最強の導線【S字曲線】でツーリング写真に視線誘導を作ってみよう

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究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、だいぶ冷え込んできましたがツーリングに行かれていますか?寒いと朝がしんどいですが、寒い日ならではの美しい景色が待っているので、頑張って早起きしてツーリングに出かけてみましょう。

それと寒いと空冷エンジンの調子もいいですしね。しかし北国では積雪の便りも聞こえてきますので、シーズンアウトの準備も忙しいかと思います。鉄タンクのバイクの人はタンク内が錆びないようガソリンを満タンにして、バッテリーのマイナスケーブルを外して…来年の春まで準備万端に。

以前、10年ほどのキャリアですがスノーボードをしていたので雪国は憧れますが住むのは本当に大変だなと思います。




さて今回は<中級>ツーリング写真解説として写真デザインの1つである【線】について、作例を元に詳細な解説をしてみたいと思います。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

この作品は先日、岩手の安比高原まで走った時に林道で撮った1枚です。砂利ダートの先にバイク+ライダー、そして遠景には紅葉した山といった構成です。使用したレンズはキャノンの大三元の1つEF70-200mmF2.8L ISで焦点距離はテレ端の200mm、望遠レンズの圧縮効果を利用し印象を狙った構図です。

絞りは画面の下側1/3のエリアのボケ具合を調整してF4を選択。この辺は中級者以上の方でしたら説明不要ですよね。バイクの存在感を落とし過ぎないようハザードランプと補助ライトを点灯させてみました。ライダーのポージングは後方を振り返るポーズでミラーに写った美しい紅葉の様子を、バイクを停めて振り返って見るというSTORY性を演出してみました。SHOEIホーネットADVやAraiのツアークロスなどバイザーの付いたオフ系ヘルメットだと、ライダーの視線の方向を強調してくれる効果があります。

写真におけるデザイン要素とは線、色、図形、質感、立体感、規則的なパターン、ディティール、シェイプ、リズミカルな連続、光と影などありますが、中でも印象として効果が大きいのは線と色です。線には直線、曲線、ジグザグ線などがあり写真を見た観賞者が最初に画面内で走らせる視線を誘導する効果があります。中でもS字曲線は最も視線を楽しませる最強の導線効果をもっています。




この作品の場合はこのように画面の角から導線を進入させ、S字曲線の中間に被写体(バイク+ライダー)を通過して遠景にのびていきます。このように線を使った導線効果は画面の四隅角から入れると最も効果が大きくなります。

写真の観賞者は写真をパッと見た瞬間に無意識下に写真内で視線を上下左右と動かし、まずは目で写真を楽しみます。視線誘導は必ず必要という訳ではありませんが、視線を安定させる何かしらの要素が写真中に無いと観賞者の視線は不安定に泳いでしまい「この作品には自分の関心の対象は写っていない」と判断されてしまいます。

では実際の撮影シーンで導線効果を写真に盛り込むにはどうしたら良いでしょうか?最も簡単な見つけ方は道、遠景や空との境界、木や建物といった垂直線です。まずはこういった使えそうな素材を見つけ、意識してアングルを探ってみましょう。肉眼で見た感じではS字を見つけられなくても望遠や広角レンズを使用することでS字が成立する場合もあります。




こういった線や導線といった写真のデザイン要素は重要ではありますが、あくまで写真の骨格というか基礎工事のようなものです。本当に大切なものは撮影者が感動したこと、目撃した事実などを撮影者なりに表現することですが、しっかりした基礎の中にソレが入っていればさらに良作になりえるのではないでしょうか…というのが写真デザインです。

写真デザインにおける線の効果、S字曲線の解説でした。

今回はこの辺で!!

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