前回の投稿よりR1200GSのプラグ交換方法を解説しています。2008~2009年の中期型のR1200GSで解説しています。投稿の容量の関係で1回で終わりませんでしたが、前回までがプライマリー側プラグ、今回はセカンダリー側のプラグ交換方法です。
揃えるべきプラグや工具など、前回のこちらをご参照下さい。
ではR1200GSセカンダリー側のプラグ交換方法です。
不完全燃焼ガスを燃やして排ガスをクリーンにする目的のセカンダリー側プラグは補助的な役割ですので、こんな辺鄙な場所に装着されています。見えずらい場所なのでライトを地面に置いて作業することをお勧めします。
まずダイレクトイグニッションコイルのカバーを外します。こちらはトルクスのT30で1か所の固定ボルト外します。すぐ隣にO2センサーの配線が通っているので注意してください。ちなみにアドベンチャー用シリンダーヘッドガードを装着していない人の場合は、手前側にもう一か所、T30のボルトで固定されていると思います。シリンダーヘッドガードとセカンダリー側ダイレクトイグニッションコイルのカバーは共締めされているのです。
ボルト1本(または2本)でカバーは外れますが、このカバーにO2センサーの配線が固定されているのでカバーを引っ張ったりしないように。
プライマリー側の時と違ってダイレクトイグニッションコイルが露出しているので作業性は良好です。
手で下に引っ張るだけですが場合によってはゴムがへばり付いて、なかなか抜けない場合があります。その場合は一度、プライマリー側の時と同様にダイレクトイグニッションコイルに接続されている配線を抜いてから作業しましょう。グイグイ引っ張って勢いよく抜けた時に配線をブチ切ってしまう恐れがあるからです。
コイルを外すとプラグの頭が見えます。
プラグレンチをラチェットハンドルに装着し古いプラグを緩めましょう。今回はエクステンションは不要です。
左がプライマリー側で使用していたプラグ、右がセカンダリー側で使用していたプラグ。このようにセカンダリーの方がカーボン汚れが多く付着しますが、これで正常です。主役のプライマリー側と違ってあくまで汚れ仕事を担っている証でもあります。
ではプライマリー側の時と同様にまずはプラグレンチに新品プラグをのせて手で絞めていきましょう。
いきなりラチェットハンドルを使うのではなく、まずは手でクルクルと回しスムーズに回転するのを確認しながら締め込んでいきます。プライマリー側の時と同様ですね。
デジラチェを使って指定トルク20N・mで締結します。この角度だとデジラチェの液晶が見えないのでプリセットしてアラーム音で判断しましょう。
ダイレクトイグニッションコイルを取り付けます。端子にプラグの先端がしっかりと入ると「コクッ」という感触が手に伝わってきます。ちゃんと入っていないとコイルの先端がブラブラと動くのでよく確認しましょう。
外す時に配線も抜いた場合は忘れずに配線のコネクターを差し込んで下さい。
ダイレクトイグニッションコイルのカバーをトルクスT30でボルトを固定します。ボルトを斜めに入れないように注意して下さい。この写真・・・露出オーバーだな。
ここまででセカンダリー側のプラグ交換作業は完了です。
後は最初に外したアドベンチャー用のシリンダーヘッドカバーの取り付けです。R1200GSでヘッドカバーに何もガード類を付けていない人はこの作業はありません。
ボルト、ワッシャー、シリンダーヘッドガード本体、スペーサーの順番です。スペーサーやワッシャーを紛失しないように気を付けましょう。
下側の1本はダイレクトイグニッションコイルのカバーと共締めです。ボルト、ワッシャー、シリンダーヘッドガード本体、スペーサー、カバー内の金属の黒ワッシャーの順番です。
R1200GSプラグ交換手順の解説は以上です。解説では右バンクでしたが左バンク側で全く同じ作業をして全ての作業が完了です。念のためエンジンを始動して始動性やアイドリングの安定などに問題がないか確認をしましょう。
今回、交換したスパークプラグは新車時に装着されているメーカー指定 NGK DCPR8EKCを使用しましたが、他の銘柄の互換品は例え性能が良いと評判のものでもお勧めいたしません。交換直後は性能の効果が体感できても長くは持たないです。ネット上の情報ですと1万kmも使用しないで始動性が低下したり、アイドリングが不安定になったりと良い噂を聞かないです。DCPR8EKCは私の2008’R1200GSで11年以上も愛用してきましたが(今回の交換で2回目)、不調をまねいたことは一度もないので純正はやはり信頼できると思います。マイナスが2極あるのも4万キロ持続できるロングライフの理由なんだと思います。
それと車検でノーマルマフラーであるにも関わらず排ガス濃度で落ちた場合はセカンダリー側のプラグが機能していない場合があるので、その場合は今回ご紹介した作業手順でプラグの点検をしてみましょう。
プラグ交換と関係ありませんがマンションや集合住宅などガレージの無い環境の方は、作業できる場所まで離れていると思います。作業に必要な工具やパーツをこのようなツールバッグに入れて行くと便利ですよ。電気工事屋さんがよく使っているヤツです。ホームセンターで安く売っていますよ~