッコいいけど、暗くてすぐ切れるコーティングバルブ。値段も高いし光量不足で車検にも通らないしで良い事がありません。

高いお金を出して暗く耐久性の無い物を買うほど馬鹿らしい事はありません。HIビーム側にそのような物を装着すれば車検も不合格になります。今回用意した小糸のH7クリアーはネット通販で1110円でした。たぶんこれも5年くらい持つと思います。

ではLOビーム側を例に交換作業を解説いたします。まず地面が平らな場所(小さな部品を落とすかもしれないので)を選び、いつも通りメインスタンドで車体を垂直にします。LOの作業の場合はハンドルを右に切ってスペースを確保します。

ピンクの枠で囲った部分にLOビーム側のヘッドライトバルブがあります。この丸いカバーは防水のキャップです。

まずはクチバシの下から手を入れてこの丸い防水キャップを左に回して外します。

バルブとコネクターが見えました。




まずバルブを外す前に最初の状態をよく見ておきましょう。逆になることはあり得ませんが茶色が上、黄色が下。そしてバルブを留めている針金状のピンを確認しましょう。後になって最初にどう付いていたのか悩まないように。

バルブにささっているコネクターを外します。まっすぐ引き抜けば普通に外れます。グイグイやらないように。

バルブを留めている針金状のものはこのようにツマミ部分を指で洗濯ばさみを開けるように押してやると解放されます。この写真ではちょうど配線の陰に隠れていますがプラスネジで固定されている部分を軸に扉のように開く感じです。

しかしこの針金状の固定金具は少し変に触れただけでポロンと落ちてしまいます。先ほど平らな場所で作業しましょう、と書いたのはよくコレを地面に落としてしまうからです。

古いバルブをとります。

これもブルー系のコーティングバルブですがIPFの4輪用で5年ほど持ってくれました。2個入りでセール品だったのですごくお買い得だった記憶があります。コーティングバルブでもLOビーム側で使う限り車検で落ちることはありません。しかしお勧めはクドいようですがクリアーです。

スキーをやる人や雪国の人はライトの色温度がシビアなことを知っています。降雪時や濃霧など天候の変化に最も強いのはクリアーバルブでホワイトやブルー系は普通の雨ですら吸収されて見にくいのです。




交換する新たなH7バルブはガラス管をアルコールで丁寧に脱脂洗浄しましょう。

ここでワンポイント。取り付ける向きは矢印の部分が真上になります。

バルブの先端を当てたりガラス部を指で触れたりしないよう慎重にバルブを装着して固定します。この作業は私のように手が大きい人にはチョット苦しいです。焦らずゆっくり慎重に!

コネクターを差し込みます。

蓋を装着します。

最後までしっかりと締め切ってください。ここは防水を保つ部分です。

エンジンを始動して点灯確認をしてみましょう。オンボードディスプレイのLAMPF!の表示も消えるはずです。

もしHIビーム側を作業した場合、たかがバルブ交換作業でも光軸は微妙に狂ってしまうものです。次回の車検時にテスター屋さんで調整してもらいましょう。ちなみにこの写真の時、私はうっかりコーティングバルブをHI側に入れているのを忘れてユーザー車検に来てしまいました。光軸テスター機で測定した結果、25000cdくらいはないと検査に通らないのですが6000cdくらいしか出ず話になりませんでした。慌てて近所のオートバックスでクリアーのH7に交換したら一発でOKでした。

以上、手先が不器用で細かい作業は苦手だ…という人には難しく感じるかもしれませんが、ロングツーリングで切れた場合はカー用品店でH7を買ってくれば自分でトラブルを復旧できる訳です。

ぜひ挑戦してみてくださいね。

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