バイク写真☆7つのお悩みスッキリ解決【後編】

前回よりバイク写真、ツーリング写真の撮り方における7つのお悩みスッキリ解決と題してQ&A形式で解説をしております。今回はその続きで【後編】となります。

バイク写真☆7つのお悩みスッキリ解決【前編】はこちら

バイク写真☆7つのお悩みスッキリ解決【中編】はこちら

6.逆光で撮ると写真が暗くなっちゃう

「あーその向きだと逆光になっちゃう」「逆光で撮ったらダメでしょ」というお話は本当によく聞きます。旅行先での記念写真で人物を逆光で撮ると顔が真っ暗…これはカメラの評価測光に任せて撮った結果であり、逆光がいけない訳ではありません。

EOS6D Mark2 + EF70-200mmF2.8L

逆光のシーンで諦めなくてはいけないのは爽やかな青空、地上物なら鮮やかな色彩などです。それ以外はツーリング写真においては良いことばかりです。逆光でとらえることで被写体に輝きを与え、豊かなコントラストでドラマチックな印象作品が狙えるのです。

ただ1つ、やらなければいけないことは露出補正です。露出は写真の明るさを決める重要なことですが、現代の多くのカメラは自動で適正(であろう)露出を決める機能があります。しかしこの自動露出(AE)は画面全体の平均などでコンピューターが計算するもので、撮影者が期待する芸術的な表現などは当然のように反映させません(アップルやIBMがカメラを作るようになったら分かりませんが)。逆光の時はAEが決めた露出に対して積極的に露出補正してイメージに近づけましょう。




東京湾の夕景

逆光で撮るとレンズフレア、ゴーストといった一般的には歓迎されない画質低下の現象が発生します。個人的にはフレアやゴーストはダメと決めるのではなく写真らしい演出の1つとして使えないか熟考の余地はあると思います。簡単に言ってしまえば好みであればゴーストが出ても歓迎すべきだと思います。

それと太陽にレンズを向けてはいけない…というのも思い込みですので、上の作例のように太陽が画面内に入るようなシーンにも果敢に挑戦してくださいね。失敗作を恐れてはいけません。

ここまで説明すれば逆光はダメではなく、むしろドラマチックなツーリングシーンを演出する最高のシチュエーションであることはお分かり頂けたと思います。しかし自分が撮りたいと感じた情景の方向に対して太陽の向きをすぐに変えることはできません。このシーンをどうしても逆光で撮りたいとなったら、時間帯や季節を変えて出直すしかありません。

7.画像のレタッチっていけないの?

デジタルカメラで撮った写真をパソコンに取り込んでイメージに近づけるための再編集、それがレタッチです。今ではもう知れ渡っているのでレタッチを驚く人はいませんが、以前と変わらず「レタッチはインチキである」的な意見が聞こえてきます。

インチキかそうでないかは誰にもジャッジできる権利はありませんが、私の場合は多くの作品でLightroomというソフトを使用して何らかのレタッチを施しています。特に天の川や星景写真ではLightroomの【かすみの除去】という機能で天の川を明瞭に仕上げているので必須とも言えます。

レタッチについては人それぞれの考え方がありますが、私は当初の撮影シーンで「こう撮りたい」と作ったイメージにより近づける仕上げ作業と認識しています。「より近づける」とはカメラでは無しえなかった部分を帰宅後にLightroomで仕上げるという意味です。

全てのデジタルカメラはCCDやCMOSといったイメージセンサーが受けたデータを最初はRAW(生)として受けます。そのRAWのデータをデジカメ内のCPU(現像エンジンなど呼ばれる)で現状処理を施してJPEGに圧縮した画像データが完成します。この過程では現像エンジンはレタッチと同じようなことを自動でやってくれます。

入門機カメラによく付いているシーンモードは、この現像エンジンが風景なら青や緑を鮮やかに、人物なら肌を少し赤みをつけて…といった具合にRAWからJPEGに現像する際のレシピを調整しているのです。つまりJPEGモードで記録している限り、カメラにレタッチをお任せしている、という事なのですね。

ネット上やSNSなどで思わず目を背けたくなるような過度なレタッチ写真は確かにあります(近年は減少傾向ですが)。例えば地面や人の顔までピンクになった桜の風景写真や絵みたいに見えるほどシャドウリフトさせた写真などがそうです。

こういった過度なレタッチ写真はベテランほど抵抗感を感じ、写真の見識が浅い人にとってはキレイな写真と見える傾向があるようです。過度なレタッチ写真が一時期にネット上で蔓延したことで「レタッチは邪道である」的な意見も目立つようになりました。




カメラにはダイナミックレンジといって写せる光の範囲が限られている、という事を以前も記事にしましたが、デジカメの当初の画像(再生ボタンを押してディスプレイに表示する画像)はダイナミックレンジの範囲の全てを写真にできていません。その最たる例が天の川です。殆ど画像に出ていなかった天の川が【かすみの除去機能】で明らかにされるのは、紛れもなくカメラが写していた天の川なのです。それをレタッチで明らかにする調整は果たしてインチキでしょうか?

上の夕陽の作品は明暗差の大きいシーンを明るい部分、暗い部分で個別に露出を調整した作業例です。本来、撮影時のままですと夕陽に露出を合わせればバイクは真っ暗、バイクが分かるように露出設定すれば夕陽は明るすぎて雰囲気が出ません。それを個別で調整してイメージに近づけました。これはインチキでしょうか?

リコー GR APS-C

ここまで書けばもう多くの方がご理解できたと思います。レタッチはインチキではありません。写真に対する理解を深めている人であれば、脚色などではなく節度ある使用ができるはずですね。

多くの写真コンテストなどで「過度なレタッチや加工は禁止」というのを見かけます。ある物を消したり無い物を加えたりといった切った貼ったも禁止しているのを見かけます。「さすがに切った貼ったはマズいだろ」と思う方もおられると思いますが、それとてモンタージュ写真、コラージュ写真という列記とした写真ジャンルが存在しているのです。ただ今の時代には流行っていないだけなんですね。(モンタージュを聞いて太陽に吠えろを思い出した人は40~50代!)

当初に「こう撮りたい」と作ったイメージに近づける仕上げ作業なのか、単なる自身の写真を目立たせようと脚色した作業なのかでレタッチの存在価値は大きく変わってきます。

雨の宗谷国道

レタッチの大切なポイントは一通りの作業を終えたあとに作業前と作業後の画像を表示し、レタッチに過不足がないか慎重にチェックすることです。やり過ぎはもちろんいけませんが、遠慮し過ぎも勿体ないことです。また発表する場に合わせて仕上げを変えたり、プリントサイズや紙質によって調整したりもします。

夜に書いたラブレターが恥ずかしい内容なのと同じように、翌日に改めてチェックするのも悪くありません。撮影日から数か月や数年といった一定の冷却期間をおいて改めてレタッチするのも素晴らしい発見があります。




・さいごに

いかがでしたか?私が周囲の人たちによく質問を受ける、写真についての様々なことをQ&A形式で7つにまとめてみました。いい写真を撮りたい!というのは多くの人の共通の願いですが【いい写真】を定義するのは簡単ではありません。私個人は「いい写真とは常に見る側が主観的に決めるもので撮る側としては永遠のテーマ」と考えています。いい写真を実現するには何より写真が好きであること、写真の素晴らしさを知り被写体と理解を深めることだと思います。結局は「いい写真が撮りたい!」という熱意がいちばん大切なのかもしれませんね。

今回はこの辺で!!

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